JP4391891B2 - 面間隔測定方法及び面間隔測定装置 - Google Patents

面間隔測定方法及び面間隔測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学系を構成するレンズの面間隔を測定する面間隔測定方法、特にズームレンズのように硝材の厚さの総和が大きい光学系に好適な面間隔測定方法、及び面間隔測定装置に関する。
従来、レンズの肉厚や面間隔を非接触、非破壊で測定するために干渉計が用いられている。干渉計としてトワイマン・グリーン干渉計を用いる構成例が、例えば特許文献1に提案されている。特公平4−53241号公報では、被検光学系である単レンズを測定光束の光路内へ配置する。次に、参照光束において、参照ミラーであるコーナーキューブを移動する。これにより、参照光束の光路長を変化させる。そして、光電検出器により干渉縞の信号強度Iが最大になるときのコーナーキューブの位置を求める。図6−1は、光電検出器での干渉縞の信号強度の変化を示す。図6−1において、縦軸は干渉縞の信号強度I、横軸はコーナーキューブの位置yをそれぞれ示す。以下、本明細書において、干渉縞の光強度や干渉信号を示す図は図6−1と同一の座標を用いる。
被検光学系のうち測定対象となる光学面(以下、適宜「被検面」という。)にピントを合わせる。この状態でコーナーキューブを光軸に沿って移動させる。図6−1に示すように、干渉縞の信号強度Iは、コーナーキューブの位置yに従って、基準となる信号強度I0から徐々に大きくなるように変化する。被検面で反射した測定光束の光路長と、コーナーキューブで反射した参照光束の光路長とが一致したときに、干渉縞の信号強度がピーク値I1を示す。このときの、コーナーキューブの位置ymを記録する。同様の測定を、被検光学系の全ての光学面について行なう。連続する2つの光学面の面間隔が空気間隔のときは、2つの光学面に対応するコーナーキューブの位置の差が面間隔となる。また、連続する2つの光学面からなる硝材の肉厚を測定するときは、2つの光学面に対応するコーナーキューブの位置の差を硝材の群屈折率で除した値が肉厚となる。
また、可干渉距離が短い光源、又は時間的コヒーレンスが低い光源からの光は、所定の波長幅の広いスペクトル分布を有している。そして、光は、ガラス等の媒質を透過するとき、波長により屈折率が異なる。このため、可干渉距離が短い光源からの測定光束は、被検光学系を構成するレンズを透過するときに、広いスペクトル分布の各波長間で光路差を生ずる。これに対して、参照光束は、このような波長による光路長差を殆ど生じない。この結果、参照光束と測定光束とを重畳させると、長さの異なる波連どうしが干渉する。なお、媒質内を光が透過するときに、波長により屈折率が異なり光路長が相違することを、以下「分散」という。
これにより、図6−2に示すように、干渉縞のコントラストが低下する。また、測定光束における波束が広がる分だけコヒーレンス長も長くなる。従って、干渉縞の信号強度は、なだらかな信号曲線におけるピーク値I2を有する。このため、急峻なピーク値を得られない。この結果、干渉縞の強度信号がピークとなるときの、参照ミラーの位置ymの検出精度が低下するという不具合を生ずる。
この分散による不具合をさらに具体的に説明する。被検光学系として、図7−1に断面構成を示すような、3つの正レンズL1、L2、L3からなる被検光学系700を考える。そして、レンズ面S1、S2、S3、S4、S5、S6で形成される5つの面間隔を測定する。
不図示の光源に近い側のレンズ面S1から順番にレンズ面S6まで測定する。図7−2は、レンズ面S1〜S6までを測定したときの、干渉信号SG1〜SG6をそれぞれ示す。干渉信号SG1は最もコントラストが高い。次のレンズ面S2〜S6へ測定するレンズ面が移行するに従い、第1のレンズ面S1からの累積する分散量が大きくなる。このため、レンズ面S1から遠ざかると、コントラストが徐々に低下する。そして、最終面であるレンズ面S6では、干渉縞を殆ど検出することができない。
このような不具合を解決するための構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特開2001−91223号公報では、測定光束で生ずる分散を補償するような単一のガラス板を、参照光束の光路内へ配置している。これにより、干渉縞のコントラストの低下を低減できる。この結果、全てのレンズ面S1〜S6の面間隔を測定できる。
特公平4−53241号公報 特開2001−91223号公報
光学系の例として、多くのレンズから構成されるズームレンズがある。ズームレンズは、硝材の厚さの総和、即ち第1面からの累積的な厚さが大きい。硝材の厚さの総和が大きい光学系の面間隔を測定するとき、測定するレンズ面によって、硝材の第1面側からの累積的な硝材の厚さが異なる。このため、例えば、第1面を基準にして、中間面までの累積的な分散量と、最終面までの累積的な分散量とでは大きく相違する。このため、ズームレンズを被検光学系とするとき、単独のガラス板のみでは、測定光束で生ずる分散量を十分に補償できない場合がある。
