JP4394315B2 - レーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体状態となった試料の熱拡散率を高精度で決定できるレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、固体状態となった試料の熱伝導率(=密度×比熱×熱拡散率)測定の方法としては、密度、比熱、熱拡散率を個別に測定した後、それぞれの数値の積により求める方法が普及している。
この熱伝導率を求めるための一因子である熱拡散率は、レーザフラッシュ法による測定が一般的である。このレーザフラッシュ法は、直径が10mm、厚さ1〜2mm程度の円柱状の試料の表面にレーザパルス光を照射し、試料の裏面の温度を測定する方法で、試料の表面にレーザパルス光を照射した後、裏面温度が目標の温度に到達するまでの時間を利用して、試料の熱拡散率を計算する方法である。なお、熱拡散率は次に示す式で求める。
α=0.1388×L2 /t1/2 ・・・・・(3)
ここで、αは試料の熱拡散率、Lは試料厚さ、t1/2 は試料の裏面における実測温度応答のデータ曲線上で、レーザパルス光照射開始時刻から最高上昇温度の半分の値に温度が上昇するまでに要する時間(温度上昇時間とも言う)をそれぞれ示している。なお、(3)式は、熱損失がないと仮定したときに成立する式である。
【0003】
このレーザフラッシュ法を用いて熱拡散率を測定する場合、レーザパルス光のエネルギーが、照射側の試料の表層部に効率良く吸収される必要がある。しかし、金属材料には、レーザパルス光の吸収率が小さいため試料の温度上昇が小さくなる材料が多く、またセラミックス材料には、レーザパルス光の吸収率が小さいだけでなく透過してしまう材料もある。従って、どちらの材料においても、t1/2 の測定精度が悪くなり、結果的に熱拡散率の測定精度を低下させるので、正確な熱拡散率を得ることができない。
そこで、レーザパルス光の吸収率が高い材料である膜(例えば、カーボンスプレー等の材料)を試料の表面に形成(塗布)することで、金属材料の場合には、この膜によってレーザパルス光の吸収率を高め、またセラミックス材料の場合には、この膜によってレーザパルス光の吸収率を高めると共に試料中の透過を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、試料の表面に膜を形成して試料の熱拡散率を測定する場合、以下の問題がある。
試料の表面に膜を形成した場合、膜自体の熱物性値(熱拡散率、比熱、密度)及びその厚さにより、試料の裏面温度の立ち上がり速さ(初期時の温度上昇速度)が遅くなる。これにより、試料の裏面温度が最大値に達するまでの時間が長くなるため、式中のt1/2 の測定値が真の時間より長くなる。従って、膜を試料の表面に形成した場合、膜によりレーザパルス光の吸収率を高め試料の熱拡散率の測定精度を向上させる反面、膜によってt1/2 の測定精度が低下し、結果的に熱拡散率の測定精度を下げる可能性もあるので、高い精度の熱拡散率を得ることができなくなる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、試料に膜を形成することで発生する熱拡散率の測定精度の低下を抑制し、熱拡散率を高い精度で得ることが可能なレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法は、固体状試料の一面側に膜Aを形成した後、膜Aにレーザパルス光を照射して試料の他面側の温度上昇時間を測定し、試料の熱拡散率を求めるレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法であって、試料厚さと温度上昇時間とを基に仮熱拡散率を求め、仮熱拡散率を下記補正式に代入して試料厚さを補正した後、補正後の試料厚さLS5と温度上昇時間とを基に熱拡散率を求める。
【0006】
【数1】
【0007】
ここで、L1 は膜厚さ、L2 は試料厚さ、ρi は密度、ci は比熱、αi は熱拡散率、pはラプラス変数、下付き添え字の1は膜、2は試料をそれぞれ示す。これにより、試料の一面側のみに膜を形成した場合において、試料厚さを、試料の他面側の温度上昇時間に影響を及ぼす膜の熱物性値及びその厚さを考慮した数値に補正することが可能となる。
