JP4393409B2 - 食器洗い機 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄した食器取り出し時に、食器を収容する食器収容篭を前方へ移動させた場合であっても、食器収容篭の下方から滴下する落ちる水滴を洗浄槽内へ確実に還流させることができ、扉を開けた場合であっても、扉の下縁から滴下する水滴を洗浄槽内へ確実に還流させることができる食器洗い機に関する。
図12は、従来の食器洗い機の正面から見た要部構成を示す模式図である。食器洗い機は、洗浄する食器20を収納する洗浄槽2を筐体1の内部に設けており、洗浄槽2の内部には、食器20が載せられる食器収容篭3と、食器収容篭3の下側に配置され、食器収容篭3に載せられた食器20に向けて水を噴射する複数の回転可能な噴射ノズル4、4と、噴射ノズル4、4に分配弁を介して加圧水を供給する洗浄ポンプ5と、洗浄槽2内の洗浄水を加熱し、食器20を乾燥すべく洗浄槽2内の空気の温度を上げるヒータ6とを備えている。
噴射ノズル4には、洗浄水循環路7の一端が接続されており、洗浄水循環路7の他端は洗浄槽2の底部に設けられた排水口8に接続されている。洗浄ポンプ5は、洗浄水循環路7の途中に設けてあり、給水口9から注入され、噴射ノズル4、4から噴射された洗浄水を、排水口8及び洗浄水循環路7を経て、再び噴射ノズル4、4に供給する。
食器20に対して噴射された洗浄水は、食器収容篭3の底面から洗浄槽2内へ流れ落ち、排水口8及び洗浄水循環路7を経て、再び噴射ノズル4、4に供給される。食器収容篭3は、前後に移動することが可能に取り付けてあり、食器20の洗浄が終了した場合、又は乾燥まで終了した場合、前方へと移動することにより食器20を容易に取り出すことができる(特許文献1参照)。
特開平8−266459号公報
しかし、乾燥工程が終了していない食器20には多数の水滴が付着しており、食器20の洗浄が終了して乾燥を行う前に食器20を取り出すべく食器収容篭3を前方へと移動した場合、食器収容篭3の底面から食器20又は食器収容篭3に付着している水滴が下方へ滴下する。また、食器20の乾燥工程が終了した場合であっても、食器20が重なり合っている部分、食器収容篭3の網目部分等に水滴が付着していることが多く、食器20を取り出すべく食器収容篭3を前方へと移動したとき、食器収容篭3の底面から食器20又は食器収容篭3に付着している水滴が下方へ滴下する。したがって、洗浄槽2の外部の床面を水滴により濡らしてしまうという問題点があった。
上述した水滴の滴下を防止すべく、水滴が残らないよう乾燥時の洗浄槽2内の温度を上げることも考えられるが、水滴の付着する部分と付着しない部分との間の温度差が大きくなることから、食器20の劣化を早める等、新たな問題が生じるおそれがある。さらに、食器20の取り出し時に食器20の表面温度が下がりにくく、使用者が火傷するおそれもあり好ましくない。
また、扉を上下方向に回転開閉する場合、食器20の洗浄が終了して乾燥を行う前に食器20を取り出すべく扉を開いたときに、扉を開く動作に伴って内面に付着した水滴の滴下を受け止めることが好ましい。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、食器20を取り出すべく食器収容篭3を前方へ移動した場合であっても、食器20に付着している水滴を洗浄槽2内へ還流することができる食器洗い機を提供することを目的とする。
また本発明は、食器20を取り出すべく扉を開いた場合に、扉を開く動作に伴って内面に付着している水滴を受け止めることができるようにしてある食器洗い機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る食器洗い機は、洗浄槽内に供給された水を循環し、循環した水を食器に対して噴射する食器洗い機において、食器を収容し、前記洗浄槽の内外へ前後に移動することが可能な食器収容篭と、該食器収容篭の底面前端に一端を回転可能に取り付け、他端を前記洗浄槽内へ自重により垂下するように配設してある板状の水受け部とを備え、該水受け部の前記一端と前記他端との距離は、前記食器収容篭が最前部まで摺動した場合の底面前端と前記洗浄槽の開口部下端との距離よりも長く、前記食器収容篭が最前部まで移動した場合、前記水受け部は前記洗浄槽の開口部下端と接触し、前記洗浄槽の下方に向かって下向きに傾斜するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、食器を収容し、洗浄槽の内外へ前後に移動することが可能な食器収容篭の底面の前端に、一端を回転可能に取り付け、他端を洗浄槽内へ自重により垂下するように配設してある板状の水受け部を備える。