JP4409633B2 - デキストリンをベースとしたフイルムコーテイング及びフイルムコーテイング組成物 - Google Patents

デキストリンをベースとしたフイルムコーテイング及びフイルムコーテイング組成物 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、栄養補給剤及び薬錠剤の水性フイルムコーテイングの分野に関し、特に、ビタミン錠剤及び漢方薬錠剤のような栄養補給剤、並びに、アセトアミノフエン(APAP)、アスピリン(ASA)及びイブプロフエンのような薬錠剤をコーテイングするためのデキストリンをベースとしたフイルムコーテイング組成物の提供に関するものである。
背景技術
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、モールトデキストリン及びラクトースは、すべて、薬錠剤のような基体用のコーテイングに使用されている。例えば、カラーコーンによつて製造されて、アメリカ特許第4543370号、第4683256号、第4643894号、第4725441号及び第4828841号、並びに、特許されたアメリカ特許出願番号08/400134に記載されたコーテイング組成物で作られたそのようなコーテイングは、薬錠剤に使用された時、特に効果があることを証明した。前記特許及び特許出願の全部が参考文献として、ここに編入される。
しかしながら、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、モールトデキストリン及びラクトースをベースとしたコーテイング、特に透明のコーテイング(透明な、無顔料のコーテイング)は、ビタミン及び漢方薬錠剤のような栄養補給剤をコーテイングするのに使用された時、時々「霜着き」の問題(コーテイング中に白い霜のような外観が形成されること)に苦しんだ。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、モールトデキストリン及びラクトースを基体としたコーテイングは、薬錠剤(例えば、色分けされたAPAP錠剤)を1%の重量増しでコーテイングするために使用された時、時々、「霜着き」の問題に苦しんだ。
更に、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをベースとしたコーテイングは、漢方薬錠剤をコーテイングするために使用された時、時々、非常にもろくなり、すっかり乾き、その結果、コーテイングが漢方薬錠剤から剥れた。
また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをベースとしたコーテイングは、ビタミン及び漢方薬錠剤のような栄養補給剤をコーテイングするのに使用された時、好ましい光沢のある仕上がりというより、むしろ低光沢の鈍い艶なし仕上がりになつた。
トピオカデキストリンは、食品菓子類の分野で、チヨコレート、ナッツ等のための密封層の成分として使用された。トピオカデキストリンを含む密封層は、糖衣のようなコーテイングで被覆される。タピオカデキストリンは、非常にもろく、また非常にべとつくことが認められている。
発明の開示
本発明の目的は、長時間持続する光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明とを持つたフイルムコーテイングを提供することである。
本発明のもう1つの目的は、ビタミン錠剤、漢方薬錠剤及び薬錠剤用の光沢のあるコーテイングとして使用されることができ、長時間持続する光沢を持ち、牡蠣殻カルシウムのような困難な基体によく接着し、霜着きがない透明なフイルムコーテイングを提供することである。
本発明のもう1つの目的は、コーテイング鍋の錠剤層の中の錠剤の流れを容易にするフイルムコーテイングを提供することである。
これら目的及びその他の目的が、私達の発明によつて達成され、以下に記述される。
【図面の簡単な説明】
図1は、3.5kgの被覆されない錠剤を入れたコーテイング鍋を示す。線は、被覆されない錠剤の錠剤層の上面に面してこれに平行な平面に沿うたコーテイング鍋の後壁に描かれる。
図2は、ホームレーシヨンAを使用して作られたフイルムコーテイングによつて被覆された錠剤3.5kgを入れたコーテイング鍋を示す。この図は、被覆された錠剤の層の形状寸法が、図1に示された被覆されない錠剤の層の形状寸法と調和することを説明する。
図3は、ホームレーシヨンBを使用して作られたフイルムコーテイングによつて被覆された錠剤3.5kgを入れたコーテイング鍋を示す。この図は、被覆された錠剤の層の形状寸法が、図1に示された被覆されない錠剤の層の形状寸法と調和することを説明する。
図4は、ホームレーシヨンCを使用して作られたフイルムコーテイングによつて被覆された錠剤3.5kgを入れたコーテイング鍋を示す。この図は、被覆された錠剤の層の形状寸法が、図1に示された被覆されない錠剤の層の形状寸法と調和することを証明する。
図5は、ホームレーシヨンDを使用して作られたフイルムコーテイングによつて被覆された錠剤3.5kgを入れたコーテイング鍋を示す。この図は、被覆された錠剤の層の形状寸法が図1に示された被覆されない錠剤の層の形状寸法と調和することを証明する。
図6は、ホームレーシヨンEを使用して作られたフイルムコーテイングによつて被覆された錠剤3.5kgを入れたコーテイング鍋を示す。この図は、図1に示された錠剤層の形状寸法に比較して、錠剤層の形状寸法における僅かな低下を説明する。
図7は、ホームレーシヨンFを使用して作られたフイルムコーテイングによつて被覆された錠剤3.5kgを入れたコーテイング鍋を示す。この図は、図1に示された錠剤層の形状寸法における著しい低下を説明する。
発明の詳細な説明
請求項1の本発明組成物、すなわち、栄養補給剤、薬錠剤をフイルムコーテイングするための水性コーテイング懸濁液形成用乾燥フイルムコーテイング組成物は、上記課題を達成するため、重量で組成物の29乃至97%のタピオカデキストリンと、重量で組成物の1乃至15%の粘着防止剤とからなり、前記粘着防止剤が、鉱油、カルナウバろう、レシチン、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせであるものである。
請求項2の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項1の組成物において、タピオカデキストリンが、重量で、組成物の35乃至75%であるものである。
請求項3の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項1の組成物において、粘着防止剤が、重量で、組成物の7.5乃至10.0%であるものである。
請求項4の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項1、2又は3の組成物において、さらに、補助的なフイルム形成剤、可塑剤、界面活性剤、流れ改良剤、防腐剤及び着色剤からなる成分の少なくとも1つを含むものである。
