JP4401496B2 - 電極秤量スタブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の背景】
本発明は金属精錬に関するものであって、更に詳しく言えば、それにおいて使用される消耗インゴット電極に関する。
【0002】
消耗インゴット電極は、金属学的性質を制御するための様々な冶金学的方法において使用されている。たとえば、真空アーク再融解(VAR)においては、消耗電極の融解を制御するため、かかる電極が真空に維持されたるつぼ内に降下させられる。また、エレクトロスラグ再融解又は精錬(ESR)においては、電極材料を精製する目的でそれの抵抗加熱及び対応するスラグ中への融解を達成するため、消耗電極がたとえばガス環境を有するるつぼ内に降下させられる。
【0003】
いずれの例においても、消費される電極の変化する重量を測定し、ひいては対応するプロセスパラメータを制御することが望ましい。これは、通例、電極自体ばかりでなくそれに固定された降下機構をも支持するロードセル装置を用いて達成される。従って、電極自体の重量はロードセルによって測定された重量から電極に固定された様々な設備に対応する余分の重量を差引くことによって求められる。
【0004】
たとえば、降下機構の一部分は必然的に電極に固定され、そして電極と共に移動する。その実例としては、油圧ラム又はボールねじ、あるいはそれらの両者が挙げられる。また、冷却水又は不活性ガスを供給するため、各種のホースが降下機構に固定されることもある。また、るつぼは真空下又はガス圧力下に維持された圧力容器を構成するのが通例であるから、実質的な圧力差が維持される降下機構とるつぼ頂部の操作口との間には適当な封止装置を設けなければならない。この圧力降下は運転中に変動するから、変動する追加の力が導入され、そしてかかる力がロードセルによって測定される。このような測定荷重は、電極自体の実際の重量を求める際に取除かなければならない。
【0005】
ベンツ(Benz)等の米国特許第5160532号明細書中には、改良されたエレクトロスラグ精錬装置が開示されている。それによれば、円周方向に沿って分割された低温誘導ガイド(CIG)がエレクトロスラグるつぼの底部に配置され、そしてそれの排出孔を通して精製された溶融物を将来の使用のために排出することができる。たとえば、かかる溶融物をガス噴霧装置を通過させることにより、適当なプレフォーム上に溶融物を吹付成形することができる。
【0006】
エレクトロスラグ精錬操作に際しては、プレフォームを吹付成形するためにるつぼから排出される溶融物の排出速度を正確に制御すると共に、消費される電極の融解速度を制御することが望ましい。しかるに、上記のごとき典型的なロードセル秤量装置は電極自体の重量に加えて余分の測定荷重を導入することが避けられず、そのために電極の重量のみを分離するための様々な補正が必要となる。
【0007】
従って、電極の秤量に際して余分の荷重を低減又は排除する改良された電極秤量機構が得られれば望ましいわけである。
【0008】
【発明の概要】
消耗電極がスタブによって吊下げられる。かかるスタブは上部ハンガ及び下部ハンガを含んでいて、それらの間には下部ハンガに固定された電極を秤量するためのロードセルが鉛直方向に沿って取付けられている。上部ハンガと下部ハンガとの間には、ロードセルに損傷を与えることなく両者間に電流を流して電極に電力を供給するための電気導体が結合されている。
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら下記の詳細な説明中に本発明の好適な実施の態様並びにそれの目的及び利点を一層詳しく説明する。
【0010】
図1には、本発明の実施の一態様に係わる電極秤量機構又はスタブ12を含むエレクトロスラグ精錬装置10が略示されている。スタブ12は、消耗インゴット電極14のエレクトロスラグ精錬に際し、下端から消費されて長さ及び重量が減少して行く電極14をその場で直接に秤量するように構成されている。
【0011】
