JP4402647B2 - 車線逸脱量推定装置 - Google Patents

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本発明は、車線逸脱量推定装置に係り、簡易な構成を採りながら逸脱量の推定を迅速かつ高精度に行うための技術に関する。
車両の走行安全性を高める装置としては、制動時における車輪のロックを防止するABS(Anti-lock Breaking System)や、加速時における車輪の空転を防止するTCS(Traction Control System)が広く採用されており、更に旋回時における横滑りの抑制機能等をも加えた車両姿勢制御装置も一部に採用されている。旋回走行時にアンダステアやオーバステア等によって横滑りが生じた場合、運転者が意図した走行軌跡(通常は、走行車線)から車両が逸脱することになる。そのため、車両姿勢制御装置では、走行車線からの逸脱を判定した段階で、独立式制動装置により左右車輪のどちらか一方を制動したり、パワーステアリング装置による操舵アシストトルクを与えたりすることにより、車両を走行車線に復帰させる制御が行われている。
車両の走行車線からの逸脱の判定や予測を行う方法としては、種々のものが公知となっている。例えば、本出願人は、ナビゲーションシステムの地図データ(道路ノードの座標データ)に基づいて車両の逸脱量を算出する操舵制御装置(特許文献1参照)や接地荷重制御装置を(特許文献2参照)を過去に提案した。これらの装置では、各種センサ(車速センサや、操舵角センサ、ヨーレイトセンサ、Gセンサ等)から得られた車両運動パラメータと、地図データから算出した道路の旋回半径とから逸脱量を幾何学的に演算し、これを所定の閾値と比較することで逸脱が判定される。また、車体前部に設置されたCCDカメラにより車両前方を撮影し、その撮像データに基づいて車両の逸脱を予測する車線逸脱警報装置(特許文献3参照)や車線逸脱防止装置(特許文献4参照)も過去に提案されている。これらの装置においては、各種センサから得られた車両運動パラメータと、撮像データを画像処理することにより得た道路の旋回半径やヨー角等とから逸脱が予測される。
特開2005−284441号公報 特開平11−048737号公報 特開2004−038487号公報 特開2004−284485号公報
特許文献1,2の逸脱判定方法は、高価なナビゲーションシステムが必須となるため、装置コストの面から広く採用することが難しかった。また、ナビゲーションシステムは走行経路を案内するシステムであるため、交差点の少ない山間路等で地図データにおける道路ノードの間隔が大きく設定されていた場合、逸脱量の高精度な算出が行えなかった。一方、特許文献3,4の逸脱予測方法は、高価なCCDカメラ等を必要とするため装置コストが高くなる他、雨天時や積雪時、逆光時等には道路形状を正確に認識できなくなり、逸脱の予測が行えなくなる虞があった。
本発明は上記状況に鑑みなされたもので、簡易な構成を採りながら逸脱量の推定を迅速かつ高精度に行うことができる車線逸脱量推定装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る車線逸脱量推定装置は、車両に搭載された車線逸脱量推定装置であって、前記車両の車体速を検出する車体速検出手段と、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記車速と前記操舵角とに基づき、前記車両の規範ヨーレイトを算出する規範ヨーレイト算出手段と、前記車両の実ヨーレイトを検出する実ヨーレイト検出手段と、前記規範ヨーレイトと前記実ヨーレイトとの差を所定時間にわたって積分してヨーレイト差積分値を得るヨーレイト差積分手段と、前記車両の目標走行軌跡からの推定逸脱量をD、前記車速をV、前記所定時間をt、前記ヨーレイト差積分値をθdとしたとき、前記推定逸脱量Dを下式により算出する逸脱量推定手段とを備えたことを特徴とする。
D=V・t・θd
また、請求項2の発明に係る車線逸脱量推定装置は、請求項1に記載の車線逸脱量推定装置において、操舵車輪のタイヤスリップ角を推定するタイヤスリップ角推定手段を更に備え、前記ヨーレイト差積分手段は、このタイヤスリップ角推定手段が推定したタイヤスリップ角の値が所定値を超えたときに前記積分を開始することを特徴とする。
また、請求項3の発明に係る車線逸脱量推定装置は、車両に搭載された車線逸脱量推定装置であって、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記操舵角に基づき、前記車両の目標旋回曲率を算出する目標旋回曲率算出手段と、前記車両の車体速を検出する車体速検出手段と、前記車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、前記車体速と前記横加速度とに基づき、前記車両の実旋回曲率を算出する実旋回曲率算出手段と、前記車両の目標走行軌跡からの推定逸脱量をD、前記車速をV、前記所定時間をt、前記目標旋回曲率と前記実旋回曲率との差をeとしたとき、前記推定逸脱量Dを下式により算出する逸脱量推定手段とを備えたことを特徴とする。
D=V・t・e
本発明の車線逸脱量推定装置によれば、ナビゲーションシステムやCCDカメラ等の高価な機器を用いることなく、既存の装置を用いて走行車線からの車両の逸脱量を迅速かつ高精度に推定することができるようになる。
