JP4391198B2 - 活性炭前駆体、活性炭、活性炭の製造方法及び電気二重層キャパシタ用分極性電極 - Google Patents

活性炭前駆体、活性炭、活性炭の製造方法及び電気二重層キャパシタ用分極性電極 Download PDF

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Description

本発明は、活性炭の原料となる活性炭前駆体及び活性炭に関するものである。
活性炭は用途範囲が広く、古くから脱臭材料、水や廃液の浄化材料および脱色材料として使用されている。これらの活性炭は通常ヤシ殻、石炭、木材などの原料とする炭素材を水蒸気存在下、あるいは塩化亜鉛、水酸化カリウムなどの存在下に賦活処理することにより製造されている。
また、近年では、電子材料への応用として電子二重層キャパシタの分解性電極材、触媒担体及び毒性物質を摂取した場合の医療用解毒剤などに広く使用されている。これらの用途で使用される活性炭はミクロポアのみならずメソポアを有すると共に、高比表面積、高細孔容積のものが有効であると言われている。また、カビ臭であるフミン質などの高分子化合物の除去には、同様にメソ細孔を有する活性炭が有効である。
特開平10−297912号公報には、イオン交換樹脂などの炭素材前駆物質にTi、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Wから選ばれる遷移金属化合物を添加した後、650℃以上の温度で非酸化性雰囲気で炭化又は弱酸化雰囲気下で賦活することで、ミクロポアとメソポアを併せ持つ活性炭の製造方法が開示されている。
特開平11−240707号公報には、イットリウム化合物やチタン化合物と活性炭前駆体と溶媒中で混合し、減圧蒸留した後の定法により炭化、賦活することで、メソポアを有する活性炭の製造方法が開示されている。
また、特開平8−208212号公報には、イオン交換樹脂を不活性雰囲気中で加熱処理した後、アルカリ金属化合物の存在下に賦活処理する活性炭の製造方法が記載されている。この方法で得られた活性炭は細孔径が揃い、高い比表面積を有し、吸着能に優れたものである。
また、特開平1−308817号公報には、ポリスルホン化された大孔質の架橋されたビニル芳香族ポリマーを300〜1200℃において熱分解した生成物である炭素質粒子であって、前記熱分解した生成物がマルチモード孔径分布を有し、最小微小孔容積が0.02cm/g以上である炭素質粒子が記載されている。ここでポリスルホン化とは芳香核当り平均1より多くのスルホネート基を導入するに十分な強さのスルホン化を意味する。
特開平10−297912号公報(請求項1、請求項8) 特開平11−240707号公報(段落番号0022、0023) 特開平8−208212号公報(請求項1) 特開平1−308817号公報(請求項1、第3頁右欄第10行〜第16行)
しかしながら、例えば特開平10−297912号公報記載の製造方法で得られたメソポアカーボンは、これを硝酸などで洗浄しても金属化合物が残存してしまうことが、X線回折分析などにより確認されている。また、特開平11−240707号公報記載の製造方法ではイットリウム化合物などの有機性高分子化合物を使用しているため、水道水の浄化材料としては適切であるとは言えない。また、特開平1−308817号公報記載の方法は、金属化合物を使用せずに母体構造の高ジビニルベンゼン化と、スルホン化を強化した特定のカチオン交換樹脂を使用することで高収率な炭素吸着材を得るものである。カチオン交換樹脂などのイオン交換樹脂を原料として活性炭を製造する場合、得られた活性炭の細孔は、特開平1−308817号公報に開示されるようにメソポアとミクロポアがほとんどであり、一般の活性炭に比べて比較的高比表面積の活性炭が得られる。しかし、細孔容積を大きくして吸着性能を更に改良するためマクロポアを得ようとすると、燃焼温度を高く、燃焼時間を長くすることが考えられるが、この場合、炭化に伴う工程が煩雑化すると共に、一般的に収率が低下し、製造コストが増大するという問題がある。
従って、本発明の目的は、炭化工程が煩雑化することなく、製造コストを押し上げることがない活性炭製造に好適な活性炭前駆体を提供すること、及び金属化合物を使用することなく、当該活性炭前駆体を用いてミクロポア、メソポア及びマクロポアを有した高比表面積、高細孔容積の活性炭を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、活性炭前駆体として、粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部のみに官能基が導入されたイオン交換樹脂を用いれば、炭化工程が煩雑化することなく、製造コストを押し上げることがない活性炭製造に好適な活性炭前駆体を提供できること、該活性炭前駆体を公知の炭化処理及び賦活処理することにより得られる活性炭は、ミクロポアとメソポアとマクロポアを有した高比表面積、高細孔容積の活性炭であることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に官能基が導入され、該表層部以外の深層部に官能基が導入されておらず、該表層部の最深深さが、該粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/120〜5/6であるイオン交換樹脂であ、活性炭製造用原料に用いることを特徴とする活性炭前駆体を提供するものである。
