JP4414364B2 - シリコン含有材料の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、マルチワイヤソー(以下、「MWS」とする)やラッピング装置を使用し、例えば太陽電池用多結晶シリコン用や半導体材料用としてシリコンウエハ等を製造する際に用いられた使用済みスラリの処理において、使用済みスラリからシリコン含有材料を回収する方法に関するものである。
シリコンのインゴットからウェハ(薄い板)にスライスする方法として、ワイヤソーを使用する方法があり、その際にはスラリと呼ばれる砥粒と分散媒を混合したものを切断箇所に供給する方法が一般的である。またスラリは繰り返し使用されるのが一般的であるが、スライス加工の度にシリコンの切屑などが混入し、徐々にワイヤソーの切削性能を低下させる。またスライス処理により磨耗した砥粒はスライスに寄与しないため、特許文献1、特許文献2、特許文献3などに示されるように、使用済みスラリにはシリコンの切屑および磨耗した砥粒を除去する処理が施され、再生スラリとして使用されている。
上述のように使用済みスラリの中にはシリコンの切屑が含まれるが、これまでこれらのシリコン屑は利用されないまま廃棄処理されるか、もしくは特許文献4に示されるように、HFや無機酸を使用し、濾過や乾燥工程など多くの処理を施されて回収されていた。
特開平9−225937号公報 特表2002−519209号公報 特開2003−225700号公報 特開2001−278612号公報
しかしながら、使用済みスラリに含まれるシリコンを回収する従来の技術では、設備が大掛かりになり、また工数も多く手間がかかっていた。特に、スラリに鉱物油を使用している場合は、有機溶剤などが必要で、安全設備や環境汚染防止の処理に非常に多大なコストが必要となっていた。また、濾過装置を必要とするため濾過フィルター費用もコストUPの要因となっていた。すなわち使用済みスラリ中のシリコン屑の有効な処理方法が望まれていた。また、使用済みスラリをシリコン原材料として使用する場合には、スラリ中に含まれる有機物が汚染の原因になる。たとえば、有機物系有害物質が発生したり、精製炉内での有機物の付着による汚染などが上げられる。
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、有機物が除去されたシリコン含有材料を効率的に回収する方法を提供するものである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のシリコン含有材料の回収方法は、砥粒とそれを分散する分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、1次遠心分離により得られる液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分の一部を回収し、2次遠心分離により得られる液分の残りとスラッジの少なくとも一方からなる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、前記試料中に含まれる有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収することを特徴とする。
本発明では、有機物が残留するスラッジ等からなる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、連続的かつ高速に、試料中の有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収する。この試料中には、多くのシリコンが含有されており、水素ガスおよび珪酸ナトリウム製造の原材料として、又はポリシリコンの製造の原材料としてなど、種々の方法で使用可能である。また、この試料からは有機物が除去されているので、有機物系有害物質が発生したり、精製炉内での有機物の付着による汚染が起こるといった問題を回避することができる。
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態のシリコン含有材料の回収方法は、砥粒とそれを分散する分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、1次遠心分離により得られる液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分の一部を回収し、2次遠心分離により得られる液分の残りとスラッジの少なくとも一方からなる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、前記試料中に含まれる有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収することを特徴とする。
1−1.砥粒とそれを分散する分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収する工程
