JP4392985B2 - 通信システムにおいて信号を送信するための装置および方法 - Google Patents

通信システムにおいて信号を送信するための装置および方法 Download PDF

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Description

(産業上の利用分野)
本発明は、一般に、通信システムに関し、さらに詳しくは、このような通信システムにおいて信号を送信することに関する。
【0001】
(従来の技術)
順方向リンク(基地局から移動局)送信ダイバーシチは、符号分割多元接続(CDMA:code division multiple access)通信システムの性能を改善するために提唱されている。順方向リンク送信ダイバーシチを実施するためには、元の信号の遅延された(ただしそれ以外では同一の)複製が別のアンテナから送信される。移動局では、当業者に周知のレーキ受信機(RAKE receiver)は、レイリー・フェージングなどの典型的な移動伝播特性が存在する場合に、信号受信を向上させるためにこれらの遅延信号を分解し、合成できる。順方向リンク送信ダイバーシチを実施するシステムは、CDMA環境意における干渉およびマルチパスに対して改善された感度および堅牢性(robustness)を提供できる。
【0002】
しかし、現在の移動局では、レーキ受信機は全部で3本の同時線(simultaneous rays)しか分解・合成できない。これらの線は、上記の順方向リンク送信ダイバーシチ手法だけでなく、とりわけ、(a)特定の加入者に宛てられた他のセルから受信した信号(ソフト・ハンドオフ),(b)この加入者に宛てられた(セル内の)他のセクタから受信した信号(よりソフトなハンドオフ)または(c)上記の信号の一部またはすべての環境による多重反射(マルチパス)によって生じることがある。そのため、ある状況では、移動局内のレーキ受信機の制限は、順方向リンク送信ダイバーシチの適用によって生じる追加の線の利用を妨げることになる。事実、このような状況が生じると、CDMA受信の劣化が実際に生じ、システム性能に悪影響を及ぼす。
【0003】
CDMA通信システムにおいて実施する際に、順方向リンク送信ダイバーシチに関連するもう一つの問題点は、追加アンテナから送信される元の信号の遅延された(ただしそれ以外では同一の)複製は、元の信号に対して干渉として働くことである。CDMA用語で言うと、追加アンテナから送信される元の信号の遅延された(ただしそれ以外では同一の)複製は、元の信号とは直交しておらず、自己干渉(self-interference)として働く。CDMA通信システムは干渉制限されるので、直交性を同様に維持しないで特定のカバー・エリア(coverage area)に干渉を追加すると、CDMAシステム性能が劣化する。
【0004】
CDMA通信システムにおける順方向送信ダイバーシチの実施のために提唱されている一つの解決方法として、本発明の譲受人に譲渡された、Kotzinらによる米国特許(弁理士整理番号CE04492N)号、"METHOD AND APPARATUS FOR TRANSMITTING SIGNALS IN A COMMUNICATION SYSTEM"において説明されている方法がある。該発明で説明されている方法を実施することにより、CDMA通信システムにおける順方向リンク送信ダイバーシチの改善が実現される。また、このように改善された順方向リンク送信ダイバーシチを実施する能力により、他の効果的な実施が得られ、その結果、改善されたCDMAシステム性能および品質が得られる。
【0005】
(好適な実施例の説明)
一般的にいうと、直交送信ダイバーシチ(orthogonal transmit diversity)は、チャネル情報を少なくとも第1部分のビットと第2部分のビットとに分割(subdivision)するためにデータ・スプリッタ(data splitter)を利用することによって実施される。各部分は、自己のウォルシュ符号(Walsh code)で拡散され、最終的に所定の搬送周波数を介して移動局に送信される。第1および第2部分のビット数が小さい場合、直交性を維持するため個別のウォルシュ符号が用いられる。第1および第2部分のビット数が比較的大きい場合、直交性を維持するため時分割多重化(time-division multiplex)送信が採用される。コントローラは、チャネル情報の分割と、インタリーバ(interleaver)とを制御して、ダイバーシチ送信の効果をさらに向上させる。分割に関連する制御情報は移動局に送信され、そのためチャネル情報は復号前に正確に再構築できる。
【0006】
さらに具体的にいうと、通信システムにおける基地局は、チャネル情報を含む信号を送信する複数のアンテナと、前記チャネル情報を少なくとも第1部分および第2部分に分割する手段とによって構成される。また、基地局は、チャネル情報の前記第1部分を前記複数のアンテナの第1アンテナを介して移動局に送信し、チャネル情報の前記第2部分を前記複数のアンテナの第2アンテナを介して移動局に送信し、前記チャネル情報の分割に関する制御情報を送信する手段を含む。
【0007】
前記分割する手段は、チャネル情報を、少なくとも1ビットを有する第1部分と、少なくとも1ビットを有する第2部分とに分割する。第1および第2部分は、時間的に交互に、あるいは実質的に同時に、移動局に送信される。また、チャネル情報を分割する前記手段は、チャネル情報を均等なあるいは不均等な第1および第2部分に分割する。不均等な第1および第2部分に分割する場合、チャネル情報は、すべてのチャネル情報を有する第1部分と、チャネル情報がまったくない第2部分とに分割できる。ウォルシュ符号割当は、チャネル情報の分割で変化し、一方、第1アンテナおよび第2アンテナからの送信のパワー・レベルは、システム特性に基づいて可変である。第1アンテナからの送信のパワー・レベルおよび第2アンテナからの送信のパワー・レベルは可変であって、システム特性に基づいて、均等なパワーまたは不均等なパワーとなる。
【0008】
また、前記送信する手段は、第1アンテナおよび第2アンテナを介してパイロット信号を送信し、ここで各パイロット信号は異なるウォルシュ符号によって拡散される。チャネル情報の分割に関する制御情報は、ディムおよびバースト(dim and burst)手法または制御チャネル、特にSACCH(slow associated control channel)、のいずれかによって移動局に送信される。この制御情報は、ビット数,第1および第1部分内で第1および第2アンテナに送信されるビットの比率またはアンテナ毎のトラヒック・チャネル情報を含む。チャネル情報は、トラヒック・チャネル情報および制御情報からなる。
【0009】
より一般的にいうと、通信システムにおける基地局は、チャネル情報を含む信号を送信する複数のアンテナと、前記チャネル情報を少なくとも第1部分および第2部分に分割して、チャネル情報の前記第1部分が複数のアンテナの第1アンテナを介して移動局に送信され、チャネル情報の前記第2部分が複数のアンテナの第2アンテナを介して移動局に送信されるようにする手段とを含む。また、前記基地局は、システム特性に基づいて前記チャネル情報の分割を制御する手段を含む。前記システム特性は、アンテナ毎に移動局が受けるフェージング量と、移動局によって受信される第1または第2部分のいずれかの受信品質とを含む。
【0010】
移動局における受信機は、対応する第1および第2アンテナから送信機によって送信される第1および第2信号と、前記送信機におけるチャネル情報の分割に関する制御情報とを受信する手段であって、前記第1信号はチャネル情報の第1部分を含み、前記第2信号はチャネル情報の第2部分を含む、受信する手段と、チャネル情報の分割に関する前記制御情報に基づいてチャネル情報の前記第1部分およびチャネル情報の前記第2部分を再合成する手段とを含む。前記制御情報は、ビット数,前記第1および第2部分内で前記第1および第2アンテナに送信されたビットの比率またはアンテナ毎のウォルシュ符号割当を含む。
【0011】
