JP4394726B2 - Heating tool - Google Patents
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Description
本発明は、身体の加温に用いられる発熱具に関し、特に生理痛の緩和に用いられる発熱具に関する。 The present invention relates to a heating tool used for warming the body, and more particularly to a heating tool used to relieve menstrual pain.
通気性を有する扁平な袋内に発熱材料を封入し、該発熱材料の発熱により身体を加温するために用いられる発熱具が種々知られている。例えば本出願人は先に、表面層と裏面層と該表面層及び該裏面層間に介在された発熱体とからなるカイロ本体、並びに使用時に該カイロ本体の上端縁から外方に延出させてショーツ(下着)に装着しうるように該カイロ本体に設けられた固定片を具備する携帯用カイロを提案した(特許文献1参照)。カイロ本体及び固定片には粘着剤が施されており、該粘着剤によってカイロ本体をショーツの外面に貼り付け、またショーツの開口部を跨ぐように固定片をショーツの内面に折り込んで該内面に貼り付ける。したがって、カイロの取り付け位置がショーツの開口部の近傍になってしまうという制約がある。またカイロから発生する熱は、ショーツの生地を通して身体に間接的に付与されることになる。したがってショーツの生地には様々な種類があるので、ショーツの種類によって伝熱の程度が異なることがある。 Various heating tools are known that are used to enclose a heat-generating material in a flat air-permeable bag and heat the body by the heat generated by the heat-generating material. For example, the applicant firstly has a body body composed of a surface layer, a back surface layer, the surface layer and a heating element interposed between the back surface layers, and extends outward from the upper edge of the body body when used. A portable body warmer has been proposed that includes a fixing piece provided on the body of the body so that the body can be attached to shorts (underwear) (see Patent Document 1). An adhesive is applied to the body and the fixing piece, and the body is attached to the outer surface of the shorts by the adhesive, and the fixing piece is folded on the inner surface of the shorts so as to straddle the opening of the shorts. paste. Therefore, there is a restriction that the mounting position of the warmer is near the opening of the shorts. The heat generated from the warmer is indirectly applied to the body through the fabric of the shorts. Therefore, since there are various types of shorts fabric, the degree of heat transfer may differ depending on the type of shorts.
この携帯用カイロとは別に、生理痛を和らげるために用いられる温熱ボディーパッドが提案されている(特許文献2参照)。この温熱ボディーパッドは、発熱材料が2層の間に封入されてなる複数の熱セルを備え、酸素透過性を有する第1面と、使用者の身体に直接当たる第2面とを有している。このボディーパッドにおいては、酸素透過性を有する第1面に、該ボディーパッドを取り外し自在に取り付ける取り付け手段が具備されている。このボディーパッドは、その第2面が使用者の身体に直接当たるように使用されるので伝熱は直接的なものとなる。しかし、多数の熱セルに起因するごつごつとした凹凸感が身体に直接伝わるので、装着感が良好とは言えない。 Apart from this portable warmer, a thermal body pad used to relieve menstrual pain has been proposed (see Patent Document 2). This thermal body pad includes a plurality of heat cells in which a heat-generating material is sealed between two layers, and has a first surface that is oxygen permeable and a second surface that directly contacts the user's body. Yes. This body pad is provided with attachment means for detachably attaching the body pad to a first surface having oxygen permeability. Since this body pad is used so that the second surface thereof directly contacts the user's body, heat transfer is direct. However, since the rough unevenness caused by a large number of heat cells is directly transmitted to the body, it cannot be said that the wearing feeling is good.
また、通気性粘着面及び非粘着面を有する偏平状袋に発熱組成物が収納された発熱袋も提案されている(特許文献3参照)。この発熱袋は、下着と皮膚との間において、該発熱袋の通気性粘着面を下着の内側に貼り付けて下着に固定することによって該通気性粘着面を人体の外側に向けることで安定した通気性状態に保持し、非粘着面を皮膚に接触させて人体を直接暖めるように意図されている。しかし、空気の流入面である通気性粘着面が下着に対向しているので、下着の生地の種類によっては十分に空気が供給されない場合がある。さらに、通気性を確保するために、粘着剤の塗布面積を制限すると、十分な接着力を得られない場合がある。
したがって本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る発熱具を提供することにある。 Accordingly, an object of the present invention is to provide a heating tool that can eliminate the drawbacks of the prior art described above.
本発明は、着用者の肌に近い側に位置し且つ通気性を有する第1の面と、着用者の肌から遠い側に位置する第2の面と、第1の面及び第2の面の間に介在配置された発熱部とを有する発熱具であって、第2の面の外面に該発熱具を衣類へ固定するための粘着部が設けられており、また第1の面が表面に凹凸形状を有する不織布によって構成されており、該不織布は、一方の面を含む第1繊維層と、他方の面を含む第2繊維層とを有し、両層が部分的に接合されて、第1繊維層側に多数の凸部及び凹部が形成されたものであり、該一方の面を前記の第1の面として用いた発熱具を提供するものである。 The present invention provides a first surface located on the side close to the wearer's skin and having air permeability, a second surface located on a side far from the wearer's skin, the first surface, and the second surface. And a heat generating part interposed between the heat generating part, an adhesive part for fixing the heat generating tool to the clothing is provided on the outer surface of the second surface, and the first surface is the surface The nonwoven fabric has a first fiber layer including one surface and a second fiber layer including the other surface, and both layers are partially bonded. A plurality of convex portions and concave portions are formed on the first fiber layer side, and a heating tool using the one surface as the first surface is provided.
本発明の発熱具は、着用者の身体に直接当接する面が凹凸形状を有する不織布から構成されているので、着用感が良好である。また凹凸形状に起因して、着用者の身体との接触面積が低減し、蒸れが発生しづらくなる。さらに、該凹凸形状に起因して、着用者の身体と発熱具との間に空気が流通する空間が形成されるので、着用者の身体に直接接する面を通じての空気の流入が円滑になり、発熱が安定して持続する。 Since the surface which directly contacts the wearer's body is made of a nonwoven fabric having an uneven shape, the heating tool of the present invention has a good wearing feeling. Further, due to the uneven shape, the contact area with the wearer's body is reduced, and stuffiness is less likely to occur. Furthermore, due to the uneven shape, a space is formed between the wearer's body and the heating tool to allow air to flow therethrough, which facilitates the inflow of air through the surface directly in contact with the wearer's body, The fever is stable and lasts.
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1(a)には、本発明の発熱具の一実施形態としての蒸気温熱具をその肌当接面側からみた平面図が示されている。図1(b)は、該蒸気温熱具をその衣類当接面側からみた平面図である。図2は、図1(a)におけるII−II線断面図である。 The present invention will be described below based on preferred embodiments with reference to the drawings. FIG. 1 (a) shows a plan view of a steam heating device as one embodiment of the heating device of the present invention as seen from the skin contact surface side. FIG.1 (b) is the top view which looked at this steam heating tool from the clothing contact surface side. FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line II-II in FIG.
