JP4414704B2 - 油圧作業機械の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンにより駆動される可変容量型油圧ポンプに対してカットオフ制御を行う油圧作業機の油圧制御装置に係り、特にカットオフ制御時におけるエンジン回転数の制御を改善したものに関する。
建設機械の油圧制御装置は、エンジンと、このエンジンにより駆動する可変容量型油圧ポンプと、この可変容量型油圧ポンプの最大吐出圧を規定するメインリリーフ弁と、可変容量型油圧ポンプから供給される圧油によって駆動する油圧アクチュエータとを備えている。
この建設機械の油圧制御装置では、可変容量型油圧ポンプの入力トルク(以下「ポンプ入力トルク」ともいう)をエンジンの出力トルク(以下「エンジン出力トルク」ともいう)以下に制限する馬力制御が行なわれる。そして、馬力制御が行われているときに、油圧アクチュエータに作用する負荷によって可変容量型油圧ポンプの吐出圧(以下「ポンプ吐出圧」ともいう)が上昇し、メインリリーフ弁により規定された最大吐出圧に達すると、可変容量型油圧ポンプから吐出される圧油が作動油タンクにリリーフされる。つまり、可変容量型油圧ポンプを含めた回路全体に過剰な負荷が作用することを、メインリリーフ弁によって防止している。
しかし、このように圧油がリリーフされると、可変容量型油圧ポンプが出力するエネルギーが無駄になるという問題があった。
そこで、従来から、建設機械の油圧制御装置では、ポンプ吐出圧が最大吐出圧よりも小さい予め設定されたカットオフ設定圧力以上になる傾向にあるとき、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力に保持できる最小吐出流量を下限として可変容量型油圧ポンプの吐出流量(以下「ポンプ吐出流量」ともいう)を減少させるカットオフ制御を行ない、メインリリーフ弁によりリリーフされる圧油の流量を抑えるようになっている。
特開昭59−023103号公報
従来の建設機械の油圧制御装置では、カットオフ制御が行われている間、ポンプ吐出流量に関係なく、エンジンを定格回転数に従って駆動させていた。つまり、カットオフ制御では、ポンプ吐出流量の減少に伴って実質的に必要なポンプ入力トルクが小さくなっているのにも関わらず、エンジンは定格回転数で駆動しているために、ポンプ入力トルクに対してエンジン出力トルクが過剰になり、エンジンの出力するエネルギーが無駄になっていた。
また、従来の建設機械の油圧制御装置には、ダイヤル操作などの手動操作により定格回転数よりも低い目標回転数を指示して、この目標回転数に従ってエンジンの回転数を制御するものもあるが、この場合でも、上述のように定格回転数に従ってエンジンの回転数を制御するものに比べれば、ポンプ入力トルクに対するエンジン出力トルクの過剰の程度が小さいものの、エンジンの出力するエネルギーが無駄になっていた。
本発明は、上述の実情を考慮してなされたもので、その目的は、エンジンにより駆動される可変容量型油圧ポンプのカットオフ制御時において、エンジンの過剰な回転を抑えることにより、エンジン出力トルクを、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力に保持するのに実質的に必要なポンプ入力トルクの大きさに近づけることができる油圧作業機械の油圧制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明は、エンジンと、このエンジンにより駆動する可変容量型油圧ポンプと、この可変容量型油圧ポンプの最大吐出圧を規定するメインリリーフ弁と、前記可変容量型油圧ポンプから供給される圧油により駆動する油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータに作用する負荷により、前記可変容量型油圧ポンプの吐出圧が前記最大吐出圧よりも小さい予め設定されたカットオフ設定圧力以上になる傾向にあるとき、可変容量型油圧ポンプの吐出圧をカットオフ設定圧力に保持できる最小吐出流量を下限として可変容量型油圧ポンプの吐出流量を減少させるカットオフ制御を行なうカットオフ制御手段とを備える油圧作業機械の油圧制御装置において、カットオフ制御時に、前記エンジンの出力トルクが前記可変容量型油圧ポンプの入力トルクよりも大きくなるエンジン回転数の範囲内において予め設定された低回転数に、エンジン回転数を低下させる低回転制御手段を備え、前記低回転制御手段は、カットオフ制御が開始されて前記可変容量型油圧ポンプの吐出流量が予め設定された小吐出流量まで減少したときに、予め設定した勾配に従って、エンジン回転数を前記低回転数に低下させることを特徴とする。なお、前記小吐出流量は、予め設定された低回転数により駆動するエンジン出力トルクよりもポンプ入力トルクが小さくなるポンプ吐出流量であって、前記最小吐出流量や、この最小吐出流量よりも大きい流量に設定されるものである。
このように構成した本発明では、油圧アクチュエータに作用する負荷により、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力以上になる傾向になると、カットオフ制御手段が作動して、カットオフ設定圧力を保持できる最小吐出流量を下限としてポンプ吐出流量を減少させるカットオフ制御が行なわれる。
そして、このようにカットオフ制御が行われたとき、低回転制御手段が作動し、これにより、エンジン回転数が予め設定された低回転数に低下する。つまり、カットオフ制御時において、エンジンをストールさせない範囲でエンジンの過剰な回転を抑えることにより、エンジン出力トルクを、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力に保持するのに実質的に必要なポンプ入力トルクの大きさに近づけることができる。
また、予め設定された低回転数により駆動した場合のエンジン出力トルクよりもポンプ入力トルクが確実に小さくなった状態で、エンジン回転数を低回転数に低下させることができる。
