JP4415158B2 - Magnetic sensor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物の存在や挙動等、特に対象物の回転移動を検出するための磁気センサに関するものであり、より詳細には大バルクハウゼンジャンプ現象を利用した磁気センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
大バルクハウゼンジャンプ現象を起こしうる素子、特にワイヤ状素子を用いた回転検知用の磁気センサについては、幾つかのものが提案されているが、その代表的な構成例は、添付図面の図7に略示するようなものである。
【0003】
この従来の構成例においては、図7に示されるように、大バルクハウゼンジャンプを起こしうるワイヤ状磁性素子10の周りに検出コイル11を巻回してなる検出素子を備える。大バルクハウゼンジャンプ現象を起こすためには、ワイヤ状磁性素子10に交番磁界を作用させる必要があることから、被検出物体に接続される回転中心軸21を有するドラム状基体20に、極性を交互に変えた永久磁石31から36を等間隔に並べて配置し、ドラム状基体20の回転につれて、永久磁石31から36がワイヤ状磁性素子10の近傍を順次通過していくような構成としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来構成にあっては、ドラム状基体20の直径寸法が大きくなり、小型化には限界があった。また、ワイヤ状磁性素子10の磁化の配向を揃えるためにも作用する磁界は、より強い方が好ましいが、これを強くするには隣接する磁界との間で磁気回路を形成させないようにするため両者間に十分な距離を置く必要があり、ドラム状基体20の小型化は一層困難である。
【0005】
ドラム状基体20の小型化が困難であるため、ドラム状基体20自身の質量によるイナーシャを軽減することができず、また、特にイナーシャの軽減について重要なスリム化も構造上極めて困難である。これらのことから、当然に、コストもかさむものとなると共に、大きさやコストの割に性能は低いものとなってしまっていた。
【0006】
さらにまた、検出分解能を上げるため、ドラム状基体20の周りに複数個のワイヤ状磁性素子10を配置する場合には、これらワイヤ状磁性素子10を含めた全体の外形寸法が更に大きくなり、小型化の要求に応えうるものとはならない。
【0007】
本発明の目的は、前述したような従来技術の問題点を解消しうるような磁気センサを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの観点によれば、大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子と、該磁性素子に関連して配置された検出手段と、前記磁性素子の近傍に配置されて該磁性素子に対して所定の極性の磁界を作用させる第1の磁界発生手段と、前記磁性素子の少なくとも一端に近接しうる位置に配置され該近接位置にあるとき該磁性素子に対して前記所定の極性とは反対極性の磁界を作用させる第2の磁界発生手段とを備えており、前記磁性素子と前記第2の磁界発生手段とは、前記第1の磁界発生手段の周りにおいて相対的に回転移動しうるものとされていて、前記磁性素子がセット状態とリセット状態とに交互に切り換えられるようにしたことを特徴とする磁気センサが提供される。
【0009】
本発明の一つの実施の形態によれば、前記磁性素子は、固定位置とされ、前記第2の磁界発生手段は、前記第1の磁界発生手段の周りにおいて回転させられる。
【0010】
本発明の別の実施の形態によれば、前記磁性素子は、前記第1の磁界発生手段のまわりにおいて回転させられ、前記第2の磁界発生手段は、固定位置とされている。
【0011】
本発明の別の観点によれば、大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子と、該磁性素子に関連して配置された検出手段と、前記磁性素子の近傍に配置されて該磁性素子に対して所定の極性の磁界を作用させる第1の磁界発生手段と、前記磁性素子の少なくとも一端に近接しうる位置に配置され該近接位置にあるとき該磁性素子に対して前記所定の極性とは反対極性の磁界を作用させる第2の磁界発生手段とを備えており、前記磁性素子と前記第2の磁界発生手段とは、ある回転中心軸の周りにおいて相対的に回転移動しうるものとされており、前記第1の磁界発生手段は、前記回転中心軸に対して若干ずれた位置に配置され且つ前記磁性素子との間で前記回転中心軸の周りに関して相対的に移動しうるものとされており、前記磁性素子がセット状態とリセット状態とに交互に切り換えられるようにしたことを特徴とする磁気センサが提供される。