ここで、第1の発明に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法において、試料の他面側に更に膜Bを形成し、一面側と他面側にそれぞれ形成した膜A、Bの厚みの合計値を、補正式中の膜の厚さL1 として代入することで、試料の両側に膜A、Bが形成された場合について、補正式が適用できることが好ましい。これにより、試料の一面側のみに膜を形成した場合に使用する補正式を、試料の両面側に膜を形成した場合の補正式としても適用することが可能となる。
【0008】
前記目的に沿う第2の発明に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法は、固体状試料の両面側にそれぞれ膜A、Bを形成した後、一面側に形成された膜Aにレーザパルス光を照射して試料の他面側の温度上昇時間を測定し、試料の熱拡散率を求めるレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法であって、試料厚さと温度上昇時間とを基に仮熱拡散率を求め、仮熱拡散率を下記補正式に代入して試料厚さを補正した後、補正後の試料厚さLS6と温度上昇時間とを基に熱拡散率を求める。
【0009】
【数2】
【0010】
ここで、L1 は一面側の膜厚さ、L2 は試料厚さ、L3 は他面側の膜厚さ、ρi は密度、ci は比熱、αi は熱拡散率、pはラプラス変数、下付き添え字の1は一面側の膜、2は試料、3は他面側の膜をそれぞれ示す。これにより、試料の両面側に膜を形成した場合において、試料厚さを、試料の他面側の温度上昇時間に影響を及ぼす膜の熱物性値及びその厚さを考慮した数値に補正することが可能となる。
ここで、第2の発明に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法において、補正式中の他面側の膜Bの厚さをゼロとすることで、試料の一面側のみに膜Aが形成された場合について、補正式が適用できることが好ましい。これにより、試料の両面側に膜を形成した場合に使用する補正式を、試料の片面側のみに膜を形成した場合の補正式としても適用することが可能となる。
また、第1、第2の発明に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法において、補正式中の全ての膜の厚さを薄いと仮定し、補正式を近似式としてもよい。ここで、膜の厚さは、膜厚さが試料厚さに対して無視できるほど薄いこと、即ち補正した試料厚さへの影響がほとんど無いほど薄いことを意味する。これにより、試料厚さの補正式を簡略化することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の第1、第2の実施の形態に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法に使用する測定装置10は、レーザパルス光を多層材料からなる測定試料11に照射し、その測定試料11の裏面側の実測温度応答のデータを基にして、測定試料11の熱拡散率を測定する装置である。
この測定装置10のレーザパルス光発生部12は、必要により任意波形のレーザパルス光の発生が可能であり、例えば測定試料11の熱物性値の範囲に応じて特殊な波形を選択することで計算を簡略化したり、特定領域での測定精度を向上させることもできるようになっている。なお、測定試料11の裏面の実測温度応答は、放射温度計、又は熱電対等を用いた測温器13により測定される。
測定試料11に照射するレーザパルス光の波形信号は、測定試料11とレーザパルス光発生部12との間に設けられたハーフミラー14を経由してレーザパルス光検出部15に取り込まれるようになっている。
そして、前記測温器13及びレーザパルス光検出部15からの信号データを、コンピュータ16に取り込み、信号データを基にして、熱拡散率を決定する演算処理を行う。次いで、このデータ及び演算結果をコンピュータ16に接続する出力器17に表示できるように全体が構成されている。
【0012】
続いて、本発明の第1、第2の実施の形態に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法について説明する。
なお、多層(2層又は3層)状態となった測定試料(膜を試料の一面側のみ、又は両面側に塗布した試料)の裏面側温度を測定する場合、その温度は各層の熱拡散率、体積熱容量(密度×比熱)、厚さの関数となる。そこで、予め対象となる試料、例えば金属材料の熱物性値(熱拡散率、体積熱容量)の大きさの程度について確認しておく。
この金属材料の熱物性値の大きさの程度は、従来公知の例えば文献を用いて、図2〜図4に示すような数値となっている。ここで、室温における純金属及び合金の熱拡散率と体積熱容量の関係を図2、図3に、また温度を変更した場合の純金属の熱拡散率と体積熱容量の関係を図4にそれぞれ示す。