また、カットオフ制御時にエンジン回転数を低下させる際、エンジン回転数の急激な低下を防止できる。
また、本発明は、前記カットオフ制御を実行不可能な状態にして、前記可変容量型油圧ポンプの吐出圧が前記カットオフ設定圧力を超えることを許容する昇圧制御を行うことが可能な昇圧制御手段を備えることを特徴とする。
このように構成した本発明では、昇圧制御手段が作動すると、カットオフ制御が実行されない状態になり、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力を超えることが許容される。つまり、昇圧制御手段を作動させることによって、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力以上の状態に保持できるようになるので、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力以上になる大きな負荷が作用する動作を油圧アクチュエータに行わせることが可能になる。
また、本発明は、前記昇圧制御手段が、前記可変容量型油圧ポンプの吐出圧が前記カットオフ設定圧力以上になる所定の動作を前記油圧アクチュエータが行うかどうかを判定する動作判定手段と、この動作判定手段によって前記油圧アクチュエータが前記所定の動作を行うと判定されたときに、前記カットオフ制御を実行可能な状態から前記昇圧制御を実行可能な状態に切り換える制御切換手段とを有することを特徴とする。
このように構成した本発明では、動作判定手段によって油圧アクチュエータが所定の動作を行うと判定されると、制御切換手段によってカットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態に切り換えられるので、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力以上なる所定の動作を油圧アクチュエータに行わせる場合に、自動的に、カットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態に切換えることができる。
また、本発明は、前記昇圧制御手段が、前記カットオフ制御を実行可能な状態から前記昇圧制御を実行可能な状態への切換えを、手動操作により指示する手動切換指示手段と、この手動切換指示手段からの指示により作動し、前記カットオフ制御を実行可能な状態から前記昇圧制御を実行可能な状態に切り換える制御切換手段とを有することを特徴とする。
このように構成した本発明では、オペレータが手動切換指示手段を手動操作すると、制御切換手段により、カットオフ制御を実行可能な状態から前記昇圧制御を実行可能な状態に切り換えられる。つまり、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力以上なる所定の動作を、オペレータが油圧アクチュエータに行わせる場合に、カットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態への切換えを、手動により、行うことができる。
また、本発明は、前記昇圧制御手段が、前記手動切換指示手段が操作された時点からの経過時間が、予め設定された時間に達したかどうかを判定する時間判定手段を有するとともに、前記制御切換手段が、前記時間判定手段によって前記経過時間が予め設定された時間に達したと判定されたときに、前記昇圧制御を実行可能な状態から前記カットオフ制御を実行可能な状態に戻すにようにしたことを特徴とする。
このように構成した本発明では、手動切換指示手段が操作され、時間判定手段によって手動切換指示手段が操作された時点からの経過時間が予め設定された時間に達したと判定されると、制御切換手段によって、昇圧制御を実行可能な状態からカットオフ制御を実行可能な状態に戻される。つまり、カットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態への切換えを、手動により行った後、昇圧制御を実行可能な状態からカットオフ制御を実行可能な状態に、自動的に、戻すことができる。
以上説明したように、本発明によれば次の効果を奏する。
カットオフ制御時において、エンジンの過剰な回転数を抑えて、エンジン出力トルクを、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力に保持するのに実質的に必要なポンプ入力トルクの大きさに近づけることができるので、エンジンから出力される過剰なエネルギーを低減することができる。
以下に本発明の油圧作業機械の油圧制御装置の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について図1〜3を用いて説明する。
図1は、第1の実施形態の基本構成を示す図、図2は、第1の実施形態に備えられるコントローラを示すブロック図、図3は、第1の実施形態により制御されるエンジン出力トルクとポンプ入力トルクとの関係を示す図である。
第1の実施形態は、油圧作業機械、例えば油圧ショベルに搭載されており、エンジン1と、このエンジン1により駆動される可変容量型油圧ポンプ4およびパイロットポンプ18と、可変容量型油圧ポンプ4の最大吐出圧を規定するメインリリーフ弁23と、パイロットポンプ18の最大吐出圧を規定するリリーフ弁24と、図示しないフロント作業機のブーム、アームを操作する操作装置14A,14Bと、作動油を収容する作動油タンク8を備えている。
この可変容量型油圧ポンプ4は、斜板4aの傾転角を変化させることにより押し退け容積を可変にする押し退け容積可変機構部を備えている。この押し退け容積可変機構部の斜板4aは、パイロットポンプ18からの圧油により駆動するサーボアクチュエータ6の動作に伴って駆動する。このサーボアクチュエータ6は、電磁制御弁5によって制御された圧油により駆動する。電磁制御弁5の動作は、後述するコントローラ20により制御される。
操作装置14Aは、可変容量型油圧ポンプ4から油圧アクチュエータ、例えばブームシリンダ15Aに供給する圧油の流れを制御する方向切換弁16Aと、パイロットポンプ18からの圧油を操作レバーにより操作して方向切換弁16Aに切換動作のための圧を与える操作レバー装置17Aとを備えている。
