JP4404127B2 - 熱電モジュール用基板およびこの基板を用いた熱電モジュール - Google Patents

熱電モジュール用基板およびこの基板を用いた熱電モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP4404127B2
JP4404127B2 JP2007253875A JP2007253875A JP4404127B2 JP 4404127 B2 JP4404127 B2 JP 4404127B2 JP 2007253875 A JP2007253875 A JP 2007253875A JP 2007253875 A JP2007253875 A JP 2007253875A JP 4404127 B2 JP4404127 B2 JP 4404127B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoelectric module
thermoelectric
synthetic resin
resin layer
vol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007253875A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009088117A (ja
Inventor
裕磨 堀尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP2007253875A priority Critical patent/JP4404127B2/ja
Priority to EP08016985A priority patent/EP2043169A3/en
Priority to US12/239,146 priority patent/US20090084423A1/en
Priority to CN2008101687896A priority patent/CN101399309B/zh
Publication of JP2009088117A publication Critical patent/JP2009088117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4404127B2 publication Critical patent/JP4404127B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/12Mountings, e.g. non-detachable insulating substrates
    • H01L23/14Mountings, e.g. non-detachable insulating substrates characterised by the material or its electrical properties
    • H01L23/145Organic substrates, e.g. plastic
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/10Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects operating with only the Peltier or Seebeck effects
    • H10N10/17Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects operating with only the Peltier or Seebeck effects characterised by the structure or configuration of the cell or thermocouple forming the device
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/34Arrangements for cooling, heating, ventilating or temperature compensation ; Temperature sensing arrangements
    • H01L23/36Selection of materials, or shaping, to facilitate cooling or heating, e.g. heatsinks
    • H01L23/373Cooling facilitated by selection of materials for the device or materials for thermal expansion adaptation, e.g. carbon
    • H01L23/3737Organic materials with or without a thermoconductive filler
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/0271Arrangements for reducing stress or warp in rigid printed circuit boards, e.g. caused by loads, vibrations or differences in thermal expansion
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0373Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement containing additives, e.g. fillers

