JP4387604B2 - 蒸発源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空成膜装置に用いられる蒸発源装置に関し、特に抵抗加熱方式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
真空成膜装置は、真空チャンバ内において蒸発源から薄膜形成材料(薬剤)を蒸発させ、その蒸発した薄膜形成材料を真空チャンバ内に置かれた基材上に堆積させ、それにより、その基材上に薄膜形成材料からなる薄膜を形成するものである。
【0003】
ところで、製品によっては、基材上にタンタル等の高融点金属からなる薄膜が被着される場合がある。このような場合、蒸発源には、電子銃によって薄膜形成材料を蒸発させる方式が採用されていた。
【0004】
ところが、電子銃を用いると蒸発源のコストが高くつくため、蒸発源のコストを低減するため、コストが低く専ら低融点金属の成膜に採用されていた抵抗加熱方式が採用され始めた。
【0005】
抵抗加熱方式は、一対の電極間に掛け渡されたボートと呼ばれる上方が開放された加熱容器上に薄膜形成材料を載置し、そのボートを電極を介して加熱用電源で通電加熱することにより薄膜形成材料を蒸発させるものである。
【0006】
しかし、抵抗加熱方式で高融点の薄膜形成材料を蒸発させようとすると、大電流が必要とされる。そこで、加熱用電源には直流ではなく交流が用いられる。また、真空成膜における成膜速度は蒸発源からの薄膜形成材料の蒸発速度に依存する。一方、真空成膜においては、成膜速度が基材上に形成される薄膜の品質に大きな影響を及ぼす。そこで、真空成膜においては、成膜速度を一定に維持するよう制御している。この成膜速度の制御は、基材上に形成された薄膜の膜厚を膜厚センサで検出し、その検出した膜厚値に基づいてボートの加熱用電流をフィードバック制御することにより行われる。従って、そのフィードバック制御を安定して行うために、加熱用電源には、電流値を調整するのに高速な応答性が必要とされる。このような観点から、加熱用電源には、スライダック方式等の電流調整の応答速度の遅い方式は採用されず、電流調整の応答速度の速い半導体スイッチング素子を用いた位相制御方式が採用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この位相制御方式では、ボート上に載置された薄膜形成材料がこぼれるという問題が発生する。一般に、真空成膜においては、基材上に形成する薄膜の最終的な厚みをボート上に載置する薄膜形成材料の量で調整しているため、薄膜形成材料がボートからこぼれると、膜厚を目的の厚みにすることができない。特に、膜厚が薄い場合には膜厚の精度が低下する。従って、この問題は重大である。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ボートから薄膜形成材料がこぼれるのを防止することが可能な蒸発源装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本件発明者は、ボートの振動の原因の究明に取り組んだ。その結果、以下の事実が判明した。
【0010】
すなわち、図1に示すように、ボート8は、中央部が薄膜形成材料の収容部としてボート状に形成され、両端部が電極7A,7Bへの固定部として平板状に形成された金属製の板状部材からなっている。このように構成されたボート8は弾性を有するので、両端を電極7A,7Bに固定されると振動系を構成し、振動しやすいものとなる。そして、実験によれば、ボートの共振周波数は、大体、300Hz及び600Hzであった。
【0011】
また、位相制御方式の加熱用電源は、商用電源の正弦波の電流(図4(a)参照)を、サイリスタを用いた電力調整器で位相制御してチョッピングすることにより、加熱用電流を得ている(図4(b)参照)ので、その加熱用電流の波形が滑らかではない。そのため、振動を発生させやすい。また、高調波を多く含むので共振を生じ易い。
【0012】
以上の事実から、本件発明者は、ボートの振動は、波形が滑らかでない加熱用電流によってボートが加振され、共振によってその振幅が増幅されて生じるものであると推測した。そこで、加熱用電流の波形を、現行のもの、正弦波、及び平坦な直流の3種類に変化させてボートの振動を比較する実験を行ったところ、正弦波及び平坦な直流の場合は、ボートの振動がほとんど生じなかった。これにより、上記推測が裏付けられた。
【0013】
但し、加熱用電源には、成膜速度を一定に制御するために加熱用電流の調整に関して高速な応答性が要求される。
【0014】
そこで、本発明に係る蒸発源装置は、真空成膜を行うためのチャンバ内に配設された一対の電極部材と、該一対の電極部材間に掛け渡され薄膜形成材料を収容するボートと、該ボートに上記一対の電極部材を通じて加熱用電流を供給する加熱用電源とを備え、該加熱用電源が、PWMによって大きさを制御された上記加熱用電流を出力するインバータで構成されてなるものである(請求項1)。
【0015】