本明細書で開示される発明の手法を取り入れる通信システムは、基地局において、チャネル情報を含む信号を送信する複数のアンテナと、前記チャネル情報を少なくとも第1部分および第2部分に分割する手段とを含む。前記基地局はさらに、チャネル情報の前記第1部を複数のアンテナの第1アンテナを介して移動局に送信し、チャネル情報の前記第2部分を複数のアンテナの第2アンテナを介して移動局に送信し、チャネル情報の分割に関する情報を送信する手段を含む。移動局では、受信する手段は、前記第1および第2アンテナから送信された前記第1および第2部分と、前記送信機におけるチャネル情報の分割に関する制御情報とを受信し、また再合成する手段は、チャネル情報の前記第1部分およびチャネル情報の前記第2部分を、チャネル情報の分割に関する前記制御情報に基づいて、実質的に前記チャネル情報に再合成する。
【0012】
また一般的にいえば、通信システムにおける基地局は、チャネル情報を含む信号を送信する複数のアンテナと、前記チャネル情報を少なくとも第1部分および第2部分に分割する手段とを含む。前記基地局はさらに、チャネル情報の前記第1部分を前記複数のアンテナの第1アンテナを介して所定の搬送周波数上で移動局に送信し、チャネル情報の前記第2部分を前記複数のアンテナの第2アンテナを介して前記所定の搬送周波数上で移動局に送信する手段を含む。
【0013】
図1は、従来技術で周知なように、各セクタにおいて送信される専用パイロット・チャネルPilotA-Cを有する120°区分セルラ・カバー・エリア(セル)を概略的に示す。便宜上、図1では一つのセル100のみを示すが、当業者であれば、典型的なセルラ通信システムは互いに隣接して配置された多くのこのようなセルを有することが理解されよう。図1に示すように、3つのCDMAトランシーバを有する基地局103は、セル100の中心に位置し、そのうち少なくとも一つは、ワイヤレス・エア・インタフェースを介して移動局106と通信できる。好適な実施例では、ワイヤレス・エア・インタフェースは、IS−95Aに規定される符号分割多元接続(CDMA)セルラ通信システムと整合性がある。IS−95Aの詳細については、米国電気工業会(EIA),2001 Eye Street, N.W., Washington, D.C. 20006によって出版されたTIA/EIA/IS−95−A, Mobile Station-Base Station Compatibility Standard for Dual Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System, March 1995を参照されたい。
【0014】
図2は、順方向リンク送信ダイバーシチをサポートするために2本のアンテナ218,222を有する基地局103によってサポートされる、図1の120°区分セルラ・カバー・エリアのブロック図を概略的に示す。ここでも、簡単にするため、図1からの一つのセクタAのみを図2に示す。前述のように、図2に示す基地局103は、CDMA通信チャネルを介して移動局106と通信できる。基地局103に結合されているのは、主に通信システムに関連する、とりわけ、トランスコーディング(transcoding)および交換(switching)機能を実行するコントローラ209である。コントローラ209は、移動交換局(MSC:mobile switching center)212に結合され、このMSC212は、陸線ネットワーク(land line network)に関連する交換機能を主に実行する。MSC212に結合されるのは、公衆電話回線網(PSTN:public switched telephone network)215であり、CDMA通信システム内の移動局106との通信の発信および/または受信が可能な、とりわけ、発呼側加入者,ファックス装置などを含む。
【0015】
また図2には、セクタAのカバー・エリア内で順方向リンク送信ダイバーシチを実施できる一対のアンテナ218,222も示す。ここで、図2および図5を参照して、順方向リンク送信ダイバーシチの従来の実施に伴う問題点について説明する。直交符号(orthogonal codes)のグループは、アンテナ218,222を介して送信するために割り当てられる。好適な実施例では、直交符号はウォルシュ符号(Walsh codes)である。図5でわかるように、パイロット・チャネルPilotAは、ウォルシュ符号WXを利用してアンテナ218,222を介して送信される。測定および獲得(acquisition)の理由により、このパイロットは、他の個別の被送信信号に比べて大きい、おそらく最大総送信パワーの20%の、振幅を有するように設定される。図5からわかるように、N人の個別のユーザ(TCHN)へのすべてのトラヒック・チャネル情報は、パイロット・チャネルPilotAで用いられるウォルシュ符号とは異なるが、アンテナ218,222を介して送信では同一のウォルシュ符号で、アンテナ218,222を介して移動局106に送信される。これらのウォルシュ符号は、ウォルシュ符号Wi〜Wkとして示されている。アンテナ218とアンテナ222との間で送信される信号は時間的に遅延され、そのため移動局106内のレーキ受信機はこれらの信号を合成信号(composite signal)に分解・合成できるが、アンテナ218,222を介して送信される信号は互いに直交ではなく、そのためカバー・エリア、すなわちセクタA内の干渉量を増加させる。従って、上で説明したように、順方向リンク送信ダイバーシチを実施することによって得られる潜在的な利点の一部は、元の信号の複製によって生じる干渉の増加によって軽減される。
【0016】
図3は、従来技術の直交符号割当を利用して、移動局とCDMA通信する基地局の送信機300を概略的に示す。図3に示すように、トラヒック・チャネル・ビット303の形式の情報は、特定のビット・レート(例えば、9.6キロビット/秒)にて、プロセッサ305を介してエンコーダ304に入力される。プロセッサ305は、コントローラ(図3では図示せず)に結合されたインタフェース309からトラヒック・チャネル・ビット303を主に受信する。また、プロセッサ305は、関連機能307と記されたブロックに結合され、ここで呼処理,リンク確立およびセルラ通信を確立・維持することに関連する他の一般的な機能を含む機能が実行される。好適な実施例では、トラヒック・チャネル・ビット303は、音声情報,データ情報またはこの2つの組み合わせのいずれかを含む。エンコーダ304は、データ・シンボルをデータ・ビットにその後最尤復号することを容易にする符号化アルゴリズム(例えば、畳み込みまたはブロック符号化アルゴリズム)によって、固定符号化レート(1/r)にてトラヒック・チャネル・ビット303をデータ・シンボル306に符号化する。例えば、エンコーダ304は、9.6キロビット/秒で受信したトラヒック・チャネル・ビット303(例えば、192入力データ・ビット)を、2データ・シンボルに対して1データ・ビットの固定符号化レート(すなわち、レート=1/2)にて符号化でき、そのためエンコーダ304は19.2キロシンボル/秒のレートでデータ・シンボルを出力(例えば、384データ・シンボルを出力)する。エンコーダ304は、当業者に理解されるように、他のレート(すなわち、レート=フル・レート,レート=1/8)で符号化できる。
【0017】