Description

本発明は、熱伝導性が良好なフィラーを含有する合成樹脂層と、この合成樹脂層の片面あるいは両面に形成された銅のメタライズ層あるいは銅板からなる銅層とを備えた熱電モジュール用基板およびこの熱電モジュール用基板を用いた熱電モジュールに関する。
従来より、P型半導体からなる熱電素子とN型半導体からなる熱電素子を隣り合わせて交互に配列し、これらの各熱電素子が互に直列に導電接続されるように、熱電素子用配線パターンが形成された上基板と下基板との間に配設するようにして構成された熱電モジュールは広く知られている。ところが、この種の熱電モジュールにおいては、通常、電気絶縁性を有するセラミックなどの基板(上基板と下基板)が用いられるのが一般的である。このため、吸熱面や放熱面が取り付けられる場所としては固い平面に限定されてしまい、例えば、外形形状が曲面であるような場所には取り付けることができないという問題点があった。
そこで、特許文献1(特開平07−202275号公報)や特許文献2(特開平08−228027号公報)において、吸熱面や放熱面が自由に変形できるようにするために可撓性を有する合成樹脂基板を用い、この合成樹脂基板に導電層を介して熱電素子が互に直列に導電接続されるように配設された熱電モジュールが提案されるようになった。ここで、特許文献1にて提案された熱電モジュールにおいては、耐熱性・可撓性のある樹脂の薄板に形成された薄い銅帯にペルチエ効果素子(熱電素子)が一定の間隔を保って配列されてハンダにより溶着されている。
一方、特許文献2においては、互いに同数ずつの熱電素子用p型半導体結晶および熱電素子用n型半導体結晶を柔軟な絶縁物または硬質絶縁物で架橋するようにして、柔軟性がある熱電モジュールとしている。この場合、絶縁物としてゴム、プラスチック、シリコーン樹脂などを用いるようにしている。
特開平07−202275号公報 特開平08−228027号公報
しかしながら、上述した特許文献1にて示されるような熱電モジュールにあっては、基板となる合成樹脂層の熱伝導率が低いため、この熱電モジュールにおいて重要な性能となる最大級熱量(Qmax)の低下につながるという問題を生じた。
一方、上述した特許文献2にて示されるような熱電モジュールにあっては、上下基板(この上下基板は熱電モジュールとしての発熱側基板と吸熱側基板になる)の間に熱伝導率が低い絶縁物が存在するため、熱伝導にとって重要な特性となる上下基板間の温度差(ΔT)が得にくくなるという問題を生じた。
ここで、合成樹脂を基板の基材として用いた場合、合成樹脂層の厚みが厚いほど熱電モジュールにとって重要な性能である最大級熱量(Qmax)が低下して、熱電モジュールの性能を低下させることとなる。逆に、合成樹脂層の厚みを薄くしすぎると、合成樹脂製基板にとっての本来の目的となる応力の緩和効果が減少して、熱電モジュールとしての信頼性を低下させてしまうこととなる。この場合、合成樹脂層中にセラミックス等の熱伝導性が良好なフィラーを分散させて合成樹脂層の熱伝導率を向上させれば、最大級熱量(Qmax)が改善できるようになって、信頼性に優れた熱電モジュールが得られるであろうことは当然予想できる。
ところが、本発明者が種々検討した結果、合成樹脂層中に熱伝導性が良好なフィラーを分散させる場合、フィラーの添加割合(体積率)が多すぎると、合成樹脂層の剛性が増大するようになる。このため、合成樹脂による応力緩和効果が低下して、熱電モジュールとしての信頼性が低下するという知見を得た。一方、合成樹脂層の表面に形成される銅メタライズ層や銅板からなる銅層の厚さも熱電モジュールの性能と信頼性に大きく影響するという知見も得た。
そこで、本発明は上記の如き知見に基づいてなされたものであって、合成樹脂層の厚み、合成樹脂層中に分散して添加されたフィラーの添加率(体積率)および合成樹脂層の表面に形成される銅層の厚さとの間に特定の関係を見出し、これら3つのパラメーターを最適化するようにした。これにより、熱伝導率などの熱電モジュールとしての性能を損なうことなく、かつ応力緩和などの信頼性が向上した熱電モジュール用基板を得て、このような基板を用いて信頼性に優れた熱電モジュールが提供できるようにすることを目的とするものである。
本発明の熱電モジュール用基板は、熱伝導性が良好なフィラーを含有する合成樹脂層と、該合成樹脂層の片面あるいは両面に形成された銅のメタライズ層あるいは銅板からなる銅層とを備えている。そして、上記目的を達成するため、合成樹脂層中のフィラーの体積含有率をA(vol%)とし、合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、銅層の総厚みをC(μm)とした場合、(C/4)−B≦65,A/B≦3.5,A>0,C>50,B≧7の関係を有するようになされているとともに、熱伝導性が良好なフィラーはグラファイトあるいはカーボンナノチューブ(CNT)であって、合成樹脂層の両表面から当該合成樹脂層の全厚みの5%の範囲には当該グラファイトあるいはカーボンナノチューブ(CNT)が存在しないように分散されていることを特徴とする。
ここで、合成樹脂層中に熱伝導性が良好なフィラーを分散させる(A>0)と合成樹脂層の熱伝導率が向上するが、フィラーの体積含有率が大きくなりすぎると、合成樹脂層の剛性が増大して、合成樹脂製基板としての応力緩和効果が低下するようになる。ところが、合成樹脂層の厚みB(μm)に対するフィラーの体積含有率A(vol%)の比(A/B)が3.5以下(A/B≦3.5vol%/μm)であると、応力緩和効果が低下せずに信頼性が向上することが明らかになった。
また、合成樹脂層の片面あるいは両面に形成された銅層の総厚みC(μm)が大きくなるほど、熱電素子との接合部の電極としての電気抵抗値が減少するとともに、被温度制御体との接合部(吸熱部および放熱部)での熱伝導率および均熱性が向上する。一方、銅層の総厚みC(μm)が大きくなるほど、基板としての応力の緩和効果が減少して、熱電モジュールとしての信頼性を低下させてしまうこととなる。ところが、銅層の総厚みをC(μm)の1/4と合成樹脂層の厚みB(μm)との差が65μm以下であると、応力の緩和効果が発揮されることが明らかになった。
ここで、合成樹脂層の片面あるいは両面に形成された銅層の総厚みC(μm)が50μmより厚く(C>50)なると、基板としての熱伝導率および被温度制御体との接合部(吸熱部および放熱部)での均熱性が確保されるようになる。また、フィラーが分散された合成樹脂層の厚みB(μm)を薄くするほど熱伝導性が向上するが、厚みを薄くしすぎるとジュール熱が発生するようになって、熱電モジュールとしての信頼性が低下することとなる。この場合、合成樹脂層の厚みB(μm)が7μm以上(B≧7)であれば、信頼性が向上することが明らかになった。一方、フィラーが分散された合成樹脂層の厚みB(μm)を厚くしすぎると剛性高くなって、基板としての応力の緩和効果が減少するようになるので、合成樹脂層の厚みBの最大値としては30μm程度とするのが望ましい。
以上の各事項を総合勘案して、本発明においては、合成樹脂層中のフィラーの体積含有率をA(vol%)とし、合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、銅層の総厚みをC(μm)とした場合、(C/4)−B≦65,A/B≦3.5,A>0,C>50,B≧7の関係を有するようにしているとともに、熱伝導性が良好なフィラーはグラファイトあるいはカーボンナノチューブ(CNT)であって、合成樹脂層の両表面から当該合成樹脂層の全厚みの5%の範囲には当該グラファイトあるいはカーボンナノチューブ(CNT)が存在しないように分散されている
これは、グラファイトあるいはカーボンナノチューブ(CNT)は電気伝導性に優れているため、これらのグラファイトあるいはカーボンナノチューブ(CNT)が合成樹脂層の表面まで分散されていると、当該合成樹脂層の一方表面に形成された銅層と電気的に導通して熱電モジュール用基板として機能しなくなるためである。
本発明の熱電モジュール用基板においては、応力緩和効果を発揮する合成樹脂基板の欠点である熱伝導率を向上させるために、熱伝導性が良好なフィラーを合成樹脂層に分散させて添加している。そして、フィラーの分散、添加による信頼性の低下を防ぐために、合成樹脂層の厚みや合成樹脂層中のフィラーの体積率や合成樹脂層の表面に形成された銅層が特定の関係式を有するように最適化している。これにより、高いモジュール性能と高信頼性が両立した熱電モジュールを提供することが可能となる。
本発明の熱電モジュール用基板およびこの基板を用いた熱電モジュールの実施の形態を以下に説明するが、本発明はこの実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の目的を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。なお、図1は本発明の熱電モジュール用基板を模式的に示す図であり、図1(a)は上基板の裏面の要部を模式的に示す裏面図(熱電素子が配置された状態を模式的に示している)であり、図1(b)は、下基板の上面の要部を模式的に示す上面図(熱電素子が配置された状態を模式的に示している)である。図2は、図1に示す上基板および下基板を用いて形成された熱電モジュールの要部の断面を模式的に示す断面図である。
1.参考例
参考例1の熱電モジュール用基板となる合成樹脂層は、電気絶縁性を有するポリイミド樹脂により形成されているとともに、合成樹脂層の厚み(B)が7μm以上で、30μm以下(7μm≦B≦30μm)となるようにフィルム状に形成されていて、図1(a)に示すような上基板11と、図1(b)に示すような下基板12となされている。ここで、ポリイミド樹脂の熱伝導性を向上させるために、アルミナ粉末(平均粒径が15μm以下)からなるフィラーが分散して添加されている。そして、上基板11は、例えば、基板サイズが40mm(幅)×40mm(長さ)のサイズになるように切断されて形成されている。また、図示しないリード線が取り付けられる下基板12は、例えば、基板サイズが40mm(幅)×45mm(長さ)のサイズになるように切断されて形成されている。
この場合、上基板11の下面に熱電素子用配線パターン(銅膜)11aが形成されているとともに、その上面の略全表面を被覆するように接合用銅膜11bが形成されている。一方、下基板12の上面に熱電素子用配線パターン(銅膜)12aが形成されているとともに、その下面の略全表面を被覆するように接合用銅膜12bが形成されている。なお、熱電素子用配線パターン11a,12aは、例えば、銅めっき法やDBC(ダイレクトボンディングカッパー)法やロウ付け法などにより、所定の厚み(c2=c3)で所定の配線パターンとなるように形成されている。また、接合用銅膜11b,12bも、同様に、銅めっき法やDBC(ダイレクトボンディングカッパー)法やロウ付け法などにより、所定の厚み(c1=c4)となるように形成されている。
そして、これらのポリイミド樹脂製フィルムからなる上基板11および下基板12を用いた熱電モジュール10においては、上述した両配線パターン(銅膜)11a,12a間で電気的に直列接続されるように多数(この場合は120対とした)の熱電素子13が配置、接合されている。この場合、熱電素子13は2mm(長さ)×2mm(幅さ)×1.4mm(高さ)のサイズになるように形成されたP型半導体化合物素子とN型半導体化合物素子とからなるものである。そして、これらがP,N,P,N・・・の順に電気的に直列に接続されるように、上基板11に形成された熱電素子用配線パターン11aと下基板12に形成された熱電素子用配線パターン12aにそれぞれSnSb合金やSnAu合金やSnAgCu合金からなるハンダによりハンダ付けされている。
なお、熱電素子13としては、室温で高い性能が発揮されるBi-Te(ビスマスーテルル)系の熱電材料からなる焼結体を用いのが望ましく、P型半導体化合物素子としては、Bi−Sb−Teの3元素からなる材料を用い、N型半導体化合物素子としては、Bi−Sb−Te−Seの4元素からなる材料を用いるのが好ましい。具体的には、P型半導体化合物素子としては、Bi0.5Sb1.5Te3と表される組成のものを使用し、N型半導体化合物素子としては、Bi1.9Sb0.1Te2.6Se0.4と表される組成のものを使用し、ホットプレス焼結法に形成したものを用いた。
ここで、上基板11および下基板12の合成樹脂層中に存在するフィラーの体積含有率をA(vol%)とし、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、配線パターン(銅膜)11aと接合用銅膜11b(あるいは配線パターン(銅膜)12aと接合用銅膜12b)とからなる銅層の総厚みをC(C=c1+c2=c3+c4)μmとした場合、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを20μm(B=20μm)に固定するとともに、これらの基板11,12の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を2.0(vol%/μm)に固定した熱電モジュールを作製した。
この場合、金属層の総厚みC(μm)を変化させて、(C/4)−Bが0μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA11とした。同様に、(C/4)−Bが、5μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA12とし、19μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA13とし、38μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA14とし、55μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA15とし、65μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA16とし、70μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA17とした。