【0012】
本発明の一つの実施の形態によれば、前記磁性素子は、固定位置とされ、前記第2の磁界発生手段は、前記回転中心軸のまわりにおいて回転させられる。
【0013】
本発明の別の実施の形態によれば、前記磁性素子は、前記回転中心軸のまわりにおいて回転させられ、前記第2の磁界発生手段は、固定位置とされている。
【0014】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記第1の磁界発生手段は、前記第2の磁界発生手段と共に前記回転中心軸のまわりに回転させられる。
【0015】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記第1の磁界発生手段は、前記磁性素子をセット状態とするセット磁界を発生し、前記第2の磁界発生手段は、前記磁性素子をリセット状態とするリセット磁界を発生する。
【0016】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記第1の磁界発生手段は、前記磁性素子をリセット状態とするリセット磁界を発生し、前記第2の磁界発生手段は、前記磁性素子をセット状態とするセット磁界を発生する。
【0017】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記磁性素子は、前記第1の磁界発生手段のまわりに間隔をおいて複数個設けられている。
【0018】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記第2の磁界発生手段は、前記第1の磁界発生手段のまわりに間隔をおいて複数個設けられている。
【0019】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記第2の磁界発生手段は、前記磁性素子の両端に近接しうる位置に配置されている。
【0020】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記第1の磁界発生手段および第2の磁界発生手段は、永久磁石である。
【0021】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記第2の磁界発生手段は、前記磁性素子の一端に近接しうる位置に配置される永久磁石と、前記磁性素子の他端に近接しうる位置に配置される磁性体部材とからなる。
【0022】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記第1の磁界発生手段は、被検出物体に接続される回転軸に設けられた永久磁石からなり、前記第2の磁界発生手段は、前記回転軸に接続されたアームに支持された永久磁石からなる。
【0023】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記第1の磁界発生手段は、被検出物体に接続される回転軸を磁化してなる永久磁石からなり、前記第2の磁界発生手段は、前記回転軸に接続されたアームに支持された永久磁石からなる。
【0024】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記磁性素子は、ワイヤ状素子である。
【0025】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記検出手段は、前記磁性素子の周りに巻回された検出コイルを備える。
【0026】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記磁性素子は、膜状素子である。
【0027】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記磁性素子は、板状素子である。
【0028】
本発明の更に別の実施の形態によれば、前記検出手段は、前記磁性素子の近傍に配置された平面状検出コイルを備える。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面の図1から図6に基づいて、本発明の実施の形態および実施例について本発明をより詳細に説明する。
【0030】
