JP4396330B2 - 画像修整装置、画像修整方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

画像修整装置、画像修整方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、画像データのレタッチ(修整)のための技術に関する。
コンピュータで動作する画像のレタッチソフトウェアを使えば、画像データに対して各種の画像処理を施すことができ、画像データを容易に修整することができる。画像処理の種類としては、「トリミング(切り抜き)」、「回転」、「明るさ調整」、「彩度調整」、「アンシャープマスク」、「ぼかし」等の種々のものがある。作業者は、画像データに対して、複数種類の画像処理を順次実行していく。この実行した画像処理の履歴を、ソフトウェア上で記憶していくレタッチソフトウェアが、従来からある(下記の特許文献1を参照)。記録される履歴の内容としては、画像処理の種類と、どのような強さで修整を掛けたかの修整の程度を示すパラメータである。
特開2000−57322号公報
上記の技術では、画像データに施される画像処理の種類は多数あり、しかも、画像処理の一つの種類に対しても何度もパラメータの変更が行なわれる。例えば、「彩度」の値を、10から15に変更し、さらに20に変更するということが普通に行なわれる。こうした場合に、作業者にとって、上記履歴から、現在の修整状態の画像を効率的に得るために必要となる画像処理を参照することが困難であるという問題があった。前述したように、履歴の中には、様々な種類の画像処理が含まれ、画像処理の一つの種類に対しても複数のパラメータの変更値が存在するためであり、作業者にとって、複数の画像処理の実行順序や各画像処理の修整の程度を参照することが難しかった。
本発明の解決しようとする課題は、画像データに対して実行された効率的な画像処理の内容を、作業者にとって容易に参照可能とすることである。
前述した課題の少なくとも一部を解決するための手段として、以下に示す構成をとった。
本発明の画像修整装置は、
入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行することによって、前記入力画像データの修整を行なう画像修整装置において、
前記入力画像データに対して実行させるための画像処理を、作業者からの操作指令に基づいて順次指定する画像処理指定手段と、
前記画像処理指定手段により一の画像処理が指定される毎に、該指定された画像処理における修整の程度を規定するためのパラメータを、作業者の操作指令に基づいて指定するパラメータ指定手段と、
前記パラメータ指定手段によりパラメータが指定される毎に、該指定されたパラメータに応じた修整の程度の画像処理を入力画像データに対して順次実行することにより、修整画像データを得る画像処理手段と、
前記画像処理手段による前記画像処理の実行の都度に、前記パラメータ指定手段により指定されたパラメータを加味して、前記入力画像データから最新の前記修整画像データを得るまでの効率化された複数種類の画像処理の内容を求めて、該内容を記録ファイルに記憶させる画像処理記録手段と
を備えることを特徴としている。
上記構成の画像修整装置によれば、画像処理の実行の都度に、新たに指定された画像処理のパラメータが加味されて、入力画像データから最新の修整画像データを得るまでの効率化された複数種類の画像処理の内容が求められて、その内容が記録ファイルに記憶される。このために、作業者は、入力画像データから最新の修整画像データを得るまでに実行される効率的な画像処理はどのようなものか、記録ファイルから容易に参照することができる。したがって、本発明の画像修整装置によれば、入力画像データに対して実行された効率的な画像処理の内容を、作業者にとって容易に参照することができるという効果を奏する。
上記構成の画像修整装置において、
前記画像処理記録手段は、
前記パラメータ指定手段により指定されたパラメータを、当該パラメータについての画像処理の種類と対にして、記憶順序を保持した状態で前記記録ファイルに追加する記録追加手段と、
前記入力画像データに対して既に実行された画像処理と同じ種類の画像処理についてのパラメータの指定が、前記パラメータ指定手段により再度なされたときに、前記記録追加手段による動作を禁止して、当該再指定されたパラメータの値でもって前記記録ファイルに記録された当該種類の画像処理のパラメータを書き替える記録修正手段と
を備える構成とすることができる。
この構成によれば、入力画像データに対して、どういった種類の画像処理が、どういった順序で実行され、さらに、各種類の画像処理が最終的にどういったパラメータとなって実行されているかを、記録ファイルから容易に参照することができる。
前記画像修整装置において、前記記録ファイルから一の種類の画像処理についての情報を選択する種類選択手段と、該選択された種類についての画像処理の内容を書き替える内容修正手段と、前記内容修正手段により書き替えられた前記記録ファイルに記憶された複数種類の画像処理の内容に基づいて、前記入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行する画像処理再実行手段とを備える構成とすることができる。
この構成によれば、以前に実行した画像処理のパラメータを変更して、簡単にその変更したパラメータでもって、入力画像データに対して一連の画像処理を再実行させることができる。
上記パラメータの変更を可能とした画像修整制御装置において、前記画像処理再実行手段は、前記記録ファイルに記憶された複数種類の画像処理のそれぞれを実行させるための起動スイッチを、該記録された順序でもって並べた入力メニューを、表示装置に表示する第1表示制御手段と、前記起動スイッチにより画像処理の指定がなされたとき、当該指定がなされた種類の画像処理のパラメータの入力のためのダイアログボックスを、表示装置に表示する第2表示制御手段とを備え、前記第2表示制御手段は、前記ダイアログボックスに、前記記録ファイルに記憶された前記種類の画像処理のパラメータの値を示すように構成することができる。
この構成によれば、作業者は、第1表示制御手段により表示される入力メニューを用いて画像処理の指定を行ない、第2表示制御手段により表示されるダイアログボックスを用いてパラメータの入力を行なうことで、入力画像データに対して施した効率的な画像修整の作業を容易に再実行させることができる。
前記画像修整装置において、前記記録ファイルを、不揮発性の記憶装置に転送する記録ファイル保存手段を備える構成とすることができる。
この構成によれば、作業者が、入力画像データに対して施した画像処理の詳細な内容を、不揮発性の記憶装置に記録ファイルとして保存することができる。したがって、前記入力画像データに対して施した効率的な画像修整の作業を、装置の電源オフ後であっても、再実行させることができることから、他の画像データを作品化(修整作業)するときに、その修整作業をいつでも利用できる。
前記記録ファイル保存手段を備えた画像修整装置において、前記不揮発性の記憶装置中の前記記録ファイルに記憶された画像処理の内容に基づいて、新たに入力された入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行する画像処理再現手段を備える構成とすることができる。
この構成によれば、画像処理再現手段により、新たに入力された入力画像データに対して、以前に実行した効率的な複数種類の画像修整の内容を実行させることができる。
