JP4392378B2 - 音声符号化選択制御方法 - Google Patents

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Description

本発明はIPネットワークでの音声パケット通信における音声符号化選択制御方法、及びこの制御方法を用いて動作する音声パケット送信装置、音声パケット受信装置、これらをコンピュータ上で実現するためのプログラム、このプログラムを記録した記録媒体に関する。
インターネットではIP(Internet Protocol)パケットを利用してリアルタイムに音声信号を送受信するVoIP(Voice over Internet Protocol)(以下単に音声パケット通信と称す)技術を使った音声通信サービスが普及しつつあるが、通信中に音切れが発生するという問題がある。
音声パケット通信における音切れの原因として、二つの要因が考えられる。その一つはネットワークの輻輳を要因とするものと、他の一つは送信端末における処理遅延を要因とするものである。
現在広く使われているインターネットがベストフォート型のIPネットワークであり、パケットが確実に送信先に到着する保証がないため、ネットワークの輻輳等の原因によりパケットが通信の途中で消失(パケットロス)してしまうことがあり、受信側にパケットが到着せず、再生する音を作成できないために音切れが発生することがある。このようなネットワークの輻輳に起因するパケット消失を抑制する手法として、ネットワークの輻輳時に低ビットレートの音声符号化を使用することが効果的である。例えば特許文献1にはパケット損失率等によりネットワークの状態を評価し、ネットワークの状態によって符号化方式を切り替えることでパケットロスを防止する手法が提案されている。
特開2002−300274号公報
本発明は主に送信端末における処理遅延を要因とする音切れの発生を極力防止しようとするものである。つまり、受信端末において音声を実時間再生するためには、送信端末から音声データを決まった時間間隔(以下フレームと記載する、10〜20ms程度の時間間隔であることが多い)で送信する必要がある。従って送信端末はフレームの時間間隔内に符号化処理を終了させる必要がある。しかし、低ビットレートの音声符号化には信号を精密に分析する必要があるため、演算処理量が多い。加えて他のプログラムも協働している場合において、他のプログラムの仕事量が増加したとすると、送信端末の負荷が増大し、その結果、音声データの符号化処理を上記フレームの時間間隔で行なうことが出来ず、音声データを格納したパケット(本発明では以下音声パケットと記載する)をフレームの時間間隔で送信側から送信することが出来なくなるためにパケットロスが発生してしまい、ネットワークの輻輳の度合いに関係なく受信側で実時間再生を行なうことが出来ず、音切れが発生してしまうという問題があった。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、音声パケット通信を行う際、端末の負荷に起因するパケットロスを抑制し高品質な音声パケット通信を実現することが目的である。
本発明の骨子は、IPネットワークにおける音声パケット通信において発生するパケットロスがネットワークの輻輳に起因するのか端末の負荷の増大に起因するのかをパケットロス率とパケット到着ジッタの値から推定し、パケットロス率が高くかつパケット到着ジッタの値が小さい場合には端末の負荷に起因するパケットロスが発生していると判定し、低負荷な音声符号化方法を選択することで端末の負荷の増大に起因するパケットロスを抑制し、音切れを防止することにある。
更に具体的に本発明による音声符号化選択制御方法の特徴とする点は離散音声楽音信号サンプルを入力とし、パケット通信によりディジタル符号を送信する際にある決まった時間間隔の離散音声楽音信号を符号化するために必要な演算量の異なる少なくとも2種類の音声符号化方法を動的に切り替える音声符号化選択制御方法であって、ある決まった時間ごとの音声区間毎に各パケットを区別するためのパケット番号を各送信パケットに割り当てるステップと、音声の符号化データと送信する時刻情報をパケットにより送信するステップと、パケットを受信した時刻情報を記憶するステップと、上記送信時刻情報と上記受信時刻情報からパケット到着ジッタを計算するステップと、受信したパケットのパケット番号からパケットロス率を計算するステップと、上記パケット到着ジッタと上記パケットロス率から、少なくともパケットロス率がある一定の閾値よりも大きく、かつパケット到着ジッタがある一定の閾値よりも小さい場合は演算量が少ない音声符号化方式を選択するステップとを備えることを特徴とする。