砥粒は、例えば、SiC、ダイヤモンド、CBN、アルミナなどからなる。分散媒は、油性のものであっても、水溶性(水性)のものであってもよい。但し、分散媒は、沸点が450度以下の成分のみからなることが好ましい。この場合、後述する加熱処理工程で分散媒を除去しやすいからである。油性の分散媒は、例えば、灯油や軽油などから抽出される鉱物油系の溶媒からなる。世間一般での代表例はエンジンオイルの様なものである。水溶性(水性)の分散媒は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールなどの水溶性の溶媒(水溶性の有機溶媒)からなる。また、水溶性の分散媒は、5%〜15%程度の水を含んでいてもよい。この場合、この分散媒が消防法上の危険物となるのを避けることができる。さらに、分散媒には、通常、砥粒やSi切り屑を分散させるための分散剤(ベントナイト)など(数%程度)が添加されている。シリコン粒とは、例えば、シリコンインゴットをスライスしてシリコンウエハを作成するときに発生するシリコン切屑、又はシリコンウエハをラッピングするときに発生する研磨屑である。使用済みスラリとは、例えば、シリコンインゴットをスライスしてシリコンウエハを作成するときに使用されてシリコン切屑などのシリコン粒が混入した状態のスラリである。使用済みスラリ中のシリコン濃度は、例えば10%以上である。
1次遠心分離は、好ましくは、100〜1000Gで行う。1次遠心分離により、使用済みスラリが、第1固形分と第1液分とに分離される。第1固形分は、砥粒が主成分である。砥粒は、一般にシリコン粒よりも比重が大きいので、シリコン粒よりも速く沈降する。このため、低速の遠心分離を行うと、砥粒が選択的に沈降する。第1固形分には、多くの砥粒が含まれているので、第1固形分は、スラリの再生に用いることができる。一方、第1液分には、主に分散媒及びシリコン粒が含まれている。
1−2.1次遠心分離により得られる液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分の一部を回収する工程
2次遠心分離は、好ましくは、2000〜5000Gで行う。このような高速の遠心分離を行うと、1次遠心分離では、沈降しなかった固形分も沈降する。従って、2次遠心分離により、第1液分が、分散媒が主成分の液分(第2液分)と、固形分であるスラッジとに分離される。スラッジには、シリコン粒と、1次遠心分離で沈降しなかった砥粒が含まれている。第2液分には、砥粒及びシリコン粒も含まれている。第2液分は、通常、スラリの再生に利用されるが、その全量をそのままスラリの再生に用いると、再生したスラリのシリコン質量比が大きくなりすぎて、好ましくない。そこで、本実施形態では、第2液分の一部のみを回収する。この回収された液分は、スラリの再生に用いることができる。
1−3.2次遠心分離により得られる液分の残りとスラッジの少なくとも一方からなる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、前記試料中に含まれる有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収する工程
この工程では、第2液分の残りとスラッジの少なくとも一方からなる試料をロータリーキルン(好ましくは、外熱式のロータリーキルン)を用いて加熱処理する。第2液分の残りとスラッジの何れにもシリコン及び有機物が含まれているので、加熱処理によって有機物が除去されたシリコン含有材料を得ることができる。加熱処理は、450〜500度の温度で行うことが好ましい。450度より高い温度であれば、有機物を効率的に除去することができ、500度より低い温度であれば、シリコンの酸化を抑制することができるからである。また、加熱処理は、不活性ガス(窒素、ヘリウム等)雰囲気下で行うことが好ましい。この場合、シリコンの酸化を抑制することができるからである。また、ロータリーキルンを用いて加熱処理を行うので、連続的かつ高速に試料を加熱処理することができる。
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態のシリコン含有材料の回収方法は、砥粒とそれを分散する分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、1次遠心分離により得られる液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分の一部を回収し、2次遠心分離により得られる液分の残りを蒸留することにより得られる固形分と、2次遠心分離により得られるスラッジの少なくとも一方からなる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、前記試料中に含まれる有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収することを特徴とする。
本実施形態は、第1実施形態に類似しているが、第2液分の残りをそのまま加熱処理するのではなく、一旦、これを蒸留し、蒸留によって得られる固形分を加熱処理する点が異なっている。蒸留によって得られる液分は、好ましくは、回収され、スラリの再生に用いられる。蒸留によって得られる液分は、通常、実質的に分散媒のみからなる(すなわち、シリコンが含まれていない)ので、この液分をスラリの再生に用いることにより、再生されるスラリのシリコン質量比を小さくすることができる。また、第2液分の残りにスラッジを加えて得られる混合液を蒸留し、蒸留によって得られる固形分からなる試料を加熱処理してもよい。
