JP4407356B2 - オーディオ機器 - Google Patents

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Description

本発明は,オーディオ機器に係り,詳細には容易な操作入力と機器状態の視覚的把握を可能とするオーディオ機器に関する。
一般に,オーディオ機器は,音楽記憶媒体を再生する再生部,この再生された信号を増幅するアンプ部,増幅された信号を出力するスピーカー部,そしてこれらを操作する操作部の各構成要素を有している。このようなオーディオ機器として,別体に形成された各構成要素を組み合わせたもの,もしくは,各構成要素を一体に形成されたものが利用される。
上記のオーディオ機器では,押圧,回動および滑動によるメカニカルな可動スイッチが設けられ,この可動スイッチを直接動作することによって選曲や音量の変更を行っていた。上記のような可動スイッチでは,操作部を視覚的に認知し,正確に動作させる必要があった。
また,近年では,ユーザの手の形状や姿勢を認識する認識装置を利用し,直接可動スイッチを触れることなく,手や姿勢のジェスチャーによってオーディオ機器に対する操作を行う技術も知られている(例えば,特許文献1)。
しかし,上記の認識装置を利用する方法では,事前に手の形状や姿勢を登録する必要があり,認識装置のコストの割に認識に関する制限が多く,認識度を高く維持するのが難しいという問題があった。また,離れた場所から操作できる反面,ユーザが「何をどのように」操作しているかを直感的に把握することができなかった。
特開2001−56861号公報
本発明は,従来のオーディオ機器が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,ユーザがオーディオ本体を動かすというダイナミックなユーザインターフェースによって,直感的かつ容易な操作を行うことが可能な,新規かつ改良されたオーディオ機器を提供することである。
また,本発明の他の目的は,オーディオ本体が滑動することによるオーディオ機器本体自体の変化によって,ユーザが設定した時間の経過を離れた位置から視覚的に把握できる,新規かつ改良されたオーディオ機器を提供することである。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,筐体と,前記筐体に埋設されユーザの操作入力を検知する信号検知手段と,前記信号検知手段の操作入力に応じてオーディオ信号を生成する信号生成手段と,前記筐体表面の少なくとも一部に設けられ前記信号生成手段で生成されたオーディオ信号を音として出力する信号出力手段と,を有するオーディオ部と;前記オーディオ部を滑動自在に支持するオーディオ支持部と;を備え,前記オーディオ部は,前記オーディオ部とオーディオ支持部の相対的位置を検出する位置検出手段をさらに備え,前記信号生成手段は,前記信号検知手段の操作入力とともに前記位置検出手段の相対的位置によるアナログ量に応じてオーディオ信号を生成し,押圧,回動および滑動による可動スイッチを外観上有さず,かつ,取り出し式に内蔵していないことを特徴とする,オーディオ機器が提供される。上記筐体は,直方体や円柱等の単調な形状で一方向に長く形成される。このように本体そのものをインターフェースとして形成した構成により,ユーザによるダイナミックな操作入力やオーディオ機器の状態の容易な視覚的把握が可能となる。また,上記取り出し式とは,上記の可動スイッチを一旦筐体内部に収納し,オーディオ機器の使用時に外部に引き出して利用することをいう。また、上記オーディオ部は,上記オーディオ部とオーディオ支持部の相対的位置を検出する位置検出手段を備えることにより上記信号検知手段とは別に,ユーザによる操作を受け付けることができる。上記信号検出手段は,0または1といった1bitのディジタル情報を得ることができるのに対して,本位置検出手段は,オーディオ部の位置によるアナログ量を得ることができる。
上記信号検知手段として,ユーザによる操作入力を検知する1または2以上の入力検知手段を備えるとしても良い。上記入力検知手段は,ユーザの操作入力に対して1bitの情報,例えば0または1を出力することができる。また,入力検知手段は,上記オーディオ部の一部,例えば左右に各1つずつ設けることも可能である。
ただし,かかる入力検知手段は,押圧,回動および滑動による可動スイッチではなく,電源切断時には外観からそれが入力検知手段であることを意識させないように形成される。ここで押圧による可動スイッチとは,プッシュスイッチ,ロックスイッチ等をいい,回動および滑動による可動スイッチとは,音量の絶対値や音量の左右のバランスを変更でき,その状態を視認できる調整スイッチをいう。
このような入力検知手段は,被検知手段が接しているのを検知する接触センサ,例えば,オーディオ機器の表面に設けられた温度センサであっても良く,オーディオ機器に触れたことにより温度の変化を検知し,その触れたタイミングで操作入力を特定するとしても良い。また,入力検知手段として,抵抗値の変化を検知するセンサを利用することもでき,オーディオ機器に触れたことにより抵抗値の変化を検知し,その触れたタイミングで操作入力を特定するとしても良い。その他にもローテーション(角度)センサや静電センサなど様々なセンサを用いることができる。
また,視認および押しやすい配置を必要とする可動スイッチを設けていないので,従来受けていた可動スイッチによる意匠的な制限が無い。即ち,従来は,ユーザが視認し易く,さらに操作しやすい位置に可動スイッチを設けなくてはならないという制限があり,それを前提にオーディオ機器の外観を創作しなければならなかった。当該オーディオ機器は,この様な制限が無いので,自由な観点で形状を創作できる。
また,従来のオーディオ機器は,再生部,操作部,表示部,スピーカー部等が外観上露出し,それがオーディオ機器であることを容易に把握できた。本発明によるオーディオ機器はオーディオ部に信号生成手段,信号出力手段,信号検知手段等の各手段を消し込み,従来のオーディオ機器との外観上の差別化を図ることを目的としている。これによって,ユーザの意識をオーディオ機器であるという固定の観念から遠ざけることができる。
また,上記オーディオ機器は,上記オーディオ部とオーディオ支持部の相対的位置(位置検出手段)と上記オーディオ信号に関しての操作入力(信号検出手段)とによって操作されるとしても良い。