更に本発明による音声符号化選択制御方法では、パケットロス率がある一定の閾値よりも大きく、かつパケット到着ジッタがある一定の閾値よりも大きい場合は、伝送情報量が少ない音声符号化方式を選択するステップを備えることを特徴とする。
更に、本発明による音声符号化選択制御方法では上記演算量が少ない音声符号化方法を選択するステップは、パケットロス率がある一定の閾値よりも大きく、かつパケット到着ジッタがある一定の閾値よりも小さい場合、同時に動作している画像符号化処理を一時停止させるための指令信号を出力するステップを備える。
本発明による音声符号化選択制御方法及び音声パケット送信装置、音声パケット受信装置によれば平均パケットロス率が所定値以上でジッタ率が所定値以下であれば送信端末で処理遅延が発生しているものと判定し、音声パケット受信装置は音声パケット送信装置に符号化切り替え要求パケットを送信し、音声パケット送信装置に備えた複数の音声符号化部の中から演算量の少ない音声符号化に切替える制御を実行する。この結果、音声パケット符号化部の演算量を低減することができ、符号化処理を高速化することができる。この結果、送信端末の処理遅延に起因する音切れの発生を抑えることができる。
本発明による音声パケット送信装置及び音声パケット受信装置はハードウェアによって構成することができる。然し乍ら、それより簡素に実現するにはコンピュータに本発明による音声パケット送信プログラムあるいは音声パケット受信プログラムをインストールし、コンピュータに音声パケット送信装置及音声パケット受信装置として機能させる実施形態が最良の実施形態である。
本発明による音声パケット送信装置をコンピュータで実現する場合、コンピュータには入力信号を演算量が異なる符号化方式で符号化する複数の音声符号化手段を備えた音声符号化部と、着信相手から送られて来る符号化切り替え要求パケットを復号する符号化切り替え要求パケット復号化部と、この符号化切り替え要求パケット復号部で復号した符号化切り替え要求信号により上記複数の音声符号化手段の中の何れかを選択する符号化選択部を構築する。
更に、本発明の音声パケット受信装置をコンピュータで実現する場合、コンピュータには送信時刻情報と受信時刻情報からパケット到着ジッタを計算するジッタ計算部と、受信したパケットのパケット番号からパケットロス率を計算するパケットロス率計算部と、パケット到着ジッタとパケットロス率から、パケットロス率がある一定の閾値よりも大きく、かつパケット到着ジッタがある一定の閾値よりも小さい場合に演算量が少ない音声符号化方式で符号化する音声符号化手段を選択するための符号化切り替え要求パケットを送出する符号化切り替え要求パケット作成部とを構築する。
図1に本発明による音声パケット送信装置の第1の実施例を示す。図中100は本発明による音声パケット送信装置を示す。本発明による音声パケット送信装置100は符号化切り替え要求パケット復号部101と、符号化選択部102と、音声符号化部103と、音声パケット作成部104と、音声パケット送信バッファ105と、タイマー106と、音声パケット送出部107とによって構成される。
符号化切り替え要求パケット復号部101は、ネットワークから送信端末の符号化方式を特定するために符号化方式ID情報が格納された符号化切り替え要求パケットを受信し、ヘッダを削除することで符号化方式ID情報を取り出し、取り出した符号化方式ID情報を出力する。
符号化選択部102は符号化方式ID情報に従って音声符号化部103に用意した複数の音声符号化手段の中の何れかを選択し、選択した音声符号化手段に入力音声信号を入力する。
音声符号化部103にはこの実施例では2種類の符号化方式で符号化を実行する音声符号化手段103Aと103Bを設けた場合を示す。いずれの音声符号化手段103A、103Bが選択されたとしても、指定された符号化方式によりフレーム(通常10〜20ms程度)毎に入力音声信号を符号化し、図3に示される形式の符号化列データを出力する。
符号化方式ID情報は送信側、及び受信側で用意されている符号化方式を指定するために付与された数値番号であり、例えば2種類の符号化方式A、Bを切り替える場合、符号化方式Aには0、符号化方式Bには1を割り当てる。符号化方式IDは複数種類の符号化方式を特定できるIDであれば記号等でも良い。また、音声符号化部103は入力音声信号を符号化するために必要な単位時間当たりの演算量が異なる複数の符号化方式を内蔵している。本実施例では、音声符号化手段103AとしてITU-T G.729を、音声符号化手段103BとしてITU-T G.711を用いた場合について説明する。これらの符号化方式の特徴を図4に示す。
