JP4407926B2 - カラーフィルタ基板、その製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルタ基板、その製造方法及び液晶表示装置 Download PDF

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本発明は、液晶表示装置に好適に用いられるカラーフィルタ基板、その製造方法及び液晶表示装置に関する。より詳しくは、ドライフィルムラミネート法により積層形成され、液晶表示装置の液晶層の厚み(セルギャップ)を規定するスペーサとして好適な積層部を有するカラーフィルタ基板及びその製造方法、並びに、当該カラーフィルタ基板を用いてなる液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、小型・薄型・軽量・低消費電力等の長所を有しており、各種電子機器に広く用いられている。中でも、カラーフィルタ(Color Filter;以下、「CF」ともいう。)基板を使用することでカラー表示を実現した液晶表示装置は、優れた色再現性を有し、パーソナルコンピュータ等のオフィスオートメーション(OA)機器、テレビジョン等のオーディオビジュアル(AV)機器や携帯電話等に広く応用されている。
液晶表示装置は、互いに対向する一対の基板間に液晶を封入した構造を有するものであり、従来では、液晶層の厚み(セルギャップ)は、基板上に散布されたプラスチックビーズ又はガラス繊維からなる球形又は棒状のスペーサ(散布スペーサ)によって一定に保持される構成を有するものが多かった。しかしながら、これらの散布スペーサは、基板上の所定の位置に配置することが困難であり、画素(表示エリア)内のスペーサによる光の散乱やスペーサ周辺における液晶分子の配向の乱れ等が発生し、表示品位を低下させる原因となっていた。また、スペーサを散布した基板に対向基板を圧着し、基板同士を貼り合わせる際に、散布スペーサにより対向電極や配向膜が損傷を受け、表示欠陥を発生させやすいことや、損傷箇所から汚染物質が湧き出て、表示品質の低下を起こしやすいという点で改善の余地があった。更に、スペーサを基板上に均一に散布する工程や、散布時の粒度分布を高精度に管理する工程が必要であり、安定した表示品位を得ることが困難であった。
これに対し、散布スペーサに代えて、基板と一体的に形成した樹脂膜をセルギャップ調整用スペーサとして用いる方法が知られており、中でも、近年、フォトレジスト膜をパターニングして形成したフォトスペーサ(Photo Spacer;以下、「PS」ともいう。)を用いる方法が広まりつつある(例えば、特許文献1〜9参照。)。PSは散布スペーサと異なり、基板上の所定の位置に正確に配置することが可能であり、カラーフィルタ基板のブラックマトリクス(Black Matrix;以下、「BM」ともいう。)上や、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下、「TFT」ともいう。)アレイ基板の金属配線上等の非表示エリアにPSを配置すれば、開口率を低下させることなく、セルギャップを一定に保持することができる。また、PSは散布スペーサのように、光の散乱やスペーサ周辺での液晶分子の配向の乱れによる表示品位の低下を発生させないという利点も有する。
特許文献3〜9では、複数の着色層を重ね合わせて形成したセルギャップ調整用スペーサを用いる方法が提案されている。着色層は、通常では、フォトレジストにより形成されるが、積層構造を有するフォトスペーサは、一般に、積層フォトスペーサ(積層PS)ともいう。積層PSは、着色層を複数重ねて形成されることから、スペーサ自身が遮光性を有しており、表示エリア内に配置しても、光漏れによる表示品位の低下を起こさない。また、画素領域の着色層に使用する材料と同一材料で積層PSを構成する全ての層を形成すれば、大幅なコストダウンを図ることも可能である。
また、特許文献7〜9では、積層PSの形成方法として、ドライフィルムラミネート(Dry Film Laminating;以下、「DFL」ともいう。)法が提案されている。DFL法は、支持体上に樹脂膜が設けられたフィルム(ドライフィルム)を貼り付けることで層の形成を行う方法であり、樹脂膜としてレジスト樹脂膜が用いられる場合には、ドライフィルムレジスト(Dry Film Resist;「DFR」)法ともいう。DFL法によれば、スピンコート法等の液体レジストを用いた塗布法に比べ、均一な膜厚の層を形成することができ、安定した高さの積層PSを形成することができる。
しかしながら、DFL法にて積層PSを作製する場合には、ドライフィルムの貼り付け(ラミネート)の際に、既に形成されているパターン間に溜まった空気が逃げきれずに気泡となって残り、液晶表示装置において表示不良を起こすという点で改善の余地があった。このときの気泡の発生しやすさは、既に形成されているパターン(レジスト層)の膜厚によって異なる。特に近年、液晶テレビジョン(TV)等の液晶表示装置の高色純度化が進み、カラーフィルタ層を構成する着色レジスト層の厚みは1.5〜2.5μmと厚くなってきており、積層PSの形成過程において、ラミネート時にパターン間に空気が溜まりやすくなっており、気泡が極めて発生しやすくなっている。
特開2001−201750号公報(第1頁) 特開2001−221910号公報(第1、7頁、第2図) 特開昭56−140324号公報(第1、6頁、第5(c)図) 特開平4−93924号公報(第1、6頁、第2、3図) 特開平5−196946号公報(第1、3頁、第1図) 特開2000−147234号公報(第1頁) 特開2001−100221号公報(第1、13、16頁、第1、6図) 特開2000−284111号公報(第1、8頁、第1(b)図) 特開2004−53654号公報(第2、30頁、第11(b)図)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、積層フォトスペーサの形成に際し、高さばらつきを低減することができると共に、気泡の発生が抑制されたカラーフィルタ基板及びその製造方法、並びに、当該カラーフィルタ基板を用いることで表示ムラが低減された液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、積層フォトスペーサ(PS)を備えるカラーフィルタ基板について種々検討したところ、ドライフィルムラミネート(DFL)法を用いて積層PSを形成することにより、均一な膜厚で積層PSを形成することができることにまず着目した。しかしながら、DFL法にて積層PSを作製する場合には、ドライフィルムのラミネート時にパターン間に気泡が含まれやすいことが分かった。そこで、更に検討したところ、DFL法によりカラーフィルタ基板の積層PSを作製する場合、パターン間に気泡を含ませることなくカラーフィルタ基板を形成するためには、ラミネート時の基板温度をパターン形成領域において最低でも110℃以上にする必要があり、実質的には、基板内の温度を完全に均一にするのは困難であるため、平均温度を120℃以上にする必要があることを見いだした。ここで、本発明者らは、従来のドライフィルムを気泡の発生しない下限温度、すなわち基板内平均温度120℃でラミネートして作製した積層PSを有するカラーフィルタ基板を用いて、液晶表示装置を作製したが、著しい表示ムラが発生することが分かった。そこで、表示ムラが発生している箇所を調べたところ、液晶層の厚みがムラの部分で異なっており、液晶層の厚みばらつきが見られる箇所に設けられた各々の積層PSにおいて、0.05〜0.10μmの高さばらつきが生じていることが確認された。また、DFL法にて形成したにも関わらず、各積層PSは、各層の膜厚の合計から予想した狙いの膜厚(高さ)よりもはるかに薄く仕上がっており、最も薄い層では積層部における膜厚が絵素部における対応する層の膜厚の75%程度しかないことが分かった。
これらの現象は、これまでに知られておらず、例えば、特許文献6及び8では、ドライフィルムの貼り付け温度について開示されておらず、上述の現象について言及されていない。また、特許文献7では、実施の形態1に、ドライフィルム貼り付け時に、基板温度を100℃前後に加熱しラミネートすることが記載されているが、実際にカラーフィルタ基板を作製する場合には、上述したように、基板温度を最低でも110℃以上としないと、ラミネート時に気泡が混入し、絵素に欠陥のあるカラーフィルタ基板しか作製することができない。
