JP4389710B2 - バイフューエルエンジンおよび混合燃料の混合比率推定方法 - Google Patents

バイフューエルエンジンおよび混合燃料の混合比率推定方法 Download PDF

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Description

この発明は、バイフューエルエンジンおよび混合燃料の混合比率推定方法に関し、更に詳しくは、液化石油ガス(以下、LPGと称する)とジメチルエーテル(以下、DMEと称する)の混合燃料を燃料とするバイフューエルエンジンおよびその混合燃料の混合比率推定方法に関する。
LPGとDMEは、沸点がほぼ同等であり、常温では気体、加圧すると液体になるという類似した特性を有する燃料である。LPGは、軽油の代替燃料として既に用いられており、LPGスタンド等のインフラが整備されている。また、DMEはセタン価が高く(LPGのセタン価が12程度であるのに対し、DMEのセタン価は55程度)、含酸素燃料であるため、煤がほとんど排出されず、クリーン燃料として注目されている。
これらLPGとDMEは、インフラを共通にすることが可能であるため、LPGスタンドでDMEが販売される可能性がある。しかしながら、当面の間はDMEのインフラ整備は進まないと考えられるため、LPGとDMEのバイフューエル自動車を提供できれば、DME自動車の普及とDMEのインフラ整備にも役立つ。
なお、関連する公知技術として、DMEのインフラ未整備によりDMEの補給が不能の場合には、混合タンクに貯留されているディーゼル燃料を用いて応急的に走行できるようにしたDME用ディーゼルエンジンの燃料供給システムが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2003−97307号公報
バイフューエル自動車は、それぞれの燃料独自の燃料タンクを有する場合が多く、燃料タンクを2つ備えなければならないので、車両重量の増加やコストアップを招く等のデメリットが発生する。DMEとLPGは、貯蔵方法がほぼ同じであり、またDMEとLPGを混合するのは容易であることから、燃料タンクを共通にして上記デメリットを解決する方法も考えられる。
しかしながら、DMEとLPGを混合した場合、DMEは高着火性の燃料である一方、LPGは低着火性の燃料であり、両燃料は着火性が大きく異なるとともに発熱量も異なるため、必要な燃料噴射量も異なってくる。このため、混合燃料の混合比率を検出して燃料性状を算出し、この燃料性状に応じたエンジン制御を行う必要があるという課題があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、LPGとDMEの混合比率を検出でき、両燃料を貯蔵する燃料タンクを共通化できるバイフューエルエンジンを提供することを目的とする。
また、この発明は、LPGとDMEの混合比率を容易に検出できる混合燃料の混合比率推定方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明の請求項1に係るバイフューエルエンジンは、液化石油ガスとジメチルエーテルを混合貯蔵できる燃料タンクと、前記液化石油ガスと前記ジメチルエーテルとの体積弾性率の違いを利用して混合比率を算出する混合比率算出手段とを備え、前記混合比率算出手段によって前記液化石油ガスと前記ジメチルエーテルの混合比率を算出し、当該算出値から混合燃料の性状を求めてエンジン制御に反映させることを特徴とするものである。
また、上記のバイフューエルエンジンにおいて、LPGとDMEを混合貯蔵できる燃料タンクと、当該燃料タンクに接続され内部に往復自在なピストンを有する圧縮室と、前記燃料タンクと前記圧縮室間に設けられた開閉弁と、前記開閉弁を開いた状態で前記ピストンを移動させて前記燃料タンク内の混合燃料を前記圧縮室内に充填するとともに、前記開閉弁を閉じた状態で前記ピストンを移動させて前記圧縮室内に充填された混合燃料を所定圧力で圧縮するアクチュエータと、前記燃料タンクに設けられた温度センサおよび圧力センサとを備え、前記混合燃料圧縮時の前記ピストンの移動量または前記圧縮室内の容積減量分と、前記温度センサおよび圧力センサにより検出された温度および圧力と、予め記憶してあるLPG単体の体積弾性率に係るデータとDME単体の体積弾性率に係るデータとを用いて前記LPGと前記DMEの混合比率を算出し、当該算出値から混合燃料の性状を求めてエンジン制御に反映させるものとすることができる
また、上記のバイフューエルエンジンにおいて、前記圧縮室への混合燃料充填時に前記ピストンの往復運動を所定回数繰り返すものとすることができる
また、上記のバイフューエルエンジンは、LPGとDMEを混合貯蔵できる燃料タンクと、当該燃料タンクに接続された密閉系バランス室と、前記燃料タンクと前記密閉系バランス室間に設けられた開閉弁と、前記密閉系バランス室内に設けられ所定量のLPGが充填された弾性容器と、前記開閉弁を開いて前記密閉系バランス室内に混合燃料を充填するとともに、前記開閉弁を閉じた状態で前記弾性容器内のLPGを所定圧力で圧縮するピストンおよびアクチュエータとを備え、前記混合燃料圧縮時の前記ピストンの移動量または前記圧縮室内の容積減量分と、予め記憶してあるLPG単体の体積弾性率に係るデータとDME単体の体積弾性率に係るデータとを用いてLPGとDMEの混合比率を算出し、当該算出値から混合燃料の性状を求めてエンジン制御に反映させるものとすることができる
