JP4409915B2 - 油分含有水中の油分定量方法 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な分含有水中の油定量方法に関するものである。
油分を含有する産業排水や家庭排水におけるCODやBODは、大部分が油分に依存するため、この油分を除去することにより大幅にBODを低下させることができる。
したがって、これらの排水は、水質保全法に基づく指定水域の水質基準として、あるいは下水道法による規制基準以下にまで油分を除去して、下水や河川に放流されている。
ところで、これらの排水中の油分を除く方法としては、重力又は加圧式の浮上分離法が主流を占めているが、これらは上記した放流可能な基準値以下に油分を除去すればよく、完全な油分除去を必要としないため、分含有量を測定するための分析に使用するには、必ずしも適当な方法ではない。
一方、有機系又は無機系の凝集剤を用いると、乳化状態の油分を効率よく捕捉し得ることが知られている。そして、このような凝集剤として、切削油廃水用の塩化カルシウム含浸白土とアニオン系高分子化合物との粉末状混合物からなる凝集剤(特許文献1参照)、カチオン性高分子化合物又はカチオン性高分子化合物とアニオン性高分子化合物との粉末状混合物からなる凝集剤(特許文献2参照)、アルギン酸塩と硫酸アンモニウムとを含む洗車排水用凝集剤(特許文献3参照)、微生物が産生した油水分離能を有する高分子化合物を主成分とする凝集剤(特許文献4参照)、油分を吸収してフロック化する吸油性ポリマーと水中の微粒子を凝集するための凝集剤とからなる油分離剤(特許文献5参照)などが提案されている。
しかしながら、これらの凝集剤は、いずれも大量の産業廃水の処理用として提案されたものであり、油分を完全に分離して定量分析するためのものとしては、必ずしも満足し得るものではない。
環境水中の微量汚染物質の一つである鉱物油及び動植物油の定量方法としては、日本工業規格「工場排水試験方法(JIS K 0102)」や衛生試験法があり、これらJISや衛生試験法においては、試料を微酸性とし、へキサンで抽出したのち、このヘキサンを揮散させた後に残留する物質を秤量して定量する。
しかし、この定量方法では、大量の試料水を用いて多量のへキサンを回収するために、煩雑な操作や多量の熱エネルギーを必要とするので、処理費がコスト高になるのを免れない。
なお、最近、オンサイト分析に適した技術として、重金属検出用材料及びその製造方法(特許文献6参照)並びに環境汚染微量物質の定量方法及びそれに用いる定量用キット(特許文献7参照)が提案された。
しかし、この技術は有害重金属イオンの定量を目的とし、重金属イオンとキレート化合物を形成して呈色する疎水性キレート形成型発色試薬を用いるものであって、キレート化合物を形成せず呈色もしない油分の定量に用いられるものではない。
特開昭51−30585号公報(特許請求の範囲その他) 特開昭60−202787号公報(特許請求の範囲その他) 特開2003−170007号公報(特許請求の範囲その他) 特開2000−70955号公報(特許請求の範囲その他) 特開2000−328048号公報(特許請求の範囲その他) 特開2003−149226号公報(特許請求の範囲その他) 特開2003−194798号公報(特許請求の範囲その他)
本発明は、特定の高分子化合物を用い、水分量が極めて少ない固形状の凝集物内に水中の油分を捕捉しフィールドにおいて、環境水等の水中の微量油分を簡便、迅速かつ精度高く、しかも低コストで二次汚染もなくオンサイト分析し得る新規な水中の油分の定量方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物の特性を利用して、水中の微量油分の全量を高温側で固形物中に分離・濃縮できさらにこの固形物を少量の水に低温側で溶解させて、油分を小さな粒子として分散させた油分懸濁液とし、これを用いると簡易・迅速かつ高い精度を以って油分量を定量し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は(イ)所定温度に保持した油分含有水に、その温度よりも高い転移温度をもつ低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物を加えて溶解し、混合液を調製する工程、(ロ)(イ)で得られた混合液を上記低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物の転移温度以上に昇温して、油分を捕捉した感熱性高分子化合物の固形物を形成させる工程、(ハ)上記の固形物を水相から分離する工程、(ニ)(ハ)で得た固形物に、所定量の純水を、上記感熱性高分子化合物の転移温度よりも低い温度において加えて溶解し、油分の水性懸濁液を形成させる工程、及び(ホ)上記水性懸濁液中の濁度を測定し、この濁度に基づき油分含有量を求める工程からなる油分含有水中の油分の定量方法を提供するものである。