本発明者らは、更なる検討を重ねた結果、DFL法により形成した積層PSにおいて生じる高さばらつきや膜厚の減少は、貼り付け(ラミネート)時の高温によりドライフィルムの樹脂膜(レジスト層)が軟化するためであることを見いだした。これに関し、気泡の発生を防止することができる120℃付近以上で貼り付けを行う場合のレジスト層の挙動について、図1を用いて説明すると、貼り付け時に高温にされると、レジスト層は軟化して若干の流動性を持つようになるため、ドライフィルム貼り付け時の圧力によって、積層PSの下地層21p上のレジスト層22pの一部は平坦部22に押し出され、レジスト層22pの膜厚は狙い高さよりもΔhだけ低くなる。その結果、所望の高さを有する積層PSを得ることができなくなる。また、このときのレジスト層22pの高さ変化量Δhは基板面内の温度や圧力等により異なるため、積層PSの高さばらつきが発生し、液晶表示装置においてセル厚ムラが生じ、表示ムラとして視認されてしまう。
本発明者らは、上述の内容を踏まえて種々検討を行ったところ、下地となるレイヤー(層)のサイズの誤差(バラツキ)が、下地上に形成する上層の乗り上げ量(積層膜厚)にバラツキを生じさせる主な原因の1つであり、結果として積層PSの高さが不安定となり、安定したセルギャップの液晶表示装置を提供することができず、セルギャップに起因する表示ムラが発生(品位劣化)していることを見いだした。そして、積層PS(積層部)における最下層(下地層)の面積を最適化し、積層部の最下層を面積変化に対する積層部の高さ変化量が0.025μm/μmφ以下となる飽和面積以上の面積を有するものとすること等により、積層部の高さばらつきを低減し、液晶表示装置の表示ムラを低減することができることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板であって、上記積層部は、熱圧着により形成された樹脂層を最下層以外に少なくとも1層含むものであり、上記積層部の最下層は、面積変化に対する積層部の高さ変化量が0.025μm/μmφ以下となる飽和面積以上の面積を有するものであるカラーフィルタ基板である。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板であって、上記積層部は、23μmφ以上の面積を有する下地層上に、120℃での針入硬度試験における針入量が0.1μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成された樹脂層が積層された積層構造を含むものであるカラーフィルタ基板でもある。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板であって、上記積層部は、25μmφ以上の面積を有する下地層上に、120℃での針入硬度試験における針入量が0.4μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成された樹脂層が積層された積層構造を含むものであるカラーフィルタ基板でもある。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板であって、上記積層部は、29μmφ以上の面積を有する下地層上に、120℃での針入硬度試験における針入量が0.8μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成された樹脂層が積層された積層構造を含むものであるカラーフィルタ基板でもある。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板を製造する方法であって、上記カラーフィルタ基板の製造方法は、積層部を構成する最下層を形成する工程と、樹脂層を熱圧着により形成する工程とを含むものであり、上記最下層の形成工程は、面積変化に対する積層部の高さ変化量が0.025μm/μmφ以下となる飽和面積以上の面積で最下層を形成するものであるカラーフィルタ基板の製造方法でもある。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板を製造する方法であって、上記カラーフィルタ基板の製造方法は、積層部を構成する下地層を形成する工程と、下地層上に樹脂層を熱圧着により形成する工程とを含むものであり、上記下地層の形成工程は、23μmφ以上の面積で下地層を形成するものであり、上記樹脂層の形成工程は、120℃での針入硬度試験における針入量が0.1μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成するものであるカラーフィルタ基板の製造方法でもある。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板を製造する方法であって、上記カラーフィルタ基板の製造方法は、積層部を構成する下地層を形成する工程と、下地層上に樹脂層を熱圧着により形成する工程とを含むものであり、上記下地層の形成工程は、25μmφ以上の面積で形成するものであり、上記樹脂層の形成工程は、120℃での針入硬度試験における針入量が0.4μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成するものであるカラーフィルタ基板の製造方法でもある。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板を製造する方法であって、上記カラーフィルタ基板の製造方法は、積層部を構成する下地層を形成する工程と、下地層上に樹脂層を熱圧着により形成する工程とを含むものであり、上記下地層の形成工程は、29μmφ以上の面積で形成するものであり、上記樹脂層の形成工程は、120℃での針入硬度試験における針入量が0.8μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成するものであるカラーフィルタ基板の製造方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
本発明のカラーフィルタ基板は、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたものである。本発明のカラーフィルタ基板は、これらの構成要素を必須として構成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。基板としては、通常では、ガラス基板等の透明基板が用いられる。積層部における積層構造としては特に限定されず、上層が下層を被覆するように積層された形態、略同一の形状を有する上層と下層とが積層された形態、下層よりも面積が小さい上層が下層上に積層された形態等が挙げられ、中でも、上層が下層を被覆するように積層された形態が好ましい。このような形態によれば、下層(下地層)の面積を最適化することによる本発明の作用効果を充分に奏することが可能となる。
本発明のカラーフィルタ基板の形態は、(1)積層部は、熱圧着により形成された樹脂層を最下層以外に少なくとも1層含むものであり、積層部の最下層は、面積変化に対する積層部の高さ変化量が0.025μm/μmφ以下となる飽和面積以上の面積を有する形態、(2)積層部は、23μmφ以上の面積を有する下地層上に、120℃での針入硬度試験における針入量が0.1μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成された樹脂層が積層された積層構造を含む形態、(3)積層部は、25μmφ以上の面積を有する下地層上に、120℃での針入硬度試験における針入量が0.4μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成された樹脂層が積層された積層構造を含む形態、及び、(4)積層部は、29μmφ以上の面積を有する下地層上に、120℃での針入硬度試験における針入量が0.8μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成された樹脂層が積層された積層構造を含む形態のいずれか又はこれらを組み合わせたものである。