上記画像処理再現手段を備える画像修整装置において、前記画像処理再現手段は、前記記録ファイルに記憶された複数の画像処理のそれぞれを実行させるための起動スイッチを、該記録された順序でもって並べた入力メニューを、表示装置に表示する第1表示制御手段と、前記起動スイッチにより画像処理の指定がなされたとき、当該指定がなされた種類の画像処理のパラメータの入力のためのダイアログボックスを、表示装置に表示する第2表示制御手段とを備え、前記第2表示制御手段は、前記ダイアログボックスに、前記記録ファイルに記憶された前記種類の画像処理のパラメータの値を示すように構成することができる。
この構成によれば、作業者は、第1表示制御手段により表示される入力メニューを用いて画像処理の指定を行ない、第2表示制御手段により表示されるダイアログボックスを用いてパラメータの入力を行なうことで、効率的な画像修整の作業を容易に実行させることができる。
本発明の画像修整方法は、
入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行することによって、前記入力画像データの修整を行なう画像修整方法において、
(a)前記入力画像データに対して実行させるための画像処理を、作業者からの操作指令に基づいて順次指定する行程と、
(b)前記行程(a)により一の画像処理が指定される毎に、該指定された画像処理における修整の程度を規定するためのパラメータを、作業者の操作指令に基づいて指定する行程と、
(c)前記行程(b)によりパラメータが指定される毎に、該指定されたパラメータに応じた修整の程度の画像処理を入力画像データに対して順次実行することにより、修整画像データを得る行程と、
(d)前記行程(c)による前記画像処理の実行の都度に、前記行程(b)により指定されたパラメータを加味して、前記入力画像データから最新の前記修整画像データを得るまでの効率化された複数種類の画像処理の内容を求めて、該内容を記録ファイルに記憶させる行程と
を備えることを特徴としている。

本発明のコンピュータプログラムは、
入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行することによって、前記入力画像データの修整を行なうためのコンピュータプログラムにおいて、
(a)前記入力画像データに対して実行させるための画像処理を、作業者からの操作指令に基づいて順次指定する機能と、
(b)前記機能(a)により一の画像処理が指定される毎に、該指定された画像処理における修整の程度を規定するためのパラメータを、作業者の操作指令に基づいて指定する機能と、
(c)前記機能(b)によりパラメータが指定される毎に、該指定されたパラメータに応じた修整の程度の画像処理を入力画像データに対して順次実行することにより、修整画像データを得る機能と、
(d)前記機能(c)による前記画像処理の実行の都度に、前記機能(b)により指定されたパラメータを加味して、前記入力画像データから最新の前記修整画像データを得るまでの効率化された複数種類の画像処理の内容を求めて、該内容を記録ファイルに記憶させる機能と
をコンピュータに実現させることを特徴としている。
本発明の画像修整方法およびコンピュータプログラムによっても、本発明の画像修整装置と同様に、入力画像データに対して実行された効率的な画像処理の内容を、作業者にとって容易に参照することができるという効果を奏する。
本発明の記録媒体は、本発明のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を特徴としている。この記録媒体は、この発明の各コンピュータプログラムと同様な作用・効果を有している。
本発明は、以下のような他の態様も含んでいる。その第1の態様は、この発明のコンピュータプログラムを通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての態様である。この第1の態様では、コンピュータプログラムをコンピュータネットワーク上のサーバなどに置き、通信経路を介して、必要なプログラムをコンピュータにダウンロードし、これを実行することで、上記の方法や装置を実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づき説明する。この実施例を、次の順序に従って説明する。
A.装置の構成:
B.コンピュータ処理:
B−1.処理の全体:
B−2.修整処理:
C.作用・効果
D.他の実施形態:
A.装置の構成:
図1は、この発明の一実施例を適用するコンピュータシステム10のハードウェアの概略構成を示すブロック図である。このコンピュータシステム10は、いわゆるパーソナルコンピュータ(以下、単にコンピュータと呼ぶ)を中心に備え、その周辺にCRTディスプレイ12、プリンタ13およびデジタルカメラ14を備える。コンピュータは、コンピュータ本体16とキーボード18とマウス20を備える。なお、このコンピュータ本体16には、CD−ROM22の内容を読み取るCDドライブ24が搭載されている。
コンピュータ本体16は、CPU30を中心にバスにより相互に接続されたROM31、RAM32、表示画像メモリ33、マウスインタフェース34、キーボードインタフェース35、CDC36、HDC37、CRTC38、プリンタインタフェース39、入出力機用インタフェース40およびI/Oポート41を備える。ROM31は、内蔵されている各種プログラム等を記憶する読み出し専用のメモリである。RAM32は、各種データ等を記憶する読み出し・書込み可能なメモリである。表示画像メモリ33は、CRTディスプレイ12に表示する画像の画像データを記憶するメモリである。
マウスインタフェース34は、マウス20とのデータ等のやり取りを司るインタフェースである。キーボードインタフェース35は、キーボード18からのキー入力を司るインタフェースである。CDC36は、CDドライブ(CDD)24を制御するCDコントローラである。HDC37は、ハードディスクドライブ(HDD)42を制御するハードディスクコントローラである。HDD42には、後述するコンピュータプログラム等が予め記憶されている。
CRTC38は、表示画像メモリ33に記憶される表示画像データに基づいてCRTディスプレイ12における画像の表示を制御するCRTコントローラである。プリンタインタフェース39は、プリンタ13へのデータの入出力を制御するインタフェースである。入出力機用インタフェース40は、外部に接続された入出力機器、この実施例では、例えばUSB(Universal Serial Bus)接続されたデジタルカメラ14へのデータの入出力を制御するインタフェースである。I/Oポート41は、シリアル出力のポートを備えており、モデム44に接続されており、このモデム44を介して、公衆電話回線46に接続されている。コンピュータ本体16は、モデム44を介して、外部のネットワークに接続されており、特定のサーバ47に接続可能となっている。
このコンピュータシステム10では、オペレーティングシステムはHDD42に記憶されており、コンピュータ本体16に電源を投入すると、HDD42のブートブロックに書き込まれたローダに従ってRAM32の所定の領域にロードされる。また、デジタルカメラ14で撮影した写真画像(カラー写真画像)を修整するフォトレタッチソフトウェア(コンピュータプログラム)は、CD−ROM22に予め格納されており、所定のインストールプログラムを起動することで、CDドライブ24からコンピュータ本体16にインストールされる。このインストールされたコンピュータプログラムは、HDD42に記憶されており、所定の起動命令を受けたときに、RAM32の所定の領域にロードされる。
