JP4398187B2

JP4398187B2 - Moisturizing gloves and manufacturing method thereof

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Publication number: JP4398187B2
Application number: JP2003187181A
Authority: JP
Inventors: 文雄宇津木
Original assignee: ST Corp
Current assignee: ST Corp
Priority date: 2003-06-30
Filing date: 2003-06-30
Publication date: 2010-01-13
Anticipated expiration: 2023-06-30
Also published as: JP2005023444A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は保湿性手袋およびその製造法に関し、詳しくは、長期間にわたり手に潤いを与え、柔軟な使用感を有する保湿性手袋およびその製造法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、炊事、洗濯等の水作業時にＮＢＲ等からなる合成ゴム手袋や軟質塩化ビニル樹脂手袋が用いられている。これらの手袋では、着脱性の向上のために、内面に凹凸が出来るような樹脂をコーティングしているものがある。しかし、このような手袋においては、繰り返しの使用や長時間の使用の場合、手からの発汗等によって手袋内面に湿気が滞留し、有害な細菌や黴が繁殖しやすい環境が作られてしまうことがあった。そして、このような環境で手袋を使用すると、使用者の手に肌荒れが生じたり、皮膚病などが発生する等の問題が生じることがあった。
【０００３】
これらの問題を解決するために、手袋の基体自体に抗菌剤を配合した手袋等が提案されている。しかし、このような手袋は、手袋内面の抗菌・防カビ効果は不十分であり、また、溶出する抗菌剤は皮膚の常在菌を殺してしまうという問題があった。後者の、常在菌の殺菌は、常在菌による有害菌の進入防止作用をなくすために良くないとされており、上記方法は、使用者の手に対する配慮が欠けているものといわざるを得ない。
【０００４】
そこで、手袋を形成するゴム層または樹脂層の少なくとも一層にアロエエキスなどの植物抽出物を含有させた手袋が提案されている（特許文献１参照）。この手袋は、アロエエキスを配合したゴムラテックスまたは樹脂液中に手袋型を浸漬し、その後温度をかけて乾燥若しくはゲル化させて製造される。しかしアロエエキスは水溶性であるため、基体内部に保留されず、すぐににじみ出てきてしまい、数回の使用で保湿効果が消失し、長期の使用では使用期間中十分な保湿効果が得られないという問題を有していた。
【０００５】
【特許文献１】
特開平１１−２２９２１１号
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
従って、長期間にわたって十分な保湿効果を得ることのできる保湿性手袋が求められており、本発明の課題は、このような手袋を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、保湿成分として樹脂等と親和性の高いものを選び、これを用いた樹脂層を手袋内面に形成することにより、特段の工程を付加することなく、長期間に渡り手に優れた保湿効果を与え、皮膚の弱い使用者の手にも優しい保湿性手袋を得ることができることを見出し、本発明に至った。
【０００８】
すなわち本発明は、少なくとも１層のゴム層または樹脂層を有する手袋基体の内面に油性保湿成分を含有する内面樹脂層を設けたことを特徴とする保湿性手袋である。
【０００９】
また本発明は、手袋型表面に少なくとも１種のゴムラテックス液または合成樹脂液を付着させ、このゴムラテックス液または合成樹脂液を樹脂化させて手袋基体を形成し、次いでこの手袋基体表面に油性保湿成分を含有する内面処理樹脂液を付着させた後、これを樹脂化させて内面樹脂層となし、内面樹脂層が形成された手袋基体を反転剥離することを特徴とする保湿性手袋の製造法である。
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明の手袋において、その基体を構成するゴムまたは合成樹脂は、特に限定がなく、従来より手袋基体として使用されるものがいずれも用いられる。
【００１１】
このうち、ゴムの例としては、天然ゴムや、ＮＢＲ（アクリロニトリル−ブタジエンゴム）、ＣＲ（クロロプレンゴム）、ＳＢＲ（スチレン−ブタジエンゴム）、ＩＲ（イソプレンゴム）、ＰＵ（ポリウレタン）等の合成ゴムを挙げることができる。これらのゴムはそのままでも使用できるが、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、または充填剤等を配合しても良い。
【００１２】
また、合成樹脂の例としては、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの合成樹脂には、可塑剤または充填剤などを配合しても良い。合成樹脂は、溶液としても分散液としても用いられる。
【００１３】
一方、手袋の内面に形成される内面樹脂層は、油性保湿成分と合成樹脂により形成されるものである。
【００１４】
この内面樹脂層に用いられる油性保湿成分としては、油性で内面樹脂層を形成する素材や手袋基体と親和性があるものであれば特に制限なく使用することができる。この油性保湿成分は、従来より化粧品等の分野で使用されているものであり、その具体例としては、アボガド油、アーモンドオイル、イソステアリン酸、イソステアリン酸水添ヒマシ油、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸セテアリル、液状ラノリン、エルカ酸オクチルドデシル、オクタン酸アルキル、オクタン酸セチル、オクタン酸セテアリル、オクチルドデカノール、オリザノール、オリーブ油、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、オレイン酸デシル、オレイン酸フィトステリル、カカオ脂、カプリル酸トリグリセリル、カプリン酸トリグリセリル、ミリスチン酸トリグリセリル、ステアリン酸トリグリセリル、カミツレ油、ゴマ油、コムギ胚芽油、コメヌカ油、コレステロール、コーン油、酢酸セチル、酢酸ラノリル、サフラワー油、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、水添ホホバ油、水添ポリイソブテン、水添ラノリン、水添レシチン、スクワラン、スクワレン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸水添ヒマシ油、セタノール、セテアリルアルコール、ダイズステロール、ダイズ油、月見草油、ツバキ油、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸水添ヒマシ油、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタノイン、トリカプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、トリリシノレイン酸グリセリル、トリカプロン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、乳酸オクチルドデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ノナン酸コレステリル、バチルアルコール、ハトムギ油、パルミチン酸、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ビタミンＥ、ビタミンＥアセテート、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ステアリン酸ジペンタエリスリチル、ロジン酸ジペンタエリスリチル、ピーナッツ油、プリスタン、ヘキシルデカノール、ホホバアルコール、ホホバ油、マカデミアナッツ油、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、ミネラルオイル、ミリスチン酸、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリルリン酸、ラウリン酸、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデセス、ラウロイルグルタミン酸ジコレステリル、ラウロイルグルタミン酸ジベヘニル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、酪酸コレステリル、酪酸ジヒドロコレステリル、ラノリン、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ラベンダー油、卵黄油、リノール酸エチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ローズヒップ油、ワセリン、モノイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル及びペンタステアリン酸デカグリセリル等が挙げられ、これらは１種若しくは２種以上で使用できる。
【００１５】
これらのうち、好ましい油性保湿成分の具体例としては、スクワラン、スクワレン、オリーブ油、セタノール、セテアリルアルコール、ヒドロキシステアリン酸、カミツレ油、ラベンダー油、水添ラノリンが挙げられ、特にスクワランを用いることが好ましい。
【００１６】
この内面樹脂層に含有される油性保湿成分の量は特に限定されないが、好ましくは０.１から５０質量％（以下、単に「％」で示す）が好ましく、１から１０％が更に好ましい。油性保湿成分の配合量が５０％より多い場合は、内面樹脂層の樹脂の絶対量が減少してしまい、手袋の着脱がスムーズに行えなくなってしまう。また、０.１％より少ない場合は、十分な保湿効果が発揮できなくなってしまう。