また、本発明は、粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に官能基が導入され、該表層部以外の深層部に官能基が導入されておらず、該表層部の最深深さが、該粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/120〜5/6であるイオン交換樹脂を熱分解して得られる活性炭であり、該活性炭の表層部にミクロポアとメソポアとを有し、深層部にマクロポアを有することを特徴とする活性炭を提供するものである。
また、本発明は、粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に官能基が導入され、該表層部以外の深層部に官能基が導入されておらず、該表層部の最深深さが、該粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/120〜5/6であるイオン交換樹脂を熱分解して得られる活性炭であり、該活性炭の表層部にミクロポアとメソポアとを有し、深層部にマクロポアを有する活性炭からなることを特徴とする電気二重層キャパシタ用分極性電極を提供するものである。
また、本発明は、粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に官能基が導入され、該表層部以外の深層部に官能基が導入されておらず、該表層部の最深深さが、該粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/120〜5/6であるイオン交換樹脂を熱分解して、表層部にミクロポアとメソポアとを有し、深層部にマクロポアを有する活性炭を得ることを特徴とする活性炭の製造方法を提供するものである。
本発明の活性炭前駆体は、イオン交換樹脂を原料としてマクロポアを有する活性炭を製造する場合に、炭化に伴う工程が煩雑化することなく、収率を低下させることがなく、製造コストを低減することができる。また、当該活性炭前駆体を熱分解して得られる活性炭は、表層部にミクロポアとメソポア、深部層にマクロポアがそれぞれ形成されるため、高比表面積、高細孔容積であり、且つ吸着速度を高めることができる。また、金属化合物を一切使用していないため、安全である。このため、電気二重層キャパシタの分極性電極、医療用解毒剤、食品用吸着剤、フミン質などの高分子化合物を除去する吸着剤など広範囲な用途がある。
本発明の活性炭前駆体は、粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に官能基が導入され、該表層部以外の深層部に官能基が導入されていないイオン交換樹脂である。なお、本明細書では「ジビニルベンゼン」を「DVB」とも言う。粒状のポリスチレン-DVB樹脂の粒度としては、特に制限されず、水処理などで使用される市販のカチオン交換樹脂の粒度と同じである。具体的には、12〜200メッシュである。また、本発明のポリスチレン-DVB樹脂としては、特に制限されないが、懸濁重合時に有機溶媒を添加して得られる細孔の発達した多孔質を母体とするポーラス型又はハイポーラス型、あるいはMR型が好ましい。ポーラス型又はハイポーラス型、あるいはMR型の樹脂から得られる活性炭は、懸濁重合で形成される均質な橋かけ球状粒子であるゲル型樹脂から得られる活性炭よりも高比表面積、高細孔容積のものが得られる点で好ましい。
粒状のポリスチレン-DVB樹脂の表層部に導入される官能基としては、スルホン酸基が挙げられる。また、粒状のポリスチレン-DVB樹脂の表層部における深さとしては、特に制限されないが、表面から10〜500μm、好ましくは50〜400μmである。また、粒状のポリスチレン-DVB樹脂の半径(r)基準で示すと、表層部の最深深さが、当該rの1/120〜5/6、好ましくはrの1/12〜2/3である。表層部の深さが表面から10μm未満であると、得られる活性炭の収率が低下し、製品単位重量当りの製造コストが増加する。更にスルホン化処理に起因するメソポア部分の細孔容積が低下して、用途が限定されてしまう。一方、表層部の深さが深すぎると、ミクロポアとメソポアが増大して逆にマクロポアが減少する。この場合は細孔容積が低下し、一般に細孔容積が大きいほど吸着性能の面で有利であるので、従来のイオン交換樹脂を原料とした活性炭に見られるような用途に限定されてしまう。
粒状のポリスチレン-DVB樹脂の表層部に官能基が導入され、該表層部以外の深層部に官能基が導入されていないイオン交換樹脂の製造方法としては、定法により得られたポリスチレン-DVB樹脂を濃硫酸またはクロルスルホン酸で処理する際、スルホン化の条件を変えることで容易に得ることができる。このような方法としては、例えば架橋剤であるDVBの添加量を多くしてポリスチレン-DVB共重合物を得、スルホン化時の濃硫酸との反応時間を短縮する方法、硫酸濃度を低くする方法又はそれらの方法を組み合わせた方法が挙げられる。粒状のポリスチレン-DVB樹脂の表層部のみに官能基が導入された状態は、スルホン酸はメチルレッド混合指示薬で染色することから、例えば該樹脂を二つ割りにし、メチルレッド混合指示薬で染色した後に、樹脂表面の染色状況を顕微鏡で観察することで確認することができる。また、メチルレッド混合指示薬で染色する方法以外にも、例えば粒状物を二つ割りにし、二つ割り断面の色調の変化を走査型電子顕微鏡で観察することもできる。なお、粒状のポリスチレン-DVB樹脂の表層部にスルホン酸基が導入され、該表層部以外の深層部にスルホン酸基が導入されていないイオン交換樹脂は、酸触媒樹脂として市販されているアンバーリスト46(ロームアンドハース社製)又はその使用済みの酸触媒樹脂を使用することもできる。
