JP4418116B2 - 防音性能測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防音性能の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建設機械のオペレータが作業を行なう、運転室(以下、キャブと言う)内部の静粛性が求められている。これは、建設機械から出る騒音の低減のみでは限界があり、キャブの防音性能の向上が不可欠である。
即ち、建設機械のキャブには、例えば窓ガラスや、ワイヤハーネスが通過するハーネス孔、さらには内部に浸水した水を抜く水抜き孔等、多くの騒音が侵入する部位が存在している。
そこで、従来から、キャブの壁面の板厚を増したり、室内に吸音材を貼ったり、或いは窓ガラスのゴムパッキンのシール性能を改善したりするといった、防音性能を向上させる防音対策が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各部位の防音性能の大小を、独立に判定するための技術は、これまで知られていない。そのため、どの部位に防音対策を施し、どの部位には施さないかといった判断は、設計者の勘や経験から決定されている。そのため、騒音の侵入が大きな部位に気がつかず、侵入がそれほどない部位に防音対策を施してしまうというように、防音対策が効果を上げない場合がある。
また、考えられるあらゆる部位に防音対策を施すのは、重量の増加や、製造コストの増大などの問題があり、非効率的である。さらに、あらゆる部位に防音対策を施しても、前述のように気づかない部位から騒音が侵入していることもあり、防音対策が徹底せずに騒音が低減されないという問題がある。
即ち、これらの各部位の騒音侵入の大きさをそれぞれ独立に把握し、防音対策の費用対効果が大きな部位から防音対策を施すということが、なされていなかった。
【0004】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、被測定物体の各部位の遮音性能や吸音性能などの防音性能を独立に測定可能な防音性能測定手段を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明は、
被測定物体の各部位における防音性能を測定する防音性能測定方法において、
被測定物体の一側を、防音性能を測定する被測定部位を除いて防音材で覆い、
被測定物体の一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体の他側で、被測定物体を通過する音の強度を検出することにより、被測定部位の防音性能を判定している。
かかる方法によれば、被測定部位以外の部位から侵入する音を、防音材によって遮っているので、被測定部位を通過する音のみを独立に測定できる。従って、各部位の侵入音を測定することにより、どの部位が騒音に最も大きく寄与しているかを把握可能であり、これに基づいて効率的な防音対策を施すことができる。
【0006】
また、本発明は、
ボックス状の被測定物体を残響室の内部に設置し、
被測定物体の外周側を、被測定部位を除いて防音材で覆い、
残響室の内部に設置した音源から所定強度の音を発生させ、
被測定物体の内部に侵入した音をマイクロホンで検出することにより、被測定部位の防音性能を判定している。
かかる方法によれば、音源から発生した音が、残響室によって、被測定物体に対して一定の大きさでランダムな方向から入射する。従って、音源の位置などの測定条件によって測定結果が影響を受けることが少なく、正確な測定が可能である。
【0007】
また本発明は、
被測定物体の一側の全表面を防音材で覆い、
被測定物体の一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体の他側で、被測定物体を通過する音の強度を検出したバックグラウンド侵入音に基づき、被測定部位の防音性能を補正している。
かかる方法によれば、防音材を通過して侵入する音によるバックグラウンド侵入音を除去できるので、被測定部位からの侵入音のみを確実に検出でき、測定がより正確になる。
【0008】
また、本発明は、被測定物体の各部位における防音性能を測定する防音性能測定方法において、
被測定物体の一側の、防音性能を測定する被測定部位のみを防音材で覆い、
被測定物体の一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体の他側で検出した被測定物体を通過する音の強度と、
被測定物体を防音材で覆わない状態で、
被測定物体の一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体の他側で検出した被測定物体を通過する音の強度とに基づき、被測定部位の防音性能を判定している。
かかる方法によれば、測定したい部位のみを防音材で覆うことにより、簡単な手順で被測定部位の防音性能を測定可能である。
【0009】
また、本発明は、
ボックス状の被測定物体を残響室の内部に設置し、