【００１７】
また、内面樹脂層には水性の保湿成分も含有させることが好ましい。水性の保湿成分を油性保湿成分と併用することにより、手袋の使用初期の保湿効果を補充、増強することができる。この水性の保湿成分としては、具体的に、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ヒアルロン酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アロエ液汁、アロエベラエキス、アーモンドエキス、アルニカエキス、アンペロプシスグロセデンタタ葉エキス、イチョウエキス、ウコンエキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、エチナシ葉エキス、オウバクエキス、オタネニンジンエキス、オトギリソウエキス、加水分解シルク、カッコンエキス、カミツレエキス、褐藻エキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、コメエキス加水分解液、コメヌカエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、キダチアロエエキス、キュウリエキス、キュウリ果汁、クインスシードエキス、クチナシエキス、クララエキス、グリセリン、黒砂糖エキス、クロレラエキス、ケープアロエエキス、ゲンチアナエキス、紅藻エキス、ジオウエキス、ジグリセリン、シコンエキス、シソエキス、シャクヤクエキス、スイカズラエキス、スギナエキス、スーパーオキシドジスムターゼ、セイヨウキズタエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、セリシン、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ソルビトール、ダイズエキス、ダイズ発酵エキス、タイソウエキス、チューベロース多糖体、チョウジエキス、チンピエキス、ジプロピレングリコール、トウキエキス、ドクダミエキス、尿素、ノバラエキス、パセリエキス、ハチミツ、ハマメリスエキス、ハマメリス水、パリエタリアエキス、ヒオウギエキス、ヒドロキシプロリン、ビワ葉エキス、ブチレングリコール、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸塩類、プロピレングリコール、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウ葉エキス、ベタイン、ベニバナエキス、ペンチレングリコール、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マツリカエキス、マルチトール、マロニエエキス、マンニトール、ムコ多糖類、メチルグルセス、メリロートエキス、モモ葉エキス、ヨクイニンエキス、ラベンダー水、緑藻エキス、緑茶エキス、レイシエキス、レモンエキス、ローズ水、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス、ワレモコウエキス、加水分解酵母、加水分解コラーゲン、加水分解コンキオリン、加水分解卵殻膜、キシロビオース、コンドロイチン硫酸塩類、サクシニルアテロコラーゲン、サクシニルキトサン、水溶性コラーゲン、冬虫夏草エキス、ヒアルロン酸塩類、ビフィズス菌エキス、モノイソステアリン酸テトラグリセリル、モノイソステアリン酸ヘキサグリセリル、セスキイソステアリン酸ヘキサグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリルおよびジステアリン酸デカグリセリル等が例示され、その１種若しくは２種以上を混合して用いることができる。
【００１８】
これらの内好ましい水性の保湿成分としては、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ヒアルロン酸、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビトールおよびアロエベラエキスが挙げられ、特にポリオキシエチレンジグリセリルエーテルを用いることが好ましい。
【００１９】
水性保湿成分の含有量は、特に限定されないが、内面樹脂層中、油性保湿成分との合計で５０％以下にすることが好ましい。油性保湿成分と水性保湿成分の配合割合も特に限定されないが、油性保湿成分：水性保湿成分が１：９９から９９：１の範囲であり、好ましくは１：１０から１０：１、更に好ましくは１：５から５：１である。
【００２０】
更に、内面樹脂層を形成する合成樹脂は、手袋基体との接着性、非可塑性の点を考慮して選ばれるが、その具体例としては、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂等を挙げることができ、その１種若しくは２種以上を用いることができる。
【００２１】
更にまた、上記内面樹脂層には、手袋の着脱の際にすべり性を付与する目的で、微粒子を含有せしめることもできる。この内面樹脂層に配合される微粒子としては、従来公知の滑剤を用いることができ、その具体例としては、シリカやアクリル樹脂の粒子、塩化ビニル樹脂の粒子等を挙げるができ、これらは１種若しくは２種以上で用いることができる。
【００２２】
また更に、本発明の手袋の内面樹脂層には、従来の手袋同様に抗菌剤、防カビ剤を含有させても良い。含有させることのできる抗菌剤、防カビ剤は、従来手袋に使用されているものであれば特に制限なく使用することができる。具体的には、抗菌剤、防カビ剤としては、ジンクピリチオン等のピリチオン系、１０,１０'−オキシビスフェノキサアルシン等のフェノールエーテル誘導体、ジクロフルアニド、フルオロフォルペット等のＮ−ハロアルキルチオ系化合物、２−（４−チアゾリル）ベンズイミダゾール等のイミダゾール誘導体、２,３,５,６−テトラクロル−４−（メチルスルホニル）ピリジン等のスルホン誘導体、３,４’,５−トリブロムサリチルアニリド等のアニリド誘導体、Ｎ−（トリクロルメチルチオ）フタルイミド等のピロール誘導体、ヘキサヒドロ−１,３,５−トリエチル−Ｓ−トリアジン等のトリアジン系、セシルジメチルエチルアンモニウムブロミド等の第４アンモニウム塩等の１種または２種以上を混合して用いることができる。
【００２３】
市販されている抗菌剤・防カビ剤としては、ダイキラー（大日精化工業株式会社製）、バクテキラー（カネボウ株式会社製）、イオンピュア（石塚硝子株式会社製）、プリベントールＢＣＭ（バイエル社製）、ＡＦ４０Ｓ（シントーファイン株式会社製）等を用いることができる。
【００２４】
次に、本発明の保湿性手袋の製造法について説明する。
【００２５】
基体がゴムである本発明の保湿性手袋を製造するには、まず、手袋型を凝固剤に浸漬若しくは塗布した後、これにゴムラテックス液を付着させることが必要である。手袋型にゴムラテックス液を付着させるための方法としては、手形をゴムラテックス液中にディッピングし、引き上げる方法や、ゴムラテックス液を手袋型全体にシャワーをして型全体にラテックスを付着させる方法が挙げられる。
【００２６】
次いで、手袋型全体を加熱し、乾燥・架橋せしめて手袋基体を得る。乾燥・架橋の条件は、ラテックスの種類により異なるが、一般に８０℃〜１２０℃で十分に乾燥させた後、１００℃〜１３０℃で２０分〜４０分程度加熱することが好ましい。
【００２７】
その後、手袋基体を保湿成分や、必要により微粒子、抗菌剤、抗カビ等を含有する内面処理樹脂液で処理し、これを手袋基体に付着させる。この内面処理樹脂液の処理は、手袋型上に形成された手袋基体を内面処理樹脂液中に浸漬しても良いし、手袋基体上に内面処理樹脂液をシャワーないし噴霧しても良い。
【００２８】
このように内面処理樹脂液で処理された手袋基体は、再度１００℃〜１３０℃に加熱し、内面処理樹脂液を固化させ、内面樹脂層を形成させる。
【００２９】
乾燥後、内面樹脂層が形成された手袋基体を手型から反転剥離することにより、本発明の保湿性手袋を得ることができる。
【００３０】
一方、基体が樹脂である本発明の保湿性手袋を製造する場合も、基体がゴムである場合とほぼ同様、手袋型を樹脂分散液中にディッピングした後引き上げるか、または樹脂分散液を手袋型全体にシャワーをして型全体に樹脂を付着させた後、手袋型全体を加熱し、樹脂液をゲル化させることにより手袋基体を成形することができる。ただし、ゲル化のための加熱条件は、基体がゴムである場合と異なる。すなわち、使用する合成樹脂により異なるが、一般に２００℃〜２５０℃の温度で３０秒〜１０分程度加熱することが好ましい。
【００３１】
次いで、手袋基体を基体がゴムである場合と同様、保湿成分や必要により微粒子、抗菌剤、抗カビ等を含有する内面処理樹脂液で処理し、これを付着させ、加熱処理する。付着処理は、基体がゴムである場合と同様でよいが、加熱処理は、より高温で行うことが必要である。すなわち、２００℃〜２５０℃で固化させコーティングすることが好ましい。
【００３２】
最後に手袋を手型から反転剥離することにより、内面に保湿成分を含有する内面樹脂層を有する本発明の手袋を得ることができる。
【００３３】
【作用】
本発明の保湿性手袋では、内面樹脂層に配合された油性保湿成分が、徐々に手袋基体層に移行し、手袋基体層内で保留されると共に、徐々に内面樹脂層を通して滲み出すので、長期間にわたり保湿効果を保持することができる。
【００３４】
さらに、内面樹脂層に水性保湿成分を配合した場合は、この保湿成分に速効性があるため、早期の保湿効果を補足することができる。
【００３５】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
【００３６】
実施例１
塩化ビニル製保湿性手袋の製造：
（１）内面処理樹脂液の製造
下記表１の組成で、内面処理樹脂液を調製した。
【００３７】
（組成）
【表１】

