JP4419134B2 - ラミネート装置及びラミネート方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像が記録された被記録媒体の記録面上にラミネート層を形成するラミネート装置及びラミネート方法に関する。
インクジェット記録方式や熱転写記録方式といった記録方式は、その記録装置(プリンタ)や被記録媒体に対して様々な改良が加えられてきた結果、銀塩カラー写真に匹敵する画質が得られるようになり、近年、デジタルカメラ、デジタルビデオ、スキャナ等で取り込んだ画像情報あるいはコンピュータにおける電子的な画像情報をハードコピーする技術として多用されている。
加えて、これらの記録方式においては、被記録媒体の記録面を保護して永続的な耐久性を付与すること、並びに記録面の光沢度や平滑度を上げる等して画像品位をさらに向上させることを目的として、画像記録後にラミネート層を被記録媒体の記録面上にラミネートする技術も広く知られている。
記録面へのラミネートに用いる装置としては、基材と、該基材上に剥離可能に形成されたラミネート層とからなるラミネート材を記録面上に供給し、積層された被記録媒体及びラミネート材を加熱圧着することにより、被記録媒体の記録面上にラミネート層を転写した後、基材をラミネート層から剥離するラミネート装置が存在する(特許文献1)。
しかしながら、上記特許文献1に開示されたラミネート装置にあっては、被記録媒体を異なる幅サイズのものに取り替える都度、ラミネート材を適合する幅サイズのものに取り替えなければならないし、また、この交換の手間を無くそうと思えば、比較的大きな幅サイズのラミネート材を幅サイズの異なる各種の被記録媒体に対して兼用させることとなるが、この場合、ラミネート処理後にラミネート層の余分な部分(記録面にラミネートされない部分:非ラミネート部分)を被記録媒体の端縁に沿って切除する必要があり、何れにしても煩雑であることに変わりはない。
そのため、非ラミネート部分を切除する手間が省けるラミネート装置も存在する(特許文献2)。図17は、そのラミネート装置の概略構成を示し、所定送り長さに切断されたピース状の被記録媒体Aと、ロールから連続シートとして供給されるラミネート材BとがフィルムガイドロールFを介して積層され、プラテンロールG及び加熱された中間ロールH間を通過する際に加熱圧着され、しかる後、下流側に配置された剥離ロールIにて基材Cがラミネート層Dから剥離されるようになっている点では、特許文献1に開示されたラミネート装置と概ね同じであるが、特許文献2に開示されたラミネート装置では、基材Cを剥離する際、非ラミネート部分Dbがラミネート部分Daから切り離され、基材Cと共に持ち去られるようになっている。
特開昭58−224779号公報 特開平10−211651号公報
上記特許文献2に開示されたラミネート装置は、基材Cを被記録媒体Aの記録面から離間させることにより、基材Cと共に非ラミネート部分Dbを持ち上げ、その際に生じる非ラミネート部分Dbとラミネート部分Daとの境界付近の引っ張り力によって、当該部分を強引に破断させる(強引に引きちぎる)ものである。
そのため、ラミネート部分Daと非ラミネート部分Dbとの境界近傍において、図18に示す如く、非ラミネート部Dbの一部がラミネート部Da側に残ったり、ラミネート部Daの一部が被記録媒体Aから引き剥がされたりしてしまい、非ラミネート部分Dbから分離したラミネート部分Daの端縁が被記録媒体Aの端縁に沿った態様とならず、不均一な形状になってしまうといった問題があり、ラミネート処理済みの被記録媒体Aの端縁処理が余儀なくされている。
また、ラミネート部分Daと被記録媒体Aとの密着力及び/又は非ラミネート部分Dbの基材Cとの密着力が被記録媒体Aの端縁付近において不均一な場合や、不十分な場合、ラミネート材Bの搬送速度、ラミネート層Dの素性、被記録媒体Aに対する基材Cの引き剥がし角度が適正でない場合等には、ラミネート部分Daと非ラミネート部分Dbとが分離されることなく、非ラミネート部分Dbに引っ張られてラミネート部分Da全体が被記録媒体Aから引き剥がされたり、あるいは非ラミネート部分Dbに引っ張られて記録面を含む表層が被記録媒体Aから引き剥がされてしまうといった問題もある。
そこで、本発明は、被記録媒体にラミネートされたラミネート層を記録面(ラミネート面)から離間させてラミネート部分と非ラミネート部分とを切り離す方式であるために従来のラミネート装置が抱える上記問題に鑑みてなされたもので、被記録媒体のラミネート処理後に人手による端縁処理を行うことなく、被記録媒体に対するラミネート処理をきれいに仕上げることのできるラミネート装置及びラミネート方法を提供することを課題とする。
本発明に係るラミネート装置は、被記録媒体の記録面上にラミネート層を形成するラミネート装置において、被記録媒体よりも大きなサイズのラミネート層及び基材が剥離可能に積層されたラミネート材と被転写手段との間に被記録媒体を介在させた状態で、前記ラミネート材を前記被記録媒体及び前記被転写手段に加熱圧着する圧着部と、加熱圧着後、前記ラミネート材から前記基材を剥離する剥離部と、加熱圧着後、前記被記録媒体に密着した前記被転写手段を分離させる分離部と、を備え、前記基材の剥離及び前記被転写手段の分離について、何れか一方の後に他方が行われることを特徴とする。
また、本発明に係るラミネート方法は、被記録媒体の記録面上にラミネート層を形成するラミネート方法において、被記録媒体よりも大きなサイズのラミネート層及び基材が剥離可能に積層されたラミネート材と被転写手段との間に被記録媒体を介在させた状態で、前記ラミネート材を前記被記録媒体及び前記被転写手段に加熱圧着する加熱圧着工程と、該加熱圧着工程後、前記ラミネート材から前記基材を剥離する剥離工程と、前記加熱圧着工程後、前記被記録媒体に密着した前記被転写手段を分離させる分離工程と、を備え、前記剥離工程及び前記分離工程について、何れか一方の工程の後に他方の工程が行われることを特徴とする。
上記構成によれば、被記録媒体にそれよりも大きなサイズのラミネート材を加熱圧着することにより、ラミネート材のラミネート層は、被記録媒体の記録面の全面に密着すると共に、該記録面からはみ出た部分が被転写手段に密着する。
この状態で、分離部(分離工程)によって、被転写手段を被記録媒体から分離させる(具体的には、被記録媒体の記録面とは反対側の面と被転写手段とが離間するように、ラミネート層が密着した前記被記録媒体に対して被転写手段を相対移動させる)と、ラミネート層は被記録媒体の反対面側に引っ張られる(引き込まれる)こととなるが、この際、被記録媒体がある部分とない部分との境界(即ち、被記録媒体の端縁(エッジ))に沿って引っ張り力が集中的に作用するため、ラミネート層と記録面とが圧着した部分(記録面上にラミネート層が積層されたラミネート部分)と、ラミネート層と被転写手段とが圧着した部分(被記録媒体に積層していない非ラミネート部分)とが切り離されるのは勿論、被記録媒体の記録面上に形成されたラミネート層の端縁は被記録媒体の端縁に沿ったきれいなものとなる。
ところで、前記圧着部によって加熱圧着した後(加熱圧着工程後)、前記剥離部によって、被記録媒体の記録面に密着状態にあるラミネート層と基材とを相対的に離間させる処理が行われる(剥離工程)が、その際、ラミネート層と基材との密着力により、ラミネート層に対して、前記分離(工程)に係る引っ張り力の方向と略反対方向の引っ張り力が生じることになる。従って、仮に、前記剥離工程と前記分離工程とを同時(あるいは略同時)に行うとすると、被記録媒体のエッジに沿って作用する前記分離に係る引っ張り力が分散され、上述した効果(被記録媒体のエッジ付近が従来になくきれいなものになる)が失われてしまう虞がある。また、両者による引っ張り力には差異があるため(通常、分離に係る引っ張り力の方が大きい)、被記録媒体の法線方向でのバタツキ等が発生し、安定した被記録媒体の搬送が阻害される要因にもなりかねない。