本発明の種々な実施の形態および実施例について説明する前に、本発明において使用する”大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子”(以下、単に磁性素子という)について概略説明しておく。先ず、一般的に知られているワイヤ状の複合磁性素子を例として、その構造と挙動について説明する。強磁性体を線引きして細いワイヤにしたものは、その合金組成とともに独特な磁気的性質を持つ。この強磁性体ワイヤにひねり応力を加えると、ワイヤの外周部付近ほど多くひねられ、中心部ほどひねられ方は少なくなり、このため外周部と中心部では磁気特性が異なることとなる。この状態を残留させる加工を施すと、外周部と中心部で磁気特性の異なる強磁性体の磁気ワイヤができる。そして、外周部の磁気特性は、比較的小さな磁界によってその磁化方向を変える。これに対して、中心部は、外周部よりも大きな磁界によってその磁化方向を変える。すなわち、一本の磁気ワイヤの中に比較的磁化され易い磁気特性を持つ外周部と、磁化されにくい中心部という2種類の異なった磁気特性を持つ複合磁性体が形成されている。この複合磁気ワイヤは、一軸異方性である。ここでは、外周部をソフト層、中心部をハード層と呼び、このような複合磁気ワイヤを、ワイヤ状の複合磁性素子と称する。
【0031】
この複合磁気ワイヤのハード層およびソフト層は、初期的には、どのような方向に磁化されているか定まっておらず、バラバラな磁化状態にある。この複合磁気ワイヤの長手方向、つまり軸線方向と平行に、ハード層の磁化方向を反転させるのに十分な外部磁界をかけると、ソフト層は、当然のこと、ハード層も磁化され同じ磁化方向にそろう。次に、ソフト層だけを磁化できるような外部磁界を、前とは逆方向にかける。その結果、複合磁気ワイヤのソフト層とハード層とでは磁化されている方向が逆であるという磁化状態ができる。一軸異方性であるから、この状態で外部磁界を取り去ってもソフト層の磁化方向は、ハード層の磁化に押えられていて磁化状態は安定している。このときの外部磁界をセット磁界と呼ぶ。次に、セット磁界と反対方向の外部磁界をかけてこの磁界を増加させる。外部磁界の強さがある臨界強度を越すと、ソフト層の磁化方向は急激に反転する。この磁界を、臨界磁界と呼ぶ。このときの反転現象は、雪崩をうつような状態でソフト層の磁壁が移動して一瞬のうちに磁化反転が起きる。この結果、ソフト層とハード層の磁化方向は同じとなり最初の状態に戻る。外部磁界は臨界磁界よりも大きな磁界をかけておく。この磁界を、リセット磁界と呼ぶ。この雪崩をうつように磁化状態が反転する現象を大バルクハウゼンジャンプという。磁化反転の速度は、この大バルクハウゼンジャンプのみに依存していて外部磁界には無関係である。
【0032】
”大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子”について、ワイヤ状の磁性素子を例に挙げて説明してきたのであるが、本発明においては、このようなワイヤ状の磁性素子に限らず、同様の挙動を示す他の種々な磁性素子を使用できるものである。また、前述した磁性素子は、ハード層とソフト層とを有するものであったが、大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子としては、このようなハード層とソフト層との複合層を有していないような磁性素子でも可能である。例えば、特開平4−218905号公報に開示されているような薄膜形成技術を使用することにより、薄膜状の磁性体を形成し、これを薄膜状の磁性素子として使用することもできる。また、この磁性素子は、厚膜状でも板状でもよい。さらにまた、ワイヤー状磁性素子にも、例えば、アモルファス、ウィーガンド等いくつかの種類がある。したがって、ここでいう”大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子”は、前述したような挙動を示す種々な磁性素子のすべてを含むものである。
【0033】
次に、本発明の一実施例としての磁気センサの構成および動作について説明する。図1は、この実施例の磁気センサの構成を概略的に示しており、図2は、図1の磁気センサの具体的構造を略示する斜視図である。これら図1および図2に示されるように、この実施例の磁気センサは、例えば、自動車等のパワーウインドウ等の動きを制御するためのモータ等の出力軸に接続されて、この出力軸の回転につれて回転しうるものとされた回転中心軸1を備える。この回転中心軸1は、プラスチック材料で形成されてもよいし、永久磁石化しうる磁気材料で形成されてもよい。この磁気センサは、回転中心軸1に同中心的に取り付けられた第1の磁界発生手段としての棒状の永久磁石2を備える。回転中心軸1がプラスチック材料にて、成形されるような場合には、この棒状永久磁石2は、その成形時に、そのプラスチック回転中心軸1内に埋設されるようにモールド成形されるとよい。一方、回転中心軸1を磁気材料で形成するような場合には、この回転中心軸1を磁化することによって、棒状永久磁石2を与えるようにすることもできる。
【0034】