【００３８】
（２）塩化ビニル手袋の製造
下記表２に示す組成の塩化ビニルペーストを調製した。陶磁器製の手型を、この塩化ビニルペーストに浸漬し、ゾルが滴下しない程度の速さで引き上げ、手型表面に塩化ビニルゾルを付着させた。次いで、２００〜２３０℃の加熱釜で約１〜３分加熱処理して半ゲル状態にした。
【００３９】
これを上記（１）で調製した内面処理樹脂液に浸漬した後引き上げ、再度２００〜２３０℃で４〜７分加熱処理した。全体を完全にゲル化させた後、手型より反転離型して保湿性手袋（本発明品１）を得た。
【００４０】
【表２】

【００４１】
比較例１
比較手袋の製造：
実施例１の内面処理樹脂液に配合する保湿成分として、スクワランおよびポリオキシエチレンジグリセリルエーテルに替え、アロエベラゲル原液（株式会社エアーグリーン製）を用いた以外は、実施例１と同様の方法により保湿性手袋（比較品１）を製造した。
【００４２】
試験例１
実使用性試験：
本発明品１および比較品１の手袋をパネラーに１ヶ月間使用してもらい、製造直後、一週間後および１ヶ月後の手の潤い効果の持続性について下記の基準で評価してもらった。この結果を表３に示す。
【００４３】
（手の潤い効果）
評価
○ ：手が潤う
△ ：特に変化なし
× ：手が荒れる
【００４４】
（結果）
【表３】