スタブ12それ自体を別にすれば、エレクトロスラグ精錬装置10は参考までに引用する米国特許第5160532号明細書中に開示されているような任意公知の構成及び動作を有するものであり得る。たとえば、装置10は圧力容器を規定する水冷式の銅製るつぼ16を含んでいて、この圧力容器内には適当なガス供給源20からの(アルゴンのごとき)不活性ガス18を適当な圧力下で供給される。るつぼ16の底部には、中心排出孔24を有する、円周方向に沿って分割された水冷かつ誘導加熱式のガイド22が配置されている。中空の水冷コイル状を成す1基以上の誘導加熱器26がガイドの下端部及び排出孔を包囲し、そして電源28からの電力で作動される。
【0012】
電極はスタブ12の下端に固定される。昇降機30は垂直方向に並進し得る出力棒32を有していて、この出力棒32はるつぼの頂部に設けられた適当な封止装置を通って延びている。出力棒32はスタブ12の頂部に対して着脱自在に固定状態で結合され、そしてエレクトロスラグ精錬操作に際し必要に応じて電極14を下降させかつ上昇させるために役立つ。
【0013】
電極14は出力棒32に結合された1本以上の電気リードを介して電源34に結合され、それによりスタブ12を通して電極14に電流が流れる。るつぼの底部には適当なスラグが配置され、そして別の電気リードによってやはり電源34に結合されたるつぼ16に向かって電極14から流れる電流による抵抗加熱を受ける。
【0014】
運転に際しては、るつぼ内のスラグが抵抗加熱によって加熱される。その結果、電極14の下端が融解するが、こうして生じた溶融物は重力によってガイド22上方のるつぼの底部に降下する際に液状のスラグによって精製される。溶融スラグは精製されたインゴット溶融物の上方に浮遊すると共に、るつぼ及びガイドの内面に沿って対応する凝固スカルが形成され、それによって運転中は精製された溶融物の純度が維持される。周囲の誘導加熱器26による誘導加熱の程度、従ってスカルの厚さを制御することにより、溶融物は排出孔24から排出される。ガス噴霧装置36を通過することにより、かかる溶融物はプレフォーム38上に吹付けられ、そして精製された溶融物の層を順次に形成しながら凝固する。
【0015】
運転中に電極14が消費されると、それの重量は対応して減少する。従って、エレクトロスラグ精錬操作に際してはるつぼ16の内部において電極がその場で秤量される。その重量を使用することにより、次の吹付成形作業のために排出孔24から排出される溶融物の流量を含め、精錬操作全体を精密に制御することができる。
【0016】
本発明に係わるスタブ12は、最初に図1に示されたごとく、運転中に消費される電極14を直接に秤量するためるつぼの内部に適合するように決定された寸法及び形状を有する部品の集合体である。秤量スタブ12はまた、溶融スラグの抵抗加熱によって電流先端を融解するために必要な多量の電流を電極14に流すための電流路を提供する。
【0017】
スタブ12は、図2の分解図中に一層詳しく示されている。かかるスタブは、上部ヘッド又はハンガ40と、鉛直方向に沿って上部ハンガの下方に配置されかつ電極14を固定状態で吊下げるように構成された下部ヘッド又はハンガ42とを含んでいる。運転に際して下部ハンガに固定された電極を秤量するためのロードセル44が、鉛直方向に沿って上部ハンガと下部ハンガとの間に取付けられている。
【0018】
ロードセル44は任意公知の形態を有し得るのであって、たとえば図2に示されるごとく、それの上脚と下脚との加わる鉛直方向の荷重を測定するためのS字形の構造を有していればよい。かかるS字形の構造は中央の脚を有しているが、それはロードセルに鉛直方向の引張荷重が加わると曲げを生じる。その場合の曲げ応力は、中央の脚上に配置されたひずみゲージによって測定される。かかるひずみゲージは、好ましくは適当な電気回路から成る遠隔の秤量はかり45に対して電気的に接続されている。ロードセルの実例としては、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴ市所在のハーディ・インストルメンツ(Hardy Instruments) 社からHI LPT5Kの型番で商業的に入手可能なものが挙げられる。
【0019】
上部ハンガと下部ハンガとの間には、少なくとも1本、好ましくは数本の電気導体46が固定状態で結合されている。かかる電気導体46は、ロードセル44を迂回してそれの損傷を防止しながら、運転に際して電極に電力を供給するための電流を上部ハンガと下部ハンガとの間に流すために役立つ。
