JP2012060345A - 多視点画像作成装置及び多視点画像作成方法並びに多視点画像表示システム - Google Patents

多視点画像作成装置及び多視点画像作成方法並びに多視点画像表示システム Download PDF

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Abstract

【課題】一視点の入力非立体画像から視点毎に奥行き情報と背景の奥行き情報との差分に基づいた明るさやコントラストが異なる画像を作り、この異なる画像に視差をつけた画像を生成することによって、曲面のなだらかな奥行き感を持つ多視点画像を作成する。
【解決手段】合成部17は、フレームメモリ14〜16から発生した3つの基本奥行きモデルを、高域成分評価部12及び13で算定された値に応じた合成比率で合成して、背景を構成する曲面の奥行きデータを生成する。加算部18は、非立体画像のR信号成分と、背景を構成する曲面の奥行きデータとを加算して奥行き推定データを生成する。輝度調整部20a及び20bは、R信号成分が奥行き推定データと背景を構成する曲面の奥行きデータとの差分を示す奥行き差分として入力され、その奥行き差分に基づいて背景より手前に近付くほど非立体画像の輝度信号の振幅を大とする輝度調整を2つの各視点別に行う。
【選択図】図1

Description

本発明は多視点画像作成装置及び多視点画像作成方法並びに多視点画像表示システムに係り、特に奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない一視点の2次元画像(非立体画像)から多視点の画像を作成する多視点画像作成装置及び多視点画像作成方法並びに多視点画像表示システムに関する。
従来、奥行き情報が明示的にも又はステレオ画像のように暗示的にも与えられていない2次元画像(非立体画像)から擬似的に立体画像を作り出す方式の一つとして、静止画像からでも擬似立体画像を生成できる擬似立体画像作成方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1記載の擬似立体画像作成方法では、他の擬似立体画像生成方式と同様に、非立体画像から擬似立体画像を生成する際、その非立体画像から推定された奥行き情報に応じて、視点毎に元の非立体画像を水平方向にずらした視差画像を作り、左右の目で異なる視差画像を見せることにより、立体感を得ている。
また、人が3次元空間を知覚する手がかりとして、両眼視差や運動視差、線透視、空気透視、焦点調整に起因するもの等、多岐に亘っていることが知られている。
特開2005−151534号公報
特許文献1記載の擬似立体画像作成方法のような従来の視差画像による擬似立体画像作成方法では、一つの画像から奥行きに基づき視差をつけた画像を左右視点の画像として作り出している。このようにして作られた立体画像を立体表示装置で見ると、滑らかに奥行きが変化する曲面や物体表面の微妙な起伏があっても、あたかも奥行きに変化がない板状の物体が建っているように見え、奥行き感が離散的に感じられる問題がある。
立体画像を作る際に、両眼視差を使用するのは、立体視の要因としても最も高いのが両眼視差であることが一般に知られているためである。この両眼視差では、特徴とする点や線などを手がかりに左右の目で見た画像の対応から奥行きを感じている。そのため、曲面など特徴とする点や線が現れにくい表面形状では、両眼視差による立体感は得にくく、奥行き感が離散的に感じられる要因の一つだと考えられる。また、立体表示装置の解像度で両眼視差の最小分解能は決まるため、奥行きは変化してもディスプレイ上で1画素以下の視差の変化は、表示することはできない。そのため、ある程度離れた物体の表面の起伏が、視差の変化として現れないことが多々ある。
こういった問題は、立体表示装置上での両眼視差で知覚しにくい曲面や起伏を両眼視差以外の方法で補ってやることにより解決されることが考えられる。
ところで、実世界では、物体に着目し、左右片目ずつ見てみると、それぞれの目で違う明るさで見え、視点を変えると明るさが変化するのがわかる。この視点変化に対する明るさの変化について、CG(コンピュータ・グラフィックス)分野では、フォン(Phong)の照明モデルが知られている。この照明モデルは、光源と物体表面の明るさとをモデル化したもので、物体の注目する一点の明るさを拡散反射及び鏡面反射の合成で表現する。拡散反射は、見る角度に関わらず同じ明るさで見えるものである。鏡面反射は、光源から物体注目点へのベクトルを注目点の法線ベクトルに対称に反射光のベクトルと、視点から注目点へのベクトルの積によって明るさが決まる反射である。
この照明モデルを使い、左右違う視点からの明るさについて考えてみる。奥行きに変化がない板状の物体が建っているように見える問題に関して、拡散反射を用いて説明する。
図8に示すように、ランベルト反射をする板状の物体51のある点の左視点52L及び右視点52Rでの明るさは、次式により決まる。
また、明るさは、左視点52L及び右視点52Rのそれぞれで同一となる。その光の強さは、以下の式で表される。
ただし、(1)式中、Iは光の強度、Ipは点光源強度である。また、kdは物体の拡散反射率で0〜1の範囲内の定数で、物質によって変わる。
一方、図9に示すように、ランベルト反射をする曲面をもつ円柱状の物体53上にある点の左右視点での明るさも同様に、左右視点の明るさは、左視点,右視点で同一になる。
つまり、ランベルト反射をする表面を持った物体は、平面であろうが曲面であろうが、表面形状にかかわらず、左右視点で同じ明るさに見える。これは、2次元画像から立体画像を作る際、視差をつけるが明るさを左右視点で変えない立体画像生成方法と同じ見え方といえる。物体形状の違いは左右視点の明るさには反映されないため、視点の違いによる明るさの変化に起因する物体上の奥行きの変化は知覚できない。