板状部材の一端と他端との距離が、食器収容篭が最前部まで移動した場合の底面の前端と開口部下端との距離よりも長いことにより、食器収容篭が最前部まで移動した場合であっても水受け部の他端は洗浄槽内に位置し、水受け部は洗浄槽の開口部下端と接触し、洗浄槽の下方に向かって下向きに傾斜する。そのため、食器及び食器収容篭に付着している水滴は、水受け部の表面に滴下する。これにより、食器収容篭が最前部まで移動した場合であっても、食器及び食器収容篭に付着している水滴は、下向きに傾斜した水受け部の表面を伝って洗浄槽内へと還流されるので、洗浄槽の外部へ滴下することがなく、食器を取り出すごとに食器洗い機の外部の床面に滴下した洗浄水を拭き取る必要がなく、清潔で使いやすい食器洗い機を提供することが可能となる。
また、本発明に係る食器洗い機は、食器を乾燥するヒータを前記洗浄槽の下部に備えており、前記食器収容篭が最後部まで移動した場合、前記水受け部は前記ヒータの近傍に収容されるようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、食器を乾燥するヒータを洗浄槽の下部に備え、食器収容篭が最前部まで移動した場合、水受け部はヒータの近傍に収容される。これにより、食器の乾燥工程時においてヒータの近傍に水受け部が収容されていることから、水受け部に付着している水滴を確実に乾燥させることができ、食器収容篭が最前部まで移動した場合、水受け部から水滴が滴下することがない。したがって、食器を取り出すごとに食器洗い機の外部の床面に滴下した洗浄水を拭き取る必要がなく、清潔で使いやすい食器洗い機を提供することが可能となる。
また、本発明に係る食器洗い機は、前記水受け部は、前記食器収容篭が最後部まで移動した場合、前記洗浄槽の開口部下端を覆う位置に収容されるようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、食器収容篭が最後部まで移動した場合、すなわち洗浄槽内へ収容した状態で、水受け部は洗浄槽の開口部下端を覆う位置に収容される。これにより、洗浄槽を密閉する扉との接合部を水受け部で覆うことにより、噴射ノズルから噴射された洗浄水が水受け部に当たり、接合部に設けてあるパッキン等の止水部材に直接当たることがないことから、止水部材の劣化を抑制することができ、止水性を向上することが可能となる。
また、本発明に係る食器洗い機は、前記水受け部は、脱着可能であることを特徴とする。
本発明においては、水受け部は、食器収容篭に脱着可能に取り付けてある。これにより、水受け部を容易に洗浄することができ、洗浄槽内へ収容した場合に洗浄水を汚すことが無く、より衛生的な食器洗い機を提供することが可能となる。
また、本発明に係る食器洗い機は、洗浄槽内に供給された水を循環し、循環した水を食器に対して噴射する食器洗い機において、上下方向に回転し、前記洗浄槽の開口部を開閉する扉と、前記洗浄槽の開口部の下縁に取り付けてある板状の水受け部と、前記扉の内面の所定の位置に一端を回転可能に取り付けてあり、他端を洗浄槽の左右内面に上下方向に設けてある誘導溝に嵌入してある連携部材とを備え、前記扉が開く場合、前記連携部材の他端が前記誘導溝に沿って上方へ移動し、上方へ移動する他端により前記水受け部が前記洗浄槽の外側へと回転し、前記扉が閉じる場合、前記連携部材の他端が前記誘導溝に沿って下方へ移動し、下方へ移動する他端により前記水受け部が前記洗浄槽側へと回転するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、上下方向に回転して洗浄槽の開口部を開閉する扉の内面の所定の位置に一端を回転可能に取り付けてあり、他端を洗浄槽の左右内面に上下方向に設けてある誘導溝に嵌入してある連携部材を備えており、扉が開く場合、連携部材の他端が誘導溝に沿って上方へ移動し、上方へ移動する他端により水受け部が洗浄槽の外側へと回転し、扉が閉じる場合、連携部材の他端が誘導溝に沿って下方へ移動し、下方へ移動する他端により水受け部が洗浄槽側へと回転する。これにより、扉を上方へ回転させた場合であっても、水受け部が洗浄槽の外側へと回転することにより、水受け部が洗浄槽の外側へ張り出す。したがって、食器を取り出す場合に食器収容篭を引き出さないときでも、食器に付着している水滴は張り出した水受け部の表面に滴下し、水受け部の表面を伝って洗浄槽内へと還流されることから、洗浄槽の外部へ滴下することがなく、食器を取り出すごとに食器洗い機の外部の床面に滴下した洗浄水を拭き取る必要がなく、清潔で使いやすい食器洗い機を提供することが可能となる。