これに対し、上記構成のラミネート装置及びラミネート方法では、前記剥離部による基材の剥離(剥離工程)及び前記分離部による被転写手段の分離(分離工程)について、何れか一方の工程の後に他方の工程が行われる構成となっている。従って、分離に係る引っ張り力が分散せず、被記録媒体のエッジに沿って集中的に作用させることができる。また、法線方向でのバタツキ等を防止できるので被記録媒体の安定した搬送が行える。
かかる場合、どちらの工程を先にするかは任意であるが、仮に基材が密着したままで被転写手段の分離を行うと(分離工程を先に行うと)、上記分離に係る引っ張り力によって、密着力の弱い基材とラミネート層が部分的に剥がれてしまう可能性があり、そうすると、後の剥離工程で、基材を剥がす時の引っ張り力が連続して均等にかからずに表面の品質(仕上がり状態)を落としてしまう虞がある。かかる問題点を防ぐためには、前記被転写手段の分離(分離工程)を、前記基材を剥離した後(剥離工程後)に行われる構成とするのが効果的である。また、かかる構成により、基材の拘束がない状態で、分離工程を行えるので、分離に係る引っ張り力が基材に邪魔されることなく、被記録媒体のエッジに沿って集中的に加えられるという効果も期待できる。
一方、前記基材の剥離(剥離工程)は、前記被転写手段を分離した後(分離工程後)に行われる構成とすると、該剥離工程までは、基材がラミネート層に密着しているため、被記録媒体の意匠面(記録面側表面)に傷が付きにくくなるという効果が期待できる。また、意匠面が保護されることから例えば、搬送用のガイドに安価なものを使用できる等、製造コストの低下が図れるという利点も考えられる。
以上の如く、本発明は、被記録媒体よりも大きなサイズのラミネート材を該被記録媒体を覆うように重ねて加熱圧着し、そのラミネート材のラミネート層を被記録媒体の記録面と反対面側に引っ張る(引き込む)ことで、ラミネート部分と非ラミネート部分とを切り離すものであり、さらに、その際、基材の剥離工程を同時(あるいは略同時)に行わない構成となっているので、被記録媒体がある部分とない部分との境界に沿って引っ張り力を集中的に作用させてラミネート部分と非ラミネート部分とを切り離すことができ、被記録媒体の記録面上に形成されるラミネート層の端縁を被記録媒体の端縁に沿ったきれいなものとすることができる。従って、被記録媒体のラミネート処理後に人手による端縁処理を行うことなく、被記録媒体に対するラミネート処理をきれいに仕上げることができる。
以下、本発明の実施形態に係るラミネート装置について図面を参酌しつつ説明する。
<第一実施形態>
まず、本実施形態に係るラミネート装置の外観イメージを図1及び図2を参照して簡単に説明する。ラミネート装置は、筐体1内に各種の機能部(これについては後述する)を内装し、画像記録を終えた被記録媒体Aをラミネート処理のために供給する被記録媒体供給部(供給部)10を筐体1の一方側に備えると共に、ラミネート処理を終えた被記録媒体Aを排出する完成品排出部(排出部)150を筐体1の他方側に備えて構成される。
筐体1は、左右に配置された側方フレーム1a,1bと、該側方フレーム1a,1b間の適宜箇所に配されて側方フレーム1a,1bを所定間隔で連結する連結フレーム1cとからなる。また、側方フレーム1a,1bは、それぞれ上部下部に分かれており、上部の側方フレーム1a,1b及びそれを連結する連結フレーム1cで上部筐体1Aが構成される一方、下部の側方フレーム1a,1b及びそれを連結する連結フレーム1cで下部筐体1Bが構成される。
そのため、筐体1は上下に分離可能である。より詳しくは、上部筐体1Aは、一部1dが下部筐体1Bに回転自在に支持されて下部筐体1Bに対して開閉自在に揺動する。また、上部筐体1Aと下部筐体1Bとが合わさった閉位置を維持するために、ロック機構2が筐体1に設けられている。
被記録媒体供給部10は、筐体1の一方側において上部筐体1Aと下部筐体1Bとの境界部分に取り付けられた載置板11を備える。一方、完成品排出部150も、筐体1の他方側において上部筐体1Aと下部筐体1Bとの境界部分に取り付けられた載置板151を備える。載置板11は、上部筐体1Aに回転自在に取り付けられており、被記録媒体Aを載置可能な水平位置と、被記録媒体Aを載置不能な垂直位置を取る。載置板151は、下部筐体1Bに固定して取り付けられている。尚、幅方向に相対接離する一対の幅規制ガイドを載置板11に設けて、被記録媒体Aの幅サイズを問わず、常に被記録媒体Aの幅方向中心を合わせるようにするのが好ましい。
被記録媒体供給部10と完成品排出部150とを連絡する被記録媒体Aの搬送経路は、被記録媒体供給部10の載置板11及び完成品排出部150の載置板151と同様、上部筐体1Aと下部筐体1Bとの境界部分に沿って設定されている。従って、上部筐体1Aを上方に揺動させた開位置において、搬送経路は開放され、搬送経路上の被記録媒体Aを取り出すことができる。
機能部は、大別すると、図3及び図4に示す如く、搬送経路上で搬送される被記録媒体Aの記録面(上面)側から、ベースとなる基材C及びラミネート層が積層されたシート状のラミネート材Bを供給するラミネート材供給部(供給部)20と、搬送経路上で搬送される被記録媒体Aの記録面とは反対の面(下面:ベース面)側から、被転写手段としてのシート状のアンダーフィルムEを供給するアンダーフィルム供給部(供給部)30と、供給されたラミネート材B及びアンダーフィルムEの間に被記録媒体Aが供給されて積層された積層体(ラミネート材B及びアンダーフィルムEとの間に被記録媒体Aを介在させた状態のもの)を加熱圧着する第一及び第二圧着部(圧着部)40,50と、加熱圧着後のラミネート材Bから基材Cを剥離する剥離部60と、剥離された基材Cを回収する基材回収部(回収部)70と、加熱圧着後のアンダーフィルムEを被記録媒体Aから分離させる分離部80と、離間させたアンダーフィルムEを回収するアンダーフィルム回収部(回収部)90とに分けられる。
ラミネート材供給部20は、図5に示す如く、ラミネート材Bをロールから連続シートとして供給するもので、ラミネート材Bのロールを保持するホルダー(ラミネート材原反保持体)21を備えるほか、ホルダー21と搬送経路との間に配置されるフリーローラ22を備える。
ホルダー21は、フリーローラ22と共にその両端が側方フレーム1a,1bに回転自在に支持されている。フリーローラ22は、ホルダー21に取り付けられたロール及び後述する圧着部のローラ43の共通接線よりも内側(搬送経路側)となるように配置されることにより、ロールから繰り出されるラミネート材Bを搬送経路に至るまでの所定区間にて所定角度範囲で巻き付かせ、併せて搬送経路に対するラミネート材Bの進入角度を決定する。また、このフリーローラ22は、後述するように加熱ローラとなっている第一圧着部40の圧着ローラ43からの熱の影響を受け得る領域内に配置されている。そして、フリーローラ22の少なくとも表面に用いる材料は、熱吸収率及び熱伝導率が比較的優れる黒色のアルマイトとしている。
本実施形態のラミネート装置に用いられるラミネート材Bは、図8に示す如く、被記録媒体Aの記録面をラミネートするラミネート層Dを備えている。該ラミネート層Dは、記録面に対して接着する接着層D’と、該接着層D’上に形成され、記録面を保護する保護層D''とからなる積層構造をなしている。本実施形態に係る保護層D''は、透過性を有するアクリル系樹脂で形成されている。接着層D’は、保護層D''との接着性を維持すべく、透過性を有するジョイント用のアンカーコート層D''' を介して保護層D''と積層状態をなしている。該接着層D’は、アンダーフィルムEに対する接着力が、保護層D''に対する基材Cの密着力よりも高く、且つ透過性を有する樹脂(本実施形態においては、熱を加えることで接着力を発揮する熱可塑性樹脂:ポリエステル系の樹脂)によって形成されている。
さらに、ラミネート材Bは、加熱圧着や搬送時にラミネート層Dに傷が付くのを防止すると共に、加熱圧着時にラミネート層Dにシワ等が発生するのを防止すべく、ラミネート層(保護層D'')D上にシート状の基材Cが剥離可能に積層されている。つまり、該ラミネート材Bは、ラミネート層D上に基材Cを積層することで、該ラミネート層Dの表面の傷付きを防止すると共に、当該ラミネート材B自身にコシを与え(厚みを厚くして当該ラミネート材Bにおける撓みの自由度を下げ)、加熱圧着時の圧力等の影響でラミネート層Dにシワが発生するのを防止できるように構成されている。基材Cは、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムで構成されており、ラミネート層(保護層D'')Dに対して自らが保有する粘着性によって剥離可能に密着しており、ラミネート層Dと共に積層構造をなしている。
