JP4419139B2 - 奥行き信号生成装置、奥行き信号生成プログラム、擬似立体画像生成装置、及び擬似立体画像生成プログラム - Google Patents
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Description
立体表示システムにおいては、非立体画像の擬似立体視による鑑賞を可能にするために、通常の静止画もしくは動画、即ち立体を表す為の奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない画像(非立体画像)から、擬似的な立体化画像を生成する処理が行われる。
さらに、非立体画像をブロック状に分割し、それぞれについて輝度積算、高周波成分積算、輝度コントラスト算出、彩度積算の計算を行うことにより画像の奥行き量を推定する手法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
Y.Horry, K.Anjyo, K.Arai:"Tour Into the Picture:Using a Spidery Mesh Interface to Make Animation from a Single Image",SIGGRAPH'97 Proceedings,pp.225-232(1997) C.Tomasi and T.Kanade: "Shape and Motion from Image Streams under Orthography: A Factorization Method", Int. Journal of Computer Vision.Vol.9,No.2, pp.137-154(1992)
また遠近法的な構造推定が適合する場合であっても自動的に正しい奥行き構造モデルを構成して違和感の無い立体視を実現させることは容易ではない。
本発明は、高速処理を必要とする動画像間の相関性を用いずに、独立した1枚の画面内の情報のみを用いて、かつ簡便な処理によって、自然な擬似立体画像を生成することを可能とするための、奥行き信号生成装置、及び奥行き信号生成プログラム、擬似立体画像生成装置、擬似立体画像生成プログラムを提供することを目的とする。
(1)奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない非立体画像から擬似立体映像を生成するための奥行き信号を生成する奥行き信号生成装置であって、
基本となる複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを記憶する、及び/又は所定の計算式より算出して得る複数の基本奥行きモデルを記憶する記憶手段(6、7、8)と、
入力する前記非立体画像の画像サイズを前記基本奥行きモデルの画像サイズと同一になるようにスケーリングする第一のスケーリング手段(2)と、
前記第一のスケーリング手段にてスケーリングした非立体画像の画面内の所定領域における画素値の統計量を算出して、前記複数の基本奥行きモデルの合成比率を決定する合成比率決定手段(3、4、5)と、
前記記憶手段から読み出した前記複数の基本奥行きモデルを、前記合成比率決定手段により決定した値に応じた合成比率で合成して合成基本奥行きモデルを生成する合成手段(9)と、
前記合成手段により合成した合成基本奥行きモデルと、前記第一のスケーリング手段によりスケーリングした非立体画像を用いて奥行き信号を生成する奥行き信号生成手段(10)と、
前記奥行き信号生成手段にて生成した前記奥行き信号の画像サイズを、前記入力する非立体画像の画像サイズと同一になるようにスケーリングする第二のスケーリング手段(11)と、
を有することを特徴とする奥行き信号生成装置。
(2)奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない非立体画像から擬似立体画像を生成する擬似立体画像生成装置であって、
上記(1)に記載の奥行き信号生成装置の第二のスケーリング手段から供給するスケーリングした奥行き信号に応じて前記非立体画像のテクスチャのシフトを対応部分の奥行きに応じた量だけ行うことによって左目用画像および/または右目用画像となる別視点画像を生成する別視点画像生成手段(12、13、14)を有し、
前記別視点画像生成手段により生成した別視点画像と、前記非立体画像との一方を左目用画像とし、他方を右目用画像として出力することを特徴とする擬似立体画像生成装置。
(3)奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない非立体画像から擬似立体映像を生成するための奥行き信号を生成する機能をコンピュータに実現させる奥行き信号生成プログラムであって、
