JP4408581B2 - ノッキングの検出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の燃焼室の筒内圧を検出する圧力センサの出力信号からバックグラウンドレベルを検出し、これに基づいてノッキングを検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ノッキングの発生を抑制しながら点火時期を制御するために、ノッキングを検出することが行われている。ノッキングが発生すると、燃焼室内に異常な圧力波が発生して、内燃機関にノッキング固有の振動が生じることから、内燃機関に発生する振動の内のノッキング固有の周波数成分を調べることにより、ノッキングの検出が行われる。内燃機関の振動状態の検出には、例えばノックセンサや、燃焼室内の筒内圧を検出する圧力センサ等の各種センサが用いられ、その出力信号(センサ信号)から、フィルタ回路を介してノッキング固有の周波数帯域の信号成分を抽出する。
【0003】
センサの出力信号からノッキング固有の振動周波数成分を抽出する際には、ノッキング以外の要因で発生する振動成分(本明細書では「バックグラウンド成分」という。)も抽出してしまう。そのため、ノッキングの検出精度の低下を抑えるには、抽出した振動周波数成分に基づきノッキング判定を行う際には、バックグラウンド成分の信号レベルを考慮する必要がある。
【0004】
このバックグラウンド成分の信号レベル(本明細書では「バックグラウンドレベル」という。)を検出するには、例えば次の手法が考えられる。まず、ノッキング固有の周波数帯(本明細書では「ノッキング周波数帯」という。)を通過帯域とするフィルタによるフィルタリングを行うことにより、センサ信号からバックグラウンド成分を抽出する。そして、その抽出したバックグラウンド成分から、燃焼サイクル中の所定区間に亘りサンプリングおよびA/D変換を行い、これにより得たデータ値の平均値をバックグラウンドレベルとして求める(例えば、特開平4−244933号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様にしてバックグラウンドレベルを検出する方法では、サンプリング間隔の広狭によって得られる値が変わってくる。誤差を少なくするためには、サンプリングを高速(50kHz〜100kHz程度)に行い、多数のデータを保持して平均化処理する手法も考えられるが、高速なA/D変換を実現するためのハードウェアが必要となるし、また大容量のメモリが必要となり、製造コストが高くなってしまうため好ましくない。
【0006】
本発明は、こうしたことを背景としてなされたものであり、サンプリングを高速化することなく、精度良くバックグラウンドレベルを得ることができるノッキング検出方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するため、請求項1記載のノッキングの検出方法では、内燃機関の燃焼室の筒内圧を検出する圧力センサの信号を、ノッキングに因る振動成分が畳重されていない期間において、ノッキング周波数帯を通過帯域とするバンドパスフィルタでフィルタリングし、このバンドパスフィルタでフィルタリングされた信号を、カットオフ電圧レベル以上又はカットオフ電圧レベル以下のみ通過させる電圧カットフィルタでフィルタリングし、更に、この電圧カットフィルタでフィルタリングされた信号を、ノッキング周波数帯よりも低いカットオフ周波数以下を通過帯域とするローパスフィルタでフィルタリングする。そして、このローパスフィルタの出力信号によって、圧力センサの信号に含まれるノッキング以外の要因によって発生する信号のレベルであるバックグラウンドレベルを検出する。
【0008】
この様に請求項1の発明では、バックグラウンドレベルの検出を、ローパスフィルタの出力信号を対象として行う。ローパスフィルタの出力信号では高周波成分が抑制されており平均化されているため、サンプリングを高速化しなくても、安定してバックグラウンドレベルを得ることができ、精度良くノッキングの検出を行うことができる。
【0009】
また、ローパスフィルタの出力信号からバックグラウンドレベルを検出するために、圧力センサの出力信号に対してバンドパスフィルタによって行うフィルタリングを、ノッキングに因る振動成分が畳重されていない期間において行う。