かかる構成により,オーディオ部本体を左右に動かし,オーディオ部本体左右に設けられた信号検出手段に触れるといった,ユーザによるダイナミックな操作入力が可能になる。この操作入力は,大きく,タイマーモード,再生モード,音量制御の3つに分けることができる。上記位置検出手段によるオーディオ部の位置によって,上記タイマーモードではオーディオ機器で再生する音楽コンテンツの総時間を設定でき,上記再生モードでは再生するアーティスト,アルバム,楽曲等をシーケンスに選択でき,上記音量制御では音量の度合いを視覚的に調整できる。
上記のオーディオ部本体を動かすといったダイナミックなユーザインターフェースによるユーザの操作入力は,オーディオ部の位置とユーザの欲する動作が感覚的に一致し,ユーザが「何をどのように」操作しているかを直感的に理解することができる。さらに,上記のオーディオ部を「このように動かしたら,こんな操作ができるのでは」といった感覚的に予想できる操作にすることで,高齢者や子供を含む様々なユーザでも容易に操作できる操作方法を提供することが可能となる。
また,上記筐体の外面に埋設され,オーディオ機器に関する情報を表示する情報表示手段をさらに備え,上記情報表示手段は,筐体外観を形成する膜に覆われ,上記オーディオ機器の電源切断時に,オーディオ機器の外観に現れず,上記オーディオ機器の電源投入時に,上記筐体外観を形成する膜を透過して上記オーディオ機器に関する情報を表示するとしても良い。
上記の情報表示手段は,例えば,発光素子による表示手段をオーディオ部の上部に設け,その表示手段の外側に薄い膜を積重することによって形成される。かかる構成により,上記情報表示手段は,オーディオ機器の電源切断時に上記薄い膜に覆われその外観が意識されない。上記薄い膜は,オーディオ機器全体として統一された色彩や模様による膜であっても良い。
また,このような情報表示手段は,上記信号検知手段を利用するユーザから見易い位置に設けることができる。従って,ユーザは,オーディオ部の滑動および信号検知手段への接触による操作入力の結果を上記情報表示手段によって確認することができ,ユーザの意図する操作がなされているという安心感を得ることができる。
上記オーディオ部は,電気的動力を与えて上記オーディオ部を滑動するオーディオ駆動手段をさらに備えることができる。かかる構成により,オーディオ部をその長手方向に対して左右に自動動作させることができ,オーディオ部そのものを使って様々なオーディオ機器の状態を表現することができる。これにより,ユーザは,上述の情報表示手段を見るまでもなく,離れた位置からオーディオ機器の状態を視覚的に把握することができる。
上記様々な状態の一例として,上記オーディオ部が滑動することによる上記オーディオ部とオーディオ支持部の位置関係によって時間の経過が把握できるとしても良い。例えば,上記に示したタイマーモードにおいて,ユーザがオーディオ機器で再生する音楽コンテンツの総時間を設定した場合,その位置からオーディオ部が自動的に駆動し,オーディオ部の原点位置まで等速度で移動する。この間,ユーザは,離れた位置から音楽コンテンツの再生残時間を視覚的に把握することができる。
また,上記オーディオ部が滑動することによる上記オーディオ部とオーディオ支持部の位置関係と,再生時間の経過とは線形の関係にあるとしても良いし,非線形の関係にあるとしても良い。上記線形の関係とは,上述したタイマーモードにおいて,ユーザが設定した位置から原点位置までのオーディオ部の移動が時間の経過と比例していることを示す。即ち,ユーザが設定した位置と原点位置との中央にオーディオ部があるときは,音楽コンテンツの再生時間がユーザの設定した総時間の半分になったことを示す。また,上記非線形の関係とは,オーディオ部の移動に動的変化をもたらすため,例えば,オーディオ部の移動速度を変化させるものである。
この速度変化は,タイマーモードにおいて,例えば,再生開始直後に等速度(低速)で滑動し,中央にある程度近づくと加速し,さらに中央から遠ざかると減速し,原点付近でさらに等速度(低速)で推移する,といったことが考えられる。かかる変化により,再生の経過時間をより一層容易に把握できる。この他にも,様々な速度変化を本発明に適応できる。
さらに,上記オーディオ部は,重力によってオーディオ支持部を滑動するとしても良い。かかる場合,オーディオ部の長手方向を鉛直方向に設置し,例えば,タイマーモードにおいて,オーディオ部が鉛直上向きに設定された位置から鉛直下向きに動かされる。かかる構成により,上記のようなオーディオ駆動手段を設ける必要も無くなる。
また,かかるオーディオ部が移動する構成により,一体として形成される上記信号出力手段も移動し,音の聞こえてくる方向が時々刻々変化するといった不思議な現象を作り出すことができる。
また,上記筐体内に設けられ,別体の電子機器と無線によるデータ通信を行う無線通信手段をさらに備え,上記信号生成手段は,上記別体の電子機器からのデータをオーディオ信号に変換するとしても良い。
かかる構成により,当該オーディオ機器で利用する音楽コンテンツを予め内部に記憶しておく必要がなくなる。また,上記別体の電子機器は,当該オーディオ機器と独立して動作することが可能であるから,オーディオ機器の音楽再生中に音楽コンテンツの追加,削除,置換,編集を並行して行うことができる。また,上記無線通信手段を加えることによって,当該オーディオ機器をワイヤレス化することも可能となる。
上記オーディオ部の体積は,上記オーディオ支持部の体積の5倍以上であるとしても良い。このようにオーディオ部をオーディオ支持部の体積と比較して大きくとることにより,オーディオ支持部は単にオーディオ部を支持するものであり,オーディオ部本体がオーディオ機器そのものであるという感覚をユーザに与えることができる。このことにより,オーディオ機器そのものを動かして操作する,また,オーディオ機器そのものが動いてそのオーディオの状態が表現されるといった感覚をより一層深めることが可能となる。また,このために上記オーディオ部は,上記オーディオ支持部の体積の7倍以上,10倍以上とすることもできる。この体積比は,当該オーディオ機器に必要な各手段の占有体積と,オーディオ部の重量に応じたオーディオ支持部の剛性によって調整することが可能である。