さらに、この磁気センサは、回転中心軸1の上下間隔を置いて設けられた1対のアーム3に支持された第2の磁界発生手段としての1対の円板状永久磁石4を備える。これら円板状永久磁石4もまた、回転中心軸1およびアーム3がプラスチック材料等で一体成形する際に、アーム3内に埋設されるようにしてもよい。
【0035】
さらに、この磁気センサは、回転中心軸1に設けられた棒状永久磁石2の近傍であって且つ1対の円板状永久磁石4の間に挟まれるうるような位置に配置されたワイヤ状磁性素子6を備えている。このワイヤ状磁性素子6には、検出手段としてのピックアップコイル5が巻回されている。この実施例では、ワイヤ状磁性素子6は、固定位置に配置されている。しかし、本発明は、これに限定されず、回転中心軸1を回転させずに、すなわち、永久磁石4を固定位置とし、ワイヤ状磁性素子6が被検出物体の動きにつれて、永久磁石2の周りで且つ1対の永久磁石4の間を通過するように回転させられるようにしてもよいものである。
【0036】
この実施例では、第1の磁界発生手段としての永久磁石2は、ワイヤ状磁性素子6に対して大バルクハウゼンジャンプ現象が起きる反対方向のセット磁界を及ぼすような極性とされており、第2の磁界発生手段としての永久磁石4は、ワイヤ状磁性素子6に対して大バルクハウゼンジャンプ現象が起きる方向のリセット磁界を及ぼすような極性とされている。しかし、本発明は、これに限定されず、永久磁石2がリセット磁界を及ぼし、永久磁石4がセット磁界を及ぼすようにしてもよいものである。このように、セット、リセットを入れ替えた場合には、ピックアップコイル5を通して発生されるパルスの発生タイミングが異なってくる。
【0037】
次に、前述したような構成を有する実施例の磁気センサの動作について説明する。セット磁界を及ぼす棒状永久磁石2とワイヤ状磁性素子6との距離は常に一定であり、ワイヤ状磁性素子6には、セット磁界が常時作用している。回転中心軸1が被検出物体の回転と共に回転するとき、円板状永久磁石4がワイヤ状磁性素子6の上下両端を近接通過する毎に、リセット磁界が周期的または非周期的にワイヤ状磁性素子6に作用することになる。したがって、ワイヤ状磁性素子6には、回転中心軸1の回転に伴い、セット磁界とリセット磁界とが交互に作用させられ、リセット磁界の作用するタイミングで、磁性素子6に大バルクハウゼンジャンプが生じて、ピックアップコイル5を通してパルスが発生されることになる。したがって、これらパルスの発生タイミングにより、被検出物体の回転速度、回転数、回転位置などを感知することができる。
【0038】
図3は、本発明の別の実施例の磁気センサの構成を略示する図2と同様の図である。図3の実施例の磁気センサは、ピックアップコイル5を巻回したワイヤ状磁性素子6の複数個(この例では、3個)を、回転中心軸1、すなわち、棒状永久磁石2の周りに間隔を置いて配置している以外は、図1および図2の実施例の磁気センサと同じである。
【0039】
このようにワイヤ状磁性素子を複数個配置することにより、磁気センサの外径を増すことなく、検出分解能を上げることができる。この実施例では、ワイヤ状磁性素子を複数個設けるようにしたのであるが、ワイヤ状磁性素子は、1個として、円板状永久磁石4の対を、回転中心軸1の周りに複数対間隔をおいて設けるようにしても同様の効果を得ることができる。
【0040】
さらにまた、前述した実施例では、第2の磁界発生手段としての円板状永久磁石4が、ワイヤ状磁性素子6の上下端を近接通過しうるように、上下1対としたのであるが、本発明は、これに限定されない。例えば、ワイヤ状磁性素子6の長さが比較的に短いような場合には、第2の磁界発生手段としての円板状永久磁石4は、ワイヤ状磁性素子の上端または下端に対してのみ設けるようにしてもよいし、円板状永久磁石を複数個配列する場合には、上端および下端に対して交互に配置するようにしてもよい。さらにまた、第2の磁界発生手段は、ワイヤ状磁性素子6の一端に対する円板状永久磁石と、ワイヤ状磁性素子の他端に対する円板状磁性体部材とで構成するようにすることもできる。
【0041】
図4は、本発明の別の実施例としての磁気センサの構成を示すための概略立面図および平面図を上下に並べて示す図である。この図4の実施例は、回転中心軸1に第1の磁界発生手段としての棒状の永久磁石2を、前述の実施例の如くこの回転中心軸1の同中心的に取り付けるのでなく、この回転中心軸1に対して若干ずれた位置、すなわち、オフセット位置に取り付けるようにしたものである。この点以外の諸構成においては、前述した実施例と同様であるので、繰り返し詳述しない。
【0042】
図4の実施例において、永久磁石2が回転中心軸1と共に回転する場合には、例えば、永久磁石2によって発生されるセット磁界とワイヤー状の磁性素子6との距離は常に一定ではなく、回転中心軸1の回転に伴い変化する。このような構成とすることにより、セット磁界2がワイヤー状の磁性素子6に接近した際にセット磁界2を作用させることができ、より確実に安定したセット磁界をワイヤー状の磁性素子6に作用させることができる。