以下、本発明に係る車線逸脱量推定装置の2つの実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る車両の装置構成を示す平面図であり、図2は第1実施形態に係るVSA−ECUの概略構成を示すブロック図であり、図3は第1実施形態に係る旋回走行時における車両の2輪車モデルを示す図である。
<車両の装置構成>
先ず、図1を参照して、車両の装置構成について説明する。説明にあたり、4本のホイールやそれらに対応して配置された部材、すなわち、タイヤや車輪速センサ等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、ホイール3fl(左前)、ホイール3fr(右前)、ホイール3rl(左後)、ホイール3rr(右後)と記すとともに、総称する場合には、例えば、ホイール3と記す。
図1に示すように、車両(本実施形態では乗用車)1はタイヤ2が装着された4つのホイール3を備えており、これら各ホイール3にはブレーキ4と車輪速センサ(車体速検出手段)5とが内装されている。また、車両1には、車室内にVSA(Vehicle Stability Assist:車両挙動安定化制御システム)−ECU(Electronic Control Unit)6の他、EPS(Electric Power Steering:電動パワーステアリング)7と、EPS7を制御するEPS−ECU8と、各ブレーキ4に圧油を供給する油圧ユニット9と、エンジン10を制御するENG−ECU11とが設置されている。なお、車両1は、車両1の実ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ(実ヨーレイト検出手段)12と、車両1の前後加速度を検出する前後Gセンサ13と、車両1の横加速度を検出する横Gセンサ14とを車室内に備えている。
VSA−ECU6、EPS−ECU8およびENG−ECU11は、それぞれ、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して互いに接続されている。また、油圧ユニット9は、の電動バルブや油圧回路等を4系統備えており、各ホイール3のブレーキ4に異なった圧力の圧油を送給することができる。
EPS7は、図示しないラックやピニオンからなるステアリングギヤ21と、ステアリングホイール22が後端に取り付けられたステアリングシャフト23と、ステアリングシャフト23に操舵アシスト力を与えるEPSモータ24とを主要構成要素としている。なお、ステアリングシャフト23には、ステアリングホイール22の操舵角を検出する操舵角センサ(操舵角検出手段)25が取り付けられている。
<VSA−ECUの構成>
次に、図2を参照して、第1実施形態のVSA−ECU6の要部構成を説明する。
第1実施形態のVSA−ECU6は、車体速推定部31と、規範ヨーレイト算出部(規範ヨーレイト算出手段)32と、スリップ角推定部(タイヤスリップ角推定手段)33と、タイヤモデル設定部34と、前後/横G推定部35と、路面摩擦係数推定部36と、推定開始指令出力部37と、車線逸脱量推定部(ヨーレイト差積分手段,逸脱量推定手段)38と、運動状態判定部39と、制御信号出力部40とを備えている。
車体速推定部31は、各ホイール3の車輪速センサ5から入力した車輪速の検出信号(以下、単に車輪速と記す)Wfl,Wfr,Wrl,Wrrに基づき、車両1の車体速Vを算出する。なお、車体速推定部31には、補正用の情報として、スリップ角推定部33からのタイヤスリップ角αと、タイヤモデル設定部34からのタイヤデータとが入力する。
規範ヨーレイト算出部32は、車体速推定部31から入力した車体速Vの推定値と、操舵角センサ25から入力した操舵角の検出信号(以下、単に操舵角と記す)δに基づき、規範ヨーレイトγNを算出する。
スリップ角推定部33は、車体速推定部31から入力した車体速Vと、操舵角センサ25から入力した操舵角δと、ヨーレイトセンサ12から入力した実ヨーレイトの検出信号(以下、単に実ヨーレイトと記す)γと、横Gセンサ14から入力した車両1の実横加速度の検出信号(以下、単に実横加速度と記す)LGとに基づき、タイヤスリップ角αおよび車体スリップ角βを算出する。なお、本実施形態の場合、図3に示すように、タイヤスリップ角αの推定にあたっては2輪モデルが用いられており、スリップ角推定部33は、タイヤスリップ角αとして前輪側タイヤスリップ角αfと後輪側タイヤスリップ角αrとを推定する。
タイヤモデル設定部34は、スリップ角推定部33から入力したタイヤスリップ角αと、後述する前後/横G推定部35および路面摩擦係数推定部36から入力した前後加速度推定値FGE,横加速度推定値LGE,路面摩擦係数推定値μとに基づき、タイヤ2の力学モデルを設定する。
前後/横G推定部35は、スリップ角推定部33から入力したタイヤスリップ角αと、タイヤモデル設定部34からのタイヤデータとに基づき、前後加速度推定値FGEおよび横加速度推定値LGEを算出する。