入力する前記非立体画像の画像サイズを前記基本奥行きモデルの画像サイズと同一になるようにスケーリングする第一のスケーリング機能(S2)と、
前記第一のスケーリング機能にてスケーリングした非立体画像の画面内の所定領域における画素値の統計量を算出して、前記複数の基本奥行きモデルの合成比率を決定する合成比率決定機能(S3、S4、S5)と、
擬似立体画像を生成するための基本となり所定の計算式で求められる、複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを、前記合成比率決定機能により決定した値に応じた合成比率で合成して合成基本奥行きモデルを生成する合成機能(S6)と、
前記合成機能により合成した合成基本奥行きモデルと、前記第一のスケーリング機能によりスケーリングした非立体画像を用いて、奥行き信号を生成する奥行き信号生成機能(S7)と、
前記奥行き信号生成機能にて生成した前記奥行き信号の画像サイズを、前記入力する非立体画像の画像サイズと同一になるようにスケーリングする第二のスケーリング機能(S8)と、
をコンピュータに実現させる奥行き信号生成プログラム。
(4)奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない非立体画像から擬似立体画像を生成する機能をコンピュータに実現させる擬似立体画像生成プログラムであって、
上記(3)に記載の奥行き信号生成プログラムの第二のスケーリング機能から供給するスケーリングした奥行き信号に応じて前記非立体画像のテクスチャのシフトを対応部分の奥行きに応じた量だけ行うことによって左目用画像および/または右目用画像となる別視点画像を生成する別視点画像生成機能(S9、S10、S11)を有し、
前記別視点画像生成機能により生成した別視点画像と前記非立体画像との一方を左目用画像とし、他方を右目用画像として出力する機能をコンピュータに実現させる擬似立体画像生成プログラム。
更に、画像を明確なブロックとして分けずに奥行き信号を生成するので、各ブロックの境界付近で不自然な立体画像となること無しに自然な擬似立体映像を得るための奥行き信号を生成することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。図1は本発明の、奥行き信号生成装置、及び前記奥行き信号生成装置を内部に備える擬似立体画像生成装置の一実施の形態のブロック図である。また、図2は本発明の、奥行き信号生成装置を含んだ擬似立体画像生成装置の一実施の形態の処理の流れを示すフローチャートである。
<基本奥行きモデル>
ここで、基本奥行きモデルについて説明する。
[タイプA]
基本奥行きモデルタイプAは、図3の座標系によれば各画素毎の奥行き量zは数式1で表される。rは球の半径、wは基本奥行きモデルAの画像の水平サイズ、hは基本奥行きモデルAの画像の垂直サイズであるとする。
この基本奥行きモデルタイプAでこのような凹面を使用する理由は、基本的にオブジェクトが存在しないシーンにおいては画面中央を一番遠距離に設定することにより違和感の少ない立体感及び適度な奥行き感が得られるからである。基本奥行きモデルタイプAが使用されるシーン構成の一例として、図6のようなシーンがあげられる。
[タイプB]
基本奥行きモデルタイプBは、図3の座標系によれば各画素毎の奥行き量zは数式2で表される。rは円筒、及び球の半径、wはモデル画像の水平サイズ、hはモデル画像の垂直サイズである。
[タイプC]
基本奥行きモデルタイプCは、図3の座標系によれば各画素毎の奥行き量zは数式3で表される。rは円筒の半径、wはモデル画像の水平サイズ、hはモデル画像の垂直サイズである。
<処理の詳細説明>
<奥行き信号生成装置>
次に、図1の実施の形態の動作について図2のフローチャートと共に詳細に説明する。まず、画像入力部1に擬似立体化を行う対象の非立体画像を入力する(ステップS1)。この非立体画像は、通常の静止画もしくは動画、即ち画像の奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない非立体画像で、例えば、8ビットで量子化されている画像データである。また、この入力画像の画像サイズは、例えば、水平1280画素、垂直960画素とする。
(top_act−tps):(tpl−top_act)
の比率で基本奥行きモデルタイプA(TypeA)と基本奥行きモデルタイプB(TypeB)の合成比率を決定する。すなわち、TypeA/Bの合成比率は、基本奥行きモデルタイプC(TypeC)は使用せず、
TypeA:TypeB:TypeC =
(top_act−tps):(tpl−top_act):0
で合成比率を決定する。
(bottom_act−bms):(bml−bottom_act)