一般的な物体は、拡散反射と併せ鏡面反射も少なからず持っている。鏡面反射項に着目し、平面と曲面での左右視点の明るさの変化を比較する。説明簡略化のため、光源が太陽光のような平行光とする。また、一般的に、画像は順光で撮影されることが多く、逆光は少ないこともあり、視点がある側に光源がある前提で説明する。また、曲面には、凸面以外にも凹面があるが、人間の顔や自然界の木の幹など、大局的には凸面で構成されている例が多いため、凸面の曲面で説明する。
平行光での鏡面反射を含めたPhongの照明モデルは、次の式で表される。
図10に示すような平面54において、光源が平行光の場合、注目する点が平面54上で移動しても、拡散反射項の値は一定であり、拡散反射光は一定である。変化するのは右視点の鏡面反射項と左視点の鏡面反射項の各値である。しかし、Rのベクトル方向は一定であり、平面54上の注目点移動に伴い、僅かにRとV1、RとV2のなす角度が変化するが、その変化は微小で、右視点の鏡面反射項と左視点の鏡面反射項の各値の変化も小さい。よって、平面54においては、注目点の移動が鏡面反射光の強度の変化として現れにくい。
一方、図11に示すような凸面の曲面55において、注目する点が曲面55上を移動すると、図12に示すように、Nのベクトル方向が大きく変化する。そのため、拡散反射項の値が大きく変化する。また、反射の方向Rは法線の方向Nに関して光源の方向Lの鏡像なため、拡散反射項の角度変化の2倍だけRのベクトルとLのベクトルとの積の値は角度変化する。このように、凸面の曲面55では注目点の移動により反射の方向Rが大きく変化するため、平面に比べて凸面の曲面55では、右視点の鏡面反射項と左視点の鏡面反射項の各値の変化も大きくなる。
鏡面反射光の強度は、右視点の鏡面反射項と左視点の鏡面反射項の各値のn乗に比例する。このため、鏡面反射指数nの値が大きくなるにつれ、右視点の鏡面反射項と左視点の鏡面反射項の各値の変化が拡大され、視点の差が大きな強度の違いとして現れる。よって、曲面では、注目点の移動による鏡面反射光の強度の変化が視点によって異なる。
さて、図11や図12のような凸面の曲面55において、視点52R、52Lからの奥行きと反射光の強度の相関性を見てみる。
図12に示すように奥行きが遠くなるほど、法線ベクトルと視線ベクトルの角度が大きくなり、そして反射の方向Rのベクトルと、視点52R、52L方向のベクトルとのなす角度が大きくなり、その結果、右視点の鏡面反射項と左視点の鏡面反射項の各値が小さくなる。反射の方向Rのベクトルと、視点52R、52L方向のベクトルとのなす角度が90度以上になると、鏡面反射光の強度は0となり、拡散反射光のみになる。拡散反射光は角度によらず強度が一定のため、視点52R、52Lで同じ明るさとして見える。つまり、視点52R、52Lに対し、この注目点を同じ明るさで表示すればよい。視点52R、52Lで同じ明るさということは、コントラストや明るさに差をつけなくて良いということである。
一方、図11に示すように奥行きが近くなるほど、法線ベクトルと視線ベクトルの角度が小さくなり、そして反射の方向Rのベクトルと、視点52R、52L方向のベクトルとのなす角度が小さくなり、その結果、右視点の鏡面反射項と左視点の鏡面反射項の各値が大きくなる傾向にある。視点52R、52Lの光の強度は、拡散反射光と鏡面反射光の合成になる。鏡面反射光に由来する角度の違いにより、視点52R、52Lでは違う明るさとして見える。つまり、背景に対し、手前にある物体ほど、左右の目で大きな明るさの違いを持つ傾向にあるので、視点52R、52Lに対し、注目点を違う明るさで表示する必要がある。そのため、視点52R、52Lでコントラストや明るさに差をつける必要がある。
上記の明るさの変化は、鏡面反射に関してであり、拡散反射の明るさは見る角度によって変化せず一定なため、合成される明るさに対する鏡面反射の占める割合によって、コントラストが変化する。手前のものほど、左右の視点から注目点へのベクトルの違いが大きいため、手前のものほどコントラストが大きくなる傾向がある。3次元空間知覚の手がかりの一つである空気透視法においても、コントラストが小さいものは遠景に、コントラストが大きいものほど手前に感じられることから、コントラストを変化させることは、両眼視差を補う方法として有効と考えられる。以上の明るさ及びコントラストは、物体を見る角度(視点の違い)により変化し、動画に限らず静止画像に対しても有効である。
本発明は、以上の点に鑑みなされたもので、実世界の視点の違いにより明るさやコントラストが変化することに着目し、一視点の入力非立体画像から視点毎に奥行き情報と背景の奥行き情報との差分に基づいた明るさやコントラストが異なる画像を作り、視点毎にこの異なる画像に視差をつけた画像を生成することによって、曲面のなだらかな奥行き感を持つ多視点画像を作成する多視点画像作成装置及び多視点画像作成方法並びに多視点画像表示システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明の多視点画像作成装置は、基本となる複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを発生する発生手段と、入力される奥行き情報が与えられていない非立体画像の、画面内の所定領域における画素値の統計量を算定してシーン構造を推定する算定手段と、発生手段から発生した複数の基本奥行きモデルを、算定手段により算定された値に応じた合成比率で合成して、背景を構成する曲面の奥行きデータを生成する合成手段と、入