また、本発明に係る食器洗い機は、前記水受け部は、回転中心の近傍の両側端に、前記水受け部の延長方向に突出する第1の突出部と、該第1の突出部と略直交する第2の突出部とを備え、前記連携部材の他端は、前記扉を閉じた場合に前記第1の突出部と前記第2の突出部との間に位置するように設けてあることを特徴とする。
本発明においては、水受け部は、回転中心の近傍の両側端に、水受け部の延長方向に突出する第1の突出部と、該第1の突出部と略直交する第2の突出部とを備えており、連携部材の他端は、扉を閉じた場合に第1の突出部と第2の突出部との間に位置するように設けてある。これにより、扉を開けることにより連携部材の他端が誘導溝に沿って上方へ移動した場合、連携部材の他端が第2の突出部を押し上げて、水受け部を洗浄槽の外部の方向へと回転させる。扉を閉じる場合には、連携部材の他端が誘導溝に沿って下方へ移動し、連携部材の他端が第1の突出部を押し下げて、水受け部を洗浄槽の方向へと回転させる。したがって、扉の開閉に応じて水受け部を出し入れすることができ、扉を開けて食器を取り出す場合に食器洗浄篭を引き出さないときでも、食器に付着している水滴は張り出した水受け部の表面に滴下し、水受け部の表面を伝って洗浄槽内へと還流されることから、洗浄槽の外部へ滴下することがなく、食器を取り出すごとに食器洗い機の外部の床面に滴下した洗浄水を拭き取る必要がなく、清潔で使いやすい食器洗い機を提供することが可能となる。
また、本発明に係る食器洗い機は、前記水受け部は、金属材料で形成してあることを特徴とする。
本発明においては、水受け部は、金属材料で形成してあることから、耐熱性が向上し、熱伝導性が高くなる。したがって、付着した水滴が乾燥しやすく、表面を清潔に維持することが容易であることから衛生的である。また、薄型化が容易であり、スペース効率の向上を図ることも可能となる。
本発明によれば、食器収容篭が最前部まで移動した場合であっても、食器及び食器収容篭に付着している水滴は、水受け部の表面を伝って洗浄槽内へと還流され、洗浄槽の外部へ滴下することがなく、食器を取り出すごとに食器洗い機の外部の床面に滴下した洗浄水を拭き取る必要がなく、清潔で使いやすい食器洗い機を提供することが可能となる。
また、食器の乾燥工程時においてヒータの近傍に水受け部が収容されていることから、水受け部に付着している水滴を確実に乾燥させることができ、食器収容篭が最前部まで移動した場合、水受け部から水滴が滴下することがない。したがって、食器を取り出すごとに食器洗い機の外部の床面に滴下した洗浄水を拭き取る必要がなく、より衛生的な食器洗い機を提供することが可能となる。
さらに、扉を上方へ回転させた場合であっても、水受け部が洗浄槽の外側へと回転することにより、水受け部が洗浄槽の外側へ張り出す。したがって、食器を取り出す場合に食器収容篭を引き出さないときでも、食器に付着している水滴は張り出した水受け部の表面に滴下し、水受け部の表面を伝って洗浄槽内へと還流されることから、洗浄槽の外部へ滴下することがなく、食器を取り出すごとに食器洗い機の外部の床面に滴下した洗浄水を拭き取る必要がなく、清潔で使いやすい食器洗い機を提供することが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る食器洗い機の正面から見た要部構成を示す模式図であり、図2は本発明の実施の形態1に係る食器洗い機の要部構成を模式的に示す側断面図である。なお、従来の食器洗い機と同様の構成要素については、同一の符号を付する。
本実施の形態1に係る食器洗い機は、洗浄する食器を収納する洗浄槽2を筐体1の内部に設けており、洗浄槽2の内部には、食器が載せられる食器収容篭3と、食器収容篭3の下側に配置され、食器収容篭3に載せられた食器20に向けて水を噴射する複数の回転可能な噴射ノズル4、4と、ヒータカバー11内に収容した洗浄槽2内の洗浄水又は洗浄槽2内の空気を加熱するヒータ6とを備えている。
