JP4417877B2 - 光送受信装置制御システム - Google Patents
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Description
しかしながら、この無影灯を使用した場合であっても、医療術者が体を乗り出して患者の奥深くの術野に医療を施す際には、この医療術者の頭等により無影灯からの光が遮られ、術野に影を映してしまう問題点を有していた。
カメラ等の撮影手段を利用して目標物を長時間撮影する場合には、目標物と撮影装置を繋ぐ光路を絶えず維持しておかなければ、目標物を撮影することができないという問題を有していた。
特に、手術室等の医療行為を撮影する場合には、長時間に亘り患者の術野を撮影する必要がある。この場合、医療術者が医療行為を施す度に、撮影装置の撮影視野を医療術者が遮断する可能性が極めて高く、十分な医療行為の撮影画像を作成することができない問題点を有していた。
しかしながら、特許文献1に記載される発明は、1つの撮影装置により患者(被験者)の動作を解析する発明であるに過ぎず、上記する如き光路を遮断された場合の対応を行うことができる発明ではないため、上記する如き問題点を解決するに至らなかった。
しかしながら、特許文献2に記載される発明も、光マークをカメラで捉えて三次元的位置を特定し解析する発明であるに過ぎず、上記する如き光路を遮断された場合の対応を行うことができる発明ではないため、上記する如き問題点を解決するに至らなかった。
また、複数の変更情報が条件情報とともに記憶手段に格納され、この条件情報を基に変更情報を記憶手段から選出するので、迅速に変更情報を作成することができる光送受信装置制御システムを提供することができる。
また、作成された変更情報と実際の光送受信装置の移動位置が異なる場合に、この情報が新たなる変更情報として記憶手段に格納されるので、極めて精度の高い変更情報を提供する光送受信装置制御システムを提供することができる。
また、条件情報が時間情報や障害物の座標位置情報であるので、効果的に変更情報を選出することができる。
請求項2記載の発明によって、目標物と光送受信装置の位置を特定して新たなる光路を作成することになりより正確な光路を作成することができる光送受信装置制御システムを提供することができる。
請求項4記載の発明によって、光送受信装置が受光する光量の変化に応じて障害物の存在を検知することができる光送受信装置制御システムを提供することができる。
請求項5記載の発明によって、目標物を撮影する撮影手段により作成される画像情報を画像認識することで、障害物の検知を行うため、より精度良く障害物の検知を行うことができる光送受信装置制御システムを提供することができる。
請求項6記載の発明によって、目標物又は目標物を特定するための部位に発信器が設けられるので、この発信器からの信号を受信することにより障害物を検知することができる光送受信装置制御システムを提供することができる。
請求項7記載の発明によって、発信器が異なる識別子を有することによって、より精度良く障害物の存在を検知することができる光送受信装置制御システムを提供することができる。
請求項9記載の発明によって、複数の光送受信装置から障害物を回避する光路を作成することのできる光送受信装置を選択して作動させることができる光送受信装置制御システムを提供することができる。
請求項10記載の発明によって、複数の光送受信装置から障害物を回避する光路を作成することのできる光送受信装置を選択して光強度を変化させて作動させることができる光送受信装置制御システムを提供することができる。
請求項12記載の発明によって、特定の配色を有する器具を画像認識により特定することによって、目標物の座標位置を正確に把握することができる光送受信装置制御システムを提供することができる。
請求項14記載の発明によって、医療行為に於いて使用される医療器具であるので、患者の術野(手術部位)を極めて正確に特定することができるとともに、術野の変更が行われた場合に於いても、迅速に目標物を変更し特定することができる光送受信装置制御システムを提供することができる。
本発明の光送受信装置制御システム(1)は、光送受信装置(2)と目標物(T)の間の障害物の介在しない光路を常時確保することを可能にする。このシステム(1)の基本原理は、光送受信装置(2)と目標物(T)の間に形成される光路中に介在する障害物(O)を検知した場合には、光送受信装置(2)の位置を移動させることにより新たな光路を形成して障害物(O)を回避することにある(図1参照)。
つまり、本発明に係る光送受信装置制御システム(1)は、光送受信装置(2)の光を送受光する位置を変更させるべく、その新たなる位置へと移動させるための情報をこの装置(2)に提供する。