【0013】
本発明の第1の実施の形態に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法は、例えば前記した測定装置10を使用し、例えば、金属(合金も含む)、セラミックス材料、有機材料等の固体状試料(固体状態となった試料)の一面(表面)側にレーザパルス光の吸収率が高い材料である膜の一例である黒化膜(例えば、カーボンスプレー等の材料)Aを形成(塗布)した後、黒化膜Aにレーザパルス光を照射して試料の他面(裏面)側の温度上昇時間を測定し、試料の熱拡散率を求める方法である。
【0014】
まず、試料厚さL2 と、測定装置10を用いて得られた温度上昇時間t1/2 とを基に、前記した(3)式を用いて仮熱拡散率を求める。
次に、この仮熱拡散率を下記補正式に代入して試料厚さを補正する。
【0015】
【数1】
【0016】
ここで、L1 は黒化膜厚さ、L2 は試料厚さ、ρi は密度、ci は比熱、αi は熱拡散率、pはラプラス変数、下付き添え字の1は黒化膜、2は試料をそれぞれ示す。
なお、前記した仮熱拡散率は、k2 及びr2 の式中の試料の熱拡散率α2 にそれぞれ代入される。
この結果得られる補正後の試料厚さLS5と、前記した温度上昇時間t1/2 とを基に、再度(3)式を用いて試料の熱拡散率を求める。
このように、熱拡散率は、測定することで得られた温度上昇時間t1/2 を(3)式に代入して仮熱拡散率を求めた後、補正式である(1)式を用いて黒化膜の熱物性値(熱拡散率、比熱、密度)及びその厚さに見合っただけの試料厚さの補正値を計算し、この補正値を(3)式中の試料厚さLに代入して熱拡散率を計算する繰り返し演算により求められる。
なお、前記した補正式は、この補正式を使用して演算処理するプログラムとして、前記測定装置10を構成するコンピュータ16に記憶されていることが好ましく、これに測定結果で得られた数値が自動的に入力されることで、熱拡散率が演算され求められる。
【0017】
次に、前記した補正式を用いて得られる熱拡散率の精度、即ち黒化膜の熱拡散率解析値への影響を評価するため、図2〜図4に示した調査結果を基に、金属材料表面に黒化膜を施した2層材の理論データを作成する。なお、黒化膜の熱物性値については、従来公知の文献から得られる室温における測定結果を参考にして設定する。
金属材料の体積熱容量は、概ね1000〜9000kJ/m3 /Kの範囲に入るため、熱拡散率を固定して体積熱容量を1000kJ/m3 /Kから9000kJ/m3 /Kまで1000kJ/m3 /Kずつ増加させたデータを作成する。この際、体積熱容量は密度のみ変更し、比熱は固定した。また、黒化膜の厚さは10μmとした。なお、金属材料は、熱拡散率を1.0×10-6m2 /s、1.0×10-5m2 /s、及び2.0×10-4m2 /sとし、その厚さは従来公知のパルス重心法を用いた解析を考慮して、熱拡散率が2.0×10-4m2 /sのものを3.142mm、他のものを1mmとした。それぞれ作成した理論データを表1〜表3に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
次に、体積熱容量を1000kJ/m3 /K、及び9000kJ/m3 /Kとし、試料厚さを変更すると共に、黒化膜厚さを0.005mm、0.01mm、0.02mmにそれぞれ設定することで、試料厚さの影響及び黒化膜厚さの影響を調査するための理論データを作成する。なお、金属材料は、熱拡散率を1.0×10-6m2 /s、1.0×10-5m2 /s、及び2.0×10-4m2 /sとし、試料厚さはパルス重心法を用いた解析を考慮して、熱拡散率が2.0×10-4m2 /sの場合が3.142mm、他の熱拡散率の場合、各熱拡散率についてそれぞれ1.000mm、1.414mm、1.732mmに設定した。それぞれ作成した理論データを表4〜表8に示す。
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】
また、補正式である(1)式の黒化膜厚さに関する適用範囲を確認するため、黒化膜厚さを変更した理論データを作成した。この際、試料厚さは1mmに固定し、黒化膜厚さのみを0.005〜0.9mmの範囲で変更した。作成した理論データを表9〜表12に示す。
【0028】
【表9】
【0029】
【表10】
【0030】
【表11】
【0031】
【表12】
【0032】
続いて、上記した表1〜表12を用いて、熱拡散率を解析した結果について説明する。
なおここでは、以下の式を比較対象として使用する。
Ls1=Ls ・・・・・(4)