路面摩擦係数推定部36は、ヨーレイトセンサ12から入力した実ヨーレイトγと、前後Gセンサ13から入力した車両1の実前後加速度の検出信号(以下、単に実前後加速度と記す)FGと、横Gセンサ14から入力した車両1の実横加速度LGとに基づき、路面摩擦係数推定値μを算出する。なお、路面摩擦係数推定部36には、補正用の情報として、前後/横G推定部35からの前後加速度推定値FGEおよび横加速度推定値LGEが入力する。
推定開始指令出力部37は、車体速推定部31から入力した車体速Vと、路面摩擦係数推定部36から入力した路面摩擦係数推定値μとに基づき、後述する車線逸脱量推定部38および運動状態判定部39に処理開始指令Sstartを出力する。
車線逸脱量推定部38は、車体速推定部31から入力した車体速Vと、規範ヨーレイト算出部32から入力した規範ヨーレイトγNと、ヨーレイトセンサ12から入力した実ヨーレイトγとに基づき推定逸脱量Dを算出し、これを制御信号出力部40に出力する。
運動状態判定部39は、スリップ角推定部33から入力した前後輪のタイヤスリップ角αf,αrから前後スリップ角差αfrを算出した後、この前後スリップ角差αfrと、操舵角センサ25から入力した操舵角δと、路面摩擦係数推定部36から入力した路面摩擦係数推定値μと、車体速推定部31から入力した車体速Vとに基づき車両1の運動状態Pmを判定し、これを制御信号出力部40に出力する。
制御信号出力部40は、車線逸脱量推定部38から入力した推定逸脱量Dと、運動状態判定部39から入力した運動状態Pmとに基づき、車線逸脱を抑制すべく、EPS−ECU8や、ENG−ECU11、油圧ユニット9に制御指令を出力する。
≪第1実施形態の作用≫
車両1が走行を開始すると、VSA−ECU6では、各ホイール3の車輪速センサ5からの車輪速Wfl,Wfr,Wrl,Wrrを始め、操舵角センサ25からの操舵角δ、ヨーレイトセンサ12からの実ヨーレイトγ、前後Gセンサ13からの実前後加速度FG、横Gセンサ14からの実横加速度LGが入力し、図4のフローチャートにその手順を示す車線逸脱抑制制御が所定の制御インターバル(例えば、10ms)で実行される。
<制御開始>
VSA−ECU6では、図4のステップS1で車体速推定部31とスリップ角推定部33と路面摩擦係数推定部36とがそれぞれ演算を行い、車体速Vとタイヤスリップ角αおよび車体スリップ角βと路面摩擦係数推定値μとを算出する。また、規範ヨーレイト算出部32やタイヤモデル設定部34、前後/横G推定部35も、上述した各種の処理を実行する。
次に、VSA−ECU6では、ステップS2において、推定開始指令出力部37が操舵角δの絶対値が所定の推定開始判定閾値δth(例えば、3°〜5°)より大きいか否かを判定し、この判定がNoであればスタートに戻る。ステップS2の判定において、推定開始指令出力部37は、路面のキックバック等に起因する瞬間的な変動を除去すべく、操舵角δの所定時間(例えば、0.1秒)にわたる平均値を算出し、その絶対値を判定に用いる。
運転者がステアリングホイール22を操舵し、ステップS2の判定がYesになると、VSA−ECU6では、次にステップS3において、推定開始指令出力部37が前輪側タイヤスリップ角αfの絶対値が所定の推定開始判定閾値αfthより大きいか否かを判定し、この判定がNoであればスタートに戻る。本実施形態の場合、推定開始判定閾値αfthの値は、図5に示す推定開始判定閾値マップにより与えられ、推定路面摩擦係数推定値μが高いほど大きく、車体速Vが大きいほど小さく設定されている。ステップS3の判定においても、推定開始指令出力部37は、ステップS2の判定と同様の理由により、前輪側タイヤスリップ角αfの所定時間(例えば、0.1秒)にわたる平均値を算出し、その絶対値を判定に用いる。
前輪側タイヤスリップ角αfの絶対値が推定開始判定閾値αfthを超え、ステップS3の判定もYesとなると、VSA−ECU6では、ステップS4で推定開始指令出力部37から車線逸脱量推定部38に処理開始指令Sstartが出力され、車線逸脱量推定部38が図6のフローチャートにその手順を示す逸脱量推定処理を開始する。
<逸脱量推定処理>
逸脱量推定処理を開始すると、車線逸脱量推定部38は、図6のステップS21において運転者による転舵が有るか否かを判定する(前記ステップS2の操舵状態が継続しているか否かを判定する)。ステップS21の判定がYesであれば、車線逸脱量推定部38は、ステップS22においてカウンタステア状態でないか否かを判定する。ステップS22の判定もYesであれば、車線逸脱量推定部38は、ステップS23において前輪側タイヤスリップ角αfの絶対値が前記の推定開始判定閾値αfthより大きいか否かを判定する。ステップS23の判定もYesであれば、車線逸脱量推定部38は、ステップS24において更にオーバステア状態でないか否かを判定する。
ステップS21〜S24の判定のいずれか一つでもNoであった場合、車線逸脱量推定部38は、ステップS25においてタイマカウンタTを0にリセットし、ステップS26において後述のヨーレイト差Δγ,逸脱角推定値θd,推定逸脱量Dの値を全て0にリセットする。なお、タイマカウンタTは、その初期値が0であり、逸脱量推定処理の開始時に起動されている。
ステップS21〜S24の判定が全てYesであった場合、車線逸脱量推定部38は、ステップS27において規範ヨーレイトγNから実ヨーレイトγを減じてヨーレイト差Δγを算出する。そして、車線逸脱量推定部38は、ステップS28において、ヨーレイト差Δγを積分して、現時点における車両1の逸脱角推定値θd(n)を求める。すなわち、車線逸脱量推定部38は、初期値0の逸脱角推定値の前回値θd(n−1)にヨーレイト差Δγを加算し、逸脱角推定値の今回値θd(n)を得る。