【0043】
回転中心軸1に永久磁石2を設ける方法としては、図4のようなハメコミの他、接着等種々な方法が考えられる。また、前述したと同様に、回転中心軸1をオフセット的に磁化することによって設けることも考えられる。
【0044】
また、複数の第2の磁界発生手段4を備える場合には、図5および図6に概略平面図にて示すように、第1の磁界発生手段としての永久磁石2をそれらの間の位置に複数個設けることもできる。
【0045】
さらにまた、前述した実施例では、磁性素子6として、ワイヤ状磁性素子を使用したのであるが、前述したように、本発明は、これに限らず、種々な形の磁性素子を使用することができ、例えば、薄膜状、厚膜状または板状の磁性素子を使用することもできる。このように、磁性素子として薄膜状、厚膜状または板状の磁性素子を使用した場合には、ピックアップコイル5も平面コイルとすることも考えられる。さらにまた、前述したような磁性素子に代えて、単層の磁性素子を使用することもできる。
【0046】
なお、前述した実施例においては、磁界発生手段としての磁石は、永久磁石としたのであるが、これは、電磁石など、他の同様の手段に置き換えることができる。さらにまた、検出手段は、コイルとしたのであるが、これは、ホール素子、MR素子、共振回路等、他の同様の手段に置き換えることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、中心軸に第1の磁界発生手段を配置し、中心軸の周りに第2の磁界発生手段を配置し、大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子を中心軸の周りでしかも第2の磁界発生手段の外周内に配置したので、極めて小型化、スリム化することができる。
【0048】
磁性素子に沿う形で安定したセットまたはリセット磁界を作用させることができ、また、セット磁界とリセット磁界との間で磁気回路が形成されず互いの干渉がなく磁気エネルギーロスがないため、磁界を有効に利用でき、したがって、高性能、高信頼性、高安定性のある磁気センサとすることができる。
【0049】
複数のリセットまたはセット磁界を近接して設けるようにしても、磁界同士はすべて同じ磁化方向なので互いに磁気回路を形成することがなく、したがって、複数のリセットまたはセット磁界を配列することにより、問題なく容易に検出分解能を上げることができる。
【0050】
磁界発生手段として小型の磁石を使用することが可能であるので、小型で非常に安価な磁気センサとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての磁気センサの構成を示す概略図である。
【図2】図1の磁気センサの具体的構造を略示する斜視図である。
【図3】本発明の別の実施例としての磁気センサの構造を略示する斜視図である。
【図4】本発明の別の実施例としての磁気センサの構成を示す概略図である。
【図5】本発明の更に別の実施例を示す概略平面図である。
【図6】本発明の更に別の実施例を示す概略平面図である。
【図7】従来の磁気センサの構成例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 回転中心軸
2 棒状永久磁石
3 アーム
4 円板状永久磁石
5 ピックアップコイル
6 ワイヤ状磁性素子[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic sensor for detecting the rotational movement of an object, such as the presence and behavior of the object, and more particularly to a magnetic sensor using a large Barkhausen jump phenomenon.
[0002]
[Prior art]
Several elements have been proposed for an element that can cause a large Barkhausen jump phenomenon, in particular, a magnetic sensor for detecting rotation using a wire-like element, and a typical configuration example is shown in FIG. Is as outlined.