特に、本発明に係るシステム(1)は、光送受信装置(2)、目標物(T)と障害物(O)の位置を自動的に把握することができるとともに、光送受信装置(2)を新たなる位置へと移動するための情報を作成し、移動させることができる(図2参照)。
目標物から指向性を有する光を受光する装置としては、撮影装置を例示することができる。
また、目標物へ指向性を有する光を送光する装置としては、表示装置、無影灯や照明装置等の発光装置を例示することができる。
障害物検知手段(11)は、目標物(T)と光送受信装置(2)との間に形成される光路上に介在する障害物(O)を検知して検知情報を作成する。
この障害物検知手段(11)は、上記の如く、光送受信装置(2)と目標物(T)が作成する光路上に介在する障害物(O)を検知することができる装置や機構であれば特に限定されず、赤外線センサ、光量検出器、画像認識手段、発信器等を利用する方法を例示することができる。
尚、これらの障害物を検知する方法は、1つの方法に限定されず、下記に示される如き方法をいずれか1つを利用することもできるし、複数組み合わせて使用することができる。
尚、この障害物検知手段(11)が、障害物(O)の存在を検知すると、検知信号送信手段(図示せず)により検知信号を送信する。
この赤外線センサにより、光路上の赤外線を検出することによって、光路上の赤外線量の変化を検出して、この変化を捉えることにより障害物(O)の存在を検知することができる。
この画像認識手段を利用する場合には、上記の如き光路を撮影する撮影手段を設けるとともに、この撮影手段が撮影する画像情報を解析する解析手段を設ける必要がある。この解析手段が行う画像解析方法は、特に限定されるものではなく、障害物(O)の存在を検知することができる方法であれば特に限定されるものではない。また、この画像認識手段を利用する場合には、撮影手段を2つ以上設置して障害物(O)の存在を検知することもできる。
この場合の障害物検知手段(11)は、目標物(T)を撮影する目標物撮影手段(11a)と、目標物撮影手段(11a)が作成する画像情報を画像認識して解析する解析手段(11b)と解析結果に応じて障害物(O)が検知された際に信号を発する検知信号送信手段(11c)を有している(図4(a)参照)。
まず、目標物撮影手段(11a)が目標物(T)を撮影する画像情報を作成する(図4(b)参照)。この画像情報は、解析手段(11b)に送信され、所定間隔でこの画像情報が解析される。このとき、画像情報を解析する間隔は特に限定されないが、1/10〜5/10秒程度の間隔で解析されることが好ましい。
尚、この目標物撮影手段(11a)が撮影する画像情報は、目標物(T)が確実に撮影されている状態から始めることが好ましい。
このように特定の配色や模様を施すことにより、画像認識を行う解析手段(11b)がこの配色や模様を認識することで目標物(T)の存在を容易に検知することができ、解析精度を向上させることができるからである。
この場合の模様は、花柄、豹柄水玉柄等の模様パターンを例示することができるとともに、バーコード(1乃至3次元バーコード)であっても構わない。
図4(b)で示されている目標物(T)は、目標物(T)の周囲に配置される布に特定の配色が施され、目標物(T)を特定している。
このとき、解析手段(11b)は画像情報内に目標物(T)が存在しないことを検知するとともに、光路上に障害物(O)が介在したことを検知することになる。
尚、上記の如く、画像情報内に目標物(T)が存在しないことを検知して障害物(O)の存在を検知する場合には、所定間隔以上目標物(T)が存在しない状態が連続して続く場合に、障害物(O)が検知されるように設定されることが好ましい。
このように設定されることによって、微小時間に於ける障害物(O)の介在を無視することができるからである。
解析手段(11b)が、障害物(O)の介在を検知すると、検知信号送信手段(11c)によって、検知信号が送信されることになる。
例えば、図4(c)で示される図では、医療術者の頭部が撮影されている。このような画像情報が作成された場合、解析手段(11b)は目標物(T)の存在を認識することができず、障害物(O)の介在を検知することになる。
例えば、図5で示される場合であれば、障害物(O)が下方向から移動してきたことが解析手段(11b)によって認識されるので、この障害物(O)の移動方向と同方向に移動させる変更情報を作成することができる。
この場合、解析手段(11b)は、画像情報からその特徴量を算出することによって、障害物(O)の移動を算出することができる。
この場合の障害物検知手段(11)は、目標物(T)と光送受信装置(2)を同時に撮影することができる1つ又は複数の全体撮影手段(11d)と、全体撮影手段(11d)が作成する画像情報を画像認識して解析する解析手段(11b)と解析結果に応じて障害物(O)が検知された際に信号を発する検知信号送信手段(11c)を有している。
