JP4417170B2 - ガスケットの漏洩量測定装置 - Google Patents

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Description

この発明は、化学工業プラントなどにおける各種の装置や配管のシール機能を担うガスケットの漏洩量測定装置に関するものである。
さまざまな腐食性薬液が使用され、過酷な温度、圧力条件の下で稼動する化学工業プラントなどにおいては、装置や配管の「シール漏れ」は重大な事故を招くおそれがあり、シール機能(装置全体の密封性)を担うガスケットの選択は十分慎重に行うことが必要である。
目的に応じたガスケットを選択するには、その使用環境に応じた特性や評価をしなければならないが、現在のところ従来技術である概ね下記の(1)、(2)の評価方法にもとづいて行われる。
(1)基礎的評価方法(ガスケット基材や配合成分、物理的特性による評価方法)
この評価方法は、ガスケットを選択する際の第一の選択基準である。ガスケットの基材や成分、物理的特性(物理的強度、圧縮永久ひずみ、相手部材との「なじみ性」など)から、使用条件に適したガスケットを選択する方法である。
例えば、特定の腐食性薬液に使用するものであれば、当該薬液に対する耐薬品性の高い基材をベースとしたものを基準に選択すべきであるし、高温条件下での使用を目的とするものであれば、耐熱性の高い基材や成分を基準に選択すべきである。しかし、耐薬品性は温度条件によって変動し、耐熱性もガスケットが曝される薬液環境によって変動する。
また、ガスケット物理的特性の三つである圧縮永久歪も、ガスケットのシール性評価において重視される項目である。なぜなら、ガスケットの多くは比較的柔軟な物性を示すものゆえ、長時間の継続使用により、応力緩和を生じ、締め付け面圧の低下を引き起こし、やがては、シールに必要な締め付け面圧を下回ると、漏れを生じさせる。
しかし、ガスケットに加えられる初期締め付け面圧は、装置全体との関係で制約を受けることが多く、実際に負荷される初期締め付け面圧によって、そのガスケットの長期シール性は変動する。さらに、高温条件で使用される場合には、ガスケット材料の劣化の進行状況を勘案しなければならない。
すなわち、あらかじめ用意された、基礎的データ(カタログに掲載されている数値)は、一定条件下における評価数値であり、現実の使用環境における性能を保証するものとはいえない。
(2)漏洩を実測する方法
上記したように、ガスケットは使用条件、すなわち、ガスケットの締め付け時に加えられる締め付け面圧、温度条件によってシール性能にばらつきが生じることから、現実の使用条件に近い、締め付け面圧、温度条件を測定装置によって実施し、その条件において、実際に漏洩するガス流体を捕集し、捕集した容積から漏洩量を測定して評価する方法がある。
例えば、ビューレット法(ASTMF-586に準拠)は、図10に示すように、加圧手段107によって荷重負荷の加えられたフランジ106で挟まれたガスケット101の内径側空洞部に、窒素ガス源105から供給される所定圧力の窒素ガスを負荷し、外径側に漏洩した窒素ガスをメタルスリーブ102とゴムOリング103によって補集し、この補集した窒素ガスをゴム管110を介して、水を充填したビューレット104に導き、液面の低下から漏洩量を定量するものである。108はガスケットの歪みを計測するダイアルゲージ、109は窒素ガス計測用の圧力計である。
この方法の問題は、装置全体を加熱することが困難であることから、高温条件における漏洩試験が困難であり、高温によるガスケッットの劣化の影響を評価に反映させることができないという問題がある。また、腐食性薬液環境下で使用されるガスケットを評価するにあたっても、予め別途、当該薬液に浸漬するなど前処理が必要となり、簡便な評価は困難である。