このコンピュータプログラムの一部のモジュール(後述する)をCPU30が実行することによって本発明の各種構成要件は実現される。このコンピュータプログラムは、前述したように、CD−ROM22に格納されたものであるが、これに替えて、フロッピィディスク、光磁気ディスク、ICカード等の他の携帯型記録媒体(可搬型記録媒体)に格納された構成としてもよい。また、前述したコンピュータプログラムは、外部のネットワークに接続される特定のサーバ47から、ネットワークを介して提供されるプログラムデータをダウンロードして、RAM32またはHDD42に転送することにより得るようにすることもできる。なお、上記ネットワークとしては、インターネットであってもよく、特定のホームページからダウンロードして得たコンピュータプログラムであってもよい。あるいは、電子メールの添付ファイルの形態で供給されたコンピュータプログラムであってもよい。
以上説明したハードウェア構成を有するコンピュータシステム10によるフォトレタッチソフトウェアに従う制御処理の様子について次に説明する。図2は、コンピュータ本体16によって実行されるこのフォトレタッチソフトウェア50に従う制御処理の様子を示すブロック図である。
図2に示すように、コンピュータ本体16の内部で動作しているフォトレタッチソフトウェア50によれば、まず、入力モジュール51によりデジタルカメラ14から写真画像を表わす画像データDpiを取り込む処理を行なう。次いで、入力モジュール51によって取り込まれた画像データ(以下、入力画像データと呼ぶ)Dpiに対する修整を修整モジュール52によって行なう。この修整モジュール52によって、入力画像データDpiで表わされた写真画像に対して、回転やトリミング(切り抜き)を行なったり、画像の明るさやコントラストや彩度などを変更したり、露出補正やクロスフィルタなどの効果をかけるなどして、画像の修整を行なうことができる。これら一つ一つの画像処理は、作業者からの操作指令を受けることで、必要に応じて順次実行される。修整モジュール52による修整の過程の画像は、ディスプレイドライバ60を介してCRTディスプレイ12へ送られて表示される。
修整モジュール52は、画像処理指定部52a、パラメータ指定部52b、画像処理部52cおよび画像処理記録部52dを備える。各部52a〜52dの働きにより、画像修整のための画像処理を行なうとともに、最適な画像処理の作業手順を求めることができる。この構成が、本発明の要部に対応するものであり、後に詳しく説明する。
フォトレタッチソフトウェア50によれば、印刷モジュール53により、修整済画像データDpoは、プリンタドライバ62を介してプリンタ13へ送られて表示される。さらに、出力モジュール54により、修整済画像データDpoは、外部機器へ送られる。
B.コンピュータ処理:
B−1.処理の全体:
コンピュータ本体16のCPU30でフォトレタッチソフトウェア50を実行することで、上述した入力モジュール51、修整モジュール52、印刷モジュール53および出力モジュール54を実現している。このフォトレタッチソフトウェア50に従う制御処理について、以下詳細に説明する。図3は、この制御処理のルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは、フォトレタッチソフトウェア50を実行させる旨の指示がなされたときに、実行開始される。
図示するように、処理が開始されると、CPU30は、まず、アプリケーションウィンドウWDをCRTディスプレイ12に表示する処理を行なう(ステップS100)。図4は、このアプリケーションウィンドウWDの初期状態を示す説明図である。図示するように、アプリケーションウィンドウWDの左側の処理メニュー欄MNには、「入力」、「修整」、「印刷」、「出力」の4種類のボタンBT1,BT2,BT3,BT4が、下方に向かって順に並んでおり、作業者は、これらボタンBT1〜BT4を順にマウス20によりクリックしていくことで、CRTディスプレイ12の画面上で、デジタルカメラ14で撮影した写真画像を修整して出力する作業を進めていくことができる。すなわち、図3に示すように、CPU30は、ステップ100の実行後、ボタンBT1〜BT4がマウス20によりクリックされる操作指令を取り込んで、その操作指令に対応した入力処理、修整処理、印刷処理、出力処理を順に実行する(ステップS200,S300,S400,S500)。
ステップS200で実行される入力処理は、デジタルカメラ14から写真画像を表わす画像データ(入力画像データ)Dpiを取り込むもので、前述した入力モジュール51(図2)に対応する。この入力画像データDpiの取り込み作業は、図4に示されるアプリケーションウィンドウWDのメニューバーBR1に設けられた「ファイル」のボタンBT11が、マウス20によりクリックされる操作指令を受けて行なわれる。詳細には、「ファイル」のボタンBT11から開くプルダウンメニュー(図示せず)に備えられた「外部機器入力」を選択して、次いで、入力デバイスとしてデジタルカメラ14を選択して、その後、ファイル名を選択するといった一連のマウス20からの操作指令を受けて行なわれる。なお、こうして取り込まれた入力画像データDpiは、RAM32の所定のエリアに格納されるが、それとともに、アプリケーションウィンドウWDの作業フィールドFDWに表示される。
なお、デジタルカメラ14から直接、入力画像データDpiを取り込む構成に替えて、デジタルカメラ14で撮影した写真画像の画像データを予めHDD42に格納しておき、このHDD42内の画像データを読み出す構成とすることもできる。すなわち、写真画像を表わす画像データであれば、デジタルカメラを用いてその都度読み出す構成としてもよいし、予めHDD42等の記憶手段に用意しておき、その記憶手段から読み出す構成とすることもできる。また、写真画像の画像データをネットワークを介して外部から取り込む構成とすることもできる。
ステップS300で実行される修整処理は、入力画像データDpiに対して画像処理を実行することにより入力画像データDpiを修整するものである。なお、この修整処理は、いわゆる「修整パラメータ方式」を採用した画像処理である。すなわち、画像の修整情報などはオリジナル画像とは別に、パラメータとして保存される構成である。この修整処理により本発明の各種要件は実現されるが、詳細については後述する。なお、修整の処理が施された修整済画像データDpoは、HDD42に用意された所定のホルダに格納される。この修整処理が、前述した修整モジュール52(図2)に対応する。
ステップS400で実行される印刷処理は、ステップS300で作成された修整済画像データDpoを、印刷コマンドとしてプリンタドライバに出力するものである。この印刷の処理は、周知の構成であり、ここでは詳しく説明はしないが、これによって修整した写真画像がプリンタ13から印刷されることになる。この印刷処理が、前述した印刷モジュール53(図2)に対応する。
ステップS500で実行される出力処理は、ステップS300で作成された修整済画像データDpoを、外部機器に出力するものである。これによって修整した写真画像を表わす修整済画像データDpoが所望の外部機器に出力されることになる。この出力処理が、前述した出力モジュール54(図2)に対応する。
B−2.修整処理