これは、試料厚さLs を補正することなく、そのまま使用する方法である。
Ls2=Ls +Lc ・・・・・(5)
これは、試料厚さLs に黒化膜厚さLc を加えて、試料厚さを補正する方法である。
【0033】
【数3】
【0034】
これは、体積熱容量比(ρc cc /ρs cs )、及び熱拡散率比(αc /αs )を用いて黒化膜厚さを補正する方法である。なお、体積熱容量比及び熱拡散率比は、それぞれ[(ρc)c /(ρc)s ]、[(α)c /(α)s ]とも示される。
【0035】
【数4】
【0036】
これは、体積熱容量比(ρc cc /ρs cs )、及び熱拡散率比(αc /αs )を用いて黒化膜厚さを補正する他の方法である。
【0037】
黒化膜(10μm)を一面側に施した試料(厚さ1mm)の体積熱容量を変化させた前記理論データを用いて、補正式である(1)式、及び前記した(4)〜(7)式から求められる補正した試料厚さを設定して熱拡散率解析した結果を図5〜図7に示す。また、その結果について以下に説明する。
1)どの式を用いた場合でも、熱拡散率解析値は体積熱容量比に依存することが分かる。
2)試料厚さのみの((4)式を使用した)場合、熱拡散率解析値は熱拡散率の真値に対して−2〜−3%程度低い値となる可能性があり、体積熱容量比[(ρc)c /(ρc)s ]が小さいほど熱拡散率解析精度が高く、また黒化膜の試料に対する熱拡散率比[(α)c /(α)s ]が1から離れるほど解析精度が低くなる傾向がある(図中の●:Ls1参照)。
【0038】
3)試料の厚みに黒化膜の厚みを加えた((5)式を使用した)場合、熱拡散率精度は±2%程度の誤差を示す可能性がある。また、体積熱容量比[(ρc)c /(ρc)s ]が小さいほど熱拡散率解析値は大きくなる。そして、熱拡散率が10-5〜10-6m2 /s程度においては、体積熱容量比が小さい場合、熱拡散率精度が正の誤差を示し、大きくなると負の誤差を示している(図中の○:Ls2参照)。
4)試料の熱拡散率が1.0×10-6m2 /sの場合には、(1)、(6)、及び(7)式をそれぞれ用いたどの方法を使用しても、1%より良い精度で補正できる。しかし、試料の熱拡散率が1.0×10-5m2 /s、及び2.0×10-4m2 /sの場合には、(6)及び(7)式を用いた補正方法は、体積熱容量比[(ρc)c /(ρc)s ]が大きくなるほど熱拡散率精度が低くなる(図中の□:Ls3、◇:Ls4参照)が、(1)式を用いた補正方法は、試料熱拡散率が大きい場合においても、検討した全領域で熱拡散率を1%より良い精度で解析することができる(図中の△:Ls5参照)。
【0039】
次に、試料厚さ、及び黒化膜厚さを変化させた前記理論データを用いて、(1)、及び(4)〜(7)式から求められる補正した試料厚さを設定して熱拡散率解析した結果を図8〜図10に示す。また、その結果について以下に説明する。
1)試料厚さのみの((4)式を使用した)場合、試料が厚いとき、黒化膜が薄いとき(例えば、黒化膜厚さが0.02mmと厚い場合、熱拡散率解析精度が−6〜7%程度と悪くなる)、体積熱容量比[(ρc)c /(ρc)s ]が小さいとき、及び熱拡散率比[(α)c /(α)s ]が1に近いとき、熱拡散率の解析精度が高くなる(図中の●:Ls1参照)。
2)試料の厚みに黒化膜の厚みを加えた((5)式を使用した)場合、黒化膜が厚いほど熱拡散率精度が低く、熱拡散率精度は熱拡散率、体積熱容量に依存する(例えば、黒化膜厚さが0.02mmと厚い場合、熱拡散率の精度は+3〜−5%程度と悪い)。また、熱拡散率が10-5〜10-6m2 /s程度においては、体積熱容量比が小さい場合、熱拡散率精度は正の誤差を示し、一方大きい場合には負の誤差を示している(図中の○:Ls2参照)。
【0040】
3)試料の熱拡散率が1.0×10-6m2 /sにおいては、(1)及び(7)式を用いた補正方法が、検討した全ての理論データにおいて、熱拡散率を1%より良い精度で求めることができる。一方、(6)式を用いた補正方法は、試料厚さ1mm、黒化膜厚さ0.02mmのデータを除いて1%より良い精度で熱拡散率を求めることができるが、熱拡散率が10-6m2 /sより大きくなると補正が不充分であり、10%を超える誤差を示す場合もある(図中の□:Ls3参照)。
また、(7)式を用いた補正方法は、(6)式を用いた補正方法より熱拡散率の精度が向上するが、熱拡散率が真値より大きく、黒化膜厚さが厚くなるに従い精度が落ちる(図中の◇:Ls4参照)。しかし、(1)式を用いた補正方法は、膜厚0.02mmのデータの内、試料の熱拡散率が2.0×10-4m2 /s、厚さが3.142mmの場合、及び試料熱拡散率が1.0×10-5m2 /s、厚さが1.00mmの場合を除いたデータで熱拡散率を1%より良い精度で解析することができる(図中の△:Ls5参照)。