【0020】
図2及び3に示された好適な実施の態様においては、ロードセルに加わる望ましくない曲げモーメントを防止してロードセルが主として上部ハンガと下部ハンガとの間の引張荷重下に配置されるようにするため、ロードセルは上部及び下部ハンガに対して旋回可能に結合されている。これは、ロードセル44の対応する上脚及び下脚にねじ込まれた1対の同軸的な上部ボルト48及び下部ボルト50を使用することによって達成される。
【0021】
図3に示された実施の態様においては、上部ハンガ40は銅製の環状の板又は円板から成ると共に、それと一体を成しながら上方に延びかつスタブ及びそれに固定された電極を吊上げるために役立つ垂直の中心トラニオン52を含んでいる。トラニオン52の外形は、図2に示された出力棒32の下端の相補的なソケットと係合して着脱自在の結合を可能にするような任意公知の形状を有していればよい。このトラニオンを出力棒32と係合させれば、所望に応じてスタブ及び電極の全体を昇降機により降下又は上昇させることができる。
【0022】
図2及び3に示されるごとく、下部ハンガ42は中実の棒状体であって、それの下端は適当な溶接ビード56の位置で電極14を溶接し得るように構成された溶接準備面54を規定することが好ましい。また、導電性並びに一連の電極14への反復溶接可能性の点から、下部ハンガ42はステンレス鋼から成ることが好ましい。なお、消耗した電極14は以前の溶接ビード56を削り取ることによって下部ハンガ42から取外される。
【0023】
図3に示されるごとく、上部ボルト48はトラニオン52を貫通して下方に延びると共に、対応する球面の受座中に取付けられた球面軸受58中に旋回可能に結合されている(又は着座している)。上部ボルト48の頭部はトラニオン52の頂部に設けられた座ぐり穴の中に陥入していることが好ましく、また上部ボルトの下方の末端はロードセル44の上脚にねじ込まれてロードセルを上部ハンガ40に対して旋回可能に固定状態で結合している。
【0024】
それに対応して、下部ボルト50は下部ハンガ42を貫通して上方に延びると共に、同様な球面軸受58中に旋回可能に結合されている(又は着座している)。それ故、下部ボルト50の頭部は下部ハンガに対して旋回可能に固定状態で結合されており、また下部ボルトの上方の末端は上部ボルトと同軸状態でロードセル44の下脚にねじ込まれている。このように、ロードセル44は相対する上脚及び下脚において対応する上部及び下部ハンガに対し旋回可能に結合されている。
【0025】
電極14の重量は、下部ハンガ42によって、ひいてはロードセル44中にねじ込まれた1本の下部ボルト50によって直接に支えられている。他方、ロードセル44は1本の上部ボルト48によって上部ハンガ40から吊下げられている。このように、ロードセル44は下部ハンガ42を介して電極に直接に取付けられ、そして下部ボルト50によって支持される介在部品の重量を除けば電極14の重量を直接に測定することになる。なお、かかる介在部品の重量は定数であるから、ロードセルによって検出される総重量から適宜に除去することができる。
【0026】
最初に図2に示されたごとく、秤量スタブ12は上部ハンガ40に固定状態で結合されかつそれの下方に延びる上部遮蔽体又はケース60をも含むことが好ましい。かかる上部ケースはアーチ形又は半円筒形を成すと共に、銅製の上部ハンガ及びトラニオンから延びる低抵抗の導電路を提供するために銅から成ることが好ましい。
【0027】
それに対応して、下部ハンガ42には下部ケース62が固定状態で結合され、かつ上部ケース60に隣接しながら下部ハンガから上方に延びている。下部ケース62もまた、アーチ形又は半円筒形を成すと共に、上部ケース60と一緒にロードセル44を包囲するようにそれと相補的であることが好ましい。下部ケース62は上部ケース60と同軸状態でそれに隣接していると共に、両者間において鉛直方向及び水平方向に延びる1対の相対するギャップ64によって上部ケース60から離隔している。その結果、上部ケース60及び下部ケース62は共同してロードセルの周囲に分割された筒状の包囲体を規定している。
