JP4402622B2 - マルチプロセッサ制御装置、その制御方法及び集積回路 - Google Patents
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Description
また、電力の供給を断つと、演算の結果や処理状況などを示したコンテキストが失われるため、各プロセッサは、レジスタの情報であるコンテキストを他のメモリ等に退避させる必要がある。この場合には、同期が確定し電力の供給を再開した後、退避させたコンテキストを再び読み出して自己のレジスタに反映させなければならない。このコンテキスト復旧にも時間を多少必要とする。コンテキスト復旧は、電源電圧が安定してから行われるため更に総合的な演算の処理速度が落ちると言える。
また、前記解除信号出力手段は、前記他の複数のプロセッサが前記所定の演算を開始してから出力された前記同期要求信号の数を数えるカウント手段を備え、前記カウント手段でカウントされる前記同期要求信号の数が前記他の複数のプロセッサの数に1足りなくなった時点で前記解除信号を出力することとしてよい。
また、前記電力制御手段は、前記一のプロセッサ及び前記他の複数のプロセッサ各々に通常よりも低い低電力を供給する低電力供給手段と、通常の電力を供給する通常電力供給手段とを備え、前記電力制御手段は、プロセッサに対して、前記低電力供給手段によって低電力を供給することで電力を抑制し、前記通常電力供給手段によって通常電力を供給することで抑制を解除することとしてよい。
また、前記電力制御手段は、プロセッサに対する電力の供給を停止することで抑制し、前記他の複数のプロセッサ各々は、前記同期要求信号を出力した後に、電力の抑制がなされる前に自己におけるレジスタの情報であるコンテキストを、メモリに退避させる退避手段と、前記電力制御手段が当該他の複数のプロセッサに対する電力の抑制を解除した後に、前記退避手段で退避したコンテキストを前記他のメモリから読み出して自プロセッサに復元する復元手段とを備えることとしてよい。
また、前記マルチプロセッサ制御装置は、前記一のプロセッサ及び前記他の複数のプロセッサを含み、前記他の複数のプロセッサ各々は、自己において行う演算が終了までにあと所定の命令数を残す段階まで到達したことを示す準同期要求信号を出力する準同期要求信号出力手段を備え、前記実行制御手段は、前記他の複数のプロセッサ全てが準同期要求信号を出力した時点で前記抑制を解除するための解除信号を出力する解除信号出力手段を備え、前記電力制御手段は、前記解除信号を受けて前記抑制を解除することとしてよい。
これにより、プロセッサは自己における演算が終了するより少し前に準同期要求信号を出力し、その準同期要求信号を元にして電力復旧のタイミングを決めることができる。よって一のプロセッサは、準備に必要な最小の時間のみの通電で演算を実行できるようになる。
また、前記準同期要求信号は、前記他の複数のプロセッサ各々が実行しているプログラム内において記述されている準同期要求信号を出力するための特殊命令を解釈実行する時点で出力されることとしてよい。
また、前記マルチプロセッサ制御装置は、前記一のプロセッサ及び前記他の複数のプロセッサを含み、前記一のプロセッサは、前記他の複数のプロセッサ各々が並列して行わせている所定の演算の結果と自己において実行している第1の演算の結果とを用いる第2の演算を行い、前記一のプロセッサは、前記第1の演算が終了したときに当該演算が終了したことを示す同期要求信号を出力する第1同期要求信号出力手段を備え、前記他の複数のプロセッサは、前記所定の演算が終了したときに当該演算が終了したことを示す同期要求信号を出力する第2同期要求信号出力手段を備え、前記電力制御手段は、前記一のプロセッサと前記他の複数のプロセッサとを含む全てのプロセッサが演算を終了していない場合に、同期要求信号を出力したプロセッサに対する電力の供給を抑制することとしてよい。
また、前記電力制御手段は、前記一のプロセッサ及び前記他の複数のプロセッサ各々に対してクロックを供給するクロック供給手段を備え、前記一のプロセッサと前記他の複数のプロセッサとを含む全てのプロセッサが演算を終了していない場合に、同期要求信号を出力したプロセッサに対するクロックの供給を停止することとしてよい。