【００４５】
表３の結果からわかるように、本発明品の保湿性手袋は手に潤いを与えることができることが確認できた。一方、比較品は、製造直後は保湿効果を有するものの、１週間後および１ヶ月後は保湿効果が不十分であり、長期の使用期間中に渡り保湿効果を維持することはできないことが確認できた。
【００４６】
試験例２
抗菌試験および防カビ試験：
実施例１で製造した本発明品１の手袋について、下記方法によりその抗菌性および防カビ性を調べた。この結果を表４に示す。
【００４７】
（抗菌試験）
(1) 菌液調整
下記菌を、０.８％生理食塩水に懸濁させ、菌数が１０⁴〜１０⁵個／ｍｌになるよう調整して試験菌液を調製した。
菌１：エシェリヒア・コリ（Escherichia coli）ＩＦＯ３３０１
菌２：スタヒロコッカス・アウレウス（Staphylococcus aureus）ＩＦＯ１４４６２
(2) 試料の調整
試験品を直径３ｃｍに切り取り、エタノールで表面を軽くふいた後、風乾したものを試料とした。
(3)試験操作
滅菌シャーレに普通寒天培地を入れ、そこにコンラーシー棒にて試験菌液０.１ｍｌを均一に塗布した。シャーレの中心に試料を置き、蓋をした。３５℃で２４時間培養したのち、発育阻止帯の有無を確認した。
【００４８】
（防カビ試験）
(1) カビ懸濁液の調製
下記カビを、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム０.００６％水溶液に懸濁させ、カビが１０⁴〜１０⁵個／ｍｌになるよう調整し、試験カビ懸濁液を調製した。
かび１：アスペルギルス・ニガー（Aspergills niger）ＩＦＯ６３４１
かび２：ペニシリウム・シトリナム（Penicillium citrinum ）ＩＦＯ６３５２
かび３：クラドスポリウム・クラドスポリオイデス（Cladosprium cladosporioides）ＩＦＯ６３４８
(2) 試料の調整
試験品を直径３ｃｍに切り取り、エタノールで表面を軽くふいた後、風乾したものを試料とした。
(3) 試験操作
滅菌シャーレに普通寒天培地を入れ、そこにコンラーシー棒にて試験カビ懸濁液０.１ｍｌを均一に塗布した。シャーレの中心に試料を置き、蓋をした。２５℃で７日間培養したのち、発育阻止帯の有無を確認した。
【００４９】
（結果）
【表４】

【００５０】
実施例２
ゴム（ＮＢＲ）製保湿性手袋の製造：
（１）内面処理樹脂液の製造
下記の表５の組成で、内面処理樹脂液を調製した。
【００５１】
【表５】

【００５２】
（２）ゴム製手袋の製造
表６に示すＡ液と、表７に示すＢ液を、質量比で１：１となるようボールミルに取り、約２４〜４８時間撹拌分散させてディスパージョンを作成した。
【００５３】
Ａ液：
【表６】

【００５４】
Ｂ液：
【表７】

【００５５】
次いで、このディスパージョンを、ＮＢＲラテックス、分散剤および水を表８の割合で混合し、十分撹拌を行なってＮＢＲラテックス液を得た。
【００５６】
【表８】