残響室の内部に設置した音源から所定強度の音を発生させ、
被測定物体の内部に侵入した音をマイクロホンで検出することにより、被測定部位の防音性能を判定している。
かかる方法によれば、音源から発生した音が、残響室によって、被測定物体に対して一定の大きさでランダムな方向から入射する。従って、音源の位置などの測定条件によって測定結果が影響を受けることが少なく、正確な測定が可能である。
【0010】
また、本発明は、
前記音源から、既知の周波数分布を有する音を発生させ、
マイクロホンで検出した音を周波数分析することにより、部位ごとの防音性能の周波数特性を知るようにしている。
かかる方法によれば、部位別侵入音の周波数特性を読み取ることにより、侵入してくる音の周波数に合わせた防音対策が立てられるので、効率的な防音が可能である。
【0011】
また、本発明は、
被測定物体の各部位における防音対策の効果を比較する防音性能測定方法において、
被測定物体の被測定部位に対して一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体の被測定部位の他側で、被測定物体を通過する第1の音の強度を検出し、
次に被測定部位に防音対策を施し、
一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体の変化被測定部位の他側で、被測定物体を通過する第2の音の強度を検出し、
第1の音の強度と第2の音の強度とに基づき、被測定部位の防音対策を評価している。
かかる方法によれば、効果を確認しながら防音対策を行なえるので、より効果的な防音対策を施すことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
まず、第1実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る防音性能測定装置の構成を示す平面図である。図1において、防音測定装置は、大きさが略一定で方向がランダムな拡散音場を生成する残響室3と、例えば鉛とウレタン状の吸音材とを貼り合わせた防音材7とを備えている。
残響室3は、壁、床、及び天井からの音の反射が無秩序になるように形成されており、例えばコンクリートからなる、互いに平行な面がない不整形7面体の形状を有している。壁、床、及び天井は、音の反射をよくするために磨き上げられている。暗騒音は充分に低く、かつ、残響時間が各周波数に対して略一定で、充分長いものとなっている。
【0013】
ここでは、被測定物体として、建設機械のキャブ1を例に取って示す。残響室3内部には、被測定物体である建設機械用のキャブ1が、図2に示す所定の高さの架台8上に支持されて設置されている。架台8の上面は開いており、下方からキャブ1にアクセスできるようになっている。
残響室3の所定位置には、所定強度の音を発生するスピーカ装置が、音源4として設置されている。このとき、スピーカ装置としては、音をさまざまな方向に発生する無指向性スピーカ装置が望ましい。無指向性スピーカ装置の構成としては、例えば2個のスピーカ11を互いに向い合わせて設置したものでもよく、或いは複数のスピーカ11を球面上に外部に向けて並べたものでもよい。
音源4から発生した音は、残響室3の各壁で反射し、キャブ1に対してランダムな方向から略一様な強さで入射する。キャブ1の内部には、音の強さを測定するマイクロホン5が設置され、マイクロホン5の出力信号は、電気的に接続されてキャブ1外部に出力される。
【0014】
測定にあたっては、まずキャブ1の外周部を、全周にわたって隙間なく防音材7で覆う。尚、図1には、説明のためにキャブ1の上面及び下面の防音材7は示していない。この状態で、音源4から所定強度の音を発生させ、キャブ1内部に侵入してきた音をマイクロホン5で検出する。この音の大きさを、音量測定装置6で測定することにより、測定のバックグラウンドとなる、防音材7全装着時のキャブ1への侵入音を測定することができる。
このようにして測定した侵入音を、バックグラウンド侵入音と呼ぶ。尚、測定時にはこのバックグラウンド侵入音がなるべく小さくなるよう、防音材7の防音性能を高くするのが好ましい。
【0015】
次に、被測定部位として、キャブ1の左側面の後部窓ガラス2の防音性能を測定する場合について説明する。図2に示すように、後部窓ガラス2の防音性能を測定する場合には、外周部全周にわたって貼りつけた防音材7のうち、後部窓ガラス2に貼りつけた分だけを取り除く。
そして、音源4から、先に説明したバックグラウンド侵入音測定時と同じ強度の音を発生させ、キャブ1内部に侵入してきた侵入音をマイクロホン5で検出し、この音の大きさを、音量測定装置6で測定する。このような、各部位における侵入音を、部位別侵入音と呼ぶ。
この侵入音の強度から、先に測定したバックグラウンド侵入音の強度を引き去ることにより、後部窓ガラス2から侵入する侵入音の強度を独立して測定することができる。
【0016】