【0028】
筒状又は円筒形のケース60及び62は、ロードセル44の保護のためにそれを包囲しているばかりでなく、電極14に電力を供給するために必要な多量の電流を流すために役立つ上部及び下部ハンガの一体延長部分をもそれぞれ規定している。上部ケース60と同様に下部ケース62も低い電気抵抗を有し、かつそれぞれのハンガと協力して電流を流すためにいずれもが比較的大きい横断面積を有することが好ましい。
【0029】
図3及び4に示されるごとく、上部ケース60と下部ケース62との間に電流を流すため、複数の電気導体46がそれらの両端において上部ケース60及び下部ケース62のそれぞれに固定状態で結合されていることが好ましい。各々の導体46は、複数の細い銅線を編んだものから形成することにより、それの横方向において柔軟であることが好ましい。導体46の両端は、所望に応じて母線及び複数の取付ボルトを使用することにより、対応するケースに適宜に固定すればよい。
【0030】
複数の導体46は、上部ハンガ40から下部ハンガ42に、ひいては下部ハンガに溶接された電極14に実質的な電流を流すため、上部ケースと下部ケースとの間において2つの鉛直方向のギャップ64を横断しながら円周方向に沿って配置されることが好ましい。かかる電流は、出力棒32及びトラニオン52に対するそれの連結部によって形成された連続した比較的大きい横断面積の電流路を通してスタブ14に供給される。
【0031】
導体46が横方向の柔軟性を有する結果、上部ハンガと下部ハンガとの間における比較的自由な鉛直方向の運動が可能となり、それによって運転中の秤量誤差を低減若しくは排除することができる。そのためには、スタブ12を完全に組立てた後、電極14を取付けないでロードセル44をゼロの初期重量に較正するか、電極14を取付けてからロードセル44を電極14の実際の重量に較正すればよい。
【0032】
上部ハンガ40及び下部ハンガ42並びにそれらに結合されたケース60及び62が二分割構造を有している結果、両者間にロードセル44を鉛直方向に沿って直接に取付けることができ、従って運転中に消費される電極14をより正確に秤量することができる。更に、旋回式の上部及び下部ボルトは、運転中の運搬や移動に際して電極14が横方向に運動した時に生じることのある望ましくない曲げモーメントからロードセルを保護する。
【0033】
また、たとえば昇降機が電極14を吊上げようとした際に電極が運転中に固着したために生じることのある過剰な引張荷重からロードセル44を保護することも望ましい。従って、図3に示されたロードセル44が上部ハンガと下部ハンガとの間における一次荷重経路の一部を成すと共に、下部ハンガに過剰な荷重が加わった場合には一次荷重経路に取って代るように決定された所定の大きさのバックラッシを有する二次荷重経路が一次荷重経路と並列に設けられている。
【0034】
一層詳しく述べれば、一次荷重経路は図3に示されるごとく下部ハンガ42上に(たとえば、ボルト留めにより)固定状態で結合された鋼製の取付ブロック66をも含むことが好ましい。また、それと協働する鋼製の取付板68が取付ブロック66上に接触して配置されている。取付板68は中心開口を有していて、その中には下部軸受58が取付板の下面上に取付けられている。なお、下部ボルト50の頭部は取付ブロック66の上面に設けられた対応するくぼみの中に配置されている。
【0035】
取付板の四隅には、複数(たとえば、図2〜4に示されたような4個)の圧縮ばね70が、中央に配置された下部ボルト50の周囲において対称となるように配置されている。複数の一次取付ボルト72がそれぞれのばね70を貫通して延びると共に、取付板68に設けられた対応する開口を自由に貫通している。かかるボルトの頭部はそれぞれのばね上に配置された座金上に着座し、またそれらの下方の末端は取付ブロック66中にねじ込まれている。その結果、取付板は下部ハンガ42から上方に延びる取付ブロック66上に接触して固定されている。
【0036】