(熱電モジュールの性能評価、信頼性の評価)
上述のようにして作製された熱電モジュールPA11〜PA17を用いて、これらの各熱電モジュールPA11〜PA17の最大温度差(ΔTmax)と最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めると下記の表1に示すような結果が得られた。なお、最大温度差(ΔTmax)の測定時、吸熱側の温度が27℃の一定温度になるように維持した。また、これらの各熱電モジュールPA11〜PA17の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を以下のようにして求めた。この場合、まず、熱電モジュールPA11〜PA17の上部と下部を0Kから150Kまで2分間で昇温させ、この温度を1分間保持した後、150Kから0Kまで3分間で降温させるという温度サイクルを5000サイクル繰り返して行う。ついで、5000サイクル後に、各熱電モジュールPA11〜PA17の交流抵抗値(ACR)を測定し、温度サイクル前のACRとの比率(変化率)を求めると下記の表1に示すような結果が得られた。そして、得られたACRとの比率(ACR変化率)を信頼性(応力緩和)の指標として評価とした。
Figure 0004404127
上記表1の結果から明らかなように、最大温度差(ΔTmax)と最大吸熱量(Qmax)については熱電モジュールPA11〜PA17においては格別の差異が認められないことが分かる。一方、(C/4)−B、即ち、銅層の総厚みの1/4の厚さと樹脂層の厚さの差が70μmになると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールPA17の信頼性(応力緩和)が低下することが分かる。このことから、アルミナ粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がポリイミド樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、(C/4)−Bが65μm以下となるように、配線パターン(銅膜)11a、接合用銅膜11b、配線パターン(銅膜)12a、接合用銅膜12bを形成すると、信頼性が向上した熱電モジュールPA11〜PA16が得られることが分かる。
ついで、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを15μm(B=15μm)に固定し、金属層の総厚みC(μm)を240(μm)に固定し、(C/4)−Bを45μmに固定した熱電モジュールを作製した。この場合、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を変化させて、A/Bが0.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA21とした。同様に、A/Bが、0.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA22とし、1.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA23とし、2.3vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA24とし、2.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA25とし、3.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA26とし、3.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPA27とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールPA21〜PA27を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールPA21〜PA27の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表2に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表2の結果から明らかなように、(C/4)−Bを45μmに固定した場合、A/Bが3.8(vol%/μm)になると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールPA27の信頼性が低下することが分かる。このことから、アルミナ粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がポリイミド樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、A/Bが3.5(vol%/μm)以下となるように、フィラーとしてのアルミナ粉末の添加量を調整すると、信頼性が向上した熱電モジュールPA21〜PA26が得られることが分かる。
2.参考例
参考例2の熱電モジュール用基板となる合成樹脂層は、フィラーとして窒化アルミニウム粉末(平均粒径が15μm以下)を分散、添加し、2mm(長さ)×2mm(幅さ)×2mm(高さ)のサイズで200対の熱電素子13を用い、P型半導体化合物素子としてはBi0.4Sb1.6Te3と表される組成のものを使用し、N型半導体化合物素子としてはBi1.9Sb0.1Te2.7Se0.3と表される組成のものを使用し、剪断押し出し成形体を用いた以外は、上述した参考例1と同様の熱電モジュール構成にした。
ここで、上基板11および下基板12の合成樹脂層中に存在するフィラーの体積含有率をA(vol%)とし、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、配線パターン(銅膜)11aと接合用銅膜11b(配線パターン(銅膜)12aと接合用銅膜12b)とからなる金属層の総厚みをCμm(C=c1+c2=c3+c4)とした場合、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを7μm(B=7μm)に固定するとともに、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を2.0(vol%/μm)に固定した熱電モジュールを作製した。
この場合、金属層の総厚みC(μm)を変化させて、(C/4)−Bが8μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN11とした。同様に、(C/4)−Bが、10μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN12とし、19μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN13とし、38μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN14とし、55μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN15とし、65μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN16とし、70μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN17とした。
上述のようにして作製された熱電モジュールPN11〜PN17を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールPN11〜PN17の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表3に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表3の結果から明らかなように、最大温度差(ΔTmax)と最大吸熱量(Qmax)については熱電モジュールPN11〜PN17においては格別の差異が認められないことが分かる。一方、(C/4)−B、即ち、銅層の総厚みの1/4の厚さと樹脂層の厚さの差が70μmになると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールPN17の信頼性が低下することが分かる。このことから、窒化アルミニウム粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がポリイミド樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、(C/4)−Bが65μm以下となるように、配線パターン(銅膜)11a、接合用銅膜11b、配線パターン(銅膜)12a、接合用銅膜12bを形成すると、信頼性が向上した熱電モジュールPN11〜PN16が得られることが分かる。
ついで、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを15μm(B=15μm)に固定し、金属層の総厚みC(μm)を240(μm)に固定し、(C/4)−Bを45μmに固定した熱電モジュールを作製した。この場合、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を変化させて、A/Bが0.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN21とした。同様に、A/Bが、0.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN22とし、1.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN23とし、2.3vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN24とし、2.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN25とし、3.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN26とし、3.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPN27とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールPN21〜PN27を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、各熱電モジュールPN21〜PN27の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表4に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表4の結果から明らかなように、(C/4)−Bを45μmに固定した場合、A/Bが3.8(vol%/μm)になると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールPN27の信頼性が低下することが分かる。このことから、窒化アルミニウム粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がポリイミド樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、A/Bが3.5(vol%/μm)以下となるように、フィラーとしての窒化アルミニウム粉末の添加量を調整すると、信頼性が向上した熱電モジュールPN21〜PN26が得られることが分かる。
3.参考例
参考例3の熱電モジュール用基板となる合成樹脂層は、樹脂材料としてエポキシ樹脂を用い、2mm(長さ)×2mm(幅さ)×2mm(高さ)のサイズで200対の熱電素子13を用い、P型半導体化合物素子としてはBi0.4Sb1.6Te3と表される組成のものを使用し、N型半導体化合物素子としてはBi1.9Sb0.1Te2.7Se0.3と表される組成のものを使用し、剪断押し出し成形体を用いた以外は、上述した参考例1と同様の熱電モジュール構成にした。
ここで、上基板11および下基板12の合成樹脂層中に存在するフィラーの体積含有率をA(vol%)とし、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、配線パターン(銅膜)11aと接合用銅膜11b(配線パターン(銅膜)12aと接合用銅膜12b)とからなる金属層の総厚みをCμm(C=c1+c2=c3+c4)とした場合、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを30μm(B=30μm)に固定するとともに、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を2.5(vol%/μm)に固定した熱電モジュールを作製した。