また、上記のバイフューエルエンジンは、LPGとDMEを混合貯蔵できる燃料タンクと、当該燃料タンクからエンジンの燃料噴射弁に至る燃料供給ラインの途中に設けられた燃料加圧ポンプと、当該燃料加圧ポンプの回転数または負荷を検出する回転数/負荷検出手段と、前記燃料加圧ポンプ出口の燃料圧力を検出する圧力センサと、前記燃料加圧ポンプ出口の燃料温度を検出する温度センサとを備え、前記回転数/負荷検出手段による前記燃料加圧ポンプの回転数または負荷の検出値から、予め記憶してある基準燃料温度毎の前記燃料加圧ポンプの回転数または負荷と、前記燃料加圧ポンプ出口圧力の特性線図に基づいて前記LPGと前記DMEの混合比率を算出し、当該算出値から混合燃料の性状を求めてエンジン制御に反映させるものとすることができる
また、この発明の請求項6に係る混合燃料の混合比率推定方法は、LPGとDMEとの混合燃料を密閉容器内に充填し、この充填した混合燃料を所定圧力で圧縮し、前記密閉容器の体積変化と液化石油ガスとジメチルエーテルとの体積弾性率の違いに基づいて前記LPGと前記DMEの混合比率を求めることを特徴とするものである。
この発明に係るバイフューエルエンジン(請求項1)によれば、LPGとDMEを貯蔵する燃料タンクを共通化し、1つの燃料タンクとすることで車両重量を低減でき、これに伴って製造コストを削減することができる。また、本発明を適用することにより、LPGとDMEの両燃料を使用できるフレキシブルバイフューエルエンジン車を構築できるため、燃料補給の選択肢が広がる。すなわち、インフラの未整備によりDMEが補給できない場合には、インフラの整備されたLPGを暫定的に補給して走行することができるので、ガス欠となる不安を低減できる。
また、この発明に係るバイフューエルエンジン(請求項2)によれば、LPGとDMEを貯蔵する燃料タンクを共通化し、1つの燃料タンクとすることで車両重量を低減でき、これに伴って製造コストを削減することができるとともに、車両性能の低下を抑制することができる。また、本発明を適用することにより、LPGとDMEの両燃料を使用できるフレキシブルバイフューエルエンジン車を構築できるため、燃料補給の選択肢が広がる。
また、この発明に係るバイフューエルエンジン(請求項3)によれば、圧縮室内に残存する燃料や、燃料タンクと圧縮室との接続部分に残存する燃料の置換が可能になり、混合比率計測の精度を更に向上させることができる。
また、この発明に係るバイフューエルエンジン(請求項4)によれば、上記請求項2に係る発明と比較して、温度センサや圧力センサが不要となり、更なるコストダウンを期待できる。
また、この発明に係るバイフューエルエンジン(請求項5)によれば、混合比率を算出するための専用部品を必要としないので、上記請求項2および請求項4に係る発明と比較して、大幅なコストダウンを期待できる。
また、この発明に係る混合燃料の混合比率推定方法(請求項6)によれば、LPGとDMEの体積弾性率の違いを利用して混合比率を算出することができる。すなわち、たとえば内部に往復自在なピストンを有する密閉容器を用いて体積変化を検出すれば、簡易な構成により混合比率を算出することができる。
以下に、この発明に係るバイフューエルエンジンの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
先ず、LPGとDMEの混合比率を検出するための基本概念について図3〜図6に基づいて説明する。ここで、図3は、LPGの圧縮前の状態を示す模式図、図4は、LPGの圧縮後の状態を示す模式図、図5は、DMEの圧縮前の状態を示す模式図、図6は、DMEの圧縮後の状態を示す模式図である。
DMEの体積弾性率は温度および圧力により変化するが、LPGの場合よりも小さいことが知られている。本発明に係る混合比率の検出は、この体積弾性率が異なることを利用するものである。図3〜図6に示すように、密閉断熱された圧縮室17内には、ピストン18が往復自在に配置され、このピストン18はアクチュエータ19によって往復するように構成されている。
図3に示すように、圧縮前の圧縮室17には所定温度において体積V0のLPGが封入されており、この状態から図4に示すように、アクチュエータ19によってピストン18が駆動され、LPGに所定の圧縮力Fが加えられて体積V1となる。このとき、LPGの体積変化は極めて小さく、ピストン18の移動量はほぼゼロであり、体積V0と体積V1はほぼ等しい。
一方、図5に示すように、圧縮前の圧縮室17には所定温度(図3に示したLPGの場合と同一温度)において体積V0のDMEが封入されており、この状態から図6に示すように、アクチュエータ19によってピストン18が駆動され、DMEに所定の圧縮力F(図4に示したLPGの場合と同一の圧力F)が加えられると、圧縮されて体積V1となる。すなわち、DMEの体積変化は上記LPGの場合よりも大きく、ピストン18の移動量はゼロよりも大きく、体積V1は体積V0よりも小さくなる。
このように、各温度条件および圧力条件における同一圧縮力FでのLPGとDMEの体積変化を予め計測しておく。そして、実際に燃料タンクに入っているLPGとDMEの混合燃料の体積変化を計測することによって、それらの混合比を推測することができる。この混合比が分かれば、燃料性状を算出することができ、これをバイフューエルエンジン(以下、適宜エンジンと称する)の制御に反映することができる。以上が、混合比率計測の基本的概念である。
つぎに、この発明の実施例1に係るエンジンについて図1に基づいて説明する。ここで、図1は、この発明の実施例1に係るエンジンの要部を示すブロック図である。図1に示すように、エンジン10は、たとえば火花着火可能な内燃機関であり、LPGとDMEの混合燃料を燃焼可能に構成されている。なお、図示例を省略するが、エンジン10には、エンジン10に燃料を加圧供給するための燃料加圧ポンプ等、エンジン10の動作に必要な種々の基本装置が設けられている。