【００５７】
このＮＢＲラテックス液中に、予め３５％硝酸カルシウムの水溶液に浸漬した陶磁器製手形を浸漬し、これを引き上げてラテックス液を付着させた。次に余分な硝酸カルシウムやゴムの余剰成分を除去するため３０〜７０℃の温水で５〜１０分間抽出を行った後、上記（１）で作成した内面処理樹脂液に浸漬し引き上げた。約１００℃〜１３０℃で３０分〜９０分乾燥および加硫を行い、次いで冷却し、手型より反転離型してＮＢＲ製の保湿性手袋（本発明品２）を得た。
【００５８】
この保湿性手袋は、約一ヶ月間の使用期間に渡り、菌、微などが発生せず、手に潤いを与えた。
【００５９】
【発明の効果】
以上のように、本発明の保湿性手袋は、ゴムや合成樹脂等で形成された手袋の内面に保湿成分を含む内面樹脂層を有しているため、手に対して優れた保湿効果を有し、手に潤いを与えるほか、手の肌荒れを防止するものである。
【００６０】
また、内面樹脂層に抗菌剤ないしは防カビ剤を配合した場合でも、皮膚表面の常在微生物に影響を与えることなく、手袋内部での微生物やカビの発生を抑制することができ、悪臭等の発生を防止することができる。
【００６１】
従って、本発明の保湿性手袋は、家庭用、手術用、工業用、食品用、漁業用等種々の作業用のゴムまたは合成樹脂製手袋として、有利に使用することができるものである。
以上[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a moisturizing glove and a method for producing the same, and more particularly to a moisturizing glove that moisturizes a hand over a long period of time and has a soft feeling of use and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, synthetic rubber gloves and soft vinyl chloride resin gloves made of NBR or the like are used during water operations such as cooking and washing. Some of these gloves are coated with a resin that forms irregularities on the inner surface in order to improve detachability. However, in such a glove, when it is used repeatedly or for a long time, moisture accumulates on the inner surface of the glove due to sweating from the hand, and an environment in which harmful bacteria and wrinkles easily propagate is created. was there. When gloves are used in such an environment, problems such as rough skin on the user's hand and occurrence of skin diseases may occur.
[0003]
In order to solve these problems, a glove or the like in which an antibacterial agent is blended in the glove base itself has been proposed. However, such gloves have insufficient antibacterial and antifungal effects on the inner surface of the glove, and the antibacterial agents that are eluted have problems of killing resident bacteria on the skin. The latter sterilization of resident bacteria is considered to be unfavorable in order to eliminate the effect of preventing the entry of harmful bacteria by resident bacteria, and it can be said that the above method lacks consideration for the user's hand. I don't get it.
[0004]
Therefore, a glove in which a plant extract such as aloe extract is contained in at least one of a rubber layer or a resin layer forming the glove has been proposed (see Patent Document 1). This glove is manufactured by immersing a glove mold in a rubber latex or a resin solution containing an aloe extract, and then drying or gelling it by applying temperature. However, since aloe extract is water-soluble, it will not be retained inside the substrate and will ooze out immediately, losing its moisturizing effect after several uses, and a long-term use will not provide sufficient moisturizing effect during the period of use. Had the problem.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-11-229211 [0006]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, a moisturizing glove capable of obtaining a sufficient moisturizing effect over a long period of time is required, and an object of the present invention is to provide such a glove.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent investigations to solve the above problems, the inventors have selected a moisture retention component that has a high affinity with resin and the like, and added a special process by forming a resin layer using this on the inner surface of the glove. Thus, the present inventors have found that a moisturizing glove that gives an excellent moisturizing effect to hands over a long period of time and is gentle to the hand of a user with weak skin can be obtained.
[0008]
That is, the present invention is a moisturizing glove characterized in that an inner surface resin layer containing an oily moisturizing component is provided on the inner surface of a glove base having at least one rubber layer or resin layer.
[0009]
In the present invention, at least one rubber latex liquid or synthetic resin liquid is adhered to the surface of the glove mold, the rubber latex liquid or synthetic resin liquid is resinized to form a glove base, and then the glove base surface is oily. Manufacturing of a moisturizing glove characterized by attaching an inner surface treatment resin solution containing a moisturizing component and then converting it to a resin to form an inner surface resin layer, and reversing and peeling the glove substrate on which the inner surface resin layer is formed. Is the law.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the glove of the present invention, the rubber or synthetic resin constituting the substrate is not particularly limited, and any of those conventionally used as a glove substrate can be used.
[0011]
Among these, examples of rubber include natural rubber and synthetic rubber such as NBR (acrylonitrile-butadiene rubber), CR (chloroprene rubber), SBR (styrene-butadiene rubber), IR (isoprene rubber), PU (polyurethane). Can be mentioned. These rubbers can be used as they are, but vulcanizing agents, vulcanization accelerators, softeners, fillers and the like may be blended.
[0012]
Examples of synthetic resins include vinyl chloride resins and acrylic resins. These synthetic resins may be blended with a plasticizer or a filler. Synthetic resins are used both as solutions and dispersions.
[0013]
On the other hand, the inner surface resin layer formed on the inner surface of the glove is formed of an oily moisturizing component and a synthetic resin.
[0014]
As the oily moisturizing component used for the inner surface resin layer, any oily material that has an affinity for the material or glove base that forms the inner surface resin layer can be used without particular limitation. This oily moisturizing component is conventionally used in the field of cosmetics and the like, and specific examples thereof include avocado oil, almond oil, isostearic acid, isostearic acid hydrogenated castor oil, hexyldecyl isostearate, isononanoic acid Isotridecyl, isononyl isononanoate, cetearyl isononanoate, liquid lanolin, octyldodecyl erucate, alkyl octanoate, cetyl octoate, cetearyl octoate, octyldodecanol, oryzanol, olive oil, isodecyl oleate, octyldodecyl oleate, dihydrooleate Cholesteryl, decyl oleate, phytosteryl oleate, cocoa butter, triglyceryl caprylate, triglyceryl caprate, triglyceryl myristate, triglyceryl stearate Chamomile oil, sesame oil, wheat germ oil, rice bran oil, cholesterol, corn oil, cetyl acetate, lanolyl acetate, safflower oil, neopentyl glycol dioctanoate, neopentyl glycol dicaprate, propylene glycol dicaprate, hydrogenated jojoba oil, water Polyisobutene, hydrogenated lanolin, hydrogenated lecithin, squalane, squalene, stearyl alcohol, stearic acid, stearic acid hydrogenated castor oil, cetanol, cetearyl alcohol, soybean sterol, soybean oil, evening primrose oil, camellia oil, polyglyceryl tetraisostearate , Pentaerythrityl tetraoctanoate, hydrogenated castor oil triisostearate, trimethylolpropane triisostearate, trioctanoin, glyceryl tricaprylate, glyceryl caprate Glyceryl triricinoleate, glyceryl tricaproate, glyceryl tricaprylate, glyceryl tricaprate, octyldodecyl lactate, cetyl lactate, myristyl lactate, cholesteryl nonanoate, batyl alcohol, pearl oil, palmitic acid, isopropyl palmitate, octyl palmitate, vitamin E , Vitamin E acetate, hydroxystearic acid, dipentaerythrityl hydroxystearate, dipentaerythrityl isostearate, octyl hydroxystearate, cholesteryl hydroxystearate, dipentaerythrityl hydroxystearate, dipentaerythrityl stearate, dipentaerythrity rosinate, peanut oil, pristane, hexyldecanol, jojoba alcohol , Jojoba oil, maca Demia nut oil, macadamia nut fatty acid phytosteryl, mineral oil, myristic acid, isostearyl myristate, isocetyl myristate, isopropyl myristate, octyldodecyl myristate, lauryl phosphate, lauric acid, dioctyldecyl lauroylglutamate, dioctyldodecyl lauroylglutamate, Dicholesteryl lauroyl glutamate, dibehenyl lauroyl glutamate, dioctyldodecyl lauroyl glutamate, cholesteryl butyrate, dihydrocholesteryl butyrate, lanolin, lanolin fatty acid octyldodecyl, lavender oil, egg yolk oil, ethyl linoleate, diisostearyl malate, rosehip oil, petrolatum, Diglyceryl monoisostearate, diglyceryl diisostearate, tet Diglyceryl isostearate, decaglyceryl the like monooleate diglyceryl, and penta-stearate, it may be used singly or two or more.
[0015]
Among these, specific examples of preferable oily moisturizing components include squalane, squalene, olive oil, cetanol, cetearyl alcohol, hydroxystearic acid, chamomile oil, lavender oil, and hydrogenated lanolin, and it is particularly preferable to use squalane. .
[0016]
The amount of the oily moisturizing component contained in the inner surface resin layer is not particularly limited, but is preferably 0.1 to 50% by mass (hereinafter simply indicated as “%”), more preferably 1 to 10%. When the blending amount of the oily moisturizing component is more than 50%, the absolute amount of the resin in the inner surface resin layer is reduced, and the glove cannot be attached or detached smoothly. Moreover, when it is less than 0.1%, a sufficient moisturizing effect cannot be exhibited.
[0017]