請求項5の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4の組成物において、補助的なフイルム形成剤が、デキストロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)、モールトデキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸ピージー、ポリビニルアルコール(PVA)、又はそれらの組み合わせであるものである。
請求項6の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4又は5の組成物において、補助的なフイルム形成剤が、重量で組成物の0以上乃至55%の範囲であるものである。
請求項7の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4の組成物において、可塑剤が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、アセチルトリエチルシトラート、トリエチルシトラート又はアセチルトリブチルシトラートであるものである。
請求項8の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4又は7の組成物において、可塑剤が、重量で、組成物の0以上乃至15%の範囲であるものである。
請求項9の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4の組成物において、界面活性剤がポリソルベート80であるものである。
請求項10の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4又は9の組成物において、界面活性剤が、重量で、組成物の0以上乃至2%の範囲であるものである。
請求項11の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4の組成物において、流れ改良剤がステアリン酸であるものである。
請求項12の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4又は11の組成物において、流れ改良剤が、重量で組成物の0以上乃至5%の範囲であるものである。
請求項13の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4の組成物において、防腐剤が、クエン酸ナトリウムであるものである。
請求項14の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4又は13の組成物において、防腐剤が、重量で、組成物の0以上乃至5%の範囲であるものである。
請求項15の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項1の組成物において、タピオカデキストリンが、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の30乃至50%の範囲であり、粘着防止剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の1乃至15%の範囲であり、補助的なフイルム形成剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の5乃至50%の範囲であり、かつ、着色剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の20乃至50%の範囲であるものである。
請求項16の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項1の組成物において、タピオカデキストリンが、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の35乃至40%の範囲であり、粘着防止剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の2乃至5%の範囲であり、補助的なフイルム形成剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の5乃至20%の範囲であり、かつ、着色剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイングの25乃至40%であるものである。
請求項17の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項15の組成物において、さらに、可塑剤、界面活性剤、流れ改良剤及び防腐剤を含み、前記可塑剤が、重量で、組成物の1乃至15%の範囲であり、前記界面活性剤が、重量で、組成物の1乃至2%の範囲であり、前記流れ改良剤が、重量で、組成物の0以上乃至10%の範囲であり、かつ、前記防腐剤が、重量で、組成物の1乃至4%の範囲であるものである。
請求項18の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項16の組成物において、さらに、可塑剤、界面活性剤、流れ改良剤及び防腐剤を含み、前記可塑剤が、重量で、組成物の7.5乃至10%の範囲であり、前記界面活性剤が、重量で、組成物の0.5乃至1%の範囲であり、前記流れ改良剤が、重量で、組成物の2以上乃至5%の範囲であり、かつ、前記防腐剤が、重量で組成物の2乃至3%の範囲であるものである。
請求項19の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4の組成物において、タピオカデキストリンが、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の35乃至75%の範囲であり、粘着防止剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の1乃至10%の範囲であり、補助的なフイルム形成剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の5乃至50%の範囲であり、かつ、着色剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の0.1乃至40%の範囲であるものである。
請求項20の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項4の組成物において、タピオカデキストリンが、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の45乃至55%の範囲であり、粘着防止剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の2乃至5%の範囲であり、補助的なフイルム形成剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の5乃至20%の範囲であり、かつ、着色剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の15乃至25%の範囲であるものである。