ステップS300で実行される修整処理について、以下詳細に説明する。このフォトレタッチ用ソフトウェアでは、写真を撮影した環境を変更した効果を画像に与える機能(撮影環境)、写真を撮影したときのカメラの設定を変更した効果を画像に与える機能(撮影)、写真を撮影した後に暗室で行う作業の効果を画像に与える機能(暗室)、アンシャープマスクやぼかし等の効果を画像に与える機能(フィルタ)、明るさ、コントラストの調整や、赤目の補正、しみ抜きなどの加工の効果を画像に与える機能(ツール)等を備えるが、これら機能は、この修整処理によって実現される。
図5ないし図6は、この修整処理のルーチンを示すフローチャートである。このルーチンに処理が移行すると、図示するように、CPU30は、まず、CRTディスプレイ12に表示されているアプリケーションウィンドウWDを修整処理用に変更する処理を行なう(ステップS310)。
図7は、修整処理用のアプリケーションウィンドウWDを示す説明図である。図示するように、この修整処理用のアプリケーションウィンドウWDのツールバーBR2には、頻繁に使用する画像処理の起動スイッチとしてのボタンが複数表示される。ツールバーBR2の上部には、複数のグループタブTB1〜TB6が設けられている。第1ないし第5のグループタブTB1〜TB5には、このフォトレタッチソフトウェア50が備える前述した修整処理の機能、すなわち、前述した「撮影環境」、「撮影」、「暗室」、「フィルタ」、「ツール」の各機能が対応している。第6のグループタブTB6には、「作品ノート」の機能が対応している。「作品ノート」の機能については後述する。
作業者は、第1ないし第6のグループタブTB1〜TB6から所望のグループタブを、マウス20を用いてクリックすることで、「撮影環境」、「撮影」、「暗室」、「フィルタ」、「ツール」、「作品ノート」の機能から所望の機能を選択することができる。これら機能は、それぞれ、一つの修整処理により実現されるのではなく、複数の修整処理により実現されている。例えば、第1のグループタブTB1に対応した「撮影環境」の機能は、「光をあてる」、「フラッシュ光量」、「撮影時間帯変更」、「天候変換」の各画像処理により実現され、第5のグループタブTB5に対応した「ツール」の機能は、「明るさ」、「コントラスト」、「カラーバランス」、「色相・彩度・明度」、「トーンカーブ」、「ヒストグラム」等の各修整処理により実現される。換言すれば、第1ないし第6のグループタブTB1〜TB6から所望のグループタブをクリックによって選択することで、作業者は、その機能を実現する画像処理のグループを選択することになる。
ツールバーBR2には、前述した選択の結果としてのグループに含まれる画像処理の起動スイッチがボタンとして複数表示されることになる。すなわち、第1ないし第6のグループタブTB1〜TB6の中からクリックされたタブに対応した機能を実現する各種修整処理のボタンが表示されることになる。図7に示すように、例えば、第1のグループタブである「撮影環境」のTB1が選択されている場合には、「光をあてる」、「フラッシュ光量」、「撮影時間帯変更」、「季節変更」、「天候変換」のボタンが表示される。図示はしないが、例えば、第5のグループタブである「ツール」のTB5が選択されている場合には、「明るさ」、「コントラスト」、「カラーバランス」、「色相・彩度・明度」、「トーンカーブ」、「ヒストグラム」等のボタンが表示されることになる。
作業者は、ツールバーBR2に設けられたグループタブTB1〜TB6の切り替えを行ないつつ、ツールバーBR2に表示されるボタンを、マウス20によりクリックすることで、そのボタンに対応した画像処理を選択することができる。図5に戻って、ステップS330では、CPU30は、作業者からのマウス20を用いたクリック操作の指令を取り込んで、ツールバーBR2から画像処理を実行させるためのボタンの選択がなされたか否かを判定する。ここで、選択なしと判定されると、ステップS330を繰り返して実行して、その選択があるのを待つ。
ステップS330で、ツールバーBR2に備えられたいずれかのボタンが選択されたと判定されると、CPU30は、ステップS340に処理を進める。ステップS340では、ボタンの選択によって指示された画像処理の種類を特定する。例えば、第5のグループタブTB5の選択により表示される「色相・彩度・明度」のボタンがクリックされた時には、画像処理の種類は、「色相・彩度・明度」であると定める。
その後、CPU30は、ステップS340で特定した画像処理用のダイアログボックスを表示する処理を行なう(ステップS350)。図8は、「色相・彩度・明度」のボタンがクリックされた時に表示される「色相・彩度・明度」用のダイアログボックスDBX1の一例を示す説明図である。図示するように、このダイアログボックスDBX1には、元画像表示用のフィールドFD11と、処理画像表示用のフィールドFD12と、操作系のフィールドFD13とが設けられている。
操作系のフィールドFD13には、「色相」、「彩度」、「明度」をそれぞれ調整するためのスライダーバーSB1,SB2,SB3が設けられている。作業者は、このスライダーバーSB1〜SB3を操作することで、入力画像データDpiの「色相」、「彩度」、「明度」をそれぞれ調整することができ、この結果は、処理画像表示用のフィールドFD12に表示される。「実行」のボタンBT12がクリックされると、ステップS360,S370により、そのときのスライダーバーSB1〜SB3の調整値が、「色相・彩度・明度」用パラメータとしてRAM32に記憶される。
ステップS350ないしS370の処理により獲得されるパラメータの一例として、ここでは、前述したように、「色相・彩度・明度」について説明したが、その他の画像処理も同様に、その画像処理に関わるパラメータが得られることになる。例えば「CC」の画像処理においては、写真の色味を変える効果を定める「色相」、「濃度」のパラメータが得られ、「アンシャープマスク」の画像処理においては、アンシャープマスク効果の「半径」、「強度」、「しきい値」のパラメータが得られることになる。
ステップS370の実行後、CPU30は、ステップS340で特定した画像処理の種類とステップS370で取得したパラメータとから定まる画像処理を、入力画像データDpiに実行する処理を行なう(ステップS380)。なお、この画像処理は、前述したようにオリジナル画像とは別にパラメータとして保存するもので、入力画像データDpiそのものに変更が加えられるものではない。その後、CPU30は、ステップS380の画像処理により得られた処理済みの入力画像データDpiを、アプリケーションウィンドウWDの作業フィールドFDWに表示する(図7参照:ステップS390)。
その後、CPU30は、図6のステップS392に処理を進める。ステップS392では、ステップS340で特定した画像処理の種類とステップS370で取得したパラメータとを修整履歴ファイルFL1に登録する処理を行なう。
図9は、修整履歴ファイルFL1の一例を示す説明図である。修整履歴ファイルFL1は、入力画像データDpiに対して実行された画像処理の履歴を記録するファイルであり、ステップS200で取り込んでから現在の処理済みの画像を得るまでの全ての画像処理が記録されている。図示するように、修整履歴ファイルFL1は、「修整No.」、「種類」、「パラメータ」の各項目データDT1、DT2、DT3から構成される。「修整No.」の項目データDT1には、画像処理の実行順位を示す1から順にインクリメントされた数字が格納される。「種類」の項目データDT2には、ステップS330で特定した画像処理の種類が格納される。「パラメータ」の項目データDT3には、ステップS360で取得した画像処理に関わるパラメータが格納される。
