JP4392040B2 - 音響信号処理装置、音響信号処理方法、音響信号処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

音響信号処理装置、音響信号処理方法、音響信号処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

この発明は、音響信号を処理することにより音響効果をかけて再生する音響信号処理装置、音響信号処理方法、音響信号処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述の音響信号処理装置、音響信号処理方法、音響信号処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体に限らない。
多チャンネルの音響信号を処理することにより音響効果をかけて再生する音響機器が広く使用されている。たとえば、音響機器において、曲内容解析を行って最適なイコライザ特性となるように自動的にイコライザ設定をする技術がある。ここでは、曲の最初と最後のうち、拍手パターンと一致しているときには、ライブ盤と判断してイコライザ設定を、ライブ盤向きに設定する(たとえば、特許文献1参照。)。
特開2001−85962号公報
しかしながら、一般に、5.1chなどのサラウンド成分で、はっきりと後方に定位させる音以外はライブ会場の雰囲気を出すために無相関な信号が入っていることが多い。また、イコライザ、リバーブに代表とされる信号処理による音響処理は楽曲そのものに適用すると、音が不自然になることがある。そのため、従来からライブ、場の雰囲気を出す成分だけに処理を加えることが切望されてきた。また、イコライザは本来、スピーカからリスナーまでの伝達特性を整えるのが目的であるのに対し、楽音以外の成分に音響効果をかけることを考えていなかったという問題が一例として挙げられる。
請求項1の発明にかかる音響信号処理装置は、複数チャンネルの音響信号を時間フレーム単位で切り出す切り出し手段と、前記切り出し手段によって切り出された所定の時間フレームに含まれる複数チャンネルの信号のそれぞれの間の相関値を求める相関演算手段と、前記切り出し手段によって切り出された所定のチャンネルの信号について、スペクトルの特徴を示すスペクトル情報を求めるスペクトル演算手段と、前記相関演算手段によって求められた相関値および前記スペクトル演算手段によって求められたスペクトル情報に基づいて、前記所定のチャンネルの信号に掛け合わせる係数を算出する係数算出手段と、前記係数算出手段によって算出された係数を前記所定のチャンネルの信号に掛け合わせ、掛け合わされた信号を、前記所定のチャンネルの他のチャンネルに割り振る割り振り手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項10の発明にかかる音響信号処理方法は、複数チャンネルの音響信号を時間フレーム単位で切り出す切り出し工程と、前記切り出し工程によって切り出された所定の時間フレームに含まれる複数チャンネルの信号のそれぞれの間の相関値を求める相関演算工程と、前記切り出し工程によって切り出された所定のチャンネルの信号について、スペクトルの特徴を示すスペクトル情報を求めるスペクトル演算工程と、前記相関演算工程によって求められた相関値および前記スペクトル演算工程によって求められたスペクトル情報に基づいて、前記所定のチャンネルの信号に掛け合わせる係数を算出する係数算出工程と、前記係数算出工程によって算出された係数を前記所定のチャンネルの信号に掛け合わせ、掛け合わされた信号を、前記所定のチャンネルの他のチャンネルに割り振る割り振り工程と、を含むことを特徴とする。
また、請求項11の発明にかかる音響信号処理プログラムは、請求項10に記載の音響信号処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項12の発明にかかるコンピュータに読み取り可能な記録媒体は、請求項11に記載の音響信号処理プログラムを記録したことを特徴とする。
図1は、この発明の実施の形態にかかる音響信号処理装置の機能的構成を示すブロック図である。 図2は、この発明の実施の形態にかかる音響信号処理方法の処理を示すフローチャートである。 図3は、この実施例にかかる音響信号処理装置の機能的構成を示すブロック図である。 図4は、DSP内部の信号処理フローを示すブロック図である。 図5は、係数制御器の機能的構成を説明するブロック図である。 図6は、音響信号処理方法の処理を説明するフローチャートである。 図7は、実施例2にかかる係数制御器の機能的構成を説明するブロック図である。
