図1は、本発明を適用したデータ放送システムの構成例を示している。情報提供者としての新聞社は、大型計算機1を有している。この大型計算機1には、紙面データベースが蓄えられている。この紙面データベースには、新聞に印刷するための記事情報や、レイアウト情報などを含んでいる。このデータベースのデータは、必要に応じてワークステーション2に伝送され、そこにおいて編集される。
即ち、データベースのデータは、例えば各紙面ごとに、受信(受信者)側において検索し易いフォーマットの記事データに編集される。例えば、この編集により、レイアウトはそのままで、見出しだけが見える形で紙面がそのまま縮小された検索のための画面(この画面は、例えば画像データで構成される)を作成する。さらに、この見出しから、それに対応する記事を表示することができるように、検索の画面(見出し)と、その詳細を記述した記事(この記事は、例えばテキストデータで構成される)との関係付けが行われる。
また、編集された新聞記事には、受信側で、その検索(取捨選択)を行うのに必要となる情報(以下、適宜、検索情報という)としての、例えばその新聞記事のジャンル(種類)や、その新聞記事が記載されている新聞紙面のページ、その新聞の発行元の新聞社名(あるいは、その新聞社にあらかじめ付された識別番号)、その新聞名、その他のインデックス(例えば、情報提供者である新聞社が決めたものなど)が付される。このように、受信側で検索し易い形態に編集したデータが、地上のデータ回線を介して放送センタ(放送局)3に伝送される。
さらに、情報提供者である新聞社には、同じく情報提供者であるテレビ局から、大型計算機1には蓄えられていない、例えば付加的なテキスト情報(テキストデータ)や、画像(動画像または静止画像)の情報であるビデオ情報(画像データ)、音声の情報であるオーディオ情報(音声データ)(例えば、新聞記事に対応する、ニュース番組の情報など)などが伝送される。新聞社におけるワークステーション2では、テレビ局からの情報(テキストデータ、画像データ、音声データ)も、受信側において検索し易いフォーマットに編集され(この場合、上述したように、情報(テキストデータ、画像データ、音声データ)を画面表示するときのレイアウトの編集や、その情報に対する検索情報の付加が行われる他、その情報と、その情報に対応する新聞記事との関連付けなども行われる)、放送センタ3に伝送される。
さらに、放送センタ3には、その他の情報提供者が有するデータベースの情報(例えば、ショッピングサービスに用いられる製品のカタログ情報や、ゲームのプログラム、競馬などの予想情報やそのレース結果、劇場インフォメイション、映画情報、製品その他の広告、雑誌や書籍のデータなど)が、インターフェイス制御部101で、上述した新聞社のワークステーション2における場合と同様に編集されて伝送される。
ここで、インターフェイス制御部101においては、ワークステーション2における場合と同様に、データベースの情報(データ)に検索情報が付されるが、これは、その種類に応じて、例えば次にように行われる。即ち、例えば製品(商品)のカタログ情報に対しては、製品の分類(例えば、オーディオ製品や食品、衣料品、スポーツ用品など)や、製品名(商品名)(あるいはその一般名称)、製造会社名(メーカ名)、製品の価格、製品に対するキーワード、情報提供者により設定される製品のインデックス(例えば、製品(商品)が衣料品である場合には、その専用のIDなど)などが、検索情報として付加される。また、例えばゲームのプログラムに対しては、そのゲームに登場するキャラクタ名や、発売元(メーカ名)などが、検索情報として付加される。
さらに、インターフェイス制御部101(ワークステーション2においても同様)では、データベースの情報(データ)は、関連する情報ごとに、所定のグループ単位にまとめられ、受信側においてそのグループ単位の識別を行うことができるフォーマットにされるようになされている。
即ち、例えばあるメーカの、ある製品のカタログ情報は、例えばその製品の仕様説明に対応するテキストデータや、その製品を撮影したビデオデータ(画像データ)、その製品を紹介する音声データなどからなり、インターフェイス制御部101においては、これらのデータは、1つのグループのデータとされるようになされている。
以上のように、ワークステーション2およびインターフェイス制御部101では、テキストデータ、画像データ、および音声データのうちの、関連するものどうしを組み合わせたデータであるマルチメディアデータであって、検索情報を含むものが、放送センタ3に伝送される。
なお、テレビ局から新聞社へは、情報を伝送する他、その情報が記録された記録媒体(例えば、ビデオテープや、磁気ディスクなど)を配送(配達)するようにすることも可能である。
また、テレビ局に、インターフェイス制御部101と同様のブロックを設けることにより、テレビ局から、放送センタ3に、データを直接伝送するようにすることも可能である。
さらに、データベースを有する情報提供者からは、インターフェイス制御部101を介して、データベースの情報(データ)を、放送センタ3に伝送するのではなく、テレビ局の場合と同様に、新聞社に、一旦伝送するなどして、そこから、放送センタ3へさらに伝送するようにすることが可能である。
放送センタ3に伝送されたデータ(マルチメディアデータ)は、そこから衛星(放送衛星(BS)または通信衛星(CS))4に伝送され、さらに衛星4から、受信側(例えば、各家庭における受信者(契約者)など)に伝送される。即ち、情報提供者が提供する情報(データ)は、衛星回線を介して、受信者側に伝送される。