ステップS28で逸脱角推定値の今回値θd(n)を得ると、車線逸脱量推定部38は、ステップS29で逸脱角推定値の今回値θd(n)と車体速Vと積算時間t(すなわち、タイマカウンタTの値)とを用いて、下式(1)により現時点における推定逸脱量Dを演算し、その演算結果を制御信号出力部40に出力する。
D=V・t・θd(n) ・・・(1)
図7(a)には車両1の旋回時における走行軌跡を模式的に示し、図7(b)には式(1)による逸脱量の推定方法を模式的に示している。推定逸脱量Dは、逸脱角推定値の今回値θd(n)の正接(tanθd(n))に車体速Vと積算時間tとを乗じたものとなるが、θd(n)の値が比較的小さいため、値θd(n)に車体速Vと積算時間tとを乗じて近似的な値として算出する。これにより、推定逸脱量Dの演算が簡単かつ極めて短時間で行えることになり、制御応答速度が向上する。
<運動状態判定処理>
図4のステップS2,S3の判定がいずれもYesであった場合、VSA−ECU6では、ステップS5で運動状態判定部39にも推定開始指令出力部37から処理開始指令Sstartが出力され、運動状態判定部39が図8のフローチャートにその手順を示す運動状態判定処理を開始する。
運動状態判定処理を開始すると、運動状態判定部39は、ステップS31において、下式(2)により前輪側タイヤスリップ角αfから後輪側タイヤスリップ角αrを除した値の絶対値を前後スリップ角差αfrとして算出する。
αfr=|αf−αr| ・・・式(2)
前後スリップ角差αfrの算出を終えると、運動状態判定部39は、ステップS32において、前後スリップ角差αfrと、操舵角δと、車体速Vと、路面摩擦係数推定値μとに基づき、図9に示す運動状態判定マップから車両1の運動状態Pmを検索する。図9から判るように、運動状態判定マップでは、前後スリップ角差αfrが大きくなるに従い、車両1の運動状態Pmが、グリップ旋回領域から、グリップ限界、アンダステア領域、ドリフトアウト領域へと変化する。なお、運動状態判定マップは、所定速度(例えば、V=50km/h)かつドライ路面(μ=1)の条件で正規化されており、運動状態Pmの検索にあたり、車体速Vおよび路面摩擦係数推定値μに応じてゲイン変換を行う。
ステップS32で運動状態Pmの検索を終えると、運動状態判定部39は、ステップS33で運動状態Pmがグリップ旋回領域にあるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS34で運動状態PmをP0として制御信号出力部40に出力する。また、ステップS33の判定がNoであれば、運動状態判定部39は、ステップS35で運動状態Pがグリップ限界にあるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS36で運動状態PmをP1として制御信号出力部40に出力する。また、ステップS35の判定がNoであれば、運動状態判定部39は、ステップS37で運動状態Pがアンダステア領域にあるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS38で運動状態PmをP2として制御信号出力部40に出力する。また、ステップS37の判定がNoであれば、運動状態判定部39は、ステップS39で運動状態Pがドリフトアウト領域にあるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS40で運動状態PmをP3として制御信号出力部40に出力する。
<制御信号出力処理>
VSA−ECU6では、制御信号出力部40は、車線逸脱量推定部38から入力した推定逸脱量Dと、運動状態判定部39から入力した運動状態Pmとに基づき、制御信号出力処理を行う。
すなわち、制御信号出力部40は、図4のステップS6で推定逸脱量Dが所定の逸脱判定値Dth(例えば、1m)を超えたか否かを判定し、この判定がYesであればステップS7に進む。この状況では、車両1がコースアウトする虞が高いため、制御信号出力部40は、ステップS7において、アンダステアの抑制と制動とを併せて行わせるべく、油圧ユニット9とENG−ECU11とに制御信号を出力する。これにより、旋回内側のホイール3の駆動力が低減してアンダステアが抑制されると同時に、全てのホイール3の制動とそれに応じたエンジン10の出力トルクの低減とが行われ、コースアウト時等における安全性が向上する。
また、ステップS6の判定がNoであった場合、制御信号出力部40は、ステップS8で運動状態PmがP3(ドリフトアウト領域)であるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS7に進む。この状況では、車両1がドリフトアウト状態となっているため、推定逸脱量Dが逸脱判定値Dthを超えたときと同様に、アンダステアの抑制と制動とを併せて行う。