蒸留は、真空(20Torr以下程度)中で行うことが好ましい。なぜなら、常圧下での蒸留では、蒸留中に発火する危険性があるからである。また、真空中での沸点は常圧中に比べて低いので、エネルギーの節約の意味でも真空中で行うことが好ましい。
3.第3実施形態
本発明の第3実施形態のシリコン含有材料の回収方法は、砥粒とそれを分散する分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、1次遠心分離により得られる液分を蒸留することにより得られる固形分からなる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、前記試料中に含まれる有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収することを特徴とする。
本実施形態は、第2実施形態に類似しているが、第2液分の残りの代わりに、第1液分を蒸留する点が異なっている。蒸留によって得られる液分は、好ましくは、回収され、スラリの再生に用いられる。回収される液分の全部が蒸留によって得られるものであるので、本実施形態によれば、再生されるスラリに含まれるシリコン質量比を小さくすることができる。
3.第4実施形態
本発明の第4実施形態のシリコン含有材料の回収方法は、砥粒とそれを分散する分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリから得られる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、前記試料中に含まれる有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収することを特徴とする。
「使用済みスラリから得られる試料」には、例えば、以下のものが含まれる。(1)使用済みスラリ自体、(2)使用済みスラリを1次又は複数次遠心分離して得られる液分又は固形分、(3)使用済みスラリを蒸留して得られる固形分、(4)使用済みスラリをろ過して得られる液分又は固形分、(5)前記(1)〜(4)で得られる液分又は固形分を混合したもの。また、その他の固液分離をして得られる液分又は固形分や、使用済みスラリに対して中和等の化学的処理をしたものなども含まれる。
何れの試料を用いた場合でも、ロータリーキルンを用いて加熱処理することによって有機物を効率的に除去することができる。
本発明の実施例1を図1を使用して説明する。本実施例ではスラリを使用したスライス加工の対象物として太陽電池用シリコンを選択した。太陽電池用のMWSでは、生産能力を主眼に置いたMWSを使用するため、1回のスライスで、4本のシリコンインゴット(125W×125D×400L)を一度に加工し、ウエハ(125W×125D×0.3L)を3200枚程度加工することが可能である。
加工時に使用するスラリタンクは200L程度の大きさのものを使用し、砥粒(比重:3.21)と分散液(比重:1、分散液には水溶性分散媒を使用した。)を1:1の質量比に混合して使用した。水溶性分散媒としてプロピレングリコールが主成分の分散媒を使用した。一回の加工により約20kg程度のシリコン切屑を主とする固形物がスラリの中に混入する。
図1に示す実施例1のシリコン含有材料回収システムでは、まず、スライス後の使用済みスラリ1をMWS(マルチワイヤーソー)のスラリタンクより全量を抜き出す。次に、使用済みスラリ1をデカンタ方式の遠心分離(1次遠心分離と呼ぶ)により液分3aと固形分3bに分離する(500Gで実施)。次に、液分3aの全量をさらにデカンタ方式の遠心分離(2次遠心分離と呼ぶ)により液分5aとスラッジ5bとに分離する。1次遠心分離により発生した固形分(砥粒が多く含まれる)3bの全量を再生砥粒4として回収し、2次遠心分離により発生する液分5aの一部(30%)を再生分散媒6として回収し、両者を混合して、比重、粘度を調整しながら、新砥粒と新分散媒を追加して再生スラリを作成する。この再生スラリのシリコン含有率は、8%〜10%程度となる。2次遠心分離後に固形分として残留するスラッジ5bと、液分5aのうち再生分散媒6として使用されないもの(残存分散媒)7は、ロータリーキルンで加熱処理して、有機物を除去し、シリコン原材料として回収する。
今回は、290L(比重:1.72、重量:500kg)を処理して、再生スラリを290L(比重:1.62)入手した。
500kg(比重:1.72,290L)の使用済みスラリ1を上記システムで処理すると、2次遠心分離後に固形分として残留するスラッジ5bと、液分5aのうち再生分散媒6として使用されないもの(残存分散媒)7の発生量はそれぞれ100kg、80kgであった。また、470kg(比重:1.62,290L)の再生スラリが得られた。
スラッジ5bと残存分散媒7の性状は、表1のようになった(Si濃度は、SiO2として存在するも含めた濃度である。)。