食器収容篭3は、左右の両側方に設けてある支持部12、12を、筐体1の両側壁に設けた誘導部13、13の上に載置しており、支持部12、12が誘導部13、13に沿って摺動する。支持部12、12の摺動に伴って、食器収容篭3は、洗浄槽2の前後に摺動することができる。
食器収容篭3の底面の最前部には、食器20及び食器収容篭3から滴下する水滴を受け止める水受け部10を備えている。図3は、本発明の実施の形態1に係る食器洗い機の水受け部10の斜視図である。水受け部10は、板状の部材であり、上端に食器収容篭3の金属棒に枢止することができる枢着部51、51を備えている。
枢着部51、51は、例えばクリップ形状をしており、水受け部の回転軸方向に対称な位置に配置してある。枢着部51、51の近傍には、水受け部の回転軸方向に対称な位置に、水受け部10の枢着部51、51が食器収容篭3の金属棒から外れるのを防止すべく、突出部52、52を設けてある。突出部52、52が、枢着部51、51が係着している食器収容篭3の金属棒に交差する金属棒に当接することにより、一定角度以上水受け部10が回転しないように抑制する。これにより、食器収容篭3を洗浄槽2の前後に摺動する途上において、枢着部51、51が食器収容篭3の金属棒から外れることがない。
水受け部10の下端は自由端であり、枢着部51、51を食器収容篭3の金属棒に枢止した場合、水受け部10の自重により下方へ垂れ下がるようになっている。
水受け部10の枢着部51、51は、食器収容篭3の底面の最前部に位置する金属棒に枢止する。図2のように、食器収容篭3を洗浄槽2内に収容して扉8を閉じている場合、すなわち食器収容篭3を最後尾まで移動させている場合、水受け部10は自重により下方へ垂れ下がり、ヒータ6を収容するヒータカバー11の近傍に収容される。
図2の状態で、噴射ノズル4から洗浄水を噴射し、食器収容篭3に載置してある食器20を洗浄する。したがって、水受け部10のヒータ6側の表面にも洗浄水が付着する。食器20に対して噴射された洗浄水は、食器収容篭3の底面、洗浄槽2の側壁等を伝って洗浄槽2の底部へ流れ落ち、再び噴射ノズル4、4に供給される。
食器収容篭3を洗浄槽2内に収容して扉8を閉じている場合、すなわち食器収容篭3を最後尾まで移動させている場合、水受け部10は、洗浄槽2の開口部の下端部15と扉8との接合部を覆う位置に収容されることが好ましい。通常、洗浄槽2の開口部の下端部15と扉8との接合部には、パッキン等の合成樹脂製の止水部材16が設けられており、噴射ノズル4、4、・・・から噴射された洗浄水は水受け部10の表面に直接当たる。したがって、噴射ノズル4、4、・・・から噴射された洗浄水は止水部材16に直接当たることが無く、止水部材16の劣化を抑制することができ、止水性を向上することが可能となる。
洗浄工程が完了し、乾燥工程を行った後、食器20を取り出すべく扉を開放し、食器収容篭3を前方へと摺動させる。図4は、本発明の実施の形態1に係る食器洗い機の食器収容篭3を前方へ移動させた状態を模式的に示す側断面図である。
食器収容篭3を、誘導部13、13に沿って前方へ移動させた場合、水受け部10は筐体1の開口部の下端部15と接触し、以降食器収容篭3を前方へ引き出すに伴い、水受け部10は枢着部51、51を軸として回転し、水受け部10は洗浄槽2の下方へ向かって傾斜する。水受け部10の枢着部51、51を備えている一端と他端との距離L1は、食器収容篭3が最前部まで移動した場合の、食器収容篭3の最前部の金属棒と洗浄槽2の開口部の下端部15との距離L2よりも長くしてある。これにより、食器20を取り出すべく食器収容篭3を前方へ移動させたどの位置においても、食器収容篭3の洗浄槽2の外部に位置する部分の下方に水受け部10を配置することができ、食器20及び食器収容篭3に付着している水滴は下方に配置されている水受け部10の表面に滴下する。
水受け部10の表面に滴下した水滴は、水受け部10が洗浄槽2の下方に向かって傾斜していることから、洗浄槽2内へ向かって流れ落ちる。したがって、食器20及び食器収容篭3に付着している水滴が、洗浄槽2の外部へ滴下することがなく、食器20を取り出すごとに食器洗い機の外部の床面に滴下した洗浄水を拭き取る必要がない。