符号の説明
101 切り出し部
102 相関演算部
103 スペクトル演算部
104 係数算出部
105 割り振り部
301 音源
302 DSP
303 マイコン
304 D/A変換器
305 アンプ
306 スピーカ
401 係数制御器
402,403 乗算部
404,405 フィルタ
502,512 時間フレーム切り出し部
520 相関演算部
530,531 スペクトル幅算出部
540 タイマー
550 係数算出部
601,611 スペクトル算出部
620 係数算出部
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる音響信号処理装置、音響信号処理方法、音響信号処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、この発明の実施の形態にかかる音響信号処理装置の機能的構成を示すブロック図である。この実施の形態の音響信号処理装置は、切り出し部101、相関演算部102、スペクトル演算部103、係数算出部104および割り振り部105により構成されている。
切り出し部101は、複数チャンネルの音響信号を時間フレーム単位で切り出す。切り出し部101は、複数チャンネルの音響信号を時間方向で窓かけして切り出すこともできる。相関演算部102は、切り出し部101によって切り出された所定の時間フレームに含まれる複数チャンネルの信号のそれぞれの間の相関値を求める。スペクトル演算部103は、切り出し部101によって切り出された所定のチャンネルの信号について、スペクトルの特徴を示すスペクトル情報を求める。
係数算出部104は、相関演算部102によって求められた相関値およびスペクトル演算部103によって求められたスペクトル情報に基づいて、所定のチャンネルの信号に掛け合わせる係数を算出する。係数算出部104は、相関値に反比例した値を前記係数として算出することもできる。割り振り部105は、係数算出部104によって算出された係数を所定のチャンネルの信号に掛け合わせ、掛け合わされた信号を、所定のチャンネルの他のチャンネルに割り振る。
なお、スペクトル演算部103は、所定のチャンネルの信号のスペクトル幅を求めることができる。この場合、係数算出部104は、スペクトル幅を時間フレームの時間長で割った値に比例した値を係数として算出することもできる。また、係数算出部104は、時間フレームの始点からの時間に反比例した値と時間フレームの終点までの時間に反比例した値とを加えた合算値に比例した値を係数として算出することもできる。
また、スペクトル演算部103は、所定のチャンネルの信号のスペクトルを求めることができる。この場合、係数算出部104は、所定のチャンネルの信号におけるスペクトルの、ターゲットとなるスペクトルに対する差分に反比例した値を係数として算出することもできる。
この複数のチャンネルの音響信号は、フロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネルのそれぞれの信号を含むことができる。この場合、割り振り部105は、係数算出部104がサラウンド左チャンネルについて係数を算出した場合、フロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、サラウンド右チャンネルのそれぞれに信号を割り振ることができる。また、この場合、割り振り部105は、係数算出部104がサラウンド右チャンネルについて係数を算出した場合、フロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、サラウンド左チャンネルのそれぞれに信号を割り振ることもできる。
図2は、この発明の実施の形態にかかる音響信号処理方法の処理を示すフローチャートである。まず、切り出し部101は、複数チャンネルの音響信号を時間フレームごとに切り出す(ステップS201)。相関演算部102は、切り出し部101によって切り出された所定の時間フレームに含まれる複数チャンネルの信号のそれぞれの間の相関値を求める(ステップS202)。スペクトル演算部103は、切り出し部101によって切り出された所定のチャンネルの信号について、スペクトルの特徴を示すスペクトル情報を求める(ステップS203)。
係数算出部104は、相関演算部102によって求められた相関値およびスペクトル演算部103によって求められたスペクトル情報に基づいて係数を算出する(ステップS204)。この係数は、所定のチャンネルの信号にかけあわせる係数である。割り振り部105は、係数算出部104によって算出された係数を所定のチャンネルの信号に掛け合わせ、かけあわされた信号を、所定のチャンネルの他のチャンネルに割り振る(ステップS205)。