本実施形態の蒸気温熱具10は、それに含まれる発熱部から発生した所定温度に加熱された水蒸気を、着用者の身体に適用し、着用者の生理機能を改善するために用いられるものである。特に本実施形態の蒸気温熱具10は、所定温度に加熱された水蒸気を、女性の下腹部に適用することで、生理痛を緩和するために好適に用いられる。
The
蒸気温熱具10は、長手方向X及びそれに直交する幅方向Yを有し、X方向に縦長の形状を有している。蒸気温熱具10は、その長手方向Xに延びる上縁10a及び下縁10bと、幅方向Yに延びる左右の側縁10c,10dとを有している。上縁10aは、蒸気温熱具10の横中心線Lに向かう内向きの凸状となるような曲線形状をしている。下縁10bは、横中心線Lに対して外向きの凸状となるような曲線形状をしている。左右の側縁10c,10dは、それぞれ外向きの凸状となるような曲線形状をしている。上縁10aの両端部は左右の側縁10c,10dの上端部と滑らかに連なっている。同様に、下縁10bの両端部は左右の側縁10c,10dの下端部と滑らかに連なっている。
The
蒸気温熱具10は、発熱部11及び該発熱部11を収容する収容体12を備えている。収容体12は扁平なものであり、蒸気温熱具10の輪郭をなしている。収容体12は、複数のシート材が貼り合わされることで、発熱部11が収容される密閉空間が形成されたものである。扁平な形状を有する収容体12は、着用者の肌に近い側に位置する第1の面13、及びそれと反対側であり、使用者の肌から遠い側に位置する第2の面14を有している。
The
発熱部11は被酸化性金属を含んでいる。発熱部11は被酸化性金属が酸素と接触することによる酸化反応で生じた熱を利用して、所定温度に加熱された水蒸気を発生する部位である。発熱部11の詳細については後述する。
The
第1の面13は空気及び水蒸気の透過が可能なように通気性を有している。一方、第2の面14は、空気及び水蒸気の透過の程度が第1の面13よりも低くなっている。即ち第2の面14は第1の面13よりも難通気性であるか、又は非通気性である。第2の面14が難通気性であるか、それとも非通気性であるかは、蒸気温熱具10の具体的な用途に応じて適宜選択される。
The
蒸気温熱具10は、その第1の面13の側が着用者の肌に直接当接し、第2の面14の側が衣類(本実施形態では、後述するようにショーツ)に直接当接するように使用される。発熱部11の発熱によって発生した水蒸気は、第1の面13を通じ、対象物である着用者の肌に直接付与されるようになっている。
The
蒸気温熱具10における第1の面13及び第2の面14は何れもシート材から構成されている。そして蒸気温熱具10の収容体12はその周縁に、第1の面13及び第2の面14をそれぞれ構成するシート材の周縁部を互いに接合して形成された閉じた形状の周縁接合部15を有している。周縁接合部15は連続に形成されている。収容体12は、周縁接合部15よりも内側の部分において第1の面13と第2の面14とが非接合状態になっている。それによって収容体12には、発熱部11を収容する単一の密閉空間が形成されている。図2に示すように、発熱部11は収容体12に形成されている空間のほぼ全域を占めるように収容されている。即ち収容体12内には単一の発熱部11が収容されており、且つ該発熱部11は周縁接合部15を除く収容体12のほぼ全域を占めるように収容されている。図2では発熱部11は収容体12の密閉空間に単に収容されているが、発熱部11と収容体12の内面の一部とを、発熱を妨げない範囲で接着剤等の接合手段を用いて固定しても良い。
Both the
本実施形態の蒸気温熱具10においては、第1の面13及び第2の面14の通気度を適切に調整することで、第1の面13を通じて水蒸気が優先的に放出されるように構成されている。具体的には、第2の面の通気度を、第1の面の通気度よりも大きくしている。ここで、通気度はJIS P8117によって測定される値であり、一定の圧力のもとで100mlの空気が645mm2の面積を通過する時間(秒/100ml)で定義される。
したがって、通気度が大きいことは空気の通過に時間がかかること、即ち通気性が低いことを意味している。逆に、通気度が小さいことは通気性が高いことを意味している。このように、通気度の大小と通気性の高低とは逆の関係を示す。本実施形態において、第1の面13及び第2の面14の通気性を比較すると、第1の面13の方が、第2の面14よりも高くなっている。すなわち、先に述べたとおり、第2の面14は非通気性であるか、又は難通気性(即ち、通気性を有するものの、第1の面13よりも低い通気性を有している)である。
The
Therefore, a high air permeability means that it takes time to pass air, that is, the air permeability is low. Conversely, a low air permeability means high air permeability. Thus, the magnitude of the air permeability and the level of air permeability are opposite to each other. In the present embodiment, when the air permeability of the
収容体12は、通気面である第1の面13と、それに対向する非通気面である第2の面14とを有する扁平な形態をしており、通気面である第1の面13を通じて蒸気温熱が発生するようになされている。或いは、収容体12は、通気面である第1の面13と、それに対向する難通気面である第2の面14とを有する扁平な形態をしており、通気面である第1の面13を通じて蒸気温熱が発生するようになされている。第2の面14が難通気性である場合、第1の面13と第2の面14の通気度をバランスさせることで、空気は第2の面14を通じて優先的に収容体12内に流入すると共に、水蒸気は第1の面13を通じて優先的に放出される。
The
第2の面14が難通気性である場合、該第2の面14を通じての空気の流入を確保しつつ、該面14を通じての水蒸気の放出を抑制させる観点から、第2の面14の通気度を、第1の面13の通気度の5倍以上、特に10倍以上とすることが好ましい。或いは、第1の面13の通気度と第2の面14の通気度との比(第1の面/第2の面)を0.5以下、特に0.2以下とすることも好ましい。これによって、第2の面14を通じての水蒸気の放出を一層減じさせることができ、且つ第1の面13を通じての水蒸気の放出を一層増加させることができる。一方、第2の面14が非通気性である場合、収容体12内への空気の流入、及び水蒸気の発生は、専ら第1の面13を通じて行われる。
When the
第2の面14が難通気性である場合、該面14の通気度を30000秒/100ml以上、特に40000秒/100ml以上、とりわけ50000秒/100ml以上とすることが好ましい。一方、第1の面13の通気度は、第2の面14が非通気性であるか又は難通気性であるかを問わず、100〜30000秒/100ml、特に1000〜20000秒/100mlであることが好ましい。
When the
先に述べたとおり、蒸気温熱具10における第1の面13及び第2の面14は何れもシート材から構成されている。通気度を支配し且つ粉体の漏れ出しを防止するシート材としては、メルトブローン不織布や透湿性フィルムが好適に用いられる。透湿性フィルムは、熱可塑性樹脂及び該樹脂と相溶性のない有機又は無機のフィラーを含む溶融混練物をフィルム状に成形し、一軸又は二軸延伸して得られたものであり、微細な多孔質構造になっている。種々の通気度及び透湿度を有するシート材を組み合わせて積層シートを構成することで、第1の面13及び第2の面14の通気度を所望の値に設定する自由度が増す。
As described above, both the
本実施形態においては、図2に示すように、第1の面13は透湿性シート13aと、該シート13aの全面を被覆する第1の不織布13bとから構成されている。第1の不織布13bの通気性は透湿性シート13aの通気性に比べて十分に高いので、第1の面13の通気性は透湿性シート13aの通気性によって決定される。一方、第2の面14は、シート14aと、該シート14aの全面を被覆する第2の不織布14bとから構成されている。シート14aは、透湿性シートであるか、又は非透湿性シートである。シート14aが透湿性シートである場合、該透湿性シートの通気性は、第1の面13を構成する透湿性シート13aの通気性よりも低くなっている。