上記筐体の外観は,単一の色彩からなるとしても良いし,単一の模様からなるとしても良い。かかる構成により,オーディオ機器であることを意識させない外観を形成できる。また,上記筐体を木目調に統一するなどの手段を講じることにより,金属を含んでいることや電子機器であることすら意識されないような柔らかい外観を形成することも可能になる。上述したように,当該オーディオ機器は意匠的な制限が少なく,設置する場所の雰囲気に応じて様々な外観を形成することができ,当該オーディオ機器をあらゆる場所に違和感なく設置することが可能になる。
以上説明したように本発明によれば,ユーザがオーディオ機器そのものを動かすというダイナミックなユーザインターフェースによって,直感的かつ容易な操作を行うことが可能となる。また,当該オーディオ機器は,オーディオ本体が滑動することによるオーディオ本体自体の変化によって,オーディオ機器の状態の変化を離れた位置から視覚的に把握できる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態:オーディオ機器)
従来のオーディオ機器は,その金属的な外観から直ぐにオーディオ機器であることを認識でき,上記従来のオーディオ機器の表面に設けられた様々なスイッチによって,当該オーディオ機器を操作できるであろうことが容易に推測できた。
本実施形態のオーディオ機器は,従来そうであったオーディオ機器としての外観,例えば,電子機器であることの金属感,視認および可動を必要とするスイッチ,明示的に情報が表示されるディスプレイ,所定の領域を占有してしまうスピーカー等の概念を捨て,オーディオ機器であることを意識させないという観点からその形状や構成を創作している。
しかしながら,本実施形態のオーディオ機器は実質的に,操作入力部,無線通信部,制御部,表示部,スピーカーを備える。
図1は,本実施形態におけるオーディオ機器100の外観を理解するための斜視図である。図1では,オーディオ機器100が三脚114に支持されている。
図2は,上記オーディオ機器100の各要素を理解するための組立図である。上記オーディオ機器100は,オーディオ部110とオーディオ支持部112とから構成される。上記オーディオ部110は,全体が統一された色彩で表され,直方体の柱を横に寝かせたような外観を有している。上記オーディオ支持部112は,オーディオ部110を滑動自在に支持する。上記三脚114は,オーディオ支持部112の底面中心に脱着可能に取り付けられている。また,上記オーディオ機器100の設置は,上記三脚114等のスタンドに限られず,上記オーディオ支持部112を直接床や壁に設置することも考えられる。
筐体であるオーディオ部110は,外観上何ら特別な機能部を有さないように見える構成であるから,内蔵物,例えば,オーディオ機器であれば,音楽記憶媒体を再生する再生部,この再生された信号を増幅するアンプ部,増幅された信号を出力するスピーカー部,そしてこれらを操作する操作部の各構成要素が存在しないように思える。このようにオーディオ機器であることを意識させない外観を利用して,あらゆる場所に違和感なく設置することが可能になる。
図3A,Bは,上記のオーディオ機器100の外観を詳細に説明するための6面図である。その内,図3Aはオーディオ部110の6面図を,図3Bはオーディオ支持部112の6面図を示している。かかる図3Aは,正面図120,平面図122,背面図124,底面図126,左側面図128,右側面図130からなる。
図3Aを参照すると,オーディオ部110は,各面において突起物を有さず,単調な形状をしているのが理解される。上記平面図122上に一点鎖線で表されているのは情報表示手段132であるが,実際には筐体の表面に埋設され,当該オーディオ機器100表面には外観として現れない。かかるオーディオ部110の大きさは,幅Wを600mm,高さHを60mm,奥行きDを80mmとすることができる。
図3Bは,正面図136,平面図138,背面図140,底面図142,左側面図144,右側面図146からなる。図3Bを参照すると,オーディオ支持部112は,オーディオ部110の底面と背面を支持できるような大きさに形成される。従って,かかるオーディオ支持部部112の大きさは,幅Wを120mm,高さHを100mm,奥行きDを120mm,オーディオ支持部112の厚みであるT1,T2を40mmとすることができる。右側面図146に表されている傾斜部148は,オーディオ支持部112の存在をオーディオ機器100から可能な限り消すための工夫である。これによってオーディオ部110を本体として強調することが可能となる。
また,上記オーディオ部110やオーディオ支持部112は,アルミ等の金属またはプラスチックの材質で構成され,表面をコーディングすることも可能である。さらに,筐体表面を単一の例えば白,黒,赤,青,黄といった色彩や単一の例えば,木目調,コルク調といった模様で表すこともできる。
上記図3A,Bでは,オーディオ部110とオーディオ支持部112との連結部や三脚114等をオーディオ支持部112に結合する場合の連結部を記載していないが,従来の様々な技術を利用して上記連結部を形成することができる。例えば,オーディオ部110の底面と背面にガイドレールを設け,さらにオーディオ支持部112にそのガイドレールと勘合する勘合部を設け,滑動自在に支持させたり,オーディオ支持部112と三脚114をねじ機構を利用して連結させたりすることができる。
次に,このようなオーディオ機器100を含むオーディオシステム全体を説明する。
(オーディオシステム)
図4は,オーディオシステムを概略的に示したブロック図である。上記オーディオシステムは,通信網150に接続されたサーバ152と,オーディオ機器100とを含んで構成される。
上記通信網150は,例えば公衆回線網であるインターネットのネットワーク網を含み,電話回線等によりサーバ152や他の端末が接続される。この通信網150は,音楽コンテンツ配信業者のサーバ等にも接続されている。従って,サーバ152は,当該通信網150を介して音楽コンテンツをダウンロードすることができる。
上記サーバ152は,音楽コンテンツ等のオーディオデータを,通信網150や音楽記憶媒体読み取り装置等から読み出し,サーバ152が保有する記憶媒体に保存している。サーバ152は,オーディオ機器100に対してワイヤレスLANやNFC(Near Field Communication)等の無線によりオーディオデータを送信する(図4では点線で表される。)。また,サーバ152は,オーディオ機器100と独立した処理を行うことが可能であるから,オーディオ機器100がその機能により音楽コンテンツを再生している時に,他の音楽コンテンツの追加,削除,置換,編集を並行して行うことができる。