次に、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明は、所定温度に保持した微量油分を含有する廃水などに、その温度よりも高い転移温度をもつ低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物を加えてその転移温度以下で溶解し、次に転移温度以上に昇温して凝固・析出した固形物中に油分を捕捉(捕集・濃縮)し、次にこの固形物を水相から分離し、得た固形物に、極少容量の所定量の純水を、上記感熱性高分子化合物の転移温度よりも低い温度において加えて溶解し、この感熱性高分子化合物水溶液を分散媒として油分を懸濁させ、その濁度を測定することにより油分含有水中の油分を定量する方法である。
ここで転移温度とは、下限臨界共溶温度(Lower Critical Solution Temperature)を意味する。
先ず、本発明に対する理解を容易にするために、本発明における低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物の機能と作用機序を説明する。
本発明は、低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物中に水中の油分を捕捉し、次いで水相から分離し、得られた固形分を水中に再分散させてその濁度を測定するものであるが、低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物は、それぞれの段階において次のように機能する。
すなわち、油分含有水に加えられた低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物は、温度を転移温度以上に上昇させると脱水和して疎水性になるため油分と親和性を生じる。その結果、油分は凝固した高分子固体物(固形物)中に取り込まれて高度に濃縮される
このようにして水中に極希薄な状態で存在している油分についても濃縮することができる
従来の凝集法で生成する油分含有フロックは親水性コロイドの凝集物であり水分を多量に含むものであるが、本発明の固形物は感熱性高分子化合物の高温疎水性の特性を利用し水分の少ない固形分である。
上記の低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物水溶液中において油分の分散媒として機能する。感熱性高分子化合物は、疎水性と親水性の両面を有する界面活性剤的な性質を示し、その水溶液は油分を包含したミセルを形成することにより、油分を小さな粒子として懸濁分散することができる。その懸濁状態は、長時間に渉って高い安定性を保ち、その濁度は油分含量に比例する。また、懸濁粒子径を小さく保てるので濁度測定において高い感度を得ることができる。
このようにして、本発明では、低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物を濃縮媒体及びその水溶液を分散媒として用いることにより、水中の微量油分を迅速かつ高感度で定量することができる。
本発明における抽出及び分散のための媒体である低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物による抽出過程における物質取り込みの機序は、分離対象物質と感熱性高分子化合物の間の疎水性に基づく親和性を利用したものであり、その対象物質に対する感熱性高分子化合物による抽出に関しては、基本的に、有機溶媒抽出法(水−有機溶媒間の分配係数支配によるもの)の場合と同様に考えることができる。
すなわち、高分子凝集相の抽出溶媒としての性質は、例えばポリ(N‐イソプロピルアクリルアミドの場合、水−感熱性高分子化合物凝集相間の分配係数が、水−オクタノール間分配定数(化合物の疎水性を示す尺度)との整合性を示す[「アナリティカル・ケミストリー(Anal.Chem.)」,1999年,第71巻,p.4506−4512参照]ことからも理解でき、本発明による水中油分の定量法はヘキサン抽出物質の測定法と軌を一にするものと考えられる。