また、ステップS8の判定がNoであった場合、制御信号出力部40は、ステップS9で運動状態PmがP2(アンダステア領域)であるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS10に進む。制御信号出力部40は、ステップS10において、アンダステアの抑制を行わせるべく、油圧ユニット9とENG−ECU11とに制御信号を出力する。これにより、旋回内側のホイール3の駆動力が低減するとともにエンジン10の出力トルクも低減し、アンダステアが抑制されて車両1の走行車線からの逸脱が起こり難くなる。
また、ステップS9の判定がNoであった場合、制御信号出力部40は、ステップS11で運動状態PmがP1(グリップ限界)であるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS12に進む。制御信号出力部40は、ステップS12において、EPS7による操舵アシストを抑制すべく、EPS−ECU8に制御信号を出力する。これにより、EPSモータ24が発生する操舵アシスト力が減少し、車両1の運動状態Pがグリップ限界からグリップ旋回領域に移行する。
[第2実施形態]
図10は第2実施形態に係るVSA−ECUの概略構成を示すブロック図である。なお、第2実施形態においても、車両の装置構成は前述した第1実施形態と同様である。
<VSA−ECUの構成>
次に、図10を参照して、第2実施形態のVSA−ECU6の要部構成を説明する。なお、VSA−ECU6については、車体速推定部やスリップ角推定部等、第1実施形態と同様の処理を行う処理部に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2実施形態のVSA−ECU6は、車体速推定部31と、目標旋回曲率算出部(目標旋回曲率算出手段)41と、実旋回曲率算出部(実旋回曲率算出手段)42と、スリップ角推定部33と、タイヤモデル設定部34と、前後/横G推定部35と、路面摩擦係数推定部36と、推定開始指令出力部37と、車線逸脱量推定部38と、運動状態判定部39と、制御信号出力部40とを備えている。
目標旋回曲率算出部41は、操舵角センサ25からの操舵角δと、前後/横G推定部35から入力したスリップ角推定部33から入力したタイヤスリップ角αと基づき目標旋回曲率ρを算出する。
実旋回曲率算出部42は、車体速推定部31から入力した車体速Vと、横Gセンサ14から入力した車両1の実横加速度LGとに基づき、実旋回曲率Rを算出する。
≪第2実施形態の作用≫
車両1が走行を開始すると、VSA−ECU6では、各ホイール3の車輪速センサ5からの車輪速Wfl,Wfr,Wrl,Wrrを始め、操舵角センサ25からの操舵角δ、ヨーレイトセンサ12からの実ヨーレイトγ、前後Gセンサ13からの実前後加速度FG、横Gセンサ14からの実横加速度LGが入力し、図11のフローチャートにその手順を示す車線逸脱抑制制御が所定の制御インターバル(例えば、10ms)で実行される。
<制御開始>
VSA−ECU6では、図11のステップS51で車体速推定部31とスリップ角推定部33と路面摩擦係数推定部36とがそれぞれ演算を行い、車体速Vとタイヤスリップ角αおよび車体スリップ角βと路面摩擦係数推定値μとを算出する。また、タイヤモデル設定部34や前後/横G推定部35も上述した各種の処理を実行する。
次に、VSA−ECU6では、ステップS52において、推定開始指令出力部37が操舵角δの絶対値が所定の推定開始判定閾値δth(例えば、3°〜5°)より大きいか否かを判定し、この判定がNoであればスタートに戻る。ステップS52の判定において、推定開始指令出力部37は、路面のキックバック等に起因する瞬間的な変動を除去すべく、操舵角δの所定時間(例えば、0.1秒)にわたる平均値を算出し、その絶対値を判定に用いる。
運転者がステアリングホイール22を操舵し、ステップS52の判定がYesになると、VSA−ECU6では、次にステップS53において、推定開始指令出力部37が前輪側タイヤスリップ角αfの絶対値が所定の推定開始判定閾値αfthより大きいか否かを判定し、この判定がNoであればスタートに戻る。本実施形態の場合、推定開始判定閾値αfthの値は、図5に示す推定開始判定閾値マップにより与えられ、推定路面摩擦係数推定値μが高いほど大きく、車体速Vが大きいほど小さく設定されている。ステップS53の判定においても、推定開始指令出力部37は、ステップS52の判定と同様の理由により、前輪側タイヤスリップ角αfの所定時間(例えば、0.1秒)にわたる平均値を算出し、その絶対値を判定に用いる。
前輪側タイヤスリップ角αfの絶対値が推定開始判定閾値αfthを超え、ステップS53の判定もYesとなると、VSA−ECU6では、ステップS54で推定開始指令出力部37から車線逸脱量推定部38に処理開始指令Sstartが出力され、車線逸脱量推定部38が図12のフローチャートにその手順を示す補正係数算出処理を開始する。
<補正係数算出処理>
補正係数算出処理を開始すると、車線逸脱量推定部38は、図12のステップS71で、車体速推定部31から入力した車体速Vと、操舵角センサ25から入力した操舵角δとに基づき、車両1が旋回するために必要とする要求横力(必要となるグリップ力)FLδvを下式(3)により推定する。
FLδv=(δw−αfr)/LWB・V ・・・(3)
ここで、δwは操舵角δから図示しないマップにより求めた前輪の実舵角であり、αfrは前述の式(2)により求めた前後スリップ角差αfrであり、LWBは車両1のホールベースである。