上記オーディオ機器100は,無線通信手段160と,信号生成手段162と,信号検知手段164と,位置検出手段166と,情報表示手段168と,信号出力手段170,オーディオ駆動手段172とを含んで構成される。
上記無線通信手段160は,サーバ152から送信されるオーディオデータを無線経路を介して受信する。本実施形態において,オーディオ機器100は,オーディオデータを無線通信手段160で受信しつつリアルタイムに再生を行うストリーミング再生が実施される。このように無線通信手段160を介して,逐次音楽コンテンツを入力する構成により,オーディオ機器100で上記音楽コンテンツを記憶する構成をとる必要がなくなる。また,無線通信手段160は,信号検知手段164から入力されたユーザの操作入力をサーバ152に送信する機能も有している。このような無線通信手段160によって上記オーディオ機器100をワイヤレスに構成することも可能となる。
上記信号生成手段162は,オーディオ制御部174と,アンプ部176とを備える。上記オーディオ制御部174は,無線通信手段160で受信されたオーディオデータをオーディオ信号に変換する。また,信号検知手段164からの操作入力を,無線通信手段160を介してサーバ152に送信する。上記アンプ部176は,オーディオ制御部174によって変換されたオーディオ信号を増幅し,信号出力手段170に送信する。また,オーディオ機器100が音楽記憶媒体を内蔵している構成をとっている場合は,その再生手段も含むとしても良い。
上記信号検知手段164は,複数の入力検知手段178を備え,その入力検知手段178によってユーザの操作入力を検知する。入力検知手段178は,ユーザの操作入力に対して1bitの情報,例えば0または1を出力することができる。かかる入力検知手段178は,押圧,回動および滑動による可動スイッチではなく,電源切断時には外観からそれが入力検知手段178であることを意識させないように形成される。
この入力検知手段178は,オーディオ機器100の表面に設けられた温度センサや抵抗値の変化を検知するセンサであっても良い。ユーザは,このようなセンサに触れることによってオーディオ機器100を操作することができる。
また,上記のような入力検知手段178は,筐体に消し込まれ,電源切断時には外観からそれが入力検知手段178であることが分からない。本実施形態の目的の1つは,オーディオ機器であることを意識させないことである。従って,正確な位置を把握しなければならない押圧,回動および滑動による可動スイッチを使用しないで,ユーザによる曖昧な操作入力を許容する上記の入力検知手段178を使用することは,むしろ目的に叶っていると言える。
従来のオーディオ機器を含む近年の電子機器では,機能の増加に従ってその機能を操作するために設けられたスイッチが煩雑に増加している。従って,本来,そのような高度な機能を必要としていないユーザも,多くのスイッチから必要なスイッチを選択しなければならない。このような不満を解消するために,少ないスイッチで直感的に操作できるユーザインターフェースを設けることが今後の課題となる。本実施形態では,そのような少ないスイッチで構成されるユーザインターフェースを物理的に落とし込むことを試みた。これが,上記信号検知手段164や後述する位置検出手段166で表される。
上記位置検出手段166は,オーディオ部110とオーディオ支持部112との滑動による相対的位置を検出する。かかる位置検出手段166は,信号検知手段164とは別にユーザによる操作を受け付けることができる。信号検出手段164は,0または1といった1bitのディジタル情報を得ることができるのに対して,位置検出手段166は,オーディオ部の位置によるアナログ量を得ることができる。
上記のような位置検出手段166や信号検出手段164によって,即ち,オーディオ部110とオーディオ支持部112の相対的位置とオーディオ信号に関しての操作入力とによってオーディオ機器100は操作される。かかる構成により,オーディオ部本体を左右に動かし,オーディオ部本体左右に設けられた信号検出手段に触れるといった,ユーザによるダイナミックな操作入力が可能になる。
この操作入力は,大きく,タイマーモード,再生モード,音量制御の3つに分けることができる。位置検出手段166によるオーディオ部110の位置によって,上記タイマーモードではオーディオ機器で再生する音楽コンテンツの総時間を設定でき,上記再生モードでは再生するアーティスト,アルバム,楽曲等をシーケンスに選択でき,上記音量制御では音量の度合いを視覚的に調整できる。
上記情報表示手段168は,オーディオ機器100の上部外側表面近傍に埋設され,オーディオ機器100に関する情報,例えば,音楽コンテンツのコンテンツ名,演奏時間,操作結果等を文字,数字その他の記号によって表示する。本実施形態においては,発光素子による表示手段がオーディオ機器100に埋設され,その上部がオーディオ機器100の外装と等しい薄い膜で覆われている。このような構成により,情報表示手段168は,電源切断時には,オーディオ機器100の外観から確認されず,電源投入時には,表面の薄い膜を透過してオーディオ機器100に関する情報を表示する。
上記信号出力手段170は,オーディオ部110筐体の前面もしくは側面に備えることができ,振動板素材により信号生成手段162から送信されたオーディオ信号を音出する。かかる信号出力手段170も本筐体と一体に形成され,オーディオ機器であることを意識させないように設けられる。
上記オーディオ駆動手段172は,電気的動力により,オーディオ支持部112に対してオーディオ部110を滑動する。このオーディオ駆動手段172によってオーディオ部110をその長手方向に対して左右に動作させることができ,オーディオ部110そのものを使って様々なオーディオ機器の状態を表現することができる。これにより,ユーザは,上述の情報表示手段168を見るまでもなく,離れた位置からオーディオ機器100の状態を視覚的に把握することができる。例えば,オーディオ部110とオーディオ支持部112の位置関係によって,ユーザは離れた位置から時間の経過,即ち音楽コンテンツの再生残時間を視覚的にが把握できる。