また、一のプロセッサに、他の複数のプロセッサ各々に並列して行わせている演算が終了したときに、当該各演算の結果を用いる演算を開始させる実行制御手段と前記一のプロセッサに対して電力の供給を制御する電力制御手段とを備えるマルチプロセッサ制御装置における制御方法であって、前記電力制御手段が、前記一のプロセッサに対して供給する電力を抑制する電力抑制ステップと、前記電力制御手段が、前記他の複数のプロセッサのうち最後に演算を終了するプロセッサが、当該演算を終了するより前に前記一のプロセッサに対する前記抑制を解除する解除ステップと、前記実行制御手段が、前記他の複数のプロセッサ各々に並列して行わせている演算が終了したときに、当該各演算の結果を用いる演算を前記一のプロセッサに開始させる実行制御ステップとを含むこととしてよい。
また、マルチプロセッサを制御するための集積回路であって、一のプロセッサに、他の複数のプロセッサ各々に並列して行わせている演算が終了したときに、当該各演算の結果を用いる演算を開始させる実行制御手段と、前記一のプロセッサに対して供給する電力を制御する電力制御手段とを備え、前記電力制御手段は、前記一のプロセッサに対して電力の供給を抑制している場合において、前記他の複数のプロセッサのうち最後に演算を終了するプロセッサが当該演算を終了するより前に、前記一のプロセッサに対する前記抑制を解除するとしてよい。
<実施の形態1>
<構成>
図1に実施の形態1に係るマルチプロセッサ制御装置の機能構成を示したブロック図を示した。
各PEは、各々に与えられた演算を行う機能を有する。また、プログラム上において、それぞれ他のPEにおける演算の終了を待たねば次の処理に移行できない点(以下「同期ポイント」という)まで来た場合に、同期制御部120に同期要求信号SYNCを出力し、同期待ち解除信号ACKを受けるまで待機する機能を有する。
同期カウンタ201は各PEからの同期要求信号SYNCを受信し、自己内のメモリに設定されている同期数を減算していく機能を有する。一つのPEから同期要求信号を受け取るたびにカウンタを1減算する。なお、同期カウンタ201の数は、最初PEの個数と同等の数に設定されており、その数が0になるたびにリセットされて同期に関係するPEの数nに更新する。また、受信した同期要求信号がどのPEから出力されたかの情報を電力抑制判定部203に出力する機能も有する。
電力抑制判定部203は、同期カウンタ201のカウントの数を監視しており、その数が「2以上」である場合に、同期カウンタから受け取ったPEの情報に基づいて、そのPEに対する電力の抑制を要求する信号SUPPRESSをシーケンサ205に出力する機能を有する。
シーケンサ205は、同期待ち解除信号ACKを各PEに出力する機能と、電力制御部130を制御する信号である制御信号CTRL信号を出力する機能を有する。同期待ち解除信号ACKは、同期確立判定部202から出力される同期確立信号ESTABLISHを受けて出力される。また、電力抑制判定部203からのSUPPRESSを受けて、電力制御部130に電力を低消費電力化する信号CTRLを出力する。同期予測判定部204からALMOSTを受けた場合は、電力を抑制していたPEに対する抑制を解除する信号CTRLを出力する。
<データ>
ここから、マルチプロセッサ制御装置100で扱うデータについて説明する。
まず、電力制御部130では、各PEに対しての電力抑制の状態を管理しているが、その内容について、図3の電力抑制表300を用いて説明する。電力抑制表300は、PE番号301に対応して、クロック供給302の有無と、電力供給状態303を示す。
図4に示すのは、PEが扱うプログラム例400であり、実際の処理内容401(詳細記さず)、そして全ての処理が終了して同期ポイントまで来た時点で同期要求信号SYNCを発行するSYNC命令402と、そしてループ判定403とを含んで構成される。ここでループ判定403は必ずしも必要ではなくて、マルチプロセッサシステムでは、一つのPEにはループ演算をさせる場合が多いために記述したものである。プログラム例400は、上の命令から順に処理されていき、同期ポイントまで到達した時点でSYNC命令402がPEから同期制御部120に出力され、その時点でPEは、待機するようになっており、同期待ち解除信号ACKを受け取ったらループ判定403以降の処理を行う。
以降においては実施の形態1に係るマルチプロセッサ制御装置100の動作について説明していく。