操作装置14Bは、可変容量型油圧ポンプ4から油圧アクチュエータ、例えばアームシリンダ15Bに供給する圧油の流れを制御する方向切換弁16Bと、パイロットポンプ18からの圧油を操作レバーにより操作して方向切換弁16Bに与える操作レバー装置17Bを備えている。
エンジン1は、エンジン回転数を調整する調速装置、例えば電子ガバナ2と、エンジン1の状態を検出する各種センサ(図示しない)からの検出信号に基づいて、電子ガバナ2を制御する電子制御装置(ECU)2aを備えている。
また、第1の実施形態は、ポンプ入力トルクをエンジン出力トルク以下に制限する馬力制御手段を備えている。また、フロント作業機、すなわち、ブームシリンダ15Aやアームシリンダ15Bに作用する負荷により、ポンプ吐出圧が最大吐出圧よりも小さい予め設定されたカットオフ設定圧力以上になる傾向にあるとき、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力Pcを保持できる最小吐出流量を下限としてポンプ吐出流量を減少させるカットオフ制御を行なうカットオフ制御手段を備えている。また、カットオフ制御時に、エンジン出力トルクがポンプ入力トルクよりも大きくなるエンジン回転数の範囲内において予め設定された低回転数に、エンジン回転数を低下させる低回転制御手段を備えている。
馬力制御手段は、可変容量型油圧ポンプ4の吐出圧を検出する吐出圧センサ20gと、この吐出圧センサ20gにより検出されたポンプ吐出圧とテーブルAとに基づいて、エンジン出力トルク以下にポンプ入力トルクを制限するための目標ポンプ傾転角を算出する目標ポンプ傾転角演算部20aと、前記電磁制御弁5とから構成してある。なお、目標ポンプ傾転角演算部20aのテーブルAは、ポンプ吐出圧の上昇に従って目標ポンプ傾転角が小さくなるように設定されたポンプ入力トルクの制限特性である。
カットオフ制御手段は、吐出圧センサ20gにより検出されたポンプ吐出圧からカットオフ設定圧力Pcを減算して圧力偏差を算出する第1減算部20cと、圧力偏差とテーブルBとに基づいて目標ポンプ傾転角の補正量(以下「傾転角補正量」という)を算出する傾転角補正量演算部20bと、目標ポンプ傾転角から傾転角補正量を減算して、カットオフ制御を行うための目標ポンプ傾転角を算出する第2減算部20dと、前記電磁制御弁5とから構成してある。
テーブルBは、ポンプ吐出圧とカットオフ設定圧力Pcとの圧力偏差が予め設定された第1の値以上になると、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力に保持できる最小吐出流量に対応するポンプ傾転角補正量が得られるように設定してある。また、このテーブルBは、ポンプ吐出圧が低下して、圧力偏差が第1の値よりも小さい予め設定された第2の値になったときに、傾転角補正量が0になるように、ヒステリシスを設定してある。
なお、メインリリーフ弁23により規定される最大吐出圧は、作動油温度の上昇に伴って低下する温度特性を有する。したがって、例えば、実作業時の平均作動油温度が50℃であるとすると、作動油温度50℃で最大吐出圧が例えば350kg/cm(セット圧)となるようにメインリリーフ弁23を予め設定する。このため、作動油温度が50℃付近にあるときに最大吐出圧はセット圧にほぼ一致するが、作動油温度が上昇すると、最大吐出圧は350kg/cmよりも低くなる。
そこで、カットオフ制御手段には、作動油の温度に応じてカットオフ設定圧力Pcを補正するカットオフ設定圧力補正手段を付加してある。このカットオフ設定圧力補正手段は、作動油の温度を検出する作動油温度センサ20hと、この作動油温度センサ20hにより検出された作動油の温度とテーブルCとに基づいて補正圧を算出する温度補正圧演算部20eと、補正圧とカットオフ設定圧力Pcを加算してカットオフ設定圧力Pcを補正する加算部20fとから構成してある。温度補正圧演算部20eのテーブルCは、例えば、作動油温度が50℃以下で補正圧が0となり、作動油温度が50℃を超えると350kg/cmを基準とした最大吐出圧の低下量に相当する補正圧が得られるように設定してある。
低回転数制御手段は、カットオフ制御手段の第1減算部20cにより算出された圧力偏差と、テーブルDとに基づいて、カットオフ制御が開始されることを検知し、カットオフ制御時におけるエンジン1の目標回転数として予め設定された低回転数を算出する低回転数演算部21aを備えている。テーブルDは、カットオフ制御手段の第1減算部20cにより算出された圧力偏差が前記予め設定された第1の値以上になると、予め設定された低回転数が得られるように設定してある。
また、低回転制御手段は、低回転数演算部21aにより算出された低回転数、および、アクセルダイヤル3の手動操作により設定された目標回転数のいずれか小さい方を選択する選択部21bを備えている。また、低回転制御手段は、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力Pcに保持できる最小吐出流量に達したかどうかを判定するポンプ吐出流量判定手段、すなわち、斜板4aの傾転角がポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力Pcに保持できる最小吐出流量に対応する傾転角に達したことを検知するリミットスイッチ21cを備えている。また、低回転制御手段は、リミットスイッチ21cからの検知信号により作動し、低回転数演算部21aにより算出された低回転数を選択部21bに与えることを許可するスイッチ部21dを備えている。
なお、馬力制御手段の目標ポンプ傾転角演算部20a、カットオフ制御手段の傾転角補正量演算部20b、第1減算部20cおよび第2減算部20d、カットオフ設定圧力補正手段の温度補正圧演算部20eおよび加算部20f、低回転数手段の低回転数演算部21a、スイッチ部21dおよび選択部21bは、コントローラ20に内蔵してある。また、テーブルA〜Dおよびカットオフ設定圧力Pcは、予めコントローラ20に記憶させてある。