請求項21の本発明組成物は、上記課題を達成するため、請求項20の組成物において、さらに、可塑剤、界面活性剤、流れ改良剤及び防腐剤を含み、前記可塑剤が、重量で、組成物の7.5乃至10%の範囲であり、前記界面活性剤が、重量で、組成物の0.5乃至1%の範囲であり、前記流れ改良剤が、重量で、組成物の2乃至5%の範囲であり、かつ、前記防腐剤が、重量で、組成物の2乃至3%の範囲であるものである。
請求項22の本発明、栄養補給剤、薬錠剤を、フイルムコーテイングでコーテオングする方法は、上記課題を達成するため、重量で、組成物の5乃至97%のタピオカデキストリンと、重量で、組成物の1乃至15%の粘着防止剤とからなり、前記粘着防止剤が、鉱油、カルナウバろう、レシチン、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせであるようにした、栄養補給剤、薬錠剤をフイルムコーテイングするための水性コーテイング懸濁液形成用乾燥フイルムコーテイング組成物を調整する行程と、前記コーテイング懸濁液の有効量を栄養補給剤、薬錠剤に塗布して、前記栄養補給剤、薬錠剤にフイルムコーテイングを形成する行程と、前記栄養補給剤、薬錠剤の上のフイルムコーテイングを乾燥する行程とからなるものである。
本発明によれば、栄養補給剤、薬錠剤をフイルムコーテイングするためのコーテイング懸濁液の形成のために使用される私達の乾燥フイルムコーテイング組成物は、デキストリンと粘着防止剤とからなる。
好都合に、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物は、次の成分、すなわち、補助的なフイルム形成剤、可塑剤、界面活性剤、着色剤、流れ改良剤及び防腐剤の1つ又はそれ以上を含むことができる。
本発明によれば、栄養補給剤、薬錠剤のような基体のコーテイング方法は、本発明の水性コーテイング懸濁液を形成するための、デキストリンと粘着防止剤とを水に混ぜる工程、前記基体の上にフイルムコーテイングを形成するための、前記基体に本発明のコーテイング懸濁液を塗布する工程、及び、前記基体の上のフイルムコーテイングを乾燥する工程からなる。選択的であるが、しかし好都合に、次の成分、すなわち、補助的なフイルム形成剤、可塑剤、界面活性剤、着色剤、流れ改良剤及び防腐剤が、本発明のコーテイング懸濁液を形成するために、デキストリン及び粘着防止剤と一緒に、水に混ぜられることができる。
本発明は、また、被覆されたビタミン、被覆された漢方薬錠剤及び被覆された薬錠剤のような被覆された基体を含み、また、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物を作る方法及びコーテイング懸濁液を作る方法を含む。
デキストリン(C6105)n÷H2O)は、不完全に加水分解された澱粉である。それは、コーン、ワクシーメイズ、ワクシーミロ、じやがいも、くずうこん、小麦、米、トピオカ、又は、サゴスターチを乾燥加熱することにより、又は、安全かつ適当なアルカリ、酸又はpH制御薬品による処理の後に、澱粉を乾燥加熱することにより、又は、酸又はアルカリ処理された澱粉を乾燥することにより作られる。
デキストリンは、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明水性コーテイング懸濁液の無水成分の約5%乃至約97%であることが好ましい。
透明なコーテイング(着色剤のないコーテイング)に対し、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約35%乃至約75%の範囲のデキストリンがさらに好ましく、また、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約65%乃至約75%の範囲のデキストリンがもつとさらに好ましい。
白色のコーテイング(着色剤として二酸化チタンを含むコーテイング)に対し、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約30%乃至約50%の範囲のデキストリンがさらに好ましく、また、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約35%乃至約40%の範囲のデキストリンがもつとさらに好ましい。
着色のコーテイング(着色剤としてレーキ、染料を持つ)に対し、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約35%乃至約75%の範囲のデキストリンがさらに好ましく、また、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の45%乃至55%の範囲のデキストリンがもつとさらに好ましい。
粘着防止剤の例は、鉱油、カルナウバろう、レシチン(アルコレック)及びステアリン酸マグネシウムである。
透明なコーテイング(着色剤のないコーテイング)に対し、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約1%乃至約15%の範囲の粘着防止剤が好ましく、また、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約7.5%乃至約10%の範囲の粘着防止剤がさらに好ましい。
白色のコーテイング(着色剤として二酸化チタンを含むコーテイング)に対し、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約1%乃至約15%の範囲の粘着防止剤が好ましく、また、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約2%乃至約5%の範囲の粘着防止剤がさらに好ましい。
着色のコーテイング(着色剤として、レーキ、染料を持つ)に対し、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約1%乃至約10%の範囲の粘着防止剤が好ましく、また、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約2%乃至約5%の範囲の粘着防止剤がさらに好ましい。もし、コーテイング中の二酸化チタンの量が低いならば、コーテイングのカラーブリーヂングを避けるために、鉱油が着色のホームレ−シヨンにおける粘着防止剤として使用される時は、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約1%乃至約7.5%の範囲の鉱油が好ましく、また、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約2%乃至約4%の範囲の鉱油がさらに好ましい。