上記構成のラミネート材Bは、被記録媒体Aよりも大きなサイズ、即ち、ラミネート層Dを被記録媒体Aの記録面に対向させた状態で、該ラミネート材B(ラミネート層D)で被記録媒体Aを覆うことができるサイズに設定されている。本実施形態において、上述の如く、ラミネート材Bが長尺なものであるため、ラミネート材Bが被記録媒体Aの縦横の両方向からはみ出た状態で被記録媒体Aを覆う場合に一方向(搬送経路での進行方向)のサイズは問題とならず、幅(搬送経路での進行方向と直交する方向の寸法)が搬送経路上の被記録媒体Aの幅よりも広く設定されている。そのため、被記録媒体Aが搬送方向に対して平行である場合は勿論のこと、若干傾いている場合であったとしても、被記録媒体Aがラミネート材Bから幅方向にはみ出ることはなく、ラミネート材B(ラミネート層D)で被記録媒体Aの全面を確実に覆うことができるのである。尚、上記構成のラミネート材Bのロールは、基材Cが外側を向き、ラミネート層Dが内側を向くようにして巻かれており、そのため、フリーローラ22に対しては基材Cが接触するようになっている。
一方、図5に戻り、アンダーフィルム供給部30は、アンダーフィルムEをロールから連続シートとして供給するもので、アンダーフィルムEのロールを保持するホルダー(アンダーフィルム原反保持体)31を備えるほか、ホルダー31と搬送経路との間に配置されるフリーローラ32を備える。
ホルダー31は、フリーローラ32と共にその両端が側方フレーム1a,1bに回転自在に支持されている。フリーローラ32は、ホルダー31に取り付けられたロール及び後述する圧着部のローラ41の共通接線よりも内側(搬送経路側)となるように配置されることにより、ロールから繰り出されるアンダーフィルムEを搬送経路に至るまでの所定区間にて所定角度範囲で巻き付かせ、併せて搬送経路に対するアンダーフィルムEの進入角度を決定する。また、このフリーローラ32は、後述するように加熱ローラとなっている第一圧着部40の駆動ローラ41からの熱の影響を受け得る領域内に配置されている。そして、フリーローラ32の少なくとも表面に用いる材料は、フリーローラ22と同様、熱吸収率及び熱伝導率が比較的優れる黒色のアルマイトとしている。
アンダーフィルムEは、積層された状態でベースとなる被転写材として機能するものであって、ラミネート材Bの接着層D’と熱接着性がある材質乃至該接着層D’と同質の材質からなる樹脂フィルムが用いられる。該アンダーフィルムEは、単層構造、積層構造のどちらも採用することができるが、本実施形態においては、PET(ポリエチレンテレフタレート)製の単層フィルムが採用されている。また、該アンダーフィルムEは、積層された状態でラミネート材B(ラミネート層D)がアンダーフィルムEの側縁から側方にはみ出すことのないよう、ラミネート材Bと同一か若しくはそれ以上の幅サイズのものが用いられる。
第一圧着部40は、駆動ローラ41と圧着ローラ43とを備える。駆動ローラ41は、被記録媒体Aのベース面側に配置され、圧着ローラ43は、被記録媒体Aの記録面側に配置され、何れもその両端が側方フレーム1a,1bに回転自在に支持されている。両ローラ41,43間において、ラミネート材B及びアンダーフィルムE並びにその間に被記録媒体供給部10から供給された被記録媒体Aが積層される(以下、被記録媒体A、ラミネート材B(ラミネート材Bを構成する各層)、及びアンダーフィルムEの少なくとも二つ以上が積層されたものを総称して「積層体」という)。
両ローラ41,43は、積層体(A+B+E)に対して圧着作用を生じさせるものであり、例えば、駆動ローラ41には、金属ローラ又は極薄ゴムローラが採用され、圧着ローラ43には、シリコン系の耐熱ゴムローラが採用される。
また、両ローラ41,43は、軸芯部にヒータ42,44が存在しており、加熱ローラとなっている。ローラ41,43の表面における加熱温度は、駆動ローラ41では、60〜120℃の範囲内で設定され、圧着ローラ43では、80〜120℃の範囲内で設定される。駆動ローラ41は、被記録媒体A、ラミネート材B及びアンダーフィルムEの三者が加熱圧着されるポイント(ローラ41,43の理論的な接点)よりも前に、アンダーフィルム供給部30から供給されたアンダーフィルムEが所定角度で巻き付くように配置されており、アンダーフィルムEを加熱圧着ポイントに到達するのに先立って予熱できるようになっている。また、圧着ローラ43は、加熱圧着ポイントよりも前に、ラミネート材供給部20から供給されたラミネート材Bが所定角度で巻き付くように配置されており、ラミネート材Bを加熱圧着ポイントに到達するのに先立って予熱できるようになっている。しかも、フリーローラ22,32は、ローラ41,43からの熱を受けて加熱されるため、加熱ローラとしての機能も有しており、ラミネート材B及びアンダーフィルムEは、ローラ41,43の予熱に先立ち、フリーローラ22,32でも予熱されるようになっている。尚、第一圧着部40におけるアンダーフィルムE側のローラ(駆動ローラ)41も、加熱ローラとし且つラミネート材B側のローラ(圧着ローラ)43のローラ表面での加熱温度より低く設定するのは、アンダーフィルムEに対する熱影響を抑えつつ、ラミネート層D及びアンダーフィルムE間の熱溶着性を活性化させるためである。
また、駆動ローラ41が側方フレーム1a,1bに対して相対変位不能であるのに対し、圧着ローラ43は、圧着力調整機構45を介して側方フレーム1a,1b(及び駆動ローラ41)に対して相対変位可能となっている。該圧着力調整機構45は、側方フレーム1a,1bに取り付けられるベース450と、該ベース450に取り付けられ、搬送経路と直交する方向に軸心を有する軸451と、該軸451に沿ってスライドする可動体452と、該可動体452を搬送経路側に付勢する弾性体453と、該弾性体453の弾性復元力を調整するハンドル(調整部材)454とを備える。通常、両ローラ41,43間の圧着力は、50〜120kgfの範囲内で設定される。
第二圧着部50は、図6に示す如く、駆動ローラ51と圧着ローラ53を備える。駆動ローラ51は、被記録媒体Aのベース面側に配置され、圧着ローラ53は、被記録媒体Aの記録面側に配置され、何れもその両端が側方フレーム1a,1bに回転自在に支持されている。積層体(A+B+E)は、第二圧着部50よりも搬送経路の上流側に位置する剥離部60にて基材Cが剥離されるため、両ローラ51,53間には、積層体(A+B+E−C)が供給される。
両ローラ51,53は、積層体(A+B+E−C)に対して圧着作用を生じさせるものであり、例えば、駆動ローラ51及び圧着ローラ53の何れにも、シリコン系の耐熱ゴムローラが採用される。
また、圧着ローラ53は、軸芯部にヒータ54が存在しており、加熱ローラとなっている。ローラ表面での加熱温度は、80〜120℃の範囲内で設定される。駆動ローラ51は、加熱ローラとなっていない。第二圧着部50における加熱温度(圧着ローラ53による加熱温度)は、仕上げ処理的な意味合いで、第一圧着部40における加熱温度(駆動ローラ41、及び圧着ローラ43でのトータル的な加熱温度)よりも低く設定している。即ち、例えば被記録媒体Aとラミネート層Dとの間に気泡が混入している場合、加熱せずに圧着すると、ラミネート層Dの接着層D’が硬化している状態で圧着することになるので、気泡をうまく押し込めないが、加熱した状態にすると、接着層D’が軟化し、その状態で圧着することにより、気泡がインクの隙間から被記録媒体Aの記録面に押し込まれて好適に除去されること、そして、加熱温度が高すぎると、ラミネート層D(の接着層D’)が被記録媒体Aの記録面からずれたり、剥がれてしまうこと、の理由から、第二圧着部50でも加熱すると共に、該第二圧着部50における加熱温度を第一圧着部40における加熱温度よりも低く設定している。また、第二圧着部50の駆動ローラ51を加熱ローラとしないのは、上述の如く、第二圧着部50における加熱温度を高くし過ぎないためであると共に、一度加熱した積層体を再度加熱し過ぎると、被記録媒体Aやラミネート層Dの品質が劣化するおそれがあること、ヒータが無くなって製造コストが下げられること、及び消費電力を少なくしてランニングコストが下げられること、にある。加えて、第二圧着部50における圧着力は、基材Cがない分、第一圧着部40における圧着力よりも小さく設定している。