かかる構成とすると、PWMによればインバータを構成するスイッチング素子のゲート制御回路における信号波を正弦波とすることにより、出力される加熱用電流の波形が正弦波になり、高調波をほとんど含まないものとなる。その結果、ボートの振動を防止することができ、それにより、薄膜形成材料がボートからこぼれるのを防止することができる。また、加熱用電源がインバータで構成されているので、加熱用電流を高速に応答して調整することができる。
【0016】
この場合、上記加熱用電源のインバータが、PWMによって上記加熱用電流の周波数を制御可能なものであるとしてもよい(請求項2)。
【0017】
かかる構成とすると、出力される加熱用電流に歪等により多少の高調波成分が含まれることとなったとしても、その周波数を、当該周波数及びその高調波がボートの共振周波数と一致しないように制御することにより、ボートの振動を防止することができる。
【0018】
この場合、上記ボートの振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段で検出された振動の主要な周波数成分を求める周波数解析手段と、該周波数解析手段で求められた主要な周波数成分の周波数を上記インバータから出力される加熱用電流の基本波及び高調波の周波数として含まないように該加熱用電流の周波数を制御する周波数制御手段とを備えたものとしてもよい(請求項3)。
【0019】
かかる構成とすると、周波数制御手段によって、加熱用電流による振動に対するボートの共振が回避されるので、自動的にボートの振動を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係る蒸発源装置を用いた真空成膜装置の構成を示す模式図、図2は図1の蒸発源装置の加熱用電源のPWMによる電圧制御過程を示す図であって、(a)は信号波及び搬送波を示す図、(b)はインバータの出力電圧及びその平均的瞬時値を示す図、(c)は信号波の振幅が小さい場合の該信号波及び搬送波を示す図、(d)は信号波の振幅が小さい場合のインバータの出力電圧及びその平均的瞬時値を示す図である。真空成膜には、通常の蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等が含まれるが、本実施の形態では、真空成膜装置としてイオンプレーティング装置を例示している。
【0021】
図1において、真空成膜装置1は、導電性部材からなる真空チャンバ2を有している。真空チャンバ2内には、基材を保持する基材ホルダ3が配設されている。基材ホルダ3は導電性部材で構成され、導電性部材からなる回転軸4の一端に接続されている。回転軸4は、他端がモータ5に接続され、真空チャンバ2の壁部に回動自在に保持されている。回転軸4とモータ5及び真空チャンバ2との間は図示されない絶縁部材によって絶縁されている。回転軸4のチャンバ外の部分には、図示されないスリップリング及びブラシを介して高周波電源22及び直流電源23が並列に接続されている。高周波電源22及び直流電源23と回転軸4との間には、それぞれ、直流阻止用コンデンサC0及びマッチング回路21、並びに交流阻止用チョークコイルL0が介挿されている。マッチング回路21は高周波電源22と負荷とのインピーダンスのマッチングを自動的に行うものである。また、高周波電源22及び直流電源23の他端は真空チャンバ2に接続され、該真空チャンバ2は接地されている。さらに、直流電源23は、基材ホルダ3側が負となるように接続されている。
【0022】
一方、真空チャンバ2内には、基材ホルダ3に対向するように蒸発源6が配設されている。蒸発源6は、真空チャンバ2の下壁に立設された一対の電極7A,7B間にボート8が掛け渡されて構成されている。ボート8上には薄膜形成材料9が載置される。そして、その一対の電極7A,7B間に、真空チャンバ2外に配置された加熱用電源30が接続されている。この蒸発源6及び加熱用電源30が蒸発源装置31を構成している。
【0023】
加熱用電源30は、整流器12、インバータ11、ゲート制御回路13、電流センサ14、及びトランス10を主な構成要素として構成されている。
【0024】
整流器12は周知の構造のもので、商用電源の3相交流を整流して所定の直流電圧Eを出力する。インバータ11は、周知の構造のもので、PWM(pulse width modulation)によって、整流器12から出力される直流電圧Eを所定の交流電圧eに変換して出力する。ゲート制御回路13は、インバータ11のスイッチング素子のゲート信号を生成する。トランス10は、インバータ11から出力される交流電圧を巻数比aで所定の電圧に降圧する。
【0025】
次に、インバータ11及びゲート制御回路13の構成を詳細に説明する。インバータ11は、第1のスイッチング素子S1と第2のスイッチング素子S2とが直列接続されてなる回路と第3のスイッチング素子S3と第4のスイッチング素子S4とが直列接続されてなる回路とが整流器12の出力端子に対し並列に接続され、双方の回路の2つのスイッチング素子同士の接続個所がトランス10の一次側の端子に接続されている。各スイッチング素子S1〜S4には遅れ電流をバイパスさせるためのダイオードDがそれぞれ並列に接続されている。スイッチング素子S1〜S4は、ここではIGBT(Insulsted Gate Bipolar Transister)、パワーMOSFET(Power Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transister)等で構成される。そして、各スイッチング素子S1〜S4のゲートにゲート制御回路13から制御信号g1〜g4が入力されている。