以上説明した実施の形態により、チャンネル間の相関性およびスペクトルの特徴にしたがって特定の成分を他のチャンネルに割り振ることができる、たとえば、サラウンド成分のうち、楽曲以外の成分を抽出することができる。そして、たとえば楽曲以外の成分をフロントチャンネルに振ることにより、拍手に囲まれてライブを聞いているかのような臨場感を与えることができる。
(実施例1)
図3は、この発明にかかる音響信号処理装置の構成を説明するブロック図である。音源301は、音響信号を記述したデジタル信号を出力する。音源301は、たとえば、DVDやCDなどのパッケージメディアや、HDDにリッピングしたものによって記録しておくことができる。また、デジタル信号のデータ形式は、ステレオ音源でも5.1chなどのマルチチャンネル音源でもよい。
DSP(Digital Signal Processor)302は、ソースである音源301からデジタル信号を受け取って音響効果を加える。ここで、DSP302は、音源301に関する情報をマイコン303とやりとりし、その内容によって処理内容を変更することができる。DSP302内部では、音源301の音響的な性質、およびマイコン303からの情報にしたがって処理係数を求める。この音響信号処理装置では、通常イコライザやリバーブなどの信号処理が用いられる。しかし、それらは通常、楽曲によらず一定の係数を用いるため、楽曲の特徴に応じた再生が必ずしもできるとは限らない。
D/A変換器304は、DSP302から出力された信号をアナログ信号に変換する。変換されたアナログ信号は、アンプ305によって増幅され、スピーカ306を介して音響再生される。
このように、音響信号処理装置では、音源301からの信号を、DSP302が受け取って、マイコン303と連携して信号処理する。そして、信号処理された信号はD/A変換器304でアナログ信号に変換され、アンプ305およびスピーカ306を介して音響再生される。
図4は、DSP内部の信号処理フローを示すブロック図である。ここでは、音源301からDSP302に5ch入力された場合の信号処理フローを示す。具体的には、フロント左チャンネル(Lin)、フロント右チャンネル(Rin)、センターチャンネル(Cin)、サラウンド左チャンネル(SLin)、サラウンド右チャンネル(SRin)の信号が入力される。そして、フロント左チャンネル(Lout)、フロント右チャンネル(Rout)、センターチャンネル(Cout)、サラウンド左チャンネル(SLout)、サラウンド右チャンネル(SRout)の信号がそれぞれ出力される。
まず、係数制御器401にサラウンド左(SLin)成分と、サラウンド右(SRin)成分とが入力される。次に、係数制御器401は、サラウンド左(SLin)成分と、サラウンド右(SRin)成分とを解析する。係数制御器401は、解析結果に基づいて、他チャンネルへの配分量aSL、aSRを求める。係数制御器401からの出力は、サラウンド成分を解析しながら随時更新していく。
乗算部402,403は、求められた配分量aSL、aSRをサラウンド成分に掛け合わせる。配分量aSLは、サラウンド左成分に掛け合わせ、配分量aSRは、サラウンド右成分に掛け合わせる。そして、フィルタ404でイコライザやリバーブなどの効果(F)を加え、他チャンネルへ振り分ける。
たとえば、サラウンド左成分の配分量aSLを求めた場合、フロント左チャンネル(Lin)、フロント右チャンネル(Rin)、センターチャンネル(Cin)、サラウンド右チャンネル(SRin)に配分される。たとえば、サラウンド左成分の配分量aSRを求めた場合、フロント左チャンネル(SLin)、フロント右チャンネル(SRin)、センターチャンネル(Cin)、サラウンド左チャンネル(SLin)に配分される。そして、配分した結果、フロント左チャンネル(Lout)、フロント右チャンネル(Rout)、センターチャンネル(C)、サラウンド左チャンネル(SLout)、サラウンド右チャンネル(SRout)の信号がそれぞれ出力される。
DSP302を図4のように構成することにより、DVDのライブ盤などで、サラウンド成分の楽曲以外の成分のみに音響効果をかけることが可能になる。楽音以外である確率の高い成分を抽出するように係数制御器401を設計し、それをフロントチャンネルに振ることで、例えば拍手に囲まれてライブを聞いているかのような、臨場感を楽しむことが可能になる。また、テレビの野球放送などで応援団の特徴的な音(例えば応援ラッパ、歓声)などを周囲から音量を大きめに再生することで、まるで応援団の中に混じって野球観戦している雰囲気が楽しめる。