上記(1)の形態において、積層部は、熱圧着により形成された樹脂層を最下層以外に少なくとも1層含むものである。積層部は、熱圧着により形成された樹脂層により全ての層が構成されることが好ましい。熱圧着により形成された樹脂層は、ドライフィルムラミネート(DFL)法にて形成されたものであることが好ましく、具体的には、例えば、ベースフィルム(支持体)に樹脂膜(固相レジスト層)が設けられてなるドライフィルムを、平均温度略120℃に設定した基板表面に圧着し、ベースフィルムを剥離して樹脂膜を基板上に転写した後、転写した樹脂膜を露光、現像して所定の形状にパターニングすることで基板上に形成されたものであることが好ましい。樹脂層としては、ベース樹脂の他、必要に応じて、着色剤、多官能性モノマー、光重合開始剤、分散剤、添加剤等を含んでいてもよい。ベース樹脂としては、感光性樹脂が好ましく、中でも感光性アクリル樹脂がより好ましい。着色剤としては、赤(R)、青(B)、緑(G)、黒(K)の顔料や染料等が挙げられる。ドライフィルムのベースフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が用いられる。また、樹脂層を熱圧着する際の温度(ドライフィルムの貼り付け温度)は、110℃以上、140℃以下であることが好ましい。これにより、パターン間に気泡が含まれないようにすることができると共に、ドライフィルムを充分な接着強度で貼り付けることができる。樹脂層は、1層からなるものであってもよく、多層構造からなるものであってもよい。樹脂層の膜厚としては、1.0μm以上、3.0μm以下が好ましい。なお、最下層は、熱圧着により形成された樹脂層により構成されることが好ましい。
上記(1)の形態において、積層部の最下層は、面積変化に対する積層部の高さ変化量が0.025μm/μmφ以下となる飽和面積以上の面積を有するものである。なお、本発明において、最下層は、下地層(層上に他の樹脂層が形成された層)の1つであり、最下層等の下地層の面積とは、図2(a)〜(d)に示すように、基板面法線方向から見たときの、下地層の外縁からその直上の層の重心までの最短距離をX/2(μm)とするとき、その下地層のサイズをXμmφとする。また、下地層が2層以上積層された形態の積層部では、下地の重なり層数が最大である領域を下地層の領域とみなし、その領域の外縁からその直上の層の重心までの最短距離をX/2(μm)とするとき、その下地層のサイズをXμmφとする。上記(1)の形態によれば、積層部の下地となる最下層が飽和面積以上の面積を有することにより、最下層のサイズの誤差(バラツキ)が生じたとしても、上層(樹脂層)の乗り上げ量(積層膜厚)のバラツキを防止することができ、積層部の高さばらつきを低減し、液晶表示装置のセルギャップに起因する表示ムラを低減することができる。また、上層(樹脂層)の積層膜厚を厚く形成することも可能となり、所望の高さを有する積層部を形成することができるので、液晶表示装置において所望のセル厚を得ることができる。また、積層部の最下層は、面積変化に対する積層部の高さ変化量が0.01μm/μmφ以下となる面積以上の面積を有するものであることが好ましい。
ここで、図3を参照して積層部における最下層の飽和面積について説明する。図3は、ドライフィルムレジストを用いて、(1)色層R(赤)/(2)色層B(青)/(3)配向制御用突起を構成する樹脂からなる層を積層してなる積層部(積層PS)におけるRドットサイズ(色層Rの面積)と、積層PS高さとの相関を示す図である。図3に示すように、Rドットサイズがある値(この場合は23μmφ)を超えると、積層PS高さは安定し、同期してセルギャップも安定していることが分かる。従って、この場合のRドットサイズの飽和面積は、23μmφであり、飽和面積である23μmφ以上とすることで、セルギャップバラツキに起因する表示ムラを低減することが可能となり、安定した品位の液晶表示装置を得ることができる。
上記(1)の形態において、積層部の樹脂層は、面積変化に対する樹脂層の厚み変化量が0.025μm/μmφ以下となる飽和面積以上の面積を有する下地層上に設けられることが好ましい。なお、本発明において、下地層とは、層上に他の樹脂層が形成された層を意味し、積層部における最上層以外の任意の層が該当し得るものであり、積層部の最下層であってもよく、熱圧着により形成された樹脂層であってもよい。このように最下層だけでなく各下地層が飽和面積以上の面積を有することにより、下地層のサイズの誤差(バラツキ)が生じたとしても、上層(樹脂層)の乗り上げ量(積層膜厚)のバラツキを防止することができ、積層部の高さばらつきをより効果的に低減し、液晶表示装置のセルギャップに起因する表示ムラをより効果的に低減することができる。また、上層(樹脂層)の積層膜厚を厚く形成することも可能となり、より確実に所望の高さを有する積層部を形成することができる。また、積層部の樹脂層は、面積変化に対する樹脂層の厚み変化量が0.01μm/μmφ以下となる面積以上の面積を有する下地層上に設けられることが好ましい。
上記(1)の形態において、樹脂層は、120℃での針入硬度試験における針入量が0.5μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成されたものであることが好ましい。これにより、DFL法による積層部の形成過程において、図1に示すような高温条件下での固相レジスト層の熱ダレを低減することができるため、所望の高さを有する積層部を得ることができる。また、高温での硬度に優れた固相レジスト層は、膜形成時における温度や圧力の基板面内分布の影響を受けにくいことから、膜厚ばらつきも充分に低減することができ、このような層を積層してなる積層部は、高さばらつきが充分に低減されたものとなる。
なお、本発明において、針入硬度試験とは、膜の針入特性すなわち膜の硬度特性を測定する試験のことであり、具体的には、設定温度(本発明においては、120℃)条件下で、図4に示すような直径3.3μmの白金−ロジウム抵抗体を先端曲げ角度120°、先端曲率R=2.5μmでV字型に折り曲げてなるサーマルプローブ35を荷重1.0×10−5Nで試験対象の膜に押し当て、当該サーマルプローブ35が膜内に進入した距離(針入量)を測定する試験である(参照文献:金山修二,「SPMによる高分子材料の微小部熱分析」,FUJIFILM RESEARCH & DEVELOPMENT,富士写真フィルム,2002年,No.47,p.44−45)。なお、ドライフィルムは、ベースフィルム(支持体)上に固相レジスト層(樹脂層)が設けられてなるものである。ベースフィルム(支持体)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が挙げられる。
上記(2)の形態において、積層部は、23μmφ以上の面積を有する下地層上に、120℃での針入硬度試験における針入量が0.1μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成された樹脂層が積層された積層構造を含むものである。この形態において、積層部は、全ての下地層が23μmφ以上の面積を有し、全ての樹脂層が120℃での針入硬度試験における針入量が0.1μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成されたものであることが好ましい。また、下地層は、25μmφ以上の面積を有することが好ましい。ドライフィルムとしては、120℃での針入硬度試験における針入量が0.1μm以下の固相レジスト層を有するものであれば、上記(1)の形態と同様のものを用いることができる。
上記(3)の形態において、積層部は、25μmφ以上の面積を有する下地層上に、120℃での針入硬度試験における針入量が0.4μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成された樹脂層が積層された積層構造を含むものである。この形態において、積層部は、全ての下地層が25μmφ以上の面積を有し、全ての樹脂層が120℃での針入硬度試験における針入量が0.4μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成されたものであることが好ましい。また、下地層は、27μmφ以上の面積を有することが好ましい。ドライフィルムとしては、120℃での針入硬度試験における針入量が0.4μm以下の固相レジスト層を有するものであれば、上記(1)の形態と同様のものを用いることができる。