このように構成した第1の実施形態は、次のように動作する。
<馬力制御>
オペレータは、操作レバー装置17Aや17Bにより、パイロットポンプ18からの圧油を操作して方向切換弁16Aや16Bにパイロット圧を与え、これにより、可変容量型油圧ポンプ4からブームシリンダ15Aやアームシリンダ15Bに供給する圧油の流れを制御して、フロント作業機を動作させる。
フロント作業機の動作中、馬力制御手段によって、ポンプ入力トルクをエンジン出力トルク以下に制限する馬力制御が行われる。つまり、吐出圧センサ20gによりポンプ吐出圧が検出される度毎に、コントローラ20内の目標ポンプ傾転角演算部20aによって、そのときのポンプ吐出圧に応じてエンジン出力トルク以下にポンプ入力トルクを制限するための目標ポンプ傾転角が算出される。そして、この目標ポンプ傾転角に対応する目標ポンプ傾転角指令信号が、コントローラ20から電磁制御弁5に出力され、電磁制御弁5が駆動する。
これにより、電磁制御弁5が、図1に示す状態からばね5aに対抗して右側に切り換わると、パイロットポンプ18からの圧油がサーボアクチュエータ6に供給され、このサーボアクチュエータ6のピストンロッド6aがばね6bに対抗して右側に移動し、斜板4aが左側に回転して可変容量型油圧ポンプ4の押し退け容積、すなわち、ポンプ吐出流量が減少する。また、電磁制御弁5に与えられる目標ポンプ傾転角信号が小さくなると、電磁制御弁5が、ばね5aによって左側に押し戻され、これに伴い、サーボアクチュエータ6のピストンロッド6aが、ばね6bにより左側に押し戻されて、斜板4aが右側に回転してポンプ吐出流量が増加する。これにより、ポンプ吐出流量が、吐出圧センサ20gにより検出されたポンプ吐出圧を保持でき、かつ、ポンプ入力トルクがエンジン出力トルク以下となるように制御される。
つまり、馬力制御が行われることによって、図3に示すように、ポンプ入力トルク50がエンジン出力トルク30以下に制限される。
<カットオフ制御>
また、このように馬力制御が行われている間、カットオフ制御手段では、吐出圧センサ20gによりポンプ吐出圧が検出される度毎に、コントローラ20内の第1減算部20cによって、そのときのポンプ吐出圧と予め記憶されたカットオフ設定圧力Pcとの圧力偏差が算出される。そして、傾転角補正量演算部20bによって、圧力偏差に対応するポンプ傾転角補正量が算出される。
このとき、ポンプ吐出圧とカットオフ設定圧力Pcとの圧力偏差が予め設定された第1の値以上であると、すなわち、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力Pc以上になる傾向にあると、傾転角補正量演算部20bによって、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力Pcに保持できる最小吐出流量に対応するポンプ傾転角補正量が算出される。
次に、第2減算部20dによって、目標ポンプ傾転角演算部20aにより算出された目標ポンプ傾転角からポンプ傾転補正量が減算されて、カットオフ制御を行うための目標ポンプ傾転角が算出される。そして、この目標ポンプ傾転角に対応する目標ポンプ傾転角指令信号が、コントローラ20から電磁制御弁5に出力される。
これにより、電磁制御弁5が、ばね5aに対抗して右側に切り換わる。そして、パイロットポンプ18からの圧油がサーボアクチュエータ6に供給され、このサーボアクチュエータ6のピストンロッド6aがばね6bに対抗して右側に移動し、斜板4aが左側に回転して、ポンプ吐出流量が、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力に保持できる最小吐出流量に設定される。すなわち、カットオフ制御が行われる。
つまり、図3に示すように、ポンプ吐出圧Pがカットオフ設定圧力Pc以上になる傾向になったとき、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力Pcに保持するためのポンプ吐出流量が、馬力制御を行っているだけでは目標ポンプ傾転角演算部20aのテーブルAに従ってq1に設定されるが、カットオフ制御を行うことによって、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力Pcに保持できる最小吐出流量qminまで下げることができる。
また、このようにしてカットオフ制御が行われた後、ポンプ吐出圧が低下し、圧力偏差が第1の値よりも小さい第2の値になると、すなわち、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力Pc以上になる傾向でなくなると、傾転角補正量演算部20bでは、ポンプ傾転角補正量として0が算出されて、第2減算部20dによる目標ポンプ傾転角の補正は行われなくなり、カットオフ制御が終了する。これにより、ポンプ吐出流量の制御は、図3に示すように、qminからq1に復帰する。
<低回転制御>
また、低回転制御手段では、第1減算部20cにより算出された圧力偏差が予め設定された第1の値以上になると、コントローラ20内の低回転数演算部21aによって、予め設定された低回転数が算出される。
そして、上述のようにしてカットオフ制御が行われたことにより、可変容量型油圧ポンプ4の斜板4aが、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力Pcに保持できる最小吐出流量に対応する傾転角に達すると、リミットスイッチ21cが作動して検知信号がコントローラ20内のスイッチ部21cに出力され、このスイッチ部21dによって、低回転数演算部21aにより算出された低回転数を選択部21bに与えることが許可される。
選択部21bでは、低回転数演算部21aにより算出された低回転数、および、アクセルダイヤル3の手動操作により設定された目標回転数のいずれか小さい方が選択され、選択された目標回転数に対応する目標回転数指令信号が、電子制御装置2aに出力される。そして、電子制御装置2aによって、電子ガバナ2が制御される。すなわち、エンジン1の低回転制御が行われる。