まず、図5のフローチャートを用いて本実施の形態1に係るマルチプロセッサ制御装置100の動作を説明する。マルチプロセッサ制御装置100の動作は、基本的に同期制御部120の動作のそれと略同一なので、マルチプロセッサ制御装置100の動作として同期制御部120の動作を説明する。またここでは、全てのPEが同期ポイントが到達して、同期待ちが解除されるまでの動作についてを説明する。
出力された同期要求信号SYNCを受け取った同期制御部120は(ステップS501)、自己の同期カウンタ201の数を1減少させる(ステップS503)。そして同期確立判定部202は、同期カウンタ201の数が0であるかどうかを判定する(ステップS505)。同期カウンタの201の数が0であった場合には(ステップS505のYES)、同期確立判定部202は同期確立信号ESTABLISHを発行し、それに基づいてシーケンサ205は、各PEに対してクロックを供給するように電力制御部130に制御信号CTRLを出力する。そして各PEに対して同期待ち解除信号ACKを出力する(ステップS507)。そして同期カウンタ201のカウント数をリセットしてPEの数と同じ数に戻して(ステップS509)終了する。
ここからマルチプロセッサ制御装置100の動作を具体例を挙げて説明する。
図6にその動作例を示したタイミングチャートを記した。ここに示すタイミングチャートでは、PE110aが最初に自己の処理を終了したPEであり、PE110bがその次となる。そしてPE110nが最後から2つ目に処理を終了するPEであり、PE110cが最後に処理を終了するPEであるとする。
そして、PE110nが同期ポイントに到達し、同期要求信号SYNCnを同期制御部120に出力する(ステップS641)。同期要求信号SYNCnを受けた同期制御部120は、同期カウンタ201の数を1減算して1に設定する(ステップS655)。同期制御部120は、電力制御部130に対して、同期要求信号SYNCnを出力したPE110nに対するクロック供給を停止する制御信号CTRLを出力する(ステップS656)。するとPE110nは電力制御部130からはクロックの供給がなされない低消費電力モード2に移行する(ステップS642)。また、同期予測判定部204は、同期カウンタ201の数が1になったのを見て同期準備信号ALMOSTをシーケンサ205に発行する。シーケンサ205は、状態信号STATUSに基づいて、電力制御部130に、電源を抑制していたPEに対しての電力の抑制を解除させる(ステップS657)。
そして、各PEは、まだ同期ポイントまで到達していないPE110cが同期ポイントに到達するまで待機する。
<実施の形態1変形例>
実施例1においては、各PEに対する電力を低下することで省電力化を図ったが、実施の形態1変形例においては、同期ポイントまできたPEに対する電力を低下させるのではなく、完全に遮断する場合についてを説明する。電力供給を完全に遮断することでより大きな省電力の効果を得られる可能性がある。
図7に実施の形態1変形例のマルチプロセッサ制御装置700の機能構成を示したブロック図を記した。
主な機能は実施の形態1と同じなので、ここでは実施の形態1とは異なる点を述べていく。
実施の形態1の変形例に係るマルチプロセッサ制御装置700の動作を図9のフローチャートに示してある。ここでは、実施例1変形例のマルチプロセッサ制御装置700の動作は実施例1のそれと殆ど変わらず相違点のみを述べる。
図に示すように、ステップS919の内容が実施例1のステップS519と異なっている。実施例1においては、電力抑制信号を出力して電力制御部130に低電力を供給する制御信号を出力したが、本実施例においては、電力停止信号を出力する。電力停止信号を出力された電力制御部730は、同期要求信号を出力したPEに対する電力の供給を、コンテキスト退避を待って、停止する。
図10には実施例1で図6に示したタイミングチャートを本実施例に即して変更したタイミングチャートを示している。
図10にあるように、実施例1のタイミングチャートと異なり、PEは同期要求信号を発して後に、コンテキスト退避を行っており(ステップS1012、S1022)、その後に低消費電力モード3に移行している(ステップS1013、S1023)。また、電力の供給が再開され(ステップS1071)、電圧値が安定した後にコンテキスト復旧を行っている(ステップS1072)。以上の点が実施例1と異なる点である。
<実施の形態2>
実施の形態1及び実施の形態1の変形例においては、少なくとも3以上のPEがなくては効果を発揮しない。そこで実施の形態2においては、PE数が2の場合であっても効果を発揮するマルチプロセッサ制御装置を提供する。