In this embodiment, as shown in FIG. 2, the
第1の面13を構成する透湿性シート13aと第1の不織布13bとは、周縁接合部15においてのみ接合されていてもよく、或いは両者はそれらの全面で接合されていてもよい。全面で接合されている場合には、透湿性シート13aの通気性が損なわれないようにするために、両者は不連続な接合パターンで接合される。第2の面14を構成するシート14aと第2の不織布14bの接合態様についても同様である。なお、図2において、収容体12の第1の面13と第2の面14はそれぞれ2種のシートを有する構成になっているが、上記通気性機能を有する範囲であればそれぞれ3以上のシートを組み合わせたものであっても良い。何れの場合であっても、肌に直接接する面である13bは以下に示す構成のシートであることが好ましい。
The moisture-
以上の説明から明らかなように、本実施形態の蒸気温熱具10においては、収容体12はその外面が第1の不織布13b及び第2の不織布14bによって構成されている。そして蒸気温熱具10は、肌に触れる側が第1の不織布13bから構成されているのでその肌触りが良好なものとなる。その結果、蒸気温熱具10を着用者の肌に直接当接するように用いても、良好な着用感が得られる。特に本実施形態においては、着用者の肌に直接当接する面である第1の面13を構成する第1の不織布13bとして、以下に説明するものを用いているので、着用感が一層良好になり、それに加えて種々の有利な効果が奏される。
As apparent from the above description, in the
図3には、本実施形態の蒸気温熱具10に好適に用いられる第1の不織布13bの要部拡大図が示されている。第1の不織布13bは、一方の面を含む第1繊維層21と、他方の面を含む第2繊維層22とを有する2層構造のものである。第1繊維層21及び第2繊維層22は、それぞれ繊維集合体からなり、互いに積層されて部分的に接合されている。第1繊維層21と第2繊維層22との接合部23は、図示のように、熱及び/又は圧力の作用によって圧密化されて第1の不織布13bの他の部位よりも厚みが小さく且つ密度が高くなっている。これによって第1繊維層21側には、所定のパターンで分散配置された多数の凸部24と、接合部23上に形成された多数の凹部25とが存在しており、これらの凸部24及び凹部25により第1の不織布13bの第1繊維層21の表面に凹凸形状が形成されている。ここで凹凸のパターンとしては、良好な着用感を奏する範囲であれば、図3(a)に示す略同一の点形状以外に、大きさの異なる楕円、長手うね等複数の形状の組合せでもよく、またランダムなパターンも構成可能である。凸部24内は繊維で満たされている。この第1繊維層21側の面を、蒸気温熱具10における肌当接面である第1の面13として用いている。なお第2繊維層22の表面は、第1繊維層21の表面と異なり、概ね平坦な状態になっている。
The principal part enlarged view of the 1st
第1繊維層21の表面に凹凸形状が形成されていることで、蒸気温熱具10を着用した場合には、該表面のうち主として凸部24が着用者の肌と接することになる。つまり、第1繊維層21の表面の全域が着用者の肌に接するのではなく、凸部24による点接触で部分的に接することになる。凸部24は繊維で形成されておりクッション感や嵩高感が良好であることから、凸部24による点接触により良好な着用感が得られる。これに対して、先に述べた特許文献1に記載の温熱ボディーパッドでは、鉄粉等の発熱組成物を含む熱セルに起因する、硬いごつごつとした凹凸感があるので、本実施形態の蒸気温熱具10で得られるような良好な着用感は得られない。
Since the uneven shape is formed on the surface of the
また本実施形態の蒸気温熱具10によれば、第1繊維層21の表面の凹凸形状に起因して、蒸気温熱具10と着用者の肌との接触面積が低減し、着用中に蒸れが発生しづらくなる。更に蒸気温熱具10は、所定温度に加熱された水蒸気を発生するものであるところ、凸部24が蒸気温熱具10と着用者の肌とを隔てるスペーサとして作用し、発生した水蒸気が効率よく着用者の肌に適用されるようになる。しかも、凸部24のスペーサとしての働きによって、着用者の身体と蒸気温熱具10との間に空気が流通する空間が形成されるので、着用者の身体に直接接する面である第1の面13を通じての空気の流入が円滑になり、発熱及び水蒸気の発生が安定して持続する。
Moreover, according to the
以上の観点から、第1の不織布13bにおける凸部24の厚みT1(図3(b)参照)を1〜30mm、特に1〜10mmに設定することが好ましい。また凹部25の厚みT2(図3(b)参照)を0.01〜5mm、特に0.1〜1mmに設定することが好ましい。またT1/T2の比率を2〜50、特に2〜20に設定することも好ましい。更に同様の観点から、第1の不織布13bの面積に対する接合部23の面積率(第1の不織布13bの単位面積当たりの接合部23の面積の割合)は、3〜50%が好ましく、5〜35%であることが更に好ましい。接合部23それ自体の面積は、0.1〜5mm2、特に0.1〜1mm2であることが好ましい。隣り合う凸部24どうしの最短距離(凸部の中心とその隣の凸部の中心までの距離)は0.5〜15mm、特に1〜10mmであることが好ましい。
From the above viewpoint, it is preferable to set the thickness T1 (see FIG. 3B) of the
凹部25の厚みT2及び凸部24の実質厚みT1は、無加圧の状態の第1の不織布13bの断面写真又は断面映像から測定する。本発明では、第1の不織布13bを、凸部24の頂点及び凹部25を通るように切断し、その断面形状を(株)キーエンス製のマイクロスコープVH−8000を使用して観察し、凹部25の厚みT2及び凸部24の実質厚みT1を測定した。
The thickness T2 of the
第1の不織布13bはその坪量が20〜200g/m2、特に40〜150g/m2であることが好ましい。坪量は、第1の不織布13bを50mm×50mm以上の大きさに裁断して測定片を採取し、この測定片の重量を最小表示1mgの電子天秤を用いて測定し、坪量に換算することで求める。
The basis weight of the first
第1の不織布13bは、前述のとおり、一方の面を含む第1繊維層21と、他方の面を含む第2繊維層22が何れも繊維の集合体から構成されているので、第1の不織布13bの通気性は透湿性シート13aの通気性に比べて十分に高くなり、第1の面13の通気性は透湿性シート13aの通気性によって決定される。第1の不織布13bの通気度(JIS P8117)は、0.6秒/100ml以下、特に0.4秒/100ml以下であることが、十分な通気性発現の点から好ましい。また、下限値は、0.3秒/100ml程度であることが好ましい。
As described above, the first
また、第1の不織布13bは、第1繊維層21の表面の凹凸形状に起因して、水平方向(シートの厚み方向に直交する方向)に対しても空気の流通性があり、その流通性は所定圧力での加圧下においても維持される。具体的には、第1の不織布13bは、50cN/cm2圧力下における水平方向への空気透過容量が10〜500ml/(cm2・秒)、特に20〜200ml/(cm2・秒)であることが好ましい。前記50cN/cm2圧力下における水平方向への空気透過容量が10ml/(cm2・秒)以上であると、蒸気温熱具10の着用中に第1の不織布13bが著しく加圧されて着用者の身体に密着した場合においても、水平方向に対する空気の通過性が充分維持され、皮膚との間に空間が保たれ空気の流入を確保することができる。その結果、一般的な不織布に比べて発熱部11の反応が妨げられない。即ち、蒸気温熱具10の着用中に、第1の不織布13bが加圧されて着用者の身体に密着した場合においても、水平方向(シートの厚み方向に直交する方向)に対する空気の流通性を充分確保することにより、発熱部11に空気が流通し、発熱が安定して持続する。故に、第2の面14の通気性に頼らずとも良好な発熱を得ることができる。その結果、第2の面14へ粘着剤を塗布する面積を、通気性を妨げる心配をせず自由に設計できる。また、蒸気温熱具10の着用中における蒸れの発生も効果的に防止でき、蒸れによる不快感や痒み・かぶれ等の皮膚トラブルを確実に防止できる。