なお、水受け部10は、本実施の形態1のように一部屈曲している板状部材に限定されるものではなく、枢着部51、51を備えている一端と他端との距離L1が、食器収容篭3が最前部まで移動した場合の、食器収容篭3の最前部の金属棒と洗浄槽2の開口部の下端部15との距離L2よりも長く、食器収容篭3が最前部まで移動した場合に洗浄槽2の下方へ向かって傾斜する形状であれば何でも良い。図5は、水受け部10の他の形態を例示した斜視図である。
例えば図5(a)のように、一枚の板状であっても良いし、図5(b)のように湾曲した板状であっても良い。また、水受け部10の両側部から滴下した水が漏れ出ないように、両側部に案内溝を設けても良いし、両側部に突部を設けても良い。
また、水受け部10の枢着部51、51を備えている一端と対向する他端は、自由端であることに限定されるものではなく、例えば洗浄槽2内部の側壁に他端の移動経路に対応するガイドレールを設け、該ガイドレールに沿って移動するよう両端にガイドレールに挿入可能な突起部を設けている構成であっても良い。
また、水受け部10は、食器洗浄器を使用しない場合に、食器収容篭3から取り外すことができるよう、脱着可能となっていることが好ましい。水受け部10は比較的汚れた洗浄水が付着しやすいことから、定期的に洗浄することが衛生的に好ましく、食器収容篭3から取り外すことにより、確実に洗浄することができるからである。
以上のように、本実施の形態1によれば、食器収容篭3を最前部まで移動した場合であっても、食器20及び食器収容篭3に付着している水滴は、水受け部10の表面を伝って洗浄槽2内へと還流され、洗浄槽2の外部へ滴下することがなく、食器20を取り出すごとに食器洗い機の外部の床面に滴下した洗浄水を拭き取る必要がなく、清潔で使いやすい食器洗い機を提供することが可能となる。
また、ヒータ6の近傍に水受け部10を収容することができることから、食器洗浄により水受け部10に付着している水滴を確実に乾燥させることができ、食器収容篭3が最前部まで移動した場合、水受け部10から滴下する水滴を最小限に抑制することが可能となる。
なお、本実施の形態1において、食器収容篭3の前後方向の移動は、支持部12、12を誘導部13、13に沿って摺動させるものに限定されるものではなく、例えば複数のローラ上を食器収容篭3の左右端に設けた金属棒が移動する等、前後方向に移動させることが可能な機構であれば何でも良い。
また、水受け部10の材質は、耐熱性が高く、熱伝導性の高い金属部材であることが好ましい。金属材料とすることにより、付着した水滴が乾燥しやすく、表面を清潔に維持することが容易であることから衛生的である。また、薄型化が容易であり、スペース効率の向上を図ることも可能となる。
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の扉を開いた状態の要部構成を示す斜視図であり、図7は本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の扉を開いた状態の要部構成を示す側断面図である。なお、従来の食器洗い機と同様の構成要素については、同一の符号を付する。図6及び図7では、食器収容篭3の記載を説明を簡単にすべく省略している。
本実施の形態2に係る食器洗い機は、洗浄する食器を収納する洗浄槽2を筐体1の内部に設けており、洗浄槽2の内部には、食器が載せられる食器収容篭(図示せず)と、食器収容篭の下側に配置され、食器収容篭に載せられた食器(図示せず)に向けて水を噴射する複数の回転可能な噴射ノズル4、4と、ヒータカバー11内に収容した洗浄槽2内の洗浄水又は洗浄槽2内の空気を加熱するヒータ6とを備えている。
洗浄槽2を開閉する扉21は、内面の中央近傍で回転可能に連携部材22を枢着している。連携部材22は針金状であり、略コの字状に屈曲しており、扉21の内面と略平行な平行部221の両端が扉21に枢着している。連携部材22の端部222、222は、洗浄槽2内の両側面に上下方向に設けてある誘導溝23、23に嵌入してある。
なお、連携部材22はかかる形状に限定されるものではなく、針金状でなく一体成形された略コの字状の合成樹脂製の部材であっても良いし、一体ではなく左右に独立して2個設け、それぞれ一端を扉21の内面に枢着し、他端を誘導溝23、23に嵌入してある部材であっても良い。