本発明における低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物水溶液の分散媒としての作用機序は、高分子の疎水性基を内側に、親水性基を外側にしてミセル様のコアを形成し水溶液中で疎水性物質取り込みの場を形成し、油分を保持・分散して安定な水中油の懸濁状態を保つものと考えられる。上記感熱性高分子化合物水溶液が形成する微視的疎水環境は、平均的には低級アルコール程度である[「タランタ(Talanta)」,1998年,第46巻,p.541−550参照]。
次に、本発明で用いる具体的な低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物について説明する。
本発明に用いられる低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物は、所定の温度即ち転移温度以下の低温で生成する高分子の水和物(オキソニウムヒドロキシド)が、上記温度よりも高温度側で脱水和することにより高分子同士が凝集し固体状になる物性を有するものであり、転移温度以下では親水性を示し水に溶解しているが、転移温度よりも高い温度では疎水性を示し固形物になるものである。
本発明においては転移温度が0〜90℃、好ましくは10〜60℃の範囲内にある低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物が用いられる。本発明の油分含有水中の油分の定量方法を利用したオンサイト分析の点から、周囲温度では親水性を示し、加熱すると疎水性を示すような転移温度を持つものが好ましい。
なお、この転移温度は、感熱性高分子化合物を構成する単量体の種類、共単量体の含有割合によって変えることができるが、そのほか水溶液としたときの塩濃度やpHを調整することによっても変えることができる。
本発明に用いられる低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物は公知の物質であり、その例としては、N‐n‐プロピルアクリルアミド、N‐イソプロピルアクリルアミド、N‐シクロプロピルアクリルアミド、N,N‐エチルメチルアクリルアミド、N,N‐ジエチルアクリルアミド、N‐アクリロイルピロリジン、N‐アクリロイルピペリジン、N‐アクリロイルモルホリン及び対応するメタクリルアミド誘導体の中から選ばれた少なくとも1種の単量体の重合体又は共重合体、あるいはこれらの単量体と親水性単量体、例えばN‐ビニルピロリドン、ビニルピリジン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N‐メチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、アクリル酸やメタクリル酸のような不飽和カルボン酸及びそれらの塩、ビニルスルホン酸やスチレンスルホン酸のような不飽和スルホン酸、N,N‐ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N‐ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなど、あるいは疎水性単量体、例えばエチルアクリレート、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレートのようなアクリル酸エステル又はメタクリル酸やN‐アルキル置換アクリルアミド又はメタクリルアミド、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニルなどの中から選ばれた少なくとも1種の単量体との共重合体等が挙げられる。
中でも、N,N‐ジエチルアクリルアミド、N‐イソプロピルアクリルアミド、N‐n‐プロピルアクリルアミド又はN‐シクロプロピルアクリルアミド若しくは対応するN‐メタクリルアミド誘導体の中から選ばれた少なくとも1種の単量体の重合体又は共重合体が特に好適に用いられる。
一般に、親水性単量体と共重合させると単独重合体よりも転移温度は上昇するし、また疎水性単量体と共重合させると単独重合体よりも転移温度は低下するので、これを利用して所望の転移温度を持つ低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物を形成させることができる。