本発明の活性炭は、表層部にミクロポアとメソポアを有し、深層部にマクロポアを有するもので、例えば活性炭前記活性炭前駆体を熱分解して得られる活性炭である。熱分解方法としては、定法の炭化処理又は次いで行う賦活処理が挙げられる。活性炭前駆体は、先ず乾燥することが好ましい。乾燥条件としては、特に制限されず、例えば80〜120℃、数時間以上の条件で適宜決定される。乾燥された活性炭前駆体は非酸化性雰囲気下、700℃以上、好ましくは800℃以上1000℃以下の温度で炭化処理する。炭化温度が700℃未満であると、炭化が不十分で、細孔形成が進まず、細孔容積の高いものが得られ難く、また、炭化温度が高過ぎると、炭化物の収率が低下する。非酸化性雰囲気としては、特に制限されないが、窒素気流中とすることが、窒素は入手が容易である点で好ましい。炭化処理により活性炭前駆体は炭化して収縮するが、元の粒子形状は保たれたままである。炭化処理により得られた炭化物は必要に応じて、不純物を除去する水洗処理を行ってもよい。得られた炭化物は、次いで、弱酸性雰囲気下で800℃以上、好ましくは900℃以上1000℃以下で賦活する。賦活温度が800℃未満では、賦活が十分に進まず、得られる活性炭の比表面積が大きくならない恐れがある。一方、賦活温度が高過ぎると、活性炭の収率が低下する。弱酸性雰囲気としては、水蒸気又は二酸化炭素の気流中が挙げられる。なお、水蒸気又は二酸化炭素の気流中に、窒素などの不活性ガスが一部含まれていてもよい。
本発明の活性炭において、表層部の最深深さは、該活性炭粒子の半径(r)の1/120〜5/6、好ましくはrの1/12〜2/3である。また、深層部の半径方向の長さ(深さ)(r)が、該活性炭粒子の半径rの119/120〜1/6、好ましくはrの11/12〜1/3である。
本発明において、IUPAC(国際純正及び応用化学連合)の設定した定義に基づき、ミクロポアとは、平均径2.0nm未満を言い、メソポアとは、平均径2〜50nmを言い、マクロポアとは、平均径50nmを超えるものを言う。本発明の活性炭は活性炭前駆体の構造に起因して、表層部にミクロポアとメソポア、深部層にマクロポアがそれぞれ形成されるため、高比表面積、高細孔容積であり、且つ吸着速度を高めることができる。また、本発明の活性炭において、深層部はマクロポアが主たるポア形態として存在していればよく、当該ポア形態中、ミクロポアとメソポアがマクロポアに比べて少ない比率で存在するものであってもよい。
本発明の活性炭において、表層部のミクロポアとメソポアは、その細孔径の大きさにより被吸着物質を選択性的に吸着すると共に、メソポアにより深層部への被吸着物質の移動速度を速めているものと考えられる。更に原料である活性炭前駆体において官能基が導入されていない深層部では、官能基由来と見られる結合がないため、炭化時に容易にマクロポアが形成されたものと考えられる。このように、本発明の活性炭は従来にはない特異的な構造であって、高比表面積、高細孔容積であり、被吸着物質を高濃度かつ高吸着速度で吸着することが可能である。更に表層部のメソポアとミクロポアの細孔を制御することで、特定の物質を選択的に吸着することも可能である。
また、本発明の活性炭は、比表面積が800m/g以上、好ましくは1000m/g以上、特に好ましくは1500m/g以上であり、細孔容積が0.5ml/g以上、好ましくは1.0ml/g以上である。比表面積や細孔容積が上記範囲未満のものは、吸着性能、電極特性あるいは触媒活性などが低下するため好ましくない。
本発明の活性炭の細孔径分布、細孔容積、比表面積の測定方法としては、全自動ガス吸着測定装置を用いる液体窒素温度における窒素吸着法が挙げられる。ミクロポア又はメソポアの細孔径分布および細孔容積は、Dollimore-Heal法(DH法;DD.Dollimore,G.R.Heal,J.Applied Chem.,14,109-114(1964))により求めることができる。また、比表面積は窒素吸着等温線の測定結果をBET多点法により算出することができる。
本発明の活性炭の用途としては、特に制限されないが、電気二重層キャパシタの分極性電極、医療用解毒剤、食品用吸着剤、フミン質などの高分子化合物を除去する吸着剤などが挙げられる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(活性炭前駆体)