の比率で基本奥行きモデルタイプBと基本奥行きモデルタイプCの合成比率を決定し、基本奥行きモデルタイプAと基本奥行きモデルタイプCの合成比率を決定する。すなわち、TypeB/Cの合成比率は、基本奥行きモデルタイプA(TypeA)は使用せず、
TypeA:TypeB:TypeC =
0:(bottom_act−bms):(bml−bottom_act)
で合成比率を決定し、TypeA/Cの合成比率は、基本奥行きモデルタイプB(TypeB)は使用せず、
TypeA:TypeB:TypeC =
(bottom_act−bms):0:(bml−bottom_act)
で合成比率を決定する。
TypeA:TypeB:TypeC =
(top_act−tps)+(bottom_act−bms):
(tpl−top_act):(bml−bottom_act)
で合成比率を決定する。
更に、合成比率k1、k2、k3を
k1= TypeA/(TypeA+TypeB+TypeC)
k2= TypeB/(TypeA+TypeB+TypeC)
k3= TypeC/(TypeA+TypeB+TypeC)
で正規化する。
ここで、pは各基本奥行きモデルの各画素位置を示す水平座標、qは垂直座標である。
奥行きモデル合成部9で生成した合成基本奥行きモデルを加算器10に供給する。ここで、スケーリング部2から出力する画像データの三原色信号(RGB信号)のうちの赤色信号(R信号)と前記合成奥行きモデルとを、下記数式6の算出式を用いて重畳し、奥行き信号を生成する(ステップS7)。ここでは原画のR信号の1/10を重畳している。
<擬似立体画像生成装置>
次に、テクスチャシフト部12では前記奥行き信号生成装置15で生成した前記奥行き信号を用いて、画像入力部1から入力する非立体画像に対して別視点の画像を生成する(ステップS9)。例えば、入力する非立体画像に対して、左に視点移動した視差画像を生成する場合、画面より手前に表示するテクスチャについては、奥行きに応じた量だけ右に移動する。画面より奥に表示するテクスチャについては、奥行きに応じた量だけ左に移動する。このようにして生成した画像を左目画像、原画を右目画像とすることでステレオペアを構成する。ここでは、入力画像に対応する奥行き信号を8ビットの値Ydで表すものとする。このYdについて小さい値すなわち奥に位置するものから順に、その値に対応する部分の入力画像のテクスチャを(Yd-m)/n画素右にシフトする。ここで、mは画面上の奥行きに表示する奥行きデータであり、これより大きなYdに関しては画面より手前に、小さなYdに関しては奥に表示する。また、nは奥行き感を調整するパラメータであり、nを大きくすると、奥行き感が小さくなり、nを小さくすると奥行き感が大きくなる。これらのパラメータの具体例として、m=200, n=20などがあげられる。この場合、奥行き信号の値が200を境にして大きい場合、手前に表示され、奥行き信号の値が200より小さい場合奥に表示される。
以上の処理、手順により、別視点画像信号を生成できる。
また、本実施例においては、右目用の画像を入力画像、左目用の画像を生成した別視点画像とするステレオペアを構成しているが、テクスチャシフト部12で前記の画素の移動を左右反転することで、左目用の画像を入力画像、右目用の画像を生成した別視点画像とするステレオペアを構成することも可能である。また、左右どちらについても別視点画像を用いる、すなわち、右に視点移動した別視点画像と左に視点移動した別視点画像を用いてステレオペアを構成することも可能である。なお、本実施例ではステレオペアを生成する擬似立体画像生成装置として2視点での例を説明しているが、3視点以上の表示が可能な表示装置にて表示する場合、その視点数に応じた数の別視点画像を生成する擬似立体画像生成装置を構成することも可能である。
ここにおけるステレオ表示装置とは、偏光メガネを用いたプロジェクションシステム、時分割表示と液晶シャッタメガネを組み合わせたプロジェクションシステムもしくはディスプレイシステム、レンチキュラ方式のステレオディスプレイ、アナグリフ方式のステレオディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどを含む。特にステレオ画像の各画像に対応した2台のプロジェクタによるプロジェクションシステムを含む。
また、本発明は上記した擬似立体画像生成装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムも含むものである。これらのプログラムは、記録媒体から読み取られてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
2 スケーリング部
3 上部の高域成分評価部
4 下部の高域成分評価部
5 合成比率決定部