図11に実施の形態2に係るマルチプロセッサ制御装置1100の機能構成を示した。
同図にあるように、マルチプロセッサ制御装置1100は、PE1110a、PE1110b、…PE1110nと、同期制御部1120と、電力制御部1130と、キャッシュメモリ1140a、1140b、…1140nと、準同期要求信号生成部1150a、1150b、…1150nと、共有メモリ1160とを含んで構成される。
同期制御部1120は、主に電力制御部130を制御する機能を有する。その機能構成は図12に示すようになっている。図12に示すように同期制御部1120は、同期カウンタ1201と、同期確立判定部1202と、電力抑制判定部1203と、同期予測判定部1204と、シーケンサ1205と、準同期カウンタ1206とを含んで構成される。
電力抑制判定部1203は、同期カウンタ1201のカウントの数を監視しており、その数が「2以上」である場合に、同期カウンタから受け取ったPEの情報に基づいて、そのPEに対する電力の抑制を要求する信号SUPPRESSをシーケンサ1205に出力する機能を有する。
シーケンサ1205は、同期待ち解除信号ACKを各PEに出力する機能と、電力制御部130を制御する制御信号CTRLを出力する機能を有する。ACKは、同期確立判定部1202から出力されるESTABLISHを受けて出力される。また、電力抑制判定部1203からのSUPPRESSを受けて、電力制御部1130に電力を低消費電力化する制御信号CTRLを出力する。同期予測判定部1204からALMOSTを受けた場合は、電力を抑制していたPEに対する抑制を解除する信号CTRLを出力する。
電力制御部1130は、同期制御部1120の指示に基づいて、各PEに対してクロックと電力を供給したり、遮断したりする機能を有する。また、同期制御部1120の要求に応じて、どのPEに対して電力及びクロックの抑制を行っているかを示した状態信号STATUSを出力する機能を有する。
共有メモリ1160は、マルチプロセッサ全体で行われている演算の各変数を管理する機能を有する。各変数はPEの演算結果により、必要なときにそれぞれのPEによって書き換えられていく。共有メモリ1160には、アクセス競合を防ぐために、基本的に一時に一つのPEからのみの書き込みが許されている。
<動作>
次に、実施の形態2に係るマルチプロセッサ制御装置1100の動作について説明する。
まず、同期制御部1120は、同期要求信号SYNC、あるいは準同期要求信号PRESYNCを受信する(ステップS1401)。受信したのが同期要求信号SYNCであった場合(ステップS1401のYES)には、同期カウンタ1201の数を1減少させる(ステップS1405)。そして同期確立判定部1202は、同期カウンタ1201の数が0であるかどうかを判定する(ステップS1407)。
受信したのが準同期要求信号だった場合には(ステップS1403のNO)、準同期カウンタ1206を1減算する(ステップS1413)。そして同期予測判定部1204は、準同期カウンタ1206の数が0であるかどうかを監視している(ステップS1415)。0であった場合には、同期予測信号ALMOSTをシーケンサ1205に出力する。そしてシーケンサ1205は、電力制御部1130に電力を抑制しているPEに対して電力を解除する制御信号CTRLを出力する(ステップS1417)。そして準同期カウンタ1206の数をリセットしてPEと同数に設定しなおして(ステップS1419)、ステップS1401に戻って以降の処理を行う。
次に、準同期要求信号生成部1150の動作について図15に示すフローチャートに基づいて記述する。
一致していた場合には(ステップS1501のYES)、準同期アドレス一致判定部1302は、準同期ポイントに演算が到達していることを示す準同期要求信号PRESYNCを同期制御部1120に出力して終了する。
ここからマルチプロセッサ制御装置1100の動作を具体例を挙げて説明する。
図16にその動作例を示したタイミングチャートを記した。ここに示すタイミングチャートでは、PE1110aが最初に自己の処理を終了したPEであり、PE1110nがその次となる。そしてPE1110bが最後に処理を終了するPEであるとする。