なお、データ(マルチメディアデータ)は、衛星回線のような無線回線の他、図2に示すように有線回線(例えば、PSTNや、ISDN、CATVのケーブル、専用線、その他のデータ線)でなる通信網102を介して伝送するようにすることも可能である。図2に示す場合においては、双方向の通信が可能であり、従って情報提供者からの情報を伝送する他、受信者側からは、所望する情報を、情報提供者に対して要求することができる。
放送センタ3は、例えば図3に示すような送信装置を有している。即ち、新聞社やその他の情報提供者から伝送されてくるデータは、上述したようなマルチメディアデータ(検索情報を含むもの)の他、スクランブルキー、データ識別子(マルチメディアデータを識別するためのもの)などを含む共通情報、並びにデータ受信装置6(図1)などの個々のデータ受信装置ごとに設定されている受信装置IDおよび契約内容などのデータを含んでいる。このうち、マルチメディアデータは、データスクランブラ14に供給され、PN(pseudonoise)発生器13が出力する疑似ランダム系列に対応してスクランブルされ、独立データチャンネル多重化回路12に出力される。PN発生器13が発生する疑似ランダム系列は、情報提供者より供給されるスクランブルキーに対応して設定される。
このスクランブルキーの他、共通情報、受信装置ID、および契約内容は、暗号化回路11に供給される。暗号化回路11には、上述のデータに加え、所定のワークキーも供給されており、これらのデータは、そこで、ワークキーに基づいて(そのワークキーも含めて)暗号化される。暗号化されたデータは、関連情報として、独立データチャンネル多重化回路12に供給される。
独立データチャンネル多重化回路12は、データスクランブラ14より供給されるスクランブルされたマルチメディアデータと、暗号化回路11より供給される関連情報とを多重化し、ディジタルチャンネル信号多重化回路15に出力する。
以上の構成が、図4を参照して後述する独立データチャンネルにおけるデータを生成するためのエンコーダ25を構成している。
また、ディジタルチャンネル信号多重化回路15には、ディジタルチャンルネル信号として伝送される音声信号(少なくともその一部は、後述する映像信号に付随する音声信号である)も入力される。ディジタルチャンネル信号多重化回路15は、入力される音声信号(ディジタル音声信号)と、エンコーダ25より供給されるデータとを多重化し、4相DPSK変調器16に供給する。
4相DPSK変調器16は、入力されたデータを4相DPSK変調し、映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路17に出力する。この映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路17には、また、放送センタ3において放送する映像信号が入力される。ディジタルチャンネル信号多重化回路15に入力される音声信号がディジタル信号であるのに対して、映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路17に入力される映像信号はアナログ信号とされている。
映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路17は、入力される映像信号と、4相DPSK変調器16より供給される信号とを周波数多重化し、FM変調器18に出力する。FM変調器18は、入力された信号で所定のキャリアをFM変調し、アップコンバータ19に出力する。アップコンバータ19は、入力されたFM信号を、ギガヘルツのオーダの周波数帯域(例えば、KuバンドやKaバンド)の信号に周波数変換する。アップコンバータ19より出力されたFM信号は、電力増幅器20により電力増幅された後、送信アンテナ21に供給され、そこから衛星4(図1)に送出される。
図4は、4相DPSK変調されたディジタルチャンネルデータのフォーマット(Aモードのフォーマット)を表している。同図に示すように、横64ビット、縦32ビットの、合計2048ビットのデータにより、1フレームのデータが構成されている。最初の2ビット×32ビットの範囲には、フレーム同期信号、制御信号およびレンジビット信号が配置(記録)されるようになされている。
1フレームのデータは1msの時間で伝送されるため、伝送レートは2.048Mbpsとなる。
フレーム同期信号は、各フレームの同期を取るための信号である。制御信号は、16ビットが1単位とされ、最初の1ビットは、AモードまたはBモードのいずれのモードであるのかを表している。次の第2ビットと第3ビットにより、テレビジョン音声信号(映像信号に付随する音声信号)(図4の音声1と2に配置される)がステレオ信号であるのか、モノラル1チャンネルの信号であるのか、モノラル2チャンネルの信号であるのかを表すようになされている。
また、第4ビットと第5ビットは、テレビジョン音声以外に付加される付加信号(図4の音声3と4に配置される)がステレオ音声信号であるのか、モノラル1チャンネルの音声信号であるのか、モノラル2チャンネルの音声信号であるのか、あるいはまた、音声以外のデータであるのかを表している。第6ビット乃至第15ビットは、将来の使用のための拡張ビットとされている。第16ビットは、音声出力を抑圧するかしないかを表すための符号とされている。
図4に示すように、最初の2×32ビットの範囲の次の10×32ビットの範囲、およびそれに続く10×32の3つの範囲には、それぞれ音声1乃至音声4の音声データが記録(配置)されるようになされている(但し、上述したように音声3と4には、音声以外のデータが配置される場合もある)。10×32ビットの各範囲には、音声データが32サンプル分配置される。即ち、1サンプル当りのビット数は10ビットとされている。
Aモード時においては、この10×32ビットの範囲に、1チャンネルの音声データを配置するようにするのであるが、Bモード時においては、20×32ビットの範囲に1チャンネル分の音声データが配置されるようになされる。即ち、Bモード時においては、より高品位の音声データを伝送することができるようになされている。
