JP4396647B2 - 車高調整システム - Google Patents

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Description

本発明は、車高調整システムに関するものであり、特に、車高変更アクチュエータに対する作動油の供給,流出により車高を調整するシステムにおいて作動油の温度が極端に低い場合における車高調整に関するものである。
車体と車輪との間に配設され、両者の上下方向の相対位置で規定される車高を変更する車高変更アクチュエータと、そのアクチュエータを制御して車高を調整する車高調整制御装置とを含む車高調整システムは既に広く知られている。車高調整制御装置は、マニュアル操作装置の操作により与えられる指示に応じて車高を調整するマニュアル調整制御部と、車両の走行状態,乗員の乗降,乗降用ドアの開閉等、種々の状態の情報を取得する情報取得部により取得した情報に基づいて自動で車高を調整する自動調整制御部との少なくとも一方を含むものとされる。
車高調整システムの一種に、上記車高変更アクチュエータに対して作動油給排装置により作動油を供給,排出することによって車高を調整する車高調整装置と、その車高調整装置を制御する車高調整装置制御装置とを備えたものがある。この種の車高調整システムにおいて、作動油給排装置の耐久性を向上させるために、車高調整装置制御装置を、作動油給排装置の負荷が設定負荷以上である場合にその作動油給排装置による作動油の供給を禁止する高負荷時給油禁止部を設けることが下記特許文献1に記載されている。
作動油給排装置の負荷が設定負荷以上となる場合の例としては、少なくとも1つの車高変更アクチュエータに対して車体から加えられる荷重が大きいために、そのアクチュエータへ作動油を供給する作動油給排装置の負荷が過大となる場合や、1輪がくぼみに落ち込んで空転し、車両の発進が困難になったために、その一輪の車高を通常の車高調整範囲を超えて高くする必要が生じ、そのために作動給排装置の負荷が過大となる場合等がある。
特開平11−198625号公報
本発明の発明者は、以上の事情の下で、特に寒冷地で使用される車両において、作動油の温度が極端に低くなり、粘度が著しく高くなることによって、作動油給排装置の負荷が過大となる場合があり、この場合に上記発明の技術思想を適用することが耐久性の向上に有効であることに気付いた。本発明は、この着想をさらに発展させて、作動油の温度が極端に低いために車高調整が実行できない場合に、短時間で車高調整の実行を可能にすることを課題として為されたものである。
上記課題は、(a)車両の各車輪に対応して設けられた車高変更アクチュエータと、(b)作動油を蓄えるリザーバと、(c)そのリザーバから作動油を汲み上げるポンプと、(d)そのポンプにより汲み上げられた作動油を加圧下に蓄えるとともに、少なくとも車両の走行駆動源の作動中は、その走行駆動源の作動に起因して前記リザーバより加熱される位置に配設されたアキュムレータと、(e)そのアキュムレータおよび前記ポンプの作動油を前記車高変更アクチュータに供給して車高を高くし、車高変更アクチュエータの作動油の前記リザーバへの流出を許容して車高を低くする車高調整弁装置と、(f)その車高調整弁装置を制御する制御装置とを含む車高調整システムの制御装置を、リザーバの作動油の温度が設定温度以下であることを表す極低温情報に基づいて、アキュムレータの作動油をリザーバに還流させる作動油還流部を含むものとすることにより解決される。
走行駆動源が作動させられれば、それに起因してアキュムレータはリザーバより加熱され、アキュムレータ内の作動油の温度はリザーバ内の作動油より高くなる。そのため、リザーバ内の作動油の温度が設定温度以下である場合にアキュムレータの作動油をリザーバに還流させれば、アキュムレータの温度の高い作動油が混じることにより、リザーバ内の作動油の温度が上昇し、ポンプを負荷が過大となることなく作動させ、車高調整を行うことが可能となる。
走行駆動源は、作動中であれば、車両の走行中であっても停止中であっても熱を放出し、アキュムレータを加熱する。そのため、アキュムレータ内の作動油の温度が短時間で上昇し、リザーバ内の作動油の温度が極端に低くても、アキュムレータ内の温められた作動油の混合により短時間で温度を上昇させ、ポンプの負荷を低減することができる。
本発明は、リザーバに蓄えられた作動油の温度が極端に低い場合にポンプによる車高変更アクチュエータへの作動油の供給が禁止される車高調整システムに適用して特に有効なものである。リザーバの作動油の温度が極端に低い場合に車高変更アクチュエータへの給油を禁止すれば、高負荷状態でポンプが作動し、寿命が短くなることを回避し得るのであるが、その間、車高調整が行われない状態となり、車両の使い勝手が悪くなる。それに対し、本発明によれば、リザーバ内の作動油の温度が短時間で上昇させられるため、給油が禁止されても、その状態は短く、車両の使い勝手の低下を抑制しつつ、ポンプの寿命短縮を回避することができるのである。
本発明は、リザーバおよびポンプがボディー外部に配設される一方、アキュムレータはエンジンコンパートメント内等ボディー内部に配設される場合や、(3)項におけるように排気装置に隣接して配設される場合等に特に有効である。
例えば、ボディー内部にアキュムレータ,リザーバおよびポンプ等、車高調整システムの構成要素の全部を配置するスペースがなく、複数の各車輪に対応して設けられた車高変更アクチュエータの各々に作動油を供給するアキュムレータをボディー内部に設け、ポンプおよびリザーバをボディー外部に設ける場合、アキュムレータは走行駆動源等、車両の発熱体により加熱され易いのに対し、ポンプおよびリザーバはボディー外部にあって発熱体による加熱が期待できず、温度が極低温となり易いため、ボディー内部に配設されるアキュムレータから、ボディー外部に配設されるリザーバへ作動油を還流させることにより、リザーバ内の作動油の温度を迅速に上昇させることが望ましいのである。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(6)項と(7)項とを合わせたものが請求項4に、(8)項が請求項5に、(12)項が請求項6に、(14)が請求項7に、それぞれ相当する。
(1)車両の各車輪に対応して設けられた車高変更アクチュエータと、
作動油を蓄えるリザーバと、
そのリザーバから作動油を汲み上げるポンプと、
そのポンプにより汲み上げられた作動油を加圧下に蓄えるとともに、少なくとも前記車両の走行駆動源の作動中は、その走行駆動源の作動に起因して前記リザーバより加熱される位置に配設されたアキュムレータと、
そのアキュムレータおよび前記ポンプの作動油を前記車高変更アクチュータに供給して車高を高くし、車高変更アクチュエータの作動油の前記リザーバへの流出を許容して車高を低くする車高調整弁装置と、
その車高調整弁装置を制御する制御装置と
を含み、かつ、前記制御装置が、前記リザーバの作動油の温度が設定温度以下であることを表す極低温情報に基づいて、前記アキュムレータの作動油を前記リザーバに還流させる作動油還流部を含む車高調整システム。
(2)前記走行駆動源が燃料の燃焼を伴って作動する内燃機関であり、前記アキュムレータが、前記内燃機関における燃料の燃焼により発生する熱により加熱される位置に配置された(1)項に記載の車高調整システム。