PE1110nは、同期ポイントに到達すると、同期要求信号SYNCnを同期制御部1120に出力する(ステップS1632)。同期要求信号SYNCn受けた同期制御部1120は、同期カウンタ1201の数を1減算してn−2に設定する(ステップS1645)。すると、電力抑制判定部1203は、PE1110nに対する電力を抑制する電力抑制信号SUPPRESSをシーケンサ1205に出力する。そしてシーケンサ1205は、電力制御部1130に、PE1110nに対して電力を抑制する制御信号CTRLを出力する(ステップS1646)。当該制御信号CTRLを受けて電力制御部1130は、PE1110nに対する電力を低電力にし、クロックの供給を停止する。そうされることでPE1110nは、低消費電力モード1に移行する。
最後にPE1110bが準同期ポイントに到達すると準同期信号生成部1150bが準同期要求信号PRESYNCbを同期制御部1120に出力する(ステップS1621)。準同期要求信号PRESYNCbを受けて同期制御部1120は、準同期カウンタ1206の数を1減算して0に設定する(ステップS1647)。準同期カウンタ1206の数が0になったのをみて、同期予測判定部1204は、同期予測信号ALMOSTをシーケンサ1205に出力する。そしてシーケンサ1205は電力制御部1130から電力を抑制しているPEの情報である状態信号STATUSを受けて、電力を抑制しているPEに対する電力の抑制を解除する制御信号CTRLを出力する。また準同期カウンタ1206の数がリセットされ、PEと同数であるnに戻る(ステップS1648)。電力制御部1130により電力の抑制を解除されたPEには通常電力が供給されるようになる(ステップS1614、S1634)。
以上が図16のタイミングチャートに基づくマルチプロセッサ制御装置1100の具体的な動作である。
<実施の形態2変形例>
実施の形態2変形例においては、実施の形態1変形例と同様に、電力の供給を完全に断つ構成について説明する。
<構成>
図17に実施の形態2変形例に係るマルチプロセッサ制御装置1700の機能構成を示した。
また、同期制御部1720のシーケンサ1805が、同期準備信号PREPを出力する構成になっている。電力制御部1730からの状態信号STATUSに基づいて、各PEで電力が再度供給されて電源電圧が安定化した後に出力される。
実施の形態2変形例に係るマルチプロセッサ制御装置1700の動作について図19のフローチャートを用いて説明する。基本的な動作は実施の形態2と変わらないため、その相違点のみを述べる。
図19において、実施の形態2の図14におけるフローチャートのステップS1417と異なり、ステップS1917において同期制御部1720は、電力を遮断していた各PEに対してコンテキスト復旧を促す同期準備信号PREPを出力している。
実施例2の図16に示したタイミングチャートを実施の形態2変形例に即した形で記述すると図20のタイミングチャートのようになる。
図16のタイミングチャートと、図20のタイミングチャートとを比較すると分かるように、実施の形態2変形例においてはPE1710aやPE1710nにおいてコンテキスト退避を行っている(ステップS2013、ステップS2033)。また、電力の供給を再開したPE(ステップ2015)はその電源電圧の安定を待って、同期制御部1720から出力される同期準備信号PREPに基づき、コンテキスト復旧を行っている(ステップS2016)。
<補足>
なお、本発明に係るマルチプロセッサを上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限られないことは勿論である。以下、その変形例について説明していく。
図23(a)にあるように、同期予測判定部はAND回路とOR回路で構成できる。各AND回路にはそれぞれ、1つを除く全てのPEからの同期要求信号が供給される。例えばAND回路2300aにはPEaからの同期要求信号SYNCa、PEbからの同期要求信号SYNCb、PEcからの同期要求信号SYNCcが供給される。AND回路のいずれかに3つの信号が供給されることでOR回路に「1」を意味する信号が出力される。こうして同期がまもなく確立することを示す同期予測信号ALMOSTが出力できるようになる。
電力抑制判定部は、図23(a)におけるOR回路をNOR回路にすることで実現できる。