上記の再生残時間の把握は,時間の経過に比例してオーディオ部110が原点位置に戻ることによって把握される。ここで,オーディオ部110とオーディオ支持部112との位置関係が比例しない,即ち非線形の関係で形成することもできる。ここで非線形の関係とは,オーディオ部110の移動速度をある関数に従って変化させることである。この速度変化は,例えば,上述したタイマーモードにおいて,再生開始直後に等速度(低速)で滑動し,中央にある程度近づくと加速し,さらに中央から遠ざかると減速し,原点付近でさらに等速度(低速)で推移することで行われる。かかる変化により,再生の経過時間をより一層容易に把握できる。この他にも,様々な速度変化を本発明に適応できる。
また,上記オーディオ駆動手段172は,電動の回転式モータやリニアモータによる駆動手段であっても良いし,その場合,オーディオ部110とオーディオ支持部112との間にガイドレールが引かれているとしても良い。また,オーディオ部110内で,オーディオ支持部112と一定の位置関係を維持できる磁石を移動するとしても良く,この場合,オーディオ部110の外観にはレールなどを取り付けなくて良くなる。
このようにオーディオ機器100に設けられた各手段を,以下で詳細に述べる。
(信号検知手段164)
図5Aは,信号検知手段164の配置例を示した斜視図である。本実施形態においては,信号検知手段164として2つの入力検知手段178を設けている。この入力検知手段178は,被検知手段例えばユーザの手に触れられることによってその入力を検知する。図5Aでは,オーディオ部110の左側面180と右側面182に入力検知手段178が埋設され,表面に薄い膜が積重されている。また,上記入力検知手段178自体が単一の色彩からなる場合,上記薄い膜を形成しないでも良い。
(位置検出手段166)
図5Bは,位置検出手段166の操作例を示した斜視図である。本実施形態においては,オーディオ部110をユーザが手で動かし,位置検出手段166は,そのオーディオ部110とオーディオ支持部112の相対的位置を検出する。当該位置検出手段166は,上述した信号検知手段164と比べて,リニアに変化するアナログ量を得ることができる。
この位置検出手段166は,後述のオーディオ駆動手段172の機能を利用して検出されるとしても良い。例えば,オーディオ駆動手段172がモータ等の回転動力を利用したものであった場合,上記位置検出手段166は,そのモータの回転制御に利用されるエンコーダ等の出力であるとしても良い。
図5Aや図5Bに示したように,オーディオ部110の滑動範囲内でオーディオ部110を左右に動かし,オーディオ部110の左右に設けられた信号検出手段164に触れるといった,ユーザによるダイナミックな操作入力によってオーディオ機器100が操作される。
(情報表示手段168)
図6は,情報表示手段168の表示例を示した斜視図である。上記情報表示手段168は,発光ダイオードやEL(Electro Luminescence)等の発光式のディスプレイによって形成される。また,従来から存在する,あらゆる表示方法を本実施形態に適応することもできる。
情報表示手段168は,オーディオ部110の筐体の外側表面近傍に埋設され,オーディオ機器110に関する情報を表示する。本実施形態において,情報表示手段168は,上記のようにオーディオ部110の外側表面近傍に埋設された後,その情報表示手段168の外側に薄い膜を積重することによって形成される。かかる構成により,オーディオ機器100の電源切断時には,情報表示手段168が薄い膜に覆われその外観が意識されない。また,情報表示手段168は,オーディオ機器100の電源投入時には薄い膜を透過してオーディオ機器100に関する情報を表示する。この薄い膜は,オーディオ機器全体として統一された色彩や模様による膜であっても良い。
図6では,説明の便宜上,音楽コンテンツの経過時間「18:45/24:00」(総時間24分中18分45秒経過)を表示しているが,かかる表示に限られず,様々な文字,数字,記号を表示することができる。また,大きさや位置もかかる情報表示手段168内において様々な形態をとることが可能である。
また,このような情報表示手段168は,上述した信号検知手段164や位置検出手段166を利用するユーザから見易い位置に設けることができる。従って,ユーザは,上記のようなオーディオ部110本体を動かすダイナミックな操作入力の結果を情報表示手段168によって確認することができ,ユーザの意図する操作がなされているという安心感を得ることができる。
(信号出力手段170)
図7A,Bは,信号出力手段170の様々な実施形態を説明するための斜視図である。
図7Aにおいて,信号出力手段170は,オーディオ部110の正面全体に渡って設けられている。このように信号出力手段170をオーディオ機器100の正面に備えることによって,信号出力手段170から出力される音波をユーザに効率よく伝達することができる。また,図7Bにおいて,信号出力手段170は,左右の側面,および側面に繋がる正面等4面の側面側の一部192に設けられている。このような構成は,ホール等の広い空間を対象とした場合に効果を得ることができる。
ここでは,図7Aと図7Bとで,信号出力手段170を正面190と側面192とに設けた場合を分けて説明したが,かかる場合に限られず,正面190と側面192の両方または背面,底面等に信号出力手段170を設けることも可能である。
(第2の実施形態:オーディオ機器100の操作)
次に,第1の実施形態で説明したオーディオ機器100の操作について具体的に説明する。かかる説明には,主として信号検知手段164,位置検出手段166および情報表示手段168が参照される。
図8Aは,信号検知手段164および位置検出手段166の操作入力を説明するための説明図である。
図8Aは,オーディオ機器100の斜視図であり,オーディオ部110の左右側面に触れる信号検知手段とオーディオ部110を左右に滑動する位置検出手段とを表している。この信号検知手段のうちオーディオ部110の左側面に触れる操作入力210は,「モード切替」を示し,右側面に触れる操作入力212は,「操作切替」を示している。また,位置検出手段の操作入力214は,各モードに従った連続量をオーディオ部110の滑動によって入力する。かかる操作入力210,212,214は,図8Bで説明するオーディオ機器100の操作において参照される。以下では,例えば音楽コンテンツの再生や選曲といった具体的な操作を,上記の動作を使ってどのように行うか説明する。