このとき、全体撮影手段(11d)が作成する画像情報を解析手段(11c)が画像認識を行い解析する。このとき、画像情報から光送受信装置(2)と目標物(T)が形成する光路上に存在する障害物(O)を、画像認識することによって検知することができるようになる。
この場合も、障害物(O)の移動位置や移動方向を画像認識による特徴量を利用することによって算出することができるので、変更情報を作成するための情報として利用することができる。
図7(a)は発信器を利用する場合の概略構成図である。この発信器(11e)を利用する場合には、発信器(11e)とこの信号を受信する受信手段(11f)と受信手段(11f)で受信した信号を解析する解析手段(11g)と、解析結果に応じて障害物(O)が検知された際に信号を発する検知信号送信手段(11c)を設置する。
このような構成を有することで、目標物(T)又は目標物(T)を特定するための部位にこの発信器を設ける。このように設けることによって、発信器からの発信信号を特定することで目標物(T)の位置を特定することができる(図7(b)参照)。
この発信器(11e)は、自ら電池を搭載し電波を発信することができるActive RFID(Radio Frequency Identification)やWi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)等の電波を発信する小型発信機を利用することができる。発信器(11e)が取り付けられる用具は多種多様で且つ複数取り付けられることが好ましく、発信器(11e)毎に固有の識別情報(識別信号)を発信するように設定されることが好ましい。
尚、複数の発信器(11e)が個別の識別信号を有しているので、これらの識別情報を受信することによって各用具の位置も検出することができるようになる。
このことにより、光送受信装置(2)に到達する発信器(11e)からの発信信号を受信することになる。
検知信号送信手段(11c)は、上記の如く、解析手段(11g)により障害物(O)の存在を検知した場合の検知信号を送信する。
障害物検知手段(11)を組み合わせて使用する場合には、これらから検知される検知信号を一時的に受信し、これらの信号の優先性を判断したり、検知信号の正確性(誤作動性)を判断したりするこのとのできる検知信号制御手段(図示せず)を設けることが好ましい。
尚、この検知信号制御手段が、具体的に行う制御方法は、予め検知される手段毎に優劣を設定して判断する方法や、検知信号が生成される手段が複数に至る(設定される数を上回る等)場合に、障害物(O)が存在していると判断する方法を例示することができる。
この変更情報は、光送受信装置(2)が移動する位置情報が含まれており、この位置情報が光送信装置(2)の新たなる光路を形成する位置となる。
変更情報作成手段(12)は、目標物位置特定手段(121)、装置位置特定手段(122)と、光路算出手段(123)と記憶手段(124)を有してなる。図8は、変更情報作成手段を示すブロック線図であり、この図8で示される変更情報作成手段(12)は一実施例の構成に過ぎない。
この変更情報作成手段(12)が行う変更情報の基本概念は、障害物(O)の存在を検知した場合の目標物(T)の位置(座標位置)と光送受信装置(2)の位置(座標位置)を特定し、障害物(O)がこれらの形成する光路上に存在しないような光路を有するように新たなる光送受信装置(2)の位置を特定することにある。
目標物位置特定手段(121)は、発信器からの発信信号を受信して、この発信信号を解析して発信器の位置を特定する。この目標物位置特定手段(121)が行う発信器の位置を特定する方法は、目標物位置特定手段(121)が発信器の信号を受信する受信手段(図示せず)を複数配置し、これら受信手段からの1つの発信器からの発信信号を受信することで位置を特定することができる。
また、このように発信器からの発信信号を利用する場合には、この光送受信装置制御システム(1)を利用する場所内に原点を設定して3次元ユークリッド座標系で示される絶対位置で算出したり、例えば光送受信装置(1)を基準とする相対的な3次元座標で算出したりすることができる。
尚、上記の如き発信器を器具に配置して利用する場合には、目標物(T)の近傍に配される前の位置を誤認しないように設定しておくことが重要である。例えば、上記の如き医療現場の実施例では、発信器を備える医療器具は、トレイに載置されて準備されている場合が通常であるのでこのトレイの位置を目標物(T)の位置と誤認しないように、位置情報として初めから削除しておくか、或いは、トレイ自体に発信器を備えてトレイの位置を算出するようにしても構わない。
また、上記の如き医療現場に於いて画像認識を利用する場合には、目標物(T)を特定するための周縁や部位に、患者の術野を直接触れる可能性のある術者の手袋に発信器を施すことによって、更に効果的に目標物(T)を特定することができる。