転移温度は、低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物を水溶液としたとき、その塩濃度やpHを調整することによっても変えることができる。低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物の可溶化と固体凝集はそれぞれ水和と脱水和によるものであり、塩析作用を持つ塩の添加は、低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物の凝集を促進する。塩類は塩析効果の大きいものが有用であり、塩化ナトリウム、過塩素酸ナトリウムなどの他にも種々の塩を用いることができ、それぞれの系に適した塩とその濃度を選択することが好ましい。
発明の油分含有水中の油分の定量方法は以下の各工程に従って行われる。
(イ)工程
先ず、所定量の環境水等の油分含有水を採取し、試料とする。環境水としては工場排水、下水処理場への流入水、下水処理場処理水、河川水、湖沼水、海水等を挙げることができる。また、測定対象物質の油分としては、鉱物油、例えばエンジンオイルのような潤滑油、流動パラフィン、動植物油、例えばサラダ油、なたね油、オリーブ油、ごま油及び紅花油などを挙げることができる。
測定1回当りの試料採取量は、10〜200mlの範囲内の所定量とするのが簡便、迅速、低コスト等の点から好ましい。
次にこの試料に、その周囲温度より高い転移温度を持つ低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物の所定量を加え、よく混合し溶解させ、その混合液を得る。その所定量は、通常100〜500mg/リットルの範囲内の特定濃度になるように添加する。この濃度範囲内で本発明の定量方法は特に高い測定精度を得ることができる。
低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物はこれを高分子水溶液として予め用意しておき、所定量になるよう試料に加えるのが作業時間短縮の点から有利である。この場合、高分子水溶液の濃度は1〜2質量%とするのがよい。
また、転移温度を調整するために必要により塩類やpH調整剤を添加することができるが、それらも水溶液として予め用意して、その所定量を添加するのがよい。
(ロ)工程
次に、(イ)工程で得られた混合液(溶解液)を上記転移温度(塩類添加等で調整された場合はその転移温度)よりも高い温度に加温する。この段階で低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物は疎水性となり、固形物として析出してくる。そして、この固形物中に油分の全てが抽出・濃縮される。
(ハ)工程
次いで、上記転移温度以上に保ったまま、この固形物を液体部分から適当な手段(デカンテーション等)を用いて分離する。この分離の際、振とうすることにより、固形物は容器(ガラス容器やポリプロピレン等の容器)の壁面に付着する特性があり、簡便・迅速に固形物のみを得ることができる。また、加温手段としては湯浴等の簡便な手段をとることができる。
(ニ)工程
次に、(ハ)工程で得た固形物に、所定量の極少量の純水を上記感熱性高分子化合物の転移温度よりも低い温度において加えて溶解し、濃縮油分を分散させた水性懸濁液を形成させる。上記転移温度よりも低い温度とは(イ)工程にいう周囲温度と同じ温度でもよい。さらに、純水の所定量は、感熱性高分子化合物の濃度が1〜2g/リットルの範囲になる特定量を添加するのが、次の(ホ)工程で高感度・高精度の定量値を得ることができる点で特に好ましい。
(ホ)工程
次に(ニ)工程で得られた懸濁液中の油分を検量する。検量法は濁度を測定するか、吸光度を測定するか、あるいは他の適当な方法を用いて行い、試料中の微量油分の含量を求める。
上記(ホ)工程の検量法はオンサイト分析の点から濁度による測定方法が用いられる。濁度は懸濁物質の種類、粒径によりまた測定方法によって異なるが、懸濁物質濃度(C)、粒径(d)、濁度(T)の間に次式が経験的に得られている(上水試験方法解説等参照)。
C=K・T・dm
K,mは、懸濁物質、測定方法により異なる定数である。
すなわち、一定条件下において懸濁物質濃度と濁度は比例関係にあり、粒径が小さいほど大きい濁度が得られる。本発明において低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物水溶液を分散媒として用いることに依り、油分をより小さい一定の粒径を有する安定な濁質として測定に供することができるのでこの点から濁度測定が用いられる。
