JP4415305B2 - 無線タグ鏡スイッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鏡の防曇用ヒータをON/OFFするためのスイッチであって、無線電波(ここでは電磁波を含む、以下同じ)を受信して電源の供給を受け、この電源を利用してデータをアンテナから送信する無線タグを用いた鏡スイッチ装置に関するものである。
例えば、洗面化粧台の鏡には、ガラスの裏面側に防曇用のヒータが配設されており、鏡の表面が曇ったときに、前記ヒータをON動作させて加熱し、鏡面に付着した水滴を消失させている。而して、このような防曇用のヒータをON/OFFさせるためのスイッチとして特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1のスイッチは、ガラスの裏面側に銀幕を塗布形成しない部分を形成し、該部分に静電容量検知センサーを配設し、ガラス表面側に結露が発生することによって生ずる静電容量の変化を当該検知センサーで検知し、防曇用ヒータをON動作させて加熱し、結露を消失させるようにしている。
また特許文献2に記載された技術にあっては、ガラスの裏面側に銀膜を塗布形成しない領域を部分的に設け、該部分に光電式の受発光素子を設けてスイッチとしている。ガラス表面側に結露が発生した場合、使用者が銀膜の塗布形成されていない透明な部分のガラスの表面側に指を差し出すことにより、その反射光をガラス裏面側の受光素子が検知し、ガラス裏面側に配設したヒータをON動作させて加熱し、前記結露を消失させるようにしている。
実開平6−57262号公報 実開平6−29463号公報
ところが、前記特許文献1及び2に記載された発明にあっては、いずれもガラス裏面に銀膜の形成されていない部分を設ける必要があった。このような銀膜の形成されていない部分は、一旦、ガラス裏面の全面に銀膜を形成した後、これを剥離除去する必要があり、極めて面倒な作業となっていた。すなわち、銀膜の形成は、ガラス裏面の全面に銀引材料を均一に流し込み、蒸留水で洗い流して乾燥させることにより、ガラス裏面の全面に銀膜が残って形成されるものである。しかも、銀膜の部分的な剥離除去作業は、慎重に行わなければ、鏡の表面側からの見栄えが悪くなるという欠点があった。
しかも、従来においては、銀膜があるとガラスの表面側と裏面側との間では電波を用いた通信が不可能と考えられていたため、電波を用いた非接触式のスイッチ等を設置することはなされていなかった。
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、銀膜を通じてガラス表面側と裏面側との間で通信ができることを見出し、防曇用の鏡スイッチ装置を提供せんとするものである。
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、ガラス表面側に、無線電波を受信するアンテナと、無線電波を受信して電源の供給を受け、この電源を利用してデータをアンテナから送信するタグICと、データの送信をON/OFF制御するスイッチとから成る無線タグを配設し、ガラス裏面側にリーダアンテナを設置し、両者間で通信するようにしたことを特徴とする無線タグ鏡スイッチ装置である。
本発明が採用した請求項2の手段は、ガラス裏面側に配設した防曇用ヒータを、リーダアンテナとした請求項1に記載の無線タグ鏡スイッチ装置である。
本発明が採用した請求項3の手段は、前記スイッチは、二本の電極をガラス表面側に露呈させてなり、指で触ることによりON/OFF切り換えが可能なものである請求項1又は2に記載の無線タグ鏡スイッチ装置である。
請求項1の発明にあっては、ガラス表面側に配設した無線タグは、無線電波を受信するアンテナと、無線電波を受信して電源の供給を受け、この電源を利用してデータをアンテナから送信するタグICと、データの送信をON/OFF制御するスイッチとから成る。そして、鏡スイッチ装置は、このような無線タグを複数種類有しており、それぞれの無線タグがガラス裏面側のリーダアンテナを通じて電波の送受信を行うようになされている。従って、各無線タグのデータにガラス裏面側に配設した防曇用のヒータのON/OFF機能、高温、低温の切り換え機能等を持たせることで、ガラスの表面側と裏面側とを無線電波を利用した鏡スイッチ装置とすることが可能である。
請求項2の発明にあっては、無線タグと情報のやりとりを行うリーダ側のアンテナをガラス裏面側に組み込んだ防曇用のヒータで兼用するようにしている。このように、防曇用ヒータを利用することで、別途専用のアンテナを設ける必要がなく、全体のコンパクト化及び低コスト化が可能である。