内燃機関は、例えば、ガソリンエンジンでもよく、ディーゼルエンジンでもよい。
燃料の燃焼により発生する熱は多く、内燃機関はアキュムレータの加熱に適している。
(3)前記アキュムレータが、前記内燃機関の排気装置の一部に隣接し、その一部から放熱される熱により加熱される位置に配置された(2)項に記載の車高調整システム。
排気装置は、例えば、排気管およびマフラを含む。
内燃機関は温度が高く、アキュムレータの加熱に好適であるが、その近傍は、冷却装置や燃料供給装置等、内燃機関の作動に必要な種々の装置が配置されており、アキュムレータを配置するスペースが少なく、あっても配置の自由度が低い。それに対し、排気装置は、内燃機関から排出された高温の排気ガスにより加熱され、温度が高い上、排気ガスを車両後方から排出するために車両前後方向に長く配設され、アキュムレータを配置するスペースを確保し易く、配置の自由度が高く、アキュムレータを加熱させるのに適している。特に、マフラは放熱面積が大きく、アキュムレータの加熱に適している。
(4)前記制御装置が、前記リザーバ内の作動油の温度を検出する第1油温センサを含む(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車高調整システム。
油温センサによりリザーバ内の作動油の温度を検出すれば、正確にかつ簡単にリザーバ内の作動油の温度を検出することができる。
(5)前記制御装置が、前記リザーバの作動油の温度を推定する第1油温推定部を含む(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車高調整システム。
例えば、車両に外気温を検出する外気温センサが設けられる場合、それにより検出される外気温を利用してリザーバの作動油の温度を推定することができ、リザーバ内の作動油の温度を検出する専用の油温センサを設ける場合に比較して、コストを低減することができる。
第1油温センサおよび第1油温推定部はそれぞれ、リザーバ内作動油温度取得部の一種であり、リザーバの作動油の温度の取得に基づいて、極低温情報が得られる。
(6)前記制御装置が、前記アキュムレータ内の作動油の温度を推定する第2油温推定部を含む(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の車高調整システム。
油温センサを設け、アキュムレータ内の作動油の温度を検出する場合に比較して安価にアキュムレータ内の作動油の温度を取得することができる。
(7)前記第2油温推定部が、前記走行駆動源の運転開始からの経過時間を計測するタイマを含み、少なくともそのタイマの計測時間に基づいて前記アキュムレータ内の作動油温度を推定するものである(6)項に記載の車高調整システム。
走行駆動源の運転が開始されれば、アキュムレータが加熱され始め、時間がたつにつれてアキュムレータの温度が上昇する。したがって、少なくともタイマにより走行駆動源の運転開始からの経過時間を計測すれば、アキュムレータ内の作動油の温度を推定することができる。
(8)前記第2油温推定部が、気温を検出する気温センサと、当該車高調整システムが搭載されている車両の走行状況に関する情報を取得する走行情報取得部と、前記走行駆動源の作動状況の情報を取得する駆動源情報取得部との少なくとも1つを含み、その少なくとも1つにより取得される情報と前記計測時間とに基づいて前記アキュムレータ内の作動油温度を推定するものである(7)項に記載の車高調整システム。
例えば、気温が低い場合には、加熱開始時のアキュムレータの温度も低く、かつ温まり難いなど、気温によりアキュムレータの温度上昇の状態が変わる。また、車両走行中は、走行により生ずる風により車両が冷却され、アキュムレータが走行駆動源の作動に基づいて加熱されても放熱量が多く、温度上昇が抑制されるのに対し、停止中は走行風がないため、走行駆動源が作動させられていれば、アキュムレータが効率良く加熱され、作動油の温度も上昇する。同じ走行中であっても、走行速度が大きいほど風速が大きくアキュムレータが強く冷却される。さらに、走行駆動源の出力が大きいほどアキュムレータを加熱する熱量が多く得られる。このように、アキュムレータの加熱,作動油の温度上昇には、時間以外の要素が関与するのであり、計測時間のみによれば、安価にかつ簡単にアキュムレータ内の作動油の温度を推定することができるが、他の情報も合わせれば、より正確に推定することができる。
(9)前記制御装置が、前記アキュムレータ内の作動油の温度を検出する第2油温センサを含む(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の車高調整システム。
油温センサを設ければ、アキュムレータ内の作動油の温度を正確に知ることができる。
第2油温推定部および第2油温センサはそれぞれ、アキュムレータ内作動油温度取得部の一種である。制御装置がアキュムレータ内作動油温度取得部を含む場合、作動油還流部は、取得されたアキュムレータ内の作動油温度に基づいてアキュムレータの作動油をリザーバへ還流させるものとされ、アキュムレータ内の作動油の温度が、リザーバ内の作動油の温度を、ポンプを負荷が過大となることなく作動させることが可能な高さに上昇させる高さである状態において、アキュムレータの作動油をリザーバに還流させるものとされる。作動油を還流させる際のアキュムレータ内の作動油の温度は、リザーバ内の作動油の温度を上記高さに上昇させることができる高さであってもよく、上昇させることが可能な高さであってもよい。
(10)前記車高変更アクチュエータと前記アキュムレータとを接続する接続通路を含み、前記作動油還流部が、前記車高調整弁装置を制御することにより、前記接続通路を経ることなく前記アキュムレータの作動油を前記リザーバに還流させるものである(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の車高調整システム。
アキュムレータの作動油が接続通路を経て、あるいはさらに車高変更アクチュエータを経てリザーバに還流させられるようにすることも可能であり、そのようにすれば、接続通路内等の作動液の温度が上昇し、かえってポンプの負荷を小さくし得ることもある。しかし、寒冷地においては、車高変更アクチュエータや接続通路の温度も低くなるため、アキュムレータから供給された作動油が接続通路等を通過する間に冷却されてしまい、リザーバの温度を効果的に上昇させることができないことが多い。アキュムレータから接続通路を経ることなくリザーバに還流させられるようにする方が、リザーバ内の作動油の温度を効果的に上昇させることができるのである。
特に、車高変更アクチュエータや接続通路内の作動油が走行駆動源の熱により、あるいは車両の走行に伴う車高変更アクチュエータの運動エネルギにより加熱される場合には、アキュムレータからの作動油に接続通路等を経由させることは、無駄に作動油の温度を低下させ、その分リザーバの作動油温度の上昇量を減少させることとなるため、直接リザーバに還流させることが望ましい。
(11)前記車高変更アクチュエータと前記アキュムレータとを接続する接続通路を含み、前記作動油還流部が、前記車高調整弁装置を制御することにより、前記アキュムレータ内の作動油を一旦前記接続通路に流入させた後、前記リザーバに還流させるものである(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の車高調整システム。