補助的なフイルム形成剤は、デキストロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)、モールトデキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸ピージー、ポリビニルアルコール(PVA)、及びそれらの組み合わせであることができる。補助的なフイルム形成剤は、フイルムコーテイングのための強力強化剤として作用する。補助的なフイルム形成剤がコーテイング中に存在すると、フイルムコーテイングのひび割れを防ぐのを助け、また、被覆された錠剤の縁の摩耗、ちぎれを防止するのを助ける。補助的なフイルム形成剤の量の好まし範囲及びさらに好ましい範囲は、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の、透明のホームレーシヨンでは、0%乃至約55%(好まし範囲)及び3.5%乃至10%(さらに好ましい範囲)であり、白色のホームレーシヨンでは、5%乃至50%(好ましい範囲)及び5%乃至20%(さらに好ましい範囲)であり、着色のホームレーシヨンでは、5%乃至50%(好ましい範囲)及び5%乃至20%(さらに好ましい範囲)である。各種の模範的な補助塗膜形成剤に対する好ましい範囲及びさらに好ましい範囲は、以下に決められる。
極めてもろい錠剤を透明のホームレーシヨンで作られた透明コーテイングでコーテイングする時、好ましい補助的なフイルム形成剤は、ナトリウムCMCであり、その量は、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の50%まであり、また、重量で、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の約40%乃至45%がさらに好ましい。ナトリウムCMCは、本発明のコーテイングのフイルム強度を改良し、その結果、被覆された錠剤は、被覆されない錠剤よりもろくなくなる。
可塑剤の模範例は、200乃至8000の範囲の分子量を持つポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、アセチルトリエチルチトレート、トリエチルチトレート(チトロフレックスA2)、トリブチルチトレート(チトロフレックス4)及びアセチルトリブチルチトレート(チトロフレックスA4)であり、可塑剤の好ましい範囲は、各種の模範的な可塑剤の好ましい範囲及びさらに好ましい範囲と一緒に以下に決められる。
界面活性剤の模範例は、ポリソルベート80であり、界面活性剤の好ましい範囲は、模範的な界面活性剤の好ましい範囲及びさらに好ましい範囲と一緒に、以下に決められる。
着色剤は、任意の認められた色、乳白剤又は染料であることができる。例えば、着色剤は、FD&Cレーキ、D&Cレーキ、二酸化チタン、炭酸マグネシウム、タルク、ピロゼニックシリカ、酸化鉄、チヤネルブラック、リボフラビン、カーミン40、ポンソー4R、パテントブルーV5、カラメル、クルクミン、アンナットー、染料、及びそれらの組み合わせである。白色ホームレーシヨンにおける着色剤(二酸化チタン)の好ましい範囲及びさらに好ましい範囲は、重量で、本発明のコーテイング組成物及び本発明のコーテイング懸濁液の無水成分の20%乃至50%(好ましい範囲)及び25%乃至40%(さらに好ましい範囲)である。着色のホームレーシヨンにおける着色剤の好ましい範囲及びさらに好ましい範囲は、重量で、本発明のコーテイング組成物及び本発明のコーテイング懸濁液の無水成分の0.1%乃至40%(好ましい範囲)及び15%乃至25%(さらに好ましい範囲)である。
流れ改良剤の模範例はステアリン酸であり、流れ改良剤の好ましい範囲及びさらに好ましい範囲は、ステアリン酸の好ましい範囲及びさらに好ましい範囲と一緒に、以下に決められる。
防腐剤の模範例はクエン酸ナトリウムであり、防腐剤の好ましい範囲及びさらに好ましい範囲は、クエン酸ナトリウムの好ましい範囲及びさらに好ましい範囲と一緒に、以下に決められる。
Figure 0004409633
Figure 0004409633
上記の決められた範囲は、すべて、本発明の乾燥フイルムコーテイング組成物及び本発明の水性コーテイング懸濁液の無水成分の重量に対する割合である。
発明を実施するための最良の形態
次の実施例は本発明を説明する。すべての成分は重量割合で示される。
実施例1
次のホームレーシヨンの乾燥成分が、混合物を形成するため、食品加工機の中で5分間一緒に混ぜらた。それから、液体成分が乾燥成分の混合物に加えられ、更に2分間混ぜることによつて、混合された。
選択的に、ホームレーシヨンの成分が、ホバルトプラネタリミキッサーのような遊星歯車式混合機を使用して粒状にされる。乾燥コーテイング組成物が混合機に入れられた後、混合機のスイッチが入れられ、混合物が僅かに粘着性の粒を形成するまで、充分な水がゆつくり加えられる。これらの粒は、それから1乃至2ミリメートルの網を通されて、水分が5%以下になるまで、30℃の炉の中で乾燥される。組成物は、それから1乃至2ミリメートルの網で再びこされて、ほこりでない、粒の形状で使用できるようになる。もし、選択的に粒状にされないならば、組成物は、例えば、ハンマーミル(アペクスマシーナリ、ダルトホルド、イギリス)などで、粉にされることができる。
使用可能な粒にする他の方法は、噴霧粒化及びローラー圧縮である。
出来たフイルムコーテイング組成物20グラムが、本発明のコーテイング溶液/懸濁液(10%固体)を形成するため、180グラムの蒸留水中に分散され、また、この溶液/懸濁液30グラムが、本発明のコーテイングを形成するため、エアロマチック・ストレア・ワン・コーターを使用して、着色被覆された気休め薬1000グラムの上に噴霧され、そこに、1.0%の理論的な重量増加をさせた。
これは、錠剤の上に、すばらしい長時間持続して輝く光沢、最小のべとつき、良好なフイルム接着、及び、良好な霜着きのないフイルム透明を持つたフイルムコーテイングを、作つた。
15%固体のコーテイング溶液/懸濁液が使用されたこと、水性コーテイング溶液/懸濁液を形成するために、この実施例のホームレーシヨン30グラムを170グラムの蒸留水に混ぜたこと、それから、1000グラムの着色被覆された気休め薬の上に20グラムのコーテイング溶液/懸濁液を噴霧したことを除いて、上述の手順が繰り返された。出来上がつたコーテイングは、再び、すばらしい長時間持続して輝く光沢、最小のべとつき、良好なフイルム接着及び良好な霜着きのないフイルム透明を持つた。
Figure 0004409633
実施例2乃至20は、本発明をさらに説明する。パーセントは、全部、重量による。
実施例2乃至12においては、各ホームレーシヨンの成分が一緒に混ぜられて、コーテイング懸濁液に形成され、錠剤に塗布され、実施例1の場合と同様に、長時間持続する輝きと良好なフイルム接着と良好なフイルム透明を持つフイルムコーテイングが得られた。
実施例2
Figure 0004409633
実施例3
Figure 0004409633
実施例4
Figure 0004409633
実施例5
Figure 0004409633
実施例6
Figure 0004409633
実施例7
Figure 0004409633
実施例8
Figure 0004409633
実施例9
Figure 0004409633
実施例10
Figure 0004409633
実施例11
Figure 0004409633
実施例12
Figure 0004409633
実施例13
次のホームレイシヨンの乾燥成分が、混合物を形成するために、ピーケイ混合機(パテルソンケリイ)の中で5分間一緒に混ぜられた。それからホームレーシヨンの液体成分が、混合機のアイバールを経由して乾燥成分の混合物に加えられ、更に5分間、混合のために混ぜられた。