力される非立体画像の原画像の凹凸に略対応した信号レベルを示す非立体画像の所定の信号成分と、背景を構成する曲面の奥行きデータとを加算して奥行き推定データを生成する加算手段と、加算手段に供給される非立体画像の所定の信号成分が、奥行き推定データと背景を構成する曲面の奥行きデータとの差分を示す奥行き差分として入力されると共に非立体画像の輝度信号が入力され、奥行き差分に基づいて、背景より手前に近付くほど非立体画像の輝度信号の振幅を大とする輝度調整を複数の各視点別に行う複数の輝度調整手段と、複数の輝度調整手段からそれぞれ出力される各視点別の輝度調整後の画像信号のそれぞれのテクスチャのシフトを、対応部分の奥行き推定データに応じた量だけ行う複数のテクスチャシフト手段とを有することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の多視点画像作成装置は、第1の発明の複数の輝度調整手段が、非立体画像中の所定の信号成分と、視点別に設定される非立体画像中の所定の信号成分の輝度変化に対する寄与率とを乗算した乗算結果に、非立体画像中の所定の信号成分が0のときのオフセット値を与える視点別に設定される輝度変調オフセット値とを加算して輝度変調信号を生成する輝度変調信号生成手段と、非立体画像の輝度信号からコントラスト調整の基準値であるコントラスト調整中心値を減算した値に輝度変調信号を乗算し、その乗算結果にコントラスト調整中心値を加算して調整後輝度信号を生成する調整後輝度信号生成手段と、調整後輝度信号と非立体画像中の輝度信号以外の信号成分とから各視点別の輝度調整後の画像信号を生成する画像信号生成手段とを有することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第3の発明の多視点画像作成方法は、入力される奥行き情報が与えられていない非立体画像の、画面内の所定領域における画素値の統計量を算定してシーン構造を推定する算定ステップと、基本となる複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを、算定ステップにより算定された値に応じた合成比率で合成して、背景を構成する曲面の奥行きデータを生成する合成ステップと、入力される非立体画像の原画像の凹凸に略対応した信号レベルを示す非立体画像の所定の信号成分と、背景を構成する曲面の奥行きデータとを加算して奥行き推定データを生成する加算ステップと、非立体画像の所定の信号成分が、奥行き推定データと背景を構成する曲面の奥行きデータとの差分を示す奥行き差分として入力されると共に非立体画像の輝度信号が入力され、奥行き差分に基づいて、背景より手前に近付くほど非立体画像の輝度信号の振幅を大とする輝度調整を複数の各視点別に行う輝度調整ステップと、輝度調整ステップにより得られる各視点別の輝度調整後の画像信号のそれぞれのテクスチャのシフトを、対応部分の奥行き推定データに応じた量だけ行うテクスチャシフトステップとを含むことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の多視点画像作成方法は、第3の発明の輝度調整ステップが、非立体画像中の所定の信号成分と、視点別に設定される非立体画像中の所定の信号成分の輝度変化に対する寄与率とを乗算した乗算結果に、非立体画像中の所定の信号成分が0のときのオフセット値を与える視点別に設定される輝度変調オフセット値とを加算して輝度変調信号を生成する輝度変調信号生成ステップと、非立体画像の輝度信号からコントラスト調整の基準値であるコントラスト調整中心値を減算した値に輝度変調信号を乗算し、その乗算結果にコントラスト調整中心値を加算して調整後輝度信号を生成する調整後輝度信号生成ステップと、調整後輝度信号と非立体画像中の輝度信号以外の信号成分とから各視点別の輝度調整後の画像信号を生成する画像信号生成ステップとを含むことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第5の発明の多視点画像表示システムは、基本となる複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを発生する発生手段と、入力される奥行き情報が与えられていない非立体画像の、画面内の所定領域における画素値の統計量を算定してシーン構造を推定する算定手段と、発生手段から発生した複数の基本奥行きモデルを、算定手段により算定された値に応じた合成比率で合成して、背景を構成する曲面の奥行きデータを生成する合成手段と、入力される非立体画像の原画像の凹凸に略対応した信号レベルを示す非立体画像の所定の信号成分と、背景を構成する曲面の奥行きデータとを加算して奥行き推定データを生成する加算手段と、加算手段に供給される非立体画像の所定の信号成分が、奥行き推定データと背景を構成する曲面の奥行きデータとの差分を示す奥行き差分として入力されると共に非立体画像の輝度信号が入力され、奥行き差分に基づいて、背景より手前に近付くほど非立体画像の輝度信号の振幅を大とする輝度調整を複数の各視点別に行う複数の輝度調整手段と、複数の輝度調整手段からそれぞれ出力される各視点別の輝度調整後の画像信号のそれぞれのテクスチャのシフトを、対応部分の奥行き推定データに応じた量だけ行う複数のテクスチャシフト手段と、入力される非立体画像を左目視点又は右目視点の画像とし、複数のテクスチャシフト手段から出力されるテクスチャシフト後の複数の画像を、非立体画像の視点とはそれぞれ異なる複数の視点の画像として表示する多視点表示手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、凸曲面の持つ明るさやコントラストを視点毎の画像に反映させることができるため、両眼視差では知覚しにくい曲面のなだらかな奥行き感を持つ多視点画像(擬似立体画像)を生成することができる。また、本発明によれば、視差量を減らしても本発明を用いない立体画像表示システムの立体画像と同等の立体感を得ることができるため、大きな視差をつけた場合に問題となっていた目の負担を軽減できる。