そのためには、フィルタリングを行う時期(ウィンドウ)をノッキングの発生する畏れがない期間に設定すればよいが、ノッキングの発生しやすい時期と重複しても良く、その場合でも、ノッキングに因る振動成分が畳重されていない信号からバックグラウンドレベルを検出することは可能である。例えば、ノッキングの有無に関わらずローパスフィルタの出力信号を取得しておき、ノッキング判定(過去のバックグラウンドレベルに基づくノッキング判定)の結果、ノッキング無しと判断された場合に、ローパスフィルタの出力信号に基づきバックグラウンドレベルの検出を行うようにすればよい。
【0010】
また上記課題は、請求項2記載の発明によっても解決することができる。
請求項2に記載のノッキングの検出方法では、圧力センサの信号を、ノッキングに因る振動成分が畳重されていない期間において、ノッキング周波数帯を通過帯域とし且つ出力がカットオフ電圧レベル以上又はカットオフ電圧レベル以下のみとなるように設定されたバンドパスフィルタでフィルタリングし、このバンドパスフィルタでフィルタリングされた信号を、ノッキング周波数帯よりも低いカットオフ周波数以下を通過帯域とするローパスフィルタでフィルタリングする。そして、このローパスフィルタの出力信号によって、バックグラウンドレベルを検出する。
【0011】
この様なノッキングの検出方法によれば、請求項1と同様の効果を得ることができる。また、請求項2記載の発明では、バンドパスフィルタの出力が、カットオフ電圧レベル以上又はカットオフ電圧レベル以下のみとなるように遮断されている。すなわち、バンドパスフィルタが電圧カットフィルタと一体となり、電圧カットフィルタの機能を備えたものとなっている。そのため、独立した電圧カットフィルタを設ける必要がなく、回路構成が簡単になるという点で好ましい。
【0012】
また上記課題は、請求項3に記載の発明によっても解決できる。
請求項3に記載のノッキングの検出方法においては、圧力センサの信号を、ノッキングに因る振動成分が畳重されていない期間において、ノッキング周波数帯を通過帯域とするバンドパスフィルタでフィルタリングし、このバンドパスフィルタでフィルタリングされた信号を、ノッキング周波数帯よりも低いカットオフ周波数以下を通過帯域とし且つ出力がカットオフ電圧レベル以上又はカットオフ電圧レベル以下のみに設定されたローパスフィルタでフィルタリングする。そしてこのローパスフィルタの出力信号によって、バックグラウンドレベルを検出する。
【0013】
この様なノッキングの検出方法によれば、請求項1と同様の効果を得ることができる。また、請求項3記載の発明では、ローパスフィルタの出力が、カットオフ電圧レベル以上又はカットオフ電圧レベル以下のみとなるように遮断されている。すなわち、ローパスフィルタ電圧カットフィルタと一体となり、電圧カットフィルタの機能を備えたものとなっている。そのため、請求項2の発明と同様に、独立した電圧カットフィルタを設ける必要がなく、回路構成が簡単になる。
【0014】
なお、カットオフ電圧については、請求項4に記載の様に、測定系のアースグラウンドに設定しておくとよい。
即ち、バンドパスフィルタの出力信号は、当該バンドパスフィルタを含む測定系のアースグラウンドを中心とする振幅をもつ信号であるから、カットオフ電圧を、そのアースグラウンドに設定すれば、精度よくバックグラウンドレベルの検出を行うことができる。
【0015】
また、ローパスフィルタのカットオフ周波数については、請求項5に記載のように、たとえば100Hz以下に設定するとよく、そうすれば、後述するようにバックグラウンドレベルの検出精度が極めて高くなる。
また、以上の発明は、請求項6に記載の様に、いわゆる座型圧力センサ(圧力センサが内燃機関の点火プラグの取り付け座に設けられたものであり、その点火プラグの締め付け荷重の変化を検出することで内燃機関の筒内圧を検出するもの)に適用すると好ましい。この様な座型圧力センサの出力信号には、ピストンスラップ、シリンダヘッドのひずみ、吸気弁や排気弁の着座などに起因した信号成分が畳重してバックグラウンド成分となる可能性が高いため、本発明の適用により、精度良くバックグラウンドレベルを求めるようにすると好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態について図面と共に説明する。