上部ハンガ及び下部ハンガを通って流れる多量の電流からロードセル44を保護するため、図3に示された上部ボルト48及び下部ボルト50は対応する上部ハンガ40及び下部ハンガ42から電気的に絶縁されていることが好ましい。実施の一態様においては、球面軸受58の受座を支持するためトラニオン52の頂部に設けられた座ぐり穴の中に電気絶縁性の座金74が配置されている。このようにすれば、トラニオン52から上部ボルト48への電流路が遮断される。
【0037】
それに対応して、図3に示されるごとく、ばね70の底部と取付板68の上面との間に追加の電気絶縁性座金76が配置されている。また、取付板68と取付ブロック66との間の電流路を遮断するため、両者間に電気絶縁パッド78が配置されている。
【0038】
このようにして、上部ハンガと下部ハンガとの間の一次電流経路は、上部ボルト48、ロードセル44、下部ボルト50、取付板68、コイルばね70、一次取付ボルト72及び取付ブロック66を順次に含んでいる。コイルばね70の寸法は、(たとえあるにしても)僅かな追加の圧縮で電極14の予定重量を全体として支えるように決定されていることが好ましい。
【0039】
運転中に電極14がるつぼに固着し、かつ昇降機がスタブ12を吊上げようとした場合、4個のばねが荷重の増加及び追加の圧縮を受けることになる。その結果、図3中に点線で示された鉛直方向のリリーフギャップAによって表わされるごとく、パッド78の下面は取付ブロック66の上面から離れる。ばね70は電極14自体の重量を越える鉛直荷重に応答して圧縮されるから、その荷重はやはりロードセル44によって支えられ、そしてリリーフギャップAが開くことになる。
【0040】
ロードセル44は所定の荷重限界を有しているから、その限界を越えることは望ましくない。従って、二次荷重経路はばね及びロードセルを通して過剰な鉛直荷重が加わった場合に一次荷重経路を迂回するように構成されていて、それは図2〜4に示されるような複数の二次取付ボルト80を含んでいる。二次取付ボルトは、4個の一次取付ボルト72に対応して4個1組で対称的に配列されている。それらは上部ハンガ40に設けられた対応する座ぐり穴及び開口を貫通して下方に延び、そして下方の末端を取付ブロック66にねじ込むことによって二次取付ボルトはそれに固定状態で結合されている。
【0041】
二次取付ボルトの各々は、上部に拡大された頭部を有している。かかる頭部は上部ハンガに設けられた対応する受座から鉛直方向に沿って上方に離隔し、それによって所定のギャップ又はバックラッシBを規定している。二次取付ボルト80と上部ハンガ40との間のバックラッシは、一次取付ボルト72を通して加わる鉛直荷重が全体としてロードセル44の所望の限界を越えてリリーフギャップAを開けるような場合にはばね70の追加の圧縮を制限するように選定されている。
【0042】
ばね70の過度の圧縮に際して取付ブロック66及びパッド78が分離すると、それに対応して二次取付ボルト80は上部ハンガ中で降下する。やがてバックラッシが失われると、二次取付ボルトの頭部はそれぞれの受座に接触する。この時点において、取付ブロック66からの過剰な鉛直荷重は4個の二次取付ボルト80を介して直接に上部ハンガ40により支えられ、従って4個の一次取付ボルト及びロードセル44を迂回することになる。
【0043】
従って、ロードセル44は吊下げられた電極14の重量を正確に測定するため上部ハンガと下部ハンガとの間に取付けられていながら、電極の重量を越える鉛直荷重は二次取付ボルト80を通して直接に上部ハンガに迂回させ、それによってロードセルに加わる過剰な荷重を防止すると共にロードセルの損傷を防止することができるのである。
【0044】
二次取付ボルト80はまた、電極の取付け時及びるつぼ内への電極の挿入前において、所望に応じて上部ハンガ及び下部ハンガを互いに固定するための簡便な方法をも提供する。そのためには、それぞれの二次取付ボルト80の周囲に対応する複数の固定管又はスリーブ82を設置すればよい。かかるスリーブの長さは、取付板68及びそれの下方のパッド78が取付ブロックの上面に接触して着座した場合に上部ハンガの下面と取付ブロックの上面との間の有効高さに合致するように決定されている。
【0045】