次に、車線逸脱量推定部38は、ステップS72で路面摩擦係数推定部36から入力した路面摩擦係数推定値μより要求横力FLδvが小さいか否かを判定し、この判定がNoであれば、後述する補正係数K1,K2を求める条件ではないため、ステップS73で後述の補正係数設定フラグFccを0としてスタートに戻る。
要求横力FLδvが路面摩擦係数推定値μ以上でステップS72の判定がYesになると、車線逸脱量推定部38は、ステップS74で実横加速度LGが所定のレンジ(例えば、(0.1<LG≦0.4)と、(0.4<LG≦0.8)、(0.8<LG≦1.0)のいずれか)に留まっているか否か(すなわち、旋回状況が変化していないか否か)を判定し、この判定がNoであれば、ステップS73で補正係数設定フラグFccを0としてスタートに戻る。
実横加速度LGが所定のレンジに留まっていてステップS74の判定がYesになると、車線逸脱量推定部38は、ステップS75で初期値0の第1演算フラグFc1が1であるか否かを判定する。初回はこの判定がNoとなるため、車線逸脱量推定部38は、ステップS76でこれも初期値0の第2演算フラグFc2が1であるか否かを判定する。
初回はステップS76の判定もNoとなるため、車線逸脱量推定部38は、ステップS77で所定の初期値(例えば、2s〜5s)を有する第1カウントダウンタイマTcd1の値が0であるか否かを判定し、この判定がNoである間は、ステップS78で、要求横力FLδvの第1平均値FLδv(n)と、摩擦係数推定値μから得られる車体横力FLμの第1平均値FLμ(n)とを算出し、ステップS79で第1カウントダウンタイマTcd1を減算する。
第1カウントダウンタイマTcd1の値が0でステップS77の判定がYesになると、車線逸脱量推定部38は、要求横力FLδvの第1平均値FLδv(n)と車体横力FLμの第1平均値FLμ(n)との関係を演算式で表すべく、ステップS80で下式(4)を求めた後、ステップS81で第1演算フラグFc1を1とする。
FLδv(n)=K1・FLμ(n)+K2 ・・・(4)
ここで、K1,K2は、サスペンション系(ブッシュ類)の撓みや、タイヤの撓み、車体の撓み、ステアリング系のロス、各種センサの検出誤差等による誤差分を補正するための補正係数である。
第1演算フラグFc1が1でステップS76の判定がYesになると、車線逸脱量推定部38は、ステップS82で所定の初期値(例えば、2s〜5s)を有する第2カウントダウンタイマTcd2の値が0であるか否かを判定し、この判定がNoである間は、ステップS83で、要求横力FLδvの第2平均値FLδv(n+1)と、摩擦係数推定値μから得られる車体横力FLμの第2平均値FLμ(n+1)とを算出し、ステップS84で第2カウントダウンタイマTcd2を減算する。
第2カウントダウンタイマTcd2の値が0でステップS82の判定がYesになると、車線逸脱量推定部38は、要求横力FLδvの第2平均値FLδv(n+1)と車体横力FLμの第2平均値FLμ(n+1)との関係を演算式で表すべく、ステップS85で下式(5)を求めた後、ステップS86で第2演算フラグFc2を1とする。
FLδv(n+1)=K1・FLμ(n+1)+K2 ・・・(5)
第2演算フラグFc2が1でステップS75の判定がYesになると、車線逸脱量推定部38は、ステップS87で式(4),(5)から補正係数K1,K2を算出し、ステップS88で第1,第2カウントダウンタイマTcd1,Tcd2をリセットし、ステップS89で補正係数設定フラグFccを1とする。
<逸脱量推定処理>
逸脱量推定処理を開始すると、車線逸脱量推定部38は、補正係数算出処理と平行して、図13のフローチャートにその手順を示す逸脱量推定処理を開始し、初期値0のタイマカウンタTを起動する。
逸脱量推定処理を開始すると、車線逸脱量推定部38は、先ず図13のステップS91で補正係数設定フラグFccが1であるか否かを判定し、この判定がNoであれば、判定の条件が整っていないため、ステップS92でタイマカウンタTをリセットした後にスタートに戻る。
補正係数設定フラグFccが1となってステップS91の判定がYesになると、車線逸脱量推定部38は、ステップS93で車速変化率ΔVの絶対値|ΔV|が所定の閾値ΔVthより小さいか否か(すなわち、定速状態にあるか否か)を判定し、この判定がNoであれば、やはり逸脱判定が不可能であるため、ステップS92でタイマカウンタTをリセットした後にスタートに戻る。
車両1が定速状態にあってステップS93の判定がYesになると、車線逸脱量推定部38は、ステップS94で要求横力FLδvが補正係数K1,K2により補正された路面摩擦係数推定値K1・μ+K2より大きいか否かを判定する。そして、この判定がNoの場合(すなわち、タイヤの横滑りが起こらないと見込める場合)、車線逸脱量推定部38は、ステップS92でタイマカウンタTをリセットした後、スタートに戻る。
ステップS91,S93,S94の判定が全てYesになると、車線逸脱量推定部38は、ステップS95で下式(6)により目標旋回半径ρを算出し、ステップS96で下式(7)により実旋回半径Rを算出し、更に、ステップS97で下式(8)により目標旋回曲率と実旋回曲率との差eを算出する。
ρ=LWB/(δw−αfr)・・・(6)
R=V/LG・・・(7)
e=1/ρ−1/R・・・(8)