図1は、本発明を実現するための構成を備えた内燃機関制御装置(ECU)2の構成図を示す。このECU2は、複数の気筒を有する内燃機関を制御するためのものであり、図1に示すように、圧力センサSの出力信号が入力されている。
【0017】
ECU2は、圧力センサSでの発生電荷に応じた信号を出力するチャージアンプ4と、このチャージアンプ4の出力信号を処理するバックグラウンドレベル検出回路5と、内燃機関21の点火時期やアイドル回転速度等を総合的に制御するための制御処理を実行するCPU12とを備えている。
【0018】
圧力センサSは、図2、図3に示す様に、内燃機関21の点火プラグ23の取り付け座に設けられている。圧力センサSは、内燃機関21への点火プラグ23の締め付け荷重の変化を検出することで内燃機関21の燃焼室25の内部圧力(筒内圧)を検出するものであり、燃焼室内の筒内圧の大きさに応じた電荷を検出信号として出力する。
【0019】
点火プラグ23は、図3に示す様に、当該点火プラグ23を内燃機関21のボディに取り付けるためのねじ部が形成された主体金具23aを有している。主体金具23aは、当該点火プラグ23の取り付け座であり、点火プラグ23は主体金具23aを介して内燃機関21のボディに締結される。
【0020】
圧力センサSは、主体金具23aの内部に内蔵された圧電素子を備えており(図示省略)、筒内圧の変化に応じて変化する点火プラグ23の締め付け荷重に対応した電荷、即ち筒内圧に応じた発生電荷を、出力ケーブル23bを介して出力する。チャージアンプ4は、圧力センサSでの発生電荷を電圧信号に変換して、圧力センサSのセンサ信号として出力する。
【0021】
そしてバックグラウンドレベル検出回路5は、圧力センサSから出力される出力信号に対してフィルタリング等を行うことにより、CPU12によるバックグラウンドレベルの検出精度の向上を図るためのものである。図1に示すように、バックグラウンドレベル検出回路5は、バンドパスフィルタ6と、増幅回路8と、ローパスフィルタ10とを備えている。
【0022】
バンドパスフィルタ6は、ノッキング周波数帯を通過帯域とするものであり(本実施形態では、6kHz〜10kHz)、ハイパスフィルタ部6aおよびローパスフィルタ部6bから構成されている。
図4に示す様に、ハイパスフィルタ部6aは、オペアンプOP1を有する構成とされており、その非反転入力端子(+)には、直列に接続されたコンデンサC1、C2を介して、チャージアンプ4の出力信号が入力される。また、この非反転入力端子(+)は、抵抗器R1を介してGNDライン(0[V])に接続されている。オペアンプOP1の反転入力端子(−)は、抵抗器R2を介してGNDラインに接続されるとともに、抵抗器R4を介してオペアンプOP1の出力端子に接続されている。
【0023】
オペアンプOP1の出力端子は、抵抗器R3を介してコンデンサC1とコンデンサC2との接続点に接続されており、これによりオペアンプOP1の出力端子はコンデンサC2および抵抗器R3を介して、オペアンプOP1の非反転入力端子(+)に接続された状態となっている。また、オペアンプOP1の出力端子は、抵抗器R5を介してGNDラインに接続されている。
【0024】
このように構成されたハイパスフィルタ部6aは、チャージアンプ4の出力信号の内、所定のカットオフ周波数(本実施形態では6kHz)以上の周波数成分を通過させ、オペアンプOP1の出力端子から出力するよう機能する。
一方、ローパスフィルタ部6bは、オペアンプOP2を有する構成とされており、その非反転入力端子(+)には、直列に接続された抵抗器R6、R7を介してオペアンプOP1の出力端子が接続され、ハイパスフィルタ部6aの出力信号が入力される。また、この非反転入力端子(+)は、コンデンサC3を介してGNDラインに接続されている。オペアンプOP2の反転入力端子(−)は、抵抗器R8を介してGNDラインに接続されるとともに、抵抗器R9を介してオペアンプOP2の出力端子に接続されている。
【0025】
オペアンプOP2の出力端子は、コンデンサC4を介して抵抗器R6と抵抗器R7との接続点に接続されており、これによりオペアンプOP2の出力端子はコンデンサC4および抵抗器R7を介して、オペアンプOP2の非反転入力端子(+)に接続された状態となっている。また、オペアンプOP2の出力端子は、抵抗器R10を介してGNDラインに接続されている。