接続通路内の作動油の温度も上昇させ、低温状態での車高調整時のポンプにかかる負荷をより低減させることができる。例えば、アキュムレータの容量が大きく、リザーバのみならず、接続通路内の作動油の温度を上昇させるのに十分な作動油があれば、接続通路を経た後、リザーバに還流させることも可能である。アキュムレータの作動油が接続通路から車高変更アクチュエータまで供給され、車高変更アクチュエータ内の作動油の温度も上昇させられるようにすることも可能である。
(12)前記制御装置が、前記ポンプの負荷が設定負荷以上である場合に前記車高変更アクチュエータへの給油を禁止する高負荷時給油禁止部を含む(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の車高調整システム。
本態様によれば、作動油の温度が設定温度以下である場合には車高変更アクチュエータへの作動油の供給が禁止されるため、過大な負荷の下でポンプが作動させられ、車高調整システムの寿命が予定より短くなってしまう事態の発生が防止される。そして、アキュムレータにおいて温められた作動油がリザーバに還流させられることにより、早期に車高変更アクチュエータへの作動油の供給が可能とされる。
ポンプの負荷は、リザーバ内の作動油の温度が設定温度以下である場合の他、例えば、前述のように車高変更アクチュエータに対して車体から加えられる荷重が大きい場合にも設定負荷以上となる。したがって、本項の高負荷時給油禁止部は、リザーバの作動油の温度が設定温度以下である場合、あるいはポンプの負荷が設定負荷以上であることが負荷検出装置により検出された場合、あるいはリザーバの作動油の温度が設定温度以下であるかポンプの負荷が設定負荷以上である場合に給油を禁止するものとすることができる。ポンプの負荷が設定負荷以上であることが検出された場合、その原因がリザーバの作動油の温度が設定温度以下であることであれば、アキュムレータからリザーバへの作動油の還流により、短時間で高負荷状態が解消され、車高調整の実行が可能となる。
(13)前記高負荷時給油禁止部が、前記リザーバ内の作動油の温度が前記設定温度以下である場合に、前記ポンプの負荷が前記設定負荷以上であるとして、前記車高変更アクチュエータへの給油を禁止する部分を含む(12)項に記載の車高調整システム。
(14)前記作動油還流部による作動油の還流の後に前記車高変更アクチュエータへの作動油の供給を許可する作動油供給許可部を含む(12)項または(13)項に記載の車高調整システム。
アキュムレータにおいて温められた作動油がリザーバへ還流させられても、リザーバ内の作動油の温度が、ポンプを負荷が過大な状態となることなく作動させることができる高さに上昇するとは限らず、作動油供給許可部が設けられることにより、ポンプを確実に負荷が過大になることがない状態で作動させ、車高変更アクチュエータに作動油を供給させることができる。
(15)前記作動油供給許可部が、前記作動油還流部による作動油の還流の後に前記リザーバ内の温度を検出し、その検出温度が前記設定温度を超えていれば、前記車高変更アクチュエータへの作動油の供給を許可する確認後許可部を含む(14)項に記載の車高調整システム。
リザーバの作動油の温度が設定温度を超えていれば、ポンプを負荷が過大になることなく作動させることができ、車高変更アクチュエータへの作動油の供給を許可することができる。
リザーバ内の温度は、前記第1油温センサにより検出されてもよく、前記第1油温推定部により推定されてもよい。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に、一実施例としての車高調整システムを示す。本車高調整システムにおいては、図1に示すように、車両の前後左右の車輪10,12,14,16を保持する車輪保持装置20と車体22との間に、それぞれ、車高変更アクチュエータとしての懸架シリンダ24が、図示しないサスペンションスプリングと共に設けられている。各懸架シリンダ24は、互いに構造が同じものであり、それぞれ、ハウジング30と、ハウジング30に軸方向に移動可能に嵌合されたピストン32と、ピストンロッド34とを含み、ピストンロッド34が車輪保持装置20に、ハウジング30が車体22に、それぞれ上下方向に相対移動不能に連結される。ピストン32には、そのピストン32により仕切られた2つの油室36,38を連通させる連通路40が設けられ、連通路40には絞りが設けられる。絞りにより、ピストン32のハウジング30に対する相対移動速度(絞りを流れる作動油の流速)に応じた減衰力が発生させられる。懸架シリンダ24はショックアブソーバとして機能するのである。
各懸架シリンダ24の油室36には、それぞれ、個別通路50,52,54,56が接続される。個別通路50,52,54,56の各々には、懸架シリンダ24の各々に対応して、互いに並列にアキュムレータ60とアキュムレータ62とが接続される。これらアキュムレータ60,62はいずれもばねとして機能し、ばね定数を異にする。また、懸架シリンダ24とアキュムレータ62との間には、それぞればね定数切換弁64が設けられる。
個別通路50,52,54,56には、それぞれ、可変絞り70が設けられている。車輪保持装置20の車体22に対する相対的な上下動により油室36において作動油が流入・流出させられるが、この場合に、可変絞り70によって個別通路50,52,54,56の流路面積が制御されることにより、懸架シリンダ24において発生させられる減衰力が制御される。
本車高調整システムは、作動油給排装置74を備えている。作動油給排装置74は、ポンプ76およびポンプモータ78を含むポンプ装置79,蓄圧用のアキュムレータ80,リザーバ82,車高調整弁装置84等を含む。ポンプ76,アキュムレータ80およびリザーバ82は、前記個別通路50,52,54,56が互いに並列に接続された制御通路90に設けられている。個別通路50,52,54,56によって、各懸架シリンダ24が制御通路90にそれぞれ接続されているのであり、個別通路50,52,54,56と、制御通路90の個別通路50,52,54,56をアキュムレータ80に接続する部分とがそれぞれ接続通路92,94,96,98を構成している。
アキュムレータ80は常閉の電磁開閉弁である蓄圧用制御弁102を介して制御通路90に接続されており、ポンプ76によってリザーバ82の作動油が汲み上げられて吐出され、アキュムレータ80に加圧した状態で蓄えられる。制御通路90には、液圧源圧センサ104が設けられる。液圧源圧センサ104によれば、ポンプ76の吐出圧やアキュムレータ86のアキュムレータ圧を検出することができる。制御通路90のポンプ76の吐出側には、逆止弁106,消音用のアキュムレータ108が設けられている。また、ポンプ76の高圧側と低圧側とを接続する流出通路110が設けられ、流出通路110に常閉の電磁式開閉弁である流出制御弁112が設けられる。
前記車高調整弁装置84は、上記流出制御弁112および前記個別通路50,52,54,56にそれぞれ設けられた個別制御弁120,122,124,126を含む。これら個別制御弁120,122,124,126は、常閉の電磁開閉弁であり、流出制御弁112を制御するとともに、個別制御弁120,122,124,126を個別に制御することにより、各車輪10,12,14,16の各々において懸架シリンダ24に作動油を供給し、懸架シリンダ24の作動油のリザーバ82への流出を許容して、車輪10,12,14,16と、車体22の各車輪に対応する部分(懸架シリンダ24が連結された部分)との上下方向の相対位置で規定される車高を独立に制御し、高くあるいは低くすることができる。