(2)上記実施の形態1及びその変形例において同期予測判定部は同期カウンタが1になったときに同期予測信号ALMOSTを出力したが、これは別に同期カウンタが1のときでなくてもよく、同期カウンタが2、あるいは3のときにALMOSTを出力することとしてもよい。こうすることで電源電圧安定化のための時間に余裕を持たせることができるようになる。また、最後に残った2つが同時に演算を終了するような場合にも対応することができるようになる。
(4)上記実施の形態2及びその変形例においては、準同期要求信号の出力タイミングの設定は同期要求信号を出力する1000サイクル前、あるいは1100サイクル前としたが、これは必ずしもその限りではない。場合によっては1000サイクル以内で演算が終了することも考えられるので、その場合には1000サイクルを下回ってもよいこととする。
図24においては、各PEに対して同期制御部を備える構成としている。この場合各同期制御部2440a、2440b、2440c、…2440nは、自機が接続されているPE以外のPEからの同期要求信号の出力状態を、バス線を通じて知ることができる。このように、同期制御部2440を分散制御することも考えられる。この構成によっても実施の形態1及びその変形例と同様の効果を得ることが可能である。
(7)上記実施の形態の低消費電力モード1において、その電圧は、演算の結果を示したレジスタの情報が失われない程度の低電圧としたが、半導体の漏れ(リーク)電流による電力消費を削減するために、閾値電圧を高めに設定してもよい。ここでいう閾値電圧とはその値を超える電圧が加えられると回路に電流が流れるように設定されている電圧値で、この値が低いと漏れ電流が発生しやすくなる。半導体プロセスの微細化にしたがって、消費される電力の内で漏れ電流の占める割合が大きくなるため、閾値電圧を高めにすることでこの漏れをある程度防ぐことができる。
110a、110b、110c、…、110n PE
120 同期制御部
130 電力制御部
201 同期カウンタ
202 同期確立判定部
203 電力抑制判定部
204 同期予測判定部
205 シーケンサ
700 マルチプロセッサ制御装置
710a、710b、710c、…、710n PE
720 同期制御部
730 電力制御部
801 同期カウンタ
802 同期確立判定部
803 電力抑制判定部
804 同期予測判定部
805 シーケンサ
1100 マルチプロセッサ制御装置
1110a、1110b、…、1110n PE
1120 同期制御部
1130 電力制御部
1140a、1140b、…、1140n キャッシュメモリ
1150 準同期要求信号生成部
1160 共有メモリ
1201 同期カウンタ
1202 同期確立判定部
1203 電力抑制判定部
1204 同期予測判定部
1205 シーケンサ
1206 準同期カウンタ
1301 準同期アドレスレジスタ
1302 アドレス一致判定部
1700 マルチプロセッサ制御装置
1710a、1710b、…、1710n PE
1720 同期制御部
1730 電力制御部
1740a、1740b、…、1740n キャッシュメモリ
1750 準同期要求信号生成部
1760 共有メモリ
1801 同期カウンタ
1802 同期確立判定部
1803 電力抑制判定部
1804 同期予測判定部
1805 シーケンサ
1806 準同期カウンタ
2300a、2300b、2300c、2300d AND回路
2310、2320 OR回路
2400 マルチプロセッサ制御装置
2410a、2410b、2410c、…、2410n PE
2430 電力制御部
2440a、2440b、2440c、…、2440n 同期制御部
Claims (16)
- 一のプロセッサに、他の複数のプロセッサ各々に並列して行わせている所定の演算が終了したときに、当該各演算の結果を用いる演算を開始させる実行制御手段と、
前記一のプロセッサに対して電力の供給を制御する電力制御手段とを備え、
前記電力制御手段は、前記一のプロセッサに対して電力の供給を抑制している場合において、前記他の複数のプロセッサのうち最後に演算を終了するプロセッサが当該演算を終了するより前に、前記一のプロセッサに対する前記抑制を解除する
ことを特徴とするマルチプロセッサ制御装置。 - 前記マルチプロセッサ制御装置は、前記一のプロセッサ及び前記他の複数のプロセッサを含み、
前記他の複数のプロセッサ各々は、自己における所定の演算が終了したことを示す同期要求信号を出力する同期要求信号出力手段を備え、
前記実行制御手段は、出力された同期要求信号の数が前記他の複数のプロセッサの数に満たない所定の数になった時点で前記抑制を解除するための解除信号を出力する解除信号出力手段を備え、