【0041】
表9〜表12に示す試料厚さ1mmで黒化膜厚さを変更した前記理論データを用いて、補正式である(1)式から求められる補正した試料厚さを設定して熱拡散率解析した結果を図11に示す。また、その結果について以下に説明する。
1)黒化膜厚さが薄く、黒化膜の試料に対する特性時間比(t0c/t0s)が概略0.01程度までであれば、熱拡散率は1%程度の精度で求めることができる。それ以上黒化膜が厚くなると、次第に精度が落ちる。なお、特性時間とは、厚さの2乗を熱拡散率で割ったものに比例する(t0 ∝L2 /α)。従って、特性時間比とは、理論データ中にある試料及び黒化膜のそれぞれの熱拡散率と厚みから求められる特性時間の比を計算したものである。
2)熱拡散率を1%より良い精度で求められる特性時間比の領域は、表13に示す範囲である。
【0042】
【表13】
【0043】
3)熱拡散率を1%より良い精度で解析可能な黒化膜の試料に対する特性時間比(t0c/t0s)は、試料の熱拡散率が大きいほど小さい。
4)熱拡散率を1%より良い精度で解析可能な黒化膜の試料に対する特性時間比(t0c/t0s)は、体積熱容量が大きくなるに従って次第に小さくなる。
【0044】
なお、試料の他面側に更に黒化膜Bを形成し、一面側と他面側にそれぞれ形成した黒化膜A、Bの厚みの合計値を、補正式中の黒化膜の厚さL1 として代入することで、試料の両側に黒化膜A、Bが形成された場合について、補正式である(1)式を適用することも可能である。
また、補正式である(1)式は、補正式中の全ての黒化膜の厚さL1 を極限まで薄い(黒化膜厚さが試料厚さに対して無視できるほど薄い、即ち補正した試料厚さへの影響がほとんど無いほど薄い)と仮定し、補正式を近似式として試料厚さLs5を補正して熱拡散率を求めることも可能である。この式を以下に示す。
【0045】
【数5】
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法について説明するが、本発明の第1の実施の形態に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法とは、試料に形成された黒化膜の位置及び補正式のみが異なるため、他については詳しい説明を省略する。
この測定方法は、例えば前記した測定装置10を使用し、固体状試料の両面側にそれぞれ黒化膜A、Bを形成した後、一面側に形成された黒化膜Aにレーザパルス光を照射して試料の他面側の温度上昇時間を測定し、試料の熱拡散率を求める方法である。
【0047】
まず、試料厚さL2 と、測定装置10を用いて得られた温度上昇時間t1/2 とを基に、前記した(3)式を用いて仮熱拡散率を求め、この仮熱拡散率を下記補正式に代入して試料厚さを補正する。
【0048】
【数2】
【0049】
ここで、L1 は一面側の黒化膜厚さ、L2 は試料厚さ、L3 は他面側の黒化膜厚さ、ρi は密度、ci は比熱、αi は熱拡散率、pはラプラス変数、下付き添え字の1は一面側の黒化膜、2は試料、3は他面側の黒化膜をそれぞれ示す。
なお、前記した仮熱拡散率は、k2 及びr2 の式中の試料の熱拡散率α2 にそれぞれ代入される。
この結果得られる補正後の試料厚さLs6と、前記した温度上昇時間t1/2 とを基に、再度(3)式を用いて試料の熱拡散率を求める。
このように、熱拡散率は、測定することで得られた温度上昇時間t1/2 を(3)式に代入して仮熱拡散率を求めた後、補正式である(2)式を用いて黒化膜の熱物性値及びその厚さに見合っただけの試料厚さの補正値を計算し、この補正値を(3)式中の試料厚さLに代入して熱拡散率を計算する繰り返し演算により求められる。
なお、前記した補正式は、この補正式を使用して演算処理するプログラムとして、前記測定装置10を構成するコンピュータ16に記憶されていることが好ましく、これに測定結果で得られた数値が自動的に入力されることで、熱拡散率が演算され求められる。
【0050】
ここで、前記した補正式を用いて得られる熱拡散率の精度、即ち黒化膜の熱拡散率解析値への影響を評価するため、前記した2層材の場合と同様、図2〜図4に示した説明図による調査結果を基に、金属材料の両面側に黒化膜を施した3層材の理論データを作成する。
まず、前記した2層材の場合と同様、試料の熱拡散率と体積熱容量、及び黒化膜の厚さを変更した理論データを作成する。試料の熱拡散率が1.0×10-6m2 /sの理論データを表14、1.0×10-5m2 /sの理論データを表15にそれぞれ示す。