このような部位別侵入音の測定を、後部窓ガラス2だけでなく、音が侵入していると考えられるすべての部位ごとに、そこだけ防音材7を外して行なう。これにより、各部位ごとに、そこからキャブ1内に侵入する侵入音の強度を把握することが可能となる。
具体的な被測定部位としては、例えば、前後すべての窓ガラスや、窓ガラスの窓ゴム、ワイヤハーネスが貫通しているハーネス孔、内部に浸水した水を抜く水抜き孔等がある。
【0017】
そして、把握した各部位ごとのキャブ1内部への侵入音の強度に基づいて、防音対策を施す順序を決定する。
これには、例えば次に示すように、2つのやり方がある。
(1)侵入音の最も大きなところから対策する。
(2)簡単な対策で大きな騒音防止効果を得ることのできる部位から対策する。
状況に応じて、この(1)及び(2)を組み合わせて防音対策を行なうのがよい。
【0018】
図3に、各部位ごとの侵入音の一例を示す。図3に示すように、左側面のドア上側窓からの侵入音が最も大きくなっている。従って、この部分に対し、窓の厚みを増やしたり面積を減らしたりすることにより、効果的な防音対策を施すことができる。
また、2番目に騒音の侵入が大きいのは、キャブ1の下面のワイヤハーネス孔であり、これに対しては、詰め物をするなどの安価で簡単な防音対策によって、大きな騒音低減効果が期待できる。
このように、防音対策の効果の大きい部位や、少ない対策費で大きな騒音低減効果を上げられる部位から防音対策を施すことにより、効率的な防音対策が可能となっている。
【0019】
そして、残響室3にキャブ1を設置した状態で、このような防音対策を施すたびに部位別侵入音の測定を行なうことにより、防音対策が正しいか否かを確認することが可能である。従って、効果を確かめながら防音対策を行ない、もし対策が有効でなかった場合には他の手段を取ることができるので、確実に騒音を低減することができる。
例えば、後部窓ガラス2に例を取れば、後部窓ガラス2を嵌めない場合、薄い窓ガラスを嵌めた場合、厚い窓ガラスを嵌めた場合など、さまざまな場合について部位別侵入音の計測を行なうことにより、防音対策の効果を確認できる。
他に防音対策としては、例えばキャブ1の内壁に遮音材を貼りつけたり、壁の材質、厚み、或いは構造を変更したりといったさまざまな対策が含まれる。これらの防音対策を施すたびに、部位別侵入音の測定を行ない、防音対策の効果を判定する。
【0020】
また、音源4から広い周波数にわたって略一定の強さのホワイトノイズを発生させ、各部位の部位別侵入音を、図示しない周波数分析器によって周波数分析するようにすると、尚良い。これにより、部位別侵入音の周波数特性を読み取り、例えば後部窓ガラス2からは、どのような周波数の音が侵入してくるのかが把握できる。このとき、バックグラウンド侵入音に対しても周波数分析を行ない、各周波数に対してバックグラウンドの分を引き去るようにするのがよい。
そして、例えば周波数の高い音が特に侵入しやすいようであれば、周波数の高い音に対する防音対策を施すようにする。即ち、侵入してくる音の周波数に合わせて防音対策が立てられるので、効率的な防音対策が可能である。
また、人間が特に耳障りに感じる周波数の騒音を優先的に対策することにより、効果的な防音対策が可能である。
【0021】
図4に、第1実施形態の他の実施例を示す。図4において、キャブ1の内部にはダミーの人形9がオペシート10に着座して設置されており、その両耳にマイクロホン5が固定されている。このような状態で、上記と同様の測定を行なうことにより、オペレータが実際に搭乗した際に感じる、各部位の侵入音を把握することができる。従って、これに基づいて防音対策を施すことにより、オペレータが感じる騒音を低減でき、官能的に静粛なキャブ1を製作することが可能となる。
【0022】
次に、第2実施形態について説明する。
図5に、第2実施形態に係る防音性能測定装置の説明図を示す。図5において、被測定物体であるキャブ1の内部には、無指向性スピーカ装置が、音源4として設置されている。
まず、第1実施形態と同様に、キャブ1の外周部を全周にわたって隙間なく防音材7で覆う。この状態で、音源4から既知の強さの音を発生させ、キャブ1の外部に漏れる音をマイクロホン5で検出する。これを音量測定装置6で測定することにより、侵入音測定のバックグラウンドとなるバックグラウンド侵入音を測定することができる。
【0023】
次に、外周部全周にわたって貼りつけた防音材7のうち、第1実施形態と同様に、後部窓ガラス2に貼りつけた分だけを取り除く。
そして、音源4から音を発生させ、キャブ1外部に備えたマイクロホン5で、漏れてくる音を検出する。そして、検出した音を、先に測定したバックグラウンド侵入音のデータと比較することにより、後部窓ガラス2を通過した騒音のみを分離することができる。これに基づき、後部窓ガラス2の防音性能を把握することができる。
こうして測定した各部位の防音性能に応じて、防音対策の順序及びその内容を策定するのは、第1実施形態と同様である。
【0024】
以上説明したように、第2実施形態においては、キャブ1を残響室3に設置する必要がない。従って、防音性能測定装置の構成が簡単になる。