The inner surface resin layer preferably contains an aqueous moisturizing component. By using an aqueous moisturizing component in combination with an oily moisturizing component, the moisturizing effect at the initial use of the glove can be supplemented and enhanced. Specific examples of the aqueous moisturizing component include polyoxyethylene diglyceryl ether, polyoxypropylene diglyceryl ether, hyaluronic acid, ethylene glycol, propylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, aloe juice, aloe vera extract, almond extract, Arnica extract, Ampelopsis grocedentata leaf extract, Ginkgo biloba extract, Turmeric extract, Ages extract, Echinacea leaf extract, Echinacea leaf extract, Oat extract, Ginseng extract, Hypericum extract, Hydrolyzed silk, Cuckoo extract, Chamomile extract, Brown algae Extract, Carrot extract, Kawaramugi extract, Licorice extract, Rice extract hydrolyzate, Rice bran extract, Carrot extract, Kawaramugi extract, Licorice extract, Kida Aloe extract, cucumber extract, cucumber juice, quince seed extract, gardenia extract, clara extract, glycerin, brown sugar extract, chlorella extract, cape aloe extract, gentian extract, red algae extract, diau extract, diglycerin, sicon extract, perilla extract, peonies extract , Honeysuckle extract, Horsetail extract, Superoxide dismutase, Horseshoe extract, Horseshoe extract, Horseshoe extract, Zeni mushroom extract, Sericin, Assembly extract, Sakuhaha extract, Sorbitol, Soybean extract, Soybean fermented extract, Tyso extract, Tuberose polysaccharide, Clove Extract, chimpi extract, dipropylene glycol, toki extract, dokudami extract, urea, Novara extract, parsley extract, honey, Legume extract, hamamelis water, parietalia extract, cypress extract, hydroxyproline, loquat leaf extract, butylene glycol, pyrrolidone carboxylic acid, pyrrolidone carboxylates, propylene glycol, bucurium extract, butcher bloom extract, grape leaf extract, betaine, safflower extract, Pentylene glycol, button extract, hop extract, pine extract, pine crab extract, maltitol, maroni extract, mannitol, mucopolysaccharide, methyl gluces, merirot extract, peach leaf extract, yokuinin extract, lavender water, green algae extract, green tea extract, litchi extract , Lemon extract, rose water, rosemary extract, royal jelly extract, bitumen extract, hydrolyzed yeast, hydrolyzed collagen, hydrolyzed conchiolin , Hydrolyzed eggshell membranes, xylobiose, chondroitin sulfate, succinyl atelocollagen, succinyl chitosan, water-soluble collagen, cordyceps extract, hyaluronates, bifidobacteria extract, tetraglyceryl monoisostearate, hexaglyceryl monoisostearate, hexaglyceryl sesquiisostearate , Deisoglyceryl monoisostearate, decaglyceryl diisostearate, tetraglyceryl monolaurate, hexaglyceryl monolaurate, decaglyceryl monolaurate, decaglyceryl monomyristate, tetraglyceryl monooleate, hexaglyceryl monooleate, decaglyceryl monooleate , Decaglyceryl monostearate, decaglyceryl distearate, etc. It can be used as a mixture of more species or in combination.
[0018]
Among these, preferable aqueous moisturizing components include polyoxyethylene diglyceryl ether, polyoxypropylene diglyceryl ether, hyaluronic acid, ethylene glycol, propylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, sorbitol, and aloe vera extract. It is preferable to use oxyethylene diglyceryl ether.
[0019]
Although content of an aqueous | water-based moisturizing component is not specifically limited, It is preferable to make it 50% or less in total with an oil-based moisturizing component in an inner surface resin layer. The mixing ratio of the oily moisturizing component and the aqueous moisturizing component is not particularly limited, but the oily moisturizing component: aqueous moisturizing component is in the range of 1:99 to 99: 1, preferably 1:10 to 10: 1, more preferably 1. : 5 to 5: 1.
[0020]
Further, the synthetic resin for forming the inner surface resin layer is selected in consideration of adhesion to the glove base and non-plasticity, and specific examples thereof include vinyl chloride resin, polyurethane resin, acrylic resin, and the like. One or two or more of them can be used.
[0021]
Furthermore, the inner surface resin layer may contain fine particles for the purpose of imparting slipperiness when attaching and detaching gloves. As fine particles blended in the inner surface resin layer, conventionally known lubricants can be used, and specific examples thereof include silica and acrylic resin particles, vinyl chloride resin particles, and the like. Or it can use by 2 or more types.
[0022]
Furthermore, the inner surface resin layer of the glove of the present invention may contain an antibacterial agent and a fungicide as in the conventional glove. The antibacterial agent and fungicide that can be contained can be used without particular limitation as long as they are conventionally used in gloves. Specifically, antibacterial agents and fungicides include pyrithione such as zinc pyrithione, phenol ether derivatives such as 10,10′-oxybisphenoxaarsine, N-haloalkylthio such as diclofluuride and fluorophorpet. Compounds, imidazole derivatives such as 2- (4-thiazolyl) benzimidazole, sulfone derivatives such as 2,3,5,6-tetrachloro-4- (methylsulfonyl) pyridine, 3,4 ′, 5-tribromosalicylanilide, etc. 1 type of anilide derivatives, pyrrole derivatives such as N- (trichloromethylthio) phthalimide, triazines such as hexahydro-1,3,5-triethyl-S-triazine, quaternary ammonium salts such as cecildimethylethylammonium bromide, or the like Two or more kinds can be mixed and used.
[0023]
Commercially available antibacterial and antifungal agents include Dai-Killer (manufactured by Dainichi Seika Kogyo Co., Ltd.), Bact killer (manufactured by Kanebo Co., Ltd.), Ion Pure (manufactured by Ishizuka Glass Co., Ltd.), Preventor BCM (manufactured by Bayer) AF40S (manufactured by Shinto Fine Co., Ltd.) or the like can be used.
[0024]
Next, the manufacturing method of the moisture retention glove of this invention is demonstrated.
[0025]
In order to produce the moisturizing glove of the present invention whose base is rubber, it is necessary to first immerse or apply the glove mold in a coagulant and then attach a rubber latex solution thereto. Methods for attaching rubber latex liquid to the glove mold include dipping the handprint into the rubber latex liquid and pulling it up, or showering the rubber latex liquid over the entire glove mold and attaching the latex to the entire mold. Can be mentioned.
[0026]
Next, the entire glove mold is heated, dried and cross-linked to obtain a glove base. Although the drying / crosslinking conditions vary depending on the type of latex, it is generally preferable to dry at 80 to 120 ° C. and then heat at 100 to 130 ° C. for about 20 to 40 minutes.
[0027]
Thereafter, the glove base is treated with a moisturizing component and, if necessary, an inner surface treatment resin solution containing fine particles, an antibacterial agent, antifungal and the like, and this is adhered to the glove base. In the treatment of the inner surface treatment resin liquid, the glove base formed on the glove mold may be immersed in the inner face treatment resin liquid, or the inner face treatment resin liquid may be showered or sprayed on the glove base.
[0028]
The glove base treated with the inner surface treatment resin liquid is heated again to 100 ° C. to 130 ° C. to solidify the inner surface treatment resin liquid and form an inner surface resin layer.
[0029]
After drying, the moisturizing glove of the present invention can be obtained by reversing and peeling the glove substrate on which the inner surface resin layer is formed from the hand mold.
[0030]
On the other hand, when producing the moisturizing glove of the present invention in which the substrate is a resin, the glove mold is dipped into the resin dispersion and then pulled up, or the resin dispersion is removed from the glove mold, as in the case where the substrate is rubber. A glove substrate can be formed by showering the entire surface and attaching the resin to the entire mold, and then heating the entire glove mold to gel the resin liquid. However, the heating conditions for gelation are different from the case where the substrate is rubber. That is, although it depends on the synthetic resin used, it is generally preferable to heat at a temperature of 200 ° C. to 250 ° C. for about 30 seconds to 10 minutes.
[0031]
Next, as in the case where the base is rubber, the glove base is treated with an inner surface treatment resin solution containing a moisturizing component and, if necessary, fine particles, an antibacterial agent, antifungal and the like, and this is attached and heat-treated. The adhesion treatment may be the same as when the substrate is rubber, but the heat treatment needs to be performed at a higher temperature. That is, it is preferable to solidify and coat at 200 ° C to 250 ° C.
[0032]
Finally, the glove of the present invention having an inner surface resin layer containing a moisturizing component on the inner surface can be obtained by reversely peeling the glove from the hand mold.
[0033]
[Action]
In the moisturizing glove of the present invention, the oily moisturizing component blended in the inner surface resin layer gradually moves to the glove base layer, is retained in the glove base layer, and gradually exudes through the inner surface resin layer. Moisturizing effect can be maintained over a period.
[0034]
Furthermore, when an aqueous moisturizing component is blended in the inner surface resin layer, the moisturizing component has a rapid effect, so that an early moisturizing effect can be supplemented.
[0035]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example is given and this invention is demonstrated in more detail, this invention is not restrict | limited at all by these Examples.
[0036]
Example 1
Production of moisturizing gloves made of vinyl chloride:
(1) Manufacture of inner surface treatment resin liquid An inner surface treatment resin liquid was prepared with the composition shown in Table 1 below.
[0037]
(Composition)
[Table 1]