【0051】
【表14】
【0052】
【表15】
【0053】
続いて、表14及び表15に示す理論データを用いて、前記した(1)、(2)、及び(4)〜(7)式から求められる補正した試料厚さを設定して熱拡散率解析した結果を図12、図13に示す。また、その結果について以下に説明する。なおここでは、(1)、及び(5)〜(7)式を用いて補正後の試料厚さを計算する際、試料の両面側にそれぞれ形成された黒化膜厚さの和を使用する。
1)2層材の場合と同様、どの式を用いた場合でも、試料が厚いほど、また黒化膜が薄いほど熱拡散率解析精度は高くなる。
2)試料厚さのみの((4)式を使用した)場合、試料に対する黒化膜の体積熱容量の比が小さいほど熱拡散率精度は高くなる(図中の●:Ls1参照)。
3)試料厚さの補正式である(1)及び(2)式は、全ての理論データにおいて1%より良い精度で熱拡散率を解析できる。
【0054】
なお、補正式である(2)式は、補正式中の他面側の黒化膜Bの厚さをゼロとすることで、試料の一面側のみに黒化膜Aが形成された場合について、前記した補正式を適用することも可能である。
また、補正式である(2)式は、補正式中の全ての黒化膜の厚さL1 、L3 を極限まで薄いと仮定し、補正式を近似式として試料厚さLs6を補正して熱拡散率を求めることも可能である。この式を以下に示す。
【0055】
【数6】
【0056】
ここで、(9)式の近似式は、次の条件が成立するとき、更に集約できる。
ρ1 c1 =ρ3 c3
α1 =α3
【0057】
【数7】
【0058】
なお、前記第1、第2の実施の形態で使用した補正式を用いて、補正した試料厚さを計算する際、ラプラス変数pを設定する必要が有る。ここで、次のデータを用いて補正した試料厚さのラプラス変数依存性を評価する。この結果を図14に示す。
試料:Ls =1.00mm、αs =1×10-6、1×10-5m2 /s、(ρc)s =1000、9000kJ/m3 /K
黒化膜:Lc =0.01mm、αc =7×10-7m2 /s、(ρc)c =1566kJ/m3 /K
以下に、熱拡散率の解析結果を説明する。
1)補正した試料厚さはラプラス変数依存性が小さく、ラプラス変数pを5〜50の範囲で変化させたとき、補正後の試料厚さが0.001mm変化する程度である。
2)補正した試料厚さは、試料と黒化膜の体積熱容量比に大きく依存する。
【0059】
以上前記したように、本発明では、黒化膜を施した材料の熱拡散率解析時に用いる試料厚さをどう設定したら良いか、いくつかの試料厚さ補正法(試料厚さのみの場合を含めて5種類(2層材)あるいは6種類(3層材)の場合)を取り上げて熱拡散率精度との関係を調査した。これら検討結果を以下に示すと共に、まとめの精度表を2層材の場合については表16〜表19に、3層材の場合については表20にそれぞれ示す。
【0060】
【表16】
【0061】
【表17】
【0062】
【表18】
【0063】
【表19】
【0064】
【表20】
【0065】
検討した試料の熱物性等の範囲は次の通りである。
熱拡散率:2.0×10-4〜1.0×10-6m2 /s
体積熱容量:1000〜9000kJ/m3 /K
厚さ:1.000〜1.732mm(1.0×10-5〜1.0×10-6m2 /s)、3.142mm(2.0×10-4m2 /s)
また、黒化膜の熱物性等は次の値を使用した。
熱拡散率:7.0×10-7m2 /s
体積熱容量:1566kJ/m3 /K(ρ:2260kg/m3 、c:0.693kJ/kg/K)
厚さ:0.005〜0.9mm
【0066】
1)試料厚さのみで解析((4)式を使用)する場合、熱拡散率誤差(以下、誤差とも言う)は次の程度の可能性がある。
黒化膜厚さ5μm:−2%程度
黒化膜厚さ10μm:−3%程度
黒化膜厚さ20μm:−8%程度
このように、高い精度で熱拡散率を得ることができない。
2)膜厚を入れて解析((5)式を使用)する場合、熱拡散率誤差は次の程度の可能性がある。
黒化膜厚さ5μm:±1%程度
黒化膜厚さ10μm:±2%程度
黒化膜厚さ20μm:±4%程度
このように、(5)式による補正方法より精度を高めることができるが、十分に高い精度で熱拡散率を得ることができない。
【0067】
3)試料厚さを補正する(6)式による熱拡散率解析結果から、以下のことが分かる。
試料の熱拡散率が大きく、体積熱容量が小さい場合に誤差が大きくなる。また、試料の厚さが1mmより厚く熱拡散率が1.0×10-6m2 /s程度より小さい場合には補正効果があり、黒化膜厚さが20μmの場合には2%程度の誤差がでる。