図示の例では、作業者は、「ヒストグラム」、「CC」、「色相・彩度・明度」、「アンシャープマスク」の順序で入力画像データDpiに対して画像処理を施している。さらに、作業者は、修整画像がイメージしているものと違うので、イメージしたものに近づけようと、「CC」のフィルタパラメータを変え、アンシャープマスクのパラメータを変え、色相・彩度・明度のパラメータを3度調整し直している。図示の例は、ステップS380で実行する画像処理が、入力画像データDpiに対して実行される第9番目の修整である場合のケースであり、ステップS392では、第9番目の画像処理を示すレコードデータ、すなわち、修整No.が「09」であり、種類が「色相・彩度・明度」であり、パラメータが「色相=0、彩度=15、明度=0」であるレコードデータが追加された時点のものである。
図6に戻って、ステップS392の実行後、CPU30は、図6のステップS394に処理を進める。ステップS394では、ステップS340で特定した画像処理の種類とステップS370で取得したパラメータとに基づいて、作業メモファイルFL2を更新する処理を行なう。
図10は、作業メモファイルFL2の一例を示す説明図である。作業メモファイルFL2は、ステップS200で入力画像データDpiを取り込んでから、現在の処理済みの画像を得るまでの効率化された画像処理の内容を記録するものであり、「順位」、「種類」、「パラメータ」の各項目データDT11、DT12、DT13から構成される。ここでいう「効率化」とは、入力画像データDpiの画像を現在の処理済みの画像に変換する目的に対して、各画像処理のパラメータを効率的な値に設定することである。好ましくは最も適切な値に設定することである(最適化)。具体的には、この実施例では、画像処理の各種類は、作業者から指示された実行順序を維持しながら、同じ種類の画像処理が繰り返し行なわれてパラメータの変更がなされた場合に、変更された最新のパラメータの値に、その種類の画像処理のパラメータが修正されるといったことで、「効率化」がなされている。なお、この作業メモファイルFL2が、本発明の記録ファイルに相当する。
図10に示した作業メモファイルFL2の内容は、図9の修整履歴ファイルFL1で示される内容で画像処理が順次実行されたときのものである。図9の修整履歴ファイルFL1に示されているように、実行された画像処理の種類は、「ヒストグラム」、「CC」、「色相・彩度・明度」、「アンシャープマスク」であり、この順序で各画像処理は実行されていることから、図10に示すように、作業メモファイルFL2の「種類」の項目データDT12には、この順序を維持した状態で、「ヒストグラム」、「CC」、「色相・彩度・明度」、「アンシャープマスク」を示すデータが格納されている。また、図9の修整履歴ファイルFL1に示されているように、「CC」の画像処理については、第5番目の処理によって、パラメータは、「色相=G、濃度=5.0」に変更されていることから、この変更後のパラメータの値が、図10に示すように、「CC」の画像処理についての「パラメータ」の項目データDT13に格納されている(順位が「02」のレコードデータ参照)。
同様に、「アンシャープマスク」については、図9の修整履歴ファイルFL1に示すように、第6番目の処理によって、パラメータは、「半径=10、強度=20、しきい値=0」に変更されていることから、この変更後のパラメータの値が、図10に示すように、「アンシャープマスク」の画像処理についての「パラメータ」の項目データDT13に格納されている(順位が「04」のレコードデータ参照)。「色相・彩度・明度」については、図9の修整履歴ファイルFL1に示すように、第9番目の「色相・彩度・明度」についての最新の処理によって、パラメータは、「色相=0、彩度=15、明度=0」に変更されていることから、この変更後のパラメータの値が、図10に示すように、「色相・彩度・明度」の画像処理についての「パラメータ」の項目データDT13に格納されている(順位が「03」のレコードデータ参照)。なお、「ヒストグラム」については、第1番目の処理から変更がないことから、第1番目の処理時のパラメータの値、すなわち、「チャンネル=青緑青、入力範囲=10−255、出力範囲=0−255、ガンマ=1.00」が、図10に示すように、「ヒストグラム」の画像処理についての「パラメータ」の項目データDT13に格納されている(順位が「01」のレコードデータ参照)。
図11は、ステップS394の作業メモファイルFL2の更新処理を詳細に示すフローチャートである。図示するように、この更新処理に処理が移行すると、CPU30は、まず、作業メモファイルFL2に、ステップS340で特定した画像処理の種類が既に登録されているか否かを判定する(ステップS394a)。ここで未だ登録されていないと判定されたときには、CPU30は、ステップS340で特定した画像処理の種類と、ステップS370で取得したパラメータとを備える新たなレコードデータを作業メモファイルFL2に追加する(ステップS394b)。詳細には、「順位」の項目データDT11に、値1だけインクリメントされた数字が格納され、「種類」の項目データDT12に、ステップS340で特定した画像処理の種類が格納され、「パラメータ」の項目データDT13に、ステップS370で取得したパラメータが格納された新たなレコードデータを、作業メモファイルFL2に追加する。
一方、ステップS394aで、既に登録されていると判定されたときには、CPU30は、ステップS340で特定した画像処理の種類に対応するレコードを選択して、そのレコードの「パラメータ」の項目データDT13の内容を、ステップS370で取得したパラメータでもって書き替える処理を行なう(ステップS394c)。ステップS394bまたはS394cの実行後、「リターン」に抜けて、図6のステップS396に処理を移行する。
ステップS396では、ステップS392で得られた修整履歴ファイルFL1と、ステップS394で得られた作業メモファイルFL2との内容を、アプリケーションウィンドウWDの作業情報表示欄WKに表示する処理を行なう。図7に示す作業情報表示欄WKは、作業メモファイルFL2がヌルの状態の場合である。図示するように、作業情報表示欄WKには、「履歴」、「作業メモ」、「作品ノート」の3つのタブTB11、TB12、TB13が設けられている。タブTB11〜TB13を切り換えることにより、作業情報表示欄WKの表示を切り換えることができる。
図12は、修整履歴ファイルFL1の内容が図9に示すものである場合の作業情報表示欄WKの表示の一例を示す説明図である。図示は、「履歴」のタブTB11が選択された状態であるが、この作業情報表示欄WKには、修整履歴ファイルFL1の「種類」の項目データDT2の内容が、「修整No.」の項目データDT1の順序でもって上から下に向かって表示されている。なお、同じ種類について2回目からは、「再設定」である旨の表示が付加されている。
図13は、作業メモファイルFL2の内容が図10に示すものである場合の作業情報表示欄WKの表示の一例を示す説明図である。図示は、「作業メモ」のタブTB11が選択された状態であるが、この作業情報表示欄WKには、作業メモファイルFL2の「種類」の項目データDT12の内容が、「順位」の項目データDT11の順序でもって上から下に向かって表示されている。
図14の(A)に示すように、作業情報表示欄WKに表示された種類をマウス20によりクリックして(図示の例では、「CC」の種類がクリックされている)、左側の矢印マークmk1をクリックすることにより、図14の(B)に示すように、その選択されている種類の画像処理のパラメータの内容が表示される。その後、矢印マークmk2をクリックすることにより、そのパラメータの表示を閉じることができる。