上記(4)の形態において、積層部は、29μmφ以上の面積を有する下地層上に、120℃での針入硬度試験における針入量が0.8μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成された樹脂層が積層された積層構造を含むものである。この形態において、積層部は、全ての下地層が29μmφ以上の面積を有し、全ての樹脂層が120℃での針入硬度試験における針入量が0.8μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成されたものであることが好ましい。また、下地層は、31mφ以上の面積を有することが好ましい。ドライフィルムとしては、120℃での針入硬度試験における針入量が0.8μm以下の固相レジスト層を有するものであれば、上記(1)の形態と同様のものを用いることができる。
上記(2)〜(4)の形態では、上層として形成される樹脂層の高温での硬度特性に対応して下地層の面積が飽和面積以上となるように設定されており、これにより、下地層のサイズの誤差(バラツキ)が生じたとしても、上層(樹脂層)の乗り上げ量(積層膜厚)のバラツキを防止することができ、積層部の高さばらつきを低減し、液晶表示装置のセルギャップに起因する表示ムラを低減することができる。また、上層(樹脂層)の積層膜厚を厚く形成することも可能となり、所望の高さを有する積層部を形成することができるので、液晶表示装置において所望のセル厚を得ることができる。
ここで、図5−1を参照して積層部における最下層の飽和面積と、その上層に用いられるドライフィルムレジストの高温硬度特性との相関について説明する。図5−1は、(1)色層R(赤)/(2)色層B(青)/(3)配向制御用突起を構成する樹脂からなる層を積層してなる積層部(積層PS)において、高温硬度特性が異なる色層Bを使用した場合に関し、Rドットサイズ(色層Rの面積)と積層PS高さとの相関を示す図である。なお、図5−1中の材料A、材料B及び材料Cは、色層Bの構成材料であって、互いに120℃での針入硬度試験における針入量の値が異なる材料である。材料A及び材料Bび材料Cについて、図5−2中に針入硬度試験の結果を示す。
図5−1に示すように、材料Aと材料Bと材料Cとで、下地となるRドットサイズに基づく積層PS高さの飽和点が異なることが分かる。その一方で、高温での膜硬度の異なるドライフィルムレジストを用いても積層PS高さの安定領域(飽和領域)は存在し、材料Aでは、Rドットサイズ23μmφ以上、材料Bでは、Rドットサイズ29μmφ以上、材料Cでは、Rドットサイズ25μmφ以上であることが分かる。この安定領域を用いれば、積層PSの高さは安定し、積層PS高さのバラツキ、すなわちセルギャップバラツキに起因する表示ムラを低減することができる。このように、ドライフィルムレジストの高温膜硬度が異なる場合であっても、Rドットサイズをコントロールすることで、積層PS高さの安定領域を得ることができ、液晶表示装置においてセルギャップを安定に保つことが可能である。
以下、本発明のカラーフィルタ基板の(1)〜(4)の形態に共通のその他の好ましい形態について詳しく説明する。
上記固相レジスト層は、110〜140℃での針入硬度試験における最大針入量と最小針入量との差が1.0μm以下であることが好ましい。このような固相レジスト層により形成された積層部は、より確実に所望の高さを得ることができるとともに、その高さばらつきをより一層低減することができる。110〜140℃での針入硬度試験における最大針入量と最小針入量との差は、0.5μm以下であることがより好ましい。
上記カラーフィルタ基板は、積層部の最上層よりも下層に透明電極を備えたものであることが好ましい。このような形態のカラーフィルタ基板によれば、最上層に導電性の透明電極が形成されず、絶縁性の樹脂膜が設けられることから、液晶表示装置に適用された場合において、積層部をスペーサとして好適に用いることができる。
上記透明電極としては、酸化インジウム錫(ITO)膜等が挙げられ、スパッタリング等により形成される。透明電極の寸法、形状等は特に限定されないが、その下地層を被覆するように形成されることが好ましい。また、電極間リーク防止の観点から、積層部内の透明電極上に形成される層は当該透明電極を被覆するように形成されることが好ましい。なお、カラーフィルタ基板における透明電極のパターン配列としては、ストライプ(縞)配列、格子配列等が挙げられる。
上記カラーフィルタ基板は、2以上の色層が平面的に並設されてなる着色層を基板上に有するものであり、上記積層部は、着色層を構成する色層の少なくとも一つを含んでなることが好ましい。このような形態のカラーフィルタ基板によれば、着色層を構成する色層を用いて積層部を形成することができるため、積層部の形成工程を簡略化することができ、製造コストの低減が可能になる。色層としては、ドライフィルムラミネート(DFL)法にて形成された樹脂層であることが好ましい。
上記カラーフィルタ基板は、液晶の配向制御用突起を有するものであり、上記積層部は、配向制御用突起を構成する樹脂からなる層を含んでなることが好ましい。このような形態のカラーフィルタ基板は、液晶の配向制御用突起を有することから、広視野角、高コントラストを実現するマルチドメイン垂直配向(Multi−domain Vertical Alignment;以下、「MVA」ともいう。)方式の液晶表示装置用カラーフィルタ基板として好適に用いることができる。また、積層部が配向制御用突起を構成する樹脂からなる層を含むことで、配向制御用突起と積層部の一部とを一括して形成することが可能であり、製造工程を簡略化することができる。
上記液晶としては特に限定されないが、負の誘電率異方性(Δε<0)を有する液晶が好ましい。また、上記液晶の配向制御用突起とは、電圧印加時に電極間に印加された電界を歪ませることにより、液晶分子の配向を複数の方向に分割する機能を有する構造物のことである。配向制御用突起を構成する樹脂としては、感光性樹脂が好ましく、中でもポジ型感光性樹脂がより好ましく、例えば、フェノール−ノボラック型ポジレジスト等が挙げられる。配向制御用突起の寸法、形状等は特に限定されるものではない。
上記積層部は、最上層が配向制御用突起を構成する樹脂からなる層により構成され、かつ最上層以外の層が着色層を構成する色層により構成されることが好ましい。このような形態のカラーフィルタ基板によれば、積層部の最上層、及び、積層部の最上層以外の層はそれぞれ、配向制御用突起を形成する工程、及び、着色層を形成する工程と同一工程にて形成することができ、積層部及び配向制御用突起を有するカラーフィルタ基板の製造工程の簡略化が可能となる。
上記積層部を構成する層の膜厚は、基板上に平面的に設けられた対応する層の膜厚の90%以上、110%以下であることが好ましい。なお、積層部を構成する層と、基板上に平面的に設けられた対応する層とは、略同一の材料により形成されたものである。このような形態のカラーフィルタ基板によれば、積層部を構成する各層の膜厚の合計から予想される狙い高さに近い所望の高さを有する積層部を得ることができる。また、膜変形量自体が小さいことから、膜厚ばらつきも充分に低減されており、このような層を積層してなる積層部は、高さばらつきが充分に低減されたものとなる。本発明においては、積層部を構成する層と、基板上に平面的に設けられた対応する層とをDFL法にて同一工程で一括して形成する方法等を用いることにより、このような形態のカラーフィルタ基板を形成することが可能である。