以上の従来技術の問題点を整理すると、ガスケットが使用される環境は様々である。配管内部を通過する薬液の種類や温度条件によりシール性能、寿命(耐久性)が変わってくる。高温条件下、腐食性薬液環境下で使用されるガスケットを評価するには、基礎的評価方法だけでは不十分であるが、前記した漏洩量を実測する方法を採用する装置がない。このため、現在のところ信頼ある評価を行うには、これまでの経験則と実機試験によって評価するしかないのが現状である。しかし、大型の化学プラントの一部として組み込まれた配管やタンクに使用されるシール材について実機試験をすることは容易でないという問題がある。
さらに、高温用熱媒などの配管等に使用されるガスケットを評価をするためには、高温用熱媒体が高い腐食性を示し、人体に危険な物質であるとともに、融点が高いものが多く、常温では固体であるため、薬液に浸漬する処理から、漏洩試験の実施にいたるまで、その取り扱いに困難性を伴う。
また、多くの場合、配管内は気体液体混合状態の場合を想定してシール性を考える必要があり、液体と気体の両方の状態に対する漏洩量を実測して総合的に評価することが必要である。
本発明に関連する先行技術文献を例示しておく。
特開2001−66216号公報 特開2000−111440号公報 特開平9−264427号公報
本発明は、上述の従来技術の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、ガスケットの使用環境を小スケールで実現し、かつ、その漏洩試験を簡便に実施でき、特に、融点が高く常温では固体であるために取り扱いが難しく、これまで評価が困難であった、高温下で腐食性薬液が気体液体混合状態にある配管等に使用されるガスケットの評価を、より簡便に行うことができて、これまで実機試験によらなければ困難であったガスケットの評価をより簡便に評価する方法を確立することができる、ガスケットの漏洩量測定装置を提供することにある。
ちなみに、例えば特許文献2に記載の装置では、常温で固体の薬剤を装置に装入して加熱して液化させ、その液化薬剤による劣化雰囲気に試料ガスケットを晒した後、装置を冷却して液化薬剤を固化させて取り出そうとしても、複数のフランジ間に介装された全ての試料ガスケットが、通しボルト(フランジ締付ボルト)10によって締結されているため、薬剤だけを取り出することができず、気密試験を実施することができなかった。つまり、通しボルト10の締結を解除すれば、全ての試料ガスケットが大気に晒されてしまうという問題があった。
本発明は上記した目的を有効に達成するために、次のような構成にしてある。すなわち、請求項1記載の本発明のガスケットの漏洩量測定装置は、筒体の一端を閉鎖し他端にフランジを設けたパーツAと、筒体の両端にフランジを設けたパーツBと、筒体の一端を閉鎖し他端にフランジを設けるとともに筒体に漏洩量測定用の気体導入孔を設けたパーツCと、パーツBの両端のフランジに対峙させたパーツA並びにパーツCのフランジを互いに締結する締結手段と、パーツBとパーツCのフランジ間に介装するシール部材とからなり、漏洩量測定時に、供試ガスケットをパーツAとパーツBのフランジ間に介装してこの両フランジを締結手段で締結し、かつ、シール部材をパーツCとパーツBのフランジ間に介装して両フランジを締結手段で締結して使用する構成を特徴とする。
また、請求項2記載の本発明のガスケットの漏洩量測定装置は、筒体の一端を閉鎖し他端にフランジを設けたパーツAと、筒体の一端を閉鎖し他端にフランジを設けるとともに筒体に漏洩量測定用の気体導入孔を設けたパーツCと、パーツAのフランジに対峙させたパーツCのフランジを互いに締結する締結手段とからなり、漏洩量測定時に、供試ガスケットをパーツAとパーツCのフランジ間に介装して両フランジを締結手段で締結して使用する構成を特徴とする。