In addition, the first
50cN/cm2圧力下における水平方向への空気透過容量は、以下の方法により測定される。先ず、50cN/cm2圧力下における、第1の不織布13bの厚みT3を測定する。次に図6に示すように、第1の不織布13bを一辺50mmの正方形状に裁断し、得られた測定片40を、中央に一辺10mmの正方形状の開口部41を有する正方形状の第1アクリル板(寸法:50mm×50mm×3mm)42と、開口部を有しない以外は第1アクリル板42と同一構成の第2アクリル板43との間に、測定片40の着用者の肌側に向けられる面(凸部24が存在する面)を第1アクリル板42側に対向させて挟んで測定用積層体44(図7参照)とする。これを、図7に示すように、JIS P 8117に規定されるガーレー試験機(B形)のガスケット45下に、第1アクリル板42側を上に向けてセットし、測定片40が厚みT3となるまで圧縮する。次いで、厚みをT3に維持した測定片40の中央部に、開口部41を介して空気を導入して300mlの空気を導入するのに要した時間を計測する。そして、開口部41の単位面積(1cm2)×1秒当たりの空気導入量(ml)を算出して、荷重50cN/cm2圧力下における水平方向への空気透過容量とする。
The air permeability capacity in the horizontal direction under a pressure of 50 cN / cm 2 is measured by the following method. First, the thickness T3 of the first
厚みT3は、KES測定器(例えばカトーテック株式会社製の「KES−FBシリーズ」商品名,型式「KES−FB3」)を用いて測定する。KES測定器は、加圧板及び受圧板間に測定片を挟み、該測定片を一定速度で厚み方向に圧縮変形させることのできる試験機である。先ず、第1の不織布13bを所定寸法(前記の加圧板より大きい寸法)に裁断し、それを前記の受圧板上にセットする。そして、加圧板を1.2mm/分の速度で降下させ、測定片40を加圧板と受圧板との間で挟んで圧縮する。測定片40に加わる荷重が圧縮過程において50cN/cm2となった時点における加圧板と受圧板との間の距離(=測定片40の厚み)を、50cN/cm2圧力下における第1の不織布13bの厚みT3とする。
Thickness T3 is measured using a KES measuring instrument (for example, “KES-FB series” trade name, model “KES- FB 3” manufactured by Kato Tech Co., Ltd.). The KES measuring instrument is a testing machine that can sandwich a measuring piece between a pressure plate and a pressure receiving plate and compress and deform the measuring piece in the thickness direction at a constant speed. First, the 1st
水平方向根の空気透過容量を測定するために用いられるガーレー試験機(B型)としては、例えば図7に示す熊谷理機工業株式会社製の「Gurley Densometer」が挙げられる。図7の装置を用いて測定用積層体44の圧縮及び圧縮状態下における空気導入を行うには、先ず、測定用積層体44を、第1アクリル板42側を上方に向けて、該装置のガスケット45の下に位置させ、試料締付けハンドル46を回転させることにより、測定片40が目的とする荷重厚み(厚みT3)となるように、ガスケット45とガスケット45の対向面47との間のクリアランスを調整する。図6及び図7中、符号48は、一辺10mmの正方形状の開口部49を中央に有するシリコン板(硬度50)であり、導入した空気が測定片40の端縁以外から漏れ出るのを防止するために、ガスケット45と第1アクリル板42との間に介在させる。そして、引き上げつまみ50を摘んで内筒51を引き上げ、シリンダー(外筒52)内に所定量の外気を吸気させた後、該内筒51を外筒52内に下降させる。これにより、ガスケット45の下面中央の空気供給口(図示せず)から、試験片40の中央部上に300mlの空気が導入される(圧力は内筒の質量による)。そして、空気導入開始から300mlの空気の導入が完了する迄の時間を計測し、荷重50cN/cm2圧力下における水平方向への空気透過容量を算出する。図中、符号53は投受光センサーであり、これら光の投受光センサー間に、内筒に取り付けられた短冊状のスリット板(予め設定されたスリット点を有する)を通過させることにより、信号をデジタルカウンターに送り、前記時間をデジタルに表示する。
As a Gurley tester (B type) used for measuring the air permeability of the root in the horizontal direction, for example, “Gurley Densometer” manufactured by Kumagai Riki Kogyo Co., Ltd. shown in FIG. In order to compress the
第1の不織布13bを構成する各繊維層の構成繊維について説明すると、第2繊維層22は立体捲縮繊維を含んでいる。立体捲縮繊維には一般にコイル状(スパイラル状)の捲縮が発現している。立体捲縮繊維は、捲縮が発現した潜在捲縮繊維であることが好ましい。第2繊維層22は立体捲縮繊維のみから構成されていてもよく、或いは他の繊維を含んでいてもよい。他の繊維としては、例えば通常の熱可塑性繊維や、レーヨン等の再生繊維、コットン等の天然繊維が挙げられる。立体捲縮繊維に加えて他の繊維が含まれている場合、他の繊維の配合量は、第2繊維層22全体に対して1〜50重量%、特に5〜30重量%であることが好ましい。一方、第1繊維層21の構成繊維としては、例えば通常の熱可塑性繊維や、レーヨン等の再生繊維、コットン等の天然繊維が挙げられる。また、第1繊維層21は、立体捲縮繊維を含んでいてもよい。特に、第1繊維層21は、熱可塑性ポリマー材料からなり且つ実質的に熱収縮性を有しないか又は前記潜在捲縮性繊維の熱収縮温度以下で熱収縮しない繊維からなるか、又は該繊維を含むことが好ましい。
If the constituent fiber of each fiber layer which comprises the 1st
第1の不織布13bの好ましい製造方法は次のとおりである。先ず、第1繊維層21及び第2繊維層22を構成する繊維集合体をそれぞれ製造する。かかる繊維集合体としては、例えばウエブや不織布を用いることができる。不織布は、例えばエアスルー法、ヒートロール法(熱エンボス法)、エアレイド法、メルトブローン法などによって製造される。ウエブは例えばカード機によって製造される。特に、第1繊維層21を構成する繊維集合体として不織布又はウエブを用い、第2繊維層22を構成する繊維集合体としてウエブを用いることが好ましい。
A preferred method for producing the first
第2繊維層22を構成するウエブには、潜在捲縮繊維が含まれていることが好ましい。潜在捲縮繊維は、加熱される前は、通常の不織布用の繊維と同様に取り扱うことができ、且つ所定温度での加熱によってコイル状(スパイラル状)の立体捲縮が発現して収縮する性質を有する繊維である。潜在捲縮繊維は、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。加熱によって立体捲縮が発現する潜在捲縮繊維としては、例えば大和紡績(株)製の潜在捲縮性繊維CPP(商品名)を用いることができる。