また、第一圧着部40と同様、駆動ローラ51が側方フレーム1a,1bに対して相対変位不能であるのに対し、圧着ローラ53は、圧着力調整機構55を介して側方フレーム1a,1b(及び駆動ローラ41)に対して相対変位可能となっている。該圧着力調整機構55の構成は、第一圧着部40の圧着力調整機構55と同様であるので、特に説明は行わない。通常、両ローラ51,53間の圧着力は、50〜120kgfの範囲内で設定される。
剥離部60は、搬送経路の上流側に位置する第一圧着部40と、該第一圧着部40よりも搬送経路の下流側に位置する第二圧着部50との間に配置され、搬送経路に対向して配置されたナイフエッジ(剥離ガイド体)61を備える。
即ち、剥離部60は、第一圧着部40で加熱圧着してから所定時間経過後に基材Cをラミネート層Dから分離させるべく、第一圧着部40から下流側に所定の距離をおいた位置にナイフエッジ61を備えている。このように、剥離部60を第一圧着部40から所定の距離をおいて配設しているのは、第一圧着部40で加熱圧着されることで活性化(粘性等を発揮)したラミネート層Dが通常の平衡状態(接着力が強くなった状態)になってからラミネート材B(ラミネート層D)に外力を作用させるようにするためである。
つまり、第一圧着部40における加熱から所定時間を経過すれば、被記録媒体Aに対するラミネート層Dの接着力が基材Cとラミネート層Dとの密着力よりも確実に増した状態となり、この状態で基材Cの剥離工程を行えば、ラミネート層Dが被記録媒体Aから不用意に剥がされることなく基材Cのみがきれいに剥がれるため、剥離部60と第一圧着部40との間隔を設けている。従って、剥離部60と第一圧着部40との間隔(所定距離)は、第一圧着部40を通過してから剥離部60に到達するまでの時間が、ラミネート層Dを活性状態から略通常の平衡状態に戻すのに必要な時間(所定時間)と略一致あるいはそれ以上となるように設定されている。
ナイフエッジ61は、その先端部が搬送経路側となって搬送経路に対して鋭角で傾斜するようホルダー62に保持されている。具体的に説明すると、ナイフエッジ61は、剥離部60における搬送経路と対向する下面61aと、該下面61aにおける搬送方向の下流側の端縁に接続され、該下面61aに対して鋭角をなすように上方に延びる(基材回収部70に向けて延びる)傾斜面61bとを備える。また、下面61aと傾斜面61bとの接続線(稜線)は、搬送経路上での被記録媒体Aの搬送方向と略直交する方向に延びている。
また、剥離部60は、ナイフエッジ61のガイド面としての傾斜面61bと所定間隔を有して対向するガイド面を有するガイド板63をさらに備え、ラミネート層Dから剥離させた連続シート状の基材Cは、ナイフエッジ61の傾斜面61b及びガイド板63のガイド面間を通って基材回収部70に送られるようになっている。
基材回収部70は、ラミネート層Dから剥離させた連続シート状の基材Cをロール状に巻き取って回収するもので、基材Cのロールを保持するホルダー(回収基材保持体)71を備える。ホルダー71は、その両端が側方フレーム1a,1bに回転自在に支持されている。また、ホルダー71は、その巻き取り面がナイフエッジ61の先端部よりも搬送経路の上流側となるように配置されることにより、搬送経路から剥離される基材Cをナイフエッジ61の先端部に巻き付かせ、併せて搬送経路に対する基材Cの剥離角度を決定する。
分離部80は、図7に示す如く、圧着部(第二圧着部50)よりも搬送経路の下流側(より詳しくは、該第二圧着部50と、積層体(A+B−C:完成品)を完成品排出部150へ搬出するための搬送ローラ対100との間)に配置され、搬送経路に対向して配置されたナイフエッジ(分離ガイド体)81を備える。
即ち、分離部80は、第二圧着部50で加熱圧着してから所定時間経過後にアンダーフィルムEを被記録媒体Aから分離させるべく、第二圧着部50から下流側に所定の距離をおいた位置にナイフエッジ81を備えている。このように、分離部80を第二圧着部50から所定の距離をおいて配設しているのは、第二圧着部50で加熱圧着されることで活性化(粘性等を発揮)したラミネート層Dが通常の平衡状態(接着力が強くなった状態)になってからラミネート材B(ラミネート層D)に外力を作用させるようにするためである。
つまり、第二圧着部50における加熱から所定時間を経過すれば、被記録媒体Aに対するラミネート層Dの接着力が確実に増した状態となり、この状態でアンダーフィルムEの分離工程を行えば、ラミネート層Dが被記録媒体Aから不用意に剥がされてしまうことがないため、分離部80と第二圧着部50との間隔を設けている。従って、分離部80と第二圧着部50との間隔(所定距離)は、第二圧着部50を通過してから分離部80に到達するまでの時間が、ラミネート層Dを活性状態から略通常の平衡状態に戻すのに必要な時間(所定時間)と略一致あるいはそれ以上となるように設定されている。
尚、図3及び図4において、第一圧着部40から剥離部60までの距離よりも第二圧着部50から分離部80までの距離が短くなっているのは、第一圧着部40における加熱温度よりも第二圧着部50における加熱温度が低く設定されているのに加え、第一圧着部40と剥離部60との間で搬送経路上を通過する積層体(A+B+E)を自然冷却させているのに対し、第二圧着部50及び分離部80間には(実際には分離部80(ナイフエッジ81)の先端部を挟んで搬送経路の上流側及び下流側に跨って)搬送経路を画定するプレート状のガイド板83が設けられており、該ガイド板83が積層体(A+B+E−C)の搬送性を向上させると共に、積層体(A+B+E−C)の熱を強制的に放熱させる(強制的に冷却する)強制冷却手段として機能しているからである。そして、第二圧着部50から分離部80までの距離が短くなる分、装置全体の小型化を図ることができる。尚、本実施形態においては、分離部80と第二圧着部50との間隔は、第二圧着部50を通過してから分離部80に到達するまでの時間が、ラミネート層Dを活性状態から略通常の平衡状態に戻すのに必要な時間(所定時間)となるように、搬送経路上での積層体(A+B+E−C)の移動速度、ガイド板83の冷却効率等の相関関係に基づいて設定されている。
図7に戻り、ナイフエッジ81は、その先端部が搬送経路側となって搬送経路に対して鋭角で傾斜するようホルダー82に保持されている。具体的に説明すると、分離部80のナイフエッジ81は、当該分離部80における搬送経路と対向する上面81aと、該上面81aにおける搬送方向の下流側の端縁に接続され、該上面81aに対して鋭角をなすように下方に延びる傾斜面81bとを備える。また、上面81aと傾斜面81bとの接続線(稜線)は、搬送経路における搬送方向と略直角方向に延びている。
また、分離部80は、搬送経路を画定するために筐体1内に内装され且つナイフエッジ81の先端部を挟んで搬送経路の上流側及び下流側に跨った形状の前記ガイド板83を備える。より詳しくは、ガイド板83は、その先端部が圧縮部(第二圧縮部50)の近傍まで延設される一方、その基端部がナイフエッジ81の先端部を越えて搬送経路の下流側まで延設された形状である。さらに、分離部80は、ガイド板83のうち、ナイフエッジ81の先端部よりも搬送経路の下流側における部分の内面(ガイド面)と所定間隔を有して対向するガイド面を有するガイド板84をさらに備える。