前記したような構成からなる本発明のガスケットの漏洩量測定装置では、ガスケットの使用環境を小スケールで実現できて、ガスケットの漏洩試験を簡便に実施でき、特に、高温下で腐食性薬液が気体液体混合状態にある配管等に使用されるガスケットの評価を、より簡便に行うことができて、かつ、これまで実機試験によらなければ困難であったガスケットの評価もより簡便に評価することができる。
以下、図に示す本発明の実施するための最良の形態を示す漏洩量測定装置について説明する。図1〜図7は本発明にかかる一例のガスケットの漏洩量測定装置に関する図である。図示の漏洩量測定装置1は、筒体2の一端を閉鎖し他端にフランジ3を設けたパーツAと、筒体4の両端にフランジ5,6を設けたパーツBと、筒体7の一端を閉鎖し他端にフランジ8を設けるとともに筒体7に漏洩量測定用の気体導入孔9を設けたパーツCとの、3つの主要部品に、さらに、パーツBの両端のフランジ5,6に対峙させたパーツA並びにパーツCのフランジを互いに締結する締結手段10と、パーツBとパーツCのフランジ間に介装するシール部材11等を備えた構成のものである。
前記の各パーツA、B、Cは、高温に耐え、腐食性薬液に対する耐食性金属からなる。また、各フランジ3、5、6、8は、それぞれ円周方向に所定の間隔を以ってボルト挿入用の複数(図示の例では4個)の貫通孔12を有している。パーツBのフランジ6と対峙するパーツCのフランジ8の当接面8a側には、シール部材11を装着する環状凹部15が設けてある。勿論、シール部材11を装着する環状凹部は、パーツBとパーツCの両方のフランジ6,8に設けてもよい。また、パーツCのフランジ8側ではなく、パーツBのフランジ6側に設けてもよい。
パーツAの筒体2の一端側は、閉鎖形成されていて、円板16を設けてある。また、パーツCの筒体7の一端側も閉鎖形成されていて円板部17を一体形成してある。さらに、パーツCの筒体7には、漏洩量測定用のN2ガスを筒体7内に導入する前記した気体導入孔9を設けてある。
前記の締結手段10は、この例ではボルト13とナット14とからなり、対峙するフランジ3と5、並びにフランジ6と8を締結する際に、各貫通孔12にボルト13を挿入してナット14で締結する。勿論、締結手段10は締結する両フランジを強く挟んで締結する万力のようなものであってもよい。
前記した各構成部品からなる漏洩量測定装置1は、パーツBを中心にしてそれぞれのパーツA、B、Cの端部にあるフランジ3、5、6、8の各当接面を合わせ、締結手段10であるボルト13、ナット14で締結して組み立てる構造になっている。
パーツAとパーツBのフランジ3、5間には、供試ガスケット18(例えば、渦巻き形ガスケットやメタルジャケットガスケットなど、過酷な条件で使用されるガスケットなど)が介装される。一方、パーツBとパーツCのフランジ6,8間には、メタル中空○リング(シール部材11の一例)が介装され、フランジ6,8間のシール性を確保している。このメタル中空○リング11(便宜上、シール部材と同一符合を使用)は、供試ガスケット18より高いシール性を発揮するガスケットであり、これにより、パーツBC間の漏洩が被試験サンプルの漏洩量測定に影響を与えることがないようになっている。
なお、後述するように、この例の漏洩量測定装置1におけるパーツCは、常温では固体としてハンドリングしなければならないため、本発明の漏洩量測定装置1を使用する上で、困難性を伴う薬液、具体的には、高温状態で使用される腐食性薬液に対するガスケットの評価には必要である。しかし、取り扱いが容易な常温下で液状の薬液に対する評価を行う場合は、必須の部品ではない。このような薬液のみを対象とするのであれば、パーツBを有底の容体と、かつ、N2ガス導入孔を設けたより簡便な装置としてもよい。勿論、図8、図9に示すように前記したパーツAとパーツCとからなる構成の漏洩量測定装置19とすれば、前記したような取り扱いが容易な常温下で液状の薬液に対する評価を行う装置として使用することができる。なお、漏洩量測定装置19の構成は、前記した例の漏洩量測定装置1の構成からパーツBを除いた構成であり、先の例と同一の箇所に同一符合を付して詳細な説明を省略する。