出来たフイルムコーテイング組成物140グラムが、1260グラムの蒸留水の中に分散され、本発明のコーテイング溶液(10%固体)を形成するため、分散されるまで(約20分間)攪拌され、溶液の全部が、24インチのアクセラコタ塗布機(トーマスエンジニアリング)を使用して、14キログラムの漢方薬錠剤(B&Cヌトリシヨナルプロダクトの黒色くるみ錠剤)に噴霧されて、理論的に1.0%の重量増加を持つ本発明のコーテイングを形成した。
これは、長時間持続する光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明さを持つフイルムコーテイングを、錠剤の上に作つた。
上述のコーテイング手順が、15%固体のコーテイング溶液が使用されたこと、及び、水性コーテイング溶液を形成するために、この実施例のホームレーシヨン140グラムが、793.33グラムの蒸留水に混ぜられたことを除いて、繰り返された。再び、出来たコーテイングは、長時間持続する光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明さを持つた。
Figure 0004409633
実施例14
この実施例では、実施例13のホームレーシヨンの成分が一緒に混ぜられて、コーテイング懸濁液に形成され、錠剤が漢方薬錠剤ではなく、ビタミン(フアーマバイト)であることを除いて、実施例13と同様に、錠剤に適用されて、長時間持続する光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明を持つたフイルムコーテイングを得た。
実施例15
この実施例では、実施例13のホームレーシヨンの成分が一緒に混ぜられて、コーテイング懸濁液に形成され、錠剤が漢方薬ではなく、牡蠣殻(デラバウ)であることを除いて、実施例13と同様に、錠剤に適用されて、長時間持続する光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明を持つたフイルムコーテイングを得た。
実施例16
この実施例では、実施例13のホームレーシヨンの成分が一緒に混ぜられて、コーテイング懸濁液に形成され、錠剤が漢方薬ではなく、APAPであることを除いて、実施例13と同様に、錠剤に適用されて、長時間持続する光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明を持つたフイルムコーテイングを得た。
実施例17(パールホワイト)
この実施例では、この実施例のホームレーシヨンの成分が一緒に混ぜられ、懸濁液に形成された。この実施例のコーテイング組成物450グラムが、1800グラムの蒸留水に分散され、本発明のコーテイング懸濁液を形成するため、分散されるまで(約30分間)攪拌されたこと、また、懸濁液の全部が、14キログラムの漢方薬錠剤ではなく、15キログラムのビタミン(フアーマベイト)の上に噴霧されて、理論的に3.0%(20%固体)の重量増加があつたことを除いて、実施例13の場合と同様に、錠剤に適用されて、長時間持続して非常に輝く光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明とを持つ、べとつかないで滑らかなフイルムコーテイングを得た。
Figure 0004409633
実施例18(オレンジ)
この実施例では、この実施例のホームレーシヨンの組成物が一緒に混ぜられ、コーテイング懸濁液に形成されて、被覆された錠剤が、実施例1のホームレーシヨン37.5グラムを蒸留水212.5グラムの中に分散させて作られた透明なオーバーコートを設けられたこと、及び、前記透明なオーバーコート溶液が、実施例1の場合と同様に、15%固体で理論的に0.25%の重量増加のために、この実施例の被覆された錠剤の上に適用されたことを除いて、実施例17の場合と同様に、錠剤に適用されて、長時間持続する光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明を持つフイルムコーテイングを得た。この結果、非常に立派な光沢を持つ本発明の着色コーテイングの上に透明なオーバーコートを得た。
Figure 0004409633
実施例19(レッド)
この実施例のホームレーシヨンの成分が一緒に混ぜられ、コーテイング懸濁液に形成され、錠剤に適用されて、実施例17の場合と同様に、長時間持続する光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明とを持つフイルムコーテイングを得た。例外は、実施例のコーテイング組成物450グラムが、本発明のコーテイング懸濁液を形成するため、2550グラムの蒸留水に分散されたことである。実施例18の場合と同様に、透明なオーバーコートが、実施例18に決められた手順に従つて、この実施例の被覆された錠剤に適用され、結果として、非常に立派な光沢を持つた被覆錠剤の上の本発明の着色コーテイングを覆う透明なオーバーコートを得た。
Figure 0004409633
実施例20(マルーン)
この実施例では、この実施例のホームレーシヨンの成分が一緒に混ぜられ、懸濁液に形成され、実施例13の場合と同様に、錠剤に適用されて、長時間持続する光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明を持つたフイルムコーテイングを得た。
Figure 0004409633
「スリップ」現象
本発明のフイルムコーテイングは、独特の現象、錠剤摩擦係数の減少を引き起こす。私達は、この減少を「スリップファクター」又は「スリップ」と呼ぶ。本発明のフイルムコーテイングは、錠剤の摩擦係数の減少を引き起こし、それによつて、コーテイングを錠剤に適用する間及び錠剤にコーテイングを適用した後に、フイルムコーテイングの適用中は、錠剤がコーテイング鍋の中を転びながら、また、被覆後の包装手順中は、錠剤が注がれながら、互いに滑る又は滑走する又はスリップ通過するように錠剤間の摩擦を減少する。言い換えると、本発明のフイルムコーテイングは、錠剤をよく滑るようにし、錠剤が互いに上を通過して容易に流れるようにする。
私達は、本発明のフイルムコーテイングが、錠剤摩擦係数の減少を引き起こすことを発見した。錠剤摩擦係数の減少によつて、錠剤は、コーテイング鍋の錠剤層の中を良く流れて、本発明のコーテイングによつて被覆されるために、もつと多数の錠剤がコーテイング鍋の中に入れられる空間を創成する。コーテイング鍋の中の錠剤をコーテイングするために希望される最良の層の形状寸法及び層の流れを維持するために、本発明のコーテイングで被覆される時、多量の錠剤補給(鍋中負荷の10乃至20%増加)が使用される。従つて、もつと多くの錠剤が一時に被覆されるので、生産性の増大が達成される。
さらに、「スリップ」を与えられた錠剤(すなわち、減少した錠剤摩擦係数を持つ錠剤)は、互いに滑り/滑走して通過する。これは、嵩高の錠剤及びコーテイング鍋の中で転がる時に破片が出来る傾向を持つたもろい縁を持つ錠剤をコーテイングする時、特に好都合である。
また、本発明のフイルムコーテイングを持つた錠剤は、他のフイルムコーテイングを持つた錠剤より良く流れるので、「スリップ」を持つた錠剤は、コーテイング鍋から被覆された錠剤の包装までの処理に必要な時間を少なくすることにより、生産性を増大する。