Figure 0004414364
実施例1では、スラッジ5bと残存分散媒7を別々にロータリーキルンに投入した。ロータリーキルンは、加熱処理温度500度、滞留時間11分、キャリヤーガスに窒素を使用して実施し、スラッジ5bと残存分散媒7からそれぞれ加熱処理済材料を得た。得られた加熱処理済材料の性状を分析したところ、表2の様な結果になった。
Figure 0004414364
以上の加熱処理済材料を混合して、シリコンの酸化量を測定した。その方法は、以下の通りである。
まず、混合した加熱処理済材料10gを100gの5%フッ酸(HF)水溶液に溶かした(反応式;SiO2+4HF→SiF4+2H2O)。SiF4は、水に溶解する。
その後、遠心分離(10000G)で固液分離を実施し、上澄み液を廃棄して、固形分を真空乾燥した(到達真空度100Pa以下、温度300℃)。シリコンの酸化量を示す重量変化は、表3に示すように、20mgであった。
Figure 0004414364
この結果は、加熱処理済材料中にSiO2が重量比で、0.2%存在していたこと示している。この結果から、キャリヤーガスに窒素ガスを用いた場合、加熱処理によるSiの酸化量は極めて小さいことが分かる。
従って、上記方法によれば、Siを酸化させることなく、スラッジ5b及び残存分散媒7から分散媒(特に、これに含まれる有機物)を除去することができる。加熱処理済材料は、水素ガスおよび珪酸ナトリウム製造の原材料として、又はポリシリコンの製造の原材料としてなど、種々の方法で利用可能である。
次に、キャリヤーガスに空気を使用して、それ以外は同じ条件で、加熱処理を実施して得られた加熱処理済材料について、スラッジ5bと残存分散媒7からそれぞれ加熱処理済材料を得た。加熱処理済材料の性状を分析したところ、表4の様な結果になった。
Figure 0004414364
表4から、Siの酸化に伴うと思われる重量増加が生じていることがわかる。
これらの加熱処理済材料を混合して、加熱処理済材料に含まれるシリコンの酸化量を測定した。上記と同様のフッ酸を使用した方法を用いた。シリコンの酸化量を示す重量変化は、表5に示すように、4.32gであった。
Figure 0004414364
表3及び表5の結果より、キャリヤーガスに窒素などの不活性ガスを用いると、500℃もの高温で加熱処理しているにも関わらず、加熱処理の際のシリコンの酸化を抑えることができることが分かった。
図2に示す実施例2のシリコン含有材料回収システムでは、1次遠心分離から得られる液分3aの一部のみについて2次遠心分離を行い、2次遠心分離から得られる液分5aの全部を再生分散媒6として回収する。液分3aの残り(以下、「1次軽液」と呼ぶ)11と、2次遠心分離から得られるスラッジ5bは、後述するように、加熱処理してシリコン含有材料として回収する。
500kgの使用済みスラリを上記システムにより処理すると、スラッジ5bおよび1次軽液11の発生量はそれぞれ30kg、150kgであった。また、スラッジ5bと1次軽液11の性状は、表6に示す通りであった。
Figure 0004414364
今回は、1次軽液11の分散媒の割合が高いので、スラッジ5b及び一次軽液11を混合したもの(以下、「混合原材料」と呼ぶ)をスクリューフィーダーを用いてロータリーキルンに投入した。混合原材料の性状は、表7に示す通りであった。
Figure 0004414364
ロータリーキルンでの加熱処理は、加熱処理温度500度、滞留時間11分、キャリヤーガスに窒素を使用して実施した。この加熱処理で得られた加熱処理済材料の性状を分析したところ、表8の様な結果になった。
Figure 0004414364
実施例1と比較して、加熱処理済材料の発生量が幾分減っているが、これは、1次軽液を混ぜて加熱処理した場合に、分散媒の気化(気化量が非常に多く排気流速の上昇につながった。)と加熱処理時に導入するキャリアーガスとの混合ガスと共に、発生した加熱処理済材料の一部が排出されてしまったからであると考えられる。すなわち、実施例1と2は同一の設備で実施したものであり、実施例2では、気化する分散媒の容量が増えているが過熱筒の断面積が一定なので過熱筒内部での前記混合ガスの流速が高くなり、また、過熱筒は回転して原料を攪拌するので、舞い落ちる微粉成分(加熱処理済材料)が前記混合ガスと共に排出されたと考えられる。実際に、排気後のスクラバーの中に固形の堆積物が存在し、実施例1の場合に比べて実施例2では固形の堆積物の発生量が多いことが確認された。
次に、実施例1と同様の方法で、加熱処理済材料に含まれるシリコンの酸化量を測定した。シリコンの酸化量を示す重量変化は、表9に示すように、32mgであった。
Figure 0004414364
この結果は、加熱処理済材料中にSiO2が重量比で、0.32%存在していたこと示している。この結果から、実施例2の場合でも、加熱処理によるSiの酸化量は極めて小さいことが分かる。
図3に示す実施例3のシリコン含有材料回収システムは、実施例1のものに類似しているが、残存分散媒7をそのまま加熱処理するのではなく、一旦、真空蒸留を行って、その液分13aを蒸留分散媒15として回収し、その固形分13bをロータリーキルンを用いて加熱処理して加熱処理済材料を得る点が異なっている。