LPG/DME混合タンク(燃料タンク)11は、LPG補給孔13から補給されるLPGとDME補給孔12から補給されるDMEとを混合でき、これらを混合燃料として貯蔵できるように構成されている。このLPG/DME混合タンク11の燃料は、燃料供給ライン14によってエンジン10に供給されるように構成されている。
そして、この燃料供給ライン14の途中には、たとえば、上述したようにLPGとDMEの体積弾性率の違いを利用することにより混合比率を計測可能に構成した混合比率センサ15が設けられている。また、この混合比率センサ15の近傍には、混合燃料の温度を検出する温度センサ(図示せず)と圧力を計測する圧力センサ(図示せず)が設けられている。
電子制御ユニット(以下、ECUと称する)16は、混合比率センサ15から出力された計測値に基づいて燃料性状を算出し、予め格納されているエンジン制御マップに基づいてエンジン10を制御できるように構成されている。
つぎに制御動作について図2に基づいて説明する。ここで、図2は、算出された燃料混合比率に基づくエンジンの制御方法を示すフローチャートである。先ず、混合比率センサ15によって燃料供給ライン14中の混合燃料のLPGとDMEの混合比率が計測される(ステップS10)。
そして、混合比率センサ15の計測値は、上記温度センサおよび圧力センサの温度・圧力データとともにECU16に出力され、このECU16によって混合燃料の性状が算出される(ステップS11)。つぎに、算出された燃料性状に基づいて、予め定められているエンジン制御マップが選択され(ステップS12)、その制御情報に基づいてエンジン10が制御される(ステップS13)。
以上のように、この実施例1に係るバイフューエルエンジンによれば、LPGとDMEを貯蔵する燃料タンクを共通化し、1つのLPG/DME混合タンク11とすることで、車両重量を低減でき、これに伴って製造コストを削減することができるとともに、車両性能の低下を抑制することができる。
また、本発明を適用することにより、LPGとDMEの両燃料を使用できるフレキシブルバイフューエルエンジン車を構築できるため、燃料補給の選択肢が広がる。すなわち、インフラの未整備によりDMEが補給できない場合には、インフラの整備されたLPGを暫定的に補給して走行することができるので、ガス欠となる不安を低減できる。
なお、上記実施例1においては、混合比率センサ15を燃料供給ライン14の途中に設けるものとして説明したが、これに限定されず、LPG/DME混合タンク11に設けてもよく、上記と同様の効果を期待できる。
図7は、この発明の実施例2に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図、図8は、混合比率を求める際に使用されるピストン移動量と温度と圧力の関係を示すマップである。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一もしくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
圧縮室17とLPG/DME混合タンク11とは、検出ライン22によって接続され、バルブ(開閉弁)23の開閉によって必要時に混合燃料が圧縮室17内に導入できるように構成されている。また、圧縮室17には、圧縮室17内の混合燃料の温度を検出する温度センサ20と圧力を計測する圧力センサ21が設けられている。なお、燃料供給ライン14には、燃料をエンジン10に加圧供給するための燃料加圧ポンプ24が設けられている。
つぎに、LPGとDMEの混合比率の検出方法について説明する。先ず、バルブ23を開き、圧縮室17内の容積が大きくなるようにピストン18をアクチュエータ19によって駆動することにより、LPG/DME混合タンク11内の混合燃料を圧縮室17内に充填する。
この混合燃料の充填の際に、ピストン18の往復運動を数回程度(たとえば、3回程度)行うことにより、圧縮室17内に残存する燃料や、圧縮室17とバルブ23間の検出ライン22内に残存する燃料の置換が可能になり、混合比率計測の精度を更に向上させることができる。
混合燃料が予め設定された量まで充填されたら、バルブ23を閉じ、ピストン18をアクチュエータ19によって圧縮方向に駆動し、充填された混合燃料を所定の設定圧力まで圧縮する。
そして、この時のピストン18の移動量または圧縮室17内の容積減量分と、温度センサ20および圧力センサ21による温度・圧力データとから、図示しないECU内に予め記憶してあるLPG単体の体積弾性率に係るデータとDME単体の体積弾性率に係るデータとを用いてLPGとDMEの混合比率を算出する。
すなわち、このLPGとDMEの混合比率は、図8に基づいて以下のように算出することができる。この図8は、ピストン18の移動量Xと温度Tと圧力Pとの関係を示し、DME100%時の温度と圧力によるピストン移動量マップ26と、LPG100%時の温度と圧力によるピストン移動量マップ28を示してある。
図8において、XDMEは、前記マップ26上に位置する点であり、DME100%時のある温度T1、圧力P1によるピストン18の移動量を示している。XLPGは、前記マップ28上に位置する点であり、LPG100%時のある温度T1、圧力P1によるピストン18の移動量を示している。Xmix は、図7に示した装置から実測により求まる混合燃料のピストン18の移動量を示している。
このようにピストン移動量XDMEおよびXLPGは、温度センサ20と圧力センサ21とにより温度T1および圧力P1を計測して上記マップ26,28から求めることができ、ピストン移動量Xmix は実測から求めることができるので、DMEの混合比率DME(%)は、下記の式(1)によって求めることができる。