酸触媒樹脂として市販されているアンバーリスト46(ロームアンドハース社製)を用いた。アンバーリスト46を二つに割り、メチルレッド混合指示薬で染色後に、樹脂表面のスルホン化状況(染色状況)を顕微鏡観察した。その結果を図1に示す。図1から明らかなように、表面から50〜400μm(表層部)に染色幅(黒色で表れる部分)があり、表層部以外の深層部は染色されていなかった。このことから、当該活性炭前駆体は、樹脂表面のみスルホン基をもつカチオン交換樹脂であることがわかる。具体的には粒子aの符号1で示す直径811μmの円形断面において、符号2で示す表層部の染色幅は115、直径759μmの粒子bの表層部の染色幅は216μm、直径861μmの粒子cの表層部の染色幅は109μmである。
(活性炭の製造)
予め管状電気炉等により110℃で3時間以上乾燥した前記活性炭前駆体を、縦型電気管状炉を用いて窒素気流中で5℃/分の一定速度で110℃まで上昇し1時間保持した。次いで5℃/分の一定速度で表1に示す炭化温度まで昇温して、当該温度で3時間保持後、冷却、水洗、乾燥して炭化物を得た。次に炭化物を二酸化炭素雰囲気中で5℃/分の一定速度で表1に示す賦活温度まで昇温し1時間保持(賦活処理)後、冷却、水洗、乾燥して活性炭G〜Jを得た。
(活性炭の評価)
実施例1で得られた活性炭G〜Jの比表面積及び細孔容積の結果を、炭化温度、賦活温度、賦活時間及び収率と共に、表1に示した。また、活性炭G〜Jの細孔径分布曲線を図2に示す。図2において、横軸(logRp)は細孔半径nmを示し、縦軸(Vp)は細孔容積mm/gを示す。図2中右側枠内の凡例の説明における数字は、左より炭化温度、賦活温度、賦活時間を示す。比表面積(SBET)はBELSORP28SP(日本ベル社製)を用いて、窒素吸着等温線の測定結果をBET多点法により算出し、細孔径分布および細孔容積はDollimore-Heal法により測定した。また、活性炭Iを二つ割りし、走査型電子顕微鏡により内部構造を観察した結果を図3〜図5に示す。図3は活性炭Iの二つ割り断面部分を示す写真であり、図4は活性炭Iの表層部(表面から約50nmの位置)の拡大写真であり、図5は活性炭Iの深層部(表面から約100nm以上の深部の位置)の拡大写真である。
表1及び図3〜図5に示されるように、実施例の活性炭は、マクロポアを有しているにもかかわらず炭化に伴う工程が簡易であり、収率が低下することもなく、高比表面積、高細孔容積の活性炭であった。また、活性炭Iの内部構造において、表面から約100nmの表層部はミクロポアとメソポア、特にメソポアが多く観察され、約100nmを超える深さの深層部はマクロポアが多く観察され、表層部と深層部は明らかに相違する細孔が確認された。なお、活性炭Iの表層部の深さは原料であるアンバーリスト46の表層部の深さと一致していた。
比較例1
前記活性炭前駆体に代えて、スチレン系カチオン交換樹脂Amberjet1006F(ローム アンド ハース社製)を用いた以外は、実施例及び表1に示す製造条件と同様の方法で、それぞれ活性炭O〜Qを製造し、評価した。その結果を表1に示す。また、活性炭O〜Qの細孔径分布曲線を図6に示す。また、活性炭Oを二つ割りし、走査型電子顕微鏡により内部構造を観察した。
表1及び図6、並びに走査型電子顕微鏡の観察結果より、比較例の活性炭は、いずれも低比表面積、低細孔容積であると共に、表層部及び深層部共にミクロポアのみが観察され、メソポアとマクロポアは観察されなかった。
Figure 0004391198
電気二重層キャパシタ用の分極性電極として評価するため、実施例1で得られた活性炭Iを用いて二極セルを形成し、セルの充放電実験により静電容量を測定した。すなわち、活性炭の粒径を10〜75μmに調整し、これに30重量%の硫酸水溶液を加えてスラリー状物を得た。これを分極性電極として二極式セルを組み、次いで30℃、0.5時間でセルの充放電実験を100回行った。100回の充放電実験から得られた放電曲線の傾き(平均値)より静電容量を算出した。なお、静電容量の算出方法は、化学工学会第36回秋季大会(B2A04 2003年9月)による方法を用いた。その結果、活性炭Iを分極性電極として用いた場合の静電容量が70Cであった。
比較例3
活性炭Iに代えて、比較例1で得られた活性炭Pを用いた以外は、実施例2と同様の方法で充放電実験を行い、静電容量を測定した。その結果、静電容量は40Cであった。
二つ割りの活性炭前駆体を指示薬で染色した後の表面染色状況を示す顕微鏡写真である。 実施例で得られた活性炭G〜Jの細孔径分布曲線である。 活性炭Iの二つ割り断面部分を示す写真である。 活性炭Iの表層部の拡大写真である。 活性炭Iの深層部の拡大写真である。 比較例で得られた活性炭O〜Qの細孔径分布曲線である
符号の説明
a、b、c 活性炭前駆体粒子
1 活性炭前駆体の直径
2 表層部の染色幅

Claims (17)

  1. 粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に官能基が導入され、該表層部以外の深層部に官能基が導入されておらず、該表層部の最深深さが、該粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/120〜5/6であるイオン交換樹脂であ、活性炭製造用原料に用いることを特徴とする活性炭前駆体。
  2. 前記粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部の最深深さが、粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/12〜2/3であることを特徴とする請求項1記載の活性炭前駆体。
