JP4391726B2 - 歯形形状の研削加工方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、等速ジョイントのアウタレースのジョイント部内面に形成されたボール溝等を形成するための歯形形状の研削加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図3および図4に示すように、自動車の駆動車軸として使用されるツェッパ型等速ジョイントのアウタレース1は、出力軸2と一体に形成されたジョイント部3の内周面に複数(図示のものでは6個)のボール溝4が形成されており、これらのボール溝4によってジョイント部2の内周面に歯形形状が形成されている。なお、図3において、実線はアウタレース1の粗形材の形状を示し、二点鎖線は機械加工後の形状を示している。
【0003】
一般的に、アウタレース1は、ブランクを冷間鍛造することによって成形された粗形材を機械加工した後、熱処理して、所望の寸法および強度に仕上げられる。このとき、ボール溝4については、所望の強度を得るため、冷間鍛造によって所定の寸法精度に仕上げられ、その後に機械加工は行われない。
【0004】
図5に示すように、ボール溝4は、ボール5に効率よく荷重を伝達してジョイント部2のガタを防止すべく、直径Dのボール5より小さい曲率を有する半径Rの2つの円弧4a,4bを組合わせた断面形状を有しており、ボール5と接触角θで2点接触するようになっている。
【0005】
図6に、アウタレース1のジョイント部3の内面を成形するための冷間鍛造用金型6の先端部を示す。金型6には、ボール溝4を成形するための歯形形状を有する溝成形部7が形成されている。各溝成形部7は、冷間鍛造によって所望の仕上げ精度を有するボール溝4を成形するため、研削加工によって高精度に仕上げる必要がある。
【0006】
そこで、従来、図7に示すように、外周部がボール溝4と同じ断面形状に形成された円盤状の総形砥石8を回転させて研削加工することにより、金型6の溝成形部7を成形して、高い寸法精度を得るようにしていた。
【0007】
そして、このようにして製造した金型1を用いて冷間鍛造したアウタレース1の粗形材に、必要な機械加工を行った後、熱処理を施すことにより、アウタレースの完成品を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のアウタレース1の製造方法では、次のような問題がある。熱処理によってボール溝4に歪みが生じるため、必要な精度を確保することが困難である。加熱温度、時間等の熱処理条件を調整することにより、ある程度、熱処理による歪みを小さくすることができるが、調整ファクタが限定されるため、充分な効果が得られない。また、総形砥石8を用いているため、金型6の溝成形部7の軸方向位置における各断面は一定形状となるので、熱処理による歪みの発生を見込んで溝成形部7の断面形状を充分に修正することはできない。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、高い寸法精度を得るための歯形形状の加工方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係る歯形形状の研削加工方法は、一定の曲率半径を有する2つの円弧を組合わせた断面形状を有する加工すべき歯形形状の一側の曲率半径に合致する曲率を有し、該歯形形状の一側の基部から頂部にかけて研削するための円弧状の第1研削部と、前記歯形形状の他側の曲率半径に合致する曲率を有し、該歯形形状の他側の基部から頂部にかけて研削するための円弧状の第2研削部とを間隔をもって配置して一体とした外周部の断面形状を有する円盤状の砥石を回転させながら前記歯形形状の軸方向に沿って移動させて前記第2研削部によって前記歯形形状の他側を研削加工し、前記歯形形状の一側及び他側の研削加工時に前記砥石の位置を調整することにより、前記歯形形状の軸方向に沿った各位置の断面形状および寸法を各断面毎に一側と他側とで独立して調整可能としたことを特徴とする。
このように構成したことにより、一体とした砥石によって歯形形状の各断面毎の一側と他側の形状を独立して調整することができ、歯形形状の寸法の調整の自由度を高めることができる。
請求項2の発明に係る歯形形状の研削加工方法は、上記請求項1の構成において、前記歯形形状は、等速ジョイントのジョイント部の内面に設けられたボール溝を成形するための型の形状であることを特徴とする。
このように構成したことにより、型の形状および寸法を調整することによって、ボール溝の寸法精度を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図6に示す金型6を用いて、図2ないし図5に示す等速ジョイントのアウタレース1を成形する場合について説明する。
【0012】