このことから、試料の種類によっては高い精度で熱拡散率を得ることができない。
【0068】
4)試料厚さを補正する(7)式による熱拡散率解析結果から、以下のことが分かる。
(6)式による補正方法と同様、試料の熱拡散率が大きく、体積熱容量が小さい場合に誤差が大きくなる。ただし、(6)式による補正方法より熱拡散率精度が向上する。また、試料の厚さが1mmより厚く熱拡散率が1.0×10-6m2 /s程度より小さい場合には補正効果があり、黒化膜厚さが20μmの場合には1%程度の誤差がでる。
このことから、(6)式による補正方法と同様、試料の種類によっては高い精度で熱拡散率を得ることができない。
【0069】
5)試料厚さを補正する(1)式による熱拡散率解析結果から、以下のことが分かる。
黒化膜厚さ10μm:±1%(Ls ≧1mm、α≦2.0×10-4m2 /s)
黒化膜厚さ20μm:±2%(Ls ≧1mm、α≦1.0×10-5m2 /s)
また、黒化膜の試料に対する特性時間比(t0c/t0s)は、熱拡散率が1.0×10-6m2 /sの場合0.08より小さく、熱拡散率が1.0×10-5m2 /sの場合0.008より小さくなるようにそれぞれ黒化膜厚さを設定することで、熱拡散率を1%より良い精度で求めることができる。
6)試料厚さを補正する(2)式による熱拡散率解析結果から、以下のことが分かる。
(1)式による補正方法と同程度の高い精度が得られる。
なお、(1)及び(2)式をそれぞれ用いた試料厚さの補正値に及ぼすラプラス変数の依存性は小さい。
【0070】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、試料に形成する黒化膜としては、レーザパルス光の吸収率が高い材料であれば他の材料でもよく、また測定装置としては、試料の熱拡散率が測定できれば他の装置を利用することも可能である。
また、前記実施の形態においては、金属、セラミックス材料、有機材料の熱拡散率を測定する場合について説明したが、固体状試料であれば他の試料を測定することも可能である。
そして、前記実施の形態においては、通常の膜材として例えばカーボンスプレーを用いた黒化材を使用するため、膜として黒化膜を使用した場合について説明した。しかし、熱拡散率の測定精度の低下を抑制し、熱拡散率を高い精度で得ることが可能な素材で構成された黒化膜でなく、例えば試料の素材(例えば、融点、粒度等)や状態等に応じて形成した膜を使用した場合についても本発明は適用される。
【0071】
【発明の効果】
請求項1及びこれに従属する請求項2、5記載のレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法においては、試料厚さを、試料の他面側の温度上昇時間に影響を及ぼす膜の熱物性値及びその厚さを考慮した数値に補正することが可能となる。従って、膜によりレーザパルス光の吸収率を高めると共に、膜によるt1/2 の測定精度の低下を試料厚さの補正値により抑制できるので、精度の高い熱拡散率を得ることが可能となる。
特に、請求項2記載のレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法においては、試料の一面側のみに膜を形成した場合に使用する補正式を、試料の両面側に膜を形成した場合の補正式としても適用することが可能となる。従って、試料の両面側に膜を形成した試料を用いた場合でも、新たな補正式を用いることなく、1つの補正式で試料厚さの補正値を求めることができるので、効率的で、しかも作業性が良好となる。
【0072】
請求項3及びこれに従属する請求項4、5記載のレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法においては、試料厚さを、試料の他面側の温度上昇時間に影響を及ぼす膜の熱物性値及びその厚さを考慮した数値に補正することが可能となる。従って、膜により試料のレーザパルス光の吸収率を高めると共に、膜によるt1/2 の測定精度の低下を試料厚さの補正値により抑制できるので、精度の高い熱拡散率を得ることが可能となる。
特に、請求項4記載のレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法においては、試料の両面側に膜を形成した場合に使用する補正式を、試料の片面側のみに膜を形成した場合の補正式としても適用することが可能となる。従って、試料の片面側のみに膜を形成した試料を用いた場合でも、新たな補正式を用いることなく、1つの補正式で試料厚さの補正値を求めることができるので、効率的で、しかも作業性が良好となる。