The web constituting the
次いで、第2繊維層22を構成する繊維集合体上に、第1繊維層21を構成する繊維集合体を重ね、これらを所定のパターンで部分的に接合する。両者を接合する方法は、少なくとも第1繊維層21の厚みが他の部位よりも減少した接合部23を形成できる限り各種の方法を用いることができる。例えば、熱エンボス又は超音波エンボスが好ましい。接合部23は、互いに独立した散点状のものであっても良いし、直線状や曲線状(連続波形等を含む)、格子状、ジグザグ形状等であっても良い。接合部23を散点状に配置する場合の各接合部23の形状は、円形状、三角形状、四角形状等、任意の形状とすることができる。その場合の各接合部23の配列パターンは、例えば図3(a)に示すように菱形格子状とすることができる。
Next, the fiber assembly constituting the
接合された第1繊維層21と第2繊維層22に対して、熱を付与し、第2繊維層22に含まれる潜在捲縮繊維をコイル状(スパイラル状)に立体捲縮させる。付与する熱の温度は、第2繊維層22に含まれる潜在捲縮繊維が熱収縮を開始する温度以上とする。熱の付与には例えば、熱風をエアスルー方式で吹き付ける方法を用いることができる。この捲縮によって、接合部23間に位置する第2繊維層22の構成繊維が収縮する。それによって第2繊維層22はその面内方向に収縮する。一方、第1繊維層21の構成繊維は収縮しない。したがって第2繊維層22の面内方向への収縮によって、接合部23間に位置する第1繊維層21の構成繊維は、平面方向への行き場を失い厚み方向へ移動する。これによって、接合部23間が隆起して、第1繊維層21の側に凸部24が多数形成される。また凸部24間、即ち接合部23の位置に凹部25が形成される。このようにして、第1繊維層21側の表面が凹凸形状となっている第1の不織布13bが得られる。
Heat is applied to the bonded
蒸気温熱具10の第1の面13が、以上の構成を有する第1の不織布13bからなるのに対し、第2の面14を構成する第2の不織布14bの種類には、特に制限はない。第2の不織布14bとしては、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、ケミカルボンド不織布、ヒートボンド不織布などの一般的な不織布を用いることができる。
The
第2の面14を構成する第2の不織布14bの表面には、蒸気温熱具10を着用者の衣類、例えばショーツに固定するための粘着部16が設けられている(図1(b)参照)。粘着部16は、例えば熱可塑性樹脂であるアクリル系樹脂や酢酸ビニル系樹脂などの粘着剤を第2の不織布14bの表面に塗工することで形成されている。これらの樹脂は非転着性であることが好ましい。粘着部16は、第2の不織布14bの表面の全域に形成されていてもよく、或いは部分的に形成されていてもよい。
On the surface of the second
蒸気温熱具10は、図4に示すように、その上縁10aが上側に位置し且つ下縁10bが下側に位置するように、粘着部16によってショーツ30の内面に固定されて使用される。この状態においては、蒸気温熱具10の長手方向は、水平方向に一致する。蒸気温熱具10は、ショーツ30の内面に直接固定されるので、ショーツ30の形状(股上の深いものや浅いもの)によらず所望の位置に蒸気温熱具10を固定することができる。特に、蒸気温熱具10の固定位置が、同図に示すように、ショーツ30の前身頃30aにおける股下部30bの近傍、つまり最下腹部に対応する位置であると、着用者の身体への水蒸気の付与による生理痛の緩和の効果が顕著なものとなる。一般にショーツ30は、その前身頃30aから股下部30bに向けて切れ込んだ形状をしているので、蒸気温熱具10の輪郭が、その切れ込んだ形状に一致していると、着用者の最下腹部に対応する位置にフィット性よく蒸気温熱具10を固定することができる。そこで蒸気温熱具10は、その下縁10bが、該蒸気温熱具10の横中心線L(図1(a)参照)に対して外向きの凸状となるような曲線形状をしている。
As shown in FIG. 4, the
蒸気温熱具10を着用者の最下腹部に対応する位置に一層フィット性よく固定する観点から、下縁10b並びに側縁10c,10dは以下に述べるような曲線形状を有していることが好ましい。即ち、図5に示すように、下縁10bにおける最下部の位置での接線Hから20mm下方の位置において該接線Hと平行に引いた直線Lと、蒸気温熱具10の縦中心線Cとの交点をSとし、また、該直線L上における該交点Sから45mm離れた位置をTとし、更に位置Tを通る蒸気温熱具10の側縁10d(10c)の接線をPとしたとき、下縁10b及び側縁10c,10dは、該接線Pと該直線Lとのなす角θが100〜150度、特に100〜130度となるような曲線形状を有していることが好ましい。これに関連して、蒸気温熱具10におけるX方向(図1参照)の長さは120〜180mm、特に130〜160mmであることが好ましく、Y方向(図1参照)の長さは70〜100mm、特に80〜90mmであることが好ましい。
From the viewpoint of fixing the
本実施形態の蒸気温熱具10によれば、これを図4に示すように装着することで、所定温度に加熱された水蒸気による熱が直接着用者の身体に施されるので、生理痛が効果的に緩和される。この理由は、水蒸気の発生を伴う熱は、水蒸気の発生を伴わない熱に比べて熱の伝導が速いので、人体の深部の温度を一層高め得るからである。人体の深部の温度が高くなることで、自律神経を介して温熱中枢が刺激され、それによって血管が拡張して血流が増加し、また末梢温度が上昇する。それによって生理痛が緩和されるものと考えられる。特に生理痛(原発性月経困難症)は、プロスタグランジン(PG)の分泌によって子宮が過剰に収縮することで発生することが知られている。蒸気温熱具10による加温で血流が増加し、それによって子宮でのPGの滞留が防止されることで、生理痛が緩和されると考えられる。
According to the
蒸気温熱具10における発熱部11について説明すると、発熱部11は、被酸化性金属、反応促進剤、電解質及び水を含む。そのような発熱部11は、例えば発熱シート又は発熱粉体からなる。発熱部11が発熱シートからなる場合には、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤、繊維状物、電解質及び水を含む、含水状態の繊維シートであることが好ましい。すなわち、発熱シートは、被酸化性金属、反応促進剤及び繊維状物を含有する成形シートに、電解質水溶液を含有させて構成されていることが好ましい。発熱シートとしては、湿式抄造により得られたシート状物や、発熱粉体を紙等で挟持してなる積層体等が挙げられる。そのような発熱シートは、例えば本出願人の先の出願に係る特開2003−102761号公報に記載の湿式抄造法や、ダイコーターを用いたエクストルージョン法を用いて製造することができる。一方、発熱部11が発熱粉体からなる場合には、発熱粉体は被酸化性金属、反応促進剤、保水剤、電解質及び水を含んで構成されていることが好ましい。発熱シート及び発熱粉体のうち、どのような姿勢においても水蒸気を均一に適用し得る点から、発熱シートを用いることが好ましい。また、発熱シートは、発熱粉体に比較して、発熱の温度分布を均一化することが容易であり、また、被酸化性金属の担持能力が優れている点からも有利である。
The
発熱部11が発熱シートからなる場合、該発熱シートは好ましくは60〜90重量%、更に好ましくは70〜85重量%の被酸化性金属、好ましくは5〜25重量%、更に好ましくは8〜15重量%の反応促進剤及び好ましくは5〜35重量%、更に好ましくは8〜20重量%の繊維状物を含む成形シートに、該成形シート100重量部に対して、好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%の電解質を含む電解質水溶液が、好ましくは30〜80重量部、更に好ましくは40〜70重量部含有されて構成されている。一方、発熱部11が発熱粉体からなる場合、該発熱粉体は好ましくは20〜50重量%、更に好ましくは25〜40重量%の被酸化性金属、好ましくは3〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%の反応促進剤及び好ましくは3〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%の保水剤を含む固形分100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%の電解質を含む電解質水溶液が、好ましくは20〜70重量部、更に好ましくは30〜60重量部含有されて構成されている。発熱シートや発熱粉体を構成する各種材料としては、当該技術分野において通常用いられているものと同様のものを用いることができる。また、先に述べた特開2003−102761号公報に記載の材料を用いることもできる。