【0026】
このように構成されたローパスフィルタ部6bは、ハイパスフィルタ部6aの出力信号の内、所定のカットオフ周波数(本実施形態では10kHz)以下の周波数成分を通過させるよう機能する。
つまり、バンドパスフィルタ6は、チャージアンプ4の出力信号の内、所定の通過帯域(本実施形態では、6kHz〜10kHz)の周波数成分を通過させ、オペアンプOP2の出力端子から出力信号Vaとして出力するよう機能することになる。
【0027】
なお、バンドパスフィルタ6を構成するオペアンプOP1,OP2においては、各オペアンプOP1,OP2の一対の電源入力端子の一方にプラス電源(本実施形態では+5V)が接続され、他方の電源入力端子にはGNDラインが接続されている。即ち、オペアンプOP1およびオペアンプOP2は、単電源動作するように設けられていることにより、測定系のアースグラウンド(0V)であるカットオフ電圧レベル以上のみを通過させる電圧カットフィルタとして夫々機能している。そのため、バンドパスフィルタ6の出力信号Vaは、その信号レベルがカットオフ電圧レベル以上となるよう整流された信号となる。
【0028】
本実施例では、以上の様にノッキング周波数帯を通過帯域とし且つ出力がカットオフ電圧レベル以上のみとなるように設定されたバンドパスフィルタ6で、圧力センサSの信号をフィルタリングしている。
次に増幅回路8は、オペアンプOP3を有する構成とされており、その非反転入力端子(+)には、直列に接続された抵抗器R12を介してオペアンプOP2の出力端子が接続され、バンドパスフィルタ6の出力信号Vaが入力される。また、オペアンプOP3の非反転入力端子(+)は、抵抗器R11を介してGNDラインに接続されていると共に、抵抗器R13を介して、オペアンプOP3の出力端子に接続されている。即ち増幅回路8は、非反転増幅回路として構成されたものであり、バンドパスフィルタ6の出力信号Vaを、抵抗器R11と抵抗器R13との比で定まる倍率で単に増幅する。
【0029】
ローパスフィルタ10は、抵抗器R14とコンデンサC5とからなるものであり、この抵抗器R14の一端にはオペアンプOP3の出力端子が接続されており、抵抗器R14の他端はコンデンサC5を介してGNDラインに接続されている。この様に構成されることによりローパスフィルタ10は、増幅回路8の出力信号の内、所定のカットオフ周波数(ノッキング周波数帯よりも低い周波数)以下の周波数成分が通過して、抵抗器R14とコンデンサC5との接続点から、出力信号Vbとして出力するよう機能する。
【0030】
CPU12は、ノッキングが発生していないと分かっている期間におけるバックグラウンドレベル検出回路5からの信号をサンプリングし、それをA/D変換して、バックグラウンドレベルを求める。またCPU12は、バックグラウンドレベル検出回路5だけでなく、圧力センサSの出力信号をバンドパスフィルタ或いはハイパスフィルタに通過させた出力のピーク値を検出するピークホールド回路、又はそれらのフィルタ通過後の出力を積分する積分回路との間でも信号の入出力を行っている。そして、CPU12は、例えばノッキングの発生中においてピークホールド回路(図示せず)を介して得られたピーク値と、バックグラウンドレベルとに基づいてノッキング発生の判定を行う。
【0031】
なお、図示しないが、本実施形態の圧力センサSは内燃機関21の気筒毎に設けられるものであるため、気筒数に応じて圧力センサSが複数ある場合には、各圧力センサSごとにチャージアンプ4およびバックグラウンドレベル検出回路5が設けられる。
【0032】
ここで、図5にチャージアンプ4の出力信号(▲1▼)、バンドパスフィルタ6の出力信号Va(▲2▼)およびローパスフィルタ10の出力信号Vb(▲3▼)を示す。なお、図5に示す横軸の1目盛は2msに当たる。
チャージアンプ4の出力信号(▲1▼)のうちノッキング周波数成分が、バンドパスフィルタ6により出力信号Va(▲2▼)として抽出され、更に、ローパスフィルタ10を通過することで、高周波数成分が抑制された出力信号Vb(▲3▼)となる。なお、図5に示した出力信号Vb(▲3▼)は、ローパスフィルタ10のカットオフ周波数を500Hzに設定した場合におけるものである。
【0033】
