JP4412526B2 - 薄膜及びその成膜方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板上に金属を堆積して形成される内部応力の小さい薄膜及びその成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上に薄膜を堆積させる際、その膜の内部応力が薄膜素子の製造および、その性能に及ぼす影響が大きな問題となる。従来、この問題に対して、膜の内部応力を軽減させる様々な手法がとられてきた。
【0003】
例えば、スパッタリングによる金属膜の成膜ではカソード電流、アルゴン圧力といった成膜条件を適切に設定することにより、膜の内部応力の小さい膜を成膜する事ができる。しかし、成膜条件が等しい場合でも、成膜する膜厚によっては成膜条件にかかわらず膜の内部応力を小さくすることができなかった。
【0004】
図4は従来の薄膜の構成を表した断面図である。図4は基板1上に結晶群2、3から構成される膜を成膜した工程後の状態を示している。スパッタリングによるチタン膜の成膜においてカソード電流4A、アルゴン圧力0.5Pa前後の条件での成膜では、膜厚100nmから200nm程度までは核の成長による半球状もしくは円錐状の結晶からなる結晶群2が形成され、この結晶群は圧縮応力を発生する。
【0005】
さらに膜厚を増加させることで核の成長による結晶形成が限界に達すると、円柱状の結晶からなる結晶群3が形成されるようになる。この円柱状の結晶からなる結晶群3は引張応力を発生する。チタン膜厚さ1.0μmをスパッタリングにより成膜した場合、円柱状の結晶からなる結晶群3は成膜する膜厚が適当な値より大きいと、膜厚方向に大きく成長する。このため結晶群3による引張応力が卓越し、薄膜全体の内部応力は大きいものとなる。カソード電流4A、アルゴン圧力0.5Pa前後においてチタン膜厚さ1.0μmをスパッタリングにより成膜した場合、膜の内部応力は200MPa以上となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、薄膜の内部応力が大きい場合、薄膜が自立した構造部では、これを形成すると同時に薄膜が自身の内部応力により変形または破損することがある。
【0007】
また、引張強さ等の薄膜の機械的性質を測定したい場合、内部応力の値が荷重による応力データに影響を与えることになり、正しい測定結果を得ることができない。
【0008】
また、薄膜の内部応力が大きくなるにつれて基板の湾曲が大きくなり、基板自体の材料強度を超えると、基板が破損する。材料強度を超えなくても基板が割れやすい状態にあるため、衝撃を与えないように取り扱う必要がある。
【0009】
一般に薄膜素子の製造工程で用いられる、フォトファブリケーション工程では、露光する前に基板とマスクの相対位置を調整する必要がある。この調整はアライナやステッパを用いて、基板外周部に設けたアライメントマークと、マスク側の対応する箇所に設けたアライメントマークをあわせることによって行う。ここで基板の湾曲がある場合、基板とマスクが接触しないためには、湾曲がない場合に比べて基板とマスクの間隔を大きくとる必要がある。通常湾曲のない場合、基板とマスクの間隔は5〜30μm程度であるが、湾曲が大きい場合はこれを50μm以上とすることがある。その結果基板側とマスク側のアライメントマークに同時に焦点を合わせることができず、位置合わせ精度が低下し、製品の寸法精度が低下する。
【0010】
また、露光時において、基板の湾曲があるために基板とマスクの間隔を基板全面にわたって均一にすることができず、基板の場所によっては基板とマスクの間隔が設定した値より大きくなる場所が生じる。そこでは光の回折現象の影響が大きくなるため、露光精度が低下し、結果として製品の寸法精度が低下する。
【0011】
基板に湾曲が生じるような応力の大きい膜をパターニングすると、パターンのエッジ部分で応力集中が生じ、膜の剥離や損傷を生じさせることがある。
【0012】
さらに、基板に湾曲があると、製造過程でアライナ、レジストコータ、成膜装置等に付随する自動搬送装置が使用できないことがあり、この場合、作業効率が著しく低下する。これを使用できない理由の第一は、湾曲があるために基板と自動搬送装置の周辺部が干渉することがあげられる。第二の理由としては、自動搬送装置の基板把持機構が、変形している基板に対して正確に位置決めできない、もしくはバキューム式の把持機構の場合は把持機構と変形した基板の間でリークが発生する、などの理由から基板を把持できないことがあげられる。