図4から明らかなように符号化方式G.729は伝送する情報量が少ない代わりに演算量が大きい。これに対し、符号化方式G.711は演算量は少ない代わりに伝送する情報量が多い特質を持つ。従って符号化方式G.729は常時輻輳状態に陥り易いネットワークに向いており、G.711は伝送容量が大きく、常時空の状態が多く続くネットワークに向いている。
本実施例では2種類の符号化方式を用いる場合について説明するが、3種類以上の音声符号化方式を用いることも可能である。
音声パケット作成部104では、符号化列データを入力とし、パケットヘッダと1から始まりパケットを作成するごとに1ずつ増加するパケット番号を付加した音声パケットデータを出力する。パケット番号はどのフレームのパケットであるかを特定できればどんな番号でも良い。
音声パケット送信バッファ105は、音声パケットデータを入力とし、通常のIPネットワークにおける実時間音声通信の場合と同様に音声パケットデータをバッファリングし、上記フレームと同じ時間間隔で音声パケットデータを出力する。
タイマー106はある一定の時間(例えば1msなど)ごとに時刻データを出力する。時刻データは送出した時刻が分かればよい。例えば0から始まるある一定の時間(例えば1msなど)ごとに値が1ずつ増える値を出力する。
音声パケット送出部107は音声パケットデータと時刻データを入力とし、時刻データを送出タイマー値Tsとして音声パケットデータのヘッダに追加し、ネットワークに音声パケットデータを送信する。
図2に本発明による音声パケット受信装置の実施例を示す。図2に示す200は本発明における音声パケット受信装置を示す。本発明による音声パケット受信装置200はタイマー201と、音声パケット受信部202と、音声パケット受信バッファ203と、ジッタ値計算部204と、パケットロス率計算部205と、送信端末符号化方式決定部206と、符号化切り替え要求パケット作成部207と、符号化列データ復号部208と、音声復号化部210とによって構成することができる。
タイマー201はある一定の時間(例えば1msなど)ごとに時刻データを出力する。時刻データは受信した時刻が分かればよい。例えば0から始まるある一定の時間(例えば1msなど)ごとに値が1ずつ増える値を出力する。
音声パケット受信部202は音声パケットデータと時刻データを入力とし、時刻データを受信タイマー値Trとして音声パケットデータに付加し、音声パケットデータを出力する。
音声パケット受信バッファ203は音声パケットデータを入力とし、パケット番号の順に従い並び替え、格納されている音声パケットの中で最も時間的に早く送信されたパケット番号を持つ音声パケットデータを出力する。本実施例では格納されている音声パケットの中で最も小さいパケット番号を持つ音声パケットデータを出力する。
ジッタ値計算部204は音声パケットデータを入力とし、直前に受信した音声パケットデータとのパケット到着ジッタの値を計算し、ジッタの値を出力する。図5にジッタ値計算部204の構成例を示す。ジッタ値計算部204としてはこの実施例ではタイマー記憶部501と、ジッタ計算部502と、ジッタ値記憶部503と、平均ジッタ計算部504によって構成した場合を示す。
タイマー記憶部501は音声パケットデータを入力とし、入力された音声パケットデータに記載されている送信タイマー値Tsと受信タイマー値Tr、および内部に記憶された前送信タイマー値Ts’、前受信タイマー値Tr’を出力する。出力後、入力されたTs、Trの値を新たにT’s、T’rとして記憶する。
ジッタ計算部502は送出タイマー値Tsと受信タイマー値Tr、前送出タイマー値Ts’、前受信タイマー値Tr’を入力とする。以下の(1)式によりジッタを計算し、ジッタの値を出力する。
Figure 0004392378
ジッタ値記憶部503はジッタの値を入力とし、ある一定の値N個のジッタの値を内部に記憶する。記憶しているジッタの値がN個に達すると、N個のジッタの値(以下ジッタ列と記載)を出力し、内部に記憶しているジッタの値を0に初期化する。
平均ジッタ計算部504では、ジッタ列を入力とし、以下の(2)式に従って平均ジッタを計算し、平均ジッタの値を出力する。
Figure 0004392378
ただし、jitter(n)はn番目のジッタの値を表す。例えば、N=1000とし、1秒ごとに平均ジッタを出力すると効果的である。