濁度の測定方式には透過光方式、散乱光方式及び積分球方式があるが、本発明においてはいずれの測定方法にも応用できる。透過光方式を用いる場合には、ある濃度範囲においてランベルト−ベールの法則が適用され検量線法を用いて定量できる。尚、この場合の測定波長は濁度測定に通常用いられる600nm以上の波長域にあることが望ましい。
本発明において、低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物水溶液を分散媒として用いることにより、実験条件を一定にして再現性ある結果を得ることができる。
本発明の定量方法は、各工程の操作が円滑に行えるように、用具を組み合わせた定量用キットを用いて行うのが好ましい。図1は、このような定量用キットの一例を示す斜視図である。
この図1に示すキットは、必要量(30ml)の環境水を採取し、測定試料の調製操作を実施するための容器(1)、所定濃度(0.5mol/リットル)のHCl水溶液を所定回数分(30回分)収納した容器(2)、所定濃度(1.2質量%)の低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物水溶液を所定回数分(30回分)収納した容器(3)、所定濃度(3.2mol/リットル)のNaCl水溶液を所定回数分(30回)収納した容器(4)、純水を所定回数分(30回分)収納した容器(5)、容器(2)から所定量(0.5ml)のHCl水溶液を採取し、容器(1)へ加えるためのスポイト(6)、容器(3)から所定量(1.0ml)の前記感熱性高分子化合物水溶液を採取し、容器(1)へ加えるためのスポイト(7)、容器(4)から所定量(3.0ml)のNaCl水溶液を採取し、容器(1)へ加えるためのスポイト(8)、容器(5)から所定量(5.0ml)の精製水を採取し、容器(1)へ加えるためのシリンジ(9)、前記感熱性高分子化合物を凝集させた後に容器(1)から水相を抜き取るための先端にロック針を装着したシリンジ(10)、及び容器(1)を湯浴するためのカップ(11)から構成されている。
それぞれは、使いやすさ等を考慮し、容器(1)がポリプロピレン製ふた付きのガラス製ねじ口瓶、容器(2)、(3)、(4)及び(5)がポリプロピレン製ねじ口瓶、スポイト(6)、(7)及び(8)がポリエチレン製スポイト、シリンジ(9)と(10)がポリプロピレン製シリンジ、カップ(11)がポリエチレン製カップ(11)からなるものである。
図1に示す定量キットを用いた環境水中の油分の定量方法を各工程に従って説明する。
(イ)工程
先ず、30mlの環境水を容器(1)に採取し、これに容器(2)のHCl水溶液0.5mlをスポイト(6)を用いて加えて、混和する。次いで容器(3)の低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物水溶液1.0mlをスポイト(7)を用いて加え混和する。さらに容器(4)のNaCl水溶液3.0mlをスポイト(8)を用いて加えて混和する。なお、ここでHClとNaClの混合水溶液を先に添加してから感熱性高分子化合物水溶液を添加してもよい。
(ロ)工程
次に、用意しておいた転移温度以上の湯で満たされたカップ(11)の中に容器(1)を浸し、約1分後に取り出して激しく振り混ぜて固形物を析出・凝縮させ、さらに塊状に凝固させるために再度湯の中に浸し、1〜3分間程度放置する。
(ハ)工程
次いで容器(1)を湯の中から取り出して蓋を外し、転移温度以上に保持した状態においてシリンジ(10)のロック針を容器(1)の底まで差し込み、凝縮して浮上した固形物を取り込まないように注意しながら、ゆっくり液を吸引して取り除く。この際、浮上した固形物は液面の下降により、周囲のガラス内壁面に付着する。したがって、この操作により、デカンテーションによる固形物の流出を大幅に減少させることができ、測定結果のばらつきを抑えることが可能である。
(ニ)工程
次に、前記工程で得られた固形物入り容器(1)を、上記転移温度より低い温度(周囲温度等)に冷やした後、容器(5)の純水5mlをシリンジ(9)を用いて加え、振り混ぜて固形物を構成している油分を含有した感熱性高分子化合物を溶解させ、油分の水性懸濁液を得る。
(ホ)工程
最後に、得られた油分の水性懸濁液の濁度(例えば、660nmにおける吸光度)を測定し、環境水試料中の油分量を算出する。