DME(%)=(X mix −X LPG )/(XDME−XLPG)×100 ・・・(1)
また、LPGの混合比率LPG(%)は、式(1)により求まったDMEの混合比率DME(%)を下記の式(2)に代入することによって求めることができる。
LPG(%)=100−DME(%) ・・・(2)
このようにして求められた混合比率に基づいて上記ECUによって混合燃料の性状が算出される。そして、この算出された燃料性状に基づいて、予め定められているエンジン制御マップが選択され、その制御情報に基づいてエンジン10が制御される。
以上のように、この実施例2に係るバイフューエルエンジンによれば、LPGとDMEを貯蔵する燃料タンクを共通化し、1つのLPG/DME混合タンク11とすることで、車両重量を低減でき、これに伴って製造コストを削減することができるとともに、車両性能の低下を抑制することができる。また、簡易な構成の本発明を適用することにより、LPGとDMEの両燃料を使用できるフレキシブルバイフューエルエンジン車を構築できるため、燃料補給の選択肢が広がる。
図9は、この発明の実施例3に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図、図10は、ピストン移動量と混合比率の関係を示すマップである。密閉断熱された密閉系バランス室30は、LPG/DME混合タンク11と、燃料供給ライン14、バルブ(開閉弁)31および検出ライン22を介して接続されているとともに、燃料リターンライン32、バルブ33を介して接続されている。
また、密閉系バランス室30には、圧縮室17と接続されたLPG入りのゴム球体(弾性容器)34が伸縮自在に内蔵されている。すなわち、このゴム球体34には、予め設定した所定量のLPGが充填されており、アクチュエータ19でピストン18を駆動することによりこのゴム球体34を膨らませたり、縮ませたりできるように構成されている。
つぎに、LPGとDMEの混合比率の検出方法について説明する。先ず、バルブ31およびバルブ33を開き、燃料加圧ポンプ24によりLPG/DME混合タンク11から混合燃料を密閉系バランス室30内に導入し、余剰の混合燃料を燃料リターンライン32からLPG/DME混合タンク11へとオーバーフローさせることにより、密閉系バランス室30内全体に混合燃料を充填する。そして、この状態でバルブ31およびバルブ33を閉じる。
この時、ゴム球体34内のLPGの圧力と密閉系バランス室30内の混合燃料の圧力とが同一になるように、アクチュエータ19を作動させ、ピストン18によりゴム球体34が膨らんだ状態にする。なお、この時、ゴム球体34内のLPGの温度と密閉系バランス室30内の混合燃料の温度は同一である。
つぎに、アクチュエータ19を作動させ、ピストン18により圧縮室17内のLPGの圧縮を開始する。密閉系バランス室30内の燃料がLPGそのものであれば、ゴム球体34の内外において体積弾性率が同じであるので、ピストン18は動かないが、密閉系バランス室30内の燃料に体積弾性率の小さいDMEが混合していると、あるいは密閉系バランス室30内の燃料がDMEそのものであると、ピストン18が圧縮側に変位することとなる。このピストン18は、アクチュエータ19によって作動されているので、ピストン18の移動量は容易に計測することができる。
このピストン18の移動量または圧縮室17内の容積減量分が分かれば、図示しないECU内に予め記憶してあるLPG単体の体積弾性率に係るデータとDME単体の体積弾性率に係るデータ(図10参照)とを用いて、LPGとDMEの混合比率を算出することができる。たとえば、図10に示すように、グラフの横軸に示されるピストン18の移動量が定まれば、これに対応する縦軸に示される混合比率が求まる。
このようにして求められた混合比率に基づいて上記ECUによって混合燃料の性状が算出される。そして、この算出された燃料性状に基づいて、予め定められているエンジン制御マップが選択され、その制御情報に基づいてエンジン10が制御される。
以上のように、この実施例3に係るバイフューエルエンジンによれば、LPGとDMEを貯蔵する燃料タンクを共通化し、1つのLPG/DME混合タンク11とすることで、車両重量を低減でき、これに伴って製造コストを削減することができるとともに、車両性能の低下を抑制することができる。また、簡易な構成の本発明を適用することにより、LPGとDMEの両燃料を使用できるフレキシブルバイフューエルエンジン車を構築できるため、燃料補給の選択肢が広がる。
更に、測定対象である密閉系バランス室30内の混合燃料とゴム球体34内のLPGとが、同一の温度および圧力条件で比較されているため、温度を計測するための温度センサと圧力を計測するための圧力センサが不要になり、上記実施例2で示したシステムに比べて更なるコストダウンを期待できる。
なお、上記実施例3においては、燃料加圧ポンプ24を、エンジン10への燃料供給用手段として用いるとともに、混合比率計測のために燃料を密閉系バランス室30に導入する手段として用いているが、これに限定されず、それぞれ個別に燃料加圧ポンプを設けてもよい。また、上記実施例3では、ゴム球体34内にLPGを充填したシステムについて説明したが、これに限定されず、たとえばゴム球体34内にDMEを充填したシステムとして構成することもでき、上記と同様の効果を期待できる。
図11は、この発明の実施例4に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図、図12は、ある燃料温度における燃料加圧ポンプの回転数と出口圧力との関係を示すマップである。本実施例4は、LPGとDMEの混合比率を、図11に示すように、エンジン10に燃料を供給するための燃料加圧ポンプ24の圧送特性(図12参照)から求めるものである。