前記電力制御手段は、前記解除信号を受けて前記抑制を解除する
ことを特徴とする請求項1記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記解除信号出力手段は、
前記他の複数のプロセッサが前記所定の演算を開始してから出力された前記同期要求信号の数を数えるカウント手段を備え、
前記カウント手段でカウントされる前記同期要求信号の数が前記他の複数のプロセッサの数に1足りなくなった時点で前記解除信号を出力する
ことを特徴とする請求項2記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記実行制御手段は、前記同期要求信号が最後もしくは最後から1つ前に演算を終了するプロセッサのものでない限り、前記同期要求信号を出力したプロセッサを示すプロセッサ情報を出力するプロセッサ情報出力手段を備え、
前記電力制御手段は、前記プロセッサ情報を受けて、前記プロセッサ情報で示されるプロセッサに対して電力の供給を抑制し、当該抑制を前記一のプロセッサに対する電力の抑制を解除するときに解除する
ことを特徴とする請求項2記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記電力制御手段は、
前記一のプロセッサ及び前記他の複数のプロセッサ各々に通常よりも低い低電力を供給する低電力供給手段と、
通常の電力を供給する通常電力供給手段とを備え、
前記電力制御手段は、プロセッサに対して、前記低電力供給手段によって低電力を供給することで電力を抑制し、
前記通常電力供給手段によって通常電力を供給することで抑制を解除する
ことを特徴とする請求の範囲項4記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記電力制御手段は、プロセッサに対する電力の供給を停止することで抑制し、
前記他の複数のプロセッサ各々は、
前記同期要求信号を出力した後に、電力の抑制がなされる前に自己におけるレジスタの情報であるコンテキストを、メモリに退避させる退避手段と、
前記電力制御手段が当該他の複数のプロセッサに対する電力の抑制を解除した後に、前記退避手段で退避したコンテキストを前記他のメモリから読み出して自プロセッサに復元する復元手段とを備える
ことを特徴とする請求項4記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記マルチプロセッサ制御装置は、前記一のプロセッサ及び前記他の複数のプロセッサを含み、
前記他の複数のプロセッサ各々は、自己において行う演算が終了までにあと所定の命令数を残す段階まで到達したことを示す準同期要求信号を出力する準同期要求信号出力手段を備え、
前記実行制御手段は、前記他の複数のプロセッサ全てが準同期要求信号を出力した時点で前記抑制を解除するための解除信号を出力する解除信号出力手段を備え、
前記電力制御手段は、前記解除信号を受けて前記抑制を解除する
ことを特徴とする請求項1記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記他の複数のプロセッサ各々は、更に、自己における演算が終了したことを示す同期要求信号を出力する同期要求信号出力手段を備え、
前記実行制御手段は、前記同期要求信号を出力したプロセッサが、最後に演算を終了するプロセッサでない限り、前記同期要求信号を出力したプロセッサを示すプロセッサ情報を出力するプロセッサ情報出力手段を備え、
前記電力制御手段は、前記プロセッサ情報を受けて、前記プロセッサ情報で示されるプロセッサに対して電力の供給を抑制し、当該抑制を前記一のプロセッサに対する電力の抑制を解除するときに解除する
ことを特徴とする請求項7記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記他の複数のプロセッサは、自己が現在実行している命令のアドレス情報を出力するアドレス情報出力手段と、
予め定められた所定のアドレスを記憶しておくアドレス記憶手段とを備え、
前記アドレス情報出力手段で出力されたアドレスと、前記アドレス記憶手段で記憶されているアドレスとが一致したときに前記準同期要求信号を出力する