特に、医療現場等に於いては、俯瞰カメラを撮影手段として利用し、患者の術野を被覆するように配置される医療用覆布に特殊な色彩や配色を施すことによって、目標物(T)を特定することができる。
また、上記の如き医療現場に於いて画像認識を利用する場合には、目標物(T)を特定するための周縁や部位に、患者の術野を直接触れる可能性のある術者の手袋に色彩や模様を施すことによって、更に効果的に目標物(T)を特定することができる。
このジャイロセンサ(G)は、予め設定される基準軸に対して、3次元角度(x軸:y軸:z軸)の傾きを算出することができるので、常時このジャイロセンサ(G)が取り付けられる人間の視線方向を算出することができる。つまり、少なくとも2人以上の頭部にこのジャイロセンサ(G)を取り付けることによって、2人の視線方向の交差点が目標物(T)の存在位置であることを算出することができるようになる。
尚、この方法では、複数の目標物(T)を観察又は監視する人間にジャイロセンサ(G)を取り付け、ジャイロセンサ(G)により算出される視線方向が交差する交差点が複数存在する場合があるが、このような場合には、交差点に交差する視線方向が最も多いものを目標物(T)として特定することで、より正確に目標物(T)を特定することができる。
尚、装置位置特定手段(122)が特定する光送受信装置(2)の位置情報も記憶手段(124)へ記憶されることになる。
この光路算出手段(123)が変更情報を算出する方法は、特定された目標物(T)の位置情報と光送受信装置(2)の位置情報から最適な変更情報を記憶手段(124)から選出する方法を例示することができる。
この記憶手段(124)に記憶される変更情報には、目標物(T)と光送受信装置(2)の位置情報が付与されていることになる。
また、この変更情報には、条件情報が付与されていても構わない。この条件情報は、時間情報及び/又は障害物の座標位置情報を有している。
この時間情報とは、開始からの経過時間を示す経過時間情報である。また、障害物の座標位置情報とは、障害物(O)が検出された際の障害物(O)の位置情報である。
これらの情報が、変更情報に付与されることによって、複数の変更情報が記憶手段(124)から選出される際に効果的に変更情報を選出することができる。
例えば、目標物(T)と光送受信装置(2)の位置情報のみを利用して、記憶手段(124)から変更情報を選出するよりも、これらの位置情報と時間情報や障害物の位置情報を併せて記憶手段(124)から変更情報を選出することによってより精度の高い変更情報を選出することができる。
また、この条件情報には、手術を行う医師の名前等の識別情報や手術の種類、患者の名前等の識別情報を付与して記憶手段(124)へ記憶させておく。
これらの情報を付与させておくことで、変更情報が光路算出手段(123)により算出される場合により精度の高い変更情報を選出することができるからである。
このように補正手段を有することにより、記憶手段(124)に記憶される変更情報を、システム(1)を使用する度に新たなる変更情報を生成することができる。
尚、この補正手段は、変更情報に沿って光送受信装置(2)が移動した後、所定時間以内(例えば、5〜10秒以内)であれば、補正位置情報として変更位置を情報として記憶するように設定しておく。
この補正手段により生成される補正情報は、先の変更情報が誤り変更情報であるとして判断し削除してもよいし、補正情報を正しい変更情報として記憶手段(124)に記憶するように設定してもよい。
光送受信装置(2)には、詳細は後述するが、光送受信装置(2)を移動させるための移動機構が備えられており、このため、光送受信装置(2)の移動又は存在位置は制御手段により制御されているので、変更情報と異なる移動位置に移動された場合には、この制御手段により検出させるように設定される。
例えば、図10に示される図を利用して説明する。ある状況に於いて、目標物(T)と光送受信装置(2)が光路を形成し、光の送受信を行っている状況(図10(a)参照)を設定する(尚、図10では3次元座標を利用して示している)。
この光路上に障害物(O)が介在したとする(図10(b)参照)。このとき、障害物検知手段(11)により障害物(O)が検知され、変更情報が変更情報作成手段(12)により作成され、この変更情報に従って光送受信装置(2)が移動する(図10(b)参照)。
光送受信装置(2)が移動位置(D)に移動後、人間等の操作によって別の位置(D’)へ移動されるとする(図10(c)参照)。このとき、補正手段により変更情報と比べ異なる移動位置に光送受信装置(2)が移動されたことを検出し、この移動位置が変更情報が提示する移動位置と異なることが検出される。そして、補正手段は、この補正位置情報を補正された変更情報として記憶手(124)に記憶する。このとき、この補正位置情報である変更情報は、上記の如き条件情報とともに記憶される。