[0003]
In this conventional configuration example, as shown in FIG. 7, a detection element formed by winding a
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in such a conventional configuration, the diameter of the drum-
[0005]
Since it is difficult to reduce the size of the drum-
[0006]
Furthermore, in order to increase the detection resolution, when a plurality of wire-like
[0007]
An object of the present invention is to provide a magnetic sensor capable of solving the problems of the prior art as described above.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
According to one aspect of the present invention, a magnetic element capable of causing a large Barkhausen jump, detection means disposed in association with the magnetic element, and a magnetic element disposed in the vicinity of the magnetic element. A first magnetic field generating means for applying a magnetic field having a predetermined polarity; and a polarity opposite to the predetermined polarity with respect to the magnetic element when the magnetic element is located at a position close to at least one end of the magnetic element. A second magnetic field generating means for applying the magnetic field, and the magnetic element and the second magnetic field generating means are capable of relatively rotating around the first magnetic field generating means. A magnetic sensor is provided, wherein the magnetic element is alternately switched between a set state and a reset state.
[0009]
According to one embodiment of the present invention, the magnetic element is in a fixed position, and the second magnetic field generating means is rotated around the first magnetic field generating means.
[0010]
According to another embodiment of the present invention, the magnetic element is rotated around the first magnetic field generating means, and the second magnetic field generating means is in a fixed position.
[0011]
According to another aspect of the present invention, a magnetic element capable of causing a large Barkhausen jump, detection means disposed in association with the magnetic element, and a magnetic element disposed in the vicinity of the magnetic element. A first magnetic field generating means for applying a magnetic field having a predetermined polarity; and a polarity opposite to the predetermined polarity with respect to the magnetic element when the magnetic element is located at a position close to at least one end of the magnetic element. The magnetic element and the second magnetic field generating means are capable of relatively rotating around a certain rotation center axis. The first magnetic field generating means is disposed at a position slightly deviated from the rotation center axis and is capable of moving relative to the magnetic element with respect to the rotation center axis. The magnetic element A magnetic sensor, characterized in that the can be switched alternately to a set state and a reset state is provided.
[0012]
According to one embodiment of the present invention, the magnetic element is in a fixed position, and the second magnetic field generating means is rotated around the rotation center axis.
[0013]
According to another embodiment of the present invention, the magnetic element is rotated around the rotation center axis, and the second magnetic field generating means is in a fixed position.
[0014]
According to still another embodiment of the present invention, the first magnetic field generating means is rotated around the rotation center axis together with the second magnetic field generating means.
[0015]
According to still another embodiment of the present invention, the first magnetic field generating means generates a set magnetic field for setting the magnetic element in a set state, and the second magnetic field generating means resets the magnetic element. Generates a reset magnetic field to make a state.
[0016]
According to still another embodiment of the present invention, the first magnetic field generating means generates a reset magnetic field that resets the magnetic element, and the second magnetic field generating means sets the magnetic element. Generates a set magnetic field to make a state.
[0017]
According to still another embodiment of the present invention, a plurality of the magnetic elements are provided at intervals around the first magnetic field generating means.
[0018]
According to still another embodiment of the present invention, a plurality of the second magnetic field generating means are provided at intervals around the first magnetic field generating means.
[0019]
According to still another embodiment of the present invention, the second magnetic field generating means is arranged at a position that can be close to both ends of the magnetic element.
[0020]
According to still another embodiment of the present invention, the first magnetic field generating means and the second magnetic field generating means are permanent magnets.
[0021]
According to still another embodiment of the present invention, the second magnetic field generating means may be disposed in a position close to one end of the magnetic element, and may be close to the other end of the magnetic element. And a magnetic member disposed at a position.
[0022]
According to still another embodiment of the present invention, the first magnetic field generating means comprises a permanent magnet provided on a rotating shaft connected to the object to be detected, and the second magnetic field generating means includes the It consists of a permanent magnet supported by an arm connected to a rotating shaft.
[0023]
According to still another embodiment of the present invention, the first magnetic field generating means comprises a permanent magnet formed by magnetizing a rotating shaft connected to the object to be detected, and the second magnetic field generating means comprises: It consists of a permanent magnet supported by an arm connected to the rotating shaft.