両ガイド板83,84は、先端部(搬送経路の上流側における端部)が搬送経路から離間する方向に所定角度を以て屈曲され、テーパ状の拡開された入口側開口を形成している。また、ガイド板84は、ナイフエッジ81の上面81aを基準に搬送経路から離間する方向にオフセットされて、ナイフエッジ81の上面81aよりも低位置に設定されており、そのため、ガイド板83,84のガイド面間隔は、ガイド板83のガイド面とナイフエッジ81の上面81aとの間隔よりも広くなっている。即ち、ナイフエッジ81よりも下流側の搬送経路を画定するガイド面間隔は、アンダーフィルムEの分離前よりも分離後の方向が広く設定されている。
アンダーフィルム回収部90は、余分なラミネート層Dを転写させたアンダーフィルムEの連続シートをロール状に巻き取って回収するもので、アンダーフィルムEのロールを保持するホルダー(回収アンダーフィルム保持体)91を備える。ホルダー91は、その両端が側方フレーム1a,1bに回転自在に支持されている。また、ホルダー91は、その巻き取り面がナイフエッジ81の先端部(稜線)よりも搬送経路の上流側となるように配置されることにより、搬送経路から分離されるアンダーフィルムEをナイフエッジ81の先端部に巻き付かせ、併せて搬送経路に対する基材Cの剥離角度を決定する。
各機能部の構成は以上の通りである。図1〜図4に戻って、ラミネート材供給部20、剥離部60の主たる構成要素及び基材回収部70は、同じ筐体(被記録媒体Aの記録面側に位置する上部筐体1A)に配置される一方、アンダーフィルム供給部30、分離部80の主たる構成要素及びアンダーフィルム回収部90も、同じ筐体(被記録媒体Aのベース面側に位置する下部筐体1B)に配置されている。また、第一圧着部40、第二圧着部50及び搬送ローラ対100は、両方の筐体(上部筐体1A及び下部筐体1B)に跨って配置されている。
また、第一圧着部40、第二圧着部50及び搬送ローラ対100のそれぞれ駆動ローラ41,51,101は、一方の筐体(下部筐体1B)に配置され、それぞれ圧着ローラ(従動ローラ)43,53,102は、他方の筐体(上部筐体1A)に配置されている。
さらに、第一圧着部40、第二圧着部50及び搬送ローラ対100の駆動ローラ41,51,101のみならず、基材回収部70及びアンダーフィルム回収部90のホルダー71,91の全てに対し、スプロケット、チェーン、ギアトレイン等の周知の駆動力伝達手段(図1及び図2参照、但し、構成は図より明らかであるため、採番しない)によってモータ(駆動源)3の駆動力が同時に伝達されるようになっている。これらの同期駆動により、ラミネート材供給部20からラミネート材Bが引っ張られ、アンダーフィルム供給部30からアンダーフィルムEが引っ張られ、且つ積層体(A+B+E;A+B+E−C;A+B−C)が搬送経路に沿って下流側に搬送されるようになっている。
但し、ラミネート材B(のラミネート層D)といった薄いフィルムを搬送するために、第二圧着部50の駆動ローラ51は、第一圧着部40の駆動ローラ41よりも3%以下のオーバードライブを掛けて圧縮部40,50間のラミネート材Bにバックテンションを付与するようにしている。尚、3%以下としたのは、バックテンションが小さ過ぎると、第一及び第二圧着部40,50間にたるみが生じて被記録媒体Aのひずみが発生したり、加熱によって軟化したラミネート層Dにしわが発生し、そのしわが被記録媒体Aの記録面上に残ってしまい、一方、バックテンションが大き過ぎると、そのバックテンションによってラミネート層Dが延ばされて縦じわが発生し、その縦じわも被記録媒体Aの記録面上に現れてしまうからである。
本実施形態に係るラミネート装置は、以上の構成からなり、次に、本装置におけるラミネート処理の各工程について説明する。
まず、被記録媒体Aに対するラミネート処理を行う前に、予めラミネート材供給部20からラミネート材Bを引き出し、該ラミネート材Bをフリーローラ22に巻き掛けて第一圧着部40(駆動ローラ41と圧着ローラ43との間)及び第二圧着部50(駆動ローラ51と圧着ローラ53との間)に挿通し、先端部を基材回収部70のホルダー71に巻き付けておく。また、アンダーフィルム供給部30からアンダーフィルムEを引き出し、該アンダーフィルムEをフリーローラ32に巻き掛けて第一圧着部40(駆動ローラ41と圧着ローラ43との間)及び第二圧着部50(駆動ローラ51と圧着ローラ53との間)に挿通し、先端部をアンダーフィルム回収部90のホルダー91に巻き付けておく。この状態では、第一圧着部40と剥離部60との間における搬送経路で、ラミネート材BとアンダーフィルムEとが重なりあった状態となっている。
この状態で、図5に示す如く、被記録媒体Aの記録面をラミネート材Bが供給される側(本実施形態においては、ラミネート材供給部20に配置に対応させて上方側)に向け、被記録媒体供給部10から被記録媒体Aを順次供給する。即ち、該ラミネート装置は、複数の被記録媒体Aを連続的にラミネート処理を行えるようになっており、先行する被記録媒体Aと後続の被記録媒体Aとの間に間隔をおいた状態で、これらの被記録媒体Aを被記録媒体供給部10から順次供給する。そうすると、順次供給される各被記録媒体Aは、記録面とラミネート層Dとが対向した状態でラミネート材BとアンダーフィルムEとの間に介在した状態となり、第一圧着部40でラミネート材B、被記録媒体A及びアンダーフィルムEが加熱圧着される。このようにラミネート材Bは被記録媒体Aの搬送方向及び幅方向における両端縁からはみ出るように供給されるため、第一圧着部40で加熱圧着されると、ラミネート層Dは軟化して被記録媒体の記録面及び端面を覆うように変形する。
そうすると、上述の如く、ラミネート材B及びアンダーフィルムEが被記録媒体Aよりも大きなサイズに設定されているので、被記録媒体Aがラミネート材B及びアンダーフィルムEに挟まれ、図9(イ)に示す如く、アンダーフィルムEに被記録媒体Aからはみ出る分のラミネート層Dが転写され、被記録媒体Aの記録面にラミネート層Dが密着したラミネート部分Daと、該ラミネート部分Daの被記録媒体Aを包囲するようにアンダーフィルムEにラミネート層Dが密着した非ラミネート部分Dbが形成されることになる。
即ち、図9(ロ)に示す如く、第一圧着部40でラミネート材B、被記録媒体A及びアンダーフィルムEが加熱圧着する(ラミネート材B、被記録媒体A及びアンダーフィルムEの三者が第一圧着部40を通過する)と、被記録媒体A、ラミネート材B及びアンダーフィルムEが積層されたラミネート部分Daと、ラミネート材B及びアンダーフィルムEが積層された非ラミネート部分Dbとが形成された積層体(A+B+E、B+E)が得られる。尚、アンダーフィルムEに転写されるラミネート層Dの転写幅Dbは、3mm程度以上に設定される。この値よりも小さいと、アンダーフィルムEとラミネート層Dとの接着面積が少なくて接着力が十分でないため、アンダーフィルムEとラミネート層Dとが剥がれるおそれがあり、それが原因となって、ラミネート層Dと記録面とが圧着した部分(ラミネート部分)Daと、ラミネート層DとアンダーフィルムEとが圧着した部分(非ラミネート部分)Dbとがきれいに切り離されないことがあるからである。
次に、第一圧着部40で得られた積層体(A+B+E、B+E)は、図6に示す如く、剥離部60に搬送される。該積層体(A+B+E、B+E)は、第一圧着部40にて加熱された後、時間(所定時間)の経過に伴ってある程度冷却された状態にあるため、ラミネート層Dの接着層D’は硬化を開始しており(活性状態から通常の平衡状態に戻りつつあり)、その結果、接着層D’が略硬化あるいはある程度硬化した状態(略通常の平衡状態)となり、剥離部60に到達した積層体(A+B+E、B+E)は、基材Cとラミネート層Dとの密着力がラミネート層Dの被記録媒体Aの記録面との密着力やラミネート層DとアンダーフィルムEとの密着力よりも小さくなる(ラミネート層Dの被記録媒体Aの記録面との密着力やラミネート層DとアンダーフィルムEとの密着力の方が基材Cとラミネート層Dとの密着力よりも大きくなる)。そのため、ナイフエッジ61を介して基材Cが搬送方向の上流側の上方に向けて引っ張られても、確実に基材Cのみが剥離され、従来のラミネート装置のように、ラミネート層Dの一部又は全部が基材Cと共に持ち去られるようなことはない。
しかも、剥離部60では、ナイフエッジ61の先端部が積層体(A+B+E)と摺接状態にあるため、基材Cの剥離に伴う積層体(A+B+E)の浮き上がりが防止され、基材Cの剥離角度は安定化される。