データ・シンボル306は、インタリーバ(interleaver)308に入力され、このインタリーバ308は、データ・シンボルをブロック(すなわち、フレーム)に整理して、入力データ・シンボル306をシンボル・レベルにてブロック・インタリーブする。インタリーバ308内では、データ・シンボルは、データ・シンボルの所定サイズのブロックを定める行列に個別に入力される。データ・シンボルは、行列が列(column)単位で埋められるように行列内の番地に入力され、また行列が行(row)単位で空になるように行列の番地から個別に出力される。行列は、整数の行および列を有する矩形行列であり、この行および列の数は、連続して入力される非インタリーブ・データ・シンボルの間の出力インタリーブ距離を増加するように選択される。その結果は、インタリーブされたデータ・シンボル309であり、これは入力されたのと同じデータ・シンボル・レート(例えば、19.2キロシンボル/秒)にてインタリーバ308によって出力される。行列によって定められるデータ・シンボルのブロックの所定のサイズは、所定長の伝送ブロック内で符号化ビット・レートにて送信できるデータ・シンボルの最大数から導出される。例えば、データ・シンボル303が19.2キロシンボル/秒のレートにてエンコーダ304から出力され、かつ伝送ブロックの所定の長さが20ミリ秒である場合、データ・シンボルのブロックの所定のサイズは、19.2キロシンボル/秒と、20ミリ秒を乗じた値、すなわち、384データ・シンボルであり、これは16×20行列を定める。なお、当業者であれば、符号化・インタリーブされたデータ・ビット309のストリーム内のデータ・シンボルは、本発明の範囲および精神から逸脱せずに、多くの他のアルゴリズムに従ってより大きい長さの符号のシーケンスに拡散できることが理解されよう。
【0018】
次に、符号化・インタリーブされたデータ・シンボル309は、拡散器(spreader)312に入力され、この拡散器312は、インタリーブされたシンボル309を直交拡散シーケンスで畳み込む。直交拡散シーケンス(orthogonal spreading sequence)とは、2つの信号の積である信号のことで、第1の信号は、時間オフセットが既知であるQPSK擬似ランダム・シーケンスであり、第2信号は、ウォルシュ符号Wiなどの直交拡散符号である。直交拡散シーケンスの詳細については、米国電子工業会(EIA), 2001 Eye Street, N.W., Washington D.C. 2006 によって出版されたANSI J−STD−008 Personal Station Base Station Compatibility Requirement for 1.8 to 2.0 GHz Code Division Multiple Access (CDMA) Personal Communications Systems, March 24, 1995のセクション3.1.3.1を参照されたい。拡散器312は、インタリーバ308からの入力レートと、直交拡散シーケンスの長さ(例えば、長さ64の直交拡散シーケンスは、64ビット長ウォルシュ符号である)との積であるレートにて、QPSKチップ(chips)を出力する。これにより、1.2288メガチップ/秒(すなわち、19.2キロシンボル/秒×64)という拡散器312の出力レートが得られる。
【0019】
図3に示すように、拡散器312は、トラヒック・チャネルに関連する拡散を実行する。本実施例では、エンコーダ304,インタリーバ308および拡散器312は、一つのトラヒック・チャネル発生器302を構成する。複数のトラヒック・チャネルを必要とするシステムでは、トラヒック・チャネル発生器302は各トラヒック・チャネルごとに複製して、その出力は、拡散器310からのQPSKチップと加算機314によって加算される。拡散器310は、パイロット・チャネルの拡散を行う。パイロット・チャネルが情報ビットを転送しないと、プロセッサ305からのデータ入力は必要ない。好適な実施例では、パイロット・チャネルを形成するために拡散される情報は、すべて0からなるデータのストリームによって構成される。
【0020】
加算されたQPSKチップは、1.2288メガチップ/秒のレートにて加算器314から出力され、送信機300の送信機部316に入力される。送信機部316は、加算されたQPSKチップを適切な送信周波数にアップコンバートすることによって、通信チャネルで送信するために加算されたPQSKチップを準備する。アップコンバートの次に、信号は不要なサイドバンド・エネルギを除去するために帯域通過濾波された後、送信機部316から出力される。送信機部316からの変調済み信号は、無線通信経路330上で送信するためにアンテナ318に与えられる。また、送信機部316からの信号は、被変調信号を遅延させる遅延回路320にも送られ、ここで信号は無線通信経路332上で送信するためにアンテナ322に与えられる。それぞれが所定の量だけ互いに遅延されている2つの信号330,332を受信機390に与えることにより、受信機390におけるダイバーシチが達成される。
【0021】
さらに図3を参照して、受信機390は、無線通信経路330,332からの被送信スペクトル拡散信号の和をアンテナ352を介して受信して、復調器354に渡される。復調器354は、入力信号を濾波して、送信周波数からのダウンコンバートおよび所定のレート(例えば、1.2288メガサンプル/秒)でのサンプリングの後の不要な隣接周波数信号を除去するため入力を濾波する。復調器3564からのQPSK被サンプリング信号は、受信した被サンプリング信号を逆拡散符号(despreading code)で相関することにより、逆拡散器(despreader)364によって逆拡散され、ここで逆拡散符号は、元の拡散シーケンスの複製である。なお、元の直交拡散シーケンスは、2つの信号の和であり、その第1信号は時間オフセットが既知であるQPSK擬似ランダム・シーケンスであり、第2信号はウォルシュ符号Wiなどの直交拡散符号であることを想起されたい。これによって得られる逆拡散された被サンプリング信号365は、所定のレート、例えば19.2キロサンプル/秒でサンプリングされ、そのため被受信スペクトル拡散信号の64個のサンプルのシーケンスは逆拡散される。この信号は、一つの複素数(振幅および位相)データ・サンプルによって表され、コヒーレント検波のためにコヒーレント検波器(coherent detector)368に出力される。
【0022】
図3からわかるように、復調器354に出力はパイロット復元回路(pilot recovery circuit)362にも与えられ、ここでウォルシュ符号Wiではなく、ウォルシュ符号WXが復元のために用いられる点を除いて、逆拡散器364によって実行されるのと同様なプロセスが行われる。パイロット復元回路362および逆拡散器364の両方からの出力は、コヒーレント検波器368に入力され、、このコヒーレント検波器368は、パイロット復元回路362の出力の複素共役(complex conjugate)をとり、これに逆拡散器364の出力を乗算する。この解の実数部は、コヒーレント検波器368の出力として渡される(複素乗算の虚数部は破棄される)。
【0023】
また、復調器354の出力はサーチャ(searcher)350にも与えられ、このサーチャ350は、基地局送信機300によって生成された、ウォルシュ符号WXで拡散されたすべての信号を探す。この場合、サーチャ350は、2つの信号、すなわち、無線通信経路330からの信号と、無線通信経路332からの信号とを見つける。この情報により、サーチャ350は第1フィンガ・レーキ受信機(first finger RAKE receiver)360および第2フィンガ・レーキ受信機370をこれらの経路のそれぞれに割り当てる。両方のレーキ・フィンガ受信機360,370は、動作的には同一である。レーキ受信機360,370の出力は加算器375によって加算され、加算器375の出力はデインタリーバ(de-interleaver)380に与えられ、このデインタリーバ380は、インタリーバ308によって実施されたインタリーブ・プロセスを実質的に「元に戻す(undo)」。デインタリーバ380では、データ・シンボルは、インタリーバ308における行列と同じサイズの行列に個別に入力される。データ・シンボルは、行列が行単位で埋められるように行列の番地に入力され、またデータ・シンボルは、行列が列単位で空になるように行列の番地から個別に出力される。
【0024】