音声4のデータの次には、15×32ビットの範囲に、独立データチャンネルのデータが配置され、さらに最後の7×32ビットの範囲には、横方向の誤り訂正符号が配置されている。
この図4に示す独立データチャンネルのデータは、所定のパケット単位で伝送される。例えば、1パケットは288ビットにより構成され、先頭の16ビットはヘッダとされ、それに続く190ビットに実質的なデータが配置され、最後の82ビットに、パケットの誤り訂正符号が配置される。ヘッダは、少なくともサービス識別符号と、その誤り訂正符号(チェックビット)を含み、サービス識別符号は、例えば関連情報とマルチメディアデータの識別を行うための符号などを含んでいる。
独立データチャンネルには、図3に示した暗号化回路11が出力する関連情報と、データスクランブラ14が出力するマルチメディアデータとが、パケット単位で割り付けられ、そのパケットの割り付けられたデータ(そのデータが、関連情報であるか、またはマルチメディアデータであるか)に対応して、サービス識別符号が設定される。
受信側においては、関連情報(スクランブルキー、共通情報、受信装置ID、契約内容、ワークキーなど)のパケットをモニタすることにより、情報提供者のスクランブルキーなどを検知することができ、また伝送されてきた関連情報に含まれる受信装置IDを有するデータ受信装置が、その契約内容に符合する場合、所定の情報提供者が提供する情報(マルチメディアデータ)をダウンロードすることが可能となる。
以上のようなデータが、図1における放送センタ3から衛星4に伝送され、衛星4から、さらに例えば各家庭における受信者(契約者)に伝送される。各家庭においては、衛星から伝送されてきた信号が、室外装置(パラボラアンテナ)5により受信され、さらに所定の中間周波信号(IF信号)に変換される。このIF信号は、データ受信装置6に入力される。データ受信装置6に入力されたIF信号は、そこで復調され、その内蔵する蓄積装置31(図5)や、その記録媒体用スロットに着脱可能なMD8などの記録(記憶)媒体に記録される。あるいは、受信データは、蓄積装置31に、一旦記録され、その後、その中から所望するものの検索が行われ、MD8にダウンロードされる。
MD8にデータを記録(記憶)した後は、使用者は、MD8を、例えばポータブル端末9や、デスクトップ型の利用者端末10などに装着し、受信したデータから、所望するものを検索して表示させることができる。また、使用者は、蓄積装置31に記録したデータを読み出して、必要に応じてモニタ装置7に出力し、表示させることができる。
次に、図5は、データ受信装置6の構成例を示しており、図6は、その動作を説明するフローチャートである。まず、室外装置5からのIF信号は、例えばBSチューナ(あるいはCSチューナ)などである通信インターフェイス32に供給される。
また、BSチューナ(通信インターフェイス)32には、例えばキーボードや、マウス、その他のキー、ダイヤルなどでなる操作部37の操作に対応した制御信号(チューナ制御信号)が供給されており、そこでは、入力されたIF信号が受信され、制御信号に対応するチャンネルの信号が復調されて、デコーダであるデータ処理部33に出力される。デコーダ(データ処理部)33では、BSチューナ32からの復調出力がデコード(復号)されて出力される(ステップS1)。
ここで、図7は、BSチューナ32とデコーダ33のより詳細な構成例を示している。室外装置5より入力されたIF信号は、BSチューナ32のFM復調器71に入力される。FM復調器71には、操作部37よりBSチューナ制御信号が入力されている。FM復調器71は、このBSチューナ制御信号に対応するチャンネルのIF信号を、ベースバンド信号に復調し、映像信号/ディジタルチャンネル信号分離回路72に出力する。映像信号/ディジタルチャンネル信号分離回路72は、入力された信号から映像信号とディジタルチャンネル信号とを分離し、映像信号を、バスを介して、例えばモニタ装置7に出力し、表示させる。
一方、映像信号/ディジタルチャンネル信号分離回路72により分離されたディジタルチャンネル信号は、4相DPSK復調器73に入力され、復調される。4相DPSK復調器73より出力された信号は、ディジタルチャンネル信号分離回路74に入力され、そこで音声信号(図4に示した音声1乃至4に配置された信号)と独立データチャンネルの信号とに分離される。音声信号は、上述した映像信号に対応するものである場合、図示せぬスピーカに出力される。
また、ディジタルチャンネル信号分離回路74は、分離した独立データチャンネル信号を、デコーダ33のマルチメディアデータ/関連情報分離回路81に出力する。マルチメディアデータ/関連情報分離回路81は、入力された信号から、マルチメディアデータと関連情報とを分離し、マルチメディアデータをデータデスクランブラ87に出力するとともに、関連情報を復号回路82に出力する。
一方、メモリ83には、このデコーダ33(データ受信装置6)に割り当てられている受信装置IDおよびマスタキー(データ受信装置6(受信者)に固有の、ワークキーにかけられた暗号を解くためのキー(ワークキーを復号するためのキー))があらかじめ記憶されている。復号回路82は、メモリ83に記憶されているマスタキーを用いて、関連情報として入力されたワークキーの復号を行い、そのワークキーの復号を正しく行うことができた場合において、メモリ83に記憶されている受信装置IDと一致する受信装置IDの契約内容が関連情報として入力されてきたとき、その契約内容を契約条件比較回路84に供給し、内蔵するメモリ84Aに記憶させる。また、復号回路82は、関連情報として伝送されてきたスクランブルキーを復号し、オン/オフ切換回路85に出力する。