[0038]
(2) Production of vinyl chloride gloves A vinyl chloride paste having the composition shown in Table 2 below was prepared. A ceramic hand mold was dipped in the vinyl chloride paste and pulled up at a speed at which the sol did not drip, and the vinyl chloride sol was attached to the surface of the hand mold. Subsequently, it was heat-treated in a 200-230 ° C. heating kettle for about 1 to 3 minutes to form a semi-gel state.
[0039]
This was dipped in the inner surface treatment resin solution prepared in (1) above, pulled up, and heat-treated again at 200 to 230 ° C. for 4 to 7 minutes. After the whole was completely gelled, it was released from the hand mold to obtain a moisturizing glove (Product 1 of the present invention).
[0040]
[Table 2]

[0041]
Comparative Example 1
Production of comparative gloves:
According to the same method as in Example 1, except that Aloe vera gel stock solution (manufactured by Air Green Co., Ltd.) was used as a moisturizing component to be blended in the inner surface treatment resin liquid of Example 1 instead of squalane and polyoxyethylene diglyceryl ether. Moisturizing gloves (Comparative product 1) were produced.
[0042]
Test example 1
Actual usability test:
The gloves of Invention Product 1 and Comparative Product 1 were used by a panelist for one month, and the durability of the hand moistening effect immediately after production, one week later and one month later was evaluated according to the following criteria. The results are shown in Table 3.
[0043]
(Hand moisturizing effect)
Evaluation ○: Hands get wet △: No particular change ×: Hands get rough [0044]
(Result)
[Table 3]