デインタリーバ380から出力されるデインタリーブされた軟判定データ(soft decision data)381は、デコーダ382に入力され、このデコーダ382は周知の最尤シーケンス推定(MLSE:maximum likelihood sequence estimate)復号方法を利用して、被推定トラヒック・チャネル・データ・ビット383を生成する。MLSE復号方法は、ビタビ復号アルゴリズム(Viterbi decoding algorithm)と実質的に同様なアルゴリズムを利用して補強できる。デコーダ382は、個別の軟判定データ381のグループを利用して、MLSEデコーダ382の各特定の時間状態において用いられる軟判定遷移メトリック(soft decision transition metrics)のセットを形成する。軟判定遷移メトリックの各セットを形成するために用いられるグループ内の軟判定データ364の数は、各入力データ・ビット303から生成される畳み込みエンコーダ304の出力におけるデータ・シンボル306の数に対応する。各セット内の軟判定遷移メトリックの数は、2を各グループ内の軟判定データ364の数で累乗した値に等しい。例えば、送信機300において1/2畳み込みエンコーダを利用する場合、各入力データ・ビット303から2つのデータ・シンボル306が生成される。従って、デコーダ366は、2つの個別の軟判定データ381のグループを利用して、MLSEデコーダ382において各時間状態にて用いるために4つの軟判定遷移メトリックを形成する。被推定トラヒック・チャネル・データ・ビット383は、軟判定データ381がデコーダ382に入力されるレートと、またトラヒック・チャネル・ビット3034を本来符号化するために用いられた固定レートとに関連するレートにて生成される。一例として、軟判定データ381が19.2キロシンボル/秒のレートにて入力され、元の符号化レートが1/2である場合、被推定トラヒック・チャネル・ビット383は9600ビット/秒のレートにて出力される。被推定トラヒック・チャネル・ビット383はプロセッサ384に入力され、このプロセッサ384は、関連機能ブロック386とともに、被推定トラヒック・チャネル・ビットを、移動局のユーザが利用するのに適した形式で与える。
【0025】
図4は、順方向リンク送信ダイバーシチを改善するために改善された直交符号割当方法を利用して、移動局とCDMA通信する基地局の送信機を概略的に示す。共通の機能を有する図3と図4との間のブロックは、共通の参照番号が付されている。
【0026】
図4に示すように、インタリーバ308までのブロックは、以下で別段説明がない限り、図3の従来の送信機300と機能的に同様である。ただし、図3に示す送信機300とは異なり、図4のインタリーバ308から出力されるインタリーブされたデータ・シンボル309は、2つの拡散器、すなわち、拡散器312および拡散器413に入力される。これらの拡散器312,413のぞれぞれは、インタリーブされたシンボル309を、それぞれの直交拡散シーケンス、すなわち、それぞれウォルシュ符号Wiおよびウォルシュ符号WAで畳み込む。直交拡散シーケンス(ウォルシュ符号)による拡散は、図3で説明したものと機能的に同等である。なお、エンコーダ304,インタリーバ308および2つの拡散器312,413は、重複トラヒック・チャネル発生器402を構成することに留意されたい。
【0027】
ウォルシュ符号の分割および割当は、ウォルシュ符号割当ブロック403によって行われる。ウォルシュ符号割当ブロック403は、直交符号の所定のセットを複数の直交符号のサブセットに分割し、直交符号のサブセットを所定の条件に従って割り当てる。好適な実施例では、この所定の条件は、直交符号のサブセットを共通のカバー・エリアを担当する特定のアンテナに割り当てることや、アンテナ・アレイ内の特定のアンテナに割り当てることを含む。
【0028】
各拡散器312,413は、QPSKチップを1.2288メガチップ/秒(すなわち、19.2キロシンボル/秒×64)のレートにて出力する。パイロット・チャネルを拡散し、拡散パイロットおよびトラヒック・チャネルを合成し、合成されたパイロットおよびトラヒック・チャネルを送信するため、図4の拡散器310,加算ノード314および送信機部314は、図3の対応するブロックと機能的に同等に動作する。また、拡散器411,加算ノード415および送信機部417も、図3の対応するブロックと機能的に同等に動作する。なお、図3に示す従来の送信機300とは異なり、パイロット・チャネル(ここでも、すべて0)を拡散するために用いられる各拡散器310,411は、互いに直交である拡散シーケンス(それぞれウォルシュ符号WXおよびウォルシュ符号Wy)を利用することに留意されたい。これは、無線通信経路330,432からの被送信スペクトル拡散信号は互いに直交であり、そのため従来技術の場合のように順方向送信ダイバーシチを実施するためにシステム干渉を増加することがない。
【0029】
さらに図4を参照して、受信機490は、無線通信経路330,432からの被送信スペクトル拡散信号330,432をアンテナ352を介して受信し、復調器354に渡され、この復調器354は図3で説明したように機能する。復調器354からの出力されるQPSKサンプリングされた信号は、図3で説明したように、第1フィンガ・レーキ受信機360によって逆拡散・検波される。さらに、復調器354から出力されるQPSKサンプリングされた信号は、実質的に図3で説明したように、第2フィンガ・レーキ受信機470によって逆拡散・検波されるが、ただし、このレーキ受信機470に入る復調器354から出力されるQPSKサンプリングされた信号は、ウォルシュ符号WA(トラヒック・チャネルの場合)およびウォルシュ符号Wy(パイロット・チャネルの場合)によって逆拡散される点が異なる。なお、これは、各レーキ受信機360〜370は同じウォルシュ符号WXで逆拡散されたパイロット・チャネルと、同じウォルシュ符号Wiで逆拡散されたトラヒック・チャネルとを有するという点で、図3に示す従来の受信機390とは異なることに留意されたい。
【0030】
特定の通信経路に対する特定のフィンガ・レーキ受信機の割当は、サーチャ450によって行われる。サーチャ450は、送信機400によって送信された、ウォルシュ符号WXで拡散されたすべての信号を探す。この場合、サーチャ450は、無線通信経路330に対応する一つの信号を見つける。この情報により、サーチャ450は、パイロット・チャネル・ウォルシュ符号WXおよびトラヒック・チャネル・ウォルシュ符号Wiで、第1フィンガ・レーキ受信機360を通信経路330に割り当てる。同様なプロセスは、送信機400によって送信された、ウォルシュ符号Wyで拡散された信号についても、サーチャ450によって実施される。この場合、第2フィンガ・レーキ受信機470は、パイロット・チャネル・ウォルシュ符号Wyおよびトラヒック・チャネル・ウォルシュ符号WAで、通信経路432に割り当てられる。
【0031】
共通のカバー・エリア(例えば、図2のセクタA)内で2つのパイロット・チャネルを異なる直交拡散シーケンスで拡散させることにより、パイロット・チャネルのうちの一方をカバー・エリア内のすべての移動局に対する一次パイロット・チャネルとして利用でき(従来技術の場合と同様)、また他方のパイロット・チャネルは二次パイロット・チャネルとして利用できる。この構成では、移動局106によって獲得および近隣測定のために用いられる一次パイロット・チャネルは、一定の比較的高い信号パワー・レベルであり、一方、二次パイロット・チャネルははるかに低い信号パワー・レベルである。これは、順方向リンク・ダイバーシチを実施する際に、不要なシステム干渉を低減すべくさらに機能する。
【0032】
パイロット・チャネルが異なる信号パワー・レベルを有する上記の構成では、各レーキ受信機360,470から加算機375に入る信号が実質的に同じパワー・レベルとなるように、加算器375における加算の前の補正が必要になる。これを達成する一つの方法として、レーキ受信機360またはレーキ受信機470から出る信号を、送信機400におけるパワー・レベル差に応じて、減衰器を介して適切に低減することによって行う方法がある。加算器375以降のすべての処理は、図3で説明したのと同じである。
【0033】