この場合、金属層の総厚みC(μm)を変化させて、(C/4)−Bが−15μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA11とした。同様に、(C/4)−Bが、0μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA12とし、19μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA13とし、38μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA14とし、55μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA15とし、65μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA16とし、70μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA17とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールEA11〜EA17を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールEA11〜EA17の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表5に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表5の結果から明らかなように、最大温度差(ΔTmax)と最大吸熱量(Qmax)については熱電モジュールPA11〜PA17においては格別の差異が認められないことが分かる。一方、(C/4)−B、即ち、銅層の総厚みの1/4の厚さと樹脂層の厚さの差が70μmになると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールEA17の信頼性が低下することが分かる。このことから、アルミナ粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がエポキシ樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、(C/4)−Bが65μm以下となるように、配線パターン(銅膜)11a、接合用銅膜11b、配線パターン(銅膜)12a、接合用銅膜12bを形成すると、信頼性が向上した熱電モジュールEA11〜EA16が得られることが分かる。
ついで、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを20μm(B=20μm)に固定し、金属層の総厚みC(μm)を280(μm)に固定し、(C/4)−Bを50μmに固定した熱電モジュールを作製した。この場合、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を変化させて、A/Bが0.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA21とした。同様に、A/Bが、0.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA22とし、1.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA23とし、2.3vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA24とし、2.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA25とし、3.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA26とし、3.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEA27とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールEA21〜EA27を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、各熱電モジュールEA21〜EA27の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表6に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表6の結果から明らかなように、(C/4)−Bを50μmに固定した場合、A/Bが3.7(vol%/μm)になると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールEA27の信頼性が低下することが分かる。このことから、アルミナ粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がエポキシ樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、A/Bが3.5(vol%/μm)以下となるように、フィラーとしてのアルミナ粉末の添加量を調整すると、信頼性が向上した熱電モジュールEA21〜EA26が得られることが分かる。
4.参考例
参考例4の熱電モジュール用基板となる合成樹脂層は、樹脂材料としてエポキシ樹脂を用い、フィラーとして窒化アルミニウム粉末(平均粒径が15μm以下)を分散、添加し、2mm(長さ)×2mm(幅さ)×2mm(高さ)のサイズで200対の熱電素子13を用い、P型半導体化合物素子としてはBi0.4Sb1.6Te3と表される組成のものを使用し、N型半導体化合物素子としてはBi1.9Sb0.1Te2.7Se0.3と表される組成のものを使用し、剪断押し出し成形体を用いた以外は、上述した参考例1と同様の熱電モジュール構成にした。
ここで、上基板11および下基板12の合成樹脂層中に存在するフィラーの体積含有率をA(vol%)とし、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、配線パターン(銅膜)11aと接合用銅膜11b(配線パターン(銅膜)12aと接合用銅膜12b)とからなる金属層の総厚みをCμm(C=c1+c2=c3+c4)とした場合、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを30μm(B=30μm)に固定するとともに、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を2.5(vol%/μm)に固定した熱電モジュールを作製した。
この場合、金属層の総厚みC(μm)を変化させて、(C/4)−Bが−20μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN11とした。同様に、(C/4)−Bが、0μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN12とし、19μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN13とし、38μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN14とし、55μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN15とし、65μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN16とし、70μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN17とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールEN11〜EN17を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールEN11〜EN17の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表7に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表7の結果から明らかなように、最大温度差(ΔTmax)と最大吸熱量(Qmax)については熱電モジュールPA11〜PA17においては格別の差異が認められないことが分かる。一方、(C/4)−B、即ち、銅層の総厚みの1/4の厚さと樹脂層の厚さの差が70μmになると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールEN17の信頼性が低下することが分かる。このことから、窒化アルミニウム粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がエポキシ樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、(C/4)−Bが65μm以下となるように、配線パターン(銅膜)11a、接合用銅膜11b、配線パターン(銅膜)12a、接合用銅膜12bを形成すると、信頼性が向上した熱電モジュールEN11〜EN16が得られることが分かる。
ついで、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを20μm(B=20μm)に固定し、金属層の総厚みC(μm)を280(μm)に固定し、(C/4)−Bを50μmに固定した熱電モジュールを作製した。この場合、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を変化させて、A/Bが0.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN21とした。同様に、A/Bが、0.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN22とし、1.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN23とし、2.3vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN24とし、2.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN25とし、3.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN26とし、3.7vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEN27とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールEN21〜EN27を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールEN21〜EN27の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表8に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表8の結果から明らかなように、(C/4)−Bを50μmに固定した場合、A/Bが3.7(vol%/μm)になると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールEN27の信頼性が低下することが分かる。このことから、窒化アルミニウム粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がエポキシ樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、A/Bが3.5(vol%/μm)以下となるように、フィラーとしての窒化アルミニウム粉末の添加量を調整すると、信頼性が向上した熱電モジュールEN21〜EN26が得られることが分かる。
5.参考例
参考例5の熱電モジュール用基板となる合成樹脂層は、フィラーとして酸化マグネシウム粉末(平均粒径が15μm以下)を分散、添加し、2mm(長さ)×2mm(幅さ)×1.5mm(高さ)のサイズで128対の熱電素子13を用い、P型半導体化合物素子としてはBi0.5Sb1.5Te3と表される組成のものを使用し、N型半導体化合物素子としてはBi1.9Sb0.1Te2.75Se0.25と表される組成のものを使用し、ホットプレス焼結成形体を用いた以外は、上述した参考例1と同様の熱電モジュール構成にした。
ここで、上基板11および下基板12の合成樹脂層中に存在するフィラーの体積含有率をA(vol%)とし、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、配線パターン(銅膜)11aと接合用銅膜11b(配線パターン(銅膜)12aと接合用銅膜12b)とからなる金属層の総厚みをCμm(C=c1+c2=c3+c4)とした場合、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを17μm(B=17μm)に固定するとともに、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を2.0(vol%/μm)に固定した熱電モジュールを作製した。