例えば、被検光学系の中間面の位置における累積的な分散量を補償するような硝材と厚さのガラス板を選択したときを考える。このとき、中間面を測定するときの干渉縞のコントラストは高い。これにより、中間面では、高精度で信号強度のピーク値を検出できる。これに対して、第1面及び最終面を測定するときの干渉縞のコントラストは、中間面のコントラストに比較して低くなってしまう。このため、第1面及び最終面では、信号強度のピーク値の検出精度が低下する。この結果、特開2001−91223号公報に開示されている構成では、ズームレンズのような硝材の厚さの総和が大きい光学系の面間隔を高精度に測定することが困難になる場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、硝材の厚さに関わらず、被検光学系のレンズ面の面間隔を高精度に測定できる面間隔測定方法及び面間隔測定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の発明によれば、複数の光学面を有する被検光学系の面間隔を測定するための面間隔測定方法において、可干渉距離が短い光源からの光を第1の光束と第2の光束とに分割する光束分割工程と、測定対象となる光学面の位置に応じて第1の光束の光路長を変化させる光路長可変工程と、第2の光束の光路内に配置されている被検光学系のうち測定対象である光学面に関する所定位置に、第2の光束を集光させる集光工程と、被検光学系のうち所定の光学面に関して、被検光学系の設計値に基づいて、所定の分散量及び厚さを有する分散補償部の第1の光束の光路内への挿脱に関する挿脱データを演算する分散補償量演算工程と、挿脱データに基づいて第1の光束の光路内へ分散補償部を挿脱する分散補償部挿脱工程と、光路長が変化した第1の光束と、光学面で反射した第2の光束とを重ね合わせる光束合成工程と、第1の光束と第2の光束とで生ずる干渉縞の光強度分布を検出する光強度検出工程と、第1の光束の光路長の変化量と、挿脱データと、光強度分布とに基づいて被検光学系の面間隔を算出する面間隔算出工程とを含み、光学面が分散補償部を第1の光束の光路内へ新たに挿脱して測定する面であるときに、光強度検出工程において、分散補償部を挿脱する前の状態と分散補償部を挿脱した後の状態との2つの状態で、光学面についての干渉縞の光強度分布を検出することを特徴とする面間隔測定方法を提供できる。
また、第2の本発明によれば、複数の光学面からなる被検光学系の面間隔を測定するた
めの面間隔測定装置において、可干渉距離が短い光源と、光源からの光を第1の光束と第
2の光束とに分割する光束分割部と、測定対象となる光学面の位置に応じて第1の光束の
光路長を変化させる光路長可変部と、第2の光束の光路内に配置されている被検光学系の
うち測定対象である光学面に関する所定位置に、第2の光束を集光させる集光部と、被検
光学系のうち所定の光学面に関して、被検光学系の設計値に基づいて、所定の分散量及び
厚さを有する分散補償部の第1の光束の光路内への挿脱に関する挿脱データを演算する分
散補償量演算部と、挿脱データに基づいて第1の光束の光路内へ分散補償部を挿脱する分
散補償部挿脱部と、光路長が変化した第1の光束と、光学面で反射した第2の光束とを重
ね合わせる光束合成部と、第1の光束と第2の光束とで生ずる干渉縞の光強度分布を検出
する光強度検出部と、第1の光束の光路長の変化量と、挿脱データと、光強度分布とに基
づいて被検光学系の面間隔を算出する面間隔算出部とを有し、
光学面が分散補償部を第1の光束の光路内へ新たに挿脱して測定する面であるとき、光強度検出部において、分散補償部を挿脱する前の状態と分散補償部を挿脱した後の状態との2つの状態で、光学面についての干渉縞の光強度分布を
検出することを特徴とする面間隔測定装置を提供できる。

本発明によれば、硝材の厚さに関わらず、被検光学系のレンズ面の面間隔を高精度に測定できるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る面間隔測定装置及び面間隔測定方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施例1に係る面間隔測定装置100の概略構成を示す。光源101は、時間的コヒーレンスが低い光源である。光源101は、例えばスーパールミネッセントダイオード(以下、「SLD」という。)のようにスペクトル幅が広く可干渉距離の短い光源を用いることができる。光源101は、コヒーレンス長が半値全幅0.1μm〜200μm又は波長の半値全幅で1nm〜500nmの光を射出する。また、光源101は、SLDに限られず、閾値電流以下で動作させる半導体レーザ、短パルスレーザ、ハロゲンランプ、又は発光ダイオード等を用いてもよい。
コリメータレンズ102は、光源101からの光を略平行光に変換して偏光子103側へ射出する。コリメータレンズ102として、顕微鏡対物レンズを用いることができる。偏光子103は、光源101からの光を直線偏光光へ変換して射出する。直線偏光光は、光束分割部である偏光ビームスプリッタ104へ入射する。偏光ビームスプリッタ104は、光源101からの光のうち、例えばp偏光光を透過し、s偏光光を反射する。このように偏光ビームスプリッタ104は、光源101からの光を、第1の光束(p偏光光)と第2の光束(s偏光光)とに分割する光束分割部の機能を有する。第1の光束は、参照光束となる。第2の光束は、測定光束となる。また、偏光子103の透過軸の方位角は、直線偏光光を偏光ビームスプリッタ104で分割する際、透過光と反射光が略等しい光量になるように設定されている。
まず、参照光束の光路について説明する。偏光ビームスプリッタ104を透過したp偏光光は、第1の1/4波長板105へ入射する。第1の1/4波長板105は、p偏光光を円偏光光へ変換して射出する。円偏光光は、第1の分散補償板107aと、第2の分散補償板107bとを透過する。第1の分散補償板107aと、第2の分散補償板107bとで分散補償部を構成する。第1の分散補償部107aと、第2の分散補償部107bとは、所定の硝材、厚さで構成されるガラスの平行平板である。分散補償部の詳しい構成、機能に関しては後述する。