図6は、順方向リンク送信を実施するための直交符号の一例としての割当を概略的に示す。図6に示すように、各アンテナ218,222は、それぞれ割り当てられた専用のウォルシュ符号の個別のグループを有する。例えば、図6を参照して、アンテナ218を介して送信される一次パイロット・チャネルは、ウォルシュ符号WXで拡散され、アンテナ222を介して送信される二次パイロット・チャネルは、異なるウォルシュ符号Wyで拡散される。同様に、N人の個別のユーザ(TCHN)のそれぞれに対するすべてのトラヒック・チャネルは、二次アンテナ222上で割り当てられた個別のウォルシュ符号をそれぞれ有することができる。ただし、TCH情報(例えば、ブロック600〜601に示すようなTCH1)は、同じ情報であることに留意されたい。また、ブロック602〜603に示すパイロット・チャネルPilotAは、異なるウォルシュ符号を用いて拡散される同様に共通のパイロット・チャネルであることに留意されたい。これにより、それぞれが関連するパイロットを利用してそれぞれ復調された後に、基地局アンテナから送信される情報を移動局受信機内で合成することが可能になる。なお、当業者であれば、順方向リンク送信ダイバーシチを実施するこの方法によって提供される効果は、ブロック600〜601に示すような共通のTCH情報が共通のウォルシュ符号によって拡散される別の実施例によっても実現されることが理解されよう。この場合、例えば、Wi=WAである。
【0034】
なお、移動局106内で内蔵される設計および知見は、ダイバーシチ信号が送信されるか否かに応じて復調方法を適切に実行するようなものであることを理解されたい。これには、各チャネル上のすべてのパイロットおよびトラヒック・チャネルについてどの符号が用いられるのかについて完全に把握することが含まれる。これは、基地局103と移動局106との間で情報のメッセージングを利用することによって促進できる。この情報のシグナリングを実施する方法は周知であり、IS−95規格において規定されるメッセージによって容易に達成される。
【0035】
上記の好適な実施例を参照して、送信すべき情報の部分(パイロット・チャネルまたはTCHのいずれか)に異なる直交またはウォルシュ符号を割り当てることにより、特定のカバー・エリア(例えば、セクタA)内の直交性(orthogonality)を維持できる。順方向リンク送信ダイバーシチを実施する際に、直交性を維持することにより、順方向リンク送信ダイバーシチのすべての利点は、CDMAシステム性能を劣化させずに実現される。
【0036】
最も単純な形式では、順方向リンク送信ダイバーシチの実施は、共通のパイロット・チャネルおよびTCHを拡散して、第2アンテナ上で送信するために、異なる直交拡散シーケンスを利用することである。64個の直交(ウォルシュ)符号が実装されるIS−95Aの場合、これはアンテナ222上で利用されない2つのウォルシュ符号をアンテナ218上で利用することによって達成される。IS−95A例についてウォルシュ符号のこのような割当を図7に示す。図7に示すように、アンテナ218には、パイロット・チャネルPilotAを拡散するためにウォルシュ符号63が割り当てられ、そのため送信ダイバーシチ・モードにあるすべての移動局に対するパイロット・チャネルとして動作し、一方、ウォルシュ符号62は移動局106に宛てられたTCH情報(図7においてTCH106と記される)を拡散するために用いられる。次に、アンテナ222には、パイロット・チャネルPilotAを拡散するためのウォルシュ符号0と、移動局106に宛てられたTCH106情報を拡散するためのウォルシュ符号1とが割り当てられる。この例では、ウォルシュ符号0は、このカバー・エリアが担当する、もしくはこのカバー・エリア上で移動支援ハンドオフ(HAHO:mobile assisted handoff)を実施するすべての移動局に対する共通のパイロット・チャネルとして動作し、一方、ウォルシュ符号1はTCH情報を特定の移動局に伝達する。
【0037】
特定のアンテナにウォルシュ符号を割り当てることができることにより、セルラ通信システム内で多くの有利な特徴が得られる。例えば、当業者であれば、図2に示すようなアンテナ218およびアンテナ222について概念を説明してきたが、例えばアンテナ・アレイの場合のように、任意の数のアンテナにそれぞれ独自のウォルシュ符号を割り当てることができることが理解されよう。例えば、上記のIS−95Aの場合では、アンテナ・アレイ内の8本のアンテナに、それ自体は他のアンテナに割り当てられていない8つのウォルシュ符号を割り当てることができ、これら8つのウォルシュ符号は、各アンテナのパイロット・チャネル、例えば、PilotAを拡散するために利用できる。次に、移動局106には、そのトラヒック・チャネル情報TCH106用に一つのウォルシュ符号を割り当てることができ、次にこのウォルシュ符号は、アレイ内のすべてのアンテナ素子上で送信される。個別のアンテナ素子上でTCH106情報を拡散するために用いられるこの一つのウォルシュ符号の相対的な位相および振幅を設定することによって、送信パワーを移動局106に直接向けるためのビーム形成(beamforming)が実現される。
【0038】
コヒーレント復調を行うべく移動局106内で基準信号を生成するため、基地局103は、基地局103が移動局106に向けたビームを形成するために利用したTCH106ウォルシュ符号の相対的な振幅および位相を移動局106に通知する。これは、このような情報を含む適切なメッセージを、基地局103から移動局106に送信することによって達成される。次に、移動局106は、個別のアンテナ上で異なるウォルシュ符号で拡散された各パイロット・チャネルPilotAの振幅および移相を判定する。異なるウォルシュ符号で拡散されたパイロット・チャネルPilotAの相対的な振幅および位相、ならびにTCH106ウォルシュ符号の相対的な振幅および位相を含む基地局103からのメッセージが与えられると、移動局106は、各異なるパイロット・チャネル・ウォルシュ符号の差ベクトルを算出する。これら差ベクトルのすべての和は、コヒーレント復調を行うため移動局106によって用いられる。
【0039】
再利用を改善するために必要な適切な信号対干渉比(signal to interference ratio)は、各移動局上で個別のビームを形成し、かつこれらのビームを同一アンテナ・アレイ上で送信することによって、同一トラヒック・チャネル・ウォルシュ符号を同一セクタ内の複数の移動局について用いる場合に得ることができる。それぞれの場合で、各アンテナのパイロット・チャネル/ウォルシュ符号は、目的のカバー・エリア(例えば、図2のセクタA)内のすべての移動局で共用できる。
【0040】
個別のパイロット・ウォルシュ符号を特定のアンテナに割り当てることができることに起因する別の利点は、順方向リンク送信ダイバーシチの利用を制御できることである。図5に示すような従来の割当方式を利用することにより、唯一利用できる「制御」は、移動局106に対して何も送信しないことか、あるいはアンテナ218およびアンテナ222の両方を介して送信するかのいずれかである。これは、一部のレーキ合成アルゴリズムは受信したパイロット信号レベルの量に対してのみ合成を重み付けするという事実に起因する。従って、パイロット信号を有する複数のアンテナを利用するが、適切なトラヒック・チャネルが存在しない場合、望ましくない雑音が合成され、システム劣化が生じることがある。しかし、アンテナ218,222を介して元の信号およびその遅延されたバージョンの両方を送信することが有利とはならない、通信中に生じる特定のモードおよび/または特定の特性がある。例えば、移動局106がソフト・ハンドオフ状態、特に、3方向ソフト・ハンドオフ状態に入ると、アンテナ222を介した信号の遅延されたバージョンの存在は、移動局106が良好に信号を復号することを助けない(なお、移動局106は、全部で3本の同時線しか分解できないことを想起されたい)。さらに、一つの移動局106に送信される3本以上の線は、余分な(未使用の)パワーが基地局103によって送信され、これはシステム性能を劣化させることを意味する。しかし、図6のウォルシュ符号割当を実施すると、順方向リンク送信ダイバーシチの利用は制御可能になる。これは、異なるウォルシュ符号割当を介してどのパイロット・チャネルPilotAに注目すべきかについて、移動局106を適切なメッセージングを介して指示できるためである。従って、上記の3方向ハンドオフの例では、順方向リンク送信ダイバーシチを介して送信される信号の一つは、移動局106が良好に信号を復号するのを助けないので、除去される。