図5は、係数制御器の機能的構成を説明するブロック図である。係数制御器401にはサンプリングされた2チャンネルのサラウンド信号SLin(n),SRin(n)が入力される。左サラウンド信号501[SLin(n)]は、時間フレーム切り出し部502に入力され、右サラウンド信号511[SRin(n)]は、時間フレーム切り出し部512に入力される。
時間フレーム切り出し部502および512では、サラウンド信号SLin(n),SRin(n)をそれぞれ、時間方向で窓かけして、信号FSL,FSRを切り出す。ここでは、切り出した信号FSL,FSRのフレーム長を、fftlenとする。
相関演算部520は、切り出した信号FSL,FSRの相関値ρを算出する。一方、スペクトル幅算出部530、531は、切り出した信号FSL,FSRのスペクトル幅wSL,wSRを算出する。スペクトル幅算出部530、531は、信号系列をFFTして得られた振幅スペクトルから、あるスレッショルドを超えるものの本数をカウントすることにより、スペクトル幅wSL,wSRを求める。スペクトル幅wSL,wSRは、例えば、ホワイトノイズのように広帯域な信号では、限りなく長さfftlenに近づくので、白色性を示す指標と言える。係数算出部550は、相関値ρ、スペクトル幅wSL,wSRに加え、タイマー540から得られる1トラック内の時間tから、他チャンネルに振るための係数値aSL,aSRを算出する。算出式は、例えば式(1)および式(2)に示す式を用いる。
Figure 0004392040
Figure 0004392040
この式の意図することは以下の3点である。(1)帯域幅の狭い信号のときには、係数aSL,aSRを小さくする。広帯域信号のときにはその逆で、大きくなる。(2)相関の小さい場合には係数aSL,aSRを大きくし、相関が大きい場合はその逆に小さくする。(3)時間がそのトラックの始め、もしくは終わりに近いほど、係数aSL,aSRを大きくする。トラックの中間あたりでは逆に小さくする。tendは1曲の時間の長さを表す。
これらは、「広帯域」の「チャンネル間の相関が低い」、拍手などの信号は「曲の終わりか、始め」に入っているという性質を用いている。このような信号をなるべく他のチャンネルに振ることで、まるで、拍手に囲まれているかのような再生が可能になる。
なお、式(1)および式(2)は、右辺に比例する量である。楽曲を中心に聞きたい人や、雰囲気重視で聞きたい人など好みはまちまちなので、ここでは配分比だけ式から算出する。後は音響効果を加えるところで、ユーザの好みで配分量を決めることができる。
係数をかけた出力は、他のチャンネルから出力させる。例えば、左サラウンド信号(SLin)に係数をかけた信号は、SLスピーカ以外から出力する。音響効果をつけた信号と、直接音成分を別のスピーカから出すことでなるべく音色変化(カラーレーション)を軽減する。色々な方向から音が出ることで、より自然で拡がりのある音が出せる副次的な効能もある。
図6は、音響信号処理方法の処理を説明するフローチャートである。まず、各チャンネルからのサラウンド信号を抽出する(ステップS601)。次に、時間フレーム切り出し部502,512が、信号を時間フレームごとに切り出す(ステップS602)。次に、相関演算部520が、両チャンネルの相関値ρを演算する(ステップS603)。次に、スペクトル幅演算部530,531が、切り出したフレームの信号についてスペクトル幅wSL,wSRを算出する(ステップS604)。次に、係数算出部550は、各チャンネルについて係数aSL,aSRを算出する(ステップS605)。
次に、乗算部402,403は、係数aSL,aSRをサラウンド信号SLin(n),SRin(n)にそれぞれかけあわせる(ステップS606)。掛け合わされた信号は、フィルタ404,405によってフィルタリングして(ステップS607)、得られた信号を他のチャンネルに割り振り(ステップS608)、一連の処理を終了する。
なお、算出された係数出力にローパスフィルタのような平滑化フィルタをかけてもよい。相関値、スペクトルパターン等は時々刻々変わっていくため、係数変動は実際にはかなり大きい。そのため、他チャンネルに振られる信号のエネルギーは、そのまま適用すると変動幅、分散が大きく信号レベルが不安定になってしまう。係数出力を平滑化することで、係数変動が滑らかになり、不安定さは解消される。
また、サラウンドLRの2chに適用しているが、フロント2chで係数生成することも可能である。もしくは、フロントLR&サラウンドLRの2組×2の4chから係数を生成することも可能である。この場合、CDのような2chの場合はLRで一組にして係数生成する。一般に拍手等の楽音以外の成分はサラウンド成分に入れるとされるが、フロント成分にも入っている場合がしばしばある。サラウンド成分以外の信号も監視することで、よりバラエティに富む再生方法が可能になる。