【0013】
また、光学顕微鏡、電子顕微鏡もしくは原子間力顕微鏡を用いて、製造過程中もしくは製造完了後に視覚的に検査する場合、基板の湾曲があると、検査する基板の位置によって、その度ごとに顕微鏡の焦点を合わせ直す必要があり、電子顕微鏡を用いる場合、さらに非点収差も調節する必要があり、検査の作業効率が低下する。また、原子間力顕微鏡を用いる場合、基板の湾曲のために高さ方向の測定レンジを広くとる必要があり、この場合基板が湾曲していない場合に比べて高さ方向の分解能が低下する。
【0014】
一般的に内部応力は100MPa以下であれば上述の問題点は生じないため、この発明は、大きな内部応力を伴う薄膜とその製造方法を改良することによって、薄膜の内部応力を100MPa以下として、上述のような問題点を取り除くことを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記薄膜の課題を解決するため、本発明は、膜厚の増加に対して、膜の内部応力が引張応力から圧縮応力、または圧縮応力から引張応力に変化する性質を持つ材料の結晶群からなり、所定の条件で所定の膜厚の成膜における引張応力と圧縮応力の釣り合いにより、内部応力が100MPa以下である薄膜とする。
【0016】
また、複数の薄膜で構成され、各薄膜の間が結晶成長不連続部分である薄膜とする。即ち、薄膜の膜厚方向に結晶成長不連続部分を持たせることによって、任意の膜厚をもつ薄膜の内部応力を低減させるものである。
【0017】
また、略同一の膜厚を有する複数の薄膜で構成され、各薄膜の間が結晶成長不連続部分である薄膜とする。
【0018】
また、結晶成長不連続部分の界面に薄膜と異なる材料を付着させる。よって、効果的に結晶成長を不連続にすることができ、内部応力を低減させることができる。
【0019】
さらに本発明は、薄膜の結晶成長を膜厚方向に不連続とする結晶連続成長阻害工程を含む薄膜の成膜方法とする。
【0020】
また、結晶成長不連続部分を形成するための結晶連続成長阻害工程として、成膜中に一旦成膜を停止させその上で再度成膜を開始させる。
【0021】
また、結晶連続成長阻害工程において成膜を停止させた際に、基板を冷却する、成膜を停止させた膜の表面表層を除去する、または異なる材料を、成膜を停止させた膜の表面に付着させることを、それぞれ単独、もしくは任意に組み合わせる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1にかかわる薄膜の構成を示す断面図である。図1は基板1上に結晶群2、3から構成される膜を成膜した工程後の状態を示している。スパッタリングによるチタン膜の成膜においてカソード電流4A、アルゴン圧力0.5Pa前後の条件での成膜では、膜厚100mから200m程度までは核の成長による半球状もしくは円錐状の結晶からなる結晶群2が形成され、この結晶群は圧縮応力を発生する。
【0023】
さらに膜厚を増加させることで核の成長による結晶形成が限界に達すると、円柱状の結晶からなる結晶群3が形成されるようになる。この円柱状の結晶からなる結晶群3は引張応力を発生する。カソード電流4A、アルゴン圧力0.5Pa前後において厚さ約0.5μmを成膜した場合、結晶群2と結晶群3の発生応力が釣り合って、チタン膜全体の内部応力を100MPa以下に抑えることができる。
【0024】
一般的に、薄膜の内部応力が100MPa以下であれば、薄膜素子において薄膜自体の内部応力で薄膜が破損する問題を避けることができ、薄膜の機械的特性を正確に測定することができ、また、薄膜の内部応力による基板の湾曲を低減し、基板の破損を防止し、フォトファブリケーション工程の精度の向上、検査工程の精度向上が得られるため、上述した課題を十分に解決できる。
【0025】
上記図1に関する説明では膜応力を小さくする対象がスパッタリングによるチタン膜である場合について説明を行った。さらに、膜厚の増加に対して膜の内部応力が引張応力から圧縮応力、または圧縮応力から引張応力に変化する性質を持つ材料または成膜法に対しても、上記手法のように、所定の条件で所定の膜厚を成膜することにより、膜応力を100MPa以下に抑えることができる。例えば、スパッタリング法によるニオブ膜においても上記効果が得られる。
(実施の形態2)