また、作業情報表示欄WKに表示された種類のさらに左側には、チェックボックスcbが設けられている。チェックボックスcbをクリックしてオフにすると、その画像処理を実行しなかったことにして、入力画像データDpiを再修整することができる。すなわち、一時的に画像処理の効果をオフにしてみて、作業手順上、その画像処理を実行した場合としなかった場合にどう変化するかを確認することができる。
画像処理の不透明度(%)を調整することができる。不透明度とは、修整の効果の強度である。種類の表示の右端にあるボックスbxに数値を入力するか、下向きの三角マークをクリックして図示しないスライダーバーを動かするかして、0〜100%の範囲で不透明度を指定することができる。100%にすると画像処理を実行した結果そのままであり、不透明度を下げると、画像処理の結果が比率に応じて薄くなり、0%で画像処理が全くかかからない状態になる。
さらに、作業情報表示欄WKの下方には、「設定」ボタンBT21と「削除」ボタンBT22とが設けられている。作業情報表示欄WKに表示された種類をマウス20によりクリックして、「設定」ボタンBT21をクリックすることにより、その選択された種類に対応した入力用のダイアログボックスが表示される。例えば、選択された種類が、「色相・彩度・明度」である場合には、図8に示したダイアログボックスDBX1が表示される。なお、このダイアログボックスDBX1のパラメータ入力欄には、現在の設定内容が表示される。例えば、現在の設定が、「色相=0、彩度=15、明度=0」である場合、図8に示したようなスライダーバーSB1〜SB3の状態となる。作業者は、ダイアログボックスから該当する画像処理の現在の設定内容を必要に応じて変更することができる。
このために、以前に実行した画像処理のパラメータを簡単に変更することができる。また、その変更したパラメータでもって、入力画像データに対して一連の画像処理を再実行させることが可能となる。
また、作業情報表示欄WKに表示された種類をマウス20によりクリックして、「削除」ボタンBT22をクリックすることにより、その選択された画像処理を削除することができる。
さらに、「作業メモ」のタブTB11が選択された状態の作業情報表示欄WKの上方には、「作品ノートにまとめる」のボタンBT23が設けられている。作業メモファイルFL2の内容は、「ある目的の作品を仕上げるための作品化手順」となっているために、この作業メモファイルFL2の内容を、「作品ノート」として保存することで、その作品化手順の利用を図ることが可能である。上記ボタンBT23をマウス20によりクリックすることで、作業情報表示欄WKに表示されている作業メモファイルFL2の内容を、作品ノートファイルとしてHDD42に保存することができる。詳細には、上記ボタンBT23をマウス20によりクリックすると、図示しないダイアログボックスが開いて、このダイアログボックスから、「ファイル名」と「タイトル」を入力することができ、この「ファイル名」でもってHDD42に保存される。「タイトル」は、作品ノートファイルに、作業メモファイルFL2に記憶された内容とともに記憶される。
HDD42は、不揮発性のメモリであるから、コンピュータシステム10の電源オフ後であっても、作業メモファイルFL2の内容を作品ノートファイルの形で記憶しておくことができる。したがって、前記入力画像データに対して施した効率的な画像修整の作業を、他の画像データを作品化(修整作業)するときにいつでも利用できる。
図15は、「作品ノート」のタブTB13が選択された状態の作業情報表示欄WKを示す説明図である。図示するように、作品ノートとして、「ユーザーノート」、「スナップ」、「花」、「補正」、「風景」の5種類のホルダHD1〜HD5が用意されており、各ホルダHD1〜HD5に複数の作品ノートがそれぞれ記憶されている。例えば、「風景」のホルダHD5の中には、図示はしないが、「遠景をくっきり」、「海をより青く」、「紅葉をより鮮やかに」、「青空をより青く」、「雪景をイメージ通りに」、「夜景」、「夕焼けをより印象的に」といったタイトルの7つの作品ノートが記憶されている。「ユーザーノート」を除いた「補正」、「風景」、「花」、「スナップ」のホルダHD2〜HD5に記憶された作品ノートは、このソフトウェアによって予め用意されたものである。
「ユーザーノート」のホルダHD1は、前述した「作品ノートにまとめる」のボタンBT23がクリックされて保存される作品ノートファイルの保存先である。すなわち、「作品ノートにまとめる」のボタンBT23をクリックすることで、作品ノートファイルは、HDD42に用意した「ユーザーノート」のホルダHD1に格納される。図15には、ダイアログボックスから入力された「タイトル」が「木々の緑を鮮やかに」である作品ノートファイルが、作業者によって、「ユーザーノート」のホルダHD1に登録された場合が示されている。
なお、上記「補正」、「風景」、「花」、「スナップ」のホルダHD2〜HD5に対しては、外部からネットワーク等を通じて新たな作品ノートを追加(インポート)可能とすることができる。この構成により、フォトレタッチソフトウェアの製造元から新たな作品ノートの提供等が可能となる。また、「ユーザーノート」のホルダHD1に記憶された作品ノートは、外部に対してエクスポート可能とすることができる。この構成により、作業者が作成した作品ノートを外部に対して提供することができる。
図16は、ツールバーBR2の「作品ノート」のタブTB6が選択された状態の修整処理用のアプリケーションウィンドウWDを示す説明図である。前述したように、タブTB1〜TB6を切り換えることで、ツールバーBR2に表示される画像処理のボタンの配列が切り替わるが、「作品ノート」のタブTB6が選択された場合には、作業情報表示欄WKから選択された作品ノートによっても、ツールバーBR2の上記ボタンの配列が切り替わる。図示の例は、前述した作業者によって登録された「木々の緑を鮮やかに」のタイトルの作品ノートが選択された場合の例である。この場合には、「作品ノート」のタブTB6が選択されたツールバーBR2の欄には、「ヒストグラム」、「CC(色味)」、「色相・彩度・明度」、「アンシャープマスク」のボタンが左から右へ向かって表示されている。
上記「ヒストグラム」から「アンシャープマスク」までのボタンは、「木々の緑を鮮やかに」のタイトルの作品ノートファイルの登録内容から定まったものである。「木々の緑を鮮やかに」の作品ノートファイルは、前述したように、作業メモファイルFL2の内容にタイトルの項目を付加したものであることから、図10に表示された画像処理の内容が登録されており、この登録された画像処理の内容に従って、前記「ヒストグラム」、「CC(色味)」、「色相・彩度・明度」、「アンシャープマスク」のボタンの種類とその並び順が定まっている。
すなわち、ツールバーBR2に表示されるボタンの配列は、「作品ノート」のタブTB13をクリックしたときの作業情報表示欄WKから選択される作品ノートに従うものである。作品ノートのファイルは、画像処理の作業手順を記憶するものであることから、この作品ノートファイルに登録された複数の画像処理の内容に従って、上記ボタンの種類と並び順が定められる。