そして、その後、入力される関連情報から、共通情報に含まれるデータ識別子を復号したとき、このデータ識別子が復号回路82から契約条件比較回路84に供給される。契約条件比較回路84は、入力されたデータ識別子を、メモリ84Aに既に記憶されている契約内容と比較する。この契約内容には、あらかじめ契約されているマルチメディアデータのデータ識別子が含まれている。契約条件比較回路84は、契約料金未納、その他の禁止条件が契約内容に含まれていない限り、メモリ84Aに記憶されているデータ識別子と、復号回路82より供給されたデータ識別子とが一致したとき、オン/オフ切換回路85をオン状態に切り換える制御信号を出力する。これにより、復号回路82より出力されたスクランブルキーが、オン/オフ切換回路85を介してPN発生器86に供給される。
PN発生器86は、入力されたスクランブルキーに対応して、疑似ランダム系列を発生する。データデスクランブラ87は、このPN発生器86より供給された疑似ランダム系列を利用して、マルチメディアデータ/関連情報分離回路81より供給されるマルチメディアデータをデスクランブルして出力する。
デコーダ33(データデスクランブラ87)から出力されたマルチメディアデータは、バスを介して蓄積装置31に供給されて記録(蓄積)される(ステップS2(図6))。
一方、ROM36には、蓄積装置31に記録されたマルチメディアデータから、使用者が所望するものを検索する検索プログラムが記憶されており、蓄積装置31にマルチメディアデータが記録されると、ROM36に記憶されている検索プログラムが、RAM35に転送、記憶され(ロード)され、CPU34において実行される。これにより、CPU34においては、RAM35あるいは蓄積装置31にあらかじめ記憶されている選択情報テーブル(後述する)に登録された選択情報と同一の検索情報が付加されているマルチメディアデータの、蓄積装置31からの検索が行われる。即ち、選択情報に基づいてのマルチメディアデータの取捨選択(選択情報に対応するマルチメディアデータの選択)が行われる(この処理を、以下、適宜、記録後のフィルタ処理という)(ステップS3)。
なお、記録後のフィルタ処理において、マルチメディアデータの検索は、例えば上述したグループ単位で行われる。
記録後のフィルタ処理の結果得られたマルチメディアデータは、例えばモニタ装置7の表示回路38に供給される。表示回路38は、供給されたマルチメディアデータに対応して、モニタ39を駆動し、これによりモニタ39では、マルチメディアデータに対応する画面表示が行われる(ステップS4)。
また、記録後のフィルタ処理の結果得られたマルチメディアデータは、MD8に記録(記憶)させることもできるようになされており、これにより上述したように、MD8を、ポータブル端末器9や、デスクトップ型の利用者端末10などに装着し、そこに記録されたデータを表示させることができる。さらに、記録後のフィルタ処理の結果得られたマルチメディアデータは、蓄積装置31の所定の記録領域に記録させることもできるようになされており、これにより使用者専用のデータベースを構築することができるようになされている。
次に、図6のステップS3における記録後のフィルタ処理の詳細について説明する。なお、ここでは、使用者(受信者)が、例えばA,B,C,Dの4種類の新聞を受信(視聴)することを、情報提供者(新聞社)と契約しているものとして、記録後のフィルタ処理の説明する。
まず使用者は、蓄積装置31に記録された新聞データ(マルチメディアデータのうちの新聞社が情報提供するA乃至D新聞に関するデータ)のうちの、所望するもの(必要とするもの)を選択するための情報である選択情報を登録した選択情報テーブルを、次のようにしてあらかじめ作成しておく。即ち、ROM36には、選択情報を登録するための登録プログラムが記憶されており、この登録プログラムは、操作部37を操作することにより、RAM35にロードさせ、CPU34に実行させることができるようになされている。登録プログラムの起動後、使用者が、操作部37を操作することなどにより、選択情報を入力すると、CPU34において、その選択情報を登録した選択情報テーブルが新規作成され、あるいは既に作成されている選択情報テーブルの内容が変更される。新規作成あるいは変更された選択情報テーブルは、蓄積装置31またはRAM35の所定の記録(記憶)領域に記録(記憶)される。
ここで、選択情報は、上述した検索情報と同一のフォーマットとすることができるようになされている。即ち、選択情報としては、例えば新聞データに対しては、新聞記事のジャンルや、新聞紙面のページ、新聞の発行元の新聞社名、その他のインデックス(例えば、情報提供者である新聞社が決めたものなど)を用いることができるようになされている。また、新聞データのうちのテキストデータでなる部分に対しては、その文章中に含まれるキーワードも、選択情報として用いることができるようになされている(キーワードが選択情報とされた場合には、そのキーワードを含むテキストデータが検索される)。
その後、上述した検索プログラムが起動され、そのサブルーチンの1つであるパーソナル新聞プログラムが、CPU34により実行されることにより、記録後のフィルタ処理が行われる。即ち、図8に示すように、まずステップS11において、使用者が、操作部37を操作することにより、CPU34に対し、選択情報テーブルに基づくマルチメディアデータ(新聞データ)の検索の要求(利用者記事要求)がなされると、ステップS12に進み、CPU34では、蓄積装置31に記録された選択情報テーブルが参照され、その選択情報テーブルに基づいて、蓄積装置31に記録された新聞データの検索が行われる。