図2に示すように、アウタレース1を適当な条件の下で熱処理した後、ジョイント部3のボール溝4(歯形形状)の必要範囲Sについて、軸方向位置Pにおける各断面の熱処理による歪みを測定する。この熱処理によって生じる歪みを見込んで、熱処理後にボール溝4の軸方向位置Pにおける各断面が所望の形状および寸法となるように、金型6の溝成形部7(歯形形状)の軸方向位置Pに対する各断面の形状および寸法を予め修正しておく。これにより、熱処理後のアウタレース1のボール溝4の形状および寸法を補正することができ、完成品について所望の形状および寸法を得ることができ、寸法精度を高めることができる。
【0013】
次に、金型6の溝成形部7の軸方向位置Pに対応する各断面の形状および寸法を修正するための歯形加工方法について説明する。
【0014】
図1に示すように、外周部の断面形状が、ボール溝4の2つの円弧4aおよび4bの曲率半径Rに合致する曲率を有する2つの円弧状部分aおよびbの間に直線部分cを設けた一体的形状を有する円盤状の砥石9を回転させて研削加工を行う。先ず、図1(A)に示すように、砥石9の一方の円弧状部分a(第1研削部)によって、溝成形部7の一側を研削加工する。次に、図1(B)に示すように、砥石9を移動させ、他方の円弧状部分b(第2研削部)によって溝成形部7の他側を研削加工する。このとき、砥石9の位置を調整することにより、溝成形部7の高さ方向および幅方向の寸法を左右独立して調整することができる。また、左右方向の調整によってボール溝4とボール5との接触角θ(図5参照)を調整することができる。
【0015】
これにより、金型6の溝成形部7の軸方向位置Pに対応する各断面形状および寸法を左右独立して修正することができ、アウタレース1の熱処理後の寸法を所望の値に調整することが可能となる。このとき、1つの砥石9によって、溝成形部7の両側を研削するので、段取換えの必要がなく、また、段取換えによる加工精度低下を防止することができる。
【0016】
なお、金型6の溝成形部7の軸方向位置Pに対応する各断面形状を修正する方法としては、上記のほか、所望の加工精度が得られれば、NC加工によって、直接、溝成形部7を所望の形状および寸法に削り出し、あるいは、放電加工によって、溝成形部7を所望の形状に加工するようにしてもよく、他の加工方法を用いることもできる。
【0017】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る歯形形状の研削加工方法によれば、第1研削部と第2研削部を一体とした砥石によって、加工すべきワークの歯形形状の一側と他側を独立して研削することができるので、歯形形状の形状および寸法の調整の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る研削加工方法を示す金型の溝成形部および砥石の断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る等速ジョイントのアウタレースのボール溝の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る等速ジョイントのアウタレースのジョイント部を示す図4におけるA-A線による断面図である。
【図4】図3に示すアウタレースのジョイント部の端面図である。
【図5】図3に示すアウタレースのボール溝の断面図である。
【図6】図3に示すアウタレースのジョイント部の内面を成形するための金型の先端部を示す斜視図である。
【図7】従来の研削加工方法を示す金型の溝成形部および砥石の断面図である。
【符号の説明】
1 アウタレース
3 ジョイント部
4 ボール溝(歯形形状)
6 金型(型)
7 溝成形部(歯形形状)
9 砥石
a 円弧状部分(第1研削部)
b 円弧状部分(第2研削部)
Claims (2)
- 一定の曲率半径を有する2つの円弧を組合わせた断面形状を有する加工すべき歯形形状の一側の曲率半径に合致する曲率を有し、該歯形形状の一側の基部から頂部にかけて研削するための円弧状の第1研削部と、前記歯形形状の他側の曲率半径に合致する曲率を有し、該歯形形状の他側の基部から頂部にかけて研削するための円弧状の第2研削部とを間隔をもって配置して一体とした外周部の断面形状を有する円盤状の砥石を回転させながら前記歯形形状の軸方向に沿って移動させて前記第1研削部によって前記歯形形状の一側を研削加工した後、前記砥石をその軸方向に沿って移動させ、回転させながら前記歯形形状の軸方向に沿って移動させて前記第2研削部によって前記歯形形状の他側を研削加工し、前記歯形形状の一側及び他側の研削加工時に前記砥石の位置を調整することにより、前記歯形形状の軸方向に沿った各位置の断面形状および寸法を各断面毎に一側と他側とで独立して調整可能としたことを特徴とする歯形形状の研削加工方法。
- 前記歯形形状は、等速ジョイントのジョイント部の内面に設けられたボール溝を成形するための型の形状であることを特徴とする請求項1に記載の歯形形状の研削加工方法。
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