作業者は、「作品ノート」のタブTB13が選択された状態の作業情報表示欄WKから所望の作品ノートのタイトルを選択することで、ツールバーBR2から、目的の作品を作成するために必要な画像処理の提示を受けることができる。作業者は、ツールバーBR2に表示されたボタンを、左から右へ順番にクリックして、ボタンによって定まる各画像処理を順番に実行する。このとき、図8に例示したような前述したパラメータ入力用のダイアログボックスが表示される。なお、このダイアログボックスのパラメータ入力欄には、現在の設定内容が表示される。例えば、「色相・彩度・明度」用のダイアログボックスで、現在の設定内容が「色相=0、彩度=15、明度=0」である場合、図8に示したようなスライダーバーSB1〜SB3の状態となる。作業者は、パラメータ入力欄の値を変更せずに、そのまま「実行」のボタンBT12をクリックすることで、作品ノートに登録された画像処理の作業をそのまま実行させることができる。また、作業者は、必要に応じて、ダイアログボックスのパラメータ入力欄の値を調整することもできる。
このために、入力モジュール51により新たに入力した入力画像データに対して、「作品ノート」として登録した複数種類の画像処理の内容を実行させることができる。
図6に戻り、ステップS396の実行の後、CPU30は、ツールバーBR2に備えられたボタンの選択が終了したか否かを判定する(ステップS398)。具体的には、CPU30は、ツールバーBR2に備えられたボタン以外の操作指令を受けたか否かを判定して、肯定判別されたときに、上記ボタンの選択は終了したとして、「リターン」に処理を進める。一方、ステップS398で、上記ボタンの選択が終了していないと判定された場合には、ステップS340に処理を戻して、新たに選択されたボタンに対応する画像処理を実行させる。
ステップS340により実行される処理と、ツールバーBR2に備えられたボタンの構成が、画像処理指定部52aに該当する。ステップS350ないしS370により実行される処理と、画像処理用のダイアログボックスDBX1が、パラメータ指定部52bに該当する。ステップS380により実行される処理が、画像処理部52cに該当する。ステップS394により実行される処理が、画像処理記録部52dに該当する。
C.作用・効果
以上のように構成されたこの実施例のコンピュータシステムによれば、入力画像データDpiに対する画像処理の実行の都度に、新たに指定された画像処理のパラメータが加味されて、入力画像データDpiから最新の修整画像データを得るまでの効率化された複数種類の画像処理の内容が求められて、その内容が作業メモファイルFL2として記憶される。このために、作業者は、入力画像データDpiから最新の修整画像データを得るまでに実行される効率的な画像処理はどのようなものか、作業メモファイルFL2から容易に参照することができる。したがって、入力画像データDpiに対して実行された効率的な画像処理の内容を、作業者にとって容易に参照することができるという効果を奏する。この結果、入力画像データDpiを作品化するときに短い作業工程で行なうことができることから、作業性の向上を図ることができる。
作業メモファイルFL2には、入力画像データにDpi対して、どういった種類の画像処理が、どういった順序で実行され、さらに、各種類の画像処理が最終的にどういったパラメータとなって実行されているかが記録される。このために、入力画像データに対して実行された効率的な画像処理の内容を参照することが容易である。
D.他の実施形態:
なお、この発明は上記の実施例や変形例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様にて実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
(1)前記実施例では、入力画像データDpiは、デジタルカメラにより撮影したものとしたが、これに替えて、カラースキャナ等を用いて獲得した銀塩写真やカラーグラビア等の画像データであってもよい。また、HDD42等の記憶装置に予め用意したものであってもよい。あるいは、ネットワークを介して外部から取り込んだものであってもよい。また、必ずしもカラーの画像データである必要もなく、白黒の画像データに適用することもできる。
(2)前記実施例では、作業メモファイルFL2の内容を含む作品ノートファイルをHDD42に保存するように構成していたが、コンピュータ本体16から離れた他の不揮発性メモリに格納する構成とすることもできる。コンピュータネットワーク上のサーバなどに置くこともできる。
(3)前期実施例では、ツールバーBR2に表示する画像処理の起動スイッチは、ボタンの形態で設けられていたが、これに替えて、プルダウンのメニューの形態とすることもできる。
(4)前記実施例では、作業メモファイルFL2は、「順位」、「種類」、「パラメータ」の各項目データDT11、DT12、DT13から構成されていたが、各項目データDT11、DT12、DT13以外の項目のデータ、例えば、画像処理についての作業者から入力されたコメントを示すコメントデータ等を含む構成とすることもできる。あるいは、「順位」の項目データDT11を省いて、「種類」と「パラメータ」の項目データの並び順で順位を表わすようにすることもできる。
本発明の一実施例を適用するコンピュータシステム10のハードウェアの概略構成を示すブロック図である。 コンピュータ本体16によって実行されるフォトレタッチソフトウェア50に従う制御処理の様子を示すブロック図である。 上記制御処理のルーチンを示すフローチャートである。 アプリケーションウィンドウWDの初期状態を示す説明図である。 修整処理の前半部分のルーチンを示すフローチャートである。 修整処理の後半部分のルーチンを示すフローチャートである。 修整処理用のアプリケーションウィンドウWDを示す説明図である。 「色相・彩度・明度」用のダイアログボックスDBX1の一例を示す説明図である。 修整履歴ファイルFL1の一例を示す説明図である。 作業メモファイルFL2の一例を示す説明図である。 ステップS394の作業メモファイルFL2の更新処理を詳細に示すフローチャートである。 修整履歴ファイルFL1の内容が図9に示すものである場合の作業情報表示欄WKの表示の一例を示す説明図である。 作業メモファイルFL2の内容が図10に示すものである場合の作業情報表示欄WKの表示の一例を示す説明図である。 「作業メモ」のパラメータを示す作業情報表示欄WKの変化の一例を示す説明図である。 「作品ノート」のタブTB13が選択された状態の作業情報表示欄WKを示す説明図である。 ツールバーBR2の「作品ノート」のタブTB6が選択された状態の修整処理用のアプリケーションウィンドウWDを示す説明図である。
符号の説明
10...コンピュータシステム
12...CRTディスプレイ
13...プリンタ
14...デジタルカメラ
16...コンピュータ本体
18...キーボード
20...マウス
30...CPU
31...ROM
32...RAM
33...表示画像メモリ
34...マウスインタフェース
35...キーボードインタフェース
36...CDC
37...HDC
38...CRTC
39...プリンタインタフェース
40...入出力機用インタフェース
41...I/Oポート
42...ハードディスクドライブ(HDD)
44...モデム
46...公衆電話回線
47...サーバ
50...フォトレタッチソフトウェア
51...入力モジュール
52...修整モジュール
52a...画像処理指定部
52b...パラメータ指定部
52c...画像処理部
52d...画像処理記録部
53...印刷モジュール
54...出力モジュール
60...ディスプレイドライバ
62...プリンタドライバ
BR1...メニューバー
BR2...ツールバー