以下、真空蒸留以降の工程について説明する。
残存分散媒7を真空蒸留(温度:160℃、最終到達真空度10Torr)し、その液分を13aを蒸留分散媒15として回収した。蒸留分散媒15は、スラリの再生に用いた。真空蒸留装置から排出される固形分(蒸留固形分)13bは、表10のような性状であった。
Figure 0004414364
次に、蒸留固形分13b及びスラッジ5bをそれぞれロータリーキルンを用いて加熱処理して加熱処理済材料を得た。得られた加熱処理済材料の性状は、表11に示す通りであった。
Figure 0004414364
次に、上記2つの加熱処理済材料を混合し、実施例1と同様の方法で、加熱処理済材料に含まれるシリコンの酸化量を測定した。シリコンの酸化量を示す重量変化は、表12に示すように、50mgであった。
Figure 0004414364
この結果は、加熱処理済材料中にSiO2が重量比で、0.50%存在していたこと示している。この結果から、実施例3の場合でも、加熱処理によるSiの酸化量は極めて小さいことが分かる。
図4に示す実施例4のシリコン含有材料回収システムは、実施例2のものに類似しているが、1次軽液11をそのまま加熱処理するのではなく、一旦、真空蒸留を行って、その液分13aを蒸留分散媒15として回収し、その固形分13bをロータリーキルンを用いて加熱処理して加熱処理済材料を得る点が異なっている。
以下、真空蒸留以降の工程について説明する。
1次軽液11を真空蒸留(温度:160℃、最終到達真空度10Torr)し、その液分を13aを蒸留分散媒15として回収した。蒸留分散媒15は、スラリの再生に用いた。真空蒸留装置から排出される固形分(蒸留固形分)13bは、表13のような性状であった。
Figure 0004414364
次に、蒸留固形分13b及びスラッジ5bを混合し、ロータリーキルンを用いて加熱処理して加熱処理済材料を得た。得られた加熱処理済材料の性状は、表14に示す通りであった。
Figure 0004414364
次に、実施例1と同様の方法で、加熱処理済材料に含まれるシリコンの酸化量を測定した。シリコンの酸化量を示す重量変化は、表15に示すように、32mgであった。
Figure 0004414364
この結果は、加熱処理済材料中にSiO2が重量比で、0.32%存在していたこと示している。この結果から、実施例4の場合でも、加熱処理によるSiの酸化量は極めて小さいことが分かる。
図5に示す実施例5のシリコン含有材料回収システムは、実施例4のものに類似しているが、実施例5では、1次軽液11とスラッジ5bとの混合物について真空蒸留を行っている。
以下、真空蒸留以降の工程について説明する。
1次軽液11とスラッジ5bとの混合物を真空蒸留(温度:160℃、最終到達真空度10Torr)し、その液分を13aを蒸留分散媒15として回収した。蒸留分散媒15は、スラリの再生に用いた。真空蒸留装置から排出される固形分(蒸留固形分)13bは、表16のような性状であった。
Figure 0004414364
次に、蒸留固形分をロータリーキルンを用いて加熱処理して加熱処理済材料を得た。得られた加熱処理済材料の性状は、表17に示す通りであった。
Figure 0004414364
次に、実施例1と同様の方法で、加熱処理済材料に含まれるシリコンの酸化量を測定した。シリコンの酸化量を示す重量変化は、表18に示すように、32mgであった。
Figure 0004414364
この結果は、加熱処理済材料中にSiO2が重量比で、0.32%存在していたこと示している。この結果から、実施例5の場合でも、加熱処理によるSiの酸化量は極めて小さいことが分かる。
図6に示す実施例6のシリコン含有材料回収システムは、実施例4のものに類似しているが、実施例6では、1次遠心分離で得られる液分3aの全部を真空蒸留し、その液分13aを蒸留分散媒15として回収し、その固形分13bをロータリーキルンを用いて加熱処理して加熱処理済材料を得る点が異なっている。
実施例1と同様の方法で行われた1次遠心分離で得られた液分3aの性状は、表19に示す通りであった。
Figure 0004414364
この液分3aを真空蒸留(温度:160℃、最終到達真空度10Torr)し、その液分を13aを蒸留分散媒15として回収した。蒸留分散媒15は、スラリの再生に用いた。真空蒸留装置から排出される固形分(蒸留固形分)13bは、表20のような性状であった。
Figure 0004414364
次に、蒸留固形分をロータリーキルンを用いて加熱処理して加熱処理済材料を得た。得られた加熱処理済材料の性状は、表21に示す通りであった。
Figure 0004414364
次に、実施例1と同様の方法で、加熱処理済材料に含まれるシリコンの酸化量を測定した。シリコンの酸化量を示す重量変化は、表22に示すように、110mgであった。
Figure 0004414364
この結果は、加熱処理済材料中にSiO2が重量比で、1.1%存在していたこと示している。この結果から、実施例6の場合でも、加熱処理によるSiの酸化量は極めて小さいことが分かる。