この燃料加圧ポンプ24は、燃料供給ライン14の途中に設けられている。また、燃料加圧ポンプ24の出口近傍には、燃料の温度を計測するための温度センサ(図示せず)と圧力を計測するための圧力センサ(図示せず)が設けられている。また、燃料加圧ポンプ24には、その回転数または負荷を検出する図示しない回転数/負荷検出手段が備えられている。
図12に示すように、燃料加圧ポンプ24の回転数または負荷によって、LPG100%とDME100%の圧力曲線が予め実験等により求められ、図示しないECU内に予め記憶されている。これらの圧力曲線は、燃料温度毎に異なるため、所定の基準温度毎に作成され記憶されている。
したがって、上記温度センサによって実測された温度に基づいて、内挿法または外挿法により当該温度の圧力曲線が計算される。そして、実測された燃料加圧ポンプ24のポンプ条件と燃料圧力のデータから、LPGとDMEの混合比率を以下のように算出する。
すなわち、図12に示すように、燃料加圧ポンプ24のある運転条件、たとえば、ある温度におけるポンプ回転数がN1の時、ポンプ出口圧力がP1であったとする。図12のグラフから、ポンプ回転数N1の時のLPG100%の場合の出口圧力PLPGと、DME100%の場合の出口圧力PDMEとが求められる。そこで、これらの値を下記の式(3)に代入することにより、LPGの混合比率LPG(%)を求めることができる。
LPG(%)=(P 1 −P DME )/(PLPG−PDME)×100 ・・・(3)
また、DMEの混合比率DME(%)は、式(3)により求まったLPGの混合比率LPG(%)を下記の式(4)に代入することによって求めることができる。
DME(%)=100−LPG(%) ・・・(4)
以上のように、この実施例4に係るバイフューエルエンジンによれば、LPGとDMEを貯蔵する燃料タンクを共通化し、1つのLPG/DME混合タンク11とすることで、車両重量を低減でき、これに伴って製造コストを削減することができるとともに、車両性能の低下を抑制することができる。また、簡易な構成の本発明を適用することにより、LPGとDMEの両燃料を使用できるフレキシブルバイフューエルエンジン車を構築できるため、燃料補給の選択肢が広がる。
更に、LPGとDMEの混合比率を、エンジン10に燃料を供給するために必須の燃料加圧ポンプ24を用いて計測できるので、混合比率計測のための専用部品が必要なく、上記実施例2や上記実施例3に対して大幅なコストダウンを図ることができる。
図13は、この発明の実施例5に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図、図14は、バイフューエルエンジンの制御方法を示すフローチャート、図15は、LPGの混合比率とセタン価向上剤の添加量との関係を示すマップ、図16は、DMEの混合比率と燃料噴射量の補正割合との関係を示すマップである。
図13に示すように、本実施例5は、LPG/DME混合タンク11に混合比率センサ15を設けるとともに、LPGのセタン価をDME相当のセタン価まで向上させるために混合比率センサ15からの混合比率信号に応じて所定量のセタン価向上剤をLPG/DME混合タンク11に添加するセタン価向上剤添加装置40を設けたものである。
このセタン価向上剤添加装置40は、公知技術により構成することができる。また、セタン価向上剤としては、たとえば、硝酸エステル、亜硝酸エステル、有機過酸化物やニトロ化合物を用いることができる。
混合比率センサ15からの混合比率信号は、ECU16に入力されるようになっている。また、セタン価向上剤をLPG/DME混合タンク11に添加するために、ECU16からセタン価向上剤添加装置40に向けてセタン価向上剤添加信号が出力されるようになっている。
また、本実施例5では、エンジン10としてディーゼルエンジンを用いている。このディーゼルエンジン10の燃料ポンプ24およびインジェクタ10aには、ECU16から燃料噴射量制御信号が出力されるようになっている。なお、符号10bは、吸気管を示している。
つぎに、ディーゼルエンジン10の制御方法について図14に基づいて図13、図15および図16を参照しつつ説明する。図14に示すように、先ず、必要時に混合比率センサ15によりLPG/DME混合タンク11中のLPGとDMEの混合比率を測定し(ステップS20)、その混合比率信号をECU16に入力する。たとえば、LPGの混合比率として、X(%)が測定されたとする。このとき、DMEの混合比率は(100−X)(%)となる。なお、以下の図中においては、この混合比率を単に「割合」と記す。
つぎに、測定された上記混合比率からECU16によって着火に最適なセタン価を算出し、LPGのセタン価をDME相当のセタン価まで向上させるためにセタン価向上剤の添加量Ycを、図15に示すマップおよび下記の式(5)により算出する(ステップS21)。この図15に示すマップは、予め実験等により求めたものである。
Yc=α・X/100 ・・・(5)
ここで、αは、LPGの混合比率が100%の場合のセタン価向上剤の添加量であり、予め実験等により求めたものである。
ところで、DMEとLPGは発熱量が異なるため、これらの混合比率に応じて燃料噴射量も変化させる必要がある。すなわち、既定の混合比率に対応する基本燃料噴射量を、実測された混合比率に応じて補正する必要がある。