また、FSL,FSRは、出力するスピーカ306によって係数、処理内容を変えてもよい。出力するスピーカ306ごとに係数を変え、信号をより無相関的にすることで、より拡がりのある音場表現が可能になる。
(実施例2)
図7は、実施例2にかかる係数制御器の機能的構成を説明するブロック図である。まず、図5の場合と同様に、係数制御器401にはサンプリングされた2チャンネルのサラウンド信号SLin(n),SRin(n)が入力される。そして、左サラウンド信号501[SLin(n)]は、時間フレーム切り出し部502に入力され、右サラウンド信号511[SRin(n)]は、時間フレーム切り出し部512に入力される。
時間フレーム切り出し部502および512では、サラウンド信号SLin(n),SRin(n)をそれぞれ、時間方向で窓かけして、フレーム長をfftlenとする信号FSL,FSRを切り出す。
相関演算部520は、切り出した信号FSL,FSRの相関値ρを算出する。一方、スペクトル算出部601、611は、切り出した信号FSL,FSRのスペクトルSSL,SSRを算出する。係数算出部620は、相関値ρおよびスペクトルSSL,SSRから、他チャンネルに振るための係数値aSL,aSRを算出する。算出式は、例えば、式(3)および式(4)に示す式を用いる。
Figure 0004392040
Figure 0004392040
この式の意図することは以下の2点である。(1)スペクトルがスペクトルのターゲットから遠いときは、係数aSL,aSRを小さくする。スペクトルのターゲットに近いときにはその逆で、大きくなる。(2)相関の小さい場合には係数aSL,aSRを大きくし、相関が大きい場合はその逆に小さくする。
スペクトル幅算出部530,531によってスペクトル幅を求めるのではなく、スペクトル算出部601,611によってFFTスペクトルを用いて、ある特定のスペクトルに近いときに高い重みをつけるように、スペクトルを求めてもよい。この例では、トラック分けされていないテレビなどの音信号を想定し、時間情報を用いていない。もちろん、DVD等のパッケージメディアの場合には、実施例1の算出法のように時間情報を入れてもよい。
この場合、拍手だけではなく、声援などの声、野球観戦などでの応援ラッパなど、その場にいる雰囲気を出すための音は数多く存在している。特徴的なスペクトルをもつ音だけに着目して、その音源に囲まれている雰囲気を出すことも可能にする。
以上説明した実施例によれば、2ch信号をペアにして音源解析する。それにより、楽曲以外の部分を取り出して臨場感を高めることができる。また、音響効果はイコライザ以外のものにも適用することができる。ここで、リバーブ等の場の雰囲気を演出する効果と合わせて使うことがふさわしい。
一般に、5.1chなどのサラウンド成分で、はっきりと後方に定位させる音以外はライブ会場の雰囲気を出すために無相関な信号が入っていることが多い。そこで、サラウンド成分2chの相関を調べることにより、所望の音を前方に定位させることができる。また、スペクトル幅、時間情報、相関値から算出するのでより精度を高めることができる。
また、イコライザ、リバーブに代表とされる信号処理による音響処理は楽曲そのものに適用すると、音が不自然になることがある。それに対し、この実施例では、ライブ、場の雰囲気を出す成分だけに処理を加えることができる。
イコライザは本来、スピーカからリスナーまでの伝達特性を整えるのが目的である。この実施例では、主に楽音以外の成分に音響効果をかけることが主眼におかれる。これに対し、この実施例の適用はイコライザに限定しない。よりリアルな場の雰囲気のためには、例えば残響制御などとの組み合わせが考えられる。
以上の実施例は、ホーム、カーオーディオ(特にサラウンド再生機器)、テレビ(特に地上波放送、サラウンド再生対応)、コンサートホール、ライブ会場などの音場支援装置などに適用することができる。
なお、本実施の形態で説明した音響信号処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
以上の実施の形態により、たとえばDVDのライブ盤などで、サラウンド成分の楽曲以外の成分のみに音響効果をかけることが可能になる。楽音以外である確率の高い成分を抽出するように係数制御器を設計し、それをフロントチャンネルに振ることで、例えば拍手に囲まれてライブを聞いているかのような、臨場感を楽しむことが可能になる。また、テレビの野球放送などで応援団の特徴的な音(例えば応援ラッパ、歓声)などを周囲から音量を大きめに再生することで、まるで応援団の中に混じって野球観戦している雰囲気が楽しめる。