また、ここではジッタ値計算部204の出力としてジッタ値記憶部503と平均ジッタ計算部504により平均ジッタを計算し、出力する構成について説明しているが、ジッタ計算部502の出力をジッタ値計算部204の出力とする構成としても良い。
パケットロス率計算部205では、音声パケットデータを入力とし、ある一定の時間間隔でのパケットロス率を計算し出力する。図6にパケットロス率計算部205の構成例を示す。パケットロス率計算部205はこの例ではパケットロス数記憶部601と、平均パケットロス率計算部602とによって構成した場合を示す。
パケットロス数記憶部601は音声パケットデータを入力とし、ある一定数の受信パケットに対する累積パケットロス数およびパケット番号を出力する。このパケットロス数記憶部601は直前に処理した音声パケットのパケット番号とパケットロス数の累積数を記憶することができるバッファを有する。音声パケットデータを入力とし、音声パケットデータからパケット番号Npを取り出し、また記憶している直前に処理した音声パケットのパケット番号N’pを取り出し、(3)式からパケットロス数を計算する。
(パケットロス数)=Np−N’p−1……(3)
(3)式により計算されたパケットロス数は、記憶しているパケットロス数の累積値(以下累積パケットロス数と記述)Plossに加算され、再び記憶される。また記憶されているN’pの値はNpに置き換わる。パケットロス数の加算がある一定の値M回に達すると、上記累積パケットロス数Plossとパケット番号Npが出力される。例えばM=1000とし、10秒ごとに累積パケットロス数を出力する構成とする事が出来る。
平均パケットロス率計算部602は、累積パケットロス数Plossとパケット番号Npを入力とし、平均パケットロス率を計算し、出力する。直前に処理を行ったパケット番号Nppreを記憶することが可能な記憶領域を有し、以下の式により平均パケットロス率を計算し出力する。
Figure 0004392378
平均パケットロス率出力後、NppreはNpと置き換わり再び記憶される。
送信端末符号化方式決定部206は入力された平均ジッタと平均パケットロス率から送信端末側の符号化方式を決定し、符号化方式ID情報を出力する。ネットワークの輻輳に伴いパケットロスが発生する場合には、平均ジッタ、パケットロス率ともに大きくなるが、端末の負荷の増大に伴いパケットロスが発生する場合には、パケットロス率は大きくなるが平均ジッタは小さくなることを考慮し、例えば図7又は図8に示すような規則に従って符号化方式IDを決定すると効果的である。
上記のように、平均パケットロス率が高いときに、ジッタの値が小さければ図7及び図8に示す何れの基準にしても送信端末の負荷の増大に起因するパケットロスと判定し、演算量の低い符号化方式G.711への切り替えを行なう。
符号化切り替え要求パケット作成部207は、符号化方式ID情報を入力とし、符号化方式ID情報にパケットヘッダを追加することで符号化切り替え要求パケットを作成し、ネットワークに符号化切り替え要求パケットを送信する。
符号化列データ復号部208は音声パケットデータを入力とし、音声パケットデータ中の図3に示される形式の符号化列データから符号化データと符号化方式ID情報を取り出し出力する。
音声復号化部210は音声符号化部103に対応した2種類の復号化方式を持ち、符号化データと符号化方式ID情報を入力とし、符号化方式ID情報により指定された符号化方式により符号化データを復号し、出力音声信号として出力する。
尚、図7に示す規則1は定常時、つまり平均パケットロス率が所定値より小さい状況では、平均ジッタの値に関係なく伝送情報量が少ない符号化方式G.729を用いることを規定する規則であるため、主にパケット伝送線路の伝送容量が小さい動作環境に適用して好適である。
これに対し、図8に示す規則2は定常時は平均ジッタの値に関係なく演算量が少なく、情報量が多い符号化G.711を選択する基準であるから、パケット伝送路の伝送容量が大きい動作環境に適用して好適である。図7と図8に示した規則は何れかを採るかは初期設定時にパケット伝送路の動作環境を確認して選択すればよい。
図9に本発明による音声パケット送信装置の第2の実施例を示す。この実施例では図1に示した音声パケット送信装置100に画像パケット送信装置700を付加した構成とした場合を示す。
音声パケット送信装置100は図1を用いて説明したのと同様に、符号化切り替え要求パケット復号部101と、符号化選択部102と、音声符号化部103と、音声パケット作成部104と、音声パケット送信バッファ105と、タイマー106と、音声パケット送出部107とによって構成され、図1の実施例と同様に動作する。