ことを特徴とする請求項7記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記準同期要求信号は、前記他の複数のプロセッサ各々が実行しているプログラム内において記述されている準同期要求信号を出力するための特殊命令を解釈実行する時点で出力される
ことを特徴とする請求項7記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記電力制御手段は、前記一のプロセッサ及び前記他の複数のプロセッサ各々に通常よりも低い低電力を供給する低電力供給手段と、
通常の電力を供給する通常電力供給手段とを備え、
前記電力制御手段は、プロセッサに対して、前記低電力供給手段によって低電力を供給することで電力を抑制し、
前記通常電力供給手段によって通常電力を供給することで抑制を解除する
ことを特徴とする請求項8記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記他の複数のプロセッサ各々は、前記同期要求信号を出力した後に、電力の抑制がなされる前に自己におけるレジスタの情報であるコンテキストを、メモリに退避する退避手段と、
前記電力制御手段が当該他の複数のプロセッサに対する電力の抑制を解除した後に、前記退避手段で退避したコンテキストを前記メモリから読み出して自プロセッサに復元する復元手段とを備え、
前記電力制御手段は、プロセッサに対する電力の供給を停止することで抑制する
ことを特徴とする請求項8記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記マルチプロセッサ制御装置は、前記一のプロセッサ及び前記他の複数のプロセッサを含み、
前記一のプロセッサは、前記他の複数のプロセッサ各々が並列して行わせている所定の演算の結果と自己において実行している第1の演算の結果とを用いる第2の演算を行い、
前記一のプロセッサは、前記第1の演算が終了したときに当該演算が終了したことを示す同期要求信号を出力する第1同期要求信号出力手段を備え、
前記他の複数のプロセッサは、前記所定の演算が終了したときに当該演算が終了したことを示す同期要求信号を出力する第2同期要求信号出力手段を備え、
前記電力制御手段は、前記一のプロセッサと前記他の複数のプロセッサとを含む全てのプロセッサが演算を終了していない場合に、同期要求信号を出力したプロセッサに対する電力の供給を抑制する
ことを特徴とする請求項1記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 前記電力制御手段は、前記一のプロセッサ及び前記他の複数のプロセッサ各々に対してクロックを供給するクロック供給手段を備え、
前記一のプロセッサと前記他の複数のプロセッサとを含む全てのプロセッサが演算を終了していない場合に、同期要求信号を出力したプロセッサに対するクロックの供給を停止する
ことを特徴とする請求の範囲項13記載のマルチプロセッサ制御装置。 - 一のプロセッサに、他の複数のプロセッサ各々に並列して行わせている演算が終了したときに、当該各演算の結果を用いる演算を開始させる実行制御手段と前記一のプロセッサに対して電力の供給を制御する電力制御手段とを備えるマルチプロセッサ制御装置における制御方法であって、
前記電力制御手段が、前記一のプロセッサに対して供給する電力を抑制する電力抑制ステップと、
前記電力制御手段が、前記他の複数のプロセッサのうち最後に演算を終了するプロセッサが、当該演算を終了するより前に前記一のプロセッサに対する前記抑制を解除する解除ステップと、
前記実行制御手段が、前記他の複数のプロセッサ各々に並列して行わせている演算が終了したときに、当該各演算の結果を用いる演算を前記一のプロセッサに開始させる実行制御ステップとを含む
ことを特徴とするマルチプロセッサ制御方法。 - マルチプロセッサを制御するための集積回路であって、
一のプロセッサに、他の複数のプロセッサ各々に並列して行わせている演算が終了したときに、当該各演算の結果を用いる演算を開始させる実行制御手段と、
前記一のプロセッサに対して供給する電力を制御する電力制御手段とを備え、
前記電力制御手段は、前記一のプロセッサに対して電力の供給を抑制している場合において、前記他の複数のプロセッサのうち最後に演算を終了するプロセッサが当該演算を終了するより前に、前記一のプロセッサに対する前記抑制を解除する
ことを特徴とする集積回路。
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