請求項5記載のレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法においては、試料厚さの補正式を簡略化できるので、熱拡散率の計算を単純化することができ、作業性が良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2の実施の形態に係るレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法に使用する測定装置の構成図である。
【図2】室温における純金属の熱拡散率と体積熱容量との関係を示す説明図である。
【図3】室温における合金の熱拡散率と体積熱容量の関係を示す説明図である。
【図4】温度を変更した場合の純金属の熱拡散率と体積熱容量との関係を示す説明図である。
【図5】試料の熱拡散率を1.0×10-6m2 /sとして体積熱容量を変化させた場合の試料厚さ補正方法とその精度との関係を示す説明図である。
【図6】試料の熱拡散率を1.0×10-5m2 /sとして体積熱容量を変化させた場合の試料厚さ補正方法とその精度との関係を示す説明図である。
【図7】試料の熱拡散率を2.0×10-4m2 /sとして体積熱容量を変化させた場合の試料厚さ補正方法とその精度との関係を示す説明図である。
【図8】試料の熱拡散率を1.0×10-6m2 /sとして黒化膜厚さを変化させた場合の試料厚さ補正方法とその精度との関係を示す説明図である。
【図9】試料の熱拡散率を1.0×10-5m2 /sとして黒化膜厚さを変化させた場合の試料厚さ補正方法とその精度との関係を示す説明図である。
【図10】試料の熱拡散率を2.0×10-4m2 /sとして黒化膜厚さを変化させた場合の試料厚さ補正方法とその精度との関係を示す説明図である。
【図11】黒化膜厚さと熱拡散率精度との関係を示す説明図である。
【図12】試料の熱拡散率を1.0×10-6m2 /sとした場合の3層材の試料厚さ補正方法とその精度との関係を示す説明図である。
【図13】試料の熱拡散率を1.0×10-5m2 /sとした場合の3層材の試料厚さ補正方法とその精度との関係を示す説明図である。
【図14】試料厚さ補正値に対するラプラス変数の依存性を示す説明図である。
【符号の説明】
10:測定装置、11:測定試料、12:レーザパルス光発生部、13:測温器、14:ハーフミラー、15:レーザパルス光検出部、16:コンピュータ、17:出力器
Claims (5)
- 請求項1記載のレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法において、前記試料の他面側に更に膜Bを形成し、一面側と他面側にそれぞれ形成した膜A、Bの厚みの合計値を、前記補正式中の膜の厚さL1 として代入することで、前記試料の両側に膜A、Bが形成された場合について、前記補正式が適用できることを特徴とするレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法。
- 固体状試料の両面側にそれぞれ膜A、Bを形成した後、一面側に形成された膜Aにレーザパルス光を照射して前記試料の他面側の温度上昇時間を測定し、前記試料の熱拡散率を求めるレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法であって、
前記試料厚さと前記温度上昇時間とを基に仮熱拡散率を求め、該仮熱拡散率を下記補正式に代入して前記試料厚さを補正した後、補正後の試料厚さLS6と前記温度上昇時間とを基に前記熱拡散率を求めることを特徴とするレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法。
- 請求項3記載のレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法において、前記補正式中の他面側の膜Bの厚さをゼロとすることで、前記試料の一面側のみに膜Aが形成された場合について、前記補正式が適用できることを特徴とするレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法において、前記補正式中の全ての膜の厚さを薄いと仮定し、前記補正式を近似式としたことを特徴とするレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の測定方法。
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