[0024]
According to still another embodiment of the present invention, the magnetic element is a wire-like element.
[0025]
According to still another embodiment of the present invention, the detection means includes a detection coil wound around the magnetic element.
[0026]
According to still another embodiment of the present invention, the magnetic element is a film element.
[0027]
According to still another embodiment of the present invention, the magnetic element is a plate-like element.
[0028]
According to still another embodiment of the present invention, the detection means includes a planar detection coil disposed in the vicinity of the magnetic element.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, based on FIGS. 1 to 6 of the accompanying drawings, the present invention will be described in more detail with respect to embodiments and examples of the present invention.
[0030]
Before describing various embodiments and examples of the present invention, a “magnetic element capable of causing a large Barkhausen jump” (hereinafter simply referred to as a magnetic element) used in the present invention will be outlined. First, the structure and behavior of a generally known wire-shaped composite magnetic element will be described as an example. A ferromagnetic wire drawn into a thin wire has unique magnetic properties along with its alloy composition. When twisting stress is applied to the ferromagnetic wire, the wire is twisted more in the vicinity of the outer peripheral portion of the wire and less twisted in the central portion, so that the magnetic characteristics are different between the outer peripheral portion and the central portion. When processing is performed to leave this state, a ferromagnetic magnetic wire having different magnetic characteristics between the outer peripheral portion and the central portion can be obtained. And the magnetic characteristic of an outer peripheral part changes the magnetization direction with a comparatively small magnetic field. On the other hand, the magnetization direction of the central portion is changed by a magnetic field larger than that of the outer peripheral portion. That is, a composite magnetic body having two different magnetic properties, that is, an outer peripheral portion having a magnetic property that is relatively easily magnetized and a central portion that is difficult to be magnetized, is formed in one magnetic wire. This composite magnetic wire is uniaxially anisotropic. Here, the outer peripheral portion is called a soft layer and the central portion is called a hard layer, and such a composite magnetic wire is called a wire-shaped composite magnetic element.
[0031]
Initially, the direction in which the hard layer and the soft layer of the composite magnetic wire are magnetized is not determined and is in a discrete magnetization state. When an external magnetic field sufficient to reverse the magnetization direction of the hard layer is applied in parallel to the longitudinal direction of the composite magnetic wire, that is, the axial direction, the soft layer is naturally magnetized so that the hard layer is magnetized in the same magnetization direction. That's right. Next, an external magnetic field that can magnetize only the soft layer is applied in the opposite direction. As a result, a magnetized state in which the magnetized direction is reversed between the soft layer and the hard layer of the composite magnetic wire is formed. Since it is uniaxial anisotropy, even if the external magnetic field is removed in this state, the magnetization direction of the soft layer is suppressed by the magnetization of the hard layer, and the magnetization state is stable. The external magnetic field at this time is called a set magnetic field. Next, an external magnetic field opposite to the set magnetic field is applied to increase the magnetic field. When the strength of the external magnetic field exceeds a certain critical strength, the magnetization direction of the soft layer is rapidly reversed. This magnetic field is called a critical magnetic field. In the reversal phenomenon at this time, the domain wall of the soft layer moves in a state where an avalanche is depressed, and magnetization reversal occurs instantly. As a result, the magnetization directions of the soft layer and the hard layer become the same, and the initial state is restored. The external magnetic field is applied with a magnetic field larger than the critical magnetic field. This magnetic field is called a reset magnetic field. The phenomenon of the magnetization state reversing like avalanche is called large Barkhausen jump. The rate of magnetization reversal depends only on this large Barkhausen jump and is independent of the external magnetic field.
[0032]
“A magnetic element capable of causing a large Barkhausen jump” has been described by taking a wire-shaped magnetic element as an example. In the present invention, the same behavior is not limited to such a wire-shaped magnetic element. Various other magnetic elements showing can be used. Further, the magnetic element described above has a hard layer and a soft layer. However, as a magnetic element capable of causing a large Barkhausen jump, it has a composite layer of such a hard layer and a soft layer. Even a magnetic element which is not present is possible. For example, by using a thin film forming technique as disclosed in JP-A-4-218905, a thin film-like magnetic body can be formed and used as a thin film-like magnetic element. The magnetic element may be thick or plate-shaped. Furthermore, there are several types of wire-like magnetic elements such as amorphous and Wiegand. Therefore, the “magnetic element capable of causing a large Barkhausen jump” herein includes all of various magnetic elements exhibiting the behavior described above.