次に、所望に応じて二次取付ボルト80を締付けることによってそれらの頭部を上部ハンガに設けられた受座と係合させれば、上部ハンガ及び下部ハンガをスリーブ82上に固定してロードセル44の迂回路を形成することができる。締付けられた二次取付ボルト80は、上部ハンガと下部ハンガとの間における鉛直方向の相対運動を防止し、それによってるつぼ内での最終組立て前におけるスタブと電極との組立て及び運搬に際して2つのハンガを剛性集合体として合体させるために役立つ。次いで、エレクトロスラグ精錬に先立って所望のバックラッシクリアランスBが得られるまで二次取付ボルト80を部分的にゆるめれば、消費される電極14の重量を正確に測定するためにロードセルを使用することが可能となる。
【0046】
スタブ12はまた、図3に示されるごとく、ロードセルを冷却するための冷却材(たとえば、アルゴンガス)を上部ケース60及び下部ケース62の内部に供給するため、ガス供給源20又はその他適宜の供給源と連通して配置されたガス入口84から成る手段をも含むことが好ましい。なお、使用済みのガスは鉛直方向及び水平方向に延びるギャップ64を通して排出される。
【0047】
上記のごとく、ロードセル44は2つのケース60及び62の内部及び2つのハンガ40及び42の間において機械的かつ電気的に保護されている。電気導体46は、電気絶縁されたロードセル44を迂回しながら、エレクトロスラグ精錬のために必要な多量の電流に対して横断面積のより大きい電流路を提供する。それでもエレクトロスラグ精錬操作の副生物として熱が発生するから、運転中の秤量精度を維持しながらロードセルの有効寿命を確保するため、スタブを通して流される冷却材がロードセルを効果的に冷却する。
【0048】
球面で取付けられたボルト48及び50を含む、ロードセルを通る一次荷重経路は、望ましくない曲げモーメントを生じることなくロードセルに引張荷重を加えることを保証する。また、ボルト80によって構成された二次荷重経路は、ロードセルを過剰な鉛直荷重から保護すると共に、ロードセル自体の分離故障が起こった場合にはフェイルセイフ又はバックアップ用の荷重経路を提供する。
【0049】
ロードセル44は電流4に隣接しながら上部ハンガと下部ハンガとの間に直接に取付けられているから、それは補正を必要とするような望ましくない追加の荷重を生じることなく運転中に消費される電極14の重量を実質的により正確に測定するために有効である。
【0050】
このように秤量スタブ12は、エレクトロスラグ精錬のために必要な実質的に多量の電流をスタブ経由で電流4に供給しながら、出力棒32から電極14を吊下げるため電極14に対して機械的に連結することができる。かかる構成によれば、ロードセルはスタブより上方に位置する他の部品(たとえば、昇降機30やそれの出力棒32のいかなる部分)も秤量しない。また、秤量スタブ12はるつぼ16の外側と内側との間における差圧に原因する測定誤差をも生じない。
【0051】
以上、好適と考えられる本発明の実施の態様が記載されたが、本明細書中の説明に基づけば当業者には本発明のその他の変更態様が自ずから明らかとなるはずである。それ故、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、前記特許請求の範囲はかかる変更態様の全てをも包括するものと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一態様に係わる電極秤量スタブを含むエレクトロスラグ精錬装置の略図である。
【図2】本発明の実施の一態様に係わる図1の電極秤量スタブの分解図である。
【図3】図1及び2に示されたスタブの部分断面立面図である。
【図4】図3に示された秤量スタブの線4−4に関する水平断面図である。
【符号の説明】
10 エレクトロスラグ精錬装置
12 電極秤量スタブ
14 消耗電極
16 るつぼ
40 上部ハンガ
42 下部ハンガ
44 ロードセル
46 電気導体
48 上部ボルト
50 下部ボルト
52 トラニオン
54 溶接準備面
60 上部ケース
62 下部ケース
64 ギャップ
66 取付ブロック
68 取付板
70 圧縮ばね
72 取付ボルト
78 電気絶縁パッド
80 二次ボルト
82 スリーブ
84 ガス入口

Claims (13)

  1. るつぼ16内に消耗電極14を吊下げるためのスタブ12であって、
    上部ハンガ40と、