この場合、金属層の総厚みC(μm)を変化させて、(C/4)−Bが0μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM11とした。同様に、(C/4)−Bが、5μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM12とし、16μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM13とし、40μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM14とし、56μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM15とし、65μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM16とし、70μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM17とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールPM11〜PM17を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールPM11〜PM17の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表9に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表9の結果から明らかなように、最大温度差(ΔTmax)と最大吸熱量(Qmax)については熱電モジュールPA11〜PA17においては格別の差異が認められないことが分かる。一方、(C/4)−B、即ち、銅層の総厚みの1/4の厚さと樹脂層の厚さの差が70μmになると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールPM17の信頼性が低下することが分かる。このことから、酸化マグネシウム粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がポリイミド樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、(C/4)−Bが65μm以下となるように、配線パターン(銅膜)11a、接合用銅膜11b、配線パターン(銅膜)12a、接合用銅膜12bを形成すると、信頼性が向上した熱電モジュールPM11〜PM16が得られることが分かる。
ついで、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを15μm(B=15μm)に固定し、金属層の総厚みC(μm)を240(μm)に固定し、(C/4)−Bを45μmに固定した熱電モジュールを作製した。この場合、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を変化させて、A/Bが0.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM21とした。同様に、A/Bが、0.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM22とし、1.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM23とし、2.3vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM24とし、2.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM25とし、3.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM26とし、3.7vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPM27とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールPM21〜PM27を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールPM21〜PM27の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表10に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表10の結果から明らかなように、(C/4)−Bを45μmに固定した場合、A/Bが3.7(vol%/μm)になると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールPM27の信頼性が低下することが分かる。このことから、酸化マグネシウム粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がポリイミド樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、A/Bが3.5(vol%/μm)以下となるように、フィラーとしての酸化マグネシウム粉末の添加量を調整すると、信頼性が向上した熱電モジュールPM21〜PM26が得られることが分かる。
6.参考例
参考例6の熱電モジュール用基板となる合成樹脂層は、樹脂材料としてエポキシ樹脂を用い、フィラーとして酸化マグネシウム粉末(平均粒径が15μm以下)を分散、添加し、2mm(長さ)×2mm(幅さ)×1.5mm(高さ)のサイズで128対の熱電素子13を用い、P型半導体化合物素子としてはBi0.5Sb1.5Te3と表される組成のものを使用し、N型半導体化合物素子としてはBi1.9Sb0.1Te2.75Se0.25と表される組成のものを使用し、ホットプレス焼結成形体を用いた以外は、上述した参考例1と同様の熱電モジュール構成にした。
ここで、上基板11および下基板12の合成樹脂層中に存在するフィラーの体積含有率をA(vol%)とし、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、配線パターン(銅膜)11aと接合用銅膜11b(配線パターン(銅膜)12aと接合用銅膜12b)とからなる金属層の総厚みをCμm(C=c1+c2=c3+c4)とした場合、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを17μm(B=17μm)に固定するとともに、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を2.5(vol%/μm)に固定した熱電モジュールを作製した。
この場合、金属層の総厚みC(μm)を変化させて、(C/4)−Bが0μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM11とした。同様に、(C/4)−Bが、10μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM12とし、18μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM13とし、39μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM14とし、58μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM15とし、65μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM16とし、70μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM17とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールEM11〜EM17を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールEM11〜EM17の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表11に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表11の結果から明らかなように、最大温度差(ΔTmax)と最大吸熱量(Qmax)については熱電モジュールPA11〜PA17においては格別の差異が認められないことが分かる。一方、(C/4)−B、即ち、銅層の総厚みの1/4の厚さと樹脂層の厚さの差が70μmになると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールEM17の信頼性が低下することが分かる。このことから、酸化マグネシウム粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がエポキシ樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、(C/4)−Bが65μm以下となるように、配線パターン(銅膜)11a、接合用銅膜11b、配線パターン(銅膜)12a、接合用銅膜12bを形成すると、信頼性が向上した熱電モジュールEM11〜EM16が得られることが分かる。
ついで、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを20μm(B=20μm)に固定し、金属層の総厚みC(μm)を280(μm)に固定し、(C/4)−Bを50μmに固定した熱電モジュールを作製した。この場合、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を変化させて、A/Bが0.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM21とした。同様に、A/Bが、0.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM22とし、1.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM23とし、2.3vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM24とし、2.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM25とし、3.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM26とし、3.7vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールEM27とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールEM21〜EM27を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールEM21〜EM27の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表12に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表12の結果から明らかなように、(C/4)−Bを50μmに固定した場合、A/Bが3.7(vol%/μm)になると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールEM27の信頼性が低下することが分かる。このことから、酸化マグネシウム粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がエポキシ樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、A/Bが3.5(vol%/μm)以下となるように、フィラーとしての酸化マグネシウム粉末の添加量を調整すると、信頼性が向上した熱電モジュールEM21〜EM26が得られることが分かる。
7.実施例
本実施例の熱電モジュール用基板となる合成樹脂層は、フィラーとしてグラファイト粉末(平均粒径が1μm以下)を分散、添加(なお、この場合は、合成樹脂層の表面から合成樹脂層の全厚みの7%の範囲には当該グラファイトが含有されないように添加されている。)し、2mm(長さ)×2mm(幅さ)×2mm(高さ)のサイズで242対の熱電素子13を用い、P型半導体化合物素子としてはBi0.5Sb1.5Te3と表される組成のものを使用し、N型半導体化合物素子としてはBi1.9Sb0.1Te2.8Se0.2と表される組成のものを使用し、インゴット成形体を用いた以外は、上述した参考例1と同様の熱電モジュール構成にした。
ここで、上基板11および下基板12の合成樹脂層中に存在するフィラーの体積含有率をA(vol%)とし、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、配線パターン(銅膜)11aと接合用銅膜11b(配線パターン(銅膜)12aと接合用銅膜12b)とからなる金属層の総厚みをCμm(C=c1+c2=c3+c4)とした場合、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを30μm(B=30μm)に固定するとともに、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を2.5(vol%/μm)に固定した熱電モジュールを作製した。