次に、図10で示された如き状況が起こったとする。この場合、障害物(O)を障害物検知手段(11)が検知する(図10(b)参照)。この場合、変更情報作成手段(12)は、過去の変更情報から最も適した変更情報は、補正された変更情報であると条件情報等を利用して選出することができる。そして、図10(d)で示される変更情報を選出することであると判断することができる。
特に、上記の場合、開始からの時刻情報等の設定される条件情報を付与して設定しておくことで、光送受信装置(2)を移動させるための最適な移動位置を複数の条件情報に応じて選出することができる。
つまり、補正手段と条件情報を利用することによって変更情報を選出する精度を極めて向上させることができるようになる。
例えば、図11で示される如き点線で示される直線及びその近傍が算出され、この算出される以外の位置情報へと光送受信装置(2)が移動される。
この直線近傍の範囲は、特に限定されず、使用者が設定する範囲であるが、少なくとも確実に障害物(O)を回避できる程度の範囲である必要がある。
この場合、光送受信装置制御システム(1)が配置される空間(部屋)に複数の撮影手段が配置され、これらの撮影手段からの画像情報が画像認識されるように制御手段(解析装置)が準備される。変更情報作成手段(12)は、複数配置される各撮影手段から作成される画像情報を記憶手段(124)に記憶し、これらの記憶される画像情報に於ける目標物(T)の撮影状況情報を解析装置により解析し、この解析された画像情報から最も目標物(T)を明確に捕らえている画像情報を撮影した撮影手段の座標位置を選択し、この選択座標位置を基に変更情報を作成するように設定することもできる。
つまり、複数の撮影手段(C)を配置して画像情報を作成することによって画像認識を利用し障害物(O)を検出することができるようになり、この検出された障害物(O)が撮影されている撮影手段(C:図12中C(1))は障害物(O)が存在する方向(領域)であると判断し、この障害物(O)が撮影されていない撮影手段(C:図12中C(2)やC(3))の方向(領域)側には障害物(O)が存在しないと判断することができる。これらの判断結果から、撮影手段(C:図12中C(2)又は(3))の領域に光送受信装置(2)の移動位置を変更情報として設定することができる。
尚、図12では、目標物(T)に対して中心角略120度になる位置に3つの撮影手段(C)が配置されている。
この場合、変更情報作成手段(12)は、この目標物撮影手段による画像情報を基に、障害物(O)の軌道を解析し、解析情報から変更情報を作成する。
つまり、上記の如く、目標物撮影手段により撮影される画像情報を画像認識し、障害物(O)の移動状況を特徴量の変化を利用して解析し、その移動状況に対して追従するように光送受信装置(2)を移動させるように変更情報を作成することで、光送受信装置(2)の移動位置を算出する。
このように複数の変更情報作成手段(12)が設定される場合には、変更情報が夫々の変更情報作成手段(12)によって複数作成されることになる。このように複数の変更情報が作成される場合には、作成される変更情報に応じて優先される優先順位を設定したり、夫々の変更情報に重み付けを行いその平均を算出したりして、複数の変更情報からより精度の高い変更情報を算出するように設定することができる。
例えば、この要素としては、対象となる目標物(T)に関する情報、検出された又は検出されると予測される障害物(O)に関する情報、対象となる光送受信装置(2)に関する情報、光送受信装置制御システム(1)を作動開始からの経過時間情報を例示することができる。また、障害物(O)を検知した際に関する情報、例えば、経過時間情報、目標物(T)、障害物(O)や光送受信装置(2)の位置情報を例示することもできる。
この場合、変更情報作成手段(12)が作成する変更情報は、この空間内の位置座標を出力するように設定されており、この変更情報が有する位置座標に光送受信装置(2)が制御機構を利用して移動されることになる。
この場合、この信号を送信することにより、目標物(T)と光路形成する光送受信装置(2)の出力を変化させることができ、障害物(O)が介在することなしに目標物(T)と光路を形成することのできる光送受信装置(2)を適宜選択して、この光送受信装置(2)を作動させることができる。
この光送受信装置制御システム(1)が導入(使用)される空間又は部屋の形状や大きさを設定するための使用状況情報が記憶される。
この使用状況情報は、このシステム(1)により制御される光送受信装置(2)に関する情報や、この光送受信装置(2)の移動可能距離や場所の情報、この光送受信装置(2)により形成することのできる光路の範囲等の情報である。