本発明の多視点画像表示システムの一実施形態のブロック図である。 基本奥行きモデルタイプAの画像の立体構造の一例である。 基本奥行きモデルタイプBの画像の立体構造の一例である。 基本奥行きモデルタイプCの画像の立体構造の一例である。 図1中の合成部における合成比率の決定条件の一例を示す図である。 図1中の輝度調整部の一実施の形態のブロック図である。 多視点立体表示装置に表示される画像に対する各視点の一例を示す図である。 ランベルト反射をする板状の物体と視点との関係の説明図である。 ランベルト反射をする円柱状の物体と視点との関係の説明図である。 平面上の注目点移動に伴い、視点と反射光のベクトル方向とがなす角度が変化することを説明する図である。 注目する点が曲面上を移動したときの光源方向と反射光方向の法線方向Nのベクトル方向の変化を説明する図(その1)である。 注目する点が曲面上を移動したときの光源方向と反射光方向の法線方向Nのベクトル方向の変化を説明する図(その2)である。
次に、本発明の実施の形態について図面と共に詳細に説明する。
図1は、本発明になる多視点画像表示システムの一実施の形態のブロック図を示す。同図に示すように、本実施の形態の多視点画像表示システム1は、擬似立体画像生成部10と、輝度調整部20a及び20bと、ステレオペア生成部30a及び30bと、多視点立体表示装置40とより構成される。本実施の形態の多視点画像表示システム1は、3視点画像を生成して表示する例であるが、視点数はこれに限定されるものではない。
擬似立体画像生成部10は、画像入力部11と、画面上部の高域成分評価部12と、画面下部の高域成分評価部13と、フレームメモリ14、15及び16と、合成部17と、加算部18とを有し、奥行き推定データを生成すると共に、入力画像信号中の赤色信号(R信号)成分を抽出して出力する。
画像入力部11は、フレームメモリを備えており、非立体画像信号である1フレーム分の画像信号を一時記憶した後、その1フレーム分の画像信号を画面上部の高域成分評価部12、画面下部の高域成分評価部13、及び後述するステレオペア生成部30a及び30b内の各テクスチャシフト部31a及び31bにそれぞれ供給すると共に、入力画像信号中の赤色信号(R信号)成分のみを加算部18と後述する輝度調整部20a及び20bにそれぞれ供給する。画像入力部11に入力される非立体画像信号は一視点の画像信号であり、ここでは一例として右目画像として表示されるべき右目用画像信号であるものとする。
画面上部の高域成分評価部12は、1フレーム分の右目用画像信号における画面の上部約20%にあたる領域内での高域成分を求めて、画面上部の高域成分評価値として算出する。そして、画面上部の高域成分評価部12は、画面上部の高域成分評価値を合成部17に供給する。画面下部の高域成分評価部13は、1フレーム分の右目用画像信号における画面の下部約20%領域内にあたる領域内での高域成分を求めて、画面下部の高域成分評価値として算出する。そして、画面下部の高域成分評価部13は、画面下部の高域成分評価値を合成部17に供給する。上記の画面上部の高域成分評価部12と、画面下部の高域成分評価部13とは、入力される非立体画像のシーン構造を推定する本発明の算定手段を構成している。
一方、フレームメモリ14は基本奥行きモデルタイプA、フレームメモリ15は基本奥行きモデルタイプB、フレームメモリ16は基本奥行きモデルタイプCの画像を予め格納している。これらの基本奥行きモデルタイプA〜Cの画像は、それぞれ非立体画像信号を基に奥行き推定データを生成して擬似立体画像信号を生成するための基本となるシーンの画像を示す。フレームメモリ14〜16は、本発明の基本となる複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを発生する発生手段を構成している。
すなわち、上記の基本奥行きモデルタイプAの画像は、球面状の凹面による奥行きモデルの画像で、図2に示すような立体構造の画像を示す。多くの場合に、この基本奥行きモデルタイプAの画像が使用される。オブジェクトが存在しないシーンにおいては、画面中央を一番遠距離に設定することにより、違和感の少ない立体感及び快適な奥行き感が得られるからである。
また、上記の基本奥行きモデルタイプBの画像は、基本奥行きモデルタイプAの画像の上部を球面でなく、アーチ型の円筒面に置き換えたもので、図3に立体構造を示すような、上部を円筒面(軸は垂直方向)で下部を凹面(球面)としたモデルの画像である。
更に、上記の基本奥行きモデルタイプCの画像は、図4に立体構造を示すような、上部を平面とし、下部をその平面から連続し、下に行くほど手前側に向かう円筒面状としたもので、上部が平面、下部が円筒面(軸は水平方向)としたモデルの画像である。基本奥行きモデルタイプ発生手段を構成するフレームメモリ14〜16に格納されている、これら基本奥行きモデルタイプA〜Cの画像は、合成部17へ供給される。
合成部17は、まず、画面上部の高域成分評価部12から供給された画面上部の高域成分評価値と、画面下部の高域成分評価部13から供給された画面下部の高域成分評価値とに基づいて、画像のシーンを考慮することなく、予め定められた方法により、基本奥行きモデルタイプAの合成比率k1、基本奥行きモデルタイプBの合成比率k2、基本奥行きモデルタイプCの合成比率k3を自動的に算出する。なお、3つの合成比率k1〜k3の合計値は常に「1」である。