ステップS97で目標旋回曲率と実旋回曲率との差eを得ると、車線逸脱量推定部38は、ステップS98で、目標旋回曲率と実旋回曲率との差eと車体速Vと積算時間t(すなわち、タイマカウンタTの値)とを用いて、下式(9)により現時点における推定逸脱量Dを演算し、その演算結果を制御信号出力部40に出力する。
D=V・t・e・・・(9)
図14には車両1の旋回時における走行軌跡を模式的に示してある。第2実施形態においても、推定逸脱量Dの演算が簡単かつ極めて短時間で行えることになり、制御応答速度が向上する。
<運動状態判定処理>
図11のステップS2,S3の判定がいずれもYesであった場合、VSA−ECU6では、ステップS5で運動状態判定部39にも推定開始指令出力部37から処理開始指令Sstartが出力され、運動状態判定部39が図15のフローチャートにその手順を示す運動状態判定処理を開始する。
運動状態判定処理を開始すると、運動状態判定部39は、ステップS101において、前述した式(2)により前輪側タイヤスリップ角αfから後輪側タイヤスリップ角αrを除した値の絶対値を前後スリップ角差αfrとして算出する。
前後スリップ角差αfrの算出を終えると、運動状態判定部39は、ステップS102において、前後スリップ角差αfrと、操舵角δと、車体速Vと、路面摩擦係数推定値μとに基づき、図9に示す運動状態判定マップから車両1の運動状態Pmを検索する。
ステップS102で運動状態Pmの検索を終えると、運動状態判定部39は、ステップS103で運動状態Pmがグリップ旋回領域にあるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS104で運動状態PmをP0として制御信号出力部40に出力する。また、ステップS103の判定がNoであれば、運動状態判定部39は、ステップS105で運動状態Pがグリップ限界にあるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS106で運動状態PmをP1として制御信号出力部40に出力する。また、ステップS105の判定がNoであれば、運動状態判定部39は、ステップS107で運動状態Pがアンダステア領域にあるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS108で運動状態PmをP2として制御信号出力部40に出力する。また、ステップS107の判定がNoであれば、運動状態判定部39は、ステップS109で運動状態Pがドリフトアウト領域にあるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS110で運動状態PmをP3として制御信号出力部40に出力する。
<制御信号出力処理>
VSA−ECU6では、制御信号出力部40は、車線逸脱量推定部38から入力した推定逸脱量Dと、運動状態判定部39から入力した運動状態Pmとに基づき、制御信号出力処理を行う。
すなわち、制御信号出力部40は、図11のステップS56で推定逸脱量Dが所定の逸脱判定値Dth(例えば、1m)を超えたか否かを判定し、この判定がYesであればステップS57に進む。この状況では、車両1がコースアウトする虞が高いため、制御信号出力部40は、ステップS57において、アンダステアの抑制と制動とを併せて行わせるべく、油圧ユニット9とENG−ECU11とに制御信号を出力する。これにより、旋回内側のホイール3の駆動力が低減してアンダステアが抑制されると同時に、全てのホイール3の制動とそれに応じたエンジン10の出力トルクの低減とが行われ、コースアウト時等における安全性が向上する。
また、ステップS56の判定がNoであった場合、制御信号出力部40は、ステップS58で運動状態PmがP3(ドリフトアウト領域)であるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS57に進む。この状況では、車両1がドリフトアウト状態となっているため、推定逸脱量Dが逸脱判定値Dthを超えたときと同様に、アンダステアの抑制と制動とを併せて行う。
また、ステップS58の判定がNoであった場合、制御信号出力部40は、ステップS59で運動状態PmがP2(アンダステア領域)であるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS60に進む。制御信号出力部40は、ステップS60において、アンダステアの抑制を行わせるべく、油圧ユニット9とENG−ECU11とに制御信号を出力する。これにより、旋回内側のホイール3の駆動力が低減するとともにエンジン10の出力トルクも低減し、アンダステアが抑制されて車両1の走行車線からの逸脱が起こり難くなる。
また、ステップS59の判定がNoであった場合、制御信号出力部40は、ステップS61で運動状態PmがP1(グリップ限界)であるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS62に進む。制御信号出力部40は、ステップS62において、EPS7による操舵アシストを抑制すべく、EPS−ECU8に制御信号を出力する。これにより、EPSモータ24が発生する操舵アシスト力が減少し、車両1の運動状態Pがグリップ限界からグリップ旋回領域に移行する。