次に本発明に係る漏洩量測定装置1を用いたガスケット評価方法について説明する。
(1)気体漏洩の測定と液体漏洩の測定の必要性について
実機においで使用が予定される流体が液体であるならば、その試験としても液体での漏洩試験を実施すれば足りる場合もある。しかしながら、液体の漏洩は非常に定量しがたく、例えば漏洩の有無を確認する検査程度であれば有効であるが、漏洩量によるガスケットの相対比較は困難な場合が多い。
一方、気体の漏洩は定量しやすく、漏洩量によるガスケットの相対比較はたやすいが、気体と液体とでは、その粘度や分子量の大きさから、例えば気体漏洩量は同じ圧力条件下の液体漏洩量の1000倍以上に達することがある。そのため、特に、気液混合状態でのシール性が要求される、例えば、高温熱媒体ラインに使用されるガスケットの評価には気体、液体両方の漏洩試験を実施し、気体漏洩量によるガスケットの相対比較と、液体漏洩の有無を確認することによる合否判定を行うことが、より確かな評価を可能とすることとなる。
本発明の漏洩量測定装置1によれば、以下に詳述するように、小スケールで実際のガスケットの締め付け条件その他の使用条件が実現されると共に、その条件下における気体漏洩も液体漏洩も測定することが可能である。さらに、常温では固体の腐食性薬液に対する測定であっても、取り扱い性よく、簡便にそれに対するガスケットのシール性の評価を行うことができる。
以下は、本発明の漏洩量測定装置1を用いて高温用熱媒体下で使用されるガスケットの、気体の漏洩試験液体の漏洩試験の実施手順を説明する。
この漏洩量測定装置1(試験装置)によれば、高温用熱媒体のように、常温では固体(結晶状態)で取扱が困難な腐食性薬液であっても、取扱性よく、かつ、実機環境に近い条件での気体液体双方の結果を得ることができ、これらの結果に基づく信頼性の高いガスケットの評価が行えることが理解できるものと考える。
(2)気体漏洩量測定方法
(a)パーツA、Bのフランジ3,5間に、測定しようとする試験サンプル18(以下「ガスケット」という。)を装着し、ボルト13、ナット14で所定の締め付け面圧を与えて、パーツA−B組立体とする。
(b)漏洩量測定装置1の内部において実際にガスケット18が使用される腐食環境を実現するために、パーツCに腐食性薬液(高温用熱媒体「HTS」は常温では固体である。)を充填し、パーツCのフランジ6に設けられたガスケット装着溝(環状凹部15)に中空メタルOリング11を装着する。
(c)パーツA−B組立体のパーツB側のフランジ6とパーツCのフランジ8とを所定締め付け面圧によりボルト13、ナット14で締結し、漏洩量測定装置1を完成させる(図3)。
(d)次に、図4に示すように、漏洩量測定装置1を反転させ、パーツCが上に位置するように置く。このとき、パーツCの容積はパーツAの容積より大きいため、反転前にパーツCの容積に十分量の薬液が充填されていれば、反転後、腐食性薬液はガスケット18と接触させることができ、ガスケット18は使用環境と同じ腐食性環境下に曝されることとなる。
(e)劣化処理;使用条件と同じ高温条件を実現するために漏洩量測定装置1を電気炉等で所定時間加熱処理を行う(図4)。このとき、固体状の高温用熱媒体は、融点以上に加熱され、液状となり、ガスケット18の使用環境と同じ環境が実現する。また、より劣化を促進するため漏洩量測定装置1内(各筒体2,4,7内)をN2ガスで加圧する。