一方、画像パケット送信装置700は、この例では画像符号化制御部712と、画像符号化部713と、画像パケット作成部714と、画像パケット送信バッファ715と、画像パケット送出部717とによって構成した場合を示す。
符号化切り替え要求パケット復号部101は、ネットワークから送信端末の音声符号化方式を特定するために音声符号化方式ID情報と、送信端末の画像符号化制御部712を切り替えるための画像符号化動作制御情報が記載された符号化切り替え要求パケットを受信し、ヘッダを削除することで音声符号化方式ID情報と画像符号化動作制御情報を取り出し、取り出した音声符号化方式ID情報と画像符号化動作制御情報を出力する。ここで画像符号化動作制御情報は画像符号化の動作/非動作を指示できればなんでもよく、例えば0が動作を指示する情報を、1が非動作を指示する情報として実現することができる。画像符号化制御部712はこの画像符号化動作制御情報により動作/非動作状態に制御される。
画像符号化部713は画像符号化制御部712が動作モードに制御されている状態で入力画像信号を画像符号化手段713Aで符号化した画像符号化データを出力する。画像符号化動作制御情報が非動作を指示(本実施例では画像符号化動作制御情報が1)している場合には画像符号化データの出力を停止する。
画像パケット作成部714では、画像符号化列データを入力とし、パケットヘッダを付加した画像パケットデータを出力する。
画像パケット送信バッファ715は、画像パケットデータを入力とし、通常のIPネットワークにおける実時間画像通信の場合と同様に画像パケットデータをバッファリングし、一定の時間間隔で画像パケットデータを出力する。
画像パケット送出部717は画像パケットデータを入力とし、ネットワークに画像パケットデータを送信する。
図10に本発明による音声パケット受信装置200の第2の実施例を示す。
図10に示す実施例では図2に示した音声パケット受信装置200に画像パケット受信装置800を付加した実施例を示す。
図10に示す音声パケット受信装置200は図2を用いて説明した音声パケット受信装置200と同様にタイマー201と、音声パケット受信部202と、音声パケット受信バッファ203と、ジッタ値計算部204と、パケットロス率計算部205と、送信端末符号化方式決定部206と、符号化切り替え要求パケット作成部207と、符号化列データ復号部208とによって構成され、図2の実施例と同様に動作する。
一方、画像パケット受信装置800は画像パケット受信部811と、画像パケット受信バッファ812と、画像符号化データ復号部813と、画像復号部814とによって構成することができる。
ここでは送信端末符号化方式決定部206は着信したパケット信号から平均ジッタと平均パケットロス率から、送信端末側の音声符号化方式および画像符号化の動作/非動作を決定し、音声符号化方式ID情報と画像符号化動作制御情報を出力する。遠隔ビデオ会議など音声と画像を同時に符号化し、パケット伝送を行なうシステムの場合、一般的に画像符号化は音声符号化に比べ演算量が多いため、例えば図7に示した送信端末側の符号化選択部102の選択規則1に追加して、図11に示す規則に従って画像符号化動作制御情報を決定することが出来る。ここで、画像符号化制御情報が1の時には画像符号化を一時停止することを表し、また0の時には通常の画像符号化処理を行なうことを表す。
上記のように、平均パケットロス率が非常に高いときに、ジッタの値が小さければ送信端末の負荷の極端な増大に起因するパケットロスと判定し、画像符号化を停止する制御形態を選択する。
符号化切り替え要求パケット作成部207は、音声符号化ID情報と画像符号化制御情報を入力とし、音声符号化ID情報と画像符号化制御情報のデータにパケットヘッダを追加することで符号化切り替え要求パケットを作成し、ネットワークに符号化切り替え要求パケットを送信する。
画像パケット受信部811は画像パケットデータを受信し、受信した画像パケットデータを出力する。
画像パケット受信バッファ812は画像パケットデータを入力とし、パケット番号に従い並び替え、格納されている画像パケットの中で最も小さいパケット番号を持つ画像パケットデータを出力する。画像符号化データ復号部813は画像パケットデータを入力とし、画像パケットデータ中の画像符号化データを取り出し出力する。
画像復号化部814は画像符号化データを入力とし、画像データを復号して出力画像信号を出力する。