  3. 前記表層部の最深深さが、10〜500μmであることを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載の活性炭前駆体。
  4. 前記粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に導入されている官能基が、スルホン酸基であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の活性炭前駆体。
  5. 粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に官能基が導入され、該表層部以外の深層部に官能基が導入されておらず、該表層部の最深深さが、該粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/120〜5/6であるイオン交換樹脂を熱分解して得られる活性炭であり、該活性炭の表層部にミクロポアとメソポアとを有し、深層部にマクロポアを有することを特徴とする活性炭。
  6. 前記粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部の最深深さが、粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/12〜2/3であることを特徴とする請求項5記載の活性炭。
  7. 前記粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部の最深深さが、10〜500μmであることを特徴とする請求項5又は6いずれか1項記載の活性炭。
  8. 比表面積が800m/g以上、細孔容積が0.5ml/g以上であることを特徴とする請求項5〜いずれか1項記載の活性炭。
  9. 前記粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に導入されている官能基が、スルホン酸基であることを特徴とする請求項5〜8いずれか1項記載の活性炭。
  10. 粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に官能基が導入され、該表層部以外の深層部に官能基が導入されておらず、該表層部の最深深さが、該粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/120〜5/6であるイオン交換樹脂を熱分解して得られる活性炭であり、該活性炭の表層部にミクロポアとメソポアとを有し、深層部にマクロポアを有する活性炭からなることを特徴とする電気二重層キャパシタ分極性電極。
  11. 前記粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部の最深深さが、粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/12〜2/3であることを特徴とする請求項10記載の電気二重層キャパシタ用分極性電極。
  12. 前記粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部の最深深さが、10〜500μmであることを特徴とする請求項10又は11記載の電気二重層キャパシタ用分極性電極。
  13. 前記活性炭の比表面積が800m /g以上、細孔容積が0.5ml/g以上であることを特徴とする請求項10〜12いずれか1項記載の電気二重層キャパシタ用分極性電極
  14. 前記粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に導入されている官能基が、スルホン酸基であることを特徴とする請求項10〜13いずれか1項記載の電気二重層キャパシタ用分極性電極。
  15. 粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に官能基が導入され、該表層部以外の深層部に官能基が導入されておらず、該表層部の最深深さが、該粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/120〜5/6であるイオン交換樹脂を熱分解して、表層部にミクロポアとメソポアとを有し、深層部にマクロポアを有する活性炭を得ることを特徴とする活性炭の製造方法。
  16. 前記粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部の最深深さが、粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の半径(r )の1/12〜2/3であることを特徴とする請求項15記載の活性炭の製造方法。
  17. 前記粒状のポリスチレン-ジビニルベンゼン樹脂の表層部に導入されている官能基が、スルホン酸基であることを特徴とする請求項15又は16いずれか1項記載の活性炭の製造方法。
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