これらの情報は、記憶手段(124)に記憶されるとともに、変更情報作成手段(12)により変更情報の条件情報として付与されることが好ましい。
このようにこれらの情報が、条件情報として変更情報に付与されることによって変更情報をより幅広い属性情報を有するように設定することができるからである。
以上が本発明に係る光送受信装置制御システムの構成である。
図13は、本発明に係る光送受信装置制御システムを医療現場で利用する場合を示しており、光送受信装置(2)として、無影灯(21)と医療用表示装置(22)が設定されている。尚、この医療現場では、本光送受信装置制御システム(1)の機能を構成する各手段が壁面内に収容されて設けられている。また、この光送受信装置制御システム(1)のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)は、記憶手段(124)に記憶される手術に関連する情報が表示されている。この図13では、「患者の氏名」、「病名」、「術式」、「経過時間」が表示されている。この手術室の天井部には俯瞰用の第1撮影装置(11a)が設置されており、この第1撮影装置(11a)が撮影する画像情報が光送受信装置制御システム(1)の記憶手段(124)に記憶されるように設定されている。尚、この第1撮影装置(11a)の如き俯瞰用撮影装置は複数設けられていることが好ましい。
この無影灯(21)には、無影灯(21)の投光軸と同軸に配される第2撮影装置(23)が配されている。この第2撮影装置(23)は術野を撮影することができるように設定されている。尚、この第2撮影装置(23)も第1撮影装置(11a)と同様に作成する画像情報を記憶手段(124)に格納するように設定されている。
この医療用表示装置(22)も無影灯(21)と同様3次元的に移動可能なように複数のアーム部とモータ等により設置されている。
患部の典型的な座標位置を初期値として予め設定しておくこともできる。このように設定しておくことにより、手術開始直後は、この典型的な座標位置を利用して患部の座標位置を検出することなくスムーズに本光送受信装置制御システム(1)を利用することができるからである。またさらに、医療術者が医療行為を行う典型的な位置(立ち位置)を予め設定しておくこともできる。このように設定しておくことにより、障害物(O)と成り得る医療術者を予め予測して上記の変更情報を算出することができるからである。
上記の患部の座標位置情報は、切開部位別や患部別に設定されてもよい。また、術式別、これらの手術公開の度合い別又は映像利用用途別に情報を設定しても構わない。
尚、この利用用途別とは、例えば、教育用、遠隔手術用(遠隔治療用)、患者の家族への公開放送用、ロボット手術用、OPEN MRI等による手術機械別に設定されてこれらの情報を付加して記憶させておくことが好ましい。
これらの関連する情報を付加して変更情報を記憶することにより、変更情報を算出する場合に最も適切な変更情報を複数の条件から導き出せることになるからであり、また、変更情報を管理する場合にこれらの付与される情報から変更情報を抽出したり又一覧として編集したりすることができるからである。
この第1障害物検出手段(11)は、図4を利用して説明した如く、目標物(T)(患部の映像を示す)を撮影する第2撮影装置(23)が作成する画像情報を利用する。この第2撮影装置(23)が撮影して作成する画像情報は、記録手段(124)に記録されるとともに、解析手段(11b)に転送される。
この解析手段(11b)は、この画像情報を画像認識技術を利用して目標物(T)が撮影されているか否かを判定する。この場合、目標物(T)は医療用覆布(T1)の開口部の周縁に縁取られる色彩に囲まれていることになるので、この色彩が画像認識により認知されるか否かによって、第1光路上に於ける障害物(O)の有無を判定することになる。
この場合には、第2光路に存在する障害物(O)を検知するように第2の障害物検知手段(11)が設定されている。
この第2障害物検知手段(11)は、図6で説明した如く、この手術室全体を撮影することのできる第1撮影装置(11a)により撮影される画像情報を利用している。
この第1撮影装置(11a)が作成する画像情報は、第1障害物検知手段(11)で説明した如く、記録手段(124)に記憶されるとともに、解析手段(11b)に転送される。
この解析手段(11b)は、この画像情報を画像認識技術を利用して、第2光路上の障害物(O)の有無を検知することになる。
このとき、光送受信装置制御システム(1)の記憶手段(124)に手術に関する選択肢が記憶されている場合には、これらの選択肢を表示してこの利用者に選択を促す。
また、医療術者(D)の頭部には発信器が設けられている。
手術が開始され、光送受信装置制御システム(1)には、開始信号(動作信号)が送信され、手術開始とともに光送受信装置制御システム(1)が動作を開始し、第1及び第2障害物検知手段(11)が動作を開始する。