積層部を構成する層の膜厚は、基板上に平面的に設けられた対応する層の膜厚の95%以上、110%以下であることがより好ましい。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板を製造する方法であって、上記カラーフィルタ基板の製造方法は、積層部を構成する最下層を形成する工程と、樹脂層を熱圧着により形成する工程とを含むものであり、上記最下層の形成工程は、面積変化に対する積層部の高さ変化量が0.025μm/μmφ以下となる飽和面積以上の面積で最下層を形成するものであるカラーフィルタ基板の製造方法でもある。このようなカラーフィルタ基板の製造方法によれば、上記(1)の形態のカラーフィルタ基板を製造することができる。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板を製造する方法であって、上記カラーフィルタ基板の製造方法は、積層部を構成する下地層を形成する工程と、下地層上に樹脂層を熱圧着により形成する工程とを含むものであり、上記下地層の形成工程は、23μmφ以上の面積で下地層を形成するものであり、上記樹脂層の形成工程は、120℃での針入硬度試験における針入量が0.1μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成するものであるカラーフィルタ基板の製造方法でもある。このようなカラーフィルタ基板の製造方法によれば、上記(2)の形態のカラーフィルタ基板を製造することができる。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板を製造する方法であって、上記カラーフィルタ基板の製造方法は、積層部を構成する下地層を形成する工程と、下地層上に樹脂層を熱圧着により形成する工程とを含むものであり、上記下地層の形成工程は、25μmφ以上の面積で形成するものであり、上記樹脂層の形成工程は、120℃での針入硬度試験における針入量が0.4μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成するものであるカラーフィルタ基板の製造方法でもある。このようなカラーフィルタ基板の製造方法によれば、上記(3)の形態のカラーフィルタ基板を製造することができる。
本発明はまた、2層以上の積層構造を有する積層部が基板上に設けられたカラーフィルタ基板を製造する方法であって、上記カラーフィルタ基板の製造方法は、積層部を構成する下地層を形成する工程と、下地層上に樹脂層を熱圧着により形成する工程とを含むものであり、上記下地層の形成工程は、29μmφ以上の面積で形成するものであり、上記樹脂層の形成工程は、120℃での針入硬度試験における針入量が0.8μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成するものであるカラーフィルタ基板の製造方法でもある。このようなカラーフィルタ基板の製造方法によれば、上記(4)の形態のカラーフィルタ基板を製造することができる。
本発明はまた、上記カラーフィルタ基板、又は、上記カラーフィルタ基板の製造方法により製造されたカラーフィルタ基板を備えてなる液晶表示装置でもある。本発明の液晶表示装置は、充分な高さを有し、かつ高さばらつきも少ない積層部を有する本発明のカラーフィルタ基板を備えてなることから、液晶層の膜厚のムラが低減されており、画面内にムラのない良好な表示を実現することができる。本発明の液晶表示装置は、MVA方式の大型液晶テレビジョン(TV)等に好適に用いることができる。
本発明はまた、上記カラーフィルタ基板と、対向基板とが、液晶層を介して対向して配置されてなる液晶表示装置であって、上記カラーフィルタ基板は、積層部の少なくとも一部が対向基板と接触している液晶表示装置でもある。このような形態の液晶表示装置によれば、積層部の少なくとも一部が対向基板と接触していることから、積層部が、液晶層の厚み(セルギャップ)を一定に保持するセルギャップ調整用スペーサ(積層PS)として機能することができる。また、本発明のカラーフィルタ基板に形成される積層部は、充分な高さを有し、かつ高さばらつきも少ないものであることから、液晶層の膜厚のムラが低減され、画面内にムラのない良好な表示を実現することができる。
この際、積層部と対向基板との間には、ポリイミド膜等の垂直配向膜が配置されていてもよい。
上記対向基板としてはカラーフィルタ基板に対して液晶層を介して対向するように配置される基板であれば特に限定されないが、基板上に薄膜トランジスタ(TFT)等のアクティブ素子を備えるアクティブマトリクス基板が好ましい。また、液晶層を構成する液晶分子としては、負の誘電率異方性(Δε<0)を有するものが好ましい。
本発明はまた、上記カラーフィルタ基板と、遮光性の領域を有する対向基板とが、液晶層を介して対向して配置されてなる液晶表示装置であって、上記カラーフィルタ基板の積層部は、対向基板の遮光性の領域に重畳して形成されている液晶表示装置でもある。このような形態の液晶表示装置によれば、新たに液晶表示装置の開口率(透過率)を下げることなく、積層部を配置することができ、表示特性の低下を抑制することができる。
上記遮光性の領域としては特に限定されず、例えば、補助容量配線、TFT回路層等が形成された領域が挙げられる。
本発明のカラーフィルタ基板によれば、積層PS(積層部)における最下層(下地層)の面積を飽和面積以上の大きさにすることにより、上層の積層膜厚を安定させ、高さバラツキの少ない積層PSを得ることができる。これにより、安定したセルギャップの液晶表示装置を提供することが可能となり、セルギャップに起因する表示ムラを低減して歩留を向上させることができる。
〔実施形態1〕
図6は、本発明に係る実施形態の液晶表示装置100の構成を模式的に示す断面図である。
図6に示す液晶表示装置100は、アクティブマトリクス(Active−matrix;以下、「AM」ともいう。)基板1と、AM基板1に対向するカラーフィルタ(CF)基板2と、これらの基板間に設けられた液晶層3とを有している。この実施形態においては、AM基板1は、従来公知のAM基板を用いることとし、その構造の説明を省略する。
(CF基板の構造)
図6に示すように、CF基板2は、透明基板4と、透明基板4上に設けられた遮光層5(色層)及びCF層(色層)6と、遮光層5及びCF層6を覆うように設けられた共通電極(透明電極)10と、共通電極10上に設けられた間隔制御用樹脂層(色層)11pとを有している。遮光層5は、絵素外の領域に格子状(又はストライプ状)に形成されており、ブラックマトリクス(BM)とも呼ばれる。また、CF層6は、互いに異なる色光を透過する第1のCF層7、第2のCF層8及び第3のCF層9を有している。第1のCF層7、第2のCF層8及び第3のCF層9は、例えば、赤(R)、緑(G)及び青(B)のCF層である。例えば、第1のCF層7、第2のCF層8及び第3のCF層9は、ほぼ同一の膜厚とするのが表示上好ましい。更に、共通電極10は、透明導電材料(例えばITO)から形成されている。そして、積層PS(積層部)12pは、第1のCF層7と同一工程にて形成された下地層(最下層、色層)7p、下地層7p上に第3のCF層9と同一工程にて形成されたCF層9p、CF層9p上に共通電極10と同一工程にて形成された共通電極10p、及び、共通電極10p上に形成された絶縁性樹脂膜からなる間隔制御用樹脂層11pにより構成される。このとき、液晶層の厚み(セルギャップ)は、図中の積層PS12pの高さhにより決定される。積層PS12pにおいて、下地層7pの面積は、その面積変化に対する積層PS12pの高さ変化量が0.025μm/μmφ以下となる飽和面積以上となるように設計されている。従って、積層PS12の高さhは基板面内において略一定であるため、液晶層の厚さは一定に保持されている。
(CF基板の製造方法)
図7(a)〜(f)は、本発明に係る実施形態1の液晶表示装置100におけるCF基板2の製造フローを模式的に示す断面図である。
本発明のCF基板2の製造方法においては、CF層6及び積層PS12pの各層は、ドライフィルムラミネート(DFL)法により形成される。ドライフィルムは、感光性樹脂膜(固相レジスト層)の両主面がポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のフィルム支持体で挟持され、構成されている。感光性樹脂膜には、所定の色(例えば、赤、青、緑及び黒)の顔料が分散されている。DFL法で用いられる感光性樹脂膜は、典型的にはネガ型レジスト膜であることが好ましい。