洗浄槽2の開口部の下縁部には、食器及び食器収容篭を引き出した場合に食器及び食器収容篭から滴下する水滴、又は扉21を開いた場合に扉21の下端部から滴下する水滴を受け止める水受け部10を備えている。図8は、本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の水受け部10の斜視図である。水受け部10は、板状部材101の両側端に水滴誘導部102、102を備えている。
水滴誘導部102、102の洗浄槽2へ取り付ける側には、水滴誘導部102、102を洗浄槽2の内側面に回転することが可能に枢止するネジ等の枢着部材(図示せず)を挿通する枢止孔105、105を設けている。また、枢止孔105、105の近傍には、板状部材101の延長方向に突出する第1の突出部103、103及び該方向に略直交する方向に突出する第2の突出部104、104を設けている。第1の突出部103、103及び第2の突出部104、104は、連携部材22の端部222、222と係合することにより、端部222、222の誘導溝23、23に沿った移動に応じて水受け部10を枢止孔105、105を回転中心として回転させる。
以下、扉21の開閉に伴って水受け部10が洗浄槽2の外部へ出入りする機構について説明する。図9は本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の扉21を閉じる途上を示す側断面図であり、図10は本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の扉21を閉じた状態を示す側断面図であり、図11は本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の扉21を開ける途上を示す側断面図である。
図7の状態から扉21を閉じ始め、図9の状態となった場合、連携部材22の端部222、222は誘導溝23、23に沿って下方へ移動し、水受け部10の第1の突出部103、103に当接し、第1の突出部103、103を押し下げる。水受け部10は、第1の突出部103、103が押し下げられることにより、枢止孔105、105を中心として、洗浄槽2内へ収容される方向へ回転し、扉21が閉じた状態では、図10に示すように洗浄槽2内へ収容される。
図10の状態から扉21を開け始め、図11の状態となった場合、連携部材22の端部222、222は誘導溝23、23に沿って上方へ移動し、水受け部10の第2の突出部104、104に当接し、第2の突出部104、104を押し上げる。水受け部10は、第2の突出部104、104が押し下げられることにより、枢止孔105、105を中心として、洗浄槽2の外側へ張り出す方向へ回転し、扉21が開いた状態では、図7に示すように洗浄槽2の外側へ張り出すことにより、食器取り出し時に滴下する水滴を確実に受け止めることができる。
また、扉21を開いた状態で水受け部10が洗浄槽2の外側に位置することから、洗浄槽2の下部に設けてある、食器に付着した残菜を収集する残菜フィルタ(図示せず)を取り出すことが容易となり、清掃を楽に行うことができ衛生的である。
以上のように本実施の形態2によれば、扉21を上方へ回転させた場合であっても、水受け部10が洗浄槽2の外側へと回転することにより、水受け部10が洗浄槽2の外側へ張り出す。したがって、食器を取り出す場合に食器収容篭を引き出さないときでも、食器に付着している水滴は張り出した水受け部10の表面に滴下し、水受け部10の表面を伝って洗浄槽2内へと還流されることから、洗浄槽2の外部へ滴下することがなく、食器を取り出すごとに食器洗い機の外部の床面に滴下した洗浄水を拭き取る必要がなく、清潔で使いやすい食器洗い機を提供することが可能となる。
また、水受け部10の材質は、実施の形態1と同様、耐熱性が高く、熱伝導性の高い金属部材であることが好ましい。金属材料とすることにより、付着した水滴が乾燥しやすく、表面を清潔に維持することが容易であることから衛生的である。また、薄型化が容易であり、スペース効率の向上を図ることも可能となる。