図2(a)に示すように、結晶群2、3から構成される内部応力の小さい膜を成膜し、一旦成膜を停止させる。スパッタリングによるチタン膜の成膜においてカソード電流4A、アルゴン圧力0.5Pa前後の条件での成膜では、膜厚100nmから200nm程度までは核の成長による半球状もしくは円錐状の結晶からなる結晶群2が形成され、この結晶群は圧縮応力を発生する。
【0026】
さらに膜厚を増加させることで核の成長による結晶形成が限界に達すると、円柱状の結晶からなる結晶群3が形成されるようになる。この円柱状の結晶からなる結晶群3は引張応力を発生する。ここで厚さ約0.5μmまで成膜した場合、結晶群2と結晶群3の発生応力が釣り合って、チタン膜全体の内部応力を100MPa以下に抑えることができる。
【0027】
その後、結晶連続成長阻害工程として、結晶群2、3から構成される膜の成膜を結晶群2と結晶群3の発生応力が釣り合う膜厚で一旦停止させた後、結晶群2、3から構成される膜上に、結晶群2、3と同材料の結晶群4、5から構成される膜を、結晶群2、3から構成される膜と等しい膜厚で成膜する。これにより、結晶成長不連続部分として結晶群3と結晶群4の境界を発生させることができる。ここで結晶群4は結晶群2と同様に半球状もしくは円錐状の結晶から構成され、圧縮応力を生じる。また、結晶群5は結集群3と同様の円柱状の結晶から構成され、引張応力を生じる。結晶群2と3でそれぞれ発生する応力が釣り合い、また結晶群4と5でそれぞれ発生する応力が釣り合うため、従来の技術では膜の内部応力を100MPa以下に抑えることができない膜厚にもかかわらず、本実施の形態においては結晶群2、3、4、5から構成される膜の内部応力は100MPa以下に抑えられる。
【0028】
より効果的に結晶群4を発生させ膜応力を小さく抑えるために、結晶連続成長阻害工程として、膜2、3の成膜後、一度成膜を停止している際に、基板が成膜前の温度まで冷却されるのを待ってから、膜4、5を成膜することもできる。また、膜2、3の表面を逆スパッタすることによって表層を除去した上で、その上に膜4、5を成膜することによっても、より効果的に結晶群4を発生させ膜応力を100MPa以下に抑えることができる。
【0029】
さらに図2(b)に示すように、結晶群2、3から構成される膜の成膜後に、結晶群2、3、4、5とは異なる材料の核形成因子6を、結晶群2、3、4、5から構成される膜の機械的、電気的等の性質に影響を与えない程度わずかに、例えば原子数個から数十個分の厚みで、付着させ、その後に核形成因子6上に結晶群4、5から構成される膜を成膜することで、より効果的に前記結晶群4を発生させ結晶群2、3、4、5から構成される膜全体の内部応力を100MPa以下に抑えることができる。結晶群2、3、4、5から構成される膜をスパッタリングによるチタン膜とした場合、金をカソード電流0.4A、アルゴン圧力1.1Paで1秒間スパッタすることで核形成因子6として形成することができる。
【0030】
上記図2に関する説明では膜応力を小さくする対象がスパッタリングによるチタン膜である場合について説明を行った。膜厚の増加に対して膜の内部応力が引張応力から圧縮応力、または圧縮応力から引張応力に変化する性質を持つ材料または成膜法に対しても、上記手法により膜応力を100MPa以下に抑えることができる。例えば、スパッタリング法によるニオブ膜においても上記効果が得られる。
【0031】
上記のような構造の薄膜によれば、従来の手法では内部応力を小さく抑えることができない比較的膜厚の大きい薄膜も、内部応力を100Pa以下に抑えることができる。これにより、薄膜素子において薄膜自体の内部応力で薄膜が破損する問題を避けることができ、薄膜の機械的特性を正確に測定することができる効果がある。また、薄膜の内部応力による基板の湾曲を低減し、基板の破損を防止し、フォトファブリケーション工程の精度の向上、検査工程の精度向上が得られるという効果がある。
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3にかかわる薄膜の構成を示す断面図である。
【0032】
図3(a)は、基板1上に結晶群2、3から構成される膜を成膜した工程後の状態を示している。スパッタリングによるチタン膜の成膜では、まず核の成長による半球状もしくは円錐状の結晶からなる結晶群2が形成され、この結晶群で構成される膜は圧縮応力を発生する。さらに膜厚を増加させることで核の成長による結晶形成が限界に達すると、円柱状の結晶からなる結晶群3が形成されるようになる。この円柱状結晶からなる結晶群3は引張応力を発生する。適切な成膜条件と膜厚を選ぶことによって結晶群2と結晶群3の発生応力が釣り合って、チタン膜全体の内部応力を100MPa以下に抑えることができる。