そこで、DMEの混合比率(100−X)(%)による燃料噴射量の補正割合Zを図16に示すマップおよび下記の式(6)により算出する(ステップS22)。この図16に示すマップは、DMEの混合比率(100−X)(%)から混合燃料の発熱量を算出し、その発熱量から最適な燃焼が得られるように上記基本燃料噴射量を補正するため、予め実験等により求めたものである。
Z=β・(100−X)/100 ・・・(6)
ここで、βは、DMEの混合比率が100%の場合の燃料噴射量の補正割合であり、予め実験等により求めたものである。
つぎに、上記ステップS21で算出したセタン価向上剤の添加量Ycをセタン価向上剤添加装置40によってLPG/DME混合タンク11に添加するとともに、上記ステップS22で算出した燃料噴射量の補正割合Zに基づいて燃料噴射量の補正を実行する(ステップS23)。また、必要に応じて燃料噴射時期も補正する。
なお、上記ステップS23においてセタン価向上剤の添加と燃料噴射量の補正が実行されたら、スタートに戻る。
以上のように、この実施例5に係るバイフューエルエンジンによれば、測定されたLPGとDMEの混合比率に基づいて最適なセタン価向上剤の添加量と燃料噴射量(燃料噴射時期)とを算出し、当該混合比率によらず最適なディーゼルエンジン10の燃焼を実現することができる。
これにより、クリーンな燃料であるが入手が限られているDMEと、入手が比較的容易なLPGとを両方使用できる車両を提供することができるため、ユーザーは燃料補給に不安を抱くこと無く、クリーンな車両を得ることができる。
なお、上記実施例5においては、混合比率センサ15およびセタン価向上剤添加装置40をLPG/DME混合タンク11に設けるものとして説明したが、これに限定されず、燃料供給ライン14の途中に設けてもよい。この場合、セタン価向上剤は、燃料供給ライン14内に添加されることとなり、上記と同様の効果を期待できる。
図17は、この発明の実施例6に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図、図18は、バイフューエルエンジンの制御方法を示すフローチャート、図19は、LPGの混合比率とオゾン供給量との関係を示すマップである。
上記実施例5では、セタン価向上剤を添加することにより混合燃料の着火性を改善したが、本実施例6は、吸気にオゾンを供給することにより、混合燃料の着火性を改善するものである。
すなわち、図17に示すように、本実施例6は、LPG/DME混合タンク11に混合比率センサ15を設ける一方、混合燃料の着火性を改善するために混合比率センサ15からの混合比率信号に応じて所定量のオゾンを発生させて吸気に供給するオゾン供給装置42を吸気管10bに設けたものである。
ECU16からは、このオゾン供給装置42に向けてオゾン供給量制御信号が出力されるようになっている。なお、このオゾン供給装置42は、公知技術により構成することができ、オゾンを発生することができるので、オゾンの補給作業は不要である。その他の構成は、上記実施例5の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
つぎに、ディーゼルエンジン10の制御方法について図18に基づいて図17および図19を参照しつつ説明する。図18に示すように、先ず、必要時に混合比率センサ15によりLPG/DME混合タンク11中のLPGとDMEの混合比率を測定し(ステップS30)、その混合比率信号をECU16に入力する。たとえば、LPGの混合比率として、X(%)が測定されたとする。
つぎに、測定された上記混合比率からECU16によって着火に最適な吸気へのオゾン供給量Yoを、図19に示すマップおよび下記の式(7)により算出する(ステップS31)。この図19に示すマップは、予め実験等により求めたものである。
Yo=γ・X/100 ・・・(7)
ここで、γは、LPGの混合比率が100%の場合のオゾン供給量(ppm)であり、予め実験等により求めたものである。
つぎに、DMEの混合比率(100−X)(%)による燃料噴射量の補正割合Zを、上記実施例5において説明した図16に示すマップおよび上記式(6)により算出する(ステップS32)。
つぎに、上記ステップS31で算出したオゾン供給量Yoをオゾン供給装置42によって吸気に供給するとともに、上記ステップS32で算出した燃料噴射量の補正割合Zに基づいて燃料噴射量の補正を実行する(ステップS33)。また、必要に応じて燃料噴射時期も補正する。
なお、上記ステップS33においてオゾンの供給と燃料噴射量の補正が実行されたら、スタートに戻る。
以上のように、この実施例6に係るバイフューエルエンジンによれば、測定されたLPGとDMEの混合比率に基づいて着火性改善に最適なオゾン供給量と燃料噴射量(燃料噴射時期)とを算出し、当該混合比率によらず最適なディーゼルエンジン10の燃焼を実現することができる。
これにより、クリーンな燃料であるが入手が限られているDMEと、入手が比較的容易なLPGとを両方使用できる車両を提供することができるため、ユーザーは燃料補給に不安を抱くこと無く、クリーンな車両を得ることができる。
また、オゾン供給装置42によってオゾン発生させ吸気に供給しているので、スタンド等でのオゾンの補給作業が不要となり、ユーザーの負担軽減を図ることができる。
なお、上記実施例6においては、混合比率センサ15をLPG/DME混合タンク11に設けるものとして説明したが、これに限定されず、燃料供給ライン14の途中に設けてもよく、上記と同様の効果を期待できる。
図20は、この発明の実施例7に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図、図21は、バイフューエルエンジンの制御方法を示すフローチャート、図22は、筒内圧変化と着火遅れとの関係を示すマップである。