【0041】
基地局103において順方向リンク送信ダイバーシチの利用を禁止または制御する機構を必要とする、他のモードおよび/または特性が通信中に生じる。例えば、無線チャネル(すなわち、無線周波数搬送波)が過剰な遅延拡散(delay spread)を受けている場合には、順方向リンク送信ダイバーシチを禁止する必要があるかもしれない。アップリンク(移動局から基地局)およびダウンリンク(基地局から移動局)の送信経路は往復的(reciprocal)になる傾向があるので、移動局106において受ける遅延拡散の量は、アップリンク送信から推論できる。基地局においてかなりのエネルギを複数の線で受信する場合(例えば、アップリンク信号を復号するために利用されるフィンガの数を把握することにより判定されるように)、順方向リンクに(アンテナ218または222を介して)別の線を追加することは、全体的なシステム性能を劣化させるに過ぎないことがある。この情報は、基地局103の受信機(図示せず)から容易に入手可能であり、図4のウォルシュ符号割当ブロックで利用するために関連機能ブロック407に入力できる。
【0042】
順方向リンク送信ダイバーシチの利用のために基地局の制御判定を助ける有益な情報を提供する、多数の他のモードおよび/特性が生じる。これらのモードおよび/または特性には、移動局106(あるいは、送信経路が往復的であると仮定すると、基地局103)によって判定される受信信号強度(receive signal strength),パイロット強度測定メッセージ(PSMM:pilot strength measurement message)において得られるパイロット測定情報および移動局106にて受信される信号の遅延が含まれる。この最後の特性は、基地局103から移動局106までの距離についての直接的な指示を与え、これを利用して、過剰な量の遅延拡散の高い可能性を判定することができる。
【0043】
順方向リンク送信ダイバーシチの利用を制御するさらに別のモードおよび/特性は、移動局106の位置であることがある。例えば、セクタAなどのカバー・エリアは、順方向リンク送信ダイバーシチが劣化したカバレッジを移動局に与えることがわかっているところのカバー・エリア内の位置を判定するために、事前に調べることができる。これらの位置を表すこの事前調査情報は、基地局103や、コントローラ209など中央施設にローカルに格納できる。基地局103が移動局106の位置を判定すると、格納された情報に対して比較を行い、移動局106が「既知の不良(known-bad)」位置のうちの一つにいるのかどうかを判定できる。移動局106が「既知の不良」位置にいる場合、順方向リンク送信ダイバーシチは移動局106の助けにならず、そのため移動局106がカバー・エリア内のより適切なエリアに移動するまで、無効にされる。移動局が「既知の不良」位置にいない場合、順方向リンク送信ダイバーシチは有効にされる。
【0044】
別の実施例では、移動局106は、自局の位置を判定し、この情報を比較のために基地局103に与えるべく装備できる。移動局106が自局の位置を判定するためのこのような一つの機構は、GPS(Global Positioning System)などを利用する。移動局106が自局の位置を判定できる場合、事前調査情報も移動局106にダウンロードして、ローカルに格納できる。この構成では、移動局106自体が「既知の不良」または「既知の良好(known-good)」位置にいることを判定でき、それに応じて直交拡散符号で拡散されたパイロット・チャネルの一つの受信を無効/有効にできる。
【0045】
上記のように、ウォルシュ符号を特定のアンテナに割り当てることができることにより、セル他通信システム内で多くの有利な特徴が得られる。図8は、本発明により、直交送信ダイバーシチを有利に実施する送信機800を概略的に示す。図8に示すように、チャネル情報801(すなわち、エンコーダ304から出力される符号化情報)を少なくとも第1部分802および第2部分804に分割するデータ・スプリッタ(data splitter)803が含まれる。好適な実施例では、チャネル情報801は、少なくともチャネル情報の第1部分802およびチャネル情報の第2部分804に分割される。
【0046】
次に、分割されたチャネル情報801の部分802,804は、拡散器806,808によってそれぞれ拡散され、この拡散器の動作は図4に示す拡散器312,413と同等である。図8のI/Q形式では、I1/Q1(第1部分802に関連する)およびI2/Q2(第2部分804に関連する)として表される、拡散された分割部分は、加算ノード314,415にそれぞれ与えられる。加算ノード314,415は、本発明に従って拡散器310,411を介して異なるウォルシュ符号によって拡散されたパイロット信号を入力として有する、図4に示す加算ノードである。そのため、各拡散された分割部分データ・ストリームI1/Q1およびI2/Q2は、本発明に従って異なるアンテナ218,222を介して、ただし共通の所定の搬送周波数上で、送信機部316,417を介して移動局に最終的に送信される。図8は2つのアンテナ218,222を介する対応した送信のためにチャネル・データの2つの部分802,804に分割されたチャネル情報801を示すが、当業者であれば、チャネル情報801は、任意の数のアンテナを介した移動局への送信のために任意の数の部分に分割できることが理解されよう。
【0047】
なお、チャネル情報801の第1部分802および第2部分804内のビット数は、本発明に従って可変であることに留意されたい。例えば、第1の構成では、データ・スプリッタ803は、第1および第2部分802,804が送信のために各アンテナ218,222宛てられたチャネル情報801の1ビットを含むように、チャネル情報801をビット単位で分割する。そのため、送信側の基地局および受信側の移動局に関する限り、第1および第2部分802,804の送信は、実質的に同時に生じる。本発明によるこの構成では、アンテナ毎に異なるウォルシュ符号を利用することにより、被送信データ・ストリームI1/Q1とI2/Q2との間で直交性が維持される。これは、拡散器806,808内の異なるウォルシュ符号WN,Wmとして図8において図示される。
【0048】
この構成を利用すると、複数のアンテナを介した直交送信は、利用可能なウォルシュ符号の数を必ずしも低減しない。一定の出力レートを維持するために、一つの256ビット・ウォルシュ符号が、直交送信なしに、アンテナ毎に実装される。しかし、アンテナ毎のデータ・レートは本発明に従って半分になるので、好適な実施例では、アンテナ毎に2つの512ビット・ウォルシュ符号が用いられる。そのため、図8の構成は、本発明に従って直交送信を維持するために、利用可能なウォルシュ符号の数を必ずしも低減しない。なお、複数のアンテナを介して直交送信を実施するために示した方法および装置は、異なるレートにてチャネル情報を出力する送信機構成にも同様に適用されることに留意されたい。例えば、図8はチャネル情報を3.6864メガチップ/秒(Mchip/s)で出力する構成を示すが、本方法および装置はチャネル情報を1.2288Mchip/sで出力する図3の構成にも同様に適用される。
【0049】
図8の構成の別の利点は、トラヒック・チャネル情報801が分割され、複数のダイバーシチ・チャネル上で送信されるので、複数のアンテナ218,222から受信したビットのグループを処理することにより、移動局のデコーダにおいてダイバーシチ利得(diversity gain)が達成されることである。また、各分割された部分は異なるアンテナ218,222を介して送信されるので、各部分に関連する各被送信データ・ストリームI1/Q1,I2/Q2は、異なるフェージング状態を受ける。インタリーバ308によって行われるインタリーブと組み合わせると、図8の構成は一種の時間・空間符号化(time-space coding)を提供し、これは移動局におけるデコーダの性能を改善する。移動局におけるデコーダ性能の改善は、移動局における呼品質(call quality)に大きく寄与する。