(f)所定時間加熱後、所定温度(固化する少し前の)温度)まで降温し、図5に示すように再度、漏洩量測定装置1を反転させ、炉内で常温まで冷却する。
(g)パーツCを取り外し、腐食性薬液を回収する。(漏洩量測定装置1を反転させているのでパーツCに薬液は集まり、固体の状態でパーツCに回収される。)
(h)パーツA−B組立体に再度、中空メタルOリング11を装着したパーツCを所定面圧にてボルト13、ナット14で締結し漏洩量測定装置1を組み立てる。
(i)図6に示すように、漏洩量測定装置1のパーツCに設けられたN2ガス導入孔に減圧弁等を介してN2ボンベを接続し、これを、水中に浸漬させる(水没法)。
(j)減圧弁を開き、所定圧力でN2ガスを漏洩量測定装置1に導入し、ガスケット18の装着部であるパーツA、Bのフランジ3、5間から漏洩してくるガスをメスシリンダー等により捕集しその容積により、ガス漏洩量を求める。
(k)大気圧まで減圧した後、パーツCを取り外す。
なお、常温で液体の薬液の場合には、前記した漏洩量測定装置19或いはパーツAと有底のパーツBからなる簡易形の漏洩量測定装置(図8、図9)でもよい。
(3)液体漏洩量測定方法
(a)〜(g)までは、前記した(1)のガスによる漏洩量測定方法と同様に行う。また、気体漏洩量測定方法に続けて液体漏洩量の測定を実施して総合評価をすることもできる。
(h)パーツA−B組立体のパーツBの開口部から測定流体を充填する。液面はパーツA,Bの接合面以上となるようにし、ガスケット18が測定流体と接触するようにする。(図7)
(i)パーツA−B組立体に再度、中空メタル○リング11を装着したパーツCを所定面圧にてボルト13、ナット14で締結し、漏洩量測定装置1を組み立てる。
(j)図7に示すように、漏洩量測定装置1のパーツCに設けられたN2ガス導入孔9に減圧弁等を介してN2ボンベを接続し、減圧弁を開き、所定圧力でN2ガスを漏洩量測定装置1に導入し、ガスケット18に所定の内圧が負荷されるようにする。
(k)ガスケット装着部であるパーツA,B間からの液体漏洩の有無を確認する。漏洩が認められた場合は、漏洩してくる液体捕集しその容積により、液体漏洩量を求める
(4)レファレンス(対照試験)について
以上の漏洩量測定による評価方法には、対照試験としてガスケット劣化処理を行わない場合の漏洩試験をあわせて実施すべきである。これにより、標準条件(初期条件)におけるガスケットの漏洩量を知ることができる。これに対して、劣化処理後どの程度の漏洩量の増大があったかを比較することにより、使用条件における評価をより適切に行えるからである。
実験例
この発明の実験例を以下に説明する。高温用熱媒として、代表的な溶融塩熱媒体であるHTS(例えばNeoSK−SALT(KNO3,NaNO3、NaNO3混合物、融点142℃、製造元:綜研テクニックス株式会社)(HTSは一般名、NeoSK−SALTは商品名)が使用されている配
管ライン用のシール材として渦巻き形ガスケットを採用できるか否かをこの発明の漏洩量測定装置1を用いて評価した。
(1)供試ガスケット
渦巻き形ガスケット1
日本バルカー工業株式会社製 商品名バルカタイト NO.596
フィラー :特殊石綿紙
フープ:SUS304
内・外輪:SUS304
渦巻き形ガスケット2
日本バルカー工業株式会社製 商品名クリーンタイト
(2)試験条件
高温用熱媒であるHTSは極めて腐食性が高く、熱媒としての使用温度は420℃という高温に達するラインである。試験条件としては、以下の条件を設定した。
*試験サイズ:JIS 10K 25A
(JIS定める10K25Aスケジェール管に対応するフランジおよびガスケット寸法)
*劣化条件腐食性流体:HTS
温度条件:420℃
圧力:0.1MPa N2ガス
時間:1週間
*漏洩量測定