6 フレームメモリ(基本奥行きモデタイプA)
7 フレームメモリ(基本奥行きモデルタイプB)
8 フレームメモリ(基本奥行きモデルタイプC)
9 奥行きモデル合成部
10 加算部
11 スケーリング部
12 テクスチャシフト部
13 オクルージョン補償部
14 ポスト処理部
15 奥行き信号生成装置
Claims (4)
- 奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない非立体画像から擬似立体映像を生成するための奥行き信号を生成する奥行き信号生成装置であって、
基本となる複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを記憶する、及び/又は所定の計算式より算出して得る複数の基本奥行きモデルを記憶する記憶手段と、
入力する前記非立体画像の画像サイズを前記基本奥行きモデルの画像サイズと同一になるようにスケーリングする第一のスケーリング手段と、
前記第一のスケーリング手段にてスケーリングした非立体画像の画面内の所定領域における画素値の統計量を算出して、前記複数の基本奥行きモデルの合成比率を決定する合成比率決定手段と、
前記記憶手段から読み出した前記複数の基本奥行きモデルを、前記合成比率決定手段により決定した値に応じた合成比率で合成して合成基本奥行きモデルを生成する合成手段と、
前記合成手段により合成した合成基本奥行きモデルと、前記第一のスケーリング手段によりスケーリングした非立体画像を用いて奥行き信号を生成する奥行き信号生成手段と、
前記奥行き信号生成手段にて生成した前記奥行き信号の画像サイズを、前記入力する非立体画像の画像サイズと同一になるようにスケーリングする第二のスケーリング手段と、
を有することを特徴とする奥行き信号生成装置。 - 奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない非立体画像から擬似立体画像を生成する擬似立体画像生成装置であって、
前記請求項1に記載の奥行き信号生成装置の第二のスケーリング手段から供給するスケーリングした奥行き信号に応じて前記非立体画像のテクスチャのシフトを対応部分の奥行きに応じた量だけ行うことによって左目用画像および/または右目用画像となる別視点画像を生成する別視点画像生成手段を有し、
前記別視点画像生成手段により生成した別視点画像と、前記非立体画像との一方を左目用画像とし、他方を右目用画像として出力することを特徴とする擬似立体画像生成装置。 - 奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない非立体画像から擬似立体映像を生成するための奥行き信号を生成する機能をコンピュータに実現させる奥行き信号生成プログラムであって、
入力する前記非立体画像の画像サイズを前記基本奥行きモデルの画像サイズと同一になるようにスケーリングする第一のスケーリング機能と、
前記第一のスケーリング機能にてスケーリングした非立体画像の画面内の所定領域における画素値の統計量を算出して、前記複数の基本奥行きモデルの合成比率を決定する合成比率決定機能と、
擬似立体画像を生成するための基本となり所定の計算式で求められる、複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを、前記合成比率決定機能により決定した値に応じた合成比率で合成して合成基本奥行きモデルを生成する合成機能と、
前記合成機能により合成した合成基本奥行きモデルと、前記第一のスケーリング機能によりスケーリングした非立体画像を用いて、奥行き信号を生成する奥行き信号生成機能と、
前記奥行き信号生成機能にて生成した前記奥行き信号の画像サイズを、前記入力する非立体画像の画像サイズと同一になるようにスケーリングする第二のスケーリング機能と、
をコンピュータに実現させる奥行き信号生成プログラム。 - 奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない非立体画像から擬似立体画像を生成する機能をコンピュータに実現させる擬似立体画像生成プログラムであって、
前記請求項3に記載の奥行き信号生成プログラムの第二のスケーリング機能から供給するスケーリングした奥行き信号に応じて前記非立体画像のテクスチャのシフトを対応部分の奥行きに応じた量だけ行うことによって左目用画像および/または右目用画像となる別視点画像を生成する別視点画像生成機能を有し、
前記別視点画像生成機能により生成した別視点画像と前記非立体画像との一方を左目用画像とし、他方を右目用画像として出力する機能をコンピュータに実現させる擬似立体画像生成プログラム。
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