この様に、本実施形態の方法では、圧力センサSからの出力信号のうち、ノッキングに因る振動成分が畳重されていない信号を、バンドパスフィルタ6でフィルタリングし、更に、そのバンドパスフィルタ6の出力信号を、ローパスフィルタ10でフィルタリングする。そして、このローパスフィルタ10の出力信号に基づいてバックグラウンドレベルを検出する。つまり、バックグラウンドレベルを得るためのサンプリングを、ローパスフィルタを通過させた信号を対象として行っており、その信号では高周波成分が抑制されて平均化されているため、サンプリングを高速化しなくても、精度良くバックグラウンドレベルを得ることができる。
【0034】
また図6において、最上段には、バンドパスフィルタ6の出力信号Vaを示しており、その下には、上から順に、ローパスフィルタ10のカットオフ周波数を1kHz、500Hzおよび100Hzと設定した各場合における出力信号Vbを示している。また、図7には、ローパスフィルタ10のカットオフ周波数とバックグラウンドレベルの検出結果との関係を示している。
【0035】
図6および図7からは、ローパスフィルタ10のカットオフ周波数を低く設定するほど、高周波成分が更に除去された出力信号Vbを得ることができ、その結果、バックグラウンドレベルのばらつきが収斂していくことがわかる(この様子を図7中に実線で示す)。つまりサンプリング周波数を高くしなくても、精度良くバックグラウンドレベルを得ることができ、特に100Hz以下では、ばらつきが極めて少ないことがわかる。
【0036】
また、圧力センサSはいわゆる座型圧力センサとして構成されており、その出力信号には、ピストンスラップ、シリンダヘッドのひずみ、吸気弁や排気弁の着座などに起因した信号成分が畳重してバックグラウンド成分となる可能性が高いが、それらに起因する信号成分のレベルについても精度良くバックグラウンドレベルとして求めることができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様をとることができる。
たとえば上記実施形態では、バンドパスフィルタ6を、電圧カットフィルタが一体となったものとして説明したが、これに限られるものではない。たとえば、オペアンプOP1およびオペアンプOP2を両電源(正負一対の電源を有するものをいう。例えば±5V)で動作させ、バンドパスフィルタ6から電圧カットフィルタとしての機能を除き、そしてバンドパスフィルタ6とローパスフィルタ10との間に、電圧カットフィルタをバンドパスフィルタ6とは別個のものとして設けてもよい。
【0038】
また、電圧カットフィルタをバンドパスフィルタ6とは別個のものとする場合、その電圧カットフィルタは、後段のローパスフィルタと一体に構成してもよい。たとえば、図4の増幅回路8およびローパスフィルタ10を、ローパスフィルタ部6bで置き換えることが考えられる。
【0039】
また、上記実施形態では、カットオフ電圧(上記実施形態ではアースグラウンド)以上のみの信号を通過させ或いは出力するものとして説明したが、これに限られず、カットオフ電圧以下のみの信号を通過させ或いは出力するものとして構成してもよい。これは、オペアンプOP1,OP2などの一方の電源入力端子にGNDラインを接続し、他方の電源入力ラインにマイナス電源(例えば、−5V)を接続することで実現できる。
【0040】
また、上記実施形態では、座型圧力センサとして、点火プラグ23に一体に設けられたいわゆるプラグ一体型圧力センサ(PGPS)を用いるものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば図8に示す様に、点火プラグとは別体に構成された座金型燃焼圧センサ(GPS)S’を、座型圧力センサとして用いた場合にも、本発明を適用できる。
【0041】
なお、この座金型燃焼圧センサS’は、点火プラグの取り付け座とエンジン21との間にて点火プラグの締め付けにより固定され、その状態で点火プラグの締め付け荷重の変化を検出することで内燃機関の筒内圧を検出するものである。座金型燃焼圧センサS’は、点火プラグの取り付け座とエンジンヘッドとの間をシールするガスケット201などを備え、シールド線205を介して圧電素子での発生電荷を外部に出力するよう構成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 内燃機関制御装置の構成を示す説明図である。