図8Bは,具体的な操作入力と情報表示を表の形式でまとめた説明図である。図8Bは,モード310,範囲312,動作314,操作入力316,情報表示318の項目からなる。上記モード310は,オーディオ機器100の音楽再生モードを示し,タイマーモード320,再生モード322,音量制御324の3モードから構成される。上記タイマーモード320ではオーディオ機器100で再生する音楽コンテンツの総時間を設定し,その時間の経過に従ってオーディオ部110が滑動する。上記再生モード322では再生可能なアーティスト,アルバム,楽曲等をシーケンスに選択できる。上記音量制御324では音量の度合いを視覚的に調整できる。
上記範囲312は,位置検出手段166の検出範囲,即ちオーディオ部110の滑動範囲に対応する操作可能な範囲をいう。例えば,タイマーモード320においてオーディオ部110を目一杯移動した場合,240分間音楽コンテンツを聞くことができる。上記動作314は,目的とするオーディオ機器100の動作である。上記操作入力316は,動作314を行うためのユーザによる信号検知手段164や位置検出手段166に対する操作入力である。上記情報表示318は,情報表示手段168に表示される情報の内容を示している。
本実施形態におけるオーディオ機器100の電源オン(ON)動作326を行う場合,図8Aで示した左側面210および右側面212の入力検知手段にユーザが同時に触れなければならない。この時の情報表示手段168の表示はオーディオ機器100の初期動作状況である。電源オン(ON)動作326の情報表示318には「opening sequence」とあるが,かかる場合にこの文字が表示されるわけではなく,このような初期動作に関するシーケンス情報が表示されることを示している。
また,電源オフ(OFF)動作328は,位置検出手段166に原点位置を検出させる,即ちオーディオ部110をオーディオ支持部112に対して滑動可能範囲の左端に移動することによって行われる。
上記タイマーモード320では,ユーザがオーディオ部110を左右に移動し,位置検出手段166がその位置を検出することで,音楽コンテンツを再生する総時間を決定することができる。
その後,操作入力212によって再生を行う。この操作入力212は,音楽再生(PLAY)動作330と一時停止(PAUSE)動作332とを交互に変更する。即ち,音楽コンテンツの再生中に操作入力212を行うと一時停止状態となり,また,一時停止状態において操作入力212を行うと音楽コンテンツを一時停止する直前の再生状態から再度再生される。また,情報表示手段168は,上記音楽再生(PLAY)動作330中に楽曲名(song title)と楽曲時間(time)とが表示され,一時停止(PAUSE)動作332中に「pause」の文字が表示される。
上記再生モード322では,ユーザがオーディオ部110を左右に移動し,位置検出手段166がその位置が検出することで,再生する音楽コンテンツを選択することができる。その後,操作入力212によって再生を行う。かかる音楽再生(PLAY)動作330と一時停止(PAUSE)動作332については,上述のタイマーモードとその機能が等しいためここでは説明を省略する。
また,再生モード322では,音楽コンテンツに関するカテゴリーも選択することができる。ここでカテゴリーとは,例えば,アーティスト,そのアーティストのアルバムタイトル,さらに各アルバムにおける楽曲名といったような段階を言う。
上記音量制御324では,ユーザがオーディオ部110を左右に移動すると,位置検出手段166でその位置が検出され,再生する音楽コンテンツの音量を調整することができる。この音量調整の範囲は1〜100とされ,最大数値である100が本オーディオ機器100の最大音量に対応する。このとき,情報表示手段168では,この音量の数値もしくは画面長手方向に延びるボリュームバーが表示される。
上記のユーザによるオーディオ部110を直接動かす,または,直接触れる操作入力は,ユーザが「何をどのように」操作しているか等を直感的に理解することができる。さらにユーザは,情報表示手段168によって,上記操作入力の結果を確認することができ,ユーザの意図する操作がなされていることを確認できる。
(オーディオ駆動手段172)
次に,上記タイマーモード320における,オーディオ駆動手段172の移動例を説明する。上述したように,オーディオ駆動手段172は,電気的動力を与えてオーディオ部110を滑動させる。このようにオーディオ部110の滑動によってオーディオ部110とオーディオ支持部112の位置関係が変化する。従って,ユーザがオーディオ機器100で再生する音楽コンテンツの総時間を設定した場合,離れた位置から音楽コンテンツの再生残時間を視覚的に把握することができる。
図9Aは,タイマーモードにおいてオーディオ部110が等速度に変化する場合を示した平面図である。先ず,ユーザは,オーディオ部110を,音楽コンテンツを再生したい時間分だけ右方向にシフトする。このとき,情報表示手段168はその積算値を表示する。本実施形態においては「120min」(120分)を示している。この時点で音楽再生(PLAY)動作330のトリガとして操作入力212を行うと,音楽コンテンツが再生されると共にオーディオ駆動手段172が駆動し始め,等速度610に原点である左端まで推移する。
オーディオ駆動手段172の推移は,上記のようにオーディオ部110の位置関係と時間の経過とが線形の関係(比例関係)であるとしても良いが,非線形の関係とすることもできる。図9Bは,タイマーモードにおいてオーディオ部110の推移が非線形に変化する場合を示した平面図である。このときの速度変化は,再生開始直後に等速度(低速)で滑動612し,中央を中心に加速および減速614し,原点付近でさらに等速度(低速)に推移616する。かかる変化により,再生の経過時間をより一層容易に把握できる。
非線形の速度変化は,上記の場合に限られず,様々な速度変化を本実施形態に適応できる。例えば,上記とは逆に駆動範囲の中央において低速になる構成をとった場合,再生終了間際では駆動速度が加速され,ユーザに再生終了が近づいていることをアピールできる。
また,かかるタイマーモードでは,オーディオ部110本体が移動することによる新しい効果も案出される。