図5は、合成比率の決定条件の一例を示す。図5は、横軸に示す画面上部の高域成分評価値(以下、上部の高域成分評価値と略す)と、縦軸に示す画面下部の高域成分評価値(以下、下部の高域成分評価値と略す)の各値と、予め指定された値tps、tpl、bms、bmlとの兼ね合いにより合成比率が決定されることを示す。この合成比率の決定条件は、本出願人が特許第4214976号公報にて開示した公知の決定条件であるが、これに限定されるものではない。
図5において、複数のタイプが記載されている領域については、高域成分評価値に応じて線形に合成される。例えば、図5において、「typeA/B」の領域では、下記のように(上部の高域成分評価値)と(下部の高域成分評価値)との比率で基本奥行きモデルタイプAの値であるtypeAと基本奥行きモデルタイプBの値であるtypeBの比率が決定され、基本奥行きモデルタイプCの値であるtypeCは比率の決定には用いられない。
typeA:typeB:typeC
=(上部の高域成分評価値−tps):(tp1−下部の高域成分評価値):0
また、図5において、「typeA/B/C」の領域では、typeA/BとtypeA/Cとの平均を採用して、下記のようにtypeA/B/Cの値が決定される。
typeA:typeB:typeC
=(上部の高域成分評価値−tps)+(下部の高域成分評価値−bms):(tpl−
上部の高域成分評価値):(bml−下部の高域成分評価値)
なお、合成比率k1、k2、k3は次式で算出される。
k1=typeA/(typeA+typeB+typeC)
k2=typeB/(typeA+typeB+typeC)
k3=typeC/(typeA+typeB+typeC)
合成部17は、続いて、上記のように算出した合成比率k1〜k3が示す比率で、基本奥行きモデルタイプA〜Cの画像を合成して、背景を構成する曲面の奥行きデータ(以下、「背景の奥行きデータ」ともいう)を生成する。この合成部17は、本発明の合成手段を構成する。加算部18は、合成部17から供給される背景の奥行きデータと、画像入力部11から供給されるR信号成分とを加算して奥行き推定データを生成する。
上記のR信号成分は、画像入力部11において、輝度信号(Y)及び色差信号(Cr)とから、R=Y+Crといった演算で算出される。R信号成分を使用する理由の一つは、順光に近い環境で、かつ、テクスチャの明るさの度合い(明度)の変化が大きくない条件下で、R信号成分の大きさが原画像の凹凸と一致する確率が高いという経験則による。すなわち、このR信号成分は、入力非立体画像の原画像の凹凸に略対応した信号レベルを示す信号成分である。なお、テクスチャとは、画像を構成する要素であり、単一の画素もしくは画素群で構成される。
また、R信号成分を使用するもう一つの理由として、赤色及び暖色は色彩学における前進色であり、寒色系よりも奥行きが手前に認識されるという特徴があり、この奥行きを手前に配置することで立体感を強調することが可能であるということである。
上記のR信号成分は、背景となる基本奥行きモデルに対して、奥行きの前後成分として使われるため、背景となる基本奥行きモデルに対して、加算部18から出力される奥行き推定データと、合成部17から出力される背景の奥行きデータとの差分(以下、奥行き差分ともいう)に相当する信号であり、輝度調整部20a及び20bにも供給される。
なお、輝度調整部20a及び20bの入力信号として、R信号成分の替りに加算部18から出力される奥行き推定データを用いることが考えられるが、輝度調整部20a及び20bは奥行きの凹凸に対し輝度調整するため、奥行き差分を示すR信号成分を輝度調整部20a及び20bの入力信号として用いるようにしている。すなわち、本実施の形態では、単純な奥行きに比例した明るさやコントラストの調整ではなく、同じような奥行きにある物体(例えば人物)の凹凸に対して輝度コントラストによる陰影をつけることをしている。これは両眼視差による奥行き感だけでは平面と知覚され易いが、輝度コントラストを調整して陰影を付けることで、曲面と知覚させるためである。
なお、赤色及び暖色が前進色であるのに対し、青色は後退色であり、暖色系よりも奥行きが奥に認識される特徴がある。よって、青色の部分を奥に配置することによっても立体感の強調は可能である。更に双方を併用して、赤色の部分を手前、青色の部分を奥に配置することによって立体感を強調することも可能である。
輝度調整部20aは、画像入力部11から出力される右目用画像信号の右目視点以外の他の第1の視点(以下視点1ともいう)の明るさ及びコントラストが制御された視点1画像を生成するための輝度調整を行い、輝度調整後の信号をテクスチャシフト部31aへ出力する。また、輝度調整部20bは、上記の右目視点と視点1以外の他の第2の視点(以下視点2ともいう)の明るさ及びコントラストが制御された視点2画像を生成するための輝度調整を行い、輝度調整後の信号をテクスチャシフト部31bへ出力する。輝度調整部20a及び20bは同一構成であるので、以下代表して輝度調整部20aの構成と動作の詳細について説明する。
図6は、輝度調整部20aの一実施の形態のブロック図を示す。同図に示すように、輝度調整部20aは、画像入力部11から出力される赤(R)、緑(G)及び青(B)の三原色の画像信号(RGB信号)とR信号成分とを入力信号として受け、RGB信号は画素毎にRGB−YUV変換部21により輝度成分であるY信号と、色成分であるU,V信号に変換し、R信号成分は乗算器25により輝度変調度と画素毎に乗算する。上記の「輝度変調度」は、奥行き差分であるR信号成分の輝度変化に対する寄与率を示す。なお、この輝度変調度は、後述する「輝度変調オフセット」及び「コントラスト調整中心値」とともに、図示しない中央処理装置(CPU)から視点別に設定されるレジスタの値である。