次に、剥離部60で基材Cが剥離された積層体(A+B+E−C)は、第二圧着部50に搬送され、ここで二回目の加熱圧着が行われる。このように、本実施形態に係るラミネート装置は、最初は基材Cがある状態で加熱圧着し、次に基材Cを取り除いた状態で加熱圧着する構成を採用するもので、これにより、被記録媒体Aの記録面に対するラミネート層Dの密着性を向上させることができ、また、例えば第一圧着部40での積層時に被記録媒体Aとラミネート層Dとの間に気泡が混入したとしても、この気泡を除去してきれいな仕上がり面を得ることができる。
次に、第二圧着部50で二度目の加熱圧着された積層体(A+B+E−C)は、図7に示す如く、分離部80に搬送される。該積層体(A+B+E−C)は、第二圧着部50での加熱圧着により、ラミネート材Bのラミネート層Dが再度活性化しているが、第二圧着部50で加熱圧着されてからの時間(所定時間)の経過による自然放熱及びガイド板83の放熱作用による強制冷却に伴って、ラミネート層Dの接着層D’が硬化しつつ(活性状態から通常の平衡状態に戻りつつ)分離部80に向けて移動することになる。その結果、積層体(A+B+E−C)は、接着層D’が略硬化あるいはある程度硬化した状態(略通常の平衡状態)となった状態で分離部80に到達し、ここでアンダーフィルムEが分離される。
このように接着層D’が略通常の平衡状態となって分離部80に到達した積層体(A+B+E−C)は、分離部80のナイフエッジ81の上面上を摺接しながら下流側に移動し、該ナイフエッジ81の稜線を通過するに際し、アンダーフィルムEがナイフエッジ81の先端部に巻き掛けられた状態でアンダーフィルムEがアンダーフィルム回収部90のホルダー91に巻き取られていく。この際、図10に示す如く、被記録媒体Aのベース面とアンダーフィルムEとが離間するように、被記録媒体A及びアンダーフィルムEは、相対移動することになる。即ち、被記録媒体Aは、ガイド板83,84間(搬送経路)を更に下流側に向けて移動しようとするのに対し、アンダーフィルムEは、被記録媒体Aの移動方向とは異なる方向(被記録媒体Aのベース面から離間する方向)に引っ張られ、それにより、基材Cが剥離された非ラミネート部分Dbのラミネート層DもアンダーフィルムEと同方向に引っ張られる(引き込まれる)ことになる。そのため、基材Cが剥離された非ラミネート部分Dbのラミネート層DもアンダーフィルムEと同方向に移動しようとするため、被記録媒体Aがある部分とない部分との境界(即ち、非ラミネート部分Dbとラミネート部分Daとの境界)において引っ張り力が集中的に作用することになる(本実施形態のラミネート装置では、分離部80によるアンダーフィルムEの当該分離前に剥離部60による基材Cの剥離が行われているが、このように先に基材Cを剥がしておくことは、かかる引っ張り力の集中性をより高めるという点で効果がある)。そうすると、確実に非ラミネート部分Dbのみが切除されて、ラミネート部分Daの端縁は被記録媒体Aの端縁に沿ったきれいなものとなる。
ラミネート部分の端縁がきれいに仕上げられる理由は、一つに、被記録媒体Aの端縁が切断刃の如き機能を発揮することにあると考えられる。即ち、ラミネート部分Daと非ラミネート部分Dbとの境界には、被記録媒体Aの端縁が起因して剪断力(アンダーフィルムEを分離する際、被記録媒体Aの端縁部の反力及び非ラミネート部分DbのアンダーフィルムEとの密着力の相互作用により被記録媒体Aの端縁部を境として生じるラミネート層Dの剪断力)が作用して、ラミネート部分Da及び非ラミネート部分Dbが被記録媒体Aの端縁に沿って切断されるというものである。特に、本実施形態に係るナイフエッジ81は、上面と傾斜面とが鋭角をなしているため、搬送経路上のアンダーフィルムEの移動方向とナイフエッジ81の先端(稜線)からアンダーフィルム回収部90に向けて移動するアンダーフィルムEの移動方向が鋭角となっているので、被記録媒体Aの端縁が極めて鋭い切断刃として機能すると考えられる。
あるいは、別の理由として、図9(ロ)に示す如く、被記録媒体Aの厚みが原因となって、被記録媒体Aの端縁に沿ったラミネート層Dの極小幅領域がアンダーフィルムEから僅かに浮いた状態となることにあると考えられる。アンダーフィルムEを分離する際の引っ張り力がこの浮いた部分に集中的に作用するため、この浮いた部分でラミネート層Dが破断されて、ラミネート部分Da及び非ラミネート部分Dbが被記録媒体Aの端縁に沿って切断されるというものである。あるいは、さらに別の理由として、被記録媒体Aよりも大きなサイズに設定されたラミネート材B及びアンダーフィルムEを用い、被記録媒体Aを介在させた状態で圧着部40,50によってラミネート材BとアンダーフィルムEとを加熱圧着するため、ラミネート材Bのラミネート層Dが被記録媒体Aの記録面及び端縁部等の形状に沿って変形した態様となり、その結果、被記録媒体Aの端縁に沿ったラミネート層Dの極小幅領域の厚みが薄くなることにあると考えられる。アンダーフィルムEを分離する際の引っ張り力がこの薄くなった部分に集中的に作用するため、この薄くなった部分でラミネート層Dが破断されて、ラミネート部分Da及び非ラミネート部分Dbが被記録媒体Aの端縁に沿って切断されるというものである。
尚、当然の如く、ラミネート部分Daから切り離された非ラミネート部分Dbのラミネート層Dは、アンダーフィルムEと共に持ち去られることになる。
また、該分離部80では、図7に示す如く、ナイフエッジ81の先端部を挟んで搬送経路の上流側及び下流側に亘って搬送経路を画定するガイド面(ガイド板83,84の内面、ナイフエッジ81の上面81a)が設けられているため、アンダーフィルムEの分離中であっても、積層体(A+B+E−C;A+B−C)を搬送経路に沿って安定して搬送させることができ、その結果、積層体(A+B+E−C;A+B−C)の法線方向へのバタツキを抑えることができると共に、アンダーフィルムEの分離角度の安定化を図ることができる。さらに、アンダーフィルムEがアンダーフィルム回収部90側に引っ張られるときに、初期の段階で被記録媒体Aの先頭部分がアンダーフィルムEの移動に追従しようとするが、被記録媒体Aが完全に折れ曲がってしまう前、即ち、自己の弾性により姿勢を復元させ得る状態でラミネート部分Daと非ラミネート部分Dbとの境界が切断されるので、ナイフエッジ81の下流側に配設されたガイド板84は、ナイフエッジ81側が屈曲して搬送経路を拡大するように構成することで、被記録媒体Aの先頭部分がガイド板83,84間(搬送経路)に導かれ、該被記録媒体Aが下流側の完成品排出部150に搬送されることになる。従って、完成品排出部150には、被記録媒体Aの端縁に沿ったきれいな端縁を有し、且つ被記録媒体Aとの間に空気等が介在することなく記録面に密着したラミネート層Dでラミネートされた被記録媒体Aが排出されることになる。
<応用例>
上記実施形態に係るラミネート装置は、一回目は基材Cを剥離する前、二回目は基材Cを剥離した後、という具合で加熱圧着を二段階で行うものである。二回目の加熱圧着では、基材Cによる拘束が解除されてラミネート層Dが柔軟となり且つ圧着力が直接的にラミネート層Dに作用するため、被記録媒体Aの記録面に対するラミネート層Dの密着性が増す。しかも、一回目の加熱圧着によってラミネート層Dが被記録媒体Aに密着して安定化しているため、ラミネート層Dに対して直接的に加熱し圧着力を加えても、ラミネート層Dがそれらの影響を受けることはない。従って、図11(イ)に示す通常の光沢仕上げのラミネート処理(光沢のある記録面(平滑度が高い記録面)に対し、表面(より正確には、保護層D''の表面)が光沢を持つようにラミネート層Dを形成するラミネート処理)は勿論のこと、次のようなラミネート処理も可能となる。
応用例(その1):図11(ロ)に示す如く、マット調や絹目調といった半光沢や無光沢の記録面(凹凸のある記録面)に対し、表面が半光沢や無光沢となるようにラミネート層Dを形成するラミネート処理(半光沢仕上げや無光沢仕上げのラミネート処理)。その場合、ラミネート層Dの保護層D''は、加熱圧着により被記録媒体Aの記録面の凹凸に沿う柔軟性を有するものでなければならない。