つまり、エンジン1が予め設定された低回転数よりも高い回転数、例えば定格回転数で駆動していた場合、カットオフ制御に伴って低回転制御が行われると、エンジン回転数が定格回転数から低回転数に下がる。これにより、図3に示すように、エンジン出力トルクは定格回転数に対応するエンジン出力トルク30で駆動する状態から、定格回転数よりも低い予め設定した低回転数に対応するエンジン出力トルク40で駆動する状態に移行する。
なお、カットオフ制御が終了し、ポンプ吐出流量がqminからq1に増加し始めたときは、可変容量型油圧ポンプ4の斜板4aはリミットスイッチ21cから離れており、リミットスイッチ21cからスイッチ部21dに検知信号が出力されない。また、低回転数演算部21aにより低回転数が算出されない。このため、低回転数制御も終了する。この結果、エンジン回転数は、予め設定された低回転数から定格回転数に戻る。すなわち、エンジン出力トルクは、低回転数に対応するエンジン出力トルク40で駆動する状態から、定格回転数に対応するエンジン出力トルク30に従って駆動する状態に戻る。
第1の実施形態によれば、次の効果を奏する。
カットオフ制御時において、エンジン1の過剰な回転数を抑えて、エンジン出力トルクを、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力に保持するのに実質的に必要なポンプ入力トルクの大きさに近づけることができるので、エンジンから出力される過剰なエネルギーを低減することができる。
また、エンジン1の過剰な回転数を抑えることができるので、騒音を低減することができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について図4〜6を用いて説明する。
図4は、第2の実施形態の基本構成を示す図、図5は、第2の実施形態に備えられるコントローラを示すブロック図、図6は、第2の実施形態により制御されるエンジン出力トルクとポンプ入力トルクとの関係を示す図である。
第2の実施形態は、低回転制御手段が、可変容量型油圧ポンプ4の吐出量が予め設定されたポンプ吐出流量q2に達したかどうかを判定するポンプ吐出流量判定手段を備えてい点で第1の実施形態とは構成が異なっており、その他の点は、第1の実施形態と同様の構成である。
吐出流量判定手段は、可変容量型油圧ポンプ4の斜板4aの傾転角を検出する傾転角センサ21e(図4参照)と、この傾転角センサ21eにより検出された傾転角に基づいてポンプ吐出流量が予め設定したポンプ吐出流量q2(図6参照)に達したかどうかを判定して、ポンプ吐出流量q2(図6参照)に達したと判定したときにスイッチ部21dを作動させる流量判定部21f(図5参照)とを備えている。ポンプ吐出流量q2とは、図6に示すように、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力Pcに保持できる最小吐出流量qminよりも大きく、馬力制御においてカットオフ設定圧力Pcに対応して設定されるポンプ吐出流量q1よりも小さい予め設定されたポンプ吐出流量である。
このように構成した第2の実施形態は、次のように動作する。なお、馬力制御およびカットオフ制御を行うための動作については第1の実施形態と同じなので省略し、低回転制御を行うための動作についてのみ説明する。
低回転制御手段では、カットオフ制御手段の第1減算部20cによって算出された圧力偏差が予め設定された第1の値以上になると、すなわち、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力Pc以上になる傾向になると、コントローラ20内の低回転数演算部21aによって、予め設定された低回転数が算出される。
また、カットオフ制御が行われたことにより、可変容量型油圧ポンプ4の斜板4aの傾転角がポンプ吐出流量q2に対応する大きさになると、この傾転角が傾転角センサ21eによって検出され、流量判定部21fによってポンプ吐出流量がq2であると判定される。そして、この判定結果を受けたスイッチ部21dにより、低回転数演算部21aにより算出された低回転数が選択部21bに与えることが許可され、選択部21bによって、低回転数、および、アクセルダイヤル3の手動操作により設定された目標回転数のいずれか小さい方が選択され、選択された目標回転数に対応する目標回転数指令信号が、電子制御装置2aに出力される。そして、電子制御部2aにより、目標回転数指令信号に基づいて電子ガバナ2が制御される。すなわち、エンジン1の低回転制御が行われる。
つまり、エンジン1が予め設定された低回転数よりも高い回転数、例えば定格回転数で駆動していた場合、カットオフ制御に伴って低回転制御が行われると、エンジン回転数が定格回転数から低回転数に下がる。これにより、図3に示すように、エンジン出力トルクは定格回転数に対応するエンジン出力トルク30で駆動する状態から、定格回転数よりも低い予め設定された低回転数に対応するエンジン出力トルク40に従って駆動する状態に移行する。
なお、カットオフ制御が終了し、ポンプ吐出流量がq2からq1に増加し始めたときは、流量判定部21fによりポンプ吐出流量がq2であるという判定はされない。また、低回転数演算部21aにより低回転数が算出されない。このため、低回転数制御も終了する。この結果、エンジン回転数は、低回転数から定格回転数に戻る。すなわち、エンジン出力トルクは、予め設定された低回転数に対応するエンジン出力トルク40で駆動する状態から、定格回転数に対応するエンジン出力トルク30に従って駆動する状態に戻る。
第2の実施形態によれば、次の効果を奏する。
第1の実施形態と同様に、カットオフ制御時において、エンジン1の過剰な回転数を抑えて、エンジン出力トルクを、ポンプ吐出圧をカットオフ設定圧力に保持するのに実質的に必要なポンプ入力トルクの大きさに近づけることができるので、エンジンから出力される過剰なエネルギーを低減することができる。