図10は,オーディオ部110が駆動している状態を示した説明図である。上述したようにオーディオ部110が電気的動力によって自動的に移動する構成により,一体として形成される信号出力手段170も移動し,音の聞こえてくる方向が時々刻々変化し,再生開始時の視聴方向630も時間の経過により新たな視聴方向632に推移する。これにより,ユーザの音を感じる方向が時間によって変化するといった新しい効果を作り出すことができる。
(従来のオーディオ機器100との比較)
次に上記のような操作入力の効果を従来のオーディオ機器100との比較において説明する。
図11は,従来のオーディオ機器500の外観を示した斜視図である。上記オーディオ機器500は,ボリューム510と,押しボタンスイッチ512と,情報表示部514とを含んで構成され,スピーカー等は別体に設けられている。ボリューム510や押しボタンスイッチ512といった可動スイッチにおいては,その可動スイッチを操作するとき,操作位置を視覚的に認知しなければならない。例えば,ボリューム510を変更する場合,ボリューム510を直接手で掴んで正確に回転させる必要があった。
上記従来のオーディオ機器500の可動スイッチに対して,本実施形態の信号検知手段164や位置検出手段166では,より直感的にオーディオ機器の操作を行うことができ,また,曖昧な操作にも対応が可能である。従って,オーディオ部110本体を動かすというダイナミックなユーザインターフェースによる直感的かつ容易な操作を行うことが可能となる。
さらに本実施形態の操作入力では,従来のオーディオ機器500の例えばボリューム510を掴むことが困難であるという障害者に対しても,握力等を必要としない容易な操作を提供することができる。
また,従来のオーディオ機器500は,技術の進歩に合わせて多機能化し,それに伴ってスイッチ類も増加してきている。このような多数に設けられた操作入力は,ある程度の専門知識や取扱説明書の参照を必要とする。従って,その操作方法を知らないユーザが「何をどのように」操作してよいのかを直感的に把握することができなかった。
これに対して本実施形態では,ユーザの手を移動するのに適した範囲で直感的にオーディオ部110を移動することにより,容易に操作することができる。さらに,情報表示手段168によって操作と同期した内容がフィードバックされ,ユーザの意図する操作がなされているという安心感を得ることができる。これは,例えば,次の楽曲へ前進(FORWARD)動作を行おうと考えたとき,ユーザは,オーディオ部110を右にスライドする行為のみを行えば良いことになる。このとき図12に示したように,情報表示手段168において「NEXT SONG」の表示がされ,ユーザは,そのジェスチャーに反応していることを確認することができ,安心して次の操作を行うことができる。
(第3の実施形態:オーディオ機器100の使用例)
第1,2の実施形態で説明したオーディオ機器100は,上述した通り,筐体が直方体の単一の形状によりシンプルに構成され,一方向に長く形成される。このような一方向に長い形状は,ユーザによるダイナミックな操作入力やオーディオ機器の状態の容易な視覚的把握を可能にする。以下に,かかるオーディオ機器100の設置場所の違いによる使用例を挙げる。
図13は,壁等に設置したオーディオ機器100を表した説明図である。ここでは,壁などの固定物にオーディオ支持部112を取り付け,そのオーディオ支持部112に脱着可能にオーディオ部110を載置する。ここでは,そのオーディオ機器100の外観を壁等の雰囲気に合わせることにより,オーディオ機器100全体を違和感なく周辺の環境に馴染ませることができる。
(第4の実施形態:オーディオ機器の変形例)
上述した実施形態におけるオーディオ機器100は,回動および滑動による可動スイッチを外観上有さず,信号生成手段,信号出力手段,信号検知手段,位置検出手段,情報表示手段の各手段が筐体に消し込まれ,筐体と一体に形成されていることから,意匠的な制限が少ない。即ち,設置する場所の雰囲気に応じて様々な外観を形成することができる。
上記の様々な外観とは,筐体全体を単一の色彩によって表現したり,単一の模様で表現したりすることでもある。また,上記筐体を木目調に統一するなどの手段を講じることにより,金属を含んでいることや電子機器であることすら意識させないような外観を形成することも可能になる。また,上記筐体は,外観上突起物を有さないとしても良い。
さらに,上記の様々な外観として,その形状を変化するとしても良い。例えば,上記信号出力手段170の領域をさらに大きくとりたい場合や,上記オーディオ駆動手段172を体積上の理由からオーディオ部110に設けることが困難な場合,この信号出力手段170やオーディオ駆動手段172をオーディオ支持部に設けることもできる。
図14は,オーディオ機器100の変形例を示した斜視図である。かかるオーディオ機器は,信号出力手段170とオーディオ駆動手段172とがオーディオ支持部700に構成されている。従って,オーディオ支持部700の占有する体積は,上述したオーディオ支持部112と比較して大きくなる。
このようなオーディオ支持部700がオーディオ部110より大きい構成では,オーディオ部110本体を目立たせることができない。そこで,オーディオ支持部700の正面,背面および側面を表面処理,例えば,鏡702を添付することにより,オーディオ支持部700を周辺の環境に馴染ませる。図14を参照すると,床面の模様が鏡702に写し出され,あたかもオーディオ部110本体のみが存在するような外観を作り出すことができる。
次に,オーディオ機器100の設置による変形例を説明する。ここでは便宜上オーディオ支持部750をオーディオ部110と同等の大きさにしている。しかし,ここで説明するのはその形状の変形例ではなく,オーディオ支持部750とオーディオ部110との位置関係による変形例であり,オーディオ支持部750の形状に限定されるものではない。
図15A,B,Cは,オーディオ機器の変形例を示した斜視図である。図15Aでは,オーディオ部110がオーディオ支持部の上部に位置し,オーディオ支持部750に下から支えられて左右に移動する。かかる場合,オーディオ駆動手段172の動力を小さくすることができ,安価なモータ等に置き換えることができる。
図15Bでは,オーディオ部110とオーディオ支持部750とを垂直に立て,オーディオ部110がオーディオ支持部750に対して上下に推移する。この場合,オーディオ部110は,重力によってオーディオ支持部750を滑動することができる。このような構成においては,オーディオ駆動手段172を設ける必要も無い。