Claims (12)

  1. 複数チャンネルの音響信号を時間フレーム単位で切り出す切り出し手段と、
    前記切り出し手段によって切り出された所定の時間フレームに含まれる複数チャンネルの信号のそれぞれの間の相関値を求める相関演算手段と、
    前記切り出し手段によって切り出された所定のチャンネルの信号について、スペクトルの特徴を示すスペクトル情報を求めるスペクトル演算手段と、
    前記相関演算手段によって求められた相関値および前記スペクトル演算手段によって求められたスペクトル情報に基づいて、前記所定のチャンネルの信号に掛け合わせる係数を算出する係数算出手段と、
    前記係数算出手段によって算出された係数を前記所定のチャンネルの信号に掛け合わせ、掛け合わされた信号を、前記所定のチャンネルの他のチャンネルに割り振る割り振り手段と、
    を備えることを特徴とする音響信号処理装置。
  2. 前記係数算出手段は、前記相関値に反比例した値を前記係数として算出することを特徴とする請求項1に記載の音響信号処理装置。
  3. 前記切り出し手段は、複数チャンネルの音響信号を時間方向で窓かけして切り出すことを特徴とする請求項1に記載の音響信号処理装置。
  4. 前記スペクトル演算手段は、所定のチャンネルの信号のスペクトル幅を求めることを特徴とする請求項1に記載の音響信号処理装置。
  5. 前記係数算出手段は、前記スペクトル幅を前記時間フレームの時間長で割った値に比例した値を前記係数として算出することを特徴とする請求項4に記載の音響信号処理装置。
  6. 前記係数算出手段は、前記時間フレームの始点からの時間に反比例した値と前記時間フレームの終点までの時間に反比例した値とを加えた合算値に比例した値を前記係数として算出することを特徴とする請求項4に記載の音響信号処理装置。
  7. 前記スペクトル演算手段は、所定のチャンネルの信号のスペクトルを求めることを特徴とする請求項1に記載の音響信号処理装置。
  8. 前記係数算出手段は、前記所定のチャンネルの信号におけるスペクトルの、ターゲットとなるスペクトルに対する差分に反比例した値を前記係数として算出することを特徴とする請求項7に記載の音響信号処理装置。
  9. 前記複数のチャンネルの音響信号は、フロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、サラウンド左チャンネル、サラウンド右チャンネルのそれぞれの信号を含み、
    前記割り振り手段は、前記係数算出手段がサラウンド左チャンネルについて係数を算出した場合、フロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、サラウンド右チャンネルのそれぞれに信号を割り振り、
    前記割り振り手段は、前記係数算出手段がサラウンド右チャンネルについて係数を算出した場合、フロント左チャンネル、フロント右チャンネル、センターチャンネル、サラウンド左チャンネルのそれぞれに信号を割り振ることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の音響信号処理装置。
  10. 複数チャンネルの音響信号を時間フレーム単位で切り出す切り出し工程と、
    前記切り出し工程によって切り出された所定の時間フレームに含まれる複数チャンネルの信号のそれぞれの間の相関値を求める相関演算工程と、
    前記切り出し工程によって切り出された所定のチャンネルの信号について、スペクトルの特徴を示すスペクトル情報を求めるスペクトル演算工程と、
    前記相関演算工程によって求められた相関値および前記スペクトル演算工程によって求められたスペクトル情報に基づいて、前記所定のチャンネルの信号に掛け合わせる係数を算出する係数算出工程と、
    前記係数算出工程によって算出された係数を前記所定のチャンネルの信号に掛け合わせ、掛け合わされた信号を、前記所定のチャンネルの他のチャンネルに割り振る割り振り工程と、
    を含むことを特徴とする音響信号処理方法。
  11. 請求項10に記載の音響信号処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする音響信号処理プログラム。
  12. 請求項11に記載の音響信号処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
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