尚、第2実施形態においては、第1実施形態に示したように、音源4からホワイトノイズを発生させ、侵入音を周波数分析すると、より効果的な防音対策が行なえる。
さらに、キャブ1を無響音室に設置すると、音源4から発生した以外の音が周囲からマイクロホン5に入ることがなく、測定がより正確になる。そして、無響音室は、さまざまな目的に使用されるため、設置数が比較的多いのに対し、残響室3は建設が困難であり、設置数が少ない。従って、本実施形態によれば、数の多い無響音室で測定が行なえるので、測定が容易となる。
【0025】
次に、第3実施形態について説明する。
図6において、キャブ1は第1、第2実施形態と同様に図示しない防音材によって外周部を覆われているものとする。キャブ1の内部には、マイクロホン5が設置されている。
キャブ1の外部には、防音性能を測定する部位に対して略垂直に音場を発生自在な、垂直音場音源4が設置されている。垂直音場音源4としては、例えば図6に示すように、被測定部位であるキャブ1前面に向けて、複数のスピーカ11を2次元平面上に並べたものがよい。これにより、複数のスピーカ11から発生する音が干渉し合って、測定する部位に対して略垂直な音場が発生される。或いは、測定する部位により近づけて、単数又は図6に示したよりも少ない数のスピーカ11を配置してもよい。測定の精度は若干低下するが、簡単な装置で測定が可能である。
【0026】
例えば、キャブ1後部の後部窓ガラス2を測定する場合には、まず垂直音場音源4を後部窓ガラス2の直前に配置し、まずキャブ1の全周が防音材7に覆われた状態で、キャブ1内部に侵入する音を測定する。そして、これをバックグラウンド侵入音とする。
次に、防音性能を測定する後部窓ガラス2に面する防音材7を剥がし、垂直音場音源4から後部窓ガラス2を通ってキャブ1内部に侵入する音を測定する。これを、バックグラウンド侵入音と比較することにより、後部窓ガラス2の防音性能を独立して把握できる。
【0027】
以上説明したように第3実施形態によれば、防音性能の被測定部位に対して、垂直な音場を当てることにより、被測定部位の防音性能を独立に把握可能である。このようにすれば、残響室3が不要であり、簡単な構成で各部位の防音性能を測定できる。
尚、上記第1〜第3実施形態の説明においては、まずバックグラウンド侵入音を測定するように説明したが、防音性能の優れた防音材7を使うのであれば、バックグラウンド侵入音は充分に小さくなるため、測定の必要はない。このようにすれば、騒音測定の回数が減って、測定が簡単に行なえる。
【0028】
次に、第4実施形態について説明する。
第4実施形態においては、第1実施形態と同様に、キャブ1を図示しない残響室に設置する。そして、図7に示すように、キャブ1の外部に第1実施形態と同様の所定強度の音を発生するスピーカ装置を、音源4として設置している。
測定にあたっては、まずキャブ1の外周部に防音材7をまったくつけない状態で、音源4から所定強度の音を発生させ、キャブ1内部に侵入してきた音をマイクロホン5で検出する。この音の大きさを、図示しない音量測定装置で測定することにより、測定のバックグラウンドとなる、キャブ1単体での防音性能を測定することができる。第4実施形態においては、これをバックグラウンド侵入音と呼ぶ。
次に、例えばキャブ1の左側面の後部窓ガラス2の防音性能を測定する場合、後部窓ガラス2にのみ防音材7を貼りつける。そして音源4から、先に説明したバックグラウンド侵入音測定時と同じ強度の音を発生させ、キャブ1内部に侵入してきた侵入音をマイクロホン5で検出する。
【0029】
そして、防音材7をつけない状態で測定したバックグラウンド侵入音の強さから、後部窓ガラス2にのみ防音材7を貼りつけた状態で測定した音の強さを引き去ることにより、後部窓ガラス2からの侵入音を求めることができる。
即ち、防音材7をまったくつけない状態でキャブ1内部に侵入してきたバックグラウンド侵入音は、被測定部位である後部窓ガラス2からの侵入音と、後部窓ガラス2以外のすべての部位からの侵入音との和である。従って、後部窓ガラス2からの侵入音は、上記バックグラウンド侵入音から、後部窓ガラス2にのみ防音材7を貼りつけた状態で測定した、後部窓ガラス2以外のすべての部位からの侵入音を引き去ることで、得ることができる。
【0030】
以上説明したように第4実施形態によれば、被測定部位にのみ防音材7を貼るという簡単な作業により、被測定部位の部位別侵入音を求めることが可能である。従って、どのあたりからの侵入音が最も大きいかといった侵入音の大きさの目安をつけるのに、好適である。
このとき、第2実施形態に示したように、キャブ1の内部に音源4を配置し、外部でその音の大きさを検出するようにしてもよく、第3実施形態に示したように、キャブ1の外部から略垂直な音場を発生させてもよい。また、音の強さを測定するだけでなく、周波数分析を行なうことにより、さらに精密な測定が可能である。
【0031】
尚、上記の各実施形態によれば、音の大きさ又は周波数を直接分析するように説明したが、例えばマイクロホン5で検出した音を録音機に録音して、後で分析を行なってもよい。