[0033]
Next, the configuration and operation of a magnetic sensor as one embodiment of the present invention will be described. FIG. 1 schematically shows a configuration of the magnetic sensor of this embodiment, and FIG. 2 is a perspective view schematically showing a specific structure of the magnetic sensor of FIG. As shown in FIGS. 1 and 2, the magnetic sensor of this embodiment is connected to an output shaft such as a motor for controlling the movement of a power window or the like of an automobile, for example, and rotates the output shaft. A
[0034]
Further, this magnetic sensor includes a pair of disk-like
[0035]
Further, this magnetic sensor has a wire-like magnet arranged in the vicinity of a rod-like
[0036]
In this embodiment, the
[0037]
Next, the operation of the magnetic sensor of the embodiment having the above-described configuration will be described. The distance between the rod-shaped
[0038]
FIG. 3 is a view similar to FIG. 2 schematically showing the configuration of a magnetic sensor according to another embodiment of the present invention. In the magnetic sensor of the embodiment of FIG. 3, a plurality (three in this example) of wire-like
[0039]
By arranging a plurality of wire-like magnetic elements in this way, the detection resolution can be increased without increasing the outer diameter of the magnetic sensor. In this embodiment, a plurality of wire-like magnetic elements are provided. However, a single wire-like magnetic element is used, and a plurality of pairs of disk-like
[0040]
Furthermore, in the above-described embodiment, the disk-shaped
[0041]
FIG. 4 is a diagram showing a schematic elevation and a plan view side by side in order to show the configuration of a magnetic sensor as another embodiment of the present invention. In the embodiment shown in FIG. 4, a rod-shaped
[0042]
In the embodiment of FIG. 4, when the
[0043]
As a method of providing the
[0044]
Further, when a plurality of second magnetic field generating means 4 are provided, the
[0045]
Furthermore, in the above-described embodiment, a wire-like magnetic element is used as the
[0046]
In the above-described embodiments, the magnet as the magnetic field generating means is a permanent magnet, but this can be replaced with other similar means such as an electromagnet. Furthermore, although the detection means is a coil, it can be replaced with other similar means such as a Hall element, MR element, resonance circuit, or the like.
[0047]
【The invention's effect】
According to the present invention, the first magnetic field generating means is arranged on the central axis, the second magnetic field generating means is arranged around the central axis, and the magnetic element capable of causing a large Barkhausen jump is arranged around the central axis. Since it is arranged within the outer periphery of the second magnetic field generating means, it can be made extremely small and slim.
[0048]
A stable set or reset magnetic field can be applied along the magnetic element, and since no magnetic circuit is formed between the set magnetic field and the reset magnetic field, there is no mutual energy loss and no magnetic energy loss. Therefore, it is possible to obtain a magnetic sensor that can be used effectively and therefore has high performance, high reliability, and high stability.
[0049]
Even if a plurality of reset or set magnetic fields are provided close to each other, since the magnetic fields are all in the same magnetization direction, they do not form a magnetic circuit with each other. Therefore, by arranging a plurality of reset or set magnetic fields, there is no problem. The detection resolution can be easily increased.
[0050]
Since a small magnet can be used as the magnetic field generating means, a small and very inexpensive magnetic sensor can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a configuration of a magnetic sensor as one embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a perspective view schematically showing a specific structure of the magnetic sensor of FIG.
FIG. 3 is a perspective view schematically showing the structure of a magnetic sensor as another embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a schematic diagram showing the configuration of a magnetic sensor as another embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a schematic plan view showing still another embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a schematic plan view showing still another embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a schematic perspective view showing a configuration example of a conventional magnetic sensor.
[Explanation of symbols]
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