次のテスト1、2及び3は、本発明のフイルムコーテイングから得られた「スリップ」を、(もし、あるとすれば)他のフイルムコーテイングから得られた「スリップ」と比較するために行われた。
次のコーテイングホームレーシヨンを持つフイルムコーテイング(3%重量増加)が各テストに使用された。
ホームレーシヨンA
(オパドライコーテイング組成物)
Figure 0004409633
ホームレーシヨンB
(オパドライIIコーテイング組成物)
Figure 0004409633
ホームレーシヨンC
(オパドライIIコーテイング組成物)
Figure 0004409633
ホームレーシヨンD
(オパドライIIコーテイング組成物)
Figure 0004409633
ホームレーシヨンE
(オパドライXDコーテイング組成物)
Figure 0004409633
ホームレーシヨンF
(オパドライNSコーテイング組成物)
Figure 0004409633
ホームレーシヨンFは、本発明のフイルムコーテイングのための模範的なホームレーシヨンである。
テスト1 フローレートの測定
第1組のビタミンンがホームレーシヨンAを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第2組のビタミンがホームレーシヨンBを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第3組のビタミンがホームレーシヨンCを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第4組のビタミンがホームレーシヨンDを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第5組のビタミンがホームレーシヨンEを使用したフイルムコーテイングで被覆され、また、第6組のビタミンがホームレーシヨンFを使用したフイルムコーテイングで被覆された。それから、被覆されたビタミンの各組のフローレートが、どのフイルムコーテイングが最高のフローレイトを提供したか決定するために、次の手順を使用して測定された。
ビタミンの各組に対して、フロデックステスター・フローメーター(ハンソンリサーチ製)のチヤンバーが、被覆されたビタミンで充満されたが、錠剤は、包まれないで、チヤンバーに入れられた。それから、錠剤を46ミリメートルのオリフイスを通してチヤンバーから解放するために、フロデックステスター・フローメーターの解放ドアーの解放レバーが引つ張られて、錠剤のフローの開始から錠剤のフローの終了までの時間が測定された。この手順がビタミンの各組に対して5回行われて、フローの平均時間及び標準偏差が決定された。一定重量のビタミン(このテストでは、173グラムのビタミン錠剤)が、テスト中使用された。ホームレーシヨンA、B及びDを使用して作られたフイルムコーテイングで被覆されたビタミン錠剤は、補助なしには、フロデックステスターのチヤンバーから流出しないので、フロデックステスターのチヤンバーの側壁をどんどん叩いて流れるようにすることが必要であつた。
このテストの結果が、テーブル1(a)及びグラフ1(a)に示される。
テーブル1(a)
Figure 0004409633
グラフ1(a)
Figure 0004409633
第7組のビタミンは、本発明のフイルムコーテイングの模範的なホームレーシヨン(ホームレーシヨンG)を使用したフイルムコーテイングで被覆された(3%重量増加)。それから、ホームレーシヨンGで被覆されたビタミン錠剤の第1のサブセットが、ホームレーシヨンHを使用した光沢コート(0.25%重量増加)で被覆され、ホームレーシヨンGで被覆されたビタミン錠剤の第2のサブセットが、本発明のフイルムコーテイングの模範的なホームレーシヨンであるホームレーシヨンIを使用した透明光沢コート(0.25%重量増加)で被覆された。どのビタミンが最高のフローレートを持つかを決定するために、ホームレーシヨンHに基づく透明光沢コートを設けられた被覆されたビタミンのフローレート及びホームレーシヨンIに基づく光沢コートを設けられた被覆されたビタミンのフローレートが、前述のテスト1の手順を使用して測定された。
結果が、次のテーブル1(b)及びグラフ1(b)に示される。
ホームレーシヨンG
(オパドライNSコーテイング組成物
Figure 0004409633
ホームレーシヨンH
(オパドライ透明コーテイング組成物)
Figure 0004409633
フームレーシヨンI
(オパドライNSコーテイング組成物)
Figure 0004409633
テーブル1(b)
Figure 0004409633
グラフ1(b)
Figure 0004409633
上記テストの結果によつて示されるように、本発明のフイルムコーテイングで被覆されたビタミン錠剤は、他のフイルムコーテイングで被覆されたビタミン錠剤より良好に流れた。これは、本発明のフイルムコーテイングにより提供されるスリップファクターを説明する。
テスト2 静止角度
第1組のビタミンがホームレーシヨンAを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第2組のビタミンがホームレーシヨンBを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第3組のビタミンがホームレーシヨンCを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第4組のビタミンがホームレーシヨンDを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第5組のビタミンがホームレーシヨンEを使用したフイルムコーテイングで被覆され、また、第6組のビタミンがホームレーシヨンFを使用したフイルムコーテイングで被覆された。
それから、被覆されたビタミンの各組の静止角度が、次の手順を使用して測定された。
各組のビタミンに対して、1.0kgのビタミンが、最初は栓をされている2.75cmのオリフイスを持つたフアンネルに入れらた。フアンネルは、フアンネルの底がカウンタートップの上で4.5インチ(11.43センチメートル)あるように、スタンドに支持された。フアンネルの中にあるビタミンで、ストッパーがオリフイスから離されて、錠剤が、フアンネルからオリフイスを通つて流れることを許し、カウンタートップの上に錠剤の山を形成した。山の角度(静止角度)が測定された。この手順が各組のビタミンに対して3回繰り返されて、各組のビタミンの平均静止角度が決定された。本発明のフイルムコーテイング(ホームレーシヨンF)で被覆された錠剤の組が、抑制されずにフアンネルを通つて流れた錠剤の唯一の組であつた。
このテストの結果がテーブル2及びグラフ2に示される。
テーブル2
Figure 0004409633
グラフ2
Figure 0004409633
上記テストの結果が示すように、本発明のフイルムコーテイング(ホームレーシヨンF)で被覆されたビタミン錠剤は、本発明のフイルムコーテイングによつて提供されたスリップファクターを説明する最小の静止角度を創成した。
テスト3 角度差の測定