まず、図7(a)に示すように、基板4上に遮光層5を形成する。具体的には、ローラを用い、黒色ドライフィルムを基板4上に押圧しながら貼り合わせた後、そのフィルム支持体を剥離することによって、黒色感光性樹脂膜を基板4上に転写する。この工程は、一般にドライフィルムを加熱しながら樹脂膜を転写する工程、いわゆる熱転写工程である。次に、マスクを介して黒色感光性樹脂膜を露光した後、現像を行い、遮光層5を形成する。
黒色感光性樹脂膜は平坦な基板4上に転写されるため、気泡の発生は起こらず、100℃付近でフィルム支持体をラミネートすることが可能である。しかしながら、ラミネート時の基板内の温度分布を完全に均一にすることは困難であり、通常、面内の基板温度は設定温度に対し、±10℃の幅を持っていると考えられる。従って、黒色感光性樹脂膜を転写する時の基板の設定温度は平均で110〜140℃であることが好ましい。
このとき、基板を150℃以上の高温にすると、レジスト膜中の成分が一部重合を開始し、現像性が低下してしまう。
次に、図7(b)に示すように、第1のCF層7と下地層7pとを同時に形成する。具体的には、遮光層5を形成する方法と同様にローラを用い、第1のCF層7用のドライフィルムを基板4上に押圧しながら貼り合わせた後、フィルム支持体を剥離することによって、感光性樹脂膜を基板4上に転写する。第1のCF層7を貼り付ける場合には基板4上に遮光層5が既に形成されているため、気泡を生じやすいが、面内の基板温度を110℃以上にすることにより、気泡のないCF層パターンを得ることができる。しかしながら、基板内での温度分布を完全に均一にすることは困難であり、通常、面内の基板温度は設定温度に対し、±10℃の幅を持っていると考えられる。従って、感光性樹脂膜を転写するときの基板の設定温度は平均で120〜140℃であることが好ましい。なお、下地層7pは平坦な基板4上に直接貼付けられるため、貼付け温度の違いによって高さ(膜厚)が変化することはない。
続いて、マスクを用いて転写した感光性樹脂膜の露光及び現像を行い、第1のCF層7と下地層7pとを形成する。このとき、下地層7pは、その面積変化に対する積層フォトスペーサ(積層PS)の高さ変化量が0.025μm/μmφ以下となる飽和面積以上の面積を有するように、積層PSの構成に応じて形成される。
続いて、図7(c)に示すように、第2のCF層8を形成する。第2のCF層8は、第2のCF層8用のドライフィルムを用いて、第1のCF層7と同様の方法で形成することができる。感光性樹脂膜を転写するときの基板の設定温度は平均で120〜140℃であることが好ましい。
その後、図7(d)に示すように、第3のCF層9及び中間層(色層)9pを形成する。第3のCF層9は、第3のCF層9用のドライフィルムを用いて、第1のCF層7等と同様の方法で形成することができる。感光性樹脂膜を転写するときの基板の設定温度は平均で120〜140℃であることが好ましい。また、積層PS12pの中間層9pは、下地層7pを覆うように形成される。
本発明のCF基板2は、第3のCF層9の厚みh9に対する積層PSの中間層9pの厚みh9p(以下、「乗り上げ率」ともいう。)が90%以上、110%以下であることが好ましい。すなわち、下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.9≦h9p/h9≦1.1 (1)
続いて、図7(e)に示すように、共通電極10を形成する。共通電極10は、透明導電材料(例えばITO等)を用いてスパッタリング等の方法により、BM5、CF層6(7,8及び9)及び積層PS部の中間層9p上に均一に形成することができる。
その後、図7(f)に示すように、積層PS12pの電極10p上に最上層11pを形成することにより、積層PS12pが完成するとともに、CF基板2が完成する。本実施形態において、積層PS12pの最上層11p用の固相レジスト層もまた、乗り上げ率90%以上、110%以下であることが好ましい。すなわち、下記式(2)を満たすことが好ましい。
0.9≦h11p/h11≦1.1 (2)
なお、本実施形態では、積層部12pの最上層11pは、この層以外に、同一ドライフィルムで形成されるパターンがないので、基板4の一部、例えばガラス面やBM5額縁等の表示に使用せずかつ平坦な部分に別途確認用パターン(高さ:h11)を設け、乗り上げ率:h11p/h11を確認すればよい。
最上層11pのドライフィルムに用いられる感光性樹脂膜は、ポジ型であってもよいし、ネガ型であってもよい。いずれの場合であっても、気泡が起こらないよう、均一に貼り付けることが好ましい。気泡が発生すると、気泡周辺で膜の変形が起こり、気泡の輪郭が現像後にも残渣となって残り、表示不良を引き起こす場合がある。これは、気泡周辺で膜の変形が起こり、局所的に膜厚が厚くなるためと考えられる。
また、熱可塑性樹脂層と中間層を有し、ベースフィルムのみを基板から剥離する形態のドライフィルムにおいて、ポジ型の感光性樹脂を用いる場合には、露光時に発生する窒素ガスがうまく抜けてくれずに気泡となり、パターンに異常を引き起こすことが知られている(例えば、特開2002−341525号公報参照。)。この現象は、ドライフィルムを貼付けるときの基板の温度を120℃以上として、共通電極10pとレジスト層との密着力を向上させることにより軽減することができる。従って、感光性樹脂膜を転写するときの基板の設定温度はCF層6の場合と同じく、平均で120〜140℃であることが好ましい。
上述のようにして形成されたCF基板2は、図7(f)に示すように、高さhの積層PS12pを有し、各層の膜厚について、下記式(3)、(4)及び(5)を満たすことが好ましい。なお、図7(f)中、符号の右肩にダッシュ(’)が付いているのは途中のITOスパッタリングや、11pの焼成等の熱履歴によって、樹脂成分の極一部が気化し、若干の減膜があったことを表しており、下記式(3)、(4)及び(5)における表記も同様とする。このとき、積層PS12p及び通常の絵素部は同じ比率で減膜する。また、下記式(5)中のh11’は、図7(f)中に示されていないが、積層PS12pの最上層11pと同一工程にて基板4上等に形成した層の減膜後の膜厚を表す。なお、図8は、積層部12pの実質形状を示す断面模式図である。
h9’≒h8’≒h7’ (3)
0.9≦h9p’/h9’≦1.1 (4)
0.9≦h11p’/h11’≦1.1 (5)
本実施形態のCF基板によれば、下地層7pのドットサイズが飽和面積以上であることから、所望の高さを有する積層PS12pを得ることができるとともに、下地層7pの面積ばらつきに起因する積層PS12pの高さばらつきを解消することができる。本実施形態のCF基板のより好ましい形態としては、120℃での針入硬度試験における針入量が0.5μm以下である感光性樹脂膜を有するドライフィルムを用いて、積層PS12pの中間層9p及び最上層11pを形成する形態である。このようなドライフィルムを用いて形成すれば、ドライフィルム貼り付け時の基板の温度ばらつきや圧力ばらつきの影響が小さく、また、各層の乗り上げ率:90〜110%の確保も可能となり、積層PS12pの高さばらつきをより効果的に解消することができる。本実施形態のCF基板の更に好ましい形態としては、120℃での針入硬度試験における針入量が0.5μm以下であり、かつ110〜140℃での針入硬度試験における最大針入量と最小針入量との差が1.0μm以下である感光性樹脂膜を有するドライフィルムを用いて、積層PS12pの中間層9p及び最上層11pを形成する形態である。このようなドライフィルムを用いて形成すれば、積層部12pの中間層9p及び最上層11pの乗り上げ率:90〜110%を容易に確保することができ、本発明の作用効果をより容易に得ることができる。
なお、本発明のCF基板の形態としては上述した形態に限定されるものではなく、例えば、共通電極10上に配向制御用突起が形成された形態等が挙げられる。このような形態のCF基板においては、製造工程の簡略化の観点から、積層PS12pの最上層11pは配向制御用突起と同一材料、同一工程にて形成されることが好ましい。
(液晶表示装置の製造方法)
上述のようにして得られたCF基板2と、別途に用意したAM基板1とを、図6に示すように、一方の基板の表示領域の外側に塗布したシール材(図示せず)を介して貼り合わせる。このとき、CF基板2及びAM基板1の表面には配向膜(図示せず)を形成しておく。その後、両基板の間隙に液晶材料3を注入して封止し、液晶表示装置100が完成する。なお、シール材を塗布した方の基板に滴下法によって液晶層3を形成した後、両基板を貼り合わせてもよい。このようにして製造した液晶表示装置100は、ドライフィルムを貼り付けるときに、気泡やムラ、現像残渣の発生がなく、高さが安定した積層PSを有するCF基板を備えることから、セル厚ムラに起因する表示ムラが少ない。