ここで、図9は、選択情報テーブルの例を示している。この選択情報テーブルには、選択情報として、新聞記事のジャンル、新聞名、および新聞紙面のページが登録されている。
この場合、CPU34では、選択情報テーブル(図8)の最初の選択情報の組(先頭行に登録された選択情報すべて)(「一般」、「A新聞」、「1・2・22・23」)が参照され、それらを検索情報として含む新聞データ、即ち新聞記事のジャンルが一般で、新聞名がA新聞で、ページが1,2,22、または23となっている検索情報が少なくとも付加されている新聞データが蓄積装置31から検索される。これにより、A新聞の1,2,22、および23ページの新聞データであって、一般のジャンルに属する記事に対応するものが、蓄積装置31から検索され、その新聞データは、例えばモニタ装置7に出力されて、上述したステップS4(図6)で表示される。
その後、ステップS13に進み、操作部37が、パーソナル新聞プログラムを終了するように、終了操作がされたか否かが、CPU34によって判定される。ステップS13において、終了操作がされたと判定された場合、処理を終了する。
一方、ステップS13において、終了操作がされていないと判定された場合、ステップS11に戻る。
この場合、ステップS11において、さらに利用者記事要求がなされると、ステップS12に進み、CPU34では、選択情報テーブル(図8)の次の選択情報の組(「経済」、「B新聞」、「3〜5」)が参照され、これにより新聞記事のジャンルが経済で、新聞名がA新聞で、ページが3,4、または5となっている選択情報が少なくとも付加されている新聞データ、即ちB新聞の3乃至5ページの新聞データであって、経済のジャンルに属する記事に対応するものが、蓄積装置31から検索され、上述したようにモニタ装置7で表示される。
以下、ステップS11で利用者処理要求がなされるごとに、選択情報テーブルの登録内容が順次参照され、蓄積装置31から新聞データが検索されて、モニタ装置7で表示される。即ち、この場合には、B新聞の3乃至5ページの新聞データであって、経済のジャンルに属する記事に対応するものが検索、表示された後、さらに、C新聞の1乃至6ページの新聞データであって、産業のジャンルに属する記事に対応するもの、D新聞の1乃至5および12ページの新聞データであって、スポーツのジャンルに属する記事に対応するものが、順次検索、表示される。
従って、使用者は、あらかじめ所望する新聞データの検索情報に対応する選択情報を設定しておくだけで、煩わしい操作(検索操作)をすることなく、所望する新聞データを得る(収集する)ことができる(新聞記事(新聞データ)を読むことができる)。また、この場合、選択情報テーブルに、所定の順番で選択情報(選択情報の組)を登録しておくことにより、使用者は、その登録順に、選択情報に一致する検索情報が付加された新聞データを読むことができる。即ち、使用者は、所望する順番で新聞データを読むことができる。
さらに、使用者は、例えばいままでと異なるジャンルの新聞記事を読もうとする場合には、選択情報テーブルの登録内容を変更するだけで済む。
なお、モニタ装置7における新聞データの表示は、検索した記事単位やページ単位で行われる。但し、いまの場合、検索の対象とするデータ(マルチメディアデータ)を新聞データに限定したので、モニタ装置7では、記事単位やページ単位で表示が行われるが、表示単位は、検索対象のデータにより変更されるようになされている。即ち、検索対象のデータが、例えば雑誌のデータや、製品カタログの情報(カタログ情報)などである場合には、例えば雑誌の見開き1ページ単位や、製品単位などで、検索されたデータの表示が行われる。
さらに、CPU34には、選択テーブルに登録された選択情報の組すべてを参照させるのではなく、そのうちのいくつかだけを、操作部37を操作することにより指定し、その指定したものだけを参照させるようにすることができる。即ち、上述の場合においては、例えば最初の選択情報の組(「一般」、「A新聞」、「1・2・22・23」)を参照し、A新聞の1,2,22、または23ページの新聞データであって、一般のジャンルに属する記事を検索、表示するようにしたが、この他、例えば選択情報の組(「一般」、「A新聞」、「1・2・22・23」)のうちの、例えばジャンル「一般」と新聞名「A新聞」だけに注目し、A新聞の全紙面のうちの一般のジャンルに属する新聞データを検索、表示するようにすることができる。
また、例えば新聞名「A新聞」とページ「1・2・22・23」だけに注目し、A新聞の1,2,22、および23ページの新聞データを検索、表示するようにすることができる。但し、新聞は、通常、その日によって、ページ数や紙面に対する記事の割り当て位置が異なるので、常時、所定の内容の記事を読む場合には、上述したように、その記事が属するジャンル(および新聞名)を利用して、新聞データの検索を行うようにする方が好ましい。
さらに、例えばページ「1・2・22・23」だけに注目し、契約しているすべての新聞、即ちこの場合には、A乃至D新聞の1,2,22、および23ページに対応する新聞データを検索、表示するようにすることができる。
また、上述の場合においては、検索の対象とするデータ(マルチメディア)を、新聞データとし、選択情報テーブルに、新聞記事のジャンル、新聞名、および新聞紙面のページの選択情報を登録しておくようにしたが(図9)、検索の対象とするデータが、例えば雑誌のデータや、製品カタログの情報(カタログ情報)などである場合には、それに付加される検索情報に応じて、選択情報テーブルに登録された選択情報を変更すれば良い。
ところで、上述の場合、図6に示したように、ステップS2で、デコーダ33(図5)からのマルチメディアデータすべてを、蓄積装置31に、一旦記録し、その後ステップS3で、使用者が所望するもの(必要とするもの)を検索(選択)するフィルタ処理(記録後のフィルタ処理)を行うようにしたので、受信契約をしたデータが多いときには、蓄積装置31として、多くの記録容量を有するものを用いる必要がある。