【0033】
図3(b)は、図3(a)の結晶群3上に結晶群4、5、7、8から構成される膜を成膜した工程後の状態を示している。結晶連続成長阻害工程として、結晶群2、3から構成される膜の成膜を結晶群2と結晶群3の発生応力が釣り合う膜厚で、一旦停止させた後、結晶群2、3から構成される膜上に、結晶群2、3と同材料の結晶群4、5から構成される膜を結晶群2、3から構成される膜と等しい膜厚で成膜する。これにより、結晶成長不連続部分として結晶群3と結晶群4の境界を発生させることができる。ここで結晶群4は結晶群2と同様に半球状もしくは円錐状の結晶から構成され、圧縮応力を生じる。また、結晶群5は結集群3と同様の円柱状の結晶から構成され、引張応力を生じる。結晶群2と3でそれぞれ発生する応力が釣り合い、また結晶群4、5でそれぞれ発生する応力が釣り合う。
【0034】
さらに、結晶連続成長阻害工程として、結晶群4、5から構成される膜の成膜を結晶群4と結晶群5の発生応力が釣り合う膜厚で、一旦停止させた後、結晶群2、3、4、5から構成される膜上に結晶群2、3、4、5と同材料の結晶群7、8から構成される膜を、結晶群2、3から構成される膜と等しい膜厚で成膜する。これにより、結晶成長不連続部分として結晶群5と結晶群7の境界を発生させることができる。ここで結晶群7は結晶群2と同様に半球状もしくは円錐状の結晶から構成され、圧縮応力を生じる。また、結晶群8は結集群3と同様の円柱状の結晶から構成され、引張応力を生じる。結晶群2と3でそれぞれ発生する応力が釣り合い、結晶群4、5でそれぞれ発生する応力が釣り合い、さらに結晶群7、8でそれぞれ発生する応力が釣り合う。結局、結晶群2、3、4、5、7、8から構成される膜全体の内部応力は100MPa以下に抑えられる。
【0035】
上記の説明では膜応力を小さくする対象がスパッタリングによるチタン膜である場合について説明を行った。膜厚の増加に対して膜の内部応力が引張応力から圧縮応力、または圧縮応力から引張応力に変化する性質を持つ材料または成膜法に対しても、上記手法により膜応力を100MPa以下に抑えることができる。例えば、スパッタリング法によるニオブ膜においても上記効果が得られる。
【0036】
また、上記図3に関する説明では結晶連続成長阻害工程を2回実施する場合について説明を行った。さらに、結晶連続成長阻害工程を3回以上実施することにより、膜厚の大きい膜においても本実施の形態と同様の作用及び効果が得られる。
【0037】
上記のような構造の薄膜によれば、従来の手法では内部応力を100MPa以下に抑えることができない比較的膜厚の大きい薄膜も任意の膜厚で、内部応力を100MPa以下に抑えることができる。これにより、薄膜素子において薄膜自体の内部応力で薄膜が破損する問題を避けることができ、薄膜の機械的特性を正確に測定することができる効果がある。また、薄膜の内部応力による基板の湾曲を低減し、基板の破損を防止し、フォトファブリケーション工程の精度の向上、検査工程の精度向上が得られるという効果がある。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、上記のような構造の薄膜によれば、従来の手法では内部応力を小さく抑えることができない比較的膜厚の大きい薄膜も、内部応力を100MPa以下に抑えることができる。これにより、薄膜素子において薄膜自体の内部応力で薄膜が破損する問題を避けることができ、薄膜の機械的特性を正確に測定することができる効果がある。また、薄膜の内部応力による基板の湾曲を低減し、基板の破損を防止し、フォトファブリケーション工程の精度の向上、検査工程の精度向上が得られるという効果がある。
【0039】
また、本発明によれば、従来法では膜の内部応力が大きくなってしまう場合でも、内部応力が100MPa以下となるある膜厚で一旦成膜を止め、または一旦成膜を止めた際に基板冷却、膜表層の除去、または膜表面に核形成因子を付着させる作業をおこない、その後再度、前記膜厚と等しい膜厚で成膜を実施することで、膜の内部応力を100MPa以下に抑えることができる。
【0040】