漏洩量の測定は、ガスケッットの使用環境が気液混合状態と考えられるため、気体の漏洩量測定と液体の漏洩量測定の両方を実施その総合的評価により、供試したガスケットが使用に耐えられるかを評価した。
気体の漏洩量の測定
気体: N2ガス
圧力条件:1.0MPa 加圧下
液体の漏洩量の測定
液体:水(HTSでの試験は危険であるため、水で代用した。)
圧力条件
*ガスケットの締め付け面圧:初期締め付け面圧(*注) 68.6Pa(シール面への初期なじみ)劣化処理時および、漏洩量測定時の締め付け面圧
(*注)
「初期締め付け面圧」とは、ガスケットとフランジ間の間隙をなくし(いわゆる、「なじみ性」を与える。)、接面漏洩を防止するとともに、ガスケットが十分に圧縮され本来のシール機能を発揮するのに必要な締め付け力として設定されたものである。ガスケットは、継続使用により応力緩和が生ずるため、通常、シール機能に必要な面圧より、高めに設定される。
*漏洩量測定装置1(試験装置)
この評価に必要な耐熱性および薬液に対する耐食性をもった装置とするため、漏洩量測定装置1の各パーツA,B,Cには試験条件に対して耐食性があり安価なSTPG材、中空メタル0リングにはSUS321材(日本バルカー工業株式会社製、寸法:外径50mm×管径1.6mm)を用いた。
(3)試験方法
(3)-1 初期漏洩量の測定(対照試験)
(a)漏洩量測定装置1のパーツA,Bのフランジ間に供試ガスケットを装着し、トルクレンチにて68.6MPaの初期締め付け面圧を供試ガスケットに負荷しシール面に対してなじみ性を与えた。次に供試ガスケットの継続使用よる応用緩和を想定して41.2MPaまで締め付け力を緩めた。すなわち、評価は、初期締め付け力を付与後、一定期間継続使用され、応力緩和により41.2MPaの締め付け面圧となった状態での漏洩量により評価することとした。
(b)つぎに、中空メタル○リング11を介装してパーツCを、18kNで締め付け、漏洩量測定装置1を組み立て、劣化処理を施すことなくそのまま図6に示すように漏洩量測定装置により、1.0MPaのN2ガス加圧下で、ガスケット装着部であるパーツA,B間から漏洩の有無を確認したが、供試ガスケット1,2とも漏洩は認められなかった。
(c)続けて、パーツCを取り外し、パーツA−B組立体に水を充填し、ガスケットを水に接触させ図7に示す漏洩量測定装置1にて1.0MPaN2ガス加圧下で装置内部に導入し、ガスケットの装着部であるパーツA,B間からの漏洩の有無を確認したが、供試ガスケット1,2とも漏洩は認められなかった。
(3)-2劣化後の漏洩量測定
(a)漏洩量測定装置1のパーツA、Bフランジ間に供試ガスケットを装着し、トルクレンチにて68.6MPaの初期締め付け面圧をガスケットに負荷しシール面に対してなじみ性を与えた。次にガスケットの継続使用による応力緩和を想定して41.2MPaまで締め付け力を緩めた。
(b)つぎに、中空メタルOリング11を介装してパーツCを、18kNで締め付け、測定装置を組み立て(図4)、試験方法の手順(2)に従って、パーツCにHTS液を充填し、電気炉内温度420℃、N2ガス0.1MPa加圧下、1週間放置して、劣化処理を行った。
なお、HTSの回収は、N2ガスを大気圧まで減圧し、炉内温度が250℃にまで下がってから、漏洩量測定装置1をパーツAが.上側となるように反転させて常温となるまで放置後、パーツCから回収した。
(c)漏洩量測定装置1を水洗し、HTSを完全に除去した後、乾燥させた。
(d)予備のパーツCをメタル中空Oリング11を介してA−B組立体に締結し、再度漏洩量測定装置を組み立てた。
(e)試験方法の手順(2)に従って、装置1内をN2ガス1.0MPAの圧力下、水没法により、メスシリンダにてガス漏洩量を測定した(図6)。
漏洩量(ml/min)=捕集容積÷捕集時間
この結果、供試ガスケット1の気体漏洩量が43ml/min、供試ガスケット2は213ml/minであった。