応用例(その2):図11(ハ)に示す如く、マット調や絹目調といった半光沢や無光沢の記録面(凹凸のある記録面)に対し、表面が光沢を持つようにラミネート層Dを形成するラミネート処理(光沢仕上げのラミネート処理)。その場合、ラミネート層Dの保護層D''は、加熱圧着によっても被記録媒体Aの記録面の凹凸に沿わない剛性を有するものでなければならない。
<第二実施形態>
本実施形態に係るラミネート装置を図12に示す。第一実施形態に係るラミネート装置と異なる点は、まず、分離部80及びアンダーフィルム回収部90を第二圧着部50よりも上流側に配置した点であり、次に、剥離部60及び基材回収部70を第二圧着部50よりも下流側に配置した点である。その他は、基本的には第一実施形態と同じであるため、これらについては、第一実施形態における説明を準用乃至第一実施形態における説明を技術的に読み替えるものとし、併せて第一実施形態の構成要素と同一符号を採番するものとし、説明は割愛する。
本実施形態に係るラミネート処理において、第一圧着部40で得られた積層体(A+B+E、B+E)は、分離部80に搬送されるが、第一実施形態と同様、搬送経路上を通過する間に自然冷却されるので、接着層D’が略硬化あるいはある程度硬化した状態(略通常の平衡状態)となった状態で分離部80に到達し、ここでアンダーフィルムEが分離される。この際、図13に示す如く、被記録媒体Aのベース面とアンダーフィルムEとが離間するように、被記録媒体A及びアンダーフィルムEは、相対移動することになる。即ち、被記録媒体Aは、搬送経路を更に下流側に向けて移動しようとするのに対し、アンダーフィルムEは、被記録媒体Aの移動方向とは異なる方向(被記録媒体Aのベース面から離間する方向)に引っ張られ、それにより、非ラミネート部分Dbのラミネート層Dが、基材Cより分離し、アンダーフィルムEと同方向に引っ張られる(引き込まれる)。従って、非ラミネート部分Dbのラミネート層DがアンダーフィルムEと同方向に移動しようとすることで、被記録媒体Aがある部分とない部分との境界(即ち、非ラミネート部分Dbとラミネート部分Daとの境界)において引っ張り力が集中的に作用することになる。その結果、確実に非ラミネート部分Dbのラミネート層D及びアンダーフィルムEのみが被記録媒体Aの端縁に沿ってきれいに切除されるのである。
当該アンダーフィルムEの分離後は、図13に示すように先後の積層体(A+B)が基材Cを介して連結された状態となる。
次に、第二圧着部50で二度目の加熱圧着をされた積層体(A+B)は、剥離部60に搬送される。該積層体(A+B)は、第二圧着部50での加熱圧着により、ラミネート材Bのラミネート層Dが再度活性化しているが、第二圧着部50で加熱圧着されてからの時間(所定時間)の経過による自然放熱及びガイド板の放熱作用による強制冷却によって、接着層D’が略硬化あるいはある程度硬化した状態(略通常の平衡状態)となり、剥離部60に到達した積層体(A+B)は、基材Cとラミネート層Dとの密着力がラミネート層Dの被記録媒体Aの記録面との密着力よりも小さくなる(ラミネート層Dの被記録媒体Aの記録面との密着力の方が基材Cとラミネート層Dとの密着力よりも大きくなる)。そのため、ナイフエッジ61を介して基材Cが搬送方向の上流側の上方に向けて引っ張られても、図14に示す如く、確実に基材Cのみが剥離され、従来のラミネート装置のように、ラミネート層Dの一部又は全部が基材Cと共に持ち去られるようなことはない。
従って、完成品排出部150には、被記録媒体Aの端縁に沿ったきれいな端縁を有し、且つ被記録媒体Aとの間に空気等が介在することなく記録面に密着したラミネート層Dでラミネートされた被記録媒体Aが排出されることになる。
また、本実施形態のラミネート装置では、基材Cの剥離工程が最後の工程(アンダーフィルムEの分離工程が先に行われる)となっているので、かかる工程までは、基材Cにより被記録媒体Aの意匠面(記録面側表面)が保護されることになる。従って、該意匠面に傷が付きにくくなり、品質性の向上が図れる。また、被記録媒体Aの搬送用のガイドに安価なものを使用できるので、製造コストが下げられるという効果も期待できる。
<第三実施形態>
本実施形態に係るラミネート装置を図15に示す。第一実施形態及び第二実施形態に係るラミネート装置と異なる点は、まず、二つの圧着部を一つにした点であり、次に、圧着部の圧着ローラを駆動ローラに対して接離可能に構成した点である。その他は、基本的には第一実施形態と同じであるため、これらについては、第一実施形態における説明を準用乃至第一実施形態における説明を技術的に読み替えるものとし、併せて第一実施形態の構成要素と同一符号を採番するものとし、説明は割愛する。
圧着部を一つにしたのは、一回の加熱圧着でも被記録媒体Aの記録面に対するラミネート層Dの密着性向上効果及び被記録媒体Aとラミネート層Dとの間に混入した気泡の除去効果が製品レベルで許容できる場合もあるからである。
圧着部におけるローラ対の接離機構(圧着・解除機構)46は、第一部位にてローラ(圧着ローラ43)を回転自在に支持して第二部位にて筐体1に揺動自在に支持されたアーム(カムフォロア)460と、該アーム460の第三部位に当接して、該アーム460の揺動位置を圧着ローラ43が駆動ローラ41に圧着する第一位置と圧着ローラ43が駆動ローラ41から離間する第二位置とに替えるカム461とを備える。
圧着・解除機構46は、圧着ローラ43が無いとした場合に取るラミネート材Bの軌跡B’よりも外方に圧着ローラ43を離間させるように構成されているため、圧着解除位置にある圧着ローラ43は、ラミネート材Bと接触することはない。
そのため、本実施形態に係るラミネート装置によれば、例えば一枚の被記録媒体Aのみをラミネート処理する場合、該被記録媒体Aが圧着部40を抜けた時点で圧着ローラ43を圧着解除するようにすれば、その被記録媒体Aが完成品として排出されるまでにラミネート材供給部20から繰り出された分のラミネート材Bが同じくアンダーフィルム供給部30から繰り出された分のアンダーフィルムEにラミネートされることはなく、従って、そのラミネート材B及びアンダーフィルムEをそれぞれ巻き戻すことにより、次の被記録媒体Aのラミネート処理のために使用することができ、ラミネート材Bの有効利用が図れるのである。
尚、圧着・解除機構は、揺動式に限らず、直動式であってもよいし、また、圧着・解除機構は、方式を問わず、第一実施形態に係るラミネート装置の第一圧着部40及び/又は第二圧着部50に適用してもよい。
<第四実施形態>
本実施形態に係るラミネート装置を図16に示す。本実施形態に係るラミネート装置は、分離部80によるアンダーフィルムEの分離工程が剥離部60による基材Cの剥離工程よりも先に行われる構成となっている点が、第三実施形態に係るラミネート装置と異なる。その他は、基本的には第三実施形態と同じであるため、これらについては、第三実施形態における説明を準用乃至第三実施形態における説明を技術的に読み替えるものとし、併せて第三実施形態の構成要素と同一符号を採番するものとし、説明は割愛する。
本実施形態に係るラミネート処理において、圧着部40で得られた積層体(A+B+E、B+E)は、分離部80に搬送され、分離部80によって、非ラミネート部分Dbのラミネート層D及びアンダーフィルムEのみが被記録媒体Aの端縁に沿ってきれいに切除される(図13参照)。
そして、次に、剥離部60によって、図14に示す如く、基材Cが剥離され、完成品排出部150に、ラミネートされた被記録媒体Aが排出される。
<その他の実施形態>
本発明は、上記何れの実施形態にも限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記何れの実施形態も、主としてインクジェット記録方式で記録された被記録媒体Aをラミネート処理の対象としているが、熱転写記録方式は勿論、その他の印刷記録方式による被記録媒体であってもよいし、銀塩写真からなる被記録媒体をも対象とする。