〔実施形態2〕
図9は、実施形態2の液晶表示装置を表示側より平面視したときの様子を示す平面模式図であり、図10は、図9に示す液晶表示装置を線分A−A’にて切断したときの断面模式図である。
図9に示すように、実施形態2の液晶表示装置が有するAM基板1上には、絵素ごとに薄膜トランジスタ(TFT)14が設けられている。TFT14のゲート電極14Gは、透明基板4上に形成された走査配線(ゲートバスライン)16に電気的に接続されており、TFT14のソース電極14Sは、走査配線16と交差する方向に形成された信号配線(ソースバスライン)18に電気的に接続されている。また、TFT14のドレイン電極14Dは、信号配線18やTFT14を覆うように形成された層間絶縁膜19に設けられたコンタクトホール19aを介して画素電極20に電気的に接続されている。本実施形態の液晶表示装置では、コンタクトホール19aは補助容量配線21が形成された領域上に設けられている。
層間絶縁膜19は、例えば感光性アクリル樹脂から形成されており、図10に示すように、層間絶縁膜19上に画素電極20を設けると、画素電極20を走査配線16及び信号配線18と部分的に重ねて配置することができるようになり、開口率を向上させることができるという利点が得られる。
(CF基板の構造)
上述したように、下地層の面積を調整して、積層PSの安定した高さを得ようとする場合、下地層の面積を充分に大きくする、すなわち飽和面積以上にする必要がある。しかしながら、単に遮光層を積層PSの下地層としてのみに利用する積層PSでは、積層PSからの光漏れによる開口率の低下を低減することができるものの、下地層の面積を大きくすると、開口率の低下が生じてしまう。
実施形態2の液晶表示装置が有するCF基板2は、透明基板4と、透明基板4上に設けられた遮光層5(最下層、下地層、色層)及びCF層(色層)6と、遮光層5及びCF層6を覆うように設けられた共通電極(透明電極)10と、共通電極10上に設けられた間隔保持用樹脂層(色層)11pとを有している。遮光層5は、図9に示すように、AM基板1のTFT14と対向する領域に、TFT14を遮光するためのTFT遮光部5’を有している。そして、このTFT遮光部5’に重なるように、感光性樹脂からなる積層PS12pが形成されている。
実施形態2の液晶表示装置では、TFT遮光部5’は、TFT14を遮光する役割を果たすために充分に大きな面積(飽和面積以上)を有するとともに、積層PS12pの下地層としても機能することから、不要な開口率の低下を招くことなく、積層PS12pの高さを充分に高くすることができるとともに、その高さばらつきも低減することができる。また、本実施形態の液晶表示装置では、積層PS12pは、図10に示すように、画素電極20に重ならないように配置されている。このような構成を採用することで、積層PS12pの下に位置する共通電極と画素電極20との短絡の発生を抑制することができ、表示装置の電気的信頼性を向上することができる。なお、セルギャップの均一化の観点から、積層PS12pは、AM基板1の表面の凹凸を考慮し、AM基板1の表面のうち、平坦性が得られやすい領域に対向するように配置することが好ましい。例えば、図10に示すように、積層PS12pを走査配線16、ゲート絶縁膜17及び層間絶縁膜19の積層構造体に接触するように配置し、平坦性を得られにくい走査配線16と信号配線18との交差部に重ならないように配置することが好ましい。
以下に実施例を掲げ、本発明について図面を参照しながら更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1〜4、比較例1〜4>
(ドライフィルムの針入硬度試験)
まず、実施例1〜4及び比較例1〜4にて使用したドライフィルム(DF)の膜硬度について説明する。
図4は、ドライフィルム(DF)の固相レジスト層の膜硬度を測定するのに用いた直径3.3μmの白金−ロジウム抵抗体を先端曲げ角度120°、先端曲率R=2.5μmでV字型に折り曲げてなるサーマルプロ−ブの先端形状を示す模式図である。
図11は、実施例1〜4及び比較例1〜4にて使用したドライフィルムの固相レジスト層の膜硬度の温度特性を示すものである。具体的には、上述したサーマルプロ−ブを荷重1.0×10−5Nにて押し当てたときの当該サーマルプロ−ブの固相レジスト層への針入量を温度毎にプロットしたものである。図11について、ドライフィルム1〜3は青色のネガ型レジスト層を有するものであり、ドライフィルム4は積層PSの最上層(ITO上)に配置するポジ型透明レジスト層を有するものである。各ドライフィルムの固相レジスト層の120℃における針入量と、110〜140℃における最大針入量と最小針入量との差を表1に示す。
Figure 0004407926
表1に示すように、ドライフィルム1は120℃における針入量が0.5μmを超え、110〜140℃における最大針入量と最小針入量との差も1.81μmと大きかった。また、ドライフィルム2は、120℃における針入量が0.5μm以下であったが、110〜140℃における最大針入量と最小針入量との差は1.23μmであり、1.0μmを超えた。また、ドライフィルム3は、120℃における針入量が0.1μmよりも小さく、110〜140℃における最大針入量と最小針入量との差も0.93μmと1.0μm以下であった。そして、ドライフィルム4は120℃の針入量が0.5μm以下であり、かつ110〜140℃における最大針入量と最小針入量との差が1.0μm以下であった。
(ドライフィルムの貼り付け温度の検討)
次に、上述のドライフィルム1〜4について、ラミネート時の基板の設定温度とラミネート気泡の有無、及び現像残渣の関係を調べた。その結果を表2に示す。なお、ラミネート装置としては、日立テクノ社製のドライコーターを用いた。
Figure 0004407926
表2に示すように、ドライフィルム1〜3は基板の設定温度が120℃以上でないとラミネート気泡の発生を抑えることができなかった。一方、ドライフィルム4は基板の設定温度が110℃でラミネート気泡の発生がなかったものの、120℃まで上げないと、窒素ガス等の露光気泡の影響によるパターン異常を防ぐことができなかった。
(ドットサイズ−積層PS高さの相関調査)
赤色層/青又は緑色層/透明層をこの順に積層してなる積層PSについて、最下層(赤色層)のドットサイズを様々な値に調整しながら、第2層は、ドライフィルム1〜3のいずれかを用いて形成し、最上層は、ドライフィルム4を用いて形成し、得られた積層PSの高さを測定した。その結果を図5−1に示す。なお、図5−1において、横軸は下地層である1層目の面積そのものである。また、積層PSを基板面法線方向から見たときの各層の配置状態を示す模式図を図12に示す。また、積層PSを製造する際の製造条件については、表3に示すとおりである。
Figure 0004407926
図5−1に示すように、積層PSの2層目を形成するのに用いたドライフィルムの膜硬度が異なると、積層PSの高さが飽和点に達する下地層(赤色層)のドットサイズが異なることが分かる。積層PSの2層目を形成するのに、ドライフィルム1(材料B)を用いた場合では、Rドットサイズが29μm以上で積層PSの高さが安定領域に入ることが分かった。ドライフィルム2(材料C)を用いた場合では、Rドットサイズが23μm以上、ドライフィルム3(材料A)を用いた場合では、Rドットサイズが25μm以上で、それぞれ積層PSの高さが安定領域に入ることが分かった。
(積層フォトスペーサの作製及び表示ムラの評価試験)
以上のような特性を有するドライフィルム1〜4を用いて、実施例1〜4にて3層構成の積層PSを作製した。また、同様にドライフィルム1〜4を用いて、比較例1〜4にて3層構成の積層PSを作製した。これらの作製した積層PSの製造条件(表3を参照)、各層の重なり方等は全て同じである。