第2の分散補償板107bを透過した光は、参照ミラー108で反射される。参照ミラー108は、平面ミラーである。また、参照ミラー108は、光軸AXに沿った方向に移動可能に構成されている。参照ミラー108を移動することで、測定対象となるレンズ面の位置に応じて参照光束の光路長を変化させることができる。このように、参照ミラー108は、光路長可変部の機能を有している。
参照ミラー108で反射された光は、再度、第2の分散補償部107bと、第1の分散補償部107aとを透過して、第1の1/4波長板105へ入射する。第1の1/4波長板105は、円偏光光を、入射時とは振動方向が90度異なるs偏光光へ変換して射出する。s偏光光は、偏光ビームスプリッタ104で反射され、光電検出器114の方向へ射出する。
次に、測定光束の光路について説明する。偏光ビームスプリッタ104を反射したs偏光光は、第2の1/4波長板115へ入射する。第2の1/4波長板115は、s偏光光を円偏光光へ変換して射出する。円偏光光へ変換された光は、測定光学系116へ入射する。
集光部である測定光学系116は、入射した略平行光を所定の焦点位置へ集光する。また、測定光学系116は、光軸AXに沿った方向に移動可能に構成されている。測定光学系116の位置は予め光線追跡等の光学計算で求めておく。これにより、被検光学系117のうち測定するレンズ面に関する所定位置、例えば見かけの曲率中心位置と、測定光学系116の焦点位置とを一致させることができる。ここで、「見かけの曲率中心位置」とは、特定のレンズ面を測定するときに、測定光学系116側から見た特定のレンズ面の設計値である曲率中心位置の像位置をいう。このように配置することで、特定のレンズ面で反射した光束は、測定光学系116を再度透過し、例えば光軸AXに対して±10°以内の略平行光となる。なお、測定光学系116の焦点位置と、被検光学系117の特定のレンズ面の面頂近傍位置とを一致させるように配置しても良い。
被検光学系117は、例えばカメラのズームレンズ、又はデジタルカメラのズームレンズである。これらのズームレンズは、複数のレンズから構成されている。被検光学系117の特定のレンズ面から反射した光は、再度、測定光学系116と第2の1/4波長板115とを透過する。第2の1/4波長板115は、円偏光光を、入射時とは振動方向が90度異なるp偏光光へ変換して射出する。p偏光光は、偏光ビームスプリッタ104を透過し、光電検出器114の方向へ射出する。これにより、偏光ビームスプリッタ104は、光路長が変化した参照光束と、測定対象であるレンズ面で反射した測定光束とを重ね合わせる。このように、偏光ビームスプリッタ104は、光束分割部の機能に加えて、光束合成部の機能も有している。
検光子113は、s偏光光である参照光束と、p偏光光である測定光束とを透過させる。参照光束と測定光束との光路長差が光源101のコヒーレンス長の範囲内であれば干渉縞を生ずる。光源101にコヒーレンス長が数十μm程度の低コヒーレンス光源を用いれば、参照光束と測定光束との光路長差がコヒーレンス長の範囲内になったとき干渉信号が観測される。
そして、光強度検出部である光電検出器114は、参照光束と測定光束とで生ずる干渉縞の光強度分布を検出する。光電検出器114は、例えばCCDのような1次元又は2次元の固体撮像素子を用いることができる。また、光電検出器114は、C−MOSセンサ、イメージディセクタ、フォトダイオード、フォトマルチプライヤ、ラインセンサ等を用いても良い。好ましくは、光電検出部114として2次元の光電変換素子を用いれば、被検光学系117の測定すべき各面からの反射像をモニタ112上で確認できる。このため、測定光学系116や被検光学系117を容易に位置決めできる。
(面間隔測定原理)
次に、面間隔測定装置100を用いて面間隔を測定する原理を説明する。なお、本実施例の詳細な面間隔測定手順は図2のフローチャートを用いて後述する。まず、被検光学系117の特定のレンズ面、例えば第1面を測定する。このため、被検光学系117の設計値又は実測値を用いた光線追跡により、測定光学系116の位置を移動する。これにより、測定光学系116は、第1面の見かけの曲率中心位置へ測定光束を集光する。次に、第1面を測定するときの測定光束の光路長と、略同一の光路長となるように、参照ミラー108を移動して大まかなアライメント、即ち大まかな位置決めをする。そして、参照ミラー108の位置を所定範囲内でさらに細かく移動させながら、干渉信号を記録する。参照ミラー108の細かいアライメント(位置決め)は、予め計算で求められた位置を中心として、所定の範囲内を光軸AXの沿った方向に移動する。細かいアライメントにおいて、参照ミラー108を移動する所定の範囲は、設計値に公差を加味した量を目安に設定される。参照ミラー108の移動と同時に、光電検出器114により干渉縞の光強度が取得される。参照ミラー108の細かいアライメントにより、干渉信号を生ずる位置を探す。そして、光電検出器114で検出される干渉信号がピーク値となるときの参照ミラー108の位置を記録する。参照ミラー108の位置は、後述する「実測累積面間光路長」に対応する。
参照ミラー108の裏面にはコーナーキューブ108aが固着されている。コーナーキューブ108は、レーザ測長器109からのレーザ光を反射する。レーザ測長器109は、コーナーキューブ108aの移動距離を測定する。レーザ測長器109からの測長結果は、入出力装置110を介してコンピュータ111へ出力される。また、光電検出器114からの干渉信号も、入出力装置110を介してコンピュータ111へ出力される。コンピュータ111は、光電検出器114からの干渉信号がピーク値となるときの、参照ミラー108の位置を求める。そして、コンピュータ111は、このときの参照ミラー108の位置を記録する。なお、参照ミラー108の移動距離を測定するときに、レーザ測長器109の代わりに、参照ミラー108を駆動するステージが内蔵しているリニアエンコーダの出力を用いることもできる。
次に、特定のレンズ面に隣接する他のレンズ面、例えば第2面を測定する。このため、被検光学系117の設計値又は実測値を用いた光線追跡により、測定光学系116の位置を移動する。これにより、第2面の見かけの曲率中心位置へ測定光束を集光する。次に、第2面を測定するときの測定光束の光路長と、略同一の光路長となるように、参照ミラー108を移動して大まかな位置決めを行う。そして、参照ミラー108の位置を所定範囲内で更に細かく移動させながら、干渉信号を記録するコンピュータ111は、このときの干渉信号がピークを呈する参照ミラー108の位置を記録する。以下、同様の手順で最終面まで繰り返して測定を行なう。
コンピュータ111は、特定のレンズ面を測定したときに記録した参照ミラー108の位置と、隣接する他のレンズ面を測定したときに記録した参照ミラー108の位置との差から、両レンズ面の実測面間光路長差を算出する。測定する2つのレンズ面の面間隔が空気間隔のときは、実測面間光路長がそのまま面間隔となる。また、2つのレンズ面からなる硝材の肉厚を測定するときは、2つのレンズ面の実測面間光路長を硝材の群屈折率で除した値が肉厚となる。これら面間隔の算出の詳細は、図2で示すフローチャートのステップS208において後述する。
このように、コンピュータ111は、測定光学系116の移動制御、参照ミラー108の移動制御及び位置の算出処理、光電検出器114での光強度値の取り込み、面間隔の算出処理(面間隔算出部としての機能)、そして、後述する分散補償部の挿脱に関する演算処理(分散補償量演算部としての機能)等を行なう。また、モニタ112は、光電検出器114で撮像された干渉パターンを表示する。
(分散補償)
次に、分散補償部を用いる分散補償について説明する。光源101は、上述したように、時間的コヒーレンスが低い光源である。このため、光源101からの光のスペクトル分布は、所定の波長幅の広がりを有している。上述したように、測定光束は、被検光学系117を構成するレンズを透過するときに、広いスペクトル分布の各波長間で光路差を生ずる。これに対して、参照光束は、このような波長による光路長差を殆ど生じない。この結果、参照光束と測定光束とを重畳させると、長さの異なる波連どうしが干渉する。このため、干渉縞のコントラストが低下してしまう。特に、被検光学系117が、ズームレンズのように硝材総厚が大きいときは、光源101から遠い側のレンズ面を測定するときに、図7−2で示したように干渉縞を検出できなくなってしまうこともある。
そこで、本実施例では、参照光束の光路において、第1の分散補償板107aと、第2の分散補償板107bとを用いて所定量の分散を生じさせる。これにより、測定光束で生じている分散を補償する。ここで、単に、分散補償のみを考慮して、分散補償板を参照光束の光路内へ挿脱すると、被検光学系117のレンズ面同士の相対的な面間隔の情報が欠落してしまう。この結果、レンズ面の面間隔を最終面まで算出することができない。
レンズ面同士の相対的な面間隔情報の欠落について、図4−1、図4−2を用いて説明する。図4−1に示す被検光学系700において、不図示の光源側に最も近いレンズ面S1を基準とする。そして、レンズ面S1、S2、S3は、分散補償部を参照光束の光路内から退避した状態、即ち分散補償部が無い状態で測定する。このとき、図4−2に示すように、レンズ面S1、S2、S3に対応して、干渉信号SG1、SG2、SG3がそれぞれ検出される。
次に、レンズ面S4、S5、S6は、分散補償部を参照光束の光路内へ挿入した状態で測定する。分散補償部を光路内へ挿入することで、レンズ面S4、S5、S6を測定するときに、干渉縞のコントラストと、ピーク値の検出精度とが向上する。このため、図4−2に示すように、レンズ面S4、S5、S6に対応して、干渉信号SG4、SG5、SG6がそれぞれ検出される。
分散補償部として、本実施例のようにガラスの平行平板を用いることができる。このとき、分散補償部を挿入した状態と、退避した状態(挿入していない状態)とでは、参照光束の光路長が異なる。このため、分散補償部を光路内へ挿入したことで、測定されるレンズ面S4の測定される位置が、挿入前に比較してシフトしてしまう。このため、レンズ面S3とレンズ面S4との相対的な面間隔の情報が欠落してしまう。従って、レンズ面S3とレンズ面S4との間隔(肉厚)を測定できない。
(分散補償する面間隔測定手順)
本実施例では、分散補償部の挿脱をしたときでも、正確に面間隔を算出できるように、以下に述べる面間隔測定手順を行なう。図2は、本実施例に係る面間隔測定装置100による面間隔測定の手順を示すフローチャートである。
ステップS201において、コンピュータ111へ被検光学系117に関する設計データを入力する。設計データは、例えば被検光学系117を構成する各レンズ面の設計曲率半径R、設計面間隔D、硝材の位相屈折率nθ等である。そして、コンピュータ111は、入力された設計データに基づいて、各レンズ面の見かけの曲率中心位置(球心像位置)を算出する。
ここで、被検光学系117を構成するレンズ面に対して、光源101側から順番に面番号sを付与する。そして、最も光源101側のレンズ面(s=1)を基準として、面間隔の測定を行なう。具体的に説明すると、例えば図3−1に断面構成を示す被検光学系700を測定するときを考える。このとき、不図示の光源側のレンズ面S1(面番号s=1)を基準として、各レンズ面S2、S3、S4、S5、S6の間隔を測定する。
図2に戻って説明を続ける。ステップS202において、コンピュータ111は、分散補償量の演算を行なう。分散補償量演算工程では、被検光学系117のうち所定のレンズ面に関して、被検光学系117の設計値である設計データに基づいて、所定の分散量及び厚さを有する分散補償部の参照光束の光路内への挿脱に関する挿脱データを演算する。具体的には、コンピュータ111は、まず次式(1)で示される各レンズ面の設計累積面間光路長DM1[s]を算出する。
DM1[s]=Σ(D[s]×ng[s]) ・・・(1)
ここで、
D:被検面となるレンズ面の設計面間隔、
ng:硝材の群屈折率、
s:面番号、をそれぞれ示す。
例えば、レンズ面S1を基準とするので、DM1[1]=0となる。
コンピュータ111は、ステップ202で求めた各レンズ面の設計累積面間光路長DM1[s]に基づいて、各レンズ面を測定するときに、参照光束の光路内へ挿入、又は光路内から退避する分散補償板の挿脱パターンを決定する。ここで、「分散補償板の挿脱パターン」とは、分散補償板の挿脱の組み合わせをいう。
例えば、分散補償部が、本実施例のように2枚のガラス板で構成されるときは、挿脱パターン番号nは、以下の表1に掲げる組み合わせの状態をそれぞれ示す。なお、表1において、分散補償板を参照光束の光路内へ挿入している状態を「有り」とし、光路内から退避している状態を「無し」とする
(表1)
n 第1の分散補償板 第2の分散補償板
0 無し 無し
1 有り 無し
2 無し 有り
3 有り 有り
また、分散補償部が1枚の分散補償板で構成されているときは、「無し」(n=0)、又は「有り」(n=1)の2つの挿脱パターンとなる。次に、挿脱パターンを決定する手順を説明する。本実施例では、2枚の分散補償板107a、107bを備えている。このため、単一の分散補償板を用いるときに比較して、多くの挿脱パターンを設定できる。従って、測定対象となるレンズ面までの累積分散量に対する分散補償量を、各レンズ面に応じてより細かく調整可能となる。この結果、後述するように、被検光学系117の第1面から最終面までの全てのレンズ面において、コントラストの低下を招くことなく、より鋭いピークを持った干渉信号を取得できる。さらに好ましくは、3枚以上の複数の分散補償板を用いることが望ましい。これにより、分散補償量をさらに細かく調整できる。
まず、第1の分散補償板107aと、第2の分散補償板107bとのそれぞれの組み合わせについて、下限波長λlと上限波長λhとに対する設計累積面間光路長の差分ΔDM1[cp][n]を次式(2)により算出する。この設計累積面間光路長の差分を分散補償部の分散量として扱う。ここで、下限波長λlとは、光源101からの光のスペクトル分布の中心波長に対して相対強度1/2になる短波長側の波長をいう。また、上限波長λhとは、光源101からの光のスペクトル分布の中心波長に対して相対強度1/2になる長波長側の波長をいう。
ΔDM1[cp][n]=(ng[λl]−ng[λh])×d[cp][n]
・・・(2)
ここで、
cp:分散補償を示す添え字、
ng:中心波長に対する分散補償板の群屈折率、
λl:下限波長、
λh:上限波長、
d[cp][n]:挿脱パターン番号nのときの分散補償板の総厚さ、
n:挿脱パターン番号、をそれぞれ示す。
次に、被検光学系117内の各レンズ面について、第1面のレンズ面S1から測定対象となるレンズ面までに生じる下限波長λlに対する設計累積面間光路長を求める。同様に、第1面のレンズ面S1から測定対象となるレンズ面までに生じる上限波長λhに対する設計累積面間光路長を求める。そして、これらの設計累積面間光路長の差分ΔDM1[lens][s]を次式(3)により求める。
ΔDM1[lens][s]=DM1[lens][s][λl]
−DM1[lens][s][λh]・・・(3)
ここで、
lens:被検光学系を示す添え字、
λl:下限波長、
λh:上限波長、
DM1[lens][s]:第1面S1を基準としたときの被検面までの設計累積面間光路長、
s:面番号、をそれぞれ示す。
そして、分散補償板107a、107bで生ずる設計累積面間光路長の差分ΔDM1[cp][n]と、被検光学系117で生ずる設計累積面間光路長の差分ΔDM1[lens][s]とを比較する。比較結果に基づいて、第s番目のレンズ面に対して比較した両者の差分が最も小さい分散補償板の組み合わせ、即ち挿脱パターン番号nを選択し、決定する。挿脱パターン番号nは挿脱データに対応する。
ステップS203において、測定対象となるレンズ面は、第1の分散補償板107aと、第2の分散補償板107bとの挿脱パターンが、隣接する直前のレンズ面の挿脱パターンと異なる面(以下、「境界面Sb」という。)であるか、否かを判断する。換言すると、「境界面Sb」とは、分散補償部を参照光束(第1の光束)の光路内へ新たに挿脱して測定する面をいう。判断結果が偽(No)のときは、ステップS206へ進む。
判断結果が真(Yes)のときは、ステップS204へ進む。ステップS204において、分散補償板107a、107bを挿脱する前の状態で、境界面Sbの実測累積面間光路長dm1[Sb]を測定する。面間隔測定原理で上述したように、参照ミラー108に対して光軸AX方向の細かい位置決めと干渉信号の検出を行なう。このとき、測定対象であるレンズ面(境界面Sb)からの反射光の光路長と、参照ミラー108からの反射光の光路長とが一致したときに、干渉信号のピーク値を生ずる。実測累積面間光路長dm1[Sb]は、参照ミラー108の位置yに等しい。そして、コンピュータ111は、干渉信号がピーク値となるときの実測累積面間光路長dm1[Sb]を記録する。
また、分散補償板の挿脱パターンを異なる状態にしたときの光路長のシフト量Δod[n]を次式(4)により求める。
Δod[n]=(ng[λm]−1)×d[cp][n] ・・・(4)
ここで、
ng[λm]:光源101のスペクトル分布の中心波長に対するガラス板の群屈折率、
d[cp][n]:挿脱パターン番号nのときの分散補償板の総厚さ、
n:挿脱パターン番号、をそれぞれ示す。
ステップS205において、分散補償部の挿脱を行なう。分散補償部の挿脱手順を、図1を参照して説明する。第1の分散補償板107aは、分散補償部挿脱部であるモータ106aにより駆動される。モータ106aは、第1の分散補償板107aを、参照光束の光路内へ挿入した位置(図1で実線で示す)と、光路内から退避した位置(図1で破線で示す)とに選択的に駆動する。また、第2の分散補償板107bは、モータ106bにより駆動される。モータ106bは、第2の分散補償板107bを、参照光束の光路内へ挿入した位置(図1で実線で示す)と、光路内から退避した位置(図1で破線で示す)とに選択的に駆動する。コンピュータ111は、挿脱データである挿脱パターン番号nに基づいて、2つのモータ106a、106bの駆動を制御する。これにより、表1で掲げた4つの状態で分散量を補償できる。
図2のステップS205に戻って説明を続ける。分散補償部の新たな挿脱により、分散補償部の厚さの変化分だけ光路長が変化する。このため、分散補償部の挿脱と同時に、光路長可変工程において、分散補償部の厚さの変化による光路長の変化量分だけ、さらに参照光束の光路長を変化させる。具体的には、参照ミラー108の位置を、分散補償部の挿脱前に比較して、シフト量Δod[n]だけ移動する。これにより、測定対象となるレンズ面(境界面Sb)に関する干渉縞を短時間、かつ正確に得ることができる。そして、ステップS206において、分散補償部の挿脱後の境界面Sbの実測累積面間光路長dm1’[Sb]を測定する。そして、コンピュータ111は、干渉信号がピーク値となるときの実測累積面間光路長dm1’[Sb]を記録する。
また、上述したように、ステップS203の判断結果が偽のときも、ステップS206へ進む。このときは、測定対象となるレンズ面は境界面Sbではない。このため、ステップS206において、分散補償部の状態を同一に維持したまま、測定対象となるレンズ面の実測累積面間光路長dm1[s]を測定する。同様に、コンピュータ111は、干渉信号がピーク値となるときの実測累積面間光路長dm1[Sb]を記録する。
ステップS207において、被検光学系117の全てのレンズ面(光学面)に対して面間隔の測定を行なったか、否かを判断する。判断結果が偽のときは、ステップS203へ戻って、再度上述の手順を繰り返す。判断結果が真のときは、ステップS208へ進む。
ステップS208において、参照光束の光路長の変化量と、挿脱データと、光強度分布とに基づいて被検光学系117の面間隔を算出する。具体的には、コンピュータ111は、連続する2つのレンズ面に対応する2つの実測累積面間光路長dm1[s]、dm1[s+1]から、実測面間光路長(dm1[s+1]−dm1[s])を算出する。2つのレンズ面の間隔が空気間隔のときは、実測面間光路長をそのまま用いて、空気間隔d[s]=dm1[s+1]−dm1[s]となる。また、2つのレンズ面の間隔が肉厚のときは、実測面間光路長および硝材の群屈折率ngを用いて、肉厚d[s]=(dm1[s+1]−dm1[s])/ngとなる。
次に、境界面Sbについての面間隔の算出について説明する。測定対象となるレンズ面が境界面Sbの測定は、上述のステップS204、S205、S206に相当する。境界面Sbのとき、光電検出器114が光強度を検出する工程において、分散補償部を挿脱する前の状態と分散補償部を挿脱した後の状態との2つの状態で、同一のレンズ面についての干渉縞の光強度分布を検出する。ステップS204、S205、S206で説明したように、分散補償部を挿脱する前の状態の干渉縞の光強度分布に基づいて、実測累積面間光路長dm1[Sb]が求められる。また、分散補償部を挿脱した後の状態の干渉縞の光強度分布に基づいて、実測累積面間光路長dm1’[Sb]が求められる。
そして、ステップS208において、境界面Sbに関しては、境界面Sbに隣接する一つ前の面である第(Sb−1)面との間隔は、実測累積面間光路長dm1[Sb]を用いて算出する。これに対して、境界面Sbに隣接する一つ後ろの面である第(Sb+1)面との間隔には実測累積面間光路長dm1’[Sb]を用いて算出する。そして、以降次の分散補償部の新たな挿脱が生じるまでの面の面間隔はすべてdm1’[Sb]を基準として求めることができる。
境界面Sbの面間隔の算出の具体例について、図3−1で示した被検光学系700を用いて説明する。ここで、レンズ面S1、S2、S3は、分散補償部を参照光束の光路内から退避した状態で測定する。また、レンズ面S4、S5、S6は、分散補償部を参照光束の光路内へ挿入した状態で測定する。このとき、レンズ面S4が境界面Sbとなる。
分散補償部の挿脱前の状態で、レンズ面S4に関して実測累積面間光路長dm1[4]が得られる。また、分散補償部の挿脱後の状態で、レンズ面S4’に関して実測累積面間光路長dm1’[4]が得られる。レンズ面S4とレンズ面S4’とは同一の面である。ここで、レンズ面S5、S6に関する面間隔は、累積面間光路長dm1’[4]を基準とした位置で求められる。
例えば、実測累積面間光路長dm1[3]、dm1[4]に基づいて、レンズ面S3とレンズ面S4との面間隔が求められる。さらに、実測累積面間光路長dm1’[4]、dm1’[5]に基づいて、レンズ面S4’とレンズ面S5’(=S5)との面間隔が求められる。このように分散補償部の挿入の前後の状態で参照光束の光路長の変化が生じても、全てのレンズ面にわたって精度良く実測累積面間光路長が測定できる。このように、本実施例によれば、被検光学系117の硝材の厚さに関わらず、被検光学系117のレンズ面の面間隔を高精度に測定できる。
図5は、実施例2に係る面間隔測定装置500の概略構成を示す。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。実施例1で述べたように、測定光学系は、被検光学系117の測定対象となるレンズ面の見かけの曲率中心位置へ、光源101からの光を集光する。ここで、測定光学系は、できるだけ光学的性能が高く、諸収差が低減されていることが望ましい。
このため、本実施例では、多くのレンズ枚数で測定光学系502を構成している。この結果、測定光学系502の累積的な硝材の厚さも大きい。従って、光源101からの広いスペクトル分布の光が、測定光学系502を透過することで、分散が生じてしまう。測定光学系502による分散のため、被検光学系117の第1面S1を測定したときでも、測定精度が低下してしまう。
そこで、本実施例では、第1の分散補償板107a、第2の分散補償部107bに加えて、分散補償板501を参照光束の光路内に配置している。分散補償板501は、参照光束の光路内に固定されたガラスの平行平板である。分散補償板502の硝材の種類および厚さは、測定光学系117で生ずる分散と略同等となるように選択されている。この結果、測定光学系117で生ずる分散量を打ち消すことで補償することができる。これにより、さらに高精度に被検光学系117の面間隔を測定できる。
なお、上記各実施例では、干渉縞の検出に光電検出器を用いているが、干渉縞をスリガラス等のスクリーン上に投影し、直接肉眼で観察してもよい。さらに、光電検出器としてTVカメラを用いてCRTで干渉縞を肉眼で観察してもよいし、波形モニター、オシロスコープ等で信号を観察してもよい。
干渉信号のコントラストを上げたいときは、偏光子103の方位角を変化させる。例えば、偏光ビームスプリッタ104における反射光(測定光束)と透過光(参照光束)との光量比を変えて、参照光束と測定光束との強度をそろえる。これにより、干渉縞のコントラストが向上する。さらに精度を上げるためには、参照光束と測定光束との光量比がほぼ等しくなる、例えば1:20〜20:1になるのがよい。このため、光路中にフィルター等を適宜挿入すること、又は反射率の異なる反射鏡等を使えばよい。
さらに、測定光学系116、502を省略することもできる。このときは、コリメータレンズ102を光軸AXに沿った方向に適宜移動させる。そして、測定対象となる光学面の見かけの曲率中心位置(球心近傍)又は面頂近傍に測定光束を入射させる。このような構成でも、面間隔を測定できる。
また、測定光学系116、及びコリメータレンズ102は、被検光学系117に応じて、適宜交換してもよい。なお、光学系のアライメントを行う際、光源が不可視光の場合には光源の波長に感度を有する可視化装置を用いる。しかしながら、可視化装置は、一般的に高価である。このため、光源の波長が近赤外光であれば、市販の安価な液晶モニター付のデジタルカメラ又はテレビカメラを代わりに用いてもよい。一般的にデジタルカメラの撮像素子の直前には、赤外カットフィルターが組み込まれている。赤外カットフィルターが組み込まれていても、800nm程度の近赤外光には多少感度があるので、光源からの光を撮像できる。そこで、デジタルカメラにカメラの取り込み画像をリアルタイムで直接液晶モニターに表示できる機能があれば、この機能を利用してビームをモニターすることにより高価な可視化装置を用いなくても光学系のアライメントを容易に行える。
また、面間隔測定には、光軸近傍で生じる干渉縞を用いれば良い。このため、測定対象となるレンズ面の見かけの曲率中心位置(球心近傍)又は面頂近傍に測定光束を入射させるときの許容範囲は、レンズ面への入射光又は射出光の光軸に対する角度で±15°程度の誤差があってもよい。さらに、精密な測定のときは、この誤差は±10°以内にすることが望ましい。
なお、本発明の面間隔測定装置において、測定光束をレンズ面に入射させるとき、面頂近傍よりも見かけの曲率中心位置(球心近傍)に入射させた方が面形状の乱れ、キズ、ゴミ等の影響が低減されるので望ましい。
また、測定するレンズ面の順番は、第1面から順番に行なう場合に限られない。例えば、第1面(基準面)を測定してから、次に最終面(第s面)を測定し、さらに最終面から第1面側へ戻るような順番、例えば第(s−1)面を測定しても良い。最終面を測定するときは、全ての分散補償板を参照光束の光路内へ挿入しておく。そして、最終面の手前の面へ測定が進むに従い、分散補償板を光路内から退避させてゆく。なお、分散補償板もガラス板に限られない。分散補償板は、光学的に透明な部材であれば、液体、固体で構成できる。
以上、本発明に係る面間隔測定装置及び面間隔測定方法を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
以上のように、本発明に係る面間隔測定方法及び面間隔測定装置は、被検光学系のレンズ面の面間隔を測定するとき有用であり、特に、レンズ枚数の多いズームレンズや硝材の総厚さが大きいレンズに適している。
実施例1に係る面間隔測定装置の概略構成を示す図である。 実施例1における測定手順を示すフローチャートである。 被検光学系の断面構成図である。 干渉信号を示す図である。 被検光学系の他の断面構成図である。 相対的な面間隔情報の欠落するときの干渉信号を示す図である。 実施例2に係る面間隔測定装置の概略構成を示す図である。 干渉信号を示す図である。 干渉信号を示す他の図である。 被検光学系の他の断面構成図である。 従来技術における干渉信号を示す他の図である。
符号の説明
100 面間隔測定装置
101 光源
102 コリメータレンズ
103 偏光子
104 偏光ビームスプリッタ
105 1/4波長板
106a、106b モータ
107a、107b 分散補償板
108 参照ミラー
108a コーナーキューブ
109 レーザ測長器
110 入出力装置
111 コンピュータ
112 モニタ
113 検光子
114 光電検出器
115 1/4波長板
116 測定光学系
117 被検光学系
500 面間隔測定装置
501 分散補償板
502 測定光学系
700 被検光学系

Claims (5)

  1. 複数の光学面を有する被検光学系の面間隔を測定するための面間隔測定方法において、
    可干渉距離が短い光源からの光を第1の光束と第2の光束とに分割する光束分割工程と

    測定対象となる前記光学面の位置に応じて前記第1の光束の光路長を変化させる光路長
    可変工程と、
    前記第2の光束の光路内に配置されている前記被検光学系のうち測定対象である前記光
    学面に関する所定位置に、前記第2の光束を集光させる集光工程と、
    前記被検光学系のうち所定の前記光学面に関して、前記被検光学系の設計値に基づいて
    、所定の分散量及び厚さを有する分散補償部の前記第1の光束の光路内への挿脱に関する
    挿脱データを演算する分散補償量演算工程と、
    前記挿脱データに基づいて前記第1の光束の光路内へ前記分散補償部を挿脱する分散補
    償部挿脱工程と、
    光路長が変化した前記第1の光束と、測定対象となる前記光学面で反射した前記第2の
    光束とを重ね合わせる光束合成工程と、
    前記第1の光束と前記第2の光束とで生ずる干渉縞の光強度分布を検出する光強度検出
    工程と、
    前記第1の光束の光路長の前記変化量と、前記挿脱データと、前記光強度分布とに基づ
    いて前記被検光学系の面間隔を算出する面間隔算出工程とを含み、
    前記光学面が前記分散補償部を前記第1の光束の光路内へ新たに挿脱して測定する面で
    あるときに、前記光強度検出工程において、前記分散補償部を挿脱する前の状態と前記分
    散補償部を挿脱した後の状態との2つの状態で、前記光学面についての干渉縞の光強度分
    布を検出することを特徴とする面間隔測定方法。
  2. 前記分散補償部は、複数の分散補償板からなり、
    前記分散補償量演算工程では、前記複数の分散補償板を組み合わせる前記挿脱データを
    演算し、
    前記分散補償部挿脱工程では、前記複数の分散補償板を組み合わせて挿脱することを特
    徴とする請求項1に記載の面間隔測定方法。
  3. 前記光源からの光は所定のスペクトル分布を有し、前記スペクトル分布の中心波長より
    も長波長側の所定波長を上限波長とし、前記中心波長よりも短波長側の所定波長を下限波
    長とそれぞれしたとき、
    前記分散補償量演算工程は、前記上限波長の光路長と前記下限波長の光路長との差分を
    前記分散量として演算し、
    さらに前記分散補償量演算工程は、前記被検光学系の基準となる前記光学面から測定対
    象となる前記光学面までに生ずる前記分散量と、前記分散補償部で生ずる前記分散量とを
    比較し、比較結果に基づいて前記複数の分散補償板の組み合わせを決定することを特徴と
    する請求項2に記載の面間隔測定方法。
  4. 前記光路長可変工程において、前記分散補償部の厚さによる光路長の変化量分だけ、さ
    らに前記第1の光束の光路長を変化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の面間隔測定方法。
  5. 複数の光学面を有する被検光学系の面間隔を測定するための面間隔測定装置において、
    可干渉距離が短い光源と、
    前記光源からの光を第1の光束と第2の光束とに分割する光束分割部と、
    測定対象となる前記光学面の位置に応じて前記第1の光束の光路長を変化させる光路長
    可変部と、
    前記第2の光束の光路内に配置されている前記被検光学系のうち測定対象である前記光
    学面に関する所定位置に、前記第2の光束を集光させる集光部と、
    前記被検光学系のうち所定の前記光学面に関して、前記被検光学系の設計値に基づいて
    、所定の分散量及び厚さを有する分散補償部の前記第1の光束の光路内への挿脱に関する
    挿脱データを演算する分散補償量演算部と、
    前記挿脱データに基づいて前記第1の光束の光路内へ前記分散補償部を挿脱する分散補
    償部挿脱部と、
    光路長が変化した前記第1の光束と、前記光学面で反射した前記第2の光束とを重ね合
    わせる光束合成部と、
    前記第1の光束と前記第2の光束とで生ずる干渉縞の光強度分布を検出する光強度検出
    部と、
    前記第1の光束の光路長の前記変化量と、前記挿脱データと、前記光強度分布とに基づ
    いて前記被検光学系の面間隔を算出する面間隔算出部とを有し、
    前記光学面が前記分散補償部を前記第1の光束の光路内へ新たに挿脱して測定する面で
    あるとき、前記光強度検出部において、前記分散補償部を挿脱する前の状態と前記分散補
    償部を挿脱した後の状態との2つの状態で、前記光学面についての干渉縞の光強度分布を
    検出することを特徴とする面間隔測定装置。
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