また、エンジン1の過剰な回転数を抑えることができるので、騒音を低減することができる。
また特に、第2の実施形態によれば、ポンプ吐出流量が最小吐出流量qminよりも大きなq2に達したときに、エンジン回転数を予め設定された低回転数に低下させることができるので、第1の実施形態よりも早期にエンジン1の過剰な回転数を抑えることができる。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態では、第1減算部20cにより算出される圧力偏差が予め設定された第1の値に達すると、低回転数演算部21aによりテーブルDに従って予め設定された低回転数を算出するようにしてあるが、本発明はこれに限るものではない。つまり、図7に示すように、テーブルD1に従って、すなわち、予め設定された低回転数を下限とする予め設定された勾配に従ってエンジン回転数を算出するようにしてもよい。このように構成したものによれば、カットオフ制御時にエンジン回転数を低下させる際、エンジン回転数の急激な低下を防止できるので、ポンプ吐出圧の急激な低下を防止でき、したがって、ポンプ吐出圧の急激な低下に伴うフロント作業機の操作性の悪化を防止することができる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について図8,9を用いて説明する。
図8は、第3の実施形態の基本構成を示す図、図9は、第3の実施形態に備えられるコントローラを示すブロック図である。
第3の実施形態は、カットオフ制御を実行不可能な状態にしてポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力を超えることを許容する昇圧制御を行うことが可能な昇圧制御手段を、第1の実施形態に付加したものである。
第3の実施形態は、昇圧制御手段として、カットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態への切換えを自動で行う自動切換手段と、手動で行う手動切換手段との2種類を備えている。
自動切換手段は、フロント作業機がポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力Pc以上になる所定の動作、例えば重掘削動作を行うかどうかを判定する動作判定手段を備えている。この動作判定手段は、図8,9に示すように、前記吐出圧センサ20gと、方向切換弁16A,16Bに与えられるパイロット圧を検出するパイロット圧センサ22f,22gと、コントローラ20内に設けられる圧力判定部22aとから構成してある。圧力判定部22aでは、パイロット圧センサ22f,22gにより検出されたパイロット圧、および、吐出圧センサ20gにより検出されたポンプ吐出圧のすべてが、重掘削動作を行うための圧力かどうかを判定するようにしてある。
圧力判定部22aでは、フロント作業機が重掘削動作を行うかかどうかを判定するために、方向切換弁16Aに与えられるパイロット圧がブームシリンダ15Aを伸ばす方向であって最大パイロット圧の半分以上の大きさであることと、方向切換弁16Bに与えられるパイロット圧がアームシリンダ15Bを伸ばす方向であって最大パイロット圧の半分以上の大きさであることと、さらに、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力Pc以上であるというこれらの条件をすべて満たすかどうかを判定するようにしてある。
また、自動切換手段は、圧力判定部22aによってパイロット圧およびポンプ吐出圧が重掘削動作を行うための圧力であると判定されたときに、カットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態に切り換える制御切換手段を備えている。この制御切換手段は、図9に示すように、カットオフ制御手段の傾転角補正量演算部20bにより算出される傾転角補正量が、第2減算部20dに与えられるのを禁止あるいは許容する切換スイッチ部22eと、圧力判定部22aによって各パイロット圧およびポンプ吐出圧がすべて重掘削動作を行うための圧力であると判定されたときに、切換スイッチ部22eに対して傾転角補正量を第2減算部20dに与えるのを禁止する指令を与える切換指令部22bとから構成してある。
手動切換手段は、昇圧制御手段が、カットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態への切換えを、手動操作により指示する手動切換指示手段と、この手動切換指示手段からの指示により作動し、カットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態に切り換える制御切換手段とを備えている。
手動切換指示手段は、図10に示すスイッチ装置22hからなる。このスイッチ装置22hは、例えば操作レバー装置17Aの操作レバーの上端に設けられる。
制御切換手段は、前記自動切換手段と同様に、切換指令部22bと切換スイッチ部22eとから構成してある。つまり、スイッチ装置22hからの指示信号が切換指令部22bに入力され、この切換指令部22bから切換スイッチ部22eに対して、傾転角補正量を第2減算部20に与えるのを禁止する指令が与えられるようにしてある。
また、手動切換手段は、スイッチ装置22hが操作された時点からの経過時間が予め設定された時間に達したかどうかを判定する時間判定手段を備えている。この時間判定手段は、スイッチ装置22hからの指示信号により作動し、スイッチ装置22hが操作された時点からの経過時間を計測するタイマ22cと、このタイマ22cにより計測された時間が予め設定された時間、例えば10秒に達したかどうかを判定する時間判定部22dとから構成してある。
時間判定部22dは、前記経過時間が10秒に達したと判定したときに、切換指令部22bから切換スイッチ部22eへの指令を停止させるように設定してある。
このように構成した第3の実施形態は、次のように動作する。
はじめに、自動切換手段の動作について説明する。