この場合、金属層の総厚みC(μm)を変化させて、(C/4)−Bが−10μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG11とした。同様に、(C/4)−Bが、0μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG12とし、16μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG13とし、40μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG14とし、56μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG15とし、65μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG16とし、70μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG17とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールPG11〜PG17を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールPG11〜PG17の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表13に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表13の結果から明らかなように、最大温度差(ΔTmax)と最大吸熱量(Qmax)については熱電モジュールPA11〜PA17においては格別の差異が認められないことが分かる。一方、(C/4)−B、即ち、銅層の総厚みの1/4の厚さと樹脂層の厚さの差が70μmになると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールPG17の信頼性が低下することが分かる。このことから、グラファイト粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がポリイミド樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、(C/4)−Bが65μm以下となるように、配線パターン(銅膜)11a、接合用銅膜11b、配線パターン(銅膜)12a、接合用銅膜12bを形成すると、信頼性が向上した熱電モジュールPG11〜PG16が得られることが分かる。この場合、合成樹脂層での絶縁性を維持するために、合成樹脂層の表面から合成樹脂層の全厚みの少なくとも5%の範囲には当該グラファイトが含有されないように添加する必要がある。
ついで、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを25μm(B=25μm)に固定し、金属層の総厚みC(μm)を160(μm)に固定し、(C/4)−Bを15μmに固定した熱電モジュールを作製した。この場合、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を変化させて、A/Bが0.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG21とした。同様に、A/Bが、0.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG22とし、1.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG23とし、2.3vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG24とし、2.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG25とし、3.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG26とし、3.7vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPG27とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールPG21〜PG27を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールPG21〜PG27の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表14に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表14の結果から明らかなように、(C/4)−Bを15μmに固定した場合、A/Bが3.7(vol%/μm)になると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールPG27の信頼性が低下することが分かる。このことから、グラファイト粉末がフィラーとして添加された樹脂材料がポリイミド樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、A/Bが3.5(vol%/μm)以下となるように、フィラーとしてのグラファイト粉末の添加量を調整すると、信頼性が向上した熱電モジュールPG21〜PG26が得られることが分かる。この場合、合成樹脂層での絶縁性を維持するために、合成樹脂層の表面から合成樹脂層の全厚みの少なくとも5%の範囲には当該グラファイトが含有されないように添加する必要がある。
8.実施例
本実施例の熱電モジュール用基板となる合成樹脂層は、樹脂材料としてエポキシ樹脂を用い、フィラーとしてカーボンナノチューブ(CNT:平均粒径が1μm以下)を分散、添加(なお、この場合は、合成樹脂層の表面から合成樹脂層の全厚みの8%の範囲には当該CNTが含有されないように添加されている。)し、2mm(長さ)×2mm(幅さ)×2mm(高さ)のサイズで242対の熱電素子13を用い、P型半導体化合物素子としてはBi0.5Sb1.5Te3と表される組成のものを使用し、N型半導体化合物素子としてはBi1.9Sb0.1Te2.8Se0.2と表される組成のものを使用し、インゴット成形体を用いた以外は、上述した参考例1と同様の熱電モジュール構成にした。
ここで、上基板11および下基板12の合成樹脂層中に存在するフィラーの体積含有率をA(vol%)とし、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、配線パターン(銅膜)11aと接合用銅膜11b(配線パターン(銅膜)12aと接合用銅膜12b)とからなる金属層の総厚みをCμm(C=c1+c2=c3+c4)とした場合、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを10μm(B=10μm)に固定するとともに、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を2.0(vol%/μm)に固定した熱電モジュールを作製した。
この場合、金属層の総厚みC(μm)を変化させて、(C/4)−Bが0μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC11とした。同様に、(C/4)−Bが、8μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC12とし、18μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC13とし、39μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC14とし、58μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC15とし、65μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC16とし、70μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC17とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールPC11〜PC17を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールPC11〜PC17の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表15に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表15の結果から明らかなように、最大温度差(ΔTmax)と最大吸熱量(Qmax)については熱電モジュールPA11〜PA17においては格別の差異が認められないことが分かる。一方、(C/4)−B、即ち、銅層の総厚みの1/4の厚さと樹脂層の厚さの差が70μmになると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールPC17の信頼性が低下することが分かる。このことから、CNTがフィラーとして添加された樹脂材料がエポキシ樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、(C/4)−Bが65μm以下となるように、配線パターン(銅膜)11a、接合用銅膜11b、配線パターン(銅膜)12a、接合用銅膜12bを形成すると、信頼性が向上した熱電モジュールPC11〜PC16が得られることが分かる。この場合、合成樹脂層での絶縁性を維持するために、合成樹脂層の表面から合成樹脂層の全厚みの少なくとも5%の範囲には当該CNTが含有されないように添加する必要がある。
ついで、上基板11および下基板12の合成樹脂層の厚みを15μm(B=15μm)、金属層の総厚みC(μm)を240(μm)および(C/4)−Bを45μmに固定した熱電モジュールを作製した。この場合、これらの基板の合成樹脂層の厚みに対するフィラーの体積含有率の比率A/B(vol%/μm)を変化させて、A/Bが0.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC21とした。同様に、A/Bが、0.8vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC22とし、1.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC23とし、2.3vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC24とし、2.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC25とし、3.5vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC26とし、3.7vol%/μmとなるように形成したものを熱電モジュールPC27とした。
そして、上述のようにして作製された熱電モジュールPC21〜PC27を用いて、上述と同様にして、最大温度差(ΔTmax)、最大吸熱量(Qmax)をそれぞれ真空中で求めるとともに、熱電モジュールPC21〜PC27の信頼性(応力緩和)の指標となるACR変化率(交流抵抗の変化率)を上述と同様にして求めると、下記の表16に示すような結果が得られた。
Figure 0004404127
上記表16の結果から明らかなように、(C/4)−Bを45μmに固定した場合、A/Bが3.8(vol%/μm)になると急激にACR変化率が上昇して、当該熱電モジュールPC27の信頼性が低下することが分かる。このことから、CNTがフィラーとして添加された樹脂材料がエポキシ樹脂からなる上基板11および下基板12を用いる場合は、A/Bが3.5(vol%/μm)以下となるように、フィラーとしてのCNTの添加量を調整すると、信頼性が向上した熱電モジュールPC21〜PC26が得られることが分かる。この場合、合成樹脂層での絶縁性を維持するために、合成樹脂層の表面から合成樹脂層の全厚みの5%の範囲には当該CNTが含有されないように添加する必要がある。
上述した表1から表16の結果を総合すると、熱電モジュール構成(サイズ、熱電素子の組成、熱電素子の対数など)に係わらず、ポリイミド樹脂あるいはエポキシ樹脂のいずれかからなる合成樹脂層(厚みをBμmとする)に、熱伝導性が良好なフィラーとしてアルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末、酸化マグネシウム粉末、カーボン粉末のいずれかがフィラーとして分散して添加(体積含有率をAvol%とする:A>0)する場合、A/B≦3.5(vol%/μm)でB≧7(μm)の関係を有し、かつ合成樹脂層の片面あるいは両面に銅層(総厚みをCμmとする)を形成して、(C/4)−B≦65(μm)の関係を有するようにすると、信頼性が向上した熱電モジュールが得られる。
なお、上述した実施の形態においては、合成樹脂材料としてポリイミド樹脂あるいはエポキシ樹脂を用いる例について説明したが、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂以外のアラミド樹脂、BT樹脂(ビスマレイミド・トリアジン樹脂)などを用いるようにしても、上述と同様のことがいえる。
本発明の熱電モジュール用基板を模式的に示す図であり、図1(a)は上基板の裏面の要部を模式的に示す裏面図であり、図1(b)は、下基板の上面の要部を模式的に示す上面図である。 図1に示す上基板および下基板を用いて形成された熱電モジュールの要部の断面を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10…熱電モジュール、11…上基板、11a…熱電素子用配線パターン(銅膜)、11b…接合用銅膜、12…下基板、12a…熱電素子用配線パターン(銅膜)、12b…接合用銅膜、13…熱電素子