本車高調整システムが設けられた車両は、図2に示すように、内燃機関の一種であるガソリンエンジン130(以後、エンジン130と略称する。)を走行駆動源とし、アキュムレータ80は平面視でボデーの一部であるフレーム132の内側に配設され、ポンプ76,ポンプモータ78およびリザーバ82はフレーム132の外側であって、一方の後輪近傍に配設されている。
エンジン130はフレーム132の前部により支持され、燃料であるガソリンの燃焼により発生する排気ガスが排気装置136により車両後部から排出される。排気装置136は、一対のエキゾーストマニホルド138,140,それらエキゾーストマニホルド138,140に接続された排気管142,排気管142に設けられたメインマフラ144およびサブマフラ146を含む。メインマフラ144は排気管142の途中であって、車両前後方向の中央近傍に設けられ、アキュムレータ80は、フレーム132の内側であって、メインマフラ144に隣接する位置に配置されている。アキュムレータ80は遮熱部材としての遮熱板150により囲まれている。したがって、メインマフラ144から放熱される熱により遮熱板150が加熱されるとともに、アキュムレータ80が加熱され、エンジン130の作動中は、その作動に起因して、フレーム132の外側に排気装置136から遠く離れて配設されたリザーバ82より加熱され、アキュムレータ80内の作動油が温められてリザーバ82内の作動油より温度が高くなる。アキュムレータ80は遮熱板150を介して加熱されるため、作動油の熱による劣化が防止される。遮熱板150は飛び石等に対するアキュムレータ80の防護カバーとしても機能する。
本車高調整システムは、コンピュータを主体とする制御装置としての車高調整ECU(電子制御ユニット)160によって制御される。車高調整ECU160は、図1に示すように、実行部162,記憶部164,入出力部166等を含み、入出力部166には、ばね定数切換弁64および可変絞り70のコイル,蓄圧用制御弁102,個別制御弁120,122,124,126および流出制御弁112の各コイルおよびポンプモータ78等が図示しない駆動回路を介して接続されている。入出力部166にはまた、液圧源圧センサ104,前後左右の各車輪に対応して設けられて車高をそれぞれ検出する車高センサ168,車輪速センサ170,リザーバ82に蓄えられた作動油の温度を検出する油温センサ172がそれぞれ接続されるとともに、車高調整指示スイッチ178,イグニッションスイッチ180等がそれぞれ接続されている。
車高調整指示スイッチ178は、車高を増大させる場合、車高を減少させる場合等に操作されるスイッチで、運転者のマニュアル操作によって切り換えられる。車高を増大させる操作が行われた場合には、車高が予め定められた設定量だけ(1段階)増大させられ、車高を減少させる操作が行われた場合には、車高が予め定められた設定量だけ(1段階)減少させられる。
また、記憶部164には、図3のフローチャートで表される給油許可・禁止制御ルーチン等種々のルーチンを含む、図示を省略する車高調整プログラムが格納されており、このプログラムの実行により、4つの車輪10,12,14,16に対応する車高が、懸架シリンダ24および作動油給排装置74を含む車高調整装置により制御される。それにより、実際の車高が、運転者のマニュアル操作によって設定された車高とされる。車高は、車両の走行状態等に基づいて作動油給排装置74が制御され、自動で調整されてもよい。
例えば、左前輪10について車高を高くする場合には、蓄圧用制御弁102が開状態とされるとともに、個別制御弁120が開状態とされて、アキュムレータ80から懸架シリンダ24に作動油が供給される。実際の車高が目標値となった場合は、個別制御弁120が閉状態とされ、蓄圧用制御弁102が閉状態とされる。また、ポンプ装置79が作動させられ、ポンプ76から吐出された作動油がアキュムレータ80から供給される作動油とともに懸架シリンダ24に供給されるようにすることもできる。懸架シリンダ24への作動油の供給によりアキュムレータ80の油圧が設定範囲を超えて低下すれば、ポンプ装置79が作動させられ、アキュムレータ80に作動油が供給され、蓄圧が上昇させられる。
車高を低くする場合は、例えば、左前輪10について、個別制御弁120が開状態とされるとともに流出制御弁112が開状態とされ、懸架シリンダ24からリザーバ82への作動油の流出が許容される。実際の車高が目標値となった場合に個別制御弁120が閉状態とされ、その後流出制御弁112が閉状態とされる。
このように車高調整は、作動油給排装置74により懸架シリンダ24へ作動油を供給し、リザーバ82への作動油の供給を許容することにより行われるのであるが、例えば、寒冷地において作動油の温度が極端に低くなれば、作動油の粘度が著しく高くなり、ポンプ76の負荷が過大になる。そのため、本車高調整システムにおいては、リザーバ82に蓄えられた作動油の温度が設定温度、例えば、−30℃以下であれば、懸架シリンダ24への作動油の供給を禁止するとともに、アキュムレータ80に蓄えられた作動油をリザーバ82に還流させてリザーバ82内の作動油の温度を上昇させ、設定温度を超えたならば、懸架シリンダ24への作動油の供給が許可されるようにされている。アキュムレータ80は、フレーム132の内側に設けられるとともに、メインマフラ144に隣接して配置されており、エンジン130から排出された高温の排気ガスにより加熱されたメインマフラ144の放熱(主として放射熱)により加熱され、温度が高い。そのため、このアキュムレータ80に蓄えられた作動液の温度はリザーバ82に蓄えられた作動油より高く、この作動油をリザーバ82に還流させれば、リザーバ82内の作動油の温度を上昇させて粘度を低下させ、ポンプ76の負荷が過大になることなく、車高調整を行うことができるのである。メインマフラ144は、排気管142やサブマフラ146より放熱面積が大きく、隣接して配置されたアキュムレータ80は全体が良好に加熱される。
アキュムレータ80からリザーバ82への作動油の還流は、エンジン130の始動後、アキュムレータ80内の作動油の温度がリザーバ82内の作動油の温度を上昇させるのに十分な高さに上昇したとすることができる状態になった場合に行われ、例えば、エンジン130の始動後、設定時間の経過後にアキュムレータ80からリザーバ82へ作動油が還流させられる。エンジン始動時には、アキュムレータ80には作動油が満杯状態で収容されている。車高調整制御時にはアキュムレータ80から懸架シリンダ24に作動油が供給され、それのみでは不足するのであれば、ポンプ76によっても懸架シリンダ24に作動油が供給される。いずれにしても、車高調整制御の終了後、ポンプ76からアキュムレータ80に作動油が供給されて加圧下に蓄えられ、次の車高調整制御に備えて満杯状態で収容されているのである。車高調整制御時にポンプ76によって懸架シリンダ24に作動油を供給する場合、それと同時にアキュムレータ80にも作動油を供給して加圧下に蓄えさせ、満杯状態に収容されるようにしてもよく、あるいは、先の走行時にイグニッションスイッチ180がOFFにされ、エンジン130が停止させられる際にポンプ76が作動させられ、アキュムレータ80に作動油が蓄えられるようにしてもよい。アキュムレータ80の作動油は複数回、例えば、2回に分けてリザーバ82に還流させられ、各回の還流後にリザーバ82内の作動油の温度が設定温度と比較され、設定温度より高くなった場合に、懸架シリンダ24への作動油の供給が許可される。作動油給排装置74を制御して車高調整を行うための車高調整制御ルーチンは、懸架シリンダ24への作動油の供給が許可されているか否かの判定が行われ、許可されている場合に実車高が目標車高となるように車高調整が行われるように構成されている。