図7に示す実施例7のシリコン含有材料回収システムでは、MWS(マルチワイヤーソー)で使用するスラリを定量交換にて実施する。今回も水溶性スラリを使用したが、水分は1%以下で使用した。使用済みスラリ1の性状は、表23のようであった。今回は、真空蒸留を使用せず、データを取ったが、真空蒸留を使用しても、シリコン粉の精製には、特に支障をきたさない。また、スラリはスライスの段取り変え時にタンク容量の30%を交換してスライスを30回実施する。その間にスラリのSi濃度は、30%にも達する。今回は、その使用済みスラリを200kg入手して実施した。
Figure 0004414364
次に、使用済みスラリ1をロータリーキルンを用いて加熱処理して加熱処理済材料を得た。得られた加熱処理済材料の性状は、表24に示す通りであった。
Figure 0004414364
次に、実施例1と同様の方法で、加熱処理済材料に含まれるシリコンの酸化量を測定した。シリコンの酸化量を示す重量変化は、表25に示すように、110mgであった。
Figure 0004414364
この結果は、加熱処理済材料中にSiO2が重量比で、1.1%存在していたこと示している。この結果から、実施例7の場合でも、加熱処理によるSiの酸化量は極めて小さいことが分かる。
以上、実施例1〜7において、ロータリーキルンを用いて加熱処理を行うことにより、シリコン含有材料中の有機物除去が可能になり、またシリコン表面の酸化が無い原材料が得られた。
本発明の実施例1のシリコン含有材料回収システムを示す。 本発明の実施例2のシリコン含有材料回収システムを示す。 本発明の実施例3のシリコン含有材料回収システムを示す。 本発明の実施例4のシリコン含有材料回収システムを示す。 本発明の実施例5のシリコン含有材料回収システムを示す。 本発明の実施例6のシリコン含有材料回収システムを示す。 本発明の実施例7のシリコン含有材料回収システムを示す。

Claims (10)

  1. 砥粒とそれを分散する分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、
    1次遠心分離により得られる液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分の一部を回収し、
    2次遠心分離により得られる液分の残りとスラッジの少なくとも一方からなる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、前記試料中に含まれる有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収することを特徴とするシリコン含有材料の回収方法。
  2. 砥粒とそれを分散する分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、
    1次遠心分離により得られる液分を2次遠心分離することにより、分散媒が主成分の液分の一部を回収し、
    2次遠心分離により得られる液分の残りを蒸留することにより得られる固形分と、2次遠心分離により得られるスラッジの少なくとも一方からなる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、前記試料中に含まれる有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収することを特徴とするシリコン含有材料の回収方法。
  3. 砥粒とそれを分散する分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリを、1次遠心分離することにより、砥粒が主成分の固形分を回収し、
    1次遠心分離により得られる液分を蒸留することにより得られる固形分からなる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、前記試料中に含まれる有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収することを特徴とするシリコン含有材料の回収方法。
  4. 砥粒とそれを分散する分散媒とからなるスラリにシリコン粒が混入した使用済みスラリから得られる試料をロータリーキルンを用いて加熱処理することによって、前記試料中に含まれる有機物を除去し、有機物を除去した試料を回収することを特徴とするシリコン含有材料の回収方法。
  5. 蒸留によって得られる液分を回収する請求項2又は3に記載の方法。
  6. 回収された固形分又は液分を用いてスラリの再生を行う請求項1〜4の何れか1つに記載の方法。
  7. 加熱処理は、不活性ガス雰囲気下で行う請求項1〜4の何れか1つに記載の方法。
  8. 加熱処理は、450〜500度の温度で行う請求項1〜4の何れか1つに記載の方法。
  9. 分散媒は、沸点が450度以下の成分のみからなる請求項1〜4の何れか1つに記載の方法。
  10. 分散媒は、水溶性分散媒である請求項1〜4の何れか1つに記載の方法。
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