オペレータが重掘削を行なうために操作レバー装置17A,17Bを操作すると、圧力判定部22aによって、ポンプ吐出圧センサ20gおよびパイロット圧センサ22f,22gにより検出された圧力のすべてが重掘削動作のための圧力であると判定される。
そして、切換指令部22bから切換スイッチ部22eに対して、傾転角補正量を第2減算部20dに与えるのを禁止する指令が与えられ、切換スイッチ部22eの作動により、図9に示すように傾転角補正量演算部20bから第2減算部20dに対して傾転角補正量が与えられなくなる。これにより、カットオフ制御が行われなくなる。その一方で、リミットスイッチ21cからの信号も、カットオフ制御が行われないことにより、スイッチ部21dに導かれないため、スイッチ部21dは作動せず、選択部21bへはアクセルダイヤル3からの信号のみが送られる。これにより、エンジン1の低回転制御も行われなくなる。したがって、ポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力Pcを超えた状態を保持できるようになる。すなわち、操作レバー装置17A,17Bの操作に応じて自動的にフロント作業機の重掘削動作が可能な状態になる。そして、フロント作業機は操作レバー装置17A,17Bの操作に従って重掘削動作を行う。
重掘削が終了すると、すなわち、オペレータが操作レバー装置17A,17Bを重掘削に対応する操作から別の操作に切り換えると、方向切換弁16A,16Bに与えられるパイロット圧およびポンプ吐出圧が、重掘削動作のための圧力ではなくなる。これに伴い、圧力判定部22aでは、ポンプ吐出圧、各パイロット圧が重掘削動作のための圧力ではないと判定され、これにより、切換指令部22bから切換スイッチ部22eへの指令が停止する。すなわち、切換スイッチ部22eを介して、傾転角補正量演算部20bから第2減算部20dに対して傾転角補正量が与えられるようになる。つまり、重掘削作業が終了すると、自動的に、カットオフ制御を実行可能な状態に戻る。
次に、手動切換手段の動作について説明する。
オペレータがスイッチ装置22hを操作すると、スイッチ装置22hから切換指令部22bとタイマ22cに指示信号が与えられ、これら切換指令部22bとタイマ22cが作動する。
これにより、切換指令部22bから切換スイッチ部22eに対して傾転角補正量を第2減算部20dに与えるのを禁止する指令が与えられ、切換スイッチ部22eの作動により、図9に示すように傾転角補正量演算部20bから第2減算部20dに対して傾転角補正量が与えられなくなる。これにより、カットオフ制御が行われなくなり、これに伴って、エンジン1の低回転制御も行われなくなるので、ポンプ吐出圧がカットフ設定圧Pcを超えた状態を保持できるようになる。すなわち、フロント作業機の重掘削動作が可能な状態になる。
一方、この間、タイマ22cでは、スイッチ装置22hが操作された時点からの経過時間が計測されている。そして、タイマ22cにより計測された経過時間が10秒になると、時間判定部22dによって、スイッチ装置22hが操作された時点から10秒が経過したと判定され、切換指令部22bから切換スイッチ部22eに対する指令が停止する。つまり、切換スイッチ部22eを介して、傾転角補正量演算部20bから第2減算部20に対して傾転角補正量が与えられるようになり、これにより、カットオフ制御を実行可能な状態に戻る。
なお、昇圧制御を実行可能な状態を10秒に設定したのは、重掘削作動作、例えば大きな岩石を掘り起こすのに要する時間が、10秒程度で十分だからであり、特に10秒に限定するものではない。つまり、オペレータの熟練度が高い場合には時間を短く設定し、また、重掘削動作を連続して繰り返す作業を行う場合には長く設定するなど、適当に設定すればよい。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次の効果を奏する。
省エネのための可変容量型油圧ポンプ4のカットオフ制御およびエンジン1の低回転数制御と、フロント作業機により重掘削を行わせる際の昇圧制御とを、自動またはは手動により切り換えることができるので、作業内容に応じて省エネよりも、可変容量型油圧ポンプ4の馬力を優先させることができる。
また、フロント作業機が重掘削動作を行うに際して、カットオフ制御の実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態に自動的に切り換わるので、フロント作業機の重掘削時の操作性を向上させることができる。
また、スイッチ装置22hの手動操作によってカットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態に切り換えた後、自動的に、カットオフ制御を実行可能な状態に戻るので、カットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態への切換えを手動で行った場合でも、カットオフ制御および低回転制御による省エネを効果的に実行できる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について図を用いて説明する。
図10は、第4の実施形態の基本構成を示す図、図11は、図10に示す第4の実施形態に備えられるコントローラを示すブロック図である。
第4の実施形態は、カットオフ制御を実行不可能な状態にしてポンプ吐出圧がカットオフ設定圧力を超えることを許容する昇圧制御を行うことが可能な昇圧制御手段を、第2の実施形態に付加したものである。昇圧制御手段は、上述の第3の実施形態に備えられるものと同じものである。
第4の実施形態では、第2の実施形態と同様の効果に加えて、次の効果を奏する。
省エネのための可変容量型油圧ポンプ4のカットオフ制御およびエンジン1の低回転数制御と、フロント作業機により重掘削を行わせる際の昇圧制御とを、自動またはは手動により切り換えることができるので、作業内容に応じて可変容量型油圧ポンプ4の馬力を優先させることができる。