Claims (2)

  1. 熱伝導性が良好なフィラーが分散された合成樹脂層と、該合成樹脂層の片面あるいは両面に形成された銅のメタライズ層あるいは銅板からなる銅層とを備えた熱電モジュール用基板であって、
    前記合成樹脂層中の前記フィラーの体積含有率をA(vol%)とし、前記合成樹脂層の厚みをB(μm)とし、前記銅層の総厚みをC(μm)とした場合、
    (C/4)−B≦65(μm)、A/B≦3.5(vol%/μm)、A>0、C>50(μm)、B≧7(μm)の関係を有するようになされているとともに、
    前記熱伝導性が良好なフィラーはグラファイトあるいはカーボンナノチューブ(CNT)であって、前記合成樹脂層の両表面から当該合成樹脂層の全厚みの5%の範囲には当該グラファイトあるいはカーボンナノチューブ(CNT)が存在しないように分散されていることを特徴とする熱電モジュール用基板。
  2. 請求項1に記載の熱電モジュール用基板を用いた熱電モジュールであって、
    裏面に形成された金属層が熱電素子用配線パターンとなる前記熱電モジュール用基板を上基板とし、
    表面に形成された金属層が熱電素子用配線パターンとなる前記熱電モジュール用基板を下基板とし、
    これらの両基板の前記熱電素子用配線パターン間で複数の熱電素子が直列接続されるように配置・固定されていることを特徴とする熱電モジュール。
JP2007253875A 2007-09-28 2007-09-28 熱電モジュール用基板およびこの基板を用いた熱電モジュール Expired - Fee Related JP4404127B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007253875A JP4404127B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 熱電モジュール用基板およびこの基板を用いた熱電モジュール
EP08016985A EP2043169A3 (en) 2007-09-28 2008-09-26 Thermoelectric module substrate and thermoelectric module using such substrate
US12/239,146 US20090084423A1 (en) 2007-09-28 2008-09-26 Thermoelectric module substrate and thermoelectric module using such board
CN2008101687896A CN101399309B (zh) 2007-09-28 2008-09-28 热电模块用基板以及使用该基板的热电模块