発明の油分含有水中の油分の定量方法によれば、フィールドにおいて、環境水などに含まれる微量油分を簡便、迅速かつ精度高く、しかも低コストで二次汚染もなくオンサイト分析し得る新規な油分含有水中の油分の定量方法が提供される。
次に実施例により、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
参考例1
ミシン油の一定量を秤取し、全量800mlになるまで水を加えて分散させて原液を調製した。次にこの原液を水で希釈して、油分含有量0ないし83ppmの試料とした。次いで、これらの試料各50mlずつを蓋付きびんに分取し、これに0.5M−HCl水溶液1.0mlを加えて混合した後、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(質量平均分子量約10万、転移温度32℃)の2.0質量%濃度の水溶液1.0mlを加え、さらに4M−NaCl水溶液4mlを加えて混合した。
次にこのようにして得た混合物を、55℃で1〜3分間加温したのち、その温度を保ちながら激しく振り混ぜて、析出した固形分を凝集させた。このようにして凝集させた固形分から、注意しながらデカンテーションにより水相を分離することにより水相から油分を回収した。この例においてミシン油の代わりに潤滑油、パラフィン油を用いた場合においても同様の結果が得られた。
参考例2
ゴマ油の一定量を秤取し、全量800mlになるまで水を加えて分散させて原液を調製した。次にこの原液を水で希釈して、油分含有量0ないし83ppmの試料とした。次いで、これらの試料各50mlずつを蓋付きびんに分取し、これに0.5M−HCl水溶液1.0mlを加えて混合した後、参考例1で用いたのと同じポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)の2.0質量%濃度の水溶液1.0mlを加え、さらに4M−NaCl水溶液4mlを加えて混合した。
次にこのようにして得た混合物を、55℃で3分間加温したのち、その温度を保ちながら激しく振り混ぜて、析出した固形分を凝集させた。このようにして凝集させた固形分から、注意しながらデカンテーションにより水相を分離することにより水相から油分を回収した。この例においてゴマ油の代わりにサラダ油、菜種油、オリーブ油、紅花油を用いた場合においても同様の結果が得られた。
参考例1で得た固形分に20℃以下の水5mlを加えて振り混ぜて、これを溶解し、生成した油分のエマルションの濁度を波長660nmにおける吸光度として測定した。その結果をミシン油濃度に対する濁度の変化を示すグラフとして図2のAに示す。また参考のために濃縮操作前の試料についてそのまま濁度を測定した場合の結果をB、濃縮した場合に得られると予想される油分濃度[ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)を含まない]に対する濁度をCとして併記した。
この図から分るように、ミシン油を10倍に濃縮した場合では、本発明方法により検出した濁度Aは、濃縮した場合に得られると予想した濃度のミシン油を水に分散させた場合の濁度Cより大きな値を示し、10倍以上に感度が増大している。このことは、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)が油捕集剤としての役割を果たすだけでなく、その水溶液が分散媒として乳濁粒子の微細化とその安定化に寄与していることを示している。
参考例2で得た固形分を用い、これを20℃の水10mlに溶解し、実施例と同様にしてゴマ油の濃度と濁度との関係を求め、図3にグラフとして示した。図中のAは本発明により濃縮した試料についてのグラフ、Bは濃縮操作前の試料についてのグラフ、Cは、濃縮した場合に得られると予想される濃度の油分[ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)を含まない]を分散させたものについてのグラフである。
東京都と神奈川県の境を流れる多摩川の下流域、田園調布堰下において排出されている川崎市の下水処理場からの放流水を多摩川への排水口で直接採取し、それに既知量の油分を添加したものを検液として用い、標準添加法に依り得た測定データを示す。さらに、最も広く用いられている界面活性剤の一つである陰イオン界面活性剤ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(以下、DBSと略す)を添加した測定データを示す。