When the
本実施形態の蒸気温熱具10は、その使用前は、その全体が酸素バリア性を有する包装材(図示せず)によって包装されて、発熱部11が空気中の酸素と接触しないようになっている。酸素バリア性の材料としては、例えばその酸素透過係数(ASTM D3985)が10cm3・mm/(m2・day・MPa)以下、特に2cm3・mm/(m2・day・MPa)以下であるようなものが好ましい。具体的にはエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリアクリロニトリル等のフィルム、又はそのようなフィルムにセラミック若しくはアルミニウム等を蒸着したフィルムが挙げられる。
The
包装材には、蒸気温熱具10が生理痛を緩和する旨の表示を付すことが好ましい。このような表示によって、消費者に対して、従来知られていた一般の使い捨てカイロでは十分に達成し得なかった生理痛の緩和効果が、本発明によって達成されることを知らせることができる。したがって消費者は、本発明の改良された性能の十分な価値を容易に認識することになる。前記の表示には、文字はもちろんのこと、記号や図形等、本発明の改良された性能を消費者に伝え得るあらゆる情報手段が含まれる。また前記の表示には、本発明が、他の製品に比して優れている旨の情報を含めることができる。さらに、前記の表示を包装袋に付すことに加えて、又はそれに代えて、当該表示を含む指示書を、蒸気温熱具10と共に包装材の中に入れてもよい。或いは、蒸気温熱具10そのものに、当該表示を付してもよい。
It is preferable to attach an indication to the packaging material that the
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては蒸気温熱具10が固定される衣類としてショーツを例にとり説明したが、蒸気温熱具10が固定される衣類はショーツに限られず、蒸気温熱具によって温めたい部位に応じ、種々の衣類に蒸気温熱具を固定することができる。
As mentioned above, although this invention was demonstrated based on the preferable embodiment, this invention is not restrict | limited to the said embodiment. For example, in the above-described embodiment, the shorts have been described as an example of the clothes to which the
また前記実施形態は、本発明の発熱体を蒸気温熱具に適用した例であるが、本発明は、蒸気温熱具以外の発熱体、例えば使い捨てカイロとして知られている、水蒸気の発生を実質的に伴わずに発熱する発熱体にも同様に適用することができる。 Moreover, although the said embodiment is an example which applied the heat generating body of this invention to the steam heating tool, this invention substantially produces | generates water vapor | steam known as heating elements other than a steam heating tool, for example, a disposable body warmer. The present invention can be similarly applied to a heating element that generates heat without accompanying.
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されるものではない。特に断らない限り「%」及び「部」はそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味する。 Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the scope of the present invention is not limited to such examples. Unless otherwise specified, “%” and “part” mean “% by weight” and “part by weight”, respectively.
〔実施例1〕
(1)発熱部の製造
<スラリーの配合>
・繊維状物:パルプ繊維(NBKP、製造者:フレッチャー チャレンジ カナダ、商品名「Mackenzie」、CSF140ml)8%
・被酸化性金属:鉄粉(同和鉄粉鉱業(株)製、商品名「RKH」)83%
・反応促進剤:活性炭(日本エンバイロケミカル(株)製、商品名「カルボラフィン」)9%
原料組成物固形分(繊維状物、被酸化性金属及び反応促進剤の合計)100部に対し、カチオン系凝集剤であるポリアミドエピクロロヒドリン樹脂(星光PMC(株)製、商品名「WS4020」)0.7部及びアニオン系凝集剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬(株)製、商品名「HE1500F」)0.18部を添加した。さらに、水(工業用水)を、固形分濃度が12%となるまで添加した。
[Example 1]
(1) Production of heat generating part <Slurry blending>
・ Fiber: Pulp fiber (NBKP, manufacturer: Fletcher Challenge Canada, trade name “Mackenzie”, CSF 140 ml) 8%
・ Oxidizable metal: Iron powder (manufactured by Dowa Iron Mining Co., Ltd., trade name “RKH”) 83%
・ Reaction accelerator: Activated carbon (manufactured by Nippon Enviro Chemical Co., Ltd., trade name “Carborafine”) 9%
Polyamide epichlorohydrin resin (manufactured by Seiko PMC Co., Ltd., trade name “WS4020”) based on 100 parts of the solid content of the raw material composition (total of fibrous material, oxidizable metal and reaction accelerator) “) 0.7 part and 0.18 part of carboxymethylcellulose sodium (Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd., trade name“ HE1500F ”) as an anionic flocculant was added. Further, water (industrial water) was added until the solid concentration was 12%.