図20に示すように、本実施例7は、上記実施例5の図13に示した構成に、ディーゼルエンジン10の筒内圧を測定する筒内圧センサ10cを更に加えることにより、セタン価向上剤の添加による着火性の変化をモニタリングし、適正な着火性となるようにセタン価向上剤の添加量を補正できるようにしたものである。
つぎに、ディーゼルエンジン10の制御方法について図21に基づいて図20および図22を参照しつつ説明する。図21に示すステップS30〜S33は、上記実施例5の図14で示したステップS20〜S23の内容と同様であるので、重複説明を省略し、ステップS34以降について説明する。
ステップS33のセタン価向上剤の添加と燃料噴射量の補正が実行されたら、筒内圧センサ10cによりディーゼルエンジン10の筒内圧変化を測定することにより、着火遅れを計測する(ステップS34)。
すなわち、測定された筒内圧変化と、図22に示すように予め実験等により定められたマップとを用いることにより、着火遅れの程度を計測(判断)することができる。筒内圧変化の適合値(図22中の破線)に対して着火遅れが適正範囲内にある場合には(ステップS35肯定)、ステップS33においてセタン価向上剤が適正に添加され、良好な燃焼状態となっていると判断できるので、スタートに戻る。
一方、筒内圧変化の適合値(図22中の破線)に対して着火遅れが適正範囲内にない場合には(ステップS35否定)、更に当該適合値に対して着火遅れが大きいか否かを判断する(ステップS36)。着火遅れの大小に応じてセタン価向上剤の添加量を補正するためである。
適合値に対して着火遅れが大きい場合には(ステップS36肯定)、着火性を向上させるため、セタン価向上剤の添加量を増加させる指令を出して(ステップS37)、この指令に基づいてステップS33を実行する。
また、適合値に対して着火遅れが小さい場合には(ステップS36否定)、着火性を抑制させるため、セタン価向上剤の添加量を減少させる指令を出して(ステップS38)、この指令に基づいてステップS33を実行する。
これらステップS36,S37,S38の制御は、着火遅れが適正範囲内になるまで、すなわち良好な燃焼状態となるまで(ステップS35肯定)、実行される。
以上のように、この実施例7に係るバイフューエルエンジンによれば、セタン価向上剤の添加による着火性の変化を筒内圧センサ10cによりモニタリングし、適正な着火性となるようにセタン価向上剤の添加量を補正したので、最適な燃焼が得られ、エミッション、燃費および出力の面で更なる改善を図ることができる。
なお、上記実施例7においては、上記実施例5の図13に示した構成に、ディーゼルエンジン10の筒内圧を測定する筒内圧センサ10cを更に加えるものとして説明したが、これに限定されず、上記実施例6の図17に示した構成に当該筒内圧センサ10cを加えてもよく、上記と同様の効果を期待できる。
すなわち、この場合は、図21に示したフローチャートのステップS31においてオゾン供給量を算出し、この算出された供給量に基づいてステップS33においてオゾンを供給すればよい。また、ステップS37においてはオゾン供給量を増加し、ステップS38においてはオゾン供給量を減少させるように制御すればよい。
なお、上記実施例5、実施例6および実施例7において、エンジン10が排気ガスの一部を吸気系に還流させる排気ガス再循環装置(EGR装置)を備えている場合には、LPGとDMEの混合比率を考慮することにより、適合された排気ガス再循環量(EGR量)中の酸素量を、DME中の酸素を考慮して算出することが可能となる。これにより、EGR量の適正化が図られ、排気ガス中のNOx等の低減を図ることができる。
また、LPG中には付臭剤(硫黄化合物)が添加されている。そこで、上記実施例5、実施例6および実施例7において、エンジン10がその排気通路下流に排気浄化触媒を備えている場合には、LPGとDMEの混合比率を積算することにより、硫黄分の含まれていないDMEが使用されている期間を積算することができるので、当該触媒の硫黄被毒再生期間を変更することにより、燃費悪化を低減することができる。たとえば、LPGの混合比率が大きい場合には硫黄被毒再生期間を短くする一方、DMEの混合比率が大きい場合には硫黄被毒再生期間を長めにすることが好ましい。
以上のように、この発明に係るバイフューエルエンジンおよび混合燃料の混合比率推定方法は、LPGとDMEを混合燃料とするバイフューエルエンジンを搭載した車両に有用であり、特に、LPGとDMEの混合比率を検出でき、両燃料を貯蔵する燃料タンクを共通化できるバイフューエルエンジンおよびLPGとDMEの混合比率を容易に検出できる混合燃料の混合比率推定方法に適している。
この発明の実施例1に係るエンジンの要部を示すブロック図である。 算出された燃料混合比率に基づくエンジンの制御方法を示すフローチャートである。 LPGの圧縮前の状態を示す模式図である。 LPGの圧縮後の状態を示す模式図である。 DMEの圧縮前の状態を示す模式図である。 DMEの圧縮後の状態を示す模式図である。 この発明の実施例2に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図である。 混合比率を求める際に使用されるピストン移動量と温度と圧力の関係を示すマップである。 この発明の実施例3に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図である。 ピストン移動量と混合比率の関係を示すマップである。 この発明の実施例4に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図である。 ある燃料温度における燃料加圧ポンプの回転数と出口圧力との関係を示すマップである。 