すなわち、ミシン油又はサラダ油の一定量を秤取し、ミシン油については全量800ml、サラダ油については全量400mlになるまでそれぞれ実試料を加えて分散・溶解し、油分添加実試料の原水を調製した。次いで、この油分添加実試料の原水を別に分けた実試料で希釈して、ミシン油については油分含量0〜14.7mg/リットル、サラダ油については油分含量0〜64mg/リットルの油分添加実試料を調製した。
定量操作は実施例1と同じ手順に依った。このようにして得られたミシン油についての結果を図4に、またサラダ油についての結果を図5に示す。
これらの図において、グラフAは油分のみ添加した場合、グラフBは油分とDBS12mg/リットルを添加した場合、グラフCは比較のために、濃縮したときに得られると予想される油分濃度の標準液の測定結果を示す。
これらの図から分るようにミシン油の場合(図4)、ミシン油の添加濃度と濁度の間には、実試料の含まれない標準液で得られた検量線とほぼ同様の直線関係が得られている。試料水中にさらにDBSを12mg/リットル添加した場合は、ミシン油が10mg/リットル以下においては、測定値に影響が見られないが、それ以上では約25%の低下が見られる。
サラダ油の場合(図5)、DBS添加の有無に依らず、サラダ油の添加濃度と濁度の間には、標準液で得られた検量線とよく一致した結果が得られる。
通常の下水及びその処理水においては、その油分の大部分は植物油と考えられるし、下水処理場への流入水及び処理水においても、陰イオン界面活性剤が10mg/リットル以上の高濃度で共存することはほとんど考えられない。したがって、上記の結果から、環境水及び下水処理場への流入水や処理水等、油分測定を義務づけられている水の大部分に本定量方法が適用できる。そして、DBS共存においても直線性が保たれている(図4)。本発明方法は、鉱物油を使う特定の工場の排水においても適用できるので、現場における油分の迅速モニタリング法として好適である。
本発明方法は、水の浄化、水中の油分の定量に用いることができる。
本発明の定量方法に用いるのに好適なキット。 実施例における油分濃度に対する濁度の変化を示すグラフ。 実施例における油分濃度に対する濁度の変化を示すグラフ。 実施例におけるミシン油についての濃度に対する濁度の変化を示すグラフ。 実施例におけるサラダ油についての濃度に対する濁度の変化を示すグラフ。
1 ポリプロピレン製ふた付きガラス製ねじ口瓶
2,3,4,5 ポリプロピレン製ねじ口瓶
6,7,8 ポリエチレン製スポイト
9,10 ポリプロピレン製シリンジ
11 ポリエチレン製カップ

Claims (3)

  1. (イ)所定温度に保持した油分含有水に、その温度よりも高い転移温度をもつ低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物を加えて溶解し、混合液を調製する工程、
    (ロ)(イ)で得られた混合液を上記低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物の転移温度以上に昇温して、油分を捕捉した感熱性高分子化合物の固形物を形成させる工程、
    (ハ)上記の固形物を水相から分離する工程、
    (ニ)(ハ)で得た固形物に、所定量の純水を、上記感熱性高分子化合物の転移温度よりも低い温度において加えて溶解し、油分の水性懸濁液を形成させる工程、及び
    (ホ)上記水性懸濁液中の濁度を測定し、この濁度に基づき油分含有量を求める工程からなる油分含有水中の油分の定量方法。
  2. (イ)工程における油分含有水が鉱物油又は動植物油を含む工場排水、下水処理場への流入水、下水処理場処理水、河川水、湖沼水又は海水である請求項1記載の方法。
  3. (イ)工程において加える低温親水性−高温疎水性熱可逆型感熱性高分子化合物が、N‐n‐プロピルアクリルアミド、N‐イソプロピルアクリルアミド、N‐シクロプロピルアクリルアミド、N,N‐エチルメチルアクリルアミド、N,N‐ジエチルアクリルアミド、N‐アクリロイルピロリジン、N‐アクリロイルピペリジン、N‐アクリロイルモルホリン及び対応するメタクリルアミド誘導体の中から選ばれた少なくとも1種の単量体の重合体又は共重合体あるいはこれらの単量体と他の親水性単量体、疎水性単量体との共重合体である請求項1記載の方法。
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