また、本発明によれば、従来法では膜の内部応力が大きくなってしまう場合でも、内部応力が小さくなるある膜厚で一旦成膜を止め、または一旦成膜を止めた際に基板冷却、膜表層の除去、または膜表面に核形成因子を付着させる結晶連続成長阻害工程を実施し、その後再度成膜し、前記膜厚と等しい膜厚で成膜を止め、さらに結晶連続成長阻害工程を実施して前記膜厚と等しい膜厚で成膜を実施することで膜の内部応力を抑える効果がある。結晶連続成長阻害工程を複数回繰り返すことで、任意膜厚の膜の内部応力を抑えることができる。
【0041】
さらに、この発明は以上説明したように、薄膜の内部応力を100MPa以下に抑えることができる。これにより、薄膜素子において薄膜自体の内部応力で薄膜が破損する問題を避けることができ、薄膜の機械的特性を正確に測定することができる効果がある。また、薄膜の内部応力による基板の湾曲を低減し、基板の破損を防止し、フォトファブリケーション工程の精度の向上、検査工程の精度向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかわる薄膜の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2にかかわる薄膜の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3にかかわる薄膜の構成を示す断面図である。
【図4】本発明における従来の薄膜の構成を表した断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・結晶群
3・・・結晶群
4・・・結晶群
5・・・結晶群
6・・・核形成因子
7・・・結晶群
8・・・結晶群

Claims (6)

  1. 基板上に金属を堆積して形成される薄膜であって、膜厚の増加に対して、膜の内部応力が引張応力から圧縮応力、または圧縮応力から引張応力に変化する性質を持つ材料の結晶群からなり、チタン又はニオブから構成されており前記圧縮応力を有する第1の結晶群と、前記第1の結晶群と同一材料から構成されており前記引張応力を有する第2の結晶群とを有し、前記第1の結晶群が有する前記圧縮応力と前記第2の結晶群が有する前記引張応力との釣り合いにより、前記内部応力が100MPa以下であるように形成されており、
    前記第1の結晶群と前記第2の結晶群とを有する複数の膜から構成され、前記膜のそれぞれの間には、一の膜の結晶成長が一旦停止して前記基板が成膜前の温度まで冷却された後に他の膜の結晶成長が再度行われる結晶成長不連続部分を有することを特徴とする薄膜。
  2. 前記膜の厚さは、略同一の厚さであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜。
  3. 前記結晶成長不連続部分の界面に、前記膜の材料とは異なる材料を前記膜の全面または一部に有することを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜。
  4. 基板上に金属を堆積して形成される薄膜の成膜方法であって、
    前記堆積によって前記金属の結晶成長を行い、チタン又はニオブから構成されており圧縮応力を有する第1の結晶群からなる第1の層を形成する第1の結晶成長工程と、引き続き前記結晶成長を行って、前記第1の層と同一材料から構成されており引張応力を有する第2の結晶群からなる第2の層を形成する第2の結晶成長工程とからなり、前記第1の層と前記第2の層からなる膜を形成し、
    更に、成膜中に一旦成膜を停止し、その後前記成膜時と同一材料により成膜を、1回または複数回、繰り返す結晶連続成長阻害工程を有し、
    前記結晶連続成長阻害工程における前記成膜停止の間に、前記基板を冷却することを特徴とする薄膜の成膜方法。
  5. 前記結晶連続成長阻害工程において、成膜中に一旦成膜を停止させ、膜表面表層を結晶の連続成長が十分阻害できる程度に除去し、その後前記成膜時と同一材料を成膜する作業を一回または複数回おこなうことを特徴とする請求項4に記載の薄膜の成膜方法。
  6. 前記結晶連続成長阻害工程において、成膜中に一旦成膜を停止させ、前記成膜時と異なる材料を付着させ、その後前記成膜時と同一材料を成膜する作業を一回または複数回おこなうことを特徴とする請求項4に記載の薄膜の成膜方法。
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