【図2】 内燃機関における圧力センサの配設位置を示す説明図である。
【図3】 圧力センサが設けられる点火プラグを示す説明図である。
【図4】 バックグラウンドレベル検出回路の構成を示す回路図である。
【図5】 圧力センサの出力信号およびバックグラウンドレベル検出回路内での信号の波形を示す図である。
【図6】 バンドパスフィルタおよびローパスフィルタの出力信号を示す図である。
【図7】 ローパスフィルタ10のカットオフ周波数とバックグラウンドレベルの検出結果との関係を示す図である。
【図8】 座型圧力センサの変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
4…チャージアンプ
5…バックグラウンドレベル検出回路
6…バンドパスフィルタ
10…ローパスフィルタ
21…内燃機関 23…点火プラグ
25…燃焼室 S…圧力センサ
Va…バンドパスフィルタの出力信号
Vb…ローパスフィルタの出力信号

Claims (6)

  1. 内燃機関の燃焼室の筒内圧を検出する圧力センサの信号を、ノッキングに因る振動成分が畳重されていない期間において、ノッキング周波数帯を通過帯域とするバンドパスフィルタでフィルタリングし、
    前記バンドパスフィルタでフィルタリングされた信号を、カットオフ電圧レベル以上又はカットオフ電圧レベル以下のみ通過させる電圧カットフィルタでフィルタリングし、
    前記電圧カットフィルタでフィルタリングされた信号を、ノッキング周波数帯よりも低いカットオフ周波数以下を通過帯域とするローパスフィルタでフィルタリングし、
    前記ローパスフィルタの出力信号によって、前記圧力センサの信号に含まれるノッキング以外の要因によって発生する信号のレベルであるバックグラウンドレベルを検出する事
    を特徴とするノッキングの検出方法。
  2. 内燃機関の燃焼室の筒内圧を検出する圧力センサの信号を、ノッキングに因る振動成分が畳重されていない期間において、ノッキング周波数帯を通過帯域とし且つ出力がカットオフ電圧レベル以上又はカットオフ電圧レベル以下のみに設定されたバンドパスフィルタでフィルタリングし、
    前記バンドパスフィルタでフィルタリングされた信号を、ノッキング周波数帯よりも低いカットオフ周波数以下を通過帯域とするローパスフィルタでフィルタリングし、
    前記ローパスフィルタの出力信号によって、前記圧力センサの信号に含まれるノッキング以外の要因によって発生する信号のレベルであるバックグラウンドレベルを検出する事
    を特徴とするノッキングの検出方法。
  3. 内燃機関の燃焼室の筒内圧を検出する圧力センサの信号を、ノッキングに因る振動成分が畳重されていない期間において、ノッキング周波数帯を通過帯域とするバンドパスフィルタでフィルタリングし、
    前記バンドパスフィルタでフィルタリングされた信号を、ノッキング周波数帯よりも低いカットオフ周波数以下を通過帯域とし且つ出力がカットオフ電圧レベル以上又はカットオフ電圧レベル以下のみに設定されたローパスフィルタでフィルタリングし、
    前記ローパスフィルタの出力信号によって、前記圧力センサの信号に含まれるノッキング以外の要因によって発生する信号のレベルであるバックグラウンドレベルを検出する事
    を特徴とするノッキングの検出方法。
  4. 前記カットオフ電圧が測定系のアースグラウンドである事
    を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のノッキングの検出方法。
  5. 前記ローパスフィルタのカットオフ周波数が100Hz以下である事
    を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のノッキングの検出方法。
  6. 前記圧力センサは、内燃機関に用いられる点火プラグの取り付け座に設けられ、点火プラグの締め付け荷重の変化を検出することで内燃機関の筒内圧を検出するものである事、
    を特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載のノッキングの検出方法。
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