積層PSの各層の乗り上げ率及び積層PSの高さ、並びに、各積層PSを備えた液晶表示装置のムラ発生状況の結果を表4に示す。なお、表4中のDF0とは、積層PSの最下層(赤色層)の形成に用いたドライフィルムを表す。また、実施例1〜4及び比較例1〜4にて用いたラミネート装置でのパターン形成領域の基板温度分布を測定したところ、設定温度に対して±10℃の幅を有していた。
Figure 0004407926
表4に示すように、第1層のドットサイズが23.5μmφである比較例1の積層PSでは、2層目の乗り上げ率が67%と低くなっていた。また、比較例1の積層PSでは、積層PSの高さが(狙い値:3.5±0.2μmに対して)2.89μmと低いばかりか、液晶表示装置にした場合に積層PSの高さばらつきに由来するセル厚ムラが、表示ムラとして実用上問題となるレベルではっきりと視認された。また、第1層のドットサイズが25.0μmφである比較例2の積層PSでは、2層目の乗り上げ率が83%であり、比較例1の場合に比べ乗り上げ率が向上されたものの、液晶表示装置にした場合の表示ムラは依然、実用上問題となるレベルで視認された。これに対し、第1層のドットサイズが29.5μmφである実施例1の積層PSでは、2層目の乗り上げ率が102%となり、液晶表示装置での積層PSの高さばらつきに起因するセル厚ムラは、実用上問題となるレベルではなかった。以上の結果から分かるように、第1層のドットサイズを、(2層目の膜硬度に依存する)飽和面積(29μmφ)以上とすることにより、実用上問題ない表示品位の液晶表示装置を得ることができる。なお、比較例3と実施例2、及び、比較例4と実施例3,4とでも、同様の本発明の作用効果を確認することができた。
従来のドライフィルムラミネート法による積層PS形成過程において、基板温度120℃付近以上でのレジスト層の挙動を示す断面模式図である。 (a)〜(d)は、下地層のサイズの定義を説明するための図である。 最下層(R)のドットサイズと積層フォトスペーサ(R/B/透明層、又は、R/G/透明層)の高さ及びセルギャップとの相関を示す図である。 針入硬度試験に使用されるサーマルプローブの先端形状を示す模式図である。 積層フォトスペーサ(R/B/透明層、又は、R/G/透明層)の高さと最下層(R)のドットサイズとの相関を示す図である。 図5−1中の材料A、材料B及び材料Cについて、針入硬度試験の結果を示す図である。 本発明に係る実施形態1の液晶表示装置の断面構造を示す模式図である。 本発明に係る実施形態1のカラーフィルタ基板の製造方法を示す断面模式図である。 本発明に係る実施形態のカラーフィルタ基板における積層部断面の実質形状を示す模式図である。 本発明に係る実施形態2の液晶表示装置の平面構造を示す模式図である。 図9に示す液晶表示装置を線分A−A’にて切断したときの、アクティブマトリクス基板側の断面構造を示す模式図である。 実施例1〜4又は比較例1〜4にて使用した各ドライフィルム(DF)の固相レジスト層の針入特性を示す図である。 積層PSを基板面法線方向から見たときの各層の配置状態を示す模式図 である。
符号の説明
1:アクティブマトリクス(AM)基板
2:カラーフィルタ(CF)基板
3:液晶
4、21:透明基板
5:遮光層(ブラックマトリクス、非積層部を構成する色層)
5’:TFT遮光部
6:着色層(非積層部)
7:第1のCF層(非積層部を構成する色層)
7p:第1のCF層(最下層、積層PSを構成する色層)
8:第2のCF層(非積層部を構成する色層)
9:第3のCF層(非積層部を構成する色層)
9p:第3のCF層(積層PSを構成する色層)
10:共通電極(透明電極)
10p:(積層PS内に形成された)共通電極
11p:最上層
12p:積層PS(積層部)
14:薄膜トランジスタ(TFT)
14D:ドレイン電極
14G:ゲート電極
14S:ソース電極
16:走査配線(ゲートバスライン)
17:ゲート絶縁膜
18:信号配線(ソースバスライン)
19:層間絶縁膜
19a:コンタクトホール
20:画素電極
21p:下地層
22:平坦部
22p:(下地層21上の)固相レジスト層
23:補助容量配線
35:サーマルプローブ
100,200:液晶表示装置

Claims (10)

  1. 基板上に、2以上の色層が平面的に並設された領域と、2以上の層で構成され、該色層の少なくとも一つを含んでなる積層部とが設けられたカラーフィルタ基板であって、
    該積層部は、23μmφ以上の面積を有する下地層上に、針入量が0.1μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成された樹脂層が積層された積層構造を含むものであり、
    該針入量は、120℃条件下で、直径3.3μmの白金−ロジウム抵抗体を先端曲げ角度120°、先端曲率R=2.5μmでV字型に折り曲げてなるサーマルプローブを荷重1.0×10 −5 Nで試験対象の膜に押し当て、当該サーマルプローブが膜内に進入した距離である
    ことを特徴とするカラーフィルタ基板。
  2. 前記固相レジスト層は、110〜140℃での針入硬度試験における最大針入量と最小針入量との差が1.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ基板。
  3. 前記カラーフィルタ基板は、積層部の最上層よりも下層に透明電極を備えたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のカラーフィルタ基板。
  4. 前記カラーフィルタ基板は、液晶の配向制御用突起を有するものであり、
    前記積層部は、配向制御用突起を構成する樹脂からなる層を含んでなる
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  5. 前記積層部は、最上層が配向制御用突起を構成する樹脂からなる層により構成され、かつ最上層以外の層が着色層を構成する色層により構成されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  6. 前記積層部を構成する層の膜厚は、基板上に平面的に設けられた対応する層の膜厚の90%以上、110%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のカラーフィルタ基板。
  7. 基板上に、2以上の色層が平面的に並設された領域と、2以上の層で構成され、該色層の少なくとも一つを含んでなる積層部とが設けられたカラーフィルタ基板を製造する方法であって、
    該カラーフィルタ基板の製造方法は、積層部を構成する下地層を形成する工程と、下地層上に樹脂層を熱圧着により形成する工程とを含むものであり、
    該下地層の形成工程は、23μmφ以上の面積で下地層を形成するものであり、
    該樹脂層の形成工程は、針入量が0.1μm以下の固相レジスト層を有するドライフィルムを用いて形成するものであり、
    該針入量は、120℃条件下で、直径3.3μmの白金−ロジウム抵抗体を先端曲げ角度120°、先端曲率R=2.5μmでV字型に折り曲げてなるサーマルプローブを荷重1.0×10 −5 Nで試験対象の膜に押し当て、当該サーマルプローブが膜内に進入した距離である
    ことを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載のカラーフィルタ基板、又は、請求項7記載のカラーフィルタ基板の製造方法により製造されたカラーフィルタ基板を備えてなることを特徴とする液晶表示装置。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載のカラーフィルタ基板と、対向基板とが、液晶層を介して対向して配置されてなる液晶表示装置であって、
    該カラーフィルタ基板は、積層部の少なくとも一部が対向基板と接触している
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載のカラーフィルタ基板と、遮光性の領域を有する対向基板とが、液晶層を介して対向して配置されてなる液晶表示装置であって、
    該カラーフィルタ基板の積層部は、対向基板の遮光性の領域に重畳して形成されている
    ことを特徴とする液晶表示装置。
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