以上説明した本発明の音声符号化選択方法はコンピュータに本発明による音声パケット送信プログラム及び音声パケット受信プログラムを実行させることにより実現させることができる。本発明による音声パケット送信プログラム及び音声パケット受信プログラムはコンピュータが解読可能なプログラム言語によって記述され、コンピュータが読み取り可能な例えば磁気ディスクあるいはCD−ROMのような記録媒体に記録され、これらの記録媒体からコンピュータにインストールするか、あるいは通信回線を通じてコンピュータにインストールされ、コンピュータに備えられたCPUに解読されて音声パケット送信装置又は音声パケット受信装置として動作する。
本発明はIPネットワークによるパケット音声通信システムに適用して好適である。
本発明による音声パケット送信装置の第1の実施例を説明するためのブロック図。 本発明による音声パケット受信装置の第1の実施例を説明するためのブロック図。 図1及び図2で説明した符号化列データを説明するための図。 異なる符号化方式の特徴を説明するための図。 図2に示したジッタ値計算部の詳細を説明するためのブロック図。 図2に示したパケットロス率計算部の詳細を説明するためのブロック図。 図2に示した送信端末符号化方式決定部の動作を説明するための図。 図2に示した送信端末符号化方式決定部の他の動作形態を説明するための図。 本発明による音声パケット送信装置の第2の実施例を説明するためのブロック図。 本発明による音声パケット受信装置の第2の実施例を説明するためのブロック図。 図10に示した送信端末符号化方式決定部206から出力される画像符号化動作制御情報の選択規則を説明するための図。
符号の説明
100 音声パケット送信装置 208 符号化列データ復号部
101 符号化切り替え要求パケット復号部 210 音声復号化部
102 符号化選択部 700 画像パケット送信装置
103 音声符号化部 712 画像符号化制御部
104 音声パケット作成部 713 画像符号化部
105 音声パケット送信バッファ 714 画像パケット作成部
106 タイマー 715 画像パケット送信バッファ
107 音声パケット送出部 717 画像パケット送出部
200 音声パケット受信装置 800 画像パケット受信装置
201 タイマー 811 画像パケット受信部
202 音声パケット受信部 812 画像パケット受信バッファ
203 音声パケット受信バッファ 813 画像符号化データ復号部
204 ジッタ値計算部 814 画像復号化部
205 パケットロス率計算部
206 送信端末符号化方式決定部
207 符号化切り替え要求パケット作成部

Claims (3)

  1. 離散音声楽音信号サンプルを入力とし、パケット通信によりディジタル符号を送信する際にある決まった時間間隔の離散音声楽音信号を符号化するために必要な演算量の異なる少なくとも2種類の音声符号化方式を動的に切り替える音声符号化選択制御方法であって、
    ある決まった時間ごとの音声区間毎に各パケットを区別するためのパケット番号を各送信パケットに割り当てるステップと、
    音声の符号化データと送信する時刻情報をパケットにより送信するステップと、
    パケットを受信した時刻情報を記憶するステップと、
    上記送信時刻情報と上記受信時刻情報からパケット到着ジッタを計算するステップと、
    受信したパケットのパケット番号からパケットロス率を計算するステップと、
    上記パケット到着ジッタと上記パケットロス率から、少なくともパケットロス率がある一定の閾値よりも大きく、かつパケット到着ジッタがある一定の閾値よりも小さい場合は演算量が少ない音声符号化方式を選択するステップと、
    を備えることを特徴とする音声符号化選択制御方法。
  2. 請求項1記載の音声符号化選択制御方法において、パケットロス率がある一定の閾値よりも大きく、かつパケット到着ジッタがある一定の閾値よりも大きい場合は、伝送情報量が少ない音声符号化方法を選択するステップを備えることを特徴とする音声符号化選択制御方法。
  3. 請求項1又は2の何れかに記載の音声符号化選択制御方法において、上記演算量が少ない音声符号化方法を選択するステップは、上記パケットロス率がある一定の閾値よりも大きく、かつパケット到着ジッタがある一定の閾値よりも小さい場合、同時に動作している画像符号化処理を一時停止させるための指令信号を出力するステップを備えることを特徴とする音声符号化選択制御方法。
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