【0050】
チャネル情報801の第1および第2部分802,804内のビット数を増加すると、第1および第2部分802,804の送信は同時ではなくなるが、実際には、移動局に時間的に交互に送信される。これは、この構成における移動局から見ると、第1および第2部分802,804の時分割多重化(TDM:time-division multiplexing)に相当する。アンテナ218,222を介して送信される異なるパイロット・チャネルは異なるウォルシュ符号で拡散されるので(図4参照)、基地局は、移動局が第1および第2部分802,804のそれぞれを本発明に従ってTDM方式で受信するように制御できる。
【0051】
いずれの構成でも、ウォルシュ符号割当/コントローラ・ブロック809は、本発明に従ってチャネル情報801の分割を行うようにデータ・スプリッタ803を制御する。図4の関連機能ブロック407からの入力があると、コントローラ・ブロック809は、チャネル状態,送信品質,信号対干渉比などの特性に基づいて、分割され、アンテナ218,222に送信されるビット数を制御する。好適な実施例では、これらの特性は、移動局によって判定され、基地局受信機に報告される。移動局によるこの報告は、往復性(reciprocity)が適用されない場合に実施される。往復性が想定されると、基地局受信機は特性を判定し、この情報をコントローラ809に入力できる。上記のように、この情報は、本発明に従って送信するためにアンテナ218,222に送られるビット数を変えるために利用できる。
【0052】
移動局から見た送信品質を改善する他の方法も、本発明に従って有利に実施できる。例えば、特定のユーザに割り当てられる総パワーは、アンテナ218,22の間で分割できる。最も単純な方式では、等しい量のパワー(例えば、2本のアンテナの場合、パワーの半分)を異なるアンテナ218,222に向ける。別の実施例では、パワーはアンテナ218,222の間で不均等に分割されるが、総パワーは同一のままである。この実施例では、より多くのパワーは、信号対雑音比が高いチャネルに割り当てられる。例えば、特定のアンテナ218または222を介した一方の送信が他方からの送信よりも品質が良好であることを移動局が検出すると、この特性は基地局受信機に報告され、それに応じてパワーは本発明に従って調整される。John G. Proakisによる"Digital Communications", 3rd edition, 1995, McGraw-Hill, Newark, N.J.において説明されるような古典的な情報理論では、情報スループットはこの実施例において大幅に改善されることが予想される。
【0053】
さらに別の実施例では、不均等なビット・レート分割が行われる。例えば、(図8に示すように)各ストリーム上で均等なビット・レートを送信せずに、チャネル情報801の4分の3(3/4)は第1部分802に分割でき、残りの4分の1(1/4)は第2部分804に分割される。この分割では、分割の制御は、アンテナ218を介した送信がアンテナ222を介した送信よりも良好な信号対雑音比が得られるという指示に応答する。特定のアンテナ218または222を介した一方の送信が他方を介した送信よりも明らかに良好である場合、この特性は基地局に報告され、チャネル情報801のすべては良好な送信品質を提供するアンテナに向けることができ、一方、他方のアンテナは情報を受信しない。この場合、一方のアンテナは、良好なアンテナを介した送信が劣化し始めるときまで、実質的に無効にされる。また、この実施例は、本発明に従って情報スループットを大幅に改善する。アンテナ毎の出力レートを一定に維持するため、コントローラ809は必要に応じてウォルシュ符号レートを変更する。当業者であれば、パワー割当およびビット・レート分割(均等または不均等)のさまざまな組み合わせを利用して、本発明に従って全体的なシステム品質を改善できることが理解されよう。
【0054】
移動局が分割された部分802,804を正確に再合成し、最終低にチャネル情報801を適切に復号するように、分割に関連する制御情報(すなわち、アンテナ218,222に送信されるビット数またはビットの比率,ウォルシュ符号割当など)は、本発明に従って基地局から移動局に通信される。制御情報を移動局に送信する一つの方法として、当技術分野で周知の「ディムおよびバースト(dim and burst)」方法がある。この方法では、トラヒック・チャネル情報が生成されるレートは、信号320を介してプロセッサ305内で低減(「ディム」)され、制御情報は、プロセッサ305を介して新たに利用可能なセグメントに入れられる(「バースト」)。制御情報は、信号320を介してプロセッサ305に与えられる。そのため、トラヒック・チャネル情報および制御情報はともにエンコーダ304に入力され、互いにチャネル符号化されて、チャネル情報801となる。あるいは、制御情報は、上記のようにトラヒック・チャネル情報と「多重化」された、通信システムのSACCH(slow associated control channel)を介して移動局に送信できる。制御情報を移動局に転送するためにSACCHを利用することは、当技術分野で周知である。
【0055】
チャネル330,332上の時間的なフェージング・プロセスは、移動局から見たダイバーシチの効果を適切に提供するためには、十分に相関解除(decorrelate)しなければならない。しかし、実際の通信チャネルでは、これは実現困難である。この問題を緩和するため、時間ダイバーシチの更なる利用を採用できる。好適な実施例では、ブロック・インタリーバ308は、行列(図3において説明済み)が「行単位」で空になるように、ある時間ダイバーシチを行う。図8の送信機は少なくとも2つの個別のチャネル330,332を与えるので、2つのチャネル330と332の間の更なる時間ダイバーシチを得ることができる。例えば、チャネル330がある瞬間にマルチパス・フェージングにより減衰し、またチャネル332もまったく同じ瞬間にフェージングにより減衰した場合、両方のチャネル330,332上の情報は両方のチャネル上で同時に失われる。これは、ダイバーシチ効果を低減する。
【0056】
この問題を克服するため、エンコーダ304によって出力されるビットの時間隣接するグループが異なる時間で直交チャネル330,332を通過する場合に、本発明に従って時間ダイバーシチを図8の送信機にさらに追加できる。本発明に従ってこの時間ダイバーシチを実施するため、信号322はコントローラ809からインタリーバ308に結合され、よってインタリーバ308は、チャネル情報801の分割に関連する時間にて、行列内の情報を出力する。例えば、上記のように行列を「行単位」で空にせずに、行列からのチャネル情報の出力は、本発明により時間的に隣接したチャネル情報に対してより多くの時間間隔(time spacing)が生じるように調整される。言い換えると、ブロック・インタリーバ308は、必要なチャネル情報の分割に基づいて制御できる。図8では好適な実施例として一つのブロック・インタリーバ308しか図示していないが、当業者であれば、発明の精神または範囲から逸脱せずに、本発明に従ってチャネル情報分割を行うために、コントローラ809の制御下で、データ・スプリッタ803が2つの個別のブロック・インタリーバ308よりも先行できることが理解されよう。
【0057】
図9は、本発明により、図8の送信機からの送信を受信する受信機を概略的に示す。好適な実施例では、受信機900は、アンテナ218,222からそれぞれ送信された信号330,332の復調されたバージョンを処理するための2つのレーキ受信機フィンガ906,908を表す。図9に示すように、アンテナ218,222から送信される信号は復調器354から出力され、それぞれ処理のために2つのレーキ受信機フィンガ906,908に入力される。2つのレーキ受信機フィンガ906,908は、最終的にデータ合成器(data combiner)910によって合成するために、アンテナ218,222から送信される信号330,332を分割することを担う。アンテナ218,222から送信される信号330,332の復調されたバージョンそれぞれは、アンテナ毎に異なるウォルシュ符号で変調されたパイロット・チャネルを含み、これはこの特定のアンテナ上で送信され、第1部分802および第2部分804に関連した対応するビット・ストリームを検出するために用いられる。