減算器23は、RGB−YUV変換部21から供給されるY信号とコントラスト調整中心値とを減算して乗算器24に供給する。一方、加算器26は、乗算器25により得られた画素毎のR信号成分と輝度変調度との乗算結果に、輝度変調オフセットを加算して輝度変調信号を生成する。ここで、「輝度変調オフセット」は、奥行き差分であるR信号成分が0の場合の輝度変調信号の値を与えるオフセット値である。また、上記の「コントラスト調整中心値」は、この値を中心にY信号の振幅を輝度変調信号で制御するため、基準となる値である。
乗算器24は、減算器23から供給される信号と加算器26から供給される輝度変調信号とを乗算し、その乗算結果を加算器27に供給する。加算器27は、乗算器24から供給される乗算結果とコントラスト調整中心値とを加算して調整後Y信号を生成し、YUV−RGB変換部22へ供給する。従って、上記の輝度変調信号と調整後Y信号とはそれぞれ次式により表される。
輝度変調信号=R信号成分×輝度変調度+輝度変調オフセット
調整後Y信号=(Y信号−コントラスト調整中心値)×輝度変調信号
+コントラスト調整中心値
上記の調整後Y信号は、輝度変調信号に基づき、コントラスト調整中心値を中心とし、Y信号の振幅を調整した信号である。この調整後Y信号は、コントラスト調整中心値より大きな振幅のY信号はより大きな振幅に調整し、コントラスト調整中心値より小さな振幅のY信号はより小さな振幅に調整したY信号となる。
ここで、奥行き推定データは、前述したように、背景の奥行きデータ(基本奥行きモデル)と奥行き差分を示すR信号成分とを加算した信号であり、その値は推定される奥行きが遠いほど小さく、近いほど大きな値をとる。従って、奥行き推定データにより推定される奥行きが背景より手前に近付くほど、奥行き推定データと背景の奥行きデータとの差分であるR信号成分が増加し、結果、輝度変調信号も増加して、Y信号とコントラスト調整中心値を大きくする方向に働き、入力Y信号よりも大きな振幅に調整された調整後Y信号が得られる。
一方、奥行き推定データにより推定される奥行きが遠くになるほど、奥行き推定データと背景の奥行きデータとの差分であるR信号成分が減少し、結果、輝度変調信号も減少して、Y信号とコントラスト調整中心値を小さくする方向に働き、入力Y信号よりも小さな振幅に調整された調整後Y信号が得られる。
明るさは調整後Y信号の画素値であり、コントラストは調整後Y信号の明暗の差を示すから、上記の処理により、明るさ及びコントラスト調整がなされる。ここで、使用する輝度変調度、輝度変調オフセット、コントラスト調整中心値については、視点別に異なる値を用いることができる。このように視点別に異なる輝度変調度を用いることで、奥行き推定データと背景の奥行きデータとの差分の寄与度を調整することができる。例えば、元の画像の視点から離れた視点ほど、輝度変調度を大きくすることにより、明るさやコントラストを大きな値に変えることができる。
YUV−RGB変換部22は、上記の調整後Y信号とRGB−YUV変換部21から供給されるU,V信号とを入力信号として受け、元のRGB信号に変換して、ステレオペア生成部30a内のテクスチャシフト部31aへ出力する。
図1に戻って説明する。ステレオペア生成部30aは、テクスチャシフト部31a、オクルージョン補償部32a及びポスト処理部33aを有し、視点1画像34aを出力する。一方、ステレオペア生成部30bは、テクスチャシフト部31b、オクルージョン補償部32b及びポスト処理部33bを有し、視点2画像34bを出力する。
テクスチャシフト部31a、31bは、輝度調整部20a、20bから供給される奥行き差分に応じて輝度調整された視点別の輝度調整後右目用画像信号のそれぞれのテクスチャのシフトを、加算部18から供給される対応部分の奥行き推定データに応じた量だけ行うことで、右目視点とは別視点の画像信号をそれぞれ生成する。
例えば、テクスチャシフト部31aは、図7に示すように、後述する多視点立体表示装置40により画像入力部11から出力される右目用画像信号を右目画像35として画面表示させた場合の右目視点を基準にして、左に視点移動した視点1の画像信号を生成し、テクスチャシフト部31bは更に左に視点移動した視点2の画像信号を生成する。その場合、テクスチャシフト部31a、31bは、ユーザーに対してテクスチャを近景として表示させるときは、近い画像ほどユーザーの内側(鼻側)に見えるので、画面右側へテクスチャを奥行きに応じた量だけ移動した画像信号を生成する。また、テクスチャシフト部31a、31bは、ユーザーに対してテクスチャを遠景として表示させるときは、遠い画像ほどユーザーの外側に見えるので、画面左側へテクスチャを奥行きに応じた量だけ移動した画像信号を生成する。
ここでは、それぞれの画素に対する奥行き推定データを8ビットの値Ddで表すものとする。テクスチャシフト部31a、31bは、Ddの小さい値(すなわち、画面奥に位置するもの)から順に、そのDdに対応する入力輝度調整後右目用画像信号のテクスチャをそれぞれの画素毎に(Dd−m)/n画素分右にシフトした画像信号を生成する。上記のmは飛び出し感を表すパラメータ(輻輳値)であり、上記のnは奥行きを表すパラメータ(奥行き値)である。
なお、ユーザーには、奥行き推定データを示す値Ddの小さいテクスチャは画面奥側に見え、奥行き推定データを示す値Ddの大きいテクスチャは画面手前に見える。奥行き推定データを示す値Dd、輻輳値m、奥行き値nは0〜255の範囲の値であり、例えば、輻輳値m=200、奥行き値n=20である。