また、各部位ごとに測定を行なうように説明したが、例えばキャブ1の上面、下面、左側面、右側面、前面、及び後面の、各面について測定を行なうようにしてもよい。これにより、どの面からの侵入音が最も大きいかを概略知るすることができる。そして、侵入音が大きな面から防音対策を施すようにすれば、対策が効率化される。
また、被測定物体として建設機械のキャブ1を例に取ったが、これに限られるものではなく、防音性能の向上を必要とする被測定物体であれば、応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る防音性能測定装置の説明図。
【図2】第1実施形態に係る防音性能の測定方法の説明図。
【図3】各部位ごとの侵入音の一例を示すグラフ。
【図4】第1実施形態に係る防音性能測定装置の他の実施例を示す説明図。
【図5】第2実施形態に係る防音性能測定装置の説明図。
【図6】第3実施形態に係る防音性能測定装置の説明図。
【図7】第4実施形態に係る防音性能の測定方法の説明図。
【符号の説明】
1:キャブ、2:後部窓ガラス、3:残響室、4:音源、5:マイクロホン、6:音量測定装置、7:防音材、8:架台、9:人形、10:オペシート、11:スピーカ。
Claims (7)
- 被測定物体(1)の各部位における防音性能を測定する防音性能測定方法において、
被測定物体(1)の一側を、防音性能を測定する被測定部位(2)を除いて防音材(7)で覆い、
被測定物体(1)の一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体(1)の他側で、被測定物体(1)を通過する音の強度を検出することにより、被測定部位(2)の防音性能を判定することを特徴とする防音性能測定方法。 - 請求項1に記載の防音性能測定方法において、
ボックス状の被測定物体(1)を残響室(3)の内部に設置し、
被測定物体(1)の外周側を、被測定部位(2)を除いて防音材(7)で覆い、
残響室(3)の内部に設置した音源(4)から所定強度の音を発生させ、
被測定物体(1)の内部に侵入した音をマイクロホン(5)で検出することにより、被測定部位(2)の防音性能を判定することを特徴とする防音性能測定方法。 - 請求項1又は2記載の防音性能測定方法において、
被測定物体(1)の一側の全表面を防音材(7)で覆い、
被測定物体(1)の一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体(1)の他側で、被測定物体(1)を通過する音の強度を検出したバックグラウンド侵入音に基づき、被測定部位(2)の防音性能を補正することを特徴とする防音性能測定方法。 - 被測定物体(1)の各部位における防音性能を測定する防音性能測定方法において、
被測定物体(1)の一側の、防音性能を測定する被測定部位(2)のみを防音材(7)で覆い、
被測定物体(1)の一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体(1)の他側で検出した被測定物体(1)を通過する音の強度と、
被測定物体(1)を防音材(7)で覆わない状態で、
被測定物体(1)の一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体(1)の他側で検出した被測定物体(1)を通過する音の強度とに基づき、被測定部位(2)の防音性能を判定することを特徴とする防音性能測定方法。 - 請求項4に記載の防音性能測定方法において、
ボックス状の被測定物体(1)を残響室(3)の内部に設置し、
残響室(3)の内部に設置した音源(4)から所定強度の音を発生させ、
被測定物体(1)の内部に侵入した音をマイクロホン(5)で検出することにより、被測定部位(2)の防音性能を判定することを特徴とする防音性能測定方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の防音性能測定方法において、
前記音源(4)から、既知の周波数分布を有する音を発生させ、
マイクロホン(5)で検出した音を周波数分析することにより、部位ごとの防音性能の周波数特性を知るようにしたことを特徴とする防音性能測定方法。 - 被測定物体(1)の各部位における防音対策の効果を比較する防音性能測定方法において、
被測定物体の被測定部位に対して一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体の被測定部位の他側で、被測定物体(1)を通過する第1の音の強度を検出し、
次に被測定部位に防音対策を施し、
一側から所定強度の音を発生させ、
被測定物体の変化被測定部位の他側で、被測定物体を通過する第2の音の強度を検出し、
第1の音の強度と第2の音の強度とに基づき、被測定部位の防音対策を評価することを特徴とする防音性能測定方法。
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