また、上記何れの実施形態も、被記録媒体Aの記録面が上を向く搬送形態であるが、下を向く搬送形態であってもよいし、被記録媒体Aが上下方向に移動する搬送形態であってもよい。但し、第三実施形態や第四実施形態の如く、圧着・解除機構46を設けることを考慮すれば、圧着ローラを被記録媒体の記録面側に配置し、駆動ローラを被記録媒体のベース面側に配置するのが好ましい。
また、上記何れの実施形態も、被記録媒体Aよりも幅が広い長尺なラミネート材Bを用い、ラミネート材Bで被記録媒体Aの縦横からはみ出るようにしたが、例えば、被記録媒体Aの幅(被記録媒体Aの搬送方向(ラミネート材Bの引き出し方向)と直交する方向の長さ)と同一幅の長尺なラミネートBを用いるようにしてもよい。この場合、先行する被記録媒体Aと後続の被記録媒体Aとの間に間隔があくように被記録媒体Aを順次供給し、搬送経路上で被記録媒体A、ラミネート材B(連続シート)及びアンダーフィルムEを幅規制ガイドでガイドしつつ搬送するようにすれば、被記録媒体Aの記録面の全面をラミネート材Bで覆ってラミネートすることができ、しかも、ラミネート材の消費量を少なくすることができる。このようにしても、アンダーフィルムEを被記録媒体Aから離間させることで、上記実施形態と同様に、ラミネート部分Daと非ラミネート部分Dbとが被記録媒体Aの進行方向の先端及び後端の端縁を境にして切り離されることになる。
また、上記何れの実施形態も、被記録媒体Aよりも幅が広い長尺なラミネート材Bを用いると共に、先行する被記録媒体Aと後続の被記録媒体Aとの間に間隔を有するように被記録媒体Aを順次供給し、ラミネート材B(ラミネート層D)が被記録媒体Aの縦横(周縁)からはみ出るようにしたが、例えば、被記録媒体Aよりも幅が広い長尺なラミネート材Bを用い、先行する被記録媒体Aと後続の被記録媒体Aとが密接するように被記録媒体Aを順次供給するようにしてもよい。このようにしても、ラミネート材Bで被記録媒体Aの記録面の全面を覆ってラミネートすることができ、しかも、ラミネート材Bの無駄な消費を抑えることができる。この場合においても、アンダーフィルムEを被記録媒体Aから離間させることで、上記実施形態と同様に、ラミネート部分Daと非ラミネート部分Dbとが被記録媒体Aの進行方向に延びる端縁を境にして切り離すことができる。ただし、先行する被記録媒体A及び後続の被記録媒体Aの間は、ラミネート層DとアンダーフィルムEとが圧着されていないため、先行する被記録媒体Aと後続の記録媒体Aとがラミネート層Dを介して連結状態にあるが、これらの被記録媒体Aを相対的に離間させることで、被記録媒体A同士を連結するラミネート層Dを破断させて各被記録媒体Aを分断することができる。
第一実施形態に係るラミネート装置の斜視図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置の側面図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置の一部断面を含む斜視図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置の一部断面を含む側面図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置の第一圧着部付近における要部拡大側面図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置の第二圧着部及び剥離部付近における要部拡大側面図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置の第二圧着部及び分離部付近における要部拡大側面図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置に用いられるラミネート材の断面図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置によって、(イ)は、ラミネート材がラミネートされた積層体の平面図、(ロ)は、(イ)のI−I線断面図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置の分離部にてアンダーフィルムが被記録媒体から分離される際の状態図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置によって得られた完成品の断面図であって、(イ)は、通常の光沢仕上げのラミネート処理によるもの、(ロ)は、半光沢の被記録媒体を用いた半光沢仕上げのラミネート処理によるもの、(ハ)は、半光沢の被記録媒体を用いた光沢仕上げのラミネート処理によるもの。 第二実施形態に係るラミネート装置の側面図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置の分離部にてアンダーフィルムが被記録媒体から分離される際の状態図を示す。 同実施形態に係るラミネート装置の剥離部にて基材が被記録媒体から剥離される際の状態図を示す。 第三実施形態に係るラミネート装置の側面図を示す。 第四実施形態に係るラミネート装置の側面図を示す。 従来のラミネート装置の概略側面図を示す。 従来のラミネート装置におけるラミネート処理の最終工程の説明図を示す。
符号の説明
1 筐体
10 被記録媒体供給部(供給部)
11 載置板
100 搬送ローラ対
150 完成品排出部(排出部)
151 載置板
20 ラミネート材供給部(供給部)
21 ホルダー(ラミネート材原反保持体)
30 アンダーフィルム供給部(供給部)
31 ホルダー(アンダーフィルム原反保持体)
40 第一圧着部(圧着部)
41 駆動ローラ
43 圧着ローラ
45 圧着力調整機構
46 圧着・解除機構
50 第二圧着部(圧着部)
51 駆動ローラ
53 圧着ローラ
55 圧着力調整機構
60 剥離部
61 ナイフエッジ(剥離ガイド体)
70 基材回収部(回収部)
71 ホルダー(回収基材保持体)
80 分離部
81 ナイフエッジ(分離ガイド体)
90 アンダーフィルム回収部(回収部)
91 ホルダー(回収アンダーフィルム保持体)
A 被記録媒体
B ラミネート材
C 基材
D ラミネート層
Da ラミネート部分
Db 非ラミネート部分
D’ 接着層
D'' 保護層
E アンダーフィルム(被転写材)

Claims (6)

  1. 被記録媒体の記録面上にラミネート層を形成するラミネート装置において、
    被記録媒体よりも大きなサイズのラミネート層及び基材が剥離可能に積層されたラミネート材と被転写手段との間に被記録媒体を介在させた状態で、前記ラミネート材を前記被記録媒体及び前記被転写手段に加熱圧着する圧着部と、
    加熱圧着後、前記ラミネート材から前記基材を剥離する剥離部と、
    加熱圧着後、前記被記録媒体に密着した前記被転写手段を分離させる分離部と、を備え、
    前記基材の剥離及び前記被転写手段の分離について、何れか一方の後に他方が行われることを特徴とするラミネート装置。
  2. 前記被転写手段の分離は、前記基材を剥離した後に行われることを特徴とする請求項1に記載のラミネート装置。
  3. 前記基材の剥離は、前記被転写手段を分離した後に行われることを特徴とする請求項1に記載のラミネート装置。
  4. 被記録媒体の記録面上にラミネート層を形成するラミネート方法において、
    被記録媒体よりも大きなサイズのラミネート層及び基材が剥離可能に積層されたラミネート材と被転写手段との間に被記録媒体を介在させた状態で、前記ラミネート材を前記被記録媒体及び前記被転写手段に加熱圧着する加熱圧着工程と、
    該加熱圧着工程後、前記ラミネート材から前記基材を剥離する剥離工程と、
    前記加熱圧着工程後、前記被記録媒体に密着した前記被転写手段を分離させる分離工程と、を備え、
    前記剥離工程及び前記分離工程について、何れか一方の工程の後に他方の工程が行われることを特徴とするラミネート方法。
  5. 前記分離工程は、前記剥離工程の後に行われることを特徴とする請求項4に記載のラミネート方法。
  6. 前記剥離工程は、前記分離工程の後に行われることを特徴とする請求項4に記載のラミネート方法。
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