オクルージョン補償部32a、32bは、テクスチャシフト部31a、31bより出力された視点1、視点2の画像信号に対してオクルージョンの補償を行い、オクルージョン補償された画像信号をポスト処理部33a、33bに供給する。オクルージョンとは、テクスチャをシフトした結果、画像中の位置関係変化によりテクスチャの存在しない部分のことをいう。オクルージョン補償部32a、32bは、テクスチャシフトされた画像信号に対応する元の入力輝度調整後右目用画像信号によりオクルージョンの箇所を充填する。また、公知の文献(山田邦男、望月研二、相澤清晴、齊藤隆弘:"領域競合法により分割された画像のテクスチャの統計量に基づくオクルージョン補償”、映像情報学会誌、Vol.56,No.5,pp.863〜866(2002.5))に記載の手法でオクルージョンを補償してもよい。
ポスト処理手段であるポスト処理部33a、33bは、オクルージョン補償部32a、32bによりオクルージョン補償された画像信号に対して、平滑化やノイズの除去などのポスト処理を公知の方法で必要に応じて行い、視点1画像34a、視点2画像34bを出力する。
多視点立体表示装置40は、上記の視点1画像34a及び視点2画像34bと共に、画像入力部11から出力される右目用画像信号の右目画像35とを入力として受け、図7に示したような各視点の擬似立体画像(多視点画像)を表示する。
このように、本実施の形態の多視点画像表示システム1によれば、R信号成分を奥行き差分を表す信号として用い、奥行きの凸部分に対し凸曲面が有する視点毎に異なる奥行き及び明るさやコントラストの関係を用いて、原画像から視点毎に輝度調整された画像を生成するようにしたため、凸曲面の持つ明るさやコントラストを視点毎の画像に反映させることができ、これにより両眼視差では知覚しにくい曲面のなだらかな奥行き感を持つ多視点画像(擬似立体画像)を生成することができる。
また、立体視の要因は両眼視差だけではなく、両眼の輻輳角、物体の明るさ、コントラストその他の要因を含む複合的なものであることが公知の文献(増田千尋,「3次元ディスプレイ」,産業図書株式会社,平成4年4月30日発行,29頁)にて知られている。従って、本実施の形態の多視点画像表示システム1によれば、視差画像に明るさやコントラストによる立体感を付け加えているため、視差量を減らしても本発明を用いない立体画像表示システムの立体画像と同等の立体感を得ることができる。これにより、本実施の形態によれば、大きな視差をつけた場合に問題となっていた目の負担を軽減できるという効果を得ることもできる。
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、上記プロセスにおいて、右目画像を入力画像とし、別視点画像をステレオペア生成部30a、30bで生成しているが、左目画像を入力画像と、別視点画像をステレオペア生成部30a、30bで生成するようにしてもよく、更には左右どちらについても別視点画像を用いる、すなわち、右に視点移動した別視点画像と左に視点移動した別視点画像を用いてステレオペアを構成することも可能である。
また、多視点立体表示装置40は、2視点以上の表示が可能な表示装置であり、各視点の画像に対応した視点数と同じ数のプロジェクタによるプロジェクタシステムを含む。更に、多視点立体表示装置40は、偏光メガネを用いたプロジェクションシステム、時分割表示と液晶シャッタメガネを組み合わせたプロジェクションシステム若しくはディスプレイシステム、パララックスバリア方式のステレオディスプレイ、レンチキュラ方式のステレオディスプレイ、アナグリフ方式のステレオディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどを含む。
なお、本発明は、擬似立体画像生成部10、輝度調整部20a及び20b、ステレオペア生成部30a及び30bからなる構成の多視点画像作成装置や、その動作を実現する多視点画像作成方法も包含する。更に、本発明はハードウェアにより図1の構成の多視点画像表示システムや多視点画像作成装置を構成する場合に限定されるものではなく、同等の処理を実行するコンピュータプログラムによるソフトウェアにより多視点画像作成を行うこともできる。この場合、コンピュータプログラムは、記録媒体からコンピュータに取り込まれてもよいし、ネットワーク経由でコンピュータに取り込まれてもよい。
1 多視点画像表示システム
10 擬似立体画像生成部
11 画像入力部
12 画面上部の高域成分評価部
13 画面下部の高域成分評価部
14〜16 フレームメモリ
17 合成部
18 加算部
20a、20b 輝度調整部
21 RGB−YUV変換部
22 YUV−RGB変換部
23 減算器
24、25 乗算器
26、27 加算器
30a、30b ステレオペア生成部
31a、31b テクスチャシフト部
32a、32b オクルージョン補償部
33a、33b ポスト処理部
34a 視点1画像
34b 視点2画像
35 右目画像
40 多視点立体表示装置

Claims (5)

  1. 基本となる複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを発生する発生手段と、
    入力される奥行き情報が与えられていない非立体画像の、画面内の所定領域における画素値の統計量を算定してシーン構造を推定する算定手段と、
    前記発生手段から発生した前記複数の基本奥行きモデルを、前記算定手段により算定された値に応じた合成比率で合成して、背景を構成する曲面の奥行きデータを生成する合成手段と、
    入力される前記非立体画像の原画像の凹凸に略対応した信号レベルを示す前記非立体画像の所定の信号成分と、前記背景を構成する曲面の奥行きデータとを加算して奥行き推定データを生成する加算手段と、