第1組のビタミンがホームレーシヨンAを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第2組のビタミンがホームレーシヨンBを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第3組のビタミンがホームレーシヨンCを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第4組のビタミンがホームレーシヨンDを使用したフイルムコーテイングで被覆され、第5組のビタミンがホームレーシヨンEを使用したフイルムコーテイングで被覆され、また、第6組のビタミンがホームレーシヨンFを使用したフイルムコーテイングで被覆された。
第7組のビタミンが、本発明のフイルムコーテイングの模範的なホームレーシヨン(ホームレーシヨンG)を使用したフイルムコーテイングで被覆された(3%重量増加)。それから、ホームレーシヨンG被覆ビタミンの第1のサブセットが、ホームレーシヨンHを使用した光沢コート(0.25%重量増加)で被覆され、ホームレーシヨンG被覆のビタミンの第2のサブセットが、本発明のフイルムコーテイングの模範的なホームレーシヨンであるホームレーシヨンIを使用した光沢コート(0.25%重量増加)で被覆された。
被覆されたビタミンの各組(第1組乃至第6組並びに第7組のサブセット1及び2)の角度差が、スリップの数字的データを確立するために、次の手順を使用して測定された。角度差は、被覆されない錠剤の錠剤層の上部と被覆された錠剤の錠剤層の上部との間の落差の度合いである。
3.5kgの被覆されないビタミンが、オハララブコートIコーテイング鍋(15インチ鍋、38.1cm鍋)に入れられて、被覆されない錠剤がコーテイング鍋の中で毎分3回転の鍋速度で2回転ころがされた。図1に示されるように、第1の線は被覆されない錠剤層の上部に面してこれに平行な平面に沿つたコーテイング鍋の底壁に引かれた。
その後、被覆されない錠剤がコーテイング鍋から取り出された。
それから、被覆されたビタミンの各組(第1組乃至第6組並びに第7組のサブセット1及び2)に対して、被覆されたビタミン3.5kgがコーテイング鍋に入れられて、被覆された錠剤がコーテイング鍋の中で毎分3回転の速度で2回転ころがされた。もし、層の形状寸法が、第1の線によつて印された被覆されない錠剤の層の形状寸法と調和しないならば、第2の線が、被覆された錠剤の錠剤層の上部に面してこれに平行な平面に沿つたコーテイング鍋の底壁に引かれた。
被覆されない錠剤と被覆された錠剤との間の角度差(錠剤層の高い端の高さにおける落差の度合い)を決定するため、私達は、1)被覆されない錠剤層の高い端の端部分に交わるコーテイング鍋の底壁に沿つた水平線と、2)被覆された錠剤の高い端の端部分から、コーテイング鍋の底壁の上の点、すなわち、上述の水平線がコーチング鍋を二等分するコーテイング鍋の底壁に沿つた垂直線と交わる点との間に形成される角度を測定した。
上記のテストの手順が、ビタミンの各組(第1組乃至第6組並びに第7組のサブセット1及び2)対して行われ、このテストの結果がテーブル3に示されて、図1乃至図7において説明される。
テーブル3のデーターと図1乃至図7に言及すると、ホームレーシヨンA、B、C及びDに基づくフイルムコーテイングは、錠剤の摩擦係数を減少しなかつた。従つて、ホームレーシヨンA、B、C及びDに基づき被覆された錠剤の層の形状寸法は、図1乃至図5に示されるように、被覆されない錠剤の層の形状寸法と適合する。
ホームレーシヨンE及びHに基づくフイルムコーテイングだけが錠剤の摩擦係数を僅かだけ低下した。従つて、被覆されない錠剤の錠剤層の形状寸法と比較して、ホームレーシヨンE(図6を見よ)及びホームレーシヨンHに基づく被覆された錠剤の錠剤層の形状寸法(ただ7度の角度差)に僅かの低下がある。
本発明に従つて作られたホームレーシヨンF及びIに基づくフイルムコーテイングが、錠剤の摩擦係数を著しく低下した。従つて、被覆されない錠剤の錠剤層の形状寸法に比較して、ホームレーシヨンF及びIに基づく被覆された錠剤の錠剤層の形状寸法(ホームレーシヨンFの19度(図7を見よ)及びホームレーシヨンIの20度の角度差)において著しい低下がある。
テーブル3
Figure 0004409633
上記テストの結果により示されるように、本発明のフイルムコーテイング(ホームレーシヨンF及びI)で被覆された錠剤は、最大の角度差を提供し、これによつて提供されたスリップの度合いを説明した。
産業上の利用可能性
本発明は、長時間持続する光沢と良好なフイルム接着と良好なフイルム透明とを持つたフイルムコーテイングを提供する。
また、私達の発明は、ビタミン錠剤、漢方薬錠剤及び薬錠剤用の長時間持続する光沢を持ち、牡蠣殻カルシウムのような困難な基体に良く接着し、霜着きのない透明な光沢コーテイングとして使用されることができるフイルムコーテイングを提供する。
本発明により作られたコーテイングは、それにより被覆された基体の臭気をおおい隠す。これは、気持ちのよい香りを持たないビタミン及び漢方薬錠剤を取り扱う時、特に好都合である。
本発明のコーテイングは、薬錠剤に、被覆された着色の錠剤に透明なオーバーコートを適用する必要なしに、光沢のある優雅な仕上げを提供する。しかし、本発明のコーテイングで被覆された着色の錠剤に透明なオーバーコートを適用することは、錠剤の仕上げをさらに高める。
本発明のコーテイングは、薬錠剤の非常に細かい意匠文字の鮮明度を促進する。
本発明の水性コーテイング溶液/懸濁液/分散は、ヒドロキシプロピル、メチルセルロース及びモールトデキストリンを基体としたコーテイング懸濁液の粘性より著しく低い粘性を持つ。例えば、実施例1のホームレーシヨンの粘性は、30%固体レベルでは18.5cP、40%固体では87.5cP、50%固体では381cPである。従つて、コーテイングによる錠剤の重量増加は、0.5%乃至0.75%に下げられることができ、これは、先行技術に関連した錠剤の重量増加よりも実質的に低く、また、優れた光沢を持つ被覆された錠剤を得る。
また、本発明のコーテイング溶液/懸濁液/分散の低い粘性により、コーテイング工程中の噴霧装置のつまる可能性を少なくし、また、本発明のコーテイング懸濁液においては、先行技術システムにおいて使用を勧めることができる固体含有量より、高い固体含有量の使用をする可能性がある。
また、本発明のフイルムコーテイングは、錠剤の摩擦係数の減少をもたらし、この結果として、錠剤は、コーテイング鍋の層の中で良く流れる。この良好な錠剤の流れにより、コーテイング鍋は、最良の錠剤層の形状寸法と錠剤をコーテイングするための希望の層の流れとを維持しながら、コーテイング鍋の負荷を10乃至20%増加されることができる。従つて、さらに多数の錠剤が一時に被覆されることができるので、生産性の増大が達成される。
更に、本発明のフイルムコーテイングで得られる錠剤の摩擦係数の減少により、錠剤は、コーテイング鍋の錠剤層中を良く流れ、その結果、コーテイング工程の間の縁の欠け/縁の摩耗が減少する。
また、本発明の「スリップ」を与えられた錠剤は、本発明のフイルムコーテイングを持つ錠剤が他のフイルムコーテイングを持つ被覆された錠剤より良く流れるので、コーテイング鍋から被覆された錠剤の包装までの被覆された錠剤の処理に必要な時間を少なくすることによつて、生産性を増大する。