図3に示すフローチャートに基づいて、懸架シリンダ24への作動油の供給の許可・禁止を説明する。本給油許可・禁止制御ルーチンは、イグニッションスイッチ180がONにされ、エンジン130が始動させられた際に1回実行される。
給油許可・禁止制御ルーチンは、イグニッションスイッチ180がONにされることにより開始され、設定時間間隔で行われる。ステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)において、リザーバ82の作動油の温度Orが設定温度Orth以下であるか否かが判定される。油温センサ172の検出値が読み込まれ、リザーバ82内の作動油の温度Orが取得され、設定温度Orthと比較される。設定温度Orthは、例えば、−30℃に設定されており、リザーバ82内の作動油の温度Orが設定温度Orthより高いのであれば、S1の判定結果はNOになってS8が実行され、懸架シリンダ24への作動油の供給が許可される。ポンプ装置79、すなわちポンプ76およびポンプモータ78が作動させられ、リザーバ82から作動油を汲み上げて懸架シリンダ24に供給することや、汲み上げた作動油をアキュムレータ80に加圧下に蓄えさせ、その作動油が懸架シリンダ24に供給されることが許可されるのであり、例えば、記憶部164に設けられた給油許可フラグ(図示省略)がONにセットされ、給油の許可が記憶される。給油許可フラグは、イグニッションスイッチ180のOFF時および初期設定においてOFFにリセットされ、給油許可・禁止制御ルーチンの実行当初は、給油が禁止された状態になっている。
リザーバ82内の作動油の温度Orが設定温度Orth以下であれば、S1の判定結果がYESになってS2が実行され、エンジン始動後の時間Teが計測される。給油許可フラグはOFFのままであり、懸架シリンダ24への作動油の供給は禁止された状態にある。計測は、例えば、S2が実行される毎に、S2の実行サイクルタイムΔtを、前回のS2の実行時に取得された計測時間Teに加算することにより行われる。
次いでS3が実行され、エンジン始動後、設定時間Tthが経過したか否かが判定される。エンジン130が始動させられれば、ガソリン燃焼後の高温の排気ガスにより排気装置136が加熱されるとともに、メインマフラ144に隣接して配置されたアキュムレータ80が加熱され、内部に蓄えられた作動油が温められて温度が上昇し、時間が経過するほど温度が高くなる。本システムにおいては、アキュムレータ80からリザーバ82への作動油の還流が2回に分けて行われ、設定時間Tthは、アキュムレータ80内の作動油をリザーバ82に還流させることが必要になる可能性のある場合の平均的な気温の下で、もし満杯のアキュムレータ80の作動油全量をリザーバ82に還流させれば、リザーバ82内の作動油の温度を前記設定温度Orthまで高くすることが可能な高さまでアキュムレータ80内の作動油の温度が上昇させられるであろう長さに設定されている。アキュムレータ80内の作動油の温度が時間により推定され、作動油の温度が、アキュムレータ80内の作動油全量でリザーバ82内の作動油の温度を設定温度Orthまで上昇させるのに適した温度まで上昇したか否かが判定されることになる。この設定時間Tthは予め設定され、初期設定において、1回目の作動油の還流前におけるS3の判定に使用されるようにされる。S3の判定結果は、設定時間Tthが経過するまでNOであり、S2およびS3が繰り返し実行される。
エンジン始動後、設定時間Tthが経過すれば、S3の判定結果がYESになってS4が実行され、アキュムレータ80内の作動油の一部がリザーバ82に還流させられる。この際、蓄圧用制御弁102および流出制御弁112は開かれるが、個別制御弁120,122,124,126は閉じられたままであり、アキュムレータ80内の作動油は接続通路92,94,96,98を経ることなく、流出通路110を通ってリザーバ82に還流させられる。流出制御弁112は、アキュムレータ80内の作動油の一部、例えば、半量をリザーバ82に還流させることができる時間、開かれた後、閉じられる。
そして、S5が実行され、リザーバ82内の作動油の温度Orが設定温度Orthより大きくなったか否かが判定される。この設定温度Orthは、S1の判定に使用される設定温度Orthと同じである。S1の実行時におけるリザーバ82の作動油の温度Orと設定温度Orthとの差であって、設定温度Orthから温度Orを引くことにより得られる差が比較的小さかった場合には、アキュムレータ80内の作動油の一部のリザーバ82への還流により、S5の判定がYESになることもある。その場合は、S7が実行され、懸架シリンダ24への作動油の供給が許可される。それに対し、S1の実行時に作動油の温度Orと設定温度Orthとの差が比較的大きかった場合には、温度Orが設定温度Orth以下となってS5の判定結果がNOになり、再度、アキュムレータ80内の残りの作動油(ここでは半量の作動油)がリザーバ82に還流させられる。この還流は、S5の判定後、設定時間Tthが経過した後に行われる。この設定時間Tthは、本システムでは、作動油の1回目の還流前の加熱時間とは別に設定される。アキュムレータ80内の作動油の半量をリザーバ82に還流させた状態におけるリザーバ82内の作動油の温度Orを設定温度Orthから引くことにより得られる差およびアキュムレータ80内の作動油が半量であることに基づいて設定されるのであり、その差が大きいほど、長く設定される。さらに具体的には、アキュムレータ80内の作動油の半量をリザーバ82に還流させた状態におけるリザーバ82内の作動油量と、設定温度Orthから作動油の温度Orを引くことにより得られる差との積が不足熱量として演算され、その不足熱量をアキュムレータ80内に残っている半量の作動油の熱量で補うためには、アキュムレータ80内の作動油の温度が何度以上でなければならないかが求められ、その温度まで加熱されるに要する時間が設定時間Tthとして設定されるのである。その際、リザーバ82内の作動油の量を求めるに当たって、車高センサにより検出された車高に基づいて懸架シリンダ24内に存在する作動油の量を求め、その量も勘案する方がリザーバ82内の作動油の量を正確に取得できる。また、設定時間Tthを求めるに当たって、設定時間Tthが長くなるほど、リザーバ82内の作動油の温度が冷却により低下し、不足熱量が多くなることを勘案する方が設定時間Tthを適切に設定し得る。設定時間Tthは、作動油の温度Orを設定温度Orthから引くことにより得られる差に基づいて段階的に設定されてもよく、連続的に設定されてもよい。また、マップにより設定されても、式により設定されてもよい。作動油の1回目の還流前に行われるS3の判定における設定時間Tthも、リザーバ82内の作動油の量を取得し、それを考慮して、初期設定時に設定されてもよい。