【0058】
第1および第2部分802,804が一度にトラヒック・チャネル情報801の1ビットを含む場合、レーキ受信機フィンガ906,908は、アンテナ218,222から送信される信号を実質的に並列に処理する。移動局受信機は、この分割情報を含む制御情報を受信し、またコントローラ912を介して制御信号920,922を受信して、それに応じて最終的に復号するために信号を再構築する。例えば、分割情報を含む制御情報は、第1部分802からのビットであって、WalshNで拡散されたビットは、第2部分804からのビットであって、Walshmで拡散されたビットよりも前に、データ合成器910を介して合成する必要があることをコントローラ912に通知する。データ合成器910は、図8のデータ・スプリッタ803において行われた分割を実質的に「元に戻し(undo)」、一つの信号を加算器375に出力する。上記のような制御情報転送のための「ディムおよびバースト」またはSACCH方法を実施すると、(加算器375以降の)デコーダ382における通常の復号は、当技術分野で周知なように行われる。
【0059】
データ合成器910における受信およびデータ合成の後、データ合成器910から出力された信号は、(一般的には)チャネル情報801の厳密な複製ではないが、受信機がアンテナ218,222によってそれぞれ送信される信号330,332の復調されたバージョンを検出する能力に基づいたその近似である。他のレーキ受信機フィンガ(図示せず)からの入力も、データ合成器910からの出力と同様に、加算器375に入力され、図4で説明したようにデインタリーブなどが行われる。
【0060】
図9の受信機900の構造から明らかなように、受信機900に転送される制御情報は、本発明によるトラヒック・チャネル情報の適切な再合成および最終的な復号のために必要である。第1および第2部分802,804のそれぞれがチャネル情報801の複数のビットを有する場合、データ合成器910は、制御信号920,222およびコントローラ912を介して命令されて、第1部分802からの複数のビット(WalshNで拡散)と、第2部分804からの複数のビット(Walshmで拡散)とを適切に合成し、加算器375に出力するためトラヒック・チャネル情報801の近似的な複製を実質的に再構築する。ビットの不均等な分割を行う場合、ウォルシュ符号長は、制御信号920,922およびコントローラ912からの入力に基づいて、信号924を介して適宜調整され、データ合成器910の出力において一定のレートを維持する。
【0061】
本発明について、特定の実施例を参照して図説してきたが、当業者であれば、発明の精神および範囲から逸脱せずに、形式および詳細におけるさまざまな変更が可能なことが理解されよう。特許請求項におけるすべての手段または段階の対応する構造,材料,行為または同等、ならびに機能要素は、具体的に請求される他の請求要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造,材料または行為を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術に従ってセクタ全体で送信される専用パイロット・チャネルを有する120°区分セルラ・カバー・エリアを概略的に示す。
【図2】順方向リンク送信ダイバーシチをサポートするために、2本のアンテナを有する基地局によってサポートされる図1の120°区分セルラ・カバー・エリアのブロック図を概略的に示す。
【図3】 従来技術の直交符号割当を利用して、移動局とCDMA通信する基地局の送信機を概略的に示す。
【図4】 本発明により、直交符号割当を利用して、移動局とCDMA通信する基地局の送信機を概略的に示す。
【図5】 従来技術において順方向リンク送信ダイバーシチを実施するための直交符号の割当を概略的に示す。
【図6】 本発明により、順方向リンク送信ダイバーシチを実施するための直交符号の割当を概略的に示す。
【図7】 本発明により、順方向リンク送信ダイバーシチを実施するためのIS−95Aウォルシュ直交符号の割当の例を概略的に示す。
【図8】 本発明により、直交送信ダイバーシチを有利に実施する送信機を概略的に示す。
【図9】 本発明により、図8の送信機からの送信を受信する別の実施例の受信機を概略的に示す。

Claims (7)

  1. 通信システムにおける基地局であって:
    チャネル情報を含む信号を送信する複数のアンテナ;
    前記チャネル情報を少なくとも第1部分および第2部分に分割する手段;
    前記チャネル情報の前記第1部分を、前記複数のアンテナのうちの第1アンテナと関連付けられた第1のウォルシュ符号により拡散する手段;
    前記チャネル情報の前記第2部分を、前記複数のアンテナのうちの第2アンテナと関連付けられた第2のウォルシュ符号により拡散する手段;
    前記1アンテナを介する第1チャネル及び前記第2アンテナを介する第2チャネルの特性に基づいて、前記チャネル情報のうち前記第1部分として分割されるビット数及び前記チャネル情報のうち前記第2部分として分割されるビット数を変化させるように前記分割する手段を制御する手段;
    前記チャネル情報の前記第1部分を前記第1アンテナを介して移動局に送信し、前記チャネル情報の前記第2部分を前記第2アンテナを介して移動局に送信し、前記チャネル情報の分割に関連する制御情報を送信する手段;
    によって構成されることを特徴とする基地局。
  2. 前記チャネル情報を少なくとも第1部分および第2部分に分割する前記手段は、前記チャネル情報を、少なくとも1ビットを有する第1部分と、少なくとも1ビットを有する第2部分とに分割する手段をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の基地局。
  3. 前記第1および第2部分は、時間的に交互に、あるいは実質的に同時に、前記移動局に送信されることを特徴とする請求項2記載の基地局。
  4. 前記チャネル情報を分割する前記手段は、前記チャネル情報を均等なあるいは不均等な第1および第2部分に分割するか、あるいは前記チャネル情報を、前記チャネル情報のすべてを有する第1部分と、前記チャネル情報をまったく有さない第2部分とに分割する手段をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項2記載の基地局。
  5. 前記第1アンテナおよび前記第2アンテナからの送信のパワー・レベルは、システム特性に基づいて、均等パワーまたは不均等パワーとなるように可変であることを特徴とする請求項1記載の基地局。
  6. 前記チャネル情報の分割に関連する前記制御情報は、ディムおよびバースト方法によって、あるいは制御チャネルによって、移動局に送信されることを特徴とする請求項1記載の基地局。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の基地局とともに使用される移動局における受信機であって:
    対応する前記第1および第2アンテナから前記基地局によって送信された第1および第2信号と、前記基地局におけるチャネル情報の分割に関連する前記制御情報とを受信する手段であって、前記第1信号は前記第1アンテナと関連付けられた前記第1のウォルシュ符号により拡散された前記チャネル情報の前記第1部分を含み、前記第2信号は前記第2アンテナと関連付けられた前記第2のウォルシュ符号により拡散された前記チャネル情報の前記第2部分を含む、手段;
    チャネル情報の分割に関連する前記制御情報に基づいて、前記チャネル情報の前記第1部分および前記チャネル情報の前記第2部分を再合成する手段;
    によって構成されることを特徴とする受信機。
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