(k)続けて、パーツCを取り外し、パーツA−B組立体に水を充填し、ガスケットを水に接触させ図7に示す漏洩量測定装置1にて1.0MPaN2ガス加圧下で装置内部に導入し、ガスケット装着部であるパーツA,B間からの漏洩の有無を確認した。供試ガスケット1からの漏洩は認められなかった。しかし、供試ガスケット2からは外観上僅かな漏れが認められた。
(L)以上の結果、劣化処理により、液体(水)漏洩量の測定からは、漏れが認められなかったが、気体漏洩量の測定からは、劣化処理により供試ガスケット1よりも、供試ガスケット2の方がその影響を大きく受けていることが明らかとなり、HTSラインに使用するガスケットとしては、ガスケット1の方が望ましいものであることが分かった。
この結果は、実機試験による結果と符合するものであった。
本発明にかかる一例のガスケットの漏洩量測定装置(N2ガス導入孔を省略)の斜視図である。 図1に示す漏洩量測定装置の概略構成を示す説明図である。 図1に示す漏洩量測定装置を使用した気体漏洩量測定方法における漏洩量測定過程を示す説明図である。 図1に示す漏洩量測定装置を使用した気体漏洩量測定方法における漏洩量測定過程を示す説明図である。 図1に示す漏洩量測定装置を使用した気体漏洩量測定方法における漏洩量測定過程を示す説明図である。 図1に示す漏洩量測定装置を使用した気体漏洩量測定方法における漏洩量測定過程を示す説明図である。 図1に示す漏洩量測定装置を使用した液体漏洩量測定方法における漏洩量測定過程を示す説明図である。 本発明にかかる他の例のガスケットの漏洩量測定装置(N2ガス導入孔を省略)の斜視図である。 図8に示す漏洩量測定装置の使用時の説明図である。 従来の一例のガスケットの漏洩量測定装置を示す説明図である。
符号の説明
1、19 漏洩量測定装置
A パーツ
B パーツ
C パーツ
2 筒体
3 フランジ
4 筒体
5 フランジ
6 フランジ
7 筒体
8 フランジ
9 気体導入孔
10 締結手段
11 シール部材
18 (供試)ガスケット

Claims (2)

  1. 筒体の一端を閉鎖し他端にフランジを設けたパーツAと、筒体の両端にフランジを設けたパーツBと、筒体の一端を閉鎖し他端にフランジを設けるとともに筒体に漏洩量測定用の気体導入孔を設けたパーツCと、パーツBの一端のフランジと、該フランジに対峙させたパーツAのフランジと、を締結する締結手段と、パーツBの他端のフランジと、該フランジに対峙させたパーツCのフランジと、を締結する別の締結手段と、パーツBの他端のフランジと、パーツCのフランジとの間に介装されるシール部材とを備え、
    各パーツA,B,Cは、高温に耐え、かつ腐食性薬剤に対する耐食性を備えた金属材からなり、かつ、各パーツA,B,Cの筒体の内部には薬剤を充填でき、漏洩量測定時に、供試ガスケットをパーツAとパーツBのフランジ間に介装してこの両フランジを締結手段で締結し、かつ、シール部材をパーツCとパーツBのフランジ間に介装して両フランジを締結手段で締結して使用する構成を特徴とするガスケットの漏洩量測定装置。
  2. 筒体の一端を閉鎖し他端にフランジを設けたパーツAと、筒体の一端を閉鎖し他端にフランジを設けるとともに筒体に漏洩量測定用の気体導入孔を設けたパーツCと、パーツAのフランジに対峙させたパーツCのフランジを互いに締結する締結手段とからなり、各パーツA,Cの筒体の内部には薬剤を充填でき、かつ、パーツCの筒体の容積は、パーツAの筒体の容積よりも大きく、
    漏洩量測定時に、供試ガスケットをパーツAとパーツCのフランジ間に介装して両フランジを締結手段で締結して使用する構成を特徴とするガスケットの漏洩量測定装置。
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