また、蓄積装置31には、使用者が所望するマルチメディアデータの他、所望しないもの(必要としないもの)も記録されることから、蓄積装置31を効率良く使用しているとは言い難い。
そこで、図6のステップS3における記録後のフィルタ処理の結果得られたデータ、即ち使用者が所望するデータを、上述したように蓄積装置31の所定の領域に記録し、その他の領域に記録されているデータを削除する方法が考えられる。
この場合、蓄積装置31の利用効率は向上させることができるが、上述したように、デコーダ33からのマルチメディアデータは、一度は、蓄積装置31に蓄積(記録)されるので、やはり蓄積装置31には、多くの記録容量が要求される。
そこで、データ受信装置6(図1、図5)には、図6のフローチャートの他、例えば図10に示すフローチャートにしたがった動作をさせることができるようになされている。この場合、まずチューナ32およびデコーダ33(図5)で、図6のステップS1における処理と同様の処理が、室外装値5からのIF信号に対して施され(ステップS21)、これによりデスクランブルされたマルチメディアデータが、デコーダ33より出力されると、CPU34において、そのデータが、上述したグループ単位で、RAM35に順次転送されて記憶される。
さらに、CPU34では、RAM35に記憶されたグループ単位のデータに付加されている検索情報が、蓄積装置31にあらかじめ記憶されている選択情報テーブルに登録された選択情報(選択情報の組)と同一であるか否かが判定される(検索情報が、選択情報を含むものか否かが判定される)。そして、選択情報と同一の(選択情報を含む)検索情報が付加されているグループ単位のデータは、RAM35から読み出され、その他のものは、RAM35から削除される。即ち、選択情報に基づいてのマルチメディアデータの取捨選択(選択情報に対応するマルチメディアデータの選択)が、グループ単位で行われる(この処理を、以下、適宜、記録前のフィルタ処理という)(ステップS22)。
記録前のフィルタ処理において、RAM35から読み出されたマルチメディアデータは、蓄積装置31に転送されて記録(記憶)される(ステップS23)。そして、その後、操作部37が、蓄積装置31に記録されたマルチメディアデータを表示するように操作されると、マルチメディアデータは、例えば蓄積装置31に記録された順番で読み出され、例えばモニタ装置7の表示回路38に供給される。表示回路38は、供給されたマルチメディアデータに対応して、モニタ39を駆動し、これによりモニタ39では、マルチメディアデータに対応する画面表示が行われる(ステップS24)。
なお、記録前のフィルタ処理の結果得られたマルチメディアデータは、MD8に記録(記憶)させることもできるようになされており、これにより上述した場合と同様に、MD8を、ポータブル端末器9や、デスクトップ型の利用者端末10などに装着し、そこに記録されたデータを表示させることができるようになされている。
また、上述の場合においては、デコーダ33からのマルチメディアデータを、グループ単位で、一時RAM35に記憶させた後、選択情報に基づく選択を行うようにしたが、CPU34の処理速度などに応じて、マルチメディアデータを、RAM35に一時記憶させることなく、その選択を行うようにすることが可能である。
次に、図10のステップS22における記録前のフィルタ処理の詳細について説明する。なお、ここでは、使用者(受信者)が、例えばS,T,U,Vの4社のメーカの製品カタログを受信(視聴)することを、情報提供者と契約しているものとして、記録前のフィルタ処理の説明する。
まず使用者は、上述したように、登録プログラムを起動して、選択情報テーブルを作成し、蓄積装置31またはRAM35の所定の記録(記憶)領域に記録(記憶)させておく。
ここで、選択情報としては、例えば製品(商品)のカタログ情報に対しては、それに付加される検索情報と同様の情報、即ち上述した製品の分類(ジャンル)や、製品名(商品名)、製造会社名(メーカ名)、製品の価格、キーワードなどを用いることができるようになされている。
その後、上述した検索プログラムが起動され、そのサブルーチンの1つであるフィルタリングプログラムが、CPU34により実行されることにより、記録前のフィルタ処理が行われる。即ち、図11に示すように、デコーダ33からのカタログデータ(マルチメディアデータのうちの、メーカS乃至Vの社が製造する製品に関するデータ)が、グループ単位で、RAM35に順次転送され、一時記憶(ストア)される。そして、ステップS32において、CPU34により、蓄積装置31に記録された選択情報テーブルが参照され、ステップS33に進み、その選択情報テーブルに登録されている選択情報の組(あるいは選択情報)のいずれかと、RAM35に記憶されたグループ単位のカタログデータに付された検索情報とが同一であるか否かが判定される(カタログデータが、グループ単位で条件を満たすか否かが判定される)。
ステップS33において、RAM35に記憶されたグループ単位のカタログデータに付された検索情報が、選択情報テーブルに登録されている選択情報の組(あるいは選択情報)のいずれかとも同一でないと判定された場合、ステップS35に進み、そのグループ単位のカタログデータは、RAM35から削除される(破棄される)。
一方、ステップS33において、RAM35に記憶されたグループ単位のカタログデータに付された検索情報が、選択情報テーブルに登録されている選択情報の組(あるいは選択情報)のいずれかと同一であると判定された場合、ステップS34に進み、そのグループ単位のカタログデータは、RAM35から読み出され、上述したステップS23(図10)において、蓄積装置31に記録される。