<抄紙条件>
原料組成物を用い、抄紙ヘッドの直前で0.3%に水希釈し、傾斜型短網抄紙機によって、ライン速度15m/分にて抄紙して湿潤状態の成形シートを作製した。
<Paper making conditions>
Using the raw material composition, it was diluted with water to 0.3% immediately before the paper making head, and paper was made with an inclined short paper machine at a line speed of 15 m / min to produce a wet shaped sheet.
<脱水・乾燥条件>
成形シートをフェルトで挟持して加圧脱水し、そのまま140℃の加熱ロール間に通し、含水率が5%以下になるまで乾燥した。乾燥後の坪量は450g/m2、厚さは0.45mmであった。このようにして得られた成形シートの組成を熱重量測定装置(セイコーインスツルメンツ社製、TG/DTA6200)を用いて測定した結果、鉄83%、活性炭9%、パルプ8%であった。
<Dehydration and drying conditions>
The molded sheet was sandwiched with felt and dehydrated under pressure, passed through a heating roll at 140 ° C. as it was, and dried until the water content became 5% or less. The basis weight after drying was 450 g / m 2 and the thickness was 0.45 mm. The composition of the molded sheet thus obtained was measured using a thermogravimetric measuring apparatus (TG / DTA6200, manufactured by Seiko Instruments Inc.), and as a result, it was 83% iron, 9% activated carbon, and 8% pulp.
<電解質水溶液>
電解質:精製塩(NaCl)
水:蒸留水
電解液濃度:5%
<Aqueous electrolyte solution>
Electrolyte: Purified salt (NaCl)
Water: Distilled water Electrolyte concentration: 5%
<電解質水溶液添加条件>
得られた成形シートを4.9×10.8cmに切り取り、3枚重ね合わせてから、成形シートの重量に対して45%に相当する5%食塩水を含浸させてシート状の発熱部を作製した。
<Electrolytic aqueous solution addition conditions>
The obtained molded sheet was cut to 4.9 × 10.8 cm, and three sheets were stacked, and then impregnated with 5% saline corresponding to 45% with respect to the weight of the molded sheet to produce a sheet-like heating part. did.
(2)収容体の製造
図1及び図2に示す構造の収容体を製造した。透湿性シート13aとして、透湿性のポリエチレン製多孔質透湿性フィルム(通気度20000秒/100ml)を用いた。第1の不織布13bとして、以下の方法で製造されたものを用いた。透湿性シート13aと不織布13bとを、それらの周縁部のみで接合し、周縁部より内側の部分では両者を非接合状態とした。シート14aとして、透湿性のポリエチレン製多孔質透湿性フィルムを用いた。第2の不織布14bとして、ポリエステル系スパンボンド不織布(坪量40g/m2)を用いた。シート14aと第2の不織布14bとはホットメルト粘着剤でラミネートした。シート14aと第2の不織布14bとのラミネートの通気度は60000秒/100mlであった。得られた収容体の大きさはX方向の長さが155mm、Y方向の長さが85mmであった。また、図5に示す角θは120度であった。
(2) Production of container A container having the structure shown in FIGS. 1 and 2 was produced. A moisture-permeable polyethylene porous moisture-permeable film (air permeability 20000 seconds / 100 ml) was used as the moisture-
(3)蒸気温熱具の製造
得られた収容体内に発熱部を収容して、図1及び図2に示す構造の蒸気温熱具を得た。この蒸気温熱具は、第1の面13の側から、加熱された蒸気を発生するものであった。
(3) Manufacture of Steam Heater The heat generating part was accommodated in the obtained container, and the steam heater having the structure shown in FIGS. 1 and 2 was obtained. This steam heating tool generates heated steam from the
(4)第1の不織布13bの製造
(a)第1繊維層21の製造
大和紡績株式会社製の芯鞘型複合繊維NBF(H)〔商品名、1.1dtex×51mm〕を原料として、カード法によって坪量10g/m2のカードウエブを製造し、これを第1繊維層21として用いた。前記芯鞘型複合繊維はポリエチレンテレフタレートを芯成分、ポリエチレンを鞘成分とするものであった。
(b)第2繊維層22の製造
大和紡績株式会社製の潜在螺旋状捲縮繊維〔CPP繊維(商品名)、2.2dtex×51mm、熱収縮開始温度90℃〕を原料として、カード法によって坪量20g/m2のカードウエブを製造し、これを第2繊維層21として用いた。
(c)第1の不織布13bの製造
第1繊維層21と第2繊維層22とを重ね合わせ、超音波エンボス法によって部分的に接合した。接合部23は直径1.5mmの円形であり、全体として図3(a)に示すパターンを形成していた。両者を接合後、エアスルー方式で130℃±10℃の熱風を1〜10分程度吹き付けて、第2繊維層22の潜在捲縮繊維を捲縮させ第2繊維層22を収縮させると共に接合部間の第1繊維層21を凸状に突出させ、図3(a)及び(b)に示す多数の凸部24を有する第1の不織布13bを製造した。第1繊維層21が凸状に突出した部分の内部は図3(b)に示すように繊維で満たされていた。得られた第1の不織布13bの坪量は60g/m2であり、第1繊維層21の坪量は20g/m2、第2繊維層21の坪量は40g/m2であった。また、凸部24における厚みT1は2.0mm、凹部25における厚みT2は0.8mmであった。接合部23の面積率は9%であった。さらに、図6及び図7に示す方法で測定された水平方向への空気透過容量が140ml/(cm2・秒)であった。
(4) Manufacture of the first
(B) Production of
(C) Manufacture of the 1st
(5)評価1
<血流量の測定>
得られた蒸気温熱具について、生理痛の緩和効果を次の手順で評価した。健康な6名の女子大学生(平均年齢21.9±1.5歳)を被験者とした。6名の被験者のうち、4名の被験者は生理痛の悩みを持つ者であり、2名の被験者は生理痛の悩みを持たない者であった。被験者に対し、月経期間中に蒸気温熱具を下腹部に装着させた。装着時間は5時間とした。蒸気温熱具の装着前及び装着してから5時間経過後に、被験者の子宮動脈の血流の速度を、超音波診断装置(アロカ社、SSD-3500)を用いて測定した。この装置によれば、動脈の血流波形が得られ、その血流波形からVmax(収縮期最高血流速度)及びVmin(拡張期最低血流速度)が求められる。そしてVmaxとVminとから、RI=(Vmax−Vmin)/Vmaxで定義されるResistance Index値が求められる。RI値は、末梢血管抵抗を反映する指標であり、その値が小さいほど血液が流れやすいことを示す。蒸気温熱具の適用前後での各被験者のRI値の測定結果を図8(a)に示す。なお、測定は1被験者に対し5〜10カ所で計測を行い平均値を算出した。この結果から、6名の被験者のうち4名の被験者についてRI値が低下したことが判る。RI値が低下した4名の被験者の内訳を調べたところ、すべて生理痛の悩みを持つ者であることが判った。すなわち図8(b)に示す結果となることが判った。そして、聞き取り調査の結果、生理痛の悩みを持つ4名すべての被験者が、生理痛(下腹部痛)が緩和されたと回答した。以上の結果から、生理痛の悩みを持つ被験者に対して本発明の蒸気温熱具を適用すると、RI値が低下すること、すなわち血液の流れが良好になることが判り、それによって生理痛が緩和されることが判る。また、図には示していないが、蒸気温熱具の装着に起因する蒸れ感は認められず、肌のかぶれ等は発生しなかった。
(6)評価2
<皮膚温の測定>
得られた蒸気温熱具をショーツ内側に貼り、発熱部が下腹部に当たるよう使用した時の皮膚温度を図9に示した。測定には、Gram Corporation製データ収集型ハンディタイプ温度計LT-8を用い、発熱部が当たっている中心部の皮膚温度を測定した。同図に示す結果から、40℃前後の皮膚温度が5時間以上持続したことが判る。この測定中、蒸気温熱具装着中に違和感や蒸れはなかった。また、発熱後6−7時間で1度ショーツの脱着を行ったときに、脱着に起因して蒸気温熱具が剥がれ落ちることはなかった。
(5) Evaluation 1
<Measurement of blood flow>