図15Cでは,図15A同様オーディオ部110がオーディオ支持部750の上部に位置しているが,ここでは,オーディオ支持部に対して平行に推移せず,各部のセンターを中心にして回動する。かかる構成によると,上述のオーディオ機器100と比較して,より一層,ユーザが設定した時間の経過を離れた位置から視覚的に把握できることになる。
上述したオーディオ機器100は,周辺の環境にとけ込むことが可能な,従来のオーディオ機器の感覚から遠ざかった新規の創作である。従って,かかるオーディオ機器100が商品として販売された場合でも,従来のオーディオ機器と全く相違する外観で,ユーザの感心を集めることができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上述の実施形態では信号検知手段は2つの入力検知手段で構成されているが,かかる構成に限られず,さらに少ないまたは多い入力検知手段で構成されているとしても良い。また,第4の実施形態においてオーディオ部とオーディオ支持部の変形例を示したが,かかる場合に限られず,当業者において自明な範囲で様々な形態を創作することが可能である。
本発明は,オーディオ機器に係り,詳細には容易な操作入力と機器状態の視覚的把握を可能とするオーディオ機器に適用可能である。
オーディオ機器の外観を理解するための斜視図である。 オーディオ機器100の各要素を理解するための組立図である。 オーディオ機器の外観を詳細に説明するための6面図である。 オーディオ機器の外観を詳細に説明するための6面図である。 オーディオシステムを概略的に示したブロック図である。 信号検知手段の配置例を示した斜視図である。 位置検出手段の操作例を示した斜視図である。 情報表示手段の表示例を示した斜視図である。 信号出力手段の様々な実施形態を説明するための斜視図である。 信号出力手段の様々な実施形態を説明するための斜視図である。 信号検知手段および位置検出手段の操作入力を説明するための説明図である。 具体的な操作入力と情報表示を表の形式でまとめた説明図である。 タイマーモードにおいてオーディオ部が等速度に変化する場合を示した平面図である。 タイマーモードにおいてオーディオ部の推移が非線形に変化する場合を示した平面図である。 オーディオ部が駆動している状態を示した説明図である。 従来のオーディオ機器の外観を示した斜視図である。 情報表示手段の表示例を示した斜視図である。 壁等に設置したオーディオ機器を表した説明図である。 オーディオ機器の変形例を示した斜視図である。 オーディオ機器の変形例を示した斜視図である。 オーディオ機器の変形例を示した斜視図である。 オーディオ機器の変形例を示した斜視図である。
符号の説明
100 オーディオ機器
110 オーディオ部
112,700,750 オーディオ支持部
160 無線通信手段
162 信号生成手段
164 信号検知手段
166 位置検出手段
168 情報表示手段
170 信号出力手段
172 オーディオ駆動手段

Claims (12)

  1. 筐体と,前記筐体に埋設されユーザの操作入力を検知する信号検知手段と,前記信号検知手段の操作入力に応じてオーディオ信号を生成する信号生成手段と,前記筐体表面の少なくとも一部に設けられ前記信号生成手段で生成されたオーディオ信号を音として出力する信号出力手段と,を有するオーディオ部と;
    前記オーディオ部を滑動自在に支持するオーディオ支持部と;を備え,
    前記オーディオ部は,前記オーディオ部とオーディオ支持部の相対的位置を検出する位置検出手段をさらに備え,
    前記信号生成手段は,前記信号検知手段の操作入力とともに前記位置検出手段の相対的位置によるアナログ量に応じてオーディオ信号を生成し,
    押圧,回動および滑動による可動スイッチを外観上有さず,かつ,取り出し式に内蔵していないことを特徴とする,オーディオ機器。
  2. 前記信号検知手段は,被検知手段が接しているのを検知する接触センサであることを特徴とする,請求項1に記載のオーディオ機器。
  3. 前記接触センサは,前記筐体の側面に埋設された温度センサであり,被検知手段の接触による温度の変化を検知することを特徴とする,請求項2に記載のオーディオ機器。
  4. 前記接触センサは,前記筐体の側面に埋設された抵抗値センサであり,被検知手段の接触による抵抗値の変化を検知することを特徴とする,請求項2に記載のオーディオ機器。
  5. 前記筐体の外面に埋設され,オーディオ機器に関する情報を表示する情報表示手段をさらに備え,
    前記情報表示手段は,筐体外観を形成する膜に覆われ,前記オーディオ機器の電源切断時に,オーディオ機器の外観に現れず,前記オーディオ機器の電源投入時に,前記筐体外観を形成する膜を透過して前記オーディオ機器に関する情報を表示することを特徴とする,請求項1に記載のオーディオ機器。
  6. 前記オーディオ部は,電気的動力を与えて前記オーディオ部を滑動するオーディオ駆動手段をさらに備えることを特徴とする,請求項1に記載のオーディオ機器。
  7. 前記オーディオ部が滑動することによる前記オーディオ部とオーディオ支持部の位置関係と,再生時間の経過とは線形の関係にあることを特徴とする,請求項6に記載のオーディオ機器。
  8. 前記オーディオ部が滑動することによる前記オーディオ部とオーディオ支持部の位置関係と,再生時間の経過とは非線形の関係にあることを特徴とする,請求項6に記載のオーディオ機器。
  9. 前記筐体内に設けられ,別体の電子機器と無線によるデータ通信を行う無線通信手段をさらに備え,
    前記信号生成手段は,前記別体の電子機器からのデータをオーディオ信号に変換することを特徴とする,請求項1に記載のオーディオ機器。
  10. 前記オーディオ部の体積は,前記オーディオ支持部の体積の5倍以上であることを特徴とする,請求項1に記載のオーディオ機器。
  11. 前記筐体の外観は,単一の色彩からなることを特徴とする,請求項1に記載のオーディオ機器。
  12. 前記筐体の外観は,単一の模様からなることを特徴とする,請求項1に記載のオーディオ機器。
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