尚、このとき、無影灯(21)は患者の患部を適切に照射する位置に配置されており、医療用表示装置(22)は、医療術者(D)がこの医療用表示装置(22)を確実に閲覧することができる位置に配置されている。
第1障害物検知手段(11)は、障害物(O)の検知を所定時間間隔で行っている。
第2撮影装置(23)が画像情報を作成して、解析手段(11b)へ転送する(S1)。このとき、画像情報は記録手段(124)へ記憶される。
このとき、解析手段(11b)が上記の如き特殊な色彩により示される目標物(T)を検知することができれば、第1光路上に障害物(O)は存在しないと判断され、無影灯(21)はこのままの位置を維持することになる(S3)。
一方で、図14(a)に示される如く、解析手段(11b)が目標物(T)を検知することができなければ、第1光路上に障害物(O)が存在すると判断され、検知信号送信手段(11c)の動作を促す信号が発せられる。
検知信号送信手段(11c)は、障害物(O)が検知されたことを促す信号を変更情報作成手段(12)へ送信する(S4)。
この場合、図8を利用して説明した如く、この状況に応じる条件情報(経過時刻情報、目標物位置情報、光送受信装置位置情報、上記する撮影状況情報やその他属性情報)が作成され(S5)、作成された条件情報と記憶手段(124)に記憶される複数の変更情報が有する条件情報とが比較され(S6)、作成された条件情報と最も類似する条件情報を有する変更情報が光路算出手段(123)により選出される(S7)。
そして、変更情報が選出されると、図14(b)で示す如く、この変更情報が有する位置情報に無影灯(21)が移動させられる(S8)。
このようにして、無影灯(21)は、患部である目標物(T)に光を照射することができるようになり、医療術者(D)は患部を照らす光を得ることになる。
尚、この変更情報の位置情報に従い無影灯(21)が移動した後に、医療術者(D)や医療行為者等により無影灯(21)が所定時間内に別の位置へ移動させられた場合には、補正手段により、この作成された条件情報を有する変更情報が、新たな変更情報として記憶手段(124)に記憶されることになる。
第2障害物検知手段(11)は、障害物(O)の検知を所定時間間隔で行っている。
第1撮影装置(11a)が画像情報を作成して、解析手段(11b)へ転送する(S11)。このとき、画像情報は記録手段(124)へ記憶される。
このとき、解析手段(11b)が上記の如き特殊な色彩により示される目標物(T)を検知することができれば、第1光路上に障害物(O)は存在しないと判断され、無影灯(21)はこのままの位置を維持することになる(S13)。
一方で、図16(a)に示される如く、解析手段(11b)が医療術者の助手(E)である障害物(O)を検知すると、第2光路上に障害物(O)が存在すると判断し、検知信号送信手段(11c)の動作を促す信号が発せられる(S14)。
このとき、第1撮影装置(11a)が撮影する画像情報は記憶手段(124)に記憶されているので、解析手段(11b)は、画像情報から特徴量(変化量)を解析することにより障害物(O)の移動方向を算出することができる(S15)。
検知信号送信手段(11c)は、障害物(O)が検知されたことを促す信号を変更情報作成手段(12)へ送信する。
この場合、上記の障害物(O)の移動方向が算出され、光送受信装置(2)の移動する方向を算出することができるので、この算出方向側にある位置座標である変更情報を選出する。また、この状況に応じる条件情報が作成され、上記の選出された変更情報からこの作成される条件情報と最も類似する条件情報を有する変更情報が光路算出手段(123)により選出される(S17)。
そして、変更情報が選出されると、図16(b)で示す如く、この変更情報が有する位置情報に医療用表示装置(22)が移動させられる(S18)。
このようにして、医療用表示装置(22)は、目標物(T)となる医療術者(D)の頭部に光を照射(画面の光を投影)することができるようになり、医療術者(D)は医療用表示装置(22)を閲覧することができる。
尚、この変更情報の位置情報に従い無影灯(21)が移動した後に、医療術者(D)等により医療用表示装置(22)が所定時間内に別の位置へ移動させられた場合には、補正手段により、この作成された条件情報を有する変更情報が、新たな変更情報として記憶手段(124)に記憶されることになる。
以上が本発明に係る光送受信装置制御システムの動作の説明である。
また、掘削現場を目標物、照明装置を光送受信装置として、工事現場で使用する制御システムとして利用することも可能である。
またさらに、看板等を障害物、道を目標物、非常灯を光送受信装置として、地下で使用する制御システムとして利用することも可能である。