Claims (22)

  1. 重量で組成物の29乃至97%のタピオカデキストリンと、重量で組成物の1乃至15%の粘着防止剤を含み、前記粘着防止剤が鉱油、カルナウバろう、レシチン、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせである、栄養補給剤又は薬錠剤をフイルムコーテイングするための水性コーテイング懸濁液形成用乾燥フイルムコーテイング組成物。
  2. タピオカデキストリンが、重量で、組成物の35乃至75%ある請求項1記載の組成物。
  3. 前記粘着防止剤が、重量で、組成物の7.5乃至10.0%である請求項1記載の組成物。
  4. さらに、補助的なフイルム形成剤、可塑剤、界面活性剤、流れ改良剤、防腐剤及び着色剤からなる成分の少なくとも1つを含む請求項1、2又は3記載の組成物。
  5. 前記補助的なフイルム形成剤が、デキストロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(ナトリウムCMC)、モールトデキストリン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸ピージー、ポリビニルアルコール(PVA)、又はそれらの組み合わせである請求項4記載の組成物。
  6. 前記補助的なフイルム形成剤が、重量で、組成物の0以上乃至55%の範囲である請求項4又は5記載の組成物。
  7. 可塑剤が、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、アセチルトリエチルシトラート、トリエチルシトラート又はアセチルトリブチルシトラートである請求項4記載の組成物。
  8. 可塑剤が、重量で、組成物の0以上乃至15%の範囲である請求項4又は7記載の組成物。
  9. 界面活性剤がポリソルベート80である請求項4記載の組成物。
  10. 界面活性剤が、重量で、組成物の0以上乃至2%の範囲である請求項4又は9記載の組成物。
  11. 前記流れ改良剤がステアリン酸である請求項4記載の組成物。
  12. 前記流れ改良剤が、重量で、組成物の0以上乃至5%の範囲である請求項4又は11記載の組成物。
  13. 防腐剤が、クエン酸ナトリウムである請求項4記載の組成物。
  14. 防腐剤が、重量で、組成物の0以上乃至5%の範囲である請求項4又は13記載の組成物。
  15. タピオカデキストリンが、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の30乃至50%の範囲であり、粘着防止剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の1乃至15%の範囲であり、補助的なフイルム形成剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の5乃至50%の範囲であり、かつ、着色剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の20乃至50%の範囲である請求項4記載の組成物。
  16. タピオカデキストリンが、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の35乃至40%の範囲であり、粘着防止剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の2乃至5%の範囲であり、補助的なフイルム形成剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の5乃至20%の範囲であり、かつ、着色剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の25乃至40%である請求項4記載の組成物。
  17. さらに、可塑剤、界面活性剤及び防腐剤を含み、前記可塑剤が、重量で、組成物の1乃至15%の範囲であり、前記界面活性剤が、重量で、組成物の1乃至2%の範囲であり、かつ、前記防腐剤が、重量で、組成物の1乃至4%の範囲である請求項15記載の組成物。
  18. さらに、可塑剤、界面活性剤、流れ改良剤及び防腐剤を含み、前記可塑剤が、重量で、組成物の7.5乃至10%の範囲であり、前記界面活性剤が、重量で、組成物の0.5乃至1%の範囲であり、前記流れ改良剤が、重量で、組成物の2以上乃至5%の範囲であり、かつ、前記防腐剤が、重量で、組成物の2乃至3%の範囲である請求項16記載の組成物。
  19. タピオカデキストリンが、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の35乃至75%の範囲であり、粘着防止剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の1乃至10%の範囲であり、補助的なフイルム形成剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の5乃至50%の範囲であり、かつ、着色剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の0.1乃至40%の範囲である請求項4記載の組成物。
  20. タピオカデキストリンが、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の45乃至55%の範囲であり、粘着防止剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の2乃至5%の範囲にあり、補助的なフイルム形成剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の5乃至20%の範囲であり、かつ、着色剤が、重量で、乾燥フイルムコーテイング組成物の15乃至25%の範囲である請求項4記載の組成物。
  21. さらに、可塑剤、界面活性剤、流れ改良剤及び防腐剤を含み、前記可塑剤が、重量で、組成物の7.5乃至10%の範囲であり、前記界面活性剤が、重量で、組成物の0.5乃至1%の範囲であり、前記流れ改良剤が、重量で、組成物の2乃至5%の範囲であり、かつ、前記防腐剤が、重量で、組成物の2乃至3%の範囲である請求項20記載の組成物。
  22. 栄養補給剤又は薬錠剤を、フイルムコーテイングでコーテイングする方法であつて、重量で、組成物の29乃至97%のタピオカデキストリンと、重量で、組成物の1乃至15%の粘着防止剤を含み、前記粘着防止剤が、鉱油、カルナウバろう、レシチン、ステアリン酸マグネシウム、又はそれらの組み合わせであるようにした、栄養補給剤又は薬錠剤をフイルムコーテイングするための水性コーテイング懸濁液形成用乾燥フイルムコーテイング組成物を調整する行程と、前記コーテイング懸濁液の有効量を栄養補給剤又は薬錠剤に塗布して、前記栄養補給剤又は薬錠剤にフイルムコーテイングを形成する行程と、前記栄養補給剤又は薬錠剤の上のフイルムコーテイングを乾燥する行程とからなる方法。
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