    前記加算手段に供給される前記非立体画像の所定の信号成分が、前記奥行き推定データと前記背景を構成する曲面の奥行きデータとの差分を示す奥行き差分として入力されると共に前記非立体画像の輝度信号が入力され、前記奥行き差分に基づいて、背景より手前に近付くほど前記非立体画像の輝度信号の振幅を大とする輝度調整を複数の各視点別に行う複数の輝度調整手段と、
    前記複数の輝度調整手段からそれぞれ出力される各視点別の輝度調整後の画像信号のそれぞれのテクスチャのシフトを、対応部分の前記奥行き推定データに応じた量だけ行う複数のテクスチャシフト手段と
    を有することを特徴とする多視点画像作成装置。
  2. 前記複数の輝度調整手段は、
    前記非立体画像中の所定の信号成分と、視点別に設定される前記非立体画像中の所定の信号成分の輝度変化に対する寄与率とを乗算した乗算結果に、前記非立体画像中の所定の信号成分が0のときのオフセット値を与える視点別に設定される輝度変調オフセット値とを加算して輝度変調信号を生成する輝度変調信号生成手段と、
    前記非立体画像の輝度信号からコントラスト調整の基準値であるコントラスト調整中心値を減算した値に前記輝度変調信号を乗算し、その乗算結果に前記コントラスト調整中心値を加算して調整後輝度信号を生成する調整後輝度信号生成手段と、
    前記調整後輝度信号と前記非立体画像中の前記輝度信号以外の信号成分とから各視点別の前記輝度調整後の画像信号を生成する画像信号生成手段と
    を有することを特徴とする請求項1記載の多視点画像作成装置。
  3. 入力される奥行き情報が与えられていない非立体画像の、画面内の所定領域における画素値の統計量を算定してシーン構造を推定する算定ステップと、
    基本となる複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを、前記算定ステップにより算定された値に応じた合成比率で合成して、背景を構成する曲面の奥行きデータを生成する合成ステップと、
    入力される前記非立体画像の原画像の凹凸に略対応した信号レベルを示す前記非立体画像の所定の信号成分と、前記背景を構成する曲面の奥行きデータとを加算して奥行き推定データを生成する加算ステップと、
    前記非立体画像の所定の信号成分が、前記奥行き推定データと前記背景を構成する曲面の奥行きデータとの差分を示す奥行き差分として入力されると共に前記非立体画像の輝度信号が入力され、前記奥行き差分に基づいて、背景より手前に近付くほど前記非立体画像の輝度信号の振幅を大とする輝度調整を複数の各視点別に行う輝度調整ステップと、
    前記輝度調整ステップにより得られる各視点別の輝度調整後の画像信号のそれぞれのテクスチャのシフトを、対応部分の前記奥行き推定データに応じた量だけ行うテクスチャシフトステップと
    を含むことを特徴とする多視点画像作成方法。
  4. 前記輝度調整ステップは、
    前記非立体画像中の所定の信号成分と、視点別に設定される前記非立体画像中の所定の信号成分の輝度変化に対する寄与率とを乗算した乗算結果に、前記非立体画像中の所定の信号成分が0のときのオフセット値を与える視点別に設定される輝度変調オフセット値とを加算して輝度変調信号を生成する輝度変調信号生成ステップと、
    前記非立体画像の輝度信号からコントラスト調整の基準値であるコントラスト調整中心値を減算した値に前記輝度変調信号を乗算し、その乗算結果に前記コントラスト調整中心値を加算して調整後輝度信号を生成する調整後輝度信号生成ステップと、
    前記調整後輝度信号と前記非立体画像中の前記輝度信号以外の信号成分とから各視点別の前記輝度調整後の画像信号を生成する画像信号生成ステップと
    を含むことを特徴とする請求項3記載の多視点画像作成方法。
  5. 基本となる複数のシーン構造のそれぞれについて奥行き値を示す複数の基本奥行きモデルを発生する発生手段と、
    入力される奥行き情報が与えられていない非立体画像の、画面内の所定領域における画素値の統計量を算定してシーン構造を推定する算定手段と、
    前記発生手段から発生した前記複数の基本奥行きモデルを、前記算定手段により算定された値に応じた合成比率で合成して、背景を構成する曲面の奥行きデータを生成する合成手段と、
    入力される前記非立体画像の原画像の凹凸に略対応した信号レベルを示す前記非立体画像の所定の信号成分と、前記背景を構成する曲面の奥行きデータとを加算して奥行き推定データを生成する加算手段と、
    前記加算手段に供給される前記非立体画像の所定の信号成分が、前記奥行き推定データと前記背景を構成する曲面の奥行きデータとの差分を示す奥行き差分として入力されると共に前記非立体画像の輝度信号が入力され、前記奥行き差分に基づいて、背景より手前に近付くほど前記非立体画像の輝度信号の振幅を大とする輝度調整を複数の各視点別に行う複数の輝度調整手段と、
    前記複数の輝度調整手段からそれぞれ出力される各視点別の輝度調整後の画像信号のそれぞれのテクスチャのシフトを、対応部分の前記奥行き推定データに応じた量だけ行う複数のテクスチャシフト手段と、
    前記入力される前記非立体画像を左目視点又は右目視点の画像とし、前記複数のテクスチャシフト手段から出力されるテクスチャシフト後の複数の画像を、前記非立体画像の視点とはそれぞれ異なる複数の視点の画像として表示する多視点表示手段と
    を有することを特徴とする多視点画像表示システム。
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