11・・・・障害物検知手段
12・・・・変更情報作成手段
121・・・目標物位置特定手段
122・・・装置位置特定手段
123・・・光路算出手段
124・・・記憶手段
2・・・・・光送受信装置
O・・・・・障害物
T・・・・・目標物
Claims (14)
- 目標物からの指向性を有する光を受光する又は、目標物へ指向性を有する光を送光する光送受信装置を制御する光送受信装置制御システムであって、
前記目標物と前記光送受信装置との間に形成される光路上に介在する障害物を検知して検知情報を作成する障害物検知手段と、
前記検知情報を受信した際に、前記光送受信装置と前記目標物との間に新たなる光路を形成するよう前記光送受信装置の移動を促す変更情報を作成する変更情報作成手段を有し、
前記変更情報作成手段が、複数の変更情報と、該変更情報に付加されるとともに前記検知情報に関する情報を示す条件情報が格納される記憶手段を有し、
前記条件情報が、時間情報及び/又は障害物の座標位置情報であり、
前記変更情報作成手段が、前記条件情報を基にして前記記憶手段から変更情報を選出し、
前記変更情報作成手段が、前記変更情報を送信した後に、前記光送受信装置の移動位置が該変更情報の促す移動位置と異なる場合に、前記記憶手段に新たなる変更情報として、該変更情報に付与される条件情報を付与して格納する
ことを特徴とする光送受信装置制御システム。 - 前記変更情報作成手段が、前記目標物の位置を特定する目標物位置特定手段と、前記光送受信装置の位置を特定する装置位置特定手段を有し、
前記変更情報作成手段が作成する変更情報が、前記目標物位置情報と前記装置位置情報を基に作成されていることを特徴とする請求項1記載の光送受信装置制御システム。 - 前記障害物検知手段が、前記光路上に存在する障害物を検知する赤外線センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光送受信装置制御システム。
- 前記障害物検知手段が、前記光送受信装置が受光する光量の変化に応じて作動する光量検出器であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光送受信装置制御システム。
- 前記目標物を撮影して目標物画像情報を作成する目標物撮影手段が設けられ、
前記障害物検知手段が、前記画像情報を画像認識して障害物を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の光送受信装置制御システム。 - 前記目標物又は前記目標物を特定するための部位に信号を発信する発信器が設けられ、
前記障害物検知手段が、前記発信器からの信号の受信状況に応じて障害物を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の光送受信装置制御システム。 - 前記発信器が複数配置されるとともに、夫々異なる識別情報を有することを特徴とする請求項6記載の光送受信装置制御システム。
- 前記光送受信装置が、3次元的に移動可能に制御され、
前記変更情報作成手段が作成する変更情報が、前記光送受信装置の移動を制御する情報であることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の光送受信装置制御システム。 - 前記光送受信装置が複数配置され、
前記変更情報作成手段が作成する変更情報が、複数の前記光送受信装置から特定の光送受信装置が動作するように促す信号であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光送受信装置制御システム。 - 前記光送受信装置が複数配置され、
前記変更情報作成手段が作成する変更情報が、複数の前記光送受信装置に於ける光の送受信出力の変化を夫々制御することを促す信号であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光送受信装置制御システム。 - 前記目標物の位置を特定するために、該目標物の周囲に配される器具に電波発信器を備えることを特徴とする請求項2に記載の光送受信装置制御システム。
- 前記目標物の位置を特定するために、該目標物の周囲に配される器具に特定の配色又は模様を施すことを特徴とする請求項2記載の光送受信装置制御システム。
- 前記光送受信装置が、無影灯、医療用表示装置、術野撮影装置からなる群から選択される一つ又は複数からなることを特徴とする請求項1記載の光送受信装置制御システム。
- 前記器具が、メス、医療用手袋、手術用覆布、医療用クリップ、鉗子やピンセット等の医療用器具であることを特徴とする請求項11又は12に記載の光送受信装置制御システム。
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