About the obtained steam heating tool, the relaxation effect of the menstrual pain was evaluated in the following procedure. Six healthy female college students (average age 21.9 ± 1.5 years) were used as subjects. Of the 6 subjects, 4 subjects were menstrual pains and 2 subjects were not menstrual pains. The subject was put a steam heating device on the lower abdomen during the menstrual period. The wearing time was 5 hours. The blood velocity of the uterine artery of the test subject was measured using an ultrasonic diagnostic apparatus (ALOCA, SSD-3500) before and 5 hours after mounting the steam heating device. According to this apparatus, a blood flow waveform of an artery is obtained, and Vmax (maximum blood flow velocity in systole) and Vmin (minimum blood flow velocity in diastole) are obtained from the blood flow waveform. Then, a resistance index value defined by RI = (Vmax−Vmin) / Vmax is obtained from Vmax and Vmin. The RI value is an index reflecting peripheral vascular resistance, and the smaller the value, the easier the blood flows. The measurement result of the RI value of each subject before and after the application of the steam heating tool is shown in FIG. In addition, the measurement measured 5-10 places with respect to 1 test subject, and computed the average value. From this result, it can be seen that the RI value decreased for 4 subjects out of 6 subjects. An examination of the breakdown of the four subjects whose RI values decreased revealed that all of them were suffering from menstrual pain. That is, it was found that the result shown in FIG. As a result of the interview survey, all four subjects who suffered from menstrual pain replied that menstrual pain (lower abdominal pain) was relieved. From the above results, it can be seen that, when the steam heating device of the present invention is applied to a subject who suffers from menstrual pain, the RI value is lowered, that is, the blood flow is improved, thereby relieving menstrual pain. It can be seen that Further, although not shown in the figure, the feeling of stuffiness due to the installation of the steam heating device was not recognized, and skin irritation or the like did not occur.
(6) Evaluation 2
<Measurement of skin temperature>
FIG. 9 shows the skin temperature when the obtained steam heating tool was applied to the inside of the shorts and used so that the heat generating part hit the lower abdomen. For the measurement, a data collection type handheld thermometer LT-8 manufactured by Gram Corporation was used to measure the skin temperature at the center where the heat generating part hits. From the results shown in the figure, it can be seen that the skin temperature around 40 ° C. lasted for 5 hours or more. During this measurement, there was no sense of incongruity or stuffiness while wearing the steam heater. Further, when the shorts were detached once in 6-7 hours after the heat generation, the steam heating tool did not peel off due to the desorption.
10 蒸気温熱具
11 発熱部
12 収容体
13 第1の面
13a 透湿性シート
13b 第1の不織布
14 第2の面
14a シート
14b 第2の不織布
15 周縁接合部
16 粘着部
DESCRIPTION OF
Claims (7)
第2の面の外面に該発熱具を衣類へ固定するための粘着部が設けられており、また第1の面が、表面に凹凸形状を有する不織布によって構成されており、
該不織布は、一方の面とこれと反対側に位置する他方の面を有し、該一方の面を含む第1繊維層と、該他方の面を含む第2繊維層とを有し、両層が部分的に接合されて接合部が形成され、第1繊維層側に、多数の凸部及び該接合部上に存在する凹部が形成されたものであり、第2繊維層の表面が平坦な状態になっており、該一方の面を前記の第1の面として用いた発熱具。 A first surface located on the side close to the wearer's skin and having air permeability, a second surface located on the side far from the wearer's skin, and interposed between the first surface and the second surface A heating tool having a heating part arranged,
An adhesive part for fixing the heating tool to clothing is provided on the outer surface of the second surface, and the first surface is constituted by a nonwoven fabric having a concavo-convex shape on the surface,
The nonwoven fabric has one surface and the other surface located opposite thereto has a first fibrous layer comprising one surface said, and a second fibrous layer comprising the other surface, both The layer is partially bonded to form a bonded portion , and a plurality of convex portions and concave portions existing on the bonded portion are formed on the first fiber layer side, and the surface of the second fiber layer is flat. The heating tool using the one surface as the first surface.
上縁は、発熱具の横中心線に向かう内向きの凸状となるような曲線形状をしており、下縁は、該横中心線に対して外向きの凸状となるような曲線形状をしており、左右の側縁は、それぞれ外向きの凸状となるような曲線形状をしている請求項1記載の発熱具。 It has a vertically long shape having upper and lower edges extending in the longitudinal direction and left and right side edges extending in the width direction,
Upper edge has a curved shape such that the inward convex toward the transverse center line of the heating tool, the lower edge is curved such that the outwardly convex shape with respect to the transverse center line The heating tool according to claim 1, wherein the left and right side edges have curved shapes that are outwardly convex.
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