この発明の実施例5に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図である。 バイフューエルエンジンの制御方法を示すフローチャートである。 LPGの混合比率とセタン価向上剤の添加量との関係を示すマップである。 DMEの混合比率と燃料噴射量の補正割合との関係を示すマップである。 この発明の実施例6に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図である。 バイフューエルエンジンの制御方法を示すフローチャートである。 LPGの混合比率とオゾン供給量との関係を示すマップである。 この発明の実施例7に係るバイフューエルエンジンの要部を示す模式図である。 バイフューエルエンジンの制御方法を示すフローチャートである。 筒内圧変化と着火遅れとの関係を示すマップである。
符号の説明
10 エンジン(バイフューエルエンジン)
10b 吸気管
10c 筒内圧センサ
11 LPG/DME混合タンク(燃料タンク)
14 燃料供給ライン
15 混合比率センサ
16 ECU
17 圧縮室
18 ピストン
19 アクチュエータ
20 温度センサ
21 圧力センサ
22 検出ライン
23 バルブ(開閉弁)
24 燃料加圧ポンプ
26 DME100%時の温度と圧力によるピストン移動量マップ(DME単体の体積弾性率に係るデータ)
28 LPG100%時の温度と圧力によるピストン移動量マップ(LPG単体の体積弾性率に係るデータ)
30 密閉系バランス室
31 バルブ(開閉弁)
34 ゴム球体(弾性容器)
40 セタン価向上剤添加装置
42 オゾン供給装置

Claims (6)

  1. 液化石油ガスとジメチルエーテルを混合貯蔵できる燃料タンクと、前記液化石油ガスと前記ジメチルエーテルとの体積弾性率の違いを利用して混合比率を算出する混合比率算出手段とを備え、前記混合比率算出手段によって前記液化石油ガスと前記ジメチルエーテルの混合比率を算出し、当該算出値から混合燃料の性状を求めてエンジン制御に反映させることを特徴とするバイフューエルエンジン。
  2. 請求項1に記載のバイフューエルエンジンであって、
    液化石油ガスとジメチルエーテルを混合貯蔵できる燃料タンクと、当該燃料タンクに接続され内部に往復自在なピストンを有する圧縮室と、前記燃料タンクと前記圧縮室間に設けられた開閉弁と、前記開閉弁を開いた状態で前記ピストンを移動させて前記燃料タンク内の混合燃料を前記圧縮室内に充填するとともに、前記開閉弁を閉じた状態で前記ピストンを移動させて前記圧縮室内に充填された混合燃料を所定圧力で圧縮するアクチュエータと、前記燃料タンクに設けられた温度センサおよび圧力センサとを備え、前記混合燃料圧縮時の前記ピストンの移動量または前記圧縮室内の容積減量分と、前記温度センサおよび圧力センサにより検出された温度および圧力と、予め記憶してある液化石油ガス単体の体積弾性率に係るデータとジメチルエーテル単体の体積弾性率に係るデータとを用いて前記液化石油ガスと前記ジメチルエーテルの混合比率を算出し、当該算出値から混合燃料の性状を求めてエンジン制御に反映させることを特徴とするバイフューエルエンジン。
  3. 前記圧縮室への混合燃料充填時に前記ピストンの往復運動を所定回数繰り返すことを特
    徴とする請求項2に記載のバイフューエルエンジン。
  4. 請求項1に記載のバイフューエルエンジンであって、
    液化石油ガスとジメチルエーテルを混合貯蔵できる燃料タンクと、当該燃料タンクに接続された密閉系バランス室と、前記燃料タンクと前記密閉系バランス室間に設けられた開閉弁と、前記密閉系バランス室内に設けられ所定量の液化石油ガスが充填された弾性容器と、前記開閉弁を開いて前記密閉系バランス室内に混合燃料を充填するとともに、前記開閉弁を閉じた状態で前記弾性容器内の液化石油ガスを所定圧力で圧縮するピストンおよびアクチュエータとを備え、前記混合燃料圧縮時の前記ピストンの移動量または前記圧縮室内の容積減量分と、予め記憶してある液化石油ガス単体の体積弾性率に係るデータとジメチルエーテル単体の体積弾性率に係るデータとを用いて液化石油ガスとジメチルエーテルの混合比率を算出し、当該算出値から混合燃料の性状を求めてエンジン制御に反映させることを特徴とするバイフューエルエンジン。
  5. 請求項1に記載のバイフューエルエンジンであって、
    液化石油ガスとジメチルエーテルを混合貯蔵できる燃料タンクと、当該燃料タンクからエンジンの燃料噴射弁に至る燃料供給ラインの途中に設けられた燃料加圧ポンプと、当該燃料加圧ポンプの回転数または負荷を検出する回転数/負荷検出手段と、前記燃料加圧ポンプ出口の燃料圧力を検出する圧力センサと、前記燃料加圧ポンプ出口の燃料温度を検出する温度センサとを備え、前記回転数/負荷検出手段による前記燃料加圧ポンプの回転数または負荷の検出値から、予め記憶してある基準燃料温度毎の前記燃料加圧ポンプの回転数または負荷と、前記燃料加圧ポンプ出口圧力の特性線図に基づいて前記液化石油ガスと前記ジメチルエーテルの混合比率を算出し、当該算出値から混合燃料の性状を求めてエンジン制御に反映させることを特徴とするバイフューエルエンジン。
  6. 液化石油ガスとジメチルエーテルとの混合燃料を密閉容器内に充填し、この充填した混
    合燃料を所定圧力で圧縮し、前記密閉容器の体積変化と液化石油ガスとジメチルエーテルとの体積弾性率の違いに基づいて前記液化石油ガスと前記ジメチルエーテルの混合比率を求めることを特徴とする混合燃料の混合比率推定方法。
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