[0045]
As can be seen from the results in Table 3, it was confirmed that the moisturizing gloves of the present invention can moisturize hands. On the other hand, although the comparative product has a moisturizing effect immediately after production, the moisturizing effect is insufficient after one week and one month, and it can be confirmed that the moisturizing effect cannot be maintained over a long period of use. It was.
[0046]
Test example 2
Antibacterial and antifungal tests:
About the glove of this invention 1 manufactured in Example 1, the antibacterial property and antifungal property were investigated by the following method. The results are shown in Table 4.
[0047]
(Antimicrobial test)
(1) Preparation of bacterial solution The following bacteria were suspended in 0.8% physiological saline and adjusted so that the number of bacteria was 10 ⁴ to 10 ⁵ cells / ml to prepare a test bacterial solution.
Bacteria 1: Escherichia coli IFO 3301
Fungus 2: Staphylococcus aureus IFO 14462
(2) Preparation of sample A test sample was cut to a diameter of 3 cm, the surface was lightly wiped with ethanol, and then air-dried to obtain a sample.
(3) Test operation Ordinary agar medium was placed in a sterilized petri dish, and 0.1 ml of the test bacterial solution was uniformly applied thereto with a Conlercy stick. The sample was placed in the center of the petri dish and covered. After culturing at 35 ° C. for 24 hours, the presence or absence of a growth inhibitory zone was confirmed.
[0048]
(Anti-mold test)
(1) Preparation of mold suspension The following mold was suspended in 0.006% aqueous solution of dioctyl sodium sulfosuccinate and adjusted so that the mold would be 10 ⁴ to 10 ⁵ pieces / ml to prepare a test mold suspension. did.
Mold 1: Aspergills niger IFO 6341
Mold 2: Penicillium citrinum IFO 6352
Mold 3: Cladosprium cladosporioides IFO 6348
(2) Preparation of sample A test sample was cut to a diameter of 3 cm, the surface was lightly wiped with ethanol, and then air-dried to obtain a sample.
(3) Test operation Ordinary agar medium was placed in a sterile petri dish, and 0.1 ml of a test mold suspension was uniformly applied thereto with a Conlercy stick. The sample was placed in the center of the petri dish and covered. After culturing at 25 ° C. for 7 days, the presence or absence of a growth inhibitory zone was confirmed.
[0049]
(Result)
[Table 4]

[0050]
Example 2
Manufacture of rubber (NBR) moisturizing gloves:
(1) Manufacture of inner surface treatment resin liquid An inner surface treatment resin liquid was prepared with the composition shown in Table 5 below.
[0051]
[Table 5]

[0052]
(2) Manufacture of rubber gloves Take A liquid shown in Table 6 and B liquid shown in Table 7 in a ball mill so that the mass ratio is 1: 1, and stir and disperse for about 24 to 48 hours to create a dispersion. did.
[0053]
Liquid A:
[Table 6]

[0054]
B liquid:
[Table 7]

[0055]
Next, this dispersion was mixed with NBR latex, a dispersant and water in the ratios shown in Table 8, and sufficiently stirred to obtain an NBR latex liquid.
[0056]
[Table 8]

[0057]
In this NBR latex liquid, a ceramic handprint previously immersed in an aqueous solution of 35% calcium nitrate was immersed and pulled up to attach the latex liquid. Next, in order to remove excess calcium nitrate and excessive rubber components, extraction was performed with warm water at 30 to 70 ° C. for 5 to 10 minutes, and then the substrate was dipped in the inner surface treatment resin solution prepared in the above (1) and pulled up. Drying and vulcanization were carried out at about 100 ° C. to 130 ° C. for 30 minutes to 90 minutes, followed by cooling and reversal release from a hand mold to obtain a NBR moisturizing glove (Invention product 2).
[0058]
This moisturizing glove moisturized the hands with no bacteria or fines over the period of use for about one month.
[0059]
【The invention's effect】
As described above, the moisturizing glove of the present invention has an inner surface resin layer containing a moisturizing component on the inner surface of a glove formed of rubber, synthetic resin or the like, and therefore has an excellent moisturizing effect on the hand. In addition to moisturizing hands, it also prevents rough skin of the hands.
[0060]
In addition, even when an antibacterial or antifungal agent is blended in the inner surface resin layer, it is possible to suppress the generation of microorganisms and mold inside the glove without affecting the resident microorganisms on the skin surface. Occurrence can be prevented.
[0061]
Therefore, the moisturizing gloves of the present invention can be advantageously used as rubber or synthetic resin gloves for various operations such as household use, surgical use, industrial use, food use, and fishery use.
more than

Claims

A moisturizing glove comprising an inner surface resin layer containing an oily moisturizing component and an aqueous moisturizing component on the inner surface of a glove base having at least one rubber layer or resin layer.

The oily moisturizing component is one or more moisturizing components selected from squalane, squalene, olive oil, cetanol, cetearyl alcohol, hydroxystearic acid, chamomile oil, lavender oil and hydrogenated lanolin. Moisturizing gloves.

One or two kinds of moisturizing ingredients in which the aqueous moisturizing ingredient is selected from polyoxyethylene diglyceryl ether, polyoxypropylene diglyceryl ether, hyaluronic acid, ethylene glycol, propylene glycol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, sorbitol and aloe vera extract It is the above, The moisture retention glove of Claim 1 or 2 characterized by the above-mentioned.

The moisturizing glove according to any one of claims 1 to 3 , wherein the inner surface resin layer contains fine particles.

The moisturizing glove according to any one of claims 1 to 4 , wherein the inner surface resin layer further contains a fungicide and / or an antibacterial agent.

Glove base body is formed by vinyl chloride, vinyl inner surface resin layer is chloride, either of the first term of one or claims which is formed by a mixture of two or more resins selected from acrylic resins and urethane resins to paragraph 5 Moisturizing gloves as described in the section.

At least one rubber latex solution or synthetic resin solution is attached to the surface of the glove mold, and the rubber latex solution or synthetic resin solution is converted into a resin to form a glove base . Moisturizing property characterized by attaching an inner surface treatment resin solution containing a moisturizing component and then heating it to form a resin, forming an inner surface resin layer, and reversing and peeling the glove substrate on which the inner surface resin layer is formed. Glove manufacturing method.