上記設定時間Tthは、S5の判定結果がNOになった後、S6において設定され、その後、S2,S3が実行される。S2では、S5の判定結果がNOになった後におけるS2の実行サイクルタイムΔtが累積され、アキュムレータ80の加熱時間が計測され、S3では、S6において設定された設定時間Tthが経過したか否かの判定が行われる。S6の実行時に、アキュムレータ80内の残りの半量の作動油を直ちにリザーバ82へ還流させればよい場合もあり、その場合には、設定時間Tthが0に設定される。したがって、S3が最初に実行される際にすでに判定がYESとなり、直ちにアキュムレータ80内の残りの半量の作動油がリザーバ82へ還流させられる。流出制御弁112が開かれて、アキュムレータ80に残っている半量の作動油の全部がリザーバ82に還流させられるのである。それ以外の場合は、設定時間Tthが経過するまでS2およびS3が繰り返し実行され、アキュムレータ80内の作動油が更に加熱され、温度が更に上昇することが待たれる。設定時間Tthが経過すれば、S3の判定結果がYESになってS4が実行される。
次いでS5が実行され、リザーバ82内の作動油の温度Orが設定温度Orthより高くなったか否かが判定される。設定時間Tthが、2回目に還流させられるアキュムレータ80内の作動油によって、リザーバ82内の作動油の温度Orが設定温度Orthより高くなるように設定されているため、S5の判定結果がYESになってS7が実行され、懸架シリンダ24への作動油の供給が許可される。給油許可フラグがONにセットされるのである。また、ポンプ装置79が作動させられ、空になったアキュムレータ80に作動油が加圧下に蓄えられる。この際、流出制御弁112は閉じられる。流出制御弁112はS4においてアキュムレータ80内の残りの作動油のリザーバ82への還流後に閉じられてもよい。上記のように懸架シリンダ24への作動油の供給が許可された後は、車高調整の必要があれば作動油給排装置74を作動させ、指示された車高を得ることができる。
以上の説明から明らかなように、本車高調整システムにおいては、車高調整ECU160のS1を実行する部分が高負荷時給油禁止部を構成し、S2を実行する部分がタイマを構成するとともに、S3を実行する部分と共に第2油温推定部を構成し、S4を実行する部分が一部作動油還流部ないし作動油分割還流部を構成し、S5を実行する部分が温度確認部を構成し、S7を実行する部分が作動油供給許可部たる確認後許可部を構成している。
なお、2回目にアキュムレータ80内の作動油の温度の上昇が待たれるとき、待ち時間(設定時間Tth)は、1回目と同じにしてもよく、異ならせてもよい。例えば、予め設定された一定時間長くしたり、短くしたりしてもよいのである。アキュムレータ内80の作動油を3回以上に分けてリザーバ82に還流させる場合も同様である。
アキュムレータ80内の作動油をリザーバ82に還流させる際、アキュムレータ80内の作動油を全部一度にリザーバ82に還流させてもよい。その場合、図4に示す給油許可・禁止制御ルーチンが実行されるようにすることが望ましい。本ルーチンのS11〜S13,S15およびS16は、前記給油許可・禁止制御ルーチンのS1〜S3,S7およびS8と同様に実行され、S13においてエンジン始動後、設定時間Tthが経過したか否かが判定される。この場合、設定時間Tthは、アキュムレータ80内の作動油の温度が、1度の還流により、リザーバ82内の作動油の温度を設定温度Orthより高くするに足る高さに上昇させられたとすることができる長さに設定され、作動油が複数回に分けて還流させられる場合より長く設定される。
そして、設定時間Tthが経過すれば、S13の判定結果がYESになってS14が実行され、流出制御弁112が開かれ、アキュムレータ80内の全部の作動油がリザーバ82へ還流させられる。流出制御弁112は、全部の作動油の還流に十分な時間、開かれた後、閉じられる。そして、S15が実行され、懸架シリンダ24への作動油の供給が許可されるとともに、ポンプ装置79が作動させられてアキュムレータ80に作動油が加圧下に蓄えられる。
本車高調整システムにおいては、車高調整ECU160のS14を実行する部分が全作動油還流部ないし作動油1回還流部を構成し、S15を実行する部分が作動油供給許可部を構成している。
アキュムレータ80からリザーバ82へ作動油を還流させる際、アキュムレータ80内の作動油を一旦、接続通路92,94,96,98に流入させた後、リザーバ82に還流させてもよい。この場合、給油許可・禁止制御ルーチンが実行され、アキュムレータ80からリザーバ82へ作動油が還流させられるとき、車高調整弁装置84が車高調整ECU160により制御され、流出制御弁112が開状態に切り換えられる前に個別制御弁120,122,124,126が開状態に切り換えられ、アキュムレータ80内の作動油が個別通路50,52,54,56に流入させられ、その後、流出制御弁112が開状態に切り換えられ、接続通路92,94,96,98がリザーバ82に連通させられて、作動油が還流させられる。そのため、アキュムレータ80内の温められた作動油の供給により、個別通路50,52,54,56内の作動油の温度が上昇し、さらにリザーバ82内の作動油の温度も上昇する。ポンプ76から吐出された作動油が懸架シリンダ24に供給される際には、リザーバ82とアキュムレータ80との間の作動油の流動抵抗のみならず、アキュムレータ80と懸架シリンダ24との間の流動抵抗もポンプ76の負荷を増大させる要因となる。したがって、ポンプ76の負荷が過大になることを回避するためには、リザーバ82とアキュムレータ80との間の作動油およびリザーバ82内の作動油の温度を上昇させるのみならず、アキュムレータ80と懸架シリンダ24との間の作動油の温度も上昇させることが望ましい。
この場合、アキュムレータ80の作動油は全部1度に接続通路92,94,96,98を経てリザーバ82に還流させてもよく、複数回に分けて還流させてもよい。アキュムレータ80内の作動油の量や接続通路92,94,96,98の容量によっては、接続通路92,94,96,98に流入させられた作動油は懸架シリンダ24に流入し、懸架シリンダ24内の作動油の温度も上昇させられ、ポンプ76の負荷がより低減させられる。
アキュムレータ80内の作動油の温度を検出する温度センサを設け、作動油の温度を実際に検出してもよい。その一実施例である車高調整システムにおいては、図5に示すように、アキュムレータ80内の作動油の温度を検出する油温センサ200が車高調整ECU160の入出力部166に接続され、検出信号が入力される。本車高調整システムにおいて懸架シリンダ24への作動油の給油許可・禁止制御は、例えば、図6に示すルーチンに従って行われる。本ルーチンのS21においてリザーバ82内の作動油の温度Orが設定温度Orth以下であると判定されたならば、S22が実行され、アキュムレータ80の温度Oaが読み込まれるとともに、設定温度Oath以上であるか否かが判定される。設定温度Oathは、アキュムレータ80内の作動油の全部を1度にリザーバ82へ還流させた場合に、リザーバ82の作動油の温度Orを設定温度Orthより高くするのに十分な高さに設定されている。油温Oaが設定温度Oathより低ければ、S22の判定結果はNOになり、S22が繰り返し実行される。