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007253875A JP4404127B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 熱電モジュール用基板およびこの基板を用いた熱電モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009088117A JP2009088117A (ja) 2009-04-23
JP4404127B2 true JP4404127B2 (ja) 2010-01-27

Family

ID=40095193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007253875A Expired - Fee Related JP4404127B2 (ja) 2007-09-28 2007-09-28 熱電モジュール用基板およびこの基板を用いた熱電モジュール

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20090084423A1 (ja)
EP (1) EP2043169A3 (ja)
JP (1) JP4404127B2 (ja)
CN (1) CN101399309B (ja)

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090236087A1 (en) * 2008-03-19 2009-09-24 Yamaha Corporation Heat exchange device
US8584864B2 (en) 2010-11-19 2013-11-19 Coldcrete, Inc. Eliminating screens using a perforated wet belt and system and method for cement cooling
JP5640800B2 (ja) * 2011-02-21 2014-12-17 ソニー株式会社 無線電力供給装置及び無線電力供給方法
JP5664326B2 (ja) * 2011-02-22 2015-02-04 富士通株式会社 熱電変換モジュール
KR20130035016A (ko) * 2011-09-29 2013-04-08 삼성전기주식회사 열전 모듈
US20130218241A1 (en) * 2012-02-16 2013-08-22 Nanohmics, Inc. Membrane-Supported, Thermoelectric Compositions
US8845940B2 (en) 2012-10-25 2014-09-30 Carboncure Technologies Inc. Carbon dioxide treatment of concrete upstream from product mold
AU2014212083A1 (en) 2013-02-04 2015-08-06 Coldcrete, Inc. System and method of applying carbon dioxide during the production of concrete
WO2014148494A1 (ja) 2013-03-21 2014-09-25 国立大学法人長岡技術科学大学 熱電変換素子
JP5931790B2 (ja) * 2013-03-29 2016-06-08 富士フイルム株式会社 熱電発電モジュール
US20160107939A1 (en) 2014-04-09 2016-04-21 Carboncure Technologies Inc. Methods and compositions for concrete production
US10927042B2 (en) 2013-06-25 2021-02-23 Carboncure Technologies, Inc. Methods and compositions for concrete production
US9376345B2 (en) 2013-06-25 2016-06-28 Carboncure Technologies Inc. Methods for delivery of carbon dioxide to a flowable concrete mix
US9388072B2 (en) 2013-06-25 2016-07-12 Carboncure Technologies Inc. Methods and compositions for concrete production
KR102070390B1 (ko) * 2013-08-20 2020-01-28 엘지이노텍 주식회사 열전모듈 및 이를 포함하는 열전환장치
CN105580150B (zh) * 2013-09-25 2018-12-25 琳得科株式会社 导热性粘接片、其制造方法以及使用该导热性粘接片的电子器件
EP3035397B1 (en) * 2013-09-25 2018-04-11 Lintec Corporation Heat-conductive adhesive sheet, manufacturing method for same, and electronic device using same
DE102013219541B4 (de) * 2013-09-27 2019-05-09 Evonik Degussa Gmbh Verbessertes Verfahren zur pulvermetallurgischen Herstellung thermoelektrischer Bauelemente
JP6205333B2 (ja) * 2013-10-03 2017-09-27 富士フイルム株式会社 熱電変換モジュール
WO2015123769A1 (en) 2014-02-18 2015-08-27 Carboncure Technologies, Inc. Carbonation of cement mixes
EP3129126A4 (en) 2014-04-07 2018-11-21 Carboncure Technologies Inc. Integrated carbon dioxide capture
DE102014212490A1 (de) * 2014-06-27 2016-01-14 Mahle International Gmbh Peltierelement und Verfahren zur Herstellung
DE102015202968A1 (de) * 2015-02-19 2016-08-25 Mahle International Gmbh Wärmeleitende und elektrisch isolierende Verbindung für ein thermoelektrisches Modul
JP6729224B2 (ja) * 2015-11-26 2020-07-22 三菱マテリアル株式会社 セラミックス/アルミニウム接合体、絶縁回路基板、パワーモジュール、ledモジュール、熱電モジュール
DK3196951T3 (en) 2016-01-21 2019-01-21 Evonik Degussa Gmbh RATIONAL PROCEDURE FOR POWDER METAL SURGICAL MANUFACTURING THERMOELECTRIC COMPONENTS
AU2017249444B2 (en) 2016-04-11 2022-08-18 Carboncure Technologies Inc. Methods and compositions for treatment of concrete wash water
JP7151068B2 (ja) * 2016-12-26 2022-10-12 三菱マテリアル株式会社 ケース付熱電変換モジュール
SG11201912759RA (en) 2017-06-20 2020-01-30 Carboncure Tech Inc Methods and compositions for treatment of concrete wash water
US11152556B2 (en) 2017-07-29 2021-10-19 Nanohmics, Inc. Flexible and conformable thermoelectric compositions
US11871667B2 (en) 2020-09-17 2024-01-09 Applied Materials, Inc. Methods and apparatus for warpage correction
FR3117676A1 (fr) * 2020-12-16 2022-06-17 Valeo Systemes Thermiques Module thermoélectrique, échangeur thermique et procédé de fabrication associé

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3379577A (en) * 1964-05-01 1968-04-23 Cambridge Thermionic Corp Thermoelectric junction assembly with insulating irregular grains bonding insulatinglayer to metallic thermojunction member
DE10022726C2 (de) * 1999-08-10 2003-07-10 Matsushita Electric Works Ltd Thermoelektrisches Modul mit verbessertem Wärmeübertragungsvermögen und Verfahren zum Herstellen desselben
JP4112133B2 (ja) * 1999-11-05 2008-07-02 株式会社タイカ 熱電素子モジュール
JP3512691B2 (ja) * 1999-11-30 2004-03-31 モリックス株式会社 熱電素子およびその製造方法
JP2003209209A (ja) * 2002-01-11 2003-07-25 Suzuki Sogyo Co Ltd 高熱伝導性材料、並びにそれを用いた配線板用基板及び熱電素子モジュール
JP2006114826A (ja) * 2004-10-18 2006-04-27 Yamaha Corp 熱伝導性基板、熱電モジュール、熱伝導性基板の製造方法
US20060127686A1 (en) * 2004-12-15 2006-06-15 Meloni Paul A Thermally conductive polyimide film composites having high thermal conductivity useful in an electronic device
JP2007035907A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Kyocera Corp 熱電モジュール
US20070096083A1 (en) * 2005-10-27 2007-05-03 Intel Corporation Substrate core polymer nanocomposite with nanoparticles and randomly oriented nanotubes and method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009088117A (ja) 2009-04-23
EP2043169A3 (en) 2012-01-11
US20090084423A1 (en) 2009-04-02
EP2043169A2 (en) 2009-04-01
CN101399309A (zh) 2009-04-01
CN101399309B (zh) 2011-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4404127B2 (ja) 熱電モジュール用基板およびこの基板を用いた熱電モジュール
EP2899764B1 (en) Thermoelectric module and heat conversion device including the same
KR102434261B1 (ko) 열변환장치
KR102095242B1 (ko) 열변환장치
KR101931634B1 (ko) 열전 레그 및 이를 포함하는 열전 소자
KR20190013046A (ko) 열전 소자
KR20200094388A (ko) 열전소자
KR20150084310A (ko) 써멀비아전극을 구비한 열전모듈 및 그 제조방법
KR20160115430A (ko) 열전소자, 열전모듈 및 이를 포함하는 열전환장치
KR102441699B1 (ko) 열전 소자
KR20190090928A (ko) 열전 모듈
KR20170084921A (ko) 열전 소자
KR102316222B1 (ko) 열변환장치
KR20170010647A (ko) 열전 소자 및 이를 포함하는 냉각 장치
KR20180028271A (ko) 히트 싱크
CN110268536B (zh) 热电元件
KR102076159B1 (ko) 열전소자
KR20170135538A (ko) 열전 소자
KR20160002608A (ko) 써멀비아전극을 구비한 열전모듈 및 그 제조방법
KR20190038098A (ko) 열전 소자
KR20190089631A (ko) 열전 모듈
KR20180010060A (ko) 열전 소자
KR102623742B1 (ko) 열전모듈
KR20190044236A (ko) 열전소자 및 이를 포함하는 열전변환장치
KR102575215B1 (ko) 열전소자

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090925

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091013

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091026

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4404127

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131113

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees