JP4391754B2 - Sawフィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、SAWフィルタに係り、特に位相の直線性を改善することができる伝送形のSAWフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動しながら通話可能な移動通信システムは、ますます発展してきている。このような移動通信システムでは、使用できる周波数帯に制限があり、周波数帯の使用効率を高める必要があるため、必要に応じて特定のチャネルをユーザに割り当てる多重アクセス方式を採用するのが一般的である。このような多重アクセス方式の例として、周波数軸上で直交するチャネルを構成する周波数分割多重アクセス(FDMA:Frequency Division Multiple Access )方式や、同一の無線周波数においてユーザ毎に異なる符号を割り当て、多元接続を行う符号分割多重アクセス(CDMA:code division multiple access )方式がある。
【0003】
図9(a)はFDMA方式の周波数帯域の概念を示す図、図9(b)はCDMA方式の周波数帯域の概念を示す図である。図9(a)、図9(b)において、fi(i=1,2,3・・・・)はFDMA方式の各チャネルの中心周波数、faは各チャネルの帯域幅、fsはチャネル間隔、fbはCDMA方式の周波数帯域である。
FDMA方式では、無線周波数を各ユーザが使用する帯域で分割して、多数のチャネルを作るため、チャネル帯域幅faとチャネル間隔fsとを狭くすることで無線周波数の使用効率を向上させることができる。このような狭帯域化に対応するため、FDMA方式の移動通信システムの携帯端末では、所望のチャネルを選択するための帯域通過フィルタが必要となる。
一方、近年急増しているCDMA方式では、同一の周波数帯域fbを各ユーザが共有するため、ユーザ毎に帯域を分割する必要はないが、図9(b)に示すように他の通信用帯域とのセパレーションが必要なため、FDMA方式と同様に急峻な特性の帯域通過フィルタが必要となる。
【0004】
従来、このような帯域通過フィルタとして、伝送形のSAW(Surface Acoustic Wave )フィルタが知られている。伝送形のSAWフィルタは、入力側と出力側にすだれ状電極(interdigital transducer 、以下IDTと略する)を配置し、各電極指の励振強度に重みを付けてフィルタ特性を得る素子であり、その特徴として、振幅特性と位相特性を独立に設計できるという、従来のフィルタには無い優れた特徴を持っている。
【0005】
図10に従来のSAWフィルタの構成を示す。SAWフィルタは、図示しない圧電基板と、圧電基板上に形成された入力IDT101および出力IDT102とを有するものである。入力IDT101は、金属からなる櫛状の対向する2つの電極部111,112を有している。そして、電極部111,112には、対向電極部に向かって突出した複数の電極指113,114が設けられている。同様に、出力IDT102は、櫛状の対向する2つの電極部121,122を有し、電極部121,122には、対向電極部に向かって突出した複数の電極指123,124が設けられている。入力IDT101の入力端子INに入力された電気信号は、入力IDT101により弾性表面波Wに変換され、この弾性表面波Wが出力IDT102により電気信号に変換されて出力端子OUTから出力される。ここで、入力IDT101は、電極指113,114の交差幅を変化させて重み付けをしたアポダイズ型電極であり、出力IDT102は、電極指123,124の交差幅が一様な正規型電極である。
【0006】
アポダイズ型のIDTを使用しないSAWフィルタの場合には、図11の破線のような周波数特性となり、通過帯域内の周波数特性の平坦性と通過帯域外のサイドローブの抑圧性とが不十分なため、前記CDMA方式の移動通信システムで定められた周波数帯域fbまで通過帯域幅fcを広くすることができず、また通過帯域外の不要な成分を拾う恐れがある。これに対し、アポダイズ型のIDTを使用した図10のSAWフィルタの場合には、図11の実線のような周波数特性となり、通過帯域内の周波数特性の平坦性とサイドローブの抑圧性とを向上させることができるので、通過帯域幅をfc’に広げ、かつ通過帯域外の不要な成分を拾う可能性を少なくすることができる(例えば、特許文献1参照)。なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−238042号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来のSAWフィルタでは、アポダイズ型のIDTを用いることにより、通過帯域内の周波数特性の平坦性とサイドローブの抑圧性とを向上させることができる。しかしながら、アポダイズ型のIDTを用いたSAWフィルタでは、通過帯域内の位相の直線性が劣化するという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、位相の直線性を向上させることができるSAWフィルタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のSAWフィルタは、圧電基板上に第1のフィルタと第2のフィルタとを備え、前記第1のフィルタは、励振用の第1の重み付け型すだれ状電極と、この第1の重み付け型すだれ状電極に相対する受信用の第1の正規型すだれ状電極と、前記第1の重み付け型すだれ状電極に相対する受信用の第2の正規型すだれ状電極とからなり、前記第2のフィルタは、前記第1の正規型すだれ状電極と接続された励振用の第3の正規型すだれ状電極と、前記第2の正規型すだれ状電極と接続された励振用の第4の正規型すだれ状電極と、前記第3の正規型すだれ状電極および前記第4の正規型すだれ状電極に相対する受信用の第2の重み付け型すだれ状電極とからなり、前記第1の重み付け型すだれ状電極は、前記第2の正規型すだれ状電極の方向へ弾性表面波を放射する場合に伝達関数F(z)の最小位相特性となり、かつ前記第1の正規型すだれ状電極の方向へ弾性表面波を放射する場合に伝達関数F(z-1)z-N(Nは前記第1、第2の重み付け型すだれ状電極の電極指の対数)の最大位相特性となるように重み付けがなされた電極であり、前記第2の重み付け型すだれ状電極は、前記第3の正規型すだれ状電極の方向から弾性表面波を受信する場合に伝達関数F(z)の最小位相特性となり、かつ前記第4の正規型すだれ状電極の方向から弾性表面波を受信する場合に伝達関数F(z-1)z-Nの最大位相特性となるように重み付けがなされた電極である。
【0010】
【発明の実施の形態】
[第1参考例]
以下、本発明の参考例について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1参考例となるSAWフィルタの構成を示すブロック図である。本参考例のSAWフィルタは、図示しない圧電基板上に形成された第1のフィルタと第2のフィルタとを備える。第1のフィルタは、入力された電気信号を弾性表面波に変換する励振用のアポダイズ型IDT1と、このアポダイズ型IDT1に相対する受信用の正規型IDT2とからなり、第2のフィルタは、正規型IDT2と電気的に接続された励振用の正規型IDT3と、この正規型IDT3に相対する受信用のアポダイズ型IDT4とからなる。
【0011】
アポダイズ型IDT1は、金属からなる櫛状の対向する2つの電極部11,12を有している。そして、電極部11,12には、対向電極部に向かって突出した複数の電極指13,14が設けられている。アポダイズ型IDT4は、アポダイズ型IDT1と同一構造の電極を反転、すなわち圧電基板と平行な面(図1の紙面)内で180°回転させたものである。一方、正規型IDT2は、櫛状の対向する2つの電極部21,22を有し、電極部21,22には、対向電極部に向かって突出した複数の電極指23,24が設けられている。正規型IDT3は、正規型IDT2と同一の構造を有する。
【0012】
入力側のアポダイズ型IDT1の入力端子INに入力された電気信号は、アポダイズ型IDT1により右方向を主伝搬方向とする弾性表面波W1に変換され、この弾性表面波W1は、正規型IDT2により電気信号に変換される。続いて、正規型IDT2から出力された電気信号は、正規型IDT3により右方向を主伝搬方向とする弾性表面波W2に変換され、この弾性表面波W2は、出力側のアポダイズ型IDT4により電気信号に変換されて出力端子OUTから出力される。
【0013】
アポダイズ型IDT1は、第1の方向(図1の例では右方向)へ弾性表面波を放射する場合または第2の方向(図1の例では左方向)から弾性表面波を受信する場合に位相の遅延が最小の最小位相特性となり、かつ第2の方向へ弾性表面波を放射する場合または第1の方向から弾性表面波を受信する場合に位相の遅延が最大の最大位相特性となるように、重み付けがなされた電極である。したがって、本参考例の場合、アポダイズ型IDT1は第1の方向へ弾性表面波W1を放射するため最小位相特性を有する。
一方、アポダイズ型IDT1を180°反転させたアポダイズ型IDT4は、前記第1の方向と第2の方向との関係が逆転するので、第2の方向へ弾性表面波を放射する場合または第1の方向から弾性表面波を受信する場合に最小位相特性となり、かつ第1の方向へ弾性表面波を放射する場合または第2の方向から弾性表面波を受信する場合に最大位相特性となるように、重み付けがなされた電極となる。したがって、本参考例の場合、アポダイズ型IDT4は第2の方向から弾性表面波W2を受信するため最大位相特性を有する。
【0014】
アポダイズ型IDT1およびアポダイズ型IDT4の電極指の対数をN、最小位相特性の場合の伝達関数をF(z)とすると、最大位相特性の場合の伝達関数はF(z-1)z-Nとなり、図1に示したSAWフィルタの伝達関数は2F(z)F(z-1)z-Nとなる。すなわち、本参考例のSAWフィルタは、アポダイズ型IDT1が最小位相特性を有し、アポダイズ型IDT4が最大位相特性を有する構成となっているため、互いの位相特性が相殺されて直線位相となる。このとき、特にIDT1の最小位相と同じすだれ状電極を、IDT4として受信される音響波の進行方向を、IDT1の進行方向とは逆向きに配置した場合、IDT4は最大位相となり、IDT1とIDT4の位相作用により位相の直線性は向上する。
【0015】
図2(a)、図2(b)にアポダイズ型IDT1の周波数特性と位相特性を示し、図2(c)、図2(d)にアポダイズ型IDT4の周波数特性と位相特性を示す。また、図3(a)、図3(b)に本参考例のSAWフィルタの周波数特性と位相特性を示す。図2〜図3の例では、記載を容易にするため、通過帯域が0〜0.5MHzのローパスフィルタとしてSAWフィルタの特性を記しているが、ローパスフィルタをバンドパスフィルタに変換することが容易であるのは言うまでもない。図2(b)のように最小位相を示すアポダイズ型IDT1の特性と図2(d)のように最大位相を示すアポダイズ型IDT4の特性とを合成することにより、図3(b)のように直線位相を示すSAWフィルタを実現することができる。
【0016】
また、本参考例によれば、定在的な損失は図10に示した従来のSAWフィルタとほぼ同一であり、弾性表面波の伝搬方向(図1の左右方向)のサイズについても従来のSAWフィルタと同等にすることができる。また、アポダイズ型IDT1とアポダイズ型IDT4とを同一とし、正規型IDT2と正規型IDT3とを同一としていることから、第1のフィルタと第2のフィルタとの接続点(正規型IDT2と正規型IDT3との接続点)でのインピーダンス反射がなく、また直線位相のため感度を小さくすることができる。また、アポダイズ型IDT4はアポダイズ型IDT1を反転させたものなので、アポダイズ型IDT1とアポダイズ型IDT4のうちいずれか一方のみを設計すればよく、直線位相SAWフィルタを厳密に設計することができる。
【0017】
[第2参考例]
第1参考例では、励振用のアポダイズ型IDT1が最小位相特性を有し、受信用のアポダイズ型IDT4が最大位相特性を有する構成としているが、この構成を逆にしてもよい。すなわち、各IDTの電気配線を図1のままにして、アポダイズ型IDT1とアポダイズ型IDT4とをそれぞれ反転させることにより、図4の構成となり、アポダイズ型IDT1が最大位相特性を有し、アポダイズ型IDT4が最小位相特性を有する構成となる。
【0018】
[第1の実施の形態]
第1参考例、第2参考例では、正規型IDTを2個用いたが、正規型IDTを4個用いて図5に示すようなSAWフィルタを構成してもよい。本実施の形態のSAWフィルタは、第1参考例のSAWフィルタに対し、アポダイズ型IDT1を挟んで正規型IDT2と異なる側に正規型IDT5を追加し、アポダイズ型IDT4を挟んで正規型IDT3と異なる側に正規型IDT6を追加したものである。正規型IDT5と正規型IDT6とは電気的に接続されている。
【0019】
入力側のアポダイズ型IDT1の入力端子INに入力された電気信号は、アポダイズ型IDT1により右方向を主伝搬方向とする弾性表面波W1および左方向を主伝搬方向とする弾性表面波W3に変換され、弾性表面波W1,W3は、それぞれ正規型IDT2,5により電気信号に変換される。続いて、正規型IDT2から出力された電気信号は、正規型IDT3により右方向を主伝搬方向とする弾性表面波W2に変換され、正規型IDT5から出力された電気信号は、正規型IDT6により左方向を主伝搬方向とする弾性表面波W4に変換される。そして、弾性表面波W2,W4は、出力側のアポダイズ型IDT4により電気信号に変換されて出力端子OUTから出力される。
【0020】
前述のように、アポダイズ型IDT1は右方向へ弾性表面波W1を放射する場合に最小位相特性となり、アポダイズ型IDT4は左方向から弾性表面波W2を受信する場合に最大位相特性となる。したがって、アポダイズ型IDT1→正規型IDT2→正規型IDT3→アポダイズ型IDT4の経路では、アポダイズ型IDT1の最小位相特性がアポダイズ型IDT4の最大位相特性で相殺されて直線位相となる。
【0021】
一方、アポダイズ型IDT1は左方向へ弾性表面波W3を放射する場合に最大位相特性となり、アポダイズ型IDT4は右方向から弾性表面波W4を受信する場合に最小位相特性となる。したがって、アポダイズ型IDT1→正規型IDT5→正規型IDT6→アポダイズ型IDT4の経路では、アポダイズ型IDT1の最大位相特性がアポダイズ型IDT4の最小位相特性で相殺されて直線位相となる。こうして、第1参考例と同様の効果を得ることができる。
【0022】
また、本実施の形態では、第1参考例に比べて挿入損失(インサーションロス)を向上させることができる。その理由は、第1参考例では弾性表面波の伝搬方向(図1左右方向)のうち1方向のみIDT1,4を使用しているため、挿入損失がIDT1,2で3dB、IDT3,4で3dBの計6dBとなるのに対し、本実施の形態では2方向でIDT1,4を使用しているため、挿入損失がIDT1,2,5で1.5dB、IDT3,4,6で1.5dBの計3dBとなるからである。
【0023】
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、アポダイズ型IDT1→正規型IDT2→正規型IDT3→アポダイズ型IDT4の経路では、アポダイズ型IDT1が最小位相特性、アポダイズ型IDT4が最大位相特性となり、アポダイズ型IDT1→正規型IDT5→正規型IDT6→アポダイズ型IDT4の経路では、アポダイズ型IDT1が最大位相特性、アポダイズ型IDT4が最小位相特性となるが、この構成を逆にしてもよい。
【0024】
すなわち、各IDTの電気配線を図5のままにして、アポダイズ型IDT1とアポダイズ型IDT4とをそれぞれ反転させることにより、図6の構成となり、アポダイズ型IDT1→正規型IDT2→正規型IDT3→アポダイズ型IDT4の経路では、アポダイズ型IDT1が最大位相特性、アポダイズ型IDT4が最小位相特性となり、アポダイズ型IDT1→正規型IDT5→正規型IDT6→アポダイズ型IDT4の経路では、アポダイズ型IDT1が最小位相特性、アポダイズ型IDT4が最大位相特性となる。
【0025】
[第3参考例]
図7は本発明の第3参考例となるSAWフィルタの構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。入力側のアポダイズ型IDT1の入力端子INに入力された電気信号は、アポダイズ型IDT1により右方向を主伝搬方向とする弾性表面波W1に変換され、弾性表面波W1は、出力側のアポダイズ型IDT4により電気信号に変換されて出力端子OUTから出力される。第1参考例で説明したように、アポダイズ型IDT1は最小位相特性を有し、アポダイズ型IDT4は最大位相特性を有する。
【0026】
本参考例のSAWフィルタは、正規型IDTを使用しない構成である。弾性表面波の伝搬方向(図7の左右方向)のサイズについては第1参考例のSAWフィルタに比べて不利となるが、正規型IDTを省略することができる。
【0027】
[第4参考例]
第3参考例では、アポダイズ型IDT1が最小位相特性を有し、アポダイズ型IDT4が最大位相特性を有する構成としているが、この構成を逆にしてもよい。すなわち、各IDTの電気配線を図7のままにして、アポダイズ型IDT1とアポダイズ型IDT4とをそれぞれ反転させることにより、図8の構成となり、アポダイズ型IDT1が最大位相特性を有し、アポダイズ型IDT4が最小位相特性を有する構成となる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、圧電基板上に励振用の第1の重み付け型すだれ状電極と受信用の第2の重み付け型すだれ状電極とを設け、第1の重み付け型すだれ状電極と第2の重み付け型すだれ状電極のうちいずれか一方を最小位相特性を有するように重み付けがなされた電極とし、他方を最大位相特性を有するように重み付けがなされた電極とすることにより、従来のアポダイズ型すだれ状電極を使用したSAWフィルタに比べて位相の直線性を向上させることができる。
【0029】
また、第1の重み付け型すだれ状電極と同一構造の電極を反転させたものを第2の重み付け型すだれ状電極とすることにより、第1の重み付け型すだれ状電極と第2の重み付け型すだれ状電極に同一構造の電極を使用できるので、いずれか一方のみを設計すればよく、直線位相SAWフィルタを厳密に設計することができる。
【0030】
また、圧電基板上に第1のフィルタと第2のフィルタとを設け、第1のフィルタを励振用の第1の重み付け型すだれ状電極と受信用の第1の正規型すだれ状電極とから構成し、第2のフィルタを励振用の第2の正規型すだれ状電極と受信用の第2の重み付け型すだれ状電極とから構成して、第1の重み付け型すだれ状電極と第2の重み付け型すだれ状電極のうちいずれか一方を最小位相特性を有するように重み付けがなされた電極とし、他方を最大位相特性を有するように重み付けがなされた電極とすることにより、従来のアポダイズ型すだれ状電極を使用したSAWフィルタに比べて位相の直線性を向上させることができる。また、第1の重み付け型すだれ状電極と第2の重み付け型すだれ状電極に同一構造の電極を使用できるので、直線位相SAWフィルタを厳密に設計することができる。また、第1のフィルタと第2のフィルタを弾性表面波の伝搬方向と直角の方向に並べて配置すれば、伝搬方向のサイズを従来のSAWフィルタと同等にすることができる。
【0031】
また、第1のフィルタを励振用の第1の重み付け型すだれ状電極と受信用の第1の正規型すだれ状電極と受信用の第2の正規型すだれ状電極とから構成し、第2のフィルタを励振用の第3の正規型すだれ状電極と励振用の第4の正規型すだれ状電極と受信用の第2の重み付け型すだれ状電極とから構成することにより、第1のフィルタを励振用の第1の重み付け型すだれ状電極と受信用の第1の正規型すだれ状電極とから構成し、かつ第2のフィルタを励振用の第2の正規型すだれ状電極と受信用の第2の重み付け型すだれ状電極とから構成する場合に比べて、挿入損失を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1参考例となるSAWフィルタの構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の第1参考例におけるアポダイズ型すだれ状電極の周波数特性と位相特性を示す図である。
【図3】 本発明の第1参考例におけるSAWフィルタの周波数特性と位相特性を示す図である。
【図4】 本発明の第2参考例となるSAWフィルタの構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態となるSAWフィルタの構成を示すブロック図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態となるSAWフィルタの構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明の第3参考例となるSAWフィルタの構成を示すブロック図である。
【図8】 本発明の第4参考例となるSAWフィルタの構成を示すブロック図である。
【図9】 FDMA方式およびCDMA方式の周波数帯域の概念を示す図である。
【図10】 従来のSAWフィルタの構成を示すブロック図である。
【図11】 従来のSAWフィルタの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1、4…アポダイズ型すだれ状電極、2、3、5、6…正規型すだれ状電極。
Claims (1)
- 圧電基板上に第1のフィルタと第2のフィルタとを備え、
前記第1のフィルタは、励振用の第1の重み付け型すだれ状電極と、この第1の重み付け型すだれ状電極に相対する受信用の第1の正規型すだれ状電極と、前記第1の重み付け型すだれ状電極に相対する受信用の第2の正規型すだれ状電極とからなり、
前記第2のフィルタは、前記第1の正規型すだれ状電極と接続された励振用の第3の正規型すだれ状電極と、前記第2の正規型すだれ状電極と接続された励振用の第4の正規型すだれ状電極と、前記第3の正規型すだれ状電極および前記第4の正規型すだれ状電極に相対する受信用の第2の重み付け型すだれ状電極とからなり、
前記第1の重み付け型すだれ状電極は、前記第2の正規型すだれ状電極の方向へ弾性表面波を放射する場合に伝達関数F(z)の最小位相特性となり、かつ前記第1の正規型すだれ状電極の方向へ弾性表面波を放射する場合に伝達関数F(z -1 )z -N (Nは前記第1、第2の重み付け型すだれ状電極の電極指の対数)の最大位相特性となるように重み付けがなされた電極であり、
前記第2の重み付け型すだれ状電極は、前記第3の正規型すだれ状電極の方向から弾性表面波を受信する場合に伝達関数F(z)の最小位相特性となり、かつ前記第4の正規型すだれ状電極の方向から弾性表面波を受信する場合に伝達関数F(z -1 )z -N の最大位相特性となるように重み付けがなされた電極であることを特徴とするSAWフィルタ。
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