本発明の実施の形態1に係る食器洗い機の正面から見た要部構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る食器洗い機の要部構成を模式的に示す側断面図である。 本発明の実施の形態1に係る食器洗い機の水受け部の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る食器洗い機の食器収容篭を前方へ移動させた状態を模式的に示す側断面図である。 水受け部の他の形態を例示した斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の扉を開いた状態の要部構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の扉を開いた状態の要部構成を示す側断面図である。 本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の水受け部の斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の扉を閉じる途上を示す側断面図である。 本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の扉を閉じた状態を示す側断面図である。 本発明の実施の形態2に係る食器洗い機の扉を開ける途上を示す側断面図である。 従来の食器洗い機の正面から見た要部構成を示す模式図である。
符号の説明
1 筐体
2 洗浄槽
3 食器収容篭
4 噴射ノズル
5 洗浄ポンプ
6 ヒータ
7 洗浄水循環路
10 水受け部
11 ヒータカバー
12 支持部
13 誘導部
15 下端部
20 食器
21 扉
22 連携部材
23 誘導溝
51 枢着部
103 第1の突出部
104 第2の突出部

Claims (7)

  1. 洗浄槽内に供給された水を循環し、循環した水を食器に対して噴射する食器洗い機において、
    食器を収容し、前記洗浄槽の内外へ前後に移動することが可能な食器収容篭と、
    該食器収容篭の底面前端に一端を回転可能に取り付け、他端を前記洗浄槽内へ自重により垂下するように配設してある板状の水受け部とを備え、
    該水受け部の前記一端と前記他端との距離は、前記食器収容篭が最前部まで摺動した場合の底面前端と前記洗浄槽の開口部下端との距離よりも長く、
    前記食器収容篭が最前部まで移動した場合、前記水受け部は前記洗浄槽の開口部下端と接触し、前記洗浄槽の下方に向かって下向きに傾斜するようにしてあることを特徴とする食器洗い機。
  2. 食器を乾燥するヒータを前記洗浄槽の下部に備えており、
    前記食器収容篭が最後部まで移動した場合、前記水受け部は前記ヒータの近傍に収容されるようにしてあることを特徴とする請求項1記載の食器洗い機。
  3. 前記水受け部は、前記食器収容篭が最後部まで移動した場合、前記洗浄槽の開口部下端を覆う位置に収容されるようにしてあることを特徴とする請求項1又は2記載の食器洗い機。
  4. 前記水受け部は、脱着可能であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の食器洗い機。
  5. 洗浄槽内に供給された水を循環し、循環した水を食器に対して噴射する食器洗い機において、
    上下方向に回転し、前記洗浄槽の開口部を開閉する扉と、
    前記洗浄槽の開口部の下縁に取り付けてある板状の水受け部と、
    前記扉の内面の所定の位置に一端を回転可能に取り付けてあり、他端を洗浄槽の左右内面に上下方向に設けてある誘導溝に嵌入してある連携部材と
    を備え、
    前記扉が開く場合、前記連携部材の他端が前記誘導溝に沿って上方へ移動し、上方へ移動する他端により前記水受け部が前記洗浄槽の外側へと回転し、
    前記扉が閉じる場合、前記連携部材の他端が前記誘導溝に沿って下方へ移動し、下方へ移動する他端により前記水受け部が前記洗浄槽側へと回転するようにしてあることを特徴とする食器洗い機。
  6. 前記水受け部は、回転中心の近傍の両側端に、前記水受け部の延長方向に突出する第1の突出部と、該第1の突出部と略直交する第2の突出部とを備え、
    前記連携部材の他端は、前記扉を閉じた場合に前記第1の突出部と前記第2の突出部との間に位置するように設けてあることを特徴とする請求項記載の食器洗い機。
  7. 前記水受け部は、金属材料で形成してあることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の食器洗い機。
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