上記両実施形態では、このような構成を採ったことにより、ナビゲーションシステムやCCDカメラ等の高価な機器を用いることなく、車両姿勢制御装置が備える既存のセンサ類の出力によって走行車線からの車両の逸脱量を迅速かつ高精度に推定することができるようになった。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態に限られるものではない。例えば、上記両実施形態では、車両の推定逸脱量と運動状態とに基づき、VSA−ECUがモーメント制御や、制動制御、操舵制御を行うようにしたが、ディスプレイやスピーカ等を用いて運転者に警告を行うようにしてもよい。その他、車両の具体的構成や制御の具体的手順等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
第1実施形態に係る車両の装置構成を示す平面図である。 第1実施形態に係るVSA−ECUの概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る旋回走行時における車両の2輪車モデルを示す図である。 第1実施形態に係る車線逸脱抑制制御の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る推定開始判定閾値マップである。 第1実施形態に係る逸脱量推定処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る車両の旋回時における走行軌跡と逸脱量の推定方法とを示す模式図である。 第1実施形態に係る運動状態判定処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る運動状態判定マップである。 第2実施形態に係るVSA−ECUの概略構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る車線逸脱抑制制御の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る補正係数算出処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る逸脱量推定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る車両の旋回時における走行軌跡と逸脱量の推定方法とを示す模式図である。 第2実施形態に係る運動状態判定処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両
5 車輪速センサ(車体速検出手段)
6 VSA−ECU(車線逸脱量推定装置)
12 ヨーレイトセンサ(実ヨーレイト検出手段)
13 前後Gセンサ
14 横Gセンサ(横加速度検出手段)
25 操舵角センサ(操舵角検出手段)
31 車体速推定部(車体速推定手段)
32 規範ヨーレイト算出部(規範ヨーレイト算出手段)
33 スリップ角推定部(タイヤスリップ角推定手段)
38 車線逸脱量推定部(ヨーレイト差積分手段,逸脱量推定手段)
41 目標旋回曲率算出部(目標旋回曲率算出手段)
42 実旋回曲率算出部(実旋回曲率算出手段)

Claims (3)

  1. 車両に搭載された車線逸脱量推定装置であって、
    前記車両の車体速を検出する車体速検出手段と、
    ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記車速と前記操舵角とに基づき、前記車両の規範ヨーレイトを算出する規範ヨーレイト算出手段と、
    前記車両の実ヨーレイトを検出する実ヨーレイト検出手段と、
    前記規範ヨーレイトと前記実ヨーレイトとの差を所定時間にわたって積分してヨーレイト差積分値を得るヨーレイト差積分手段と、
    前記車両の目標走行軌跡からの推定逸脱量をD、前記車速をV、前記所定時間をt、前記ヨーレイト差積分値をθdとしたとき、前記推定逸脱量Dを下式により算出する逸脱量推定手段と
    を備えたことを特徴とする車線逸脱量推定装置。
    D=V・t・θd
  2. 操舵車輪のタイヤスリップ角を推定するタイヤスリップ角推定手段を更に備え、
    前記ヨーレイト差積分手段は、このタイヤスリップ角推定手段が推定したタイヤスリップ角の値が所定値を超えたときに前記積分を開始することを特徴とする、請求項1に記載の車線逸脱量推定装置。
  3. 車両に搭載された車線逸脱量推定装置であって、
    ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    前記操舵角に基づき、前記車両の目標旋回曲率を算出する目標旋回曲率算出手段と、
    前記車両の車体速を検出する車体速検出手段と、
    前記車両の横加速度を検出する横加速度検出手段と、
    前記車体速と前記横加速度とに基づき、前記車両の実旋回曲率を算出する実旋回曲率算出手段と、
    前記車両の目標走行軌跡からの推定逸脱量をD、前記車速をV、前記所定時間をt、前記目標旋回曲率と前記実旋回曲率との差をeとしたとき、前記推定逸脱量Dを下式により算出する逸脱量推定手段と
    を備えたことを特徴とする車線逸脱量推定装置。
    D=V・t・e
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