ここで、図12は、選択情報テーブルの例を示している。この選択情報テーブルには、選択情報として、製品のジャンル、メーカ、価格(価格範囲)、およびキーワードが登録されている。
この場合、CPU34によるステップS32乃至S35の処理によれば、まず選択情報テーブル(図12)の最初の選択情報の組(先頭行に登録された選択情報すべて)(「オーディオ」、「S社」、「<50000(50000円未満)」、「MD」)が参照され(ステップS32)、RAM35に記憶されたグループ単位のカタログデータに付加されている検索情報が、少なくとも「オーディオ」、「S社」、「50000円未満」(検索情報として付加されている製品の価格が50000円未満であることを意味する)、「MD」を含むものであるという条件を満足するものであるか否かが判定される(ステップS33)。そして、カタログデータが、上述の条件を満足する場合、即ちカタログデータが紹介する製品のジャンルがオーディオで(製品がオーディオ製品で)、その製造メーカがS社で、価格が50000円未満で、さらにキーワードがMD(この場合は、製品名がMD)である場合、そのカタログデータは、RAM35から読み出され(ステップS34)、上述したステップS23において、蓄積装置31に記録される。
一方、カタログデータが、上述の条件を満足しない場合、CPU34では、選択情報テーブル(図10)の次の選択情報の組(「食品」、「T社」、「4000〜5000」、「カニ」)が参照される。そして、カタログデータが紹介する製品のジャンルが食品で、その製造(生産)メーカがT社で、価格が4000乃至5000円の範囲で、さらにキーワードがカニ(この場合は、食品がカニ)である場合には、そのカタログデータは、上述したように蓄積装置31に記録される。
一方、カタログデータが、上述の条件を満足しない場合は、選択情報テーブルのさらに次の選択情報の組が参照され、同様の処理が行われる。
そして、その後、CPU34において、カタログデータに付加された検索情報が、選択情報テーブル(図10)の最後の選択情報の組(「食品」、「T社」、「4000〜5000」、「カニ」)を、少なくとも含むものでないと判定された場合、そのカタログデータは、RAM35から削除される(ステップS35)。
ステップS34またはS35の処理後、ステップS36に進み、RAM35にグループ単位のカタログデータが、まだ記憶されているか否かが判定される。ステップS36において、RAM35にグループ単位のカタログデータが、まだ記憶されていると判定された場合、ステップS37に進み、CPU34で処理の対象が、RAM35に記憶されている次のグループ単位のカタログデータに変更され、ステップS32に戻る。また、ステップS36において、RAM35にグループ単位のカタログデータが記憶されていないと判定された場合、処理を終了する。
従って、この場合、上述した図6における場合と同様の効果が得られる。さらに、この場合、デコーダ33からのマルチメディアデータ(カタログデータ)のうちの、使用者が所望するものが選択された後に、蓄積装置31に蓄積されるので、その記録(記憶)容量の低減化、および利用効率の向上を図ることができる。
なお、図11における場合においても、図6における場合と同様に、CPU34には、選択テーブルに登録された選択情報の組すべてを参照させるのではなく、そのうちのいくつかあるいは1つだけを参照させるようにすることができる。
ところで、図10のフローチャートによる処理においては、上述したように、蓄積装置31の記録容量の低減化を図ることができるが、デコーダ33からのマルチメディアデータのうちの、選択情報テーブルに登録された選択情報(あるいは選択情報の組)に対応しないものを削除してしまうため、後に、その削除してしまったマルチメディアデータのいずれかが必要となっても、使用者は、そのデータを得ることができない。
そこで、データ受信装置6(図1、図5)には、図6および図10のフローチャートの他、例えば図13に示すフローチャートにしたがった動作をさせることができるようになされている。
即ち、この場合、チューナ32およびデコーダ33(図5)で、図6のステップS1における処理と同様の処理が、室外装値5からのIF信号に対して施され(ステップS41)、これによりデスクランブルされたマルチメディアデータが、デコーダ33より出力されると、そのマルチメディアデータに対し、図11で説明した記録前のフィルタ処理が行われる(ステップS42)。
そして、記録前のフィルタ処理の結果得られたマルチメディアデータは、蓄積装置31に転送されて記録され(ステップS43)、その後、操作部37が、蓄積装置31に記録されたマルチメディアデータを表示するように操作されると、蓄積装置31に記録されたマルチメディアデータに対し、図8で説明した記録後のフィルタ処理が行われる(ステップS44)。
記録後のフィルタ処理の結果得られたマルチメディアデータは、例えばモニタ装置7に供給され、そこで表示される(ステップS45)(上述したように、MD8や蓄積装置31の所定の領域に供給して記録(記憶)させることもできる)。
従って、この場合、記録前のフィルタ処理の結果得られるマルチメディアデータが、記録後のフィルタ処理の結果得られるマルチメディアデータより広い範囲のものとなるように(後述する記録前選択情報テーブルに基づいて選択されるデータが、同じく後述する記録後選択情報に基づいて選択されるデータより広い範囲のものとなるように)、即ち、例えば記録前のフィルタ処理により、必要になると予想されるデータが得られ、さらに記録後のフィルタ処理により、真に所望するデータが得られるように、記録前または記録後のフィルタ処理それぞれで用いられる選択情報テーブル(以下、適宜、それぞれを、記録前選択情報テーブルまたは記録後選択情報テーブルという)を作成しておくことにより、記録後のフィルタ処理で削除した(選択しなかった)データが、後に必要となったときに、記録前のフィルタ処理で削除されなかったデータであれば、記録後選択情報テーブルの登録内容を変更するだけで、そのデータを得ることができる。