エンジン作動開始時にアキュムレータ80内の作動油の温度Oaが設定温度Oathより低くても、エンジン始動後、時間が経過すれば、メインマフラ144からの放熱によりアキュムレータ80の温度が上昇し、作動油の温度Oaが設定温度Oath以上になり、S22の判定結果がYESになってS23が実行され、アキュムレータ80内の作動油が全部、1度にリザーバ82へ還流させられる。
アキュムレータ80内の作動油の温度を油温センサ200により検出する場合にも、アキュムレータ80からリザーバ82への作動油の還流は、複数回に分けて行ってもよい。この場合、アキュムレータ80内の作動油の温度Oaが設定温度Oath以上であると判定され、アキュムレータ80内の作動油の一部がリザーバ82に還流させられた後、リザーバ82内の作動油の温度Orが設定温度Orthを超えるか否かの判定が行われ、超えていなければ、設定温度Oathを高くする必要があるか否かが判定され、必要がなければ、直ちにアキュムレータ80内に残っている作動油Oaがリザーバ82に還流させられ、必要があれば、設定温度Oathが前回の判定時より高くされて再度、アキュムレータ80内の作動油の温度Oaが設定温度Oath以上になったか否かの判定が行われる。1回目の作動油の還流前に行われる判定のための設定温度Oathは、前記実施例における設定時間Tthと同様に、平均気温等を考慮し、満杯のアキュムレータ80内の作動油全量をリザーバ82に還流させれば、リザーバ82内の作動油の温度を設定温度Orthまで高くすることが可能な高さに設定される。2回目以降の設定温度Oathは、作動油の還流後のリザーバ82内の作動油の温度Orを設定温度Orthから引くことにより得られる差に基づいて設定され、その差が大きいほど高く設定されてもよく、一定温度、高くされてもよい。前者の場合、前記実施例における設定時間Tthの設定時と同様な考慮が為されることが望ましい。
アキュムレータ80内の作動油の温度は、エンジン130の運転開始からの経過時間のみならず、外気の温度やエンジン130の作動状況等にも基づいて推定されるようにしてもよい。図9に模型的に示すように、メインマフラ144の放熱によりアキュムレータ80に与えられる熱量をQ1とすれば、この熱量Q1は、エンジン始動時に外気と同じであると推定されるアキュムレータ80の温度を上昇させるためにアキュムレータ80内に蓄えられるとともに、一部の熱量Q2はアキュムレータ80からの放熱により外気に奪われ、失われる。そのため、熱量Q1およびQ2をそれぞれ演算により求め、アキュムレータ80の温度上昇に使われた熱量を求めることにより、アキュムレータ内の作動油の温度を推定することができる。本システムにおいては、例えば、図7に示すように、車高調整ECU160の入出力部166に、外気の温度を検出する外気温センサ210およびエンジン制御コンピュータ212が接続され、外気温およびエンジン作動状況情報が入力される。エンジン制御コンピュータ212は、エンジン制御システムに設けられ、例えば、燃料噴射制御,点火時期制御,スロットル制御等を行うものである。エンジン作動状況は、例えば、エンジン出力,エンジン回転数を含む。
懸架シリンダ24への作動油の供給の許可,禁止は、例えば、図8に示すルーチンに従って制御され、リザーバ82内の作動油の温度Orが設定温度Orth以下である場合、S31の判定結果がYESになってS32が実行され、エンジン始動後の時間Teが計測される。この計測は、図3に示すルーチンのS2における計測と同様に行われ、S33においてアキュムレータ80内の作動油の温度Oaの推定が行われる。この推定は、例えば、下記の式に従って演算により行われるようにすることができる。
Q1=α・Q(P,NE,Te)・・・(1)
Q1=β・(Oa−Aout)+γ・L・(Oa−Aout)・・・(2)
ただし、αは放熱源ないし加熱源であるメインマフラ144からの伝達係数(効率),Qは排気熱量,Pはエンジン出力,NEはエンジン回転数,Teはエンジン始動からの経過時間,βは冷却関係効率,Aoutは外気温、Lはアキュムレータ120内の作動油の量、γは熱変換効率である。エンジン出力Pおよびエンジン回転数NEはエンジン制御コンピュータ212から読み込まれ、外気温Aoutは外気温センサ210の検出により得られ、作動油量Lは、例えば、液圧源圧センサ104により検出されるアキュムレータ80内の作動油の圧力に基づいて得られる。排気熱量Qは、P,NEおよびTeに基づく関数あるいはマップにより取得される。β・(Oa−Aout)は損失熱量Q2であり、γ・L・(Oa−Aout)は、油量Lの作動油の温度を(Oa−Aout)上昇させるのに要する熱量である。(1)式および(2)式から次式(3)が得られ、アキュムレータ80内の作動油の温度Oaが演算される。
Oa=α・Q(P,NE,Te)/(β+γ・L)+Aout・・・(3)
このように推定された温度Oaが設定温度Oath以上になれば、S35が実行され、アキュムレータ80内の作動油がリザーバ82に還流させられる。
本車高調整システムにおいては、車高調整ECU160のS32を実行する部分がタイマを構成し、S33のエンジン制御コンピュータ212から作動状況を読み込む部分が駆動源情報取得部を構成し、これらが上記演算を行う部分および外気温センサ210と共に第2油温推定部を構成している。
アキュムレータ80内の作動油の油温を油温センサにより検出する場合と同様に、リザーバ82への作動油の還流が複数回に分けて行われるようにしてもよい。
なお、上記各実施例においては、走行駆動源(エンジン)の始動時にはアキュムレータには作動油が満杯状態で収容されているようになっていたが、これは不可欠ではなく、走行駆動源のOFF時に、原則として、アキュムレータからリザーバへ作動油が放出され、始動時にアキュムレータが空の状態とされているようにしてもよい。
走行駆動源の始動時にアキュムレータに作動油が満杯状態で収容されていれば、例えば、始動時におけるリザーバ内の作動油がいつ極低温になっても、その温度を上昇させ、ポンプに過大な負荷を加えることなく車高調整を行うことができ、また、再度アキュムレータを満杯にするためのエネルギを節減できる一方、走行駆動源OFF時にアキュムレータを空の状態にしておけば、例えば、次の走行までの間、アキュムレータに圧力がかかったままの状態となることがなく、アキュムレータ,畜圧用制御弁,配管等の寿命を長くし得る利点がある。したがって、ポンプの負荷が過大になることを確実に防止することやエネルギの節減を重視するのであれば、走行駆動源の始動時にアキュムレータに作動油が満杯状態で収容されているようにすればよく、アキュムレータの寿命延長を重視するのであれば、例えば、原則として、走行駆動源の始動時にアキュムレータが空の状態とされているようにし、リザーバ内の作動油が極低温になる恐れがあり、その温度を上昇させる必要がある場合、例えば、車両の走行地が寒冷地である場合や走行時期が極寒の時期である場合に、走行駆動源の始動時にアキュムレータに作動油が満杯状態で収容されているようにすればよい。
エンジンの運転開始からの経過時間は、制御装置に設けられたタイマの時間の読込みに基づいて計測されてもよい。例えば、図3に示す給油許可・禁止制御ルーチンにおいてS2が初めて実行される際にタイマの時間を読み込んで記憶させるとともに、その後、S2が実行される毎に読み込まれるタイマの時間との差を求めるのである。