また、フロント作業機が重掘削動作を行うに際して、カットオフ制御の実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態に自動的に切り換わるので、フロント作業機の重掘削時の操作性を向上させることができる。
また、スイッチ装置22hの手動によってカットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態に切り換えてから、予め設定された時間(10秒)が経過した後、自動的に、カットオフ制御を実行可能な状態に戻るので、カットオフ制御を実行可能な状態から昇圧制御を実行可能な状態への切換えを手動で行った場合でも、カットオフ制御および低回転制御による省エネを効果的に実行できる。
なお、第3の実施形態および第4の実施形態では、カットオフ制御を実行可能な状態と昇圧制御を実行可能な状態とを、自動と手動の両方で切り換えられるようにしてあるが、本発明はこれに限るものでなく、いずれかのみでもよい。
また、第3の実施形態および第4の実施形態では、第1の実施形態および第2の実施形態と同様に、低回転数演算部21aのテーブルDをテーブルD1としてもよい。
さらに、第3の実施形態および第4の実施形態では、スイッチ部21dと選択部21bとの間に、切換指令部22bからの信号により作動して、スイッチ部21dと選択部21bとの間を遮断するスイッチ部を追加する構成にしてもよい。
本発明の油圧作業機械の油圧制御装置の第1の実施形態の基本構成を示 す図である。 第1の実施形態に備えられるコントローラを示すブロック図である。 第1の実施形態により制御されるエンジン出力トルクとポンプ入力トル クとの関係を示す図である。 第2の実施形態の基本構成を示す図である。 第2の実施形態に備えられるコントローラを示すブロック図である。 第2の実施形態により制御されるエンジン出力トルクとポンプ入力トル クとの関係を示す図である。 図2,5に示す低回転数演算部の別の例を示す図である。 第3の実施形態の基本構成を示す図である。 第3の実施形態に備えられるコントローラを示すブロック図である。 第4の実施形態の基本構成を示す図である。 第4の実施形態に備えられるコントローラを示すブロック図である。
符号の説明
1 エンジン
2 電子ガバナ
2a 電子制御装置
4 可変容量型油圧ポンプ
15A ブームシリンダ
15B アームシリンダ
16A 第1方向切換弁
16B 第2方向切換弁
17A 操作レバー装置
17B 操作レバー装置
18 パイロットポンプ
20 コントローラ
20a 目標ポンプ傾転角演算部
20b 傾転角補正量演算部
20c 第1減算部
20d 第2減算部
20g 吐出圧センサ
21a 低回転数演算部
21b 選択部
21c リミットスイッチ
21d スイッチ部
21f 流量判定部
21e 傾転角センサ
22a 圧力判定部
22b 切換指令部
22c タイマ
22d 時間判定部
22e 切換スイッチ部
22f パイロット圧センサ
22g パイロット圧センサ
22h スイッチ装置

Claims (5)

  1. エンジンと、
    このエンジンにより駆動する可変容量型油圧ポンプと、
    この可変容量型油圧ポンプの最大吐出圧を規定するメインリリーフ弁と、
    前記可変容量型油圧ポンプから供給される圧油により駆動する油圧アクチュエータと、
    前記油圧アクチュエータに作用する負荷により、前記可変容量型油圧ポンプの吐出圧が前記最大吐出圧よりも小さい予め設定されたカットオフ設定圧力以上になる傾向にあるとき、可変容量型油圧ポンプの吐出圧をカットオフ設定圧力に保持できる最小吐出流量を下限として可変容量型油圧ポンプの吐出流量を減少させるカットオフ制御を行なうカットオフ制御手段とを備える油圧作業機械の油圧制御装置において、
    カットオフ制御時に、前記エンジンの出力トルクが前記可変容量型油圧ポンプの入力トルクよりも大きくなるエンジン回転数の範囲内において予め設定された低回転数に、エンジン回転数を低下させる低回転制御手段を備え
    前記低回転制御手段は、カットオフ制御が開始されて前記可変容量型油圧ポンプの吐出流量が予め設定された小吐出流量まで減少したときに、予め設定した勾配に従って、エンジン回転数を前記低回転数に低下させる
    ことを特徴とする油圧作業機械の油圧制御装置。
  2. 前記カットオフ制御を実行不可能な状態にして、前記可変容量型油圧ポンプの吐出圧が前記カットオフ設定圧力を超えることを許容する昇圧制御を行うことが可能な昇圧制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の油圧作業機械の油圧制御装置。
  3. 前記昇圧制御手段が、前記可変容量型油圧ポンプの吐出圧が前記カットオフ設定圧力以上になる所定の動作を前記油圧アクチュエータが行うかどうかを判定する動作判定手段と、
    この動作判定手段によって前記油圧アクチュエータが前記所定の動作を行うと判定されたときに、前記カットオフ制御を実行可能な状態から前記昇圧制御を実行可能な状態に切り換える制御切換手段とを有する
    ことを特徴とする請求項2記載の油圧作業機械の油圧制御装置。
  4. 前記昇圧制御手段が、前記カットオフ制御を実行可能な状態から前記昇圧制御を実行可能な状態への切換えを、手動操作により指示する手動切換指示手段と、
    この手動切換指示手段からの指示により作動し、前記カットオフ制御を実行可能な状態から前記昇圧制御を実行可能な状態に切り換える制御切換手段とを有する
    ことを特徴とする請求項2記載の油圧作業機械の油圧制御装置。
  5. 前記昇圧制御手段が、前記手動切換指示手段が操作された時点からの経過時間が、予め設定された時間に達したかどうかを判定する時間判定手段を有するとともに、
    前記制御切換手段が、前記時間判定手段によって前記経過時間が予め設定された時間に達したと判定されたときに、前記昇圧制御を実行可能な状態から前記カットオフ制御を実行可能な状態に戻す
    ことを特徴とする請求項4記載の油圧作業機械の油圧制御装置。
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