    前記電極を固定状態で吊下げるための下部ハンガ42と、
    前記上部ハンガと前記下部ハンガとの間に鉛直方向に沿って取付けられ且つ前記上部ハンガ40及び前記下部ハンガ42の両方に対して旋回可能に結合されている、前記電極を秤量するためのロードセル44と、
    前記上部ハンガと前記下部ハンガとの間に結合されて前記電極に電力を供給するための電流を両者間に流すための電気導体46
    を含むことを特徴とするスタブ。
  2. 前記上部ハンガ40に固定状態で結合された上部ケース60と、前記上部ケースに隣接しながら前記下部ハンガ42に固定状態で結合され、かつ前記上部ケースと相補的な形状を有することによってそれと共に前記ロードセルを包囲する下部ケース62とを更に含み、前記電気導体46がその対向する両端で前記上部及び下部ケースと結合されて前記電流を両者間に流す請求項記載のスタブ。
  3. 前記上部ハンガ40と前記下部ハンガ42との間における、前記ロードセル44を含む一次荷重経路と、
    前記下部ハンガに過剰な荷重が加わった場合に前記一次荷重経路に取って代るように決定された大きさのバックラッシを有し前記ロードセル44を迂回するように構成された、前記上部ハンガと前記下部ハンガとの間に設けられた二次荷重経路と
    を更に含む請求項記載のスタブ。
  4. 前記上部ハンガ40がそれから上方に延びて前記スタブ12及びそれに固定された電極14を吊上げるために役立つ鉛直方向のトラニオン52を有すると共に、前記下部ハンガ42が前記電極を溶接するための溶接準備面54をそれの下方に有する請求項記載のスタブ。
  5. 前記トラニオン52中に旋回可能に着座しながらそれを貫通して下方に延びると共に、前記ロードセルに固定状態で結合された上部ボルト48と、前記下部ハンガ42中に旋回可能に着座しながらそれから上方に延びると共に、前記上部ボルトと同軸的に配置されかつ前記ロードセルに固定状態で結合された下部ボルト50とを更に含む結果、前記ロードセルが前記上部ハンガ及び前記下部ハンガの両方に対して旋回可能に結合されている請求項記載のスタブ。
  6. 前記上部ボルト48が前記上部ハンガ40から電気的に絶縁され、かつ前記下部ボルト50が前記下部ハンガ42から電気的に絶縁されている請求項記載のスタブ。
  7. 前記上部ケース60がアーチ形の形状を有し、前記下部ケース62がアーチ形の形状を有すると共に、両者間にギャップ64を形成しながら前記上部ケースに隣接してそれと共に前記ロードセルの周囲に分割された筒状の包囲体を規定し、かつ前記導体46が柔軟性を有すると共に、前記上部ケースと前記下部ケースとの間において前記ギャップを横断しながら円周方向に沿って配置されている請求項記載のスタブ。
  8. 前記一次荷重経路が、前記下部ハンガ42の上方に配置されかつ前記ロードセルに対して旋回可能に結合された取付板68と、前記取付板上に配置された複数のばね70と、前記ばねのそれぞれ及び前記取付板を貫通して延びると共に、前記下部ハンガ42に固定状態で結合されて前記取付板を前記下部ハンガ上に接触させて固定する複数の取付ボルト72とを含む請求項記載のスタブ。
  9. 前記二次荷重経路が前記上部ハンガ40を貫通して延びかつ前記下部ハンガ42に固定状態で結合された複数の二次ボルト80を含んでいて、前記二次ボルトの各々は前記上部ハンガに設けられた対応する受座の上方に鉛直方向に沿って離隔して前記バックラッシを規定する頭部を有する請求項記載のスタブ。
  10. 前記上部ハンガと前記下部ハンガとの間において前記二次ボルト80の各々を包囲するスリーブ82を更に含む請求項記載のスタブ。
  11. 前記下部ハンガ42上に固定状態で結合された取付ブロック66を更に含んでいて、前記取付板68はその上に固定されている請求項記載のスタブ。
  12. 前記取付板68と前記取付ブロック66との間に配置された電気絶縁パッド78を更に含む請求項11記載のスタブ。
  13. 前記ロードセルを冷却するため前記上部ケース60及び前記下部ケース62の内部に冷却材を流すための手段84を更に含む請求項記載のスタブ。
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