また、アキュムレータ内の作動油の温度を時間に基づいて推定する態様において、アキュムレータ内の作動油を複数回に分けてリザーバに還流させる場合、1回目の還流前に行われるエンジン運転開始からの経過時間が設定時間以上であるか否かの判定のための設定時間は、走行駆動源の運転開始時のリザーバ内の作動油の温度と設定温度との差(設定温度からリザーバ内の作動油の温度を引くことにより得られる差)の大きさに基づいて設定されてもよい。アキュムレータ内の作動油を1回でリザーバに還流させる場合も同様である。
さらに、アキュムレータ内の作動油の温度を油温センサにより検出する態様および時間のみあるいは演算により推定する態様において、アキュムレータ内の作動油を複数回に分けてリザーバに還流させる場合、取得されたアキュムレータ内の作動油の温度が設定温度以上であるか否かの判定(作動油の1回目の還流に先立って行われる判定)を行うための設定温度は、走行駆動源の運転開始時のリザーバ内の作動油の温度と設定温度との差の大きさに基づいて設定されてもよい。アキュムレータ内の作動油を1回でリザーバに還流させる場合も同様である。
リザーバ内の作動油の温度が比較的高く、設定温度との差が小さいほど、アキュムレータ内の作動油の温度がリザーバ内の作動油の上昇に十分であるか否かを判定するための設定時間が短く、あるいは設定温度が低く設定され、上記差の大きさに応じて段階的にあるいは連続的に設定される。
また、アキュムレータ内の作動油を複数回に分けてリザーバに還流させる場合、3回以上に分けて還流させてもよい。
作動油を複数回に分けて還流させる場合、各回の還流量は同じにしてもよく、異ならせてもよい。還流量を異ならせる場合、例えば、各回の還流量を予め設定しておき、例えば、回数が増えるほど少なくしてもよく、あるいは、各回毎に設定してもよい。例えば、リザーバ内の作動油の温度を設定温度から引くことにより得られる差の大きさに基づいて設定し、差が大きいほど量を多くする。
さらに、アキュムレータ内の作動油のリザーバへの還流によるリザーバ内の作動油の温度の上昇は、走行駆動源の運転開始時のみならず、走行駆動源の停止までの間、リザーバ内の作動油の温度が低くなる毎に行われてもよい。例えば、常時、リザーバ内の作動油の温度が設定温度と比較され、設定温度以下であれば、アキュムレータからリザーバへ作動油を還流させるのである。この場合、アキュムレータの作動油の温度が油温センサによって検出され、あるいは推定されて、その検出温度あるいは推定温度が設定温度以上である場合に還流させられるようにすることが望ましい。
本態様においては、アキュムレータからリザーバへの作動油の還流の後、必ずポンプが作動させられてアキュムレータが満杯の状態に戻しておかれるようにすることが特に望ましい。
また、アキュムレータに遮熱部材を設けることは不可欠ではない。特に、寒冷地においては、遮熱部材を省略し、走行駆動源の作動に起因してアキュムレータが直接、加熱されるようにしてもよい。
請求可能発明の一実施態様である車高調整システムを示す回路図である。 上記車高調整システムが設けられた車両のアキュムレータ,ポンプ装置およびリザーバのフレームに対する配置を排気装置と共に示す平面図である。 上記車高調整システムの車高調整ECUの記憶部に記憶させられた給油許可・禁止制御ルーチンを示すフローチャートである。 別の態様である車高調整システムの車高調整ECUの記憶部に記憶させられた給油許可・禁止制御ルーチンを示すフローチャートである。 さらに別の態様である車高調整システムを示す回路図である。 図5に示す車高調整システムの車高調整ECUの記憶部に記憶させられた給油許可・禁止制御ルーチンを示すフローチャートである。 さらに別の態様である車高調整システムを示す回路図である。 図7に示す車高調整システムの車高調整ECUの記憶部に記憶させられた給油許可・禁止制御ルーチンを示すフローチャートである。 図7に示す車高調整システムにおけるアキュムレータ内の作動油の温度の推定を説明する模型図である。
符号の説明
10,12,14,16:車輪 24:懸架シリンダ 50,52,54,56:個別通路 74:作動油給排装置 76:ポンプ 78:ポンプモータ 79:ポンプ装置 80:アキュムレータ 82:リザーバ 84:車高調整弁装置 90:制御通路 110:流出通路 112:流出制御弁 120,122,124,126:個別制御弁 130:ガソリンエンジン 132:フレーム 136:排気装置 144:メインマフラ 160:車高調整ECU 172:油温センサ

Claims (7)

  1. 車両の各車輪に対応して設けられた車高変更アクチュエータと、
    作動油を蓄えるリザーバと、
    そのリザーバから作動油を汲み上げるポンプと、
    そのポンプにより汲み上げられた作動油を加圧下に蓄えるとともに、少なくとも前記車両の走行駆動源の作動中は、その走行駆動源の作動に起因して前記リザーバより加熱される位置に配設されたアキュムレータと、
    そのアキュムレータおよび前記ポンプの作動油を前記車高変更アクチュータに供給して車高を高くし、車高変更アクチュエータの作動油の前記リザーバへの流出を許容して車高を低くする車高調整弁装置と、
    その車高調整弁装置を制御する制御装置と
    を含み、かつ、前記制御装置が、前記リザーバの作動油の温度が設定温度以下であることを表す極低温情報に基づいて、前記アキュムレータの作動油を前記リザーバに還流させる作動油還流部を含むことを特徴とする車高調整システム。
  2. 前記走行駆動源が燃料の燃焼を伴って作動する内燃機関であり、前記アキュムレータが、前記内燃機関における燃料の燃焼により発生する熱により加熱される位置に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の車高調整システム。
  3. 前記制御装置が、前記リザーバ内の作動油の温度を検出する油温センサを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の車高調整システム。
  4. 前記制御装置が、前記走行駆動源の運転開始からの経過時間を計測するタイマを含み、少なくともそのタイマの計測時間に基づいて前記アキュムレータ内の作動油温度を推定する油温推定部を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車高調整システム。
  5. 前記油温推定部が、気温を検出する気温センサと、当該車高調整システムが搭載されている車両の走行状況に関する情報を取得する走行情報取得部と、前記走行駆動源の作動状況の情報を取得する駆動源情報取得部との少なくとも1つを含み、その少なくとも1つにより取得される情報と前記計測時間とに基づいて前記アキュムレータ内の作動油温度を推定するものであることを特徴とする請求項4に記載の車高調整システム。
  6. 前記制御装置が、前記ポンプの負荷が設定負荷以上である場合に前記車高変更アクチュエータへの給油を禁止する高負荷時給油禁止部を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車高調整システム。
  7. 前記作動油還流部による作動油の還流の後に前記車高変更アクチュエータへの作動油の供給を許可する作動油供給許可部を含むことを特徴とする請求項6に記載の車高調整システム。
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