DBX1...ダイアログボックス
Dpi...入力画像データ
Dpo...修整済画像データ
FD11...フィールド
FD12...フィールド
FD13...フィールド
FDW...作業フィールド
SB1,SB2,SB3...スライダーバー
TB6...「作品ノート」のグループタブ
TDp...対象画像データ
WD...アプリケーションウィンドウ
FL1...修整履歴ファイル
FL2...作業メモファイル
WK...作業情報表示欄

Claims (3)

  1. 入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行することによって、前記入力画像データの修整を行なう画像修整装置において、
    前記入力画像データに対して実行させるための画像処理を、作業者からの操作指令に基づいて順次指定する画像処理指定手段と、
    前記画像処理指定手段により一の画像処理が指定される毎に、該指定された画像処理における修整の程度を規定するためのパラメータを、作業者の操作指令に基づいて指定するパラメータ指定手段と、
    前記パラメータ指定手段によりパラメータが指定される毎に、該指定されたパラメータに応じた修整の程度の画像処理を入力画像データに対して順次実行することにより、修整画像データを得る画像処理手段と、
    前記画像処理の内容を記録するための記録ファイルを用意し、前記画像処理手段による前記画像処理の実行の都度に、前記パラメータ指定手段により指定されたパラメータを、当該パラメータについての画像処理の種類と対にして、記憶順序を保持した状態で前記記録ファイルに追加する記録追加手段と、
    前記入力画像データに対して既に実行された画像処理と同じ種類の画像処理についてのパラメータの指定が、前記パラメータ指定手段により再度なされたときに、前記記録追加手段による動作を禁止して、当該再指定されたパラメータの値でもって前記記録ファイルに記録された当該種類の画像処理のパラメータを書き替える記録修正手段と、
    作業者による操作指令に基づいて入力されたタイトルとともに前記記録ファイルの内容を記憶した保存用ファイルを、外部に転送するエクスポート手段と、
    新たな保存用ファイルを、外部から受け取るインポート手段と、
    前記インポート手段により受け取った前記新たな保存用ファイルに記憶された複数の画像処理についての種類とパラメータとを順に表示装置に表示する表示手段と、
    前記表示されたパラメータを、作業者による操作指令に基づいて修正するパラメータ修正手段と、
    前記表示された前記複数の画像処理についての前記種類と前記パラメータとに基づいて、新たに入力された入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行する画像処理再現手段と
    を備える画像修整装置。
  2. 入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行することによって、前記入力画像データの修整を行なう画像修整方法において、
    (a)前記入力画像データに対して実行させるための画像処理を、作業者からの操作指令に基づいて順次指定する行程と、
    (b)前記行程(a)により一の画像処理が指定される毎に、該指定された画像処理における修整の程度を規定するためのパラメータを、作業者の操作指令に基づいて指定する行程と、
    (c)前記行程(b)によりパラメータが指定される毎に、該指定されたパラメータに応じた修整の程度の画像処理を入力画像データに対して順次実行することにより、修整画像データを得る行程と、
    (d)前記画像処理の内容を記録するための記録ファイルを用意し、前記行程(c)による前記画像処理の実行の都度に、前記行程(b)により指定されたパラメータを、当該パラメータについての画像処理の種類と対にして、記憶順序を保持した状態で前記記録ファイルに追加する行程と
    (e)前記入力画像データに対して既に実行された画像処理と同じ種類の画像処理についてのパラメータの指定が、前記行程(b)により再度なされたときに、前記行程(d)による動作を禁止して、当該再指定されたパラメータの値でもって前記記録ファイルに記録された当該種類の画像処理のパラメータを書き替える行程と、
    (f)作業者による操作指令に基づいて入力されたタイトルとともに前記記録ファイルの内容を記憶した保存用ファイルを、外部に転送する行程と、
    (g)新たな保存用ファイルを、外部から受け取る行程と、
    (h)前記行程(g)により受け取った前記新たな保存用ファイルに記憶された複数の画像処理についての種類とパラメータとを順に表示装置に表示する行程と、
    (i)前記表示されたパラメータを、作業者による操作指令に基づいて修正する行程と、
    (j)前記表示された前記複数の画像処理についての前記種類と前記パラメータとに基づいて、新たに入力された入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行する行程と
    を備えることを特徴とする画像修整方法。
  3. 入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行することによって、前記入力画像データの修整を行なうためのコンピュータプログラムにおいて、
    (a)前記入力画像データに対して実行させるための画像処理を、作業者からの操作指令に基づいて順次指定する機能と、
    (b)前記機能(a)により一の画像処理が指定される毎に、該指定された画像処理における修整の程度を規定するためのパラメータを、作業者の操作指令に基づいて指定する機能と、
    (c)前記機能(b)によりパラメータが指定される毎に、該指定されたパラメータに応じた修整の程度の画像処理を入力画像データに対して順次実行することにより、修整画像データを得る機能と、
    (d)前記画像処理の内容を記録するための記録ファイルを用意し、前記機能(c)による前記画像処理の実行の都度に、前記機能(b)により指定されたパラメータを、当該パラメータについての画像処理の種類と対にして、記憶順序を保持した状態で前記記録ファイルに追加する機能と
    (e)前記入力画像データに対して既に実行された画像処理と同じ種類の画像処理についてのパラメータの指定が、前記機能(b)により再度なされたときに、前記機能(d)による動作を禁止して、当該再指定されたパラメータの値でもって前記記録ファイルに記録された当該種類の画像処理のパラメータを書き替える機能と、
    (f)作業者による操作指令に基づいて入力されたタイトルとともに前記記録ファイルの内容を記憶した保存用ファイルを、外部に転送する機能と、
    (g)新たな保存用ファイルを、外部から受け取る機能と、
    (h)前記機能(g)により受け取った前記新たな保存用ファイルに記憶された複数の画像処理についての種類とパラメータとを順に表示装置に表示する機能と、
    (i)前記表示されたパラメータを、作業者による操作指令に基づいて修正する機能と、
    (j)前記表示された前記複数の画像処理についての前記種類と前記パラメータとに基づいて、新たに入力された入力画像データに対して複数種類の画像処理を順次実行する機能と
    をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラム。
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