請求項3の発明にあっては、ガラス表面側に露呈させた二つの電極を指で触るだけでスイッチの切り換えが行える。スイッチ自体を薄型で簡単な構成とすることが可能であり、また低コスト化が可能であり、メンテナンスもフリーである。
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1は本発明の一実施の形態に係るものであり、図(A)は鏡1の全体を示す側面図、図(B)は鏡スイッチ装置2の電気回路構成を示す図面である。同図に示す如く、この実施の形態の鏡スイッチ装置2は、無線電波を受信するアンテナ3と、無線電波を受信して電源の供給を受け、この電源を利用してデータをアンテナ3から送信する無線タグIC4と、当該無線タグIC4のデータの送信をON/OFF制御するスイッチ5とからなる一つの無線タグ6を有し、当該無線タグ6が三つ設けられている。各無線タグIC4のデータは、それぞれ防曇用ヒータ9の電源をON/OFF制御する機能と、ヒータ9を高温の状態に維持する機能と、低温に維持する機能のいずれかに設定されている。またスイッチ5は、二つの電極をガラス7の表面側へ露呈させておけばよい。使用者が前記二つの電極を指(身体の一部)で触ることにより、ON動作するようになる。なお、スイッチ5は、他にもリミットスイッチであってもよく、静電容量センサーであってもよい。静電容量センサーである場合は、指先でセンサーをタッチすればよい。
一方、ガラス7の裏面側には銀膜8が塗布形成されている。銀幕8の厚みはできるだけ薄い方が無線電波を利用した信号の送受信にはよく、例えば銀膜8の厚みが80ナノメートル程度であれば125KHzの電波の送受信が電波法の規制値以内の電波強度で可能であった。また銀膜8の背面側には防曇用ヒータ9とリーダアンテナ10とが取り付けられている。リーダアンテナ10は、前記鏡スイッチ装置2へ電源用の無線電波を送信すると共に、鏡スイッチ装置2のアンテナ3から発信される無線タグIC4のデータを受信し、防曇用ヒータ9の制御回路(図示せず)にデータを送信するように設定されている。
なお、銀幕8のかわりに、数ミクロンから数十ミクロンの厚みを持つアルミ泊を用いた試験では、125KHzの電波の送受信が電波法の規制値以内の電波強度では不可能であった。
次に、このように構成された鏡スイッチ装置2の動作態様を説明する。今、鏡1のガラス表面が結露により曇っているとする。使用者は、鏡1の前面側のスイッチ装置2の無線タグIC6を準備し、そのスイッチ5に指先を近づけるか又はタッチすることにより、これをONにする。これによりリーダアンテナ10から送信される無線電波を、無線タグICのアンテナ3が受信し、無線タグIC内部の電圧回路に動作用の電圧を発生させる。
またスイッチ5がONになったことにより、無線タグIC4に記憶されているデータが無線通信インターフエイスを通じてアンテナ3から防曇用ヒータ9の制御回路へ送信される。制御回路は、送信されたデータに応じた設定動作を行う。これにより、無線通信方式によるリモコン操作が行われたことになり、防曇用ヒータ9がON動作して鏡1を加熱し、ガラス表面の結露水を消失させる。
なお、リーダアンテナ10は、ガラス裏面側の防曇用ヒータ9を用いるようにしてもよい。ヒータ9は、かなりの大きさを有しており、無線タグが使用する周波数の波長によっては好都合であり、捲線数をかなり減らすことが可能である。また防曇用のヒータ9を利用することにより、別途に専用のアンテナを設置する必要がないという利点もある。
本発明の一実施の形態に係るものであり、図(A)は鏡の全体を示す側面図、図(B)は鏡スイッチ装置の電気回路構成を示す図面である。
符号の説明
1…鏡、2…鏡スイッチ装置、3…アンテナ、4…無線タグIC、5…スイッチ、6… 無線タグ、7…ガラス、8…銀膜、9…防曇用ヒータ、10…リーダアンテナ

Claims (3)

  1. ガラス表面側に、無線電波を受信するアンテナと、無線電波を受信して電源の供給を受け、この電源を利用してデータをアンテナから送信するタグICと、データの送信をON/OFF制御するスイッチとから成る無線タグを配設し、ガラス裏面側にリーダアンテナを設置し、両者間で通信するようにしたことを特徴とする無線タグ鏡スイッチ装置。
  2. ガラス裏面側に配設した防曇用ヒータを、リーダアンテナとした請求項1に記載の無線タグ鏡スイッチ装置。
  3. 前記スイッチは、二本の電極をガラス表面側に露呈させてなり、指で触ることによりON/OFF切り換えが可能なものである請求項1又は2に記載の無線タグ鏡スイッチ装置。
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