次に、図8または図11それぞれに示した記録後のフィルタ処理または記録前のフィルタ処理では、あらかじめ選択情報テーブルに、使用者が所望する(必要とする)マルチメディアデータに対応する選択情報を登録しておき、その選択情報に対応するマルチメディアデータを選択(検索)するようにしたが、この場合、例えば情報提供者側で、検索情報が変更(追加、削除を含む)されたときに、いままで選択されていたマルチメディアデータが選択されなくなる恐れがある。
これは、選択情報テーブルの登録内容を変更することで対応することができるが、この場合、検索情報の変更があるたびに、情報提供者は、使用者(受信者)に、その旨を知らせなければならず、使用者は、選択情報テーブルを変更しなければならない。
また、上述の場合においては、情報提供者が、使用者に見てもらいたい情報(例えば、スポンサの広告や、最新情報など)があっても、(記録前または記録後の)フィルタ処理で削除される恐れがある。
そこで、あらかじめ選択情報テーブルに、使用者が所望しない(必要としない)マルチメディアデータに対応する選択情報を登録しておき、記録後のフィルタ処理または記録前のフィルタ処理では、その選択情報に対応しないマルチメディアデータを選択(検索)するようにすることができる。
即ち、図8に示した記録後のフィルタ処理は、例えば図14に示すフローチャートにしたがって行われるようにすることができる。図14に示す場合によれば、ステップS101で、選択情報テーブルに登録されたいずれの選択情報にも対応しないマルチメディアデータが、蓄積装置31から検索される。
また、図11に示した記録前のフィルタ処理は、例えば図15に示すフローチャートにしたがって行われるようにすることができる。図15のフローチャートによれば、各ステップで、図11における場合と同様の処理が行われるが、ステップS33の判定処理後、その判定結果に応じて、その後に行われる処理だけが異なるものとされている。即ち、図11の場合においては、ステップS33の判定結果が真(YES)または偽(NO)であるときには、その後、それぞれステップ34またはS35の処理が行われるが、図15の場合においては、ステップS33の判定結果が真(YES)または偽(NO)であるときには、その後、それぞれステップ35またはS34の処理が行われる。
従って、図15における場合は、ステップS33において、RAM35に記憶されたグループ単位のマルチメディアデータに付された検索情報が、選択情報テーブルに登録されている選択情報のいずれかとも同一でないと判定された場合、ステップS34に進み、そのグループ単位のマルチメディアデータは、RAM35から読み出される。
一方、ステップS33において、RAM35に記憶されたグループ単位のマルチメディアデータに付された検索情報が、選択情報テーブルに登録されている選択情報の組のいずれかと同一であると判定された場合、ステップS35に進み、そのグループ単位のマルチメディアデータは、RAM35から削除される(破棄される)。
以上から、この場合には、情報提供者側で、検索情報の追加や変更があっても、いままで選択されていたマルチメディアデータが選択されなくなることを防止することができる。さらに、情報提供者が、使用者に見せたい情報も、いわば強制的に見せることができる。
以上、本発明を、マルチメディアデータを受信する場合を例として説明したが、本発明は、マルチメディアデータではなく、例えばテキストデータなどのみを受信する場合に応用することが可能である。
なお、図13に示したステップS42またはS44においては、図15または図14で説明した記録前または記録後のフィルタ処理を、それぞれ行うようする他、ステップS42で、図11に示した記録前のフィルタ処理を行い、ステップS44で、図14に示した記録後のフィルタ処理を行うようにすることもできるし、また、ステップS42で、図15に示した記録前のフィルタ処理を行い、ステップS44で、図8に示した記録後のフィルタ処理を行うようにすることもできる。
また、ポータブル端末9および利用者端末10に、MD8を装着し、そこに記録されたデータを表示させる場合においては、ポータブル端末9および利用者端末10に、上述した図8または図14に示した記録後のフィルタ処理を、MD8に記録されたデータに対して施させるようにすることが可能である。
1 記事データベース用大型計算機,2 ワークステーション(編集装置),3 放送センタ,4 衛星,5 室外装値,6 データ受信装置,7 モニタ装置,8 ミニディスク(MD),9 ポータブル端末,10 利用者端末,11 暗号化回路,12 独立データチャンネル多重化回路,13 PN発生器,14 データスクランブラ,15 ディジタルチャンネル信号多重化回路,16 4相DPSK変調回路,17 映像信号/ディジタルチャンネル信号多重化回路,18 FM変調器,19 アップコンバータ,20 電力増幅器,21 送信アンテナ,31 蓄積装置,32 通信インターフェイス(チューナ),33 データ処理部(デコーダ),34 CPU,35 RAM,36 ROM,37 操作部,38 表示回路,39 モニタ,71 FM復調器,72 映像信号/ディジタル信号分離回路,73 4相DPSK復調器,74 ディジタルチャンネル信号分離回路,81 マルチメディアデータ/関連情報分離回路,82 復号回路,83 メモリ,84 契約条件比較回路,84A メモリ,85 オン/オフ切換回路,86 PN発生器,87 データスクランブラ,101 インターフェイス制御部,102 通信網