【0026】
図1及び図2(a)を参照して、ゲート制御回路13は、内部で発生させる正弦波の信号波Scと三角波の搬送波Cとから以下のようにしてゲート制御信号g1〜g4を生成する。
【0027】
つまり、信号波Scの正の半サイクルでは、全期間に渡って第1のスイッチング素子S1がオンになるとともに、信号波Scが搬送波Cより大きい期間t1に渡って第4のスイッチング素子S4がオンになりかつ信号波Scが搬送波Cより小さい期間t2に渡って第3のスイッチング素子S3がオンになるように、また、信号波Scの負の半サイクルでは、全期間に渡って第3のスイッチング素子S3がオンになるとともに、信号波Scが搬送波Cより小さい期間t3に渡って第2のスイッチング素子S2がオンになりかつ信号波Scが搬送波Cより大きい期間t4に渡って第1のスイッチング素子S1がオンになるように、第1〜第4のスイッチング素子S1〜S4のゲートに制御信号g1〜g4を出力する。すると、期間t1では、第1,第4のスイッチング素子S1,S4がオンするため、トランス10の一次側端子に一定電圧Eが出力され、期間t2では、第2,第4のスイッチング素子S2,S4のいずれもオフするため、トランス10の一次側端子には電圧が出力されない。一方、期間t3では、第3,第2のスイッチング素子S3,S2がオンするため、トランス10の一次側端子に負の一定電圧Eが出力され、期間t4では、第2,第4のスイッチング素子S2,S4のいずれもオフするため、トランス10の一次側端子には電圧が出力されない。
【0028】
よって、トランス10の一次側端子には、図2(b)に示すように、その幅が信号波Scの値に近似的に比例した矩形パルスの列からなる交流電圧eが出力される。この交流電圧eの平均的瞬時値V’は正弦波になる。そして、この交流電圧eは、トランス10の電磁誘導作用により積分されてその二次側では上記平均的瞬時値V’と同様に正弦波になる。従って、トランス10の二次側には、上記平均的瞬時値V’が所定の巻数比aで降圧された正弦波交流電圧Vが出力される。また、このトランス10の二次側電圧V(従ってV’も)の大きさ(振幅)は、図2(c),(d)から明らかなように、信号波Scの大きさ(振幅)に比例したものとなる。また、その周波数は信号波Scの周波数と同じになる。また、トランス10の二次側負荷は抵抗負荷たるボートであるため、その二次側電流である加熱用電流Iは上記二次側電圧Vと略同一位相の正弦波となる。よって、ゲート制御回路13で発生する信号波Scの振幅及び周波数を制御することにより、加熱用電流Iの大きさ及び周波数を所望のものに制御することができる。そして、インバータ11の出力側には電流センサ14が介挿されており、ゲート制御回路13は、該電流センサ14から入力される電流値と外部から入力される信号波の振幅指令値とに基づいて加熱用電流I(インバータ11の出力電流)をフィードバック制御する。本実施の形態では、搬送波Cの周波数は10KHzである。また、商用電源の電圧及びインバータ11の出力電圧eの実効値は200V、トランス10の二次側電圧Vは10Vである。従って、トランス10の巻数比a=20である。また、加熱用電流は500A〜1000Aの範囲に設定される。
【0029】
さらに、図示されていないが、基材ホルダ3に保持された基材上に形成される薄膜の膜厚を検出する膜厚センサが適所に配設され、その検出出力がゲート制御回路13に入力され、ゲート制御回路13がその検出された膜厚値に基づいて加熱用電流Iをフィードバック制御するように構成されている。
【0030】
次に、以上のように構成された真空成膜装置及び蒸発源装置の動作を説明する。
【0031】
図1において、一対の電極7A,7B間に掛け渡されたボート8の共振周波数は300Hz及び600Hzであるものとする。この場合、この共振周波数は、基本波の周波数が60Hzである歪波の5次高調波及び10次高調波の周波数に等しい。そこで、作業員は、ゲート制御回路13に対し信号波の周波数指令値を例えば70Hzに設定しておく。また、薄膜形成材料が高融点金属であるため、信号波の振幅指令値を加熱用電流Iの値が例えば1000Aとなるような値に設定しておく。
【0032】
この状態で、基材ホルダ3上に基材を載置するとともに、ボート8上に所要量の薄膜形成材料9を載置する。
【0033】
次いで、真空成膜装置1を起動すると、高周波電源22により印加される高周波電力によって真空チャンバ2内にプラズマが立つとともに直流電源23によって真空チャンバ2から基材ホルダ3に向かう直流電界が形成される。そして、ボート8に加熱用電源30から加熱電流Iが供給されて該ボート8が通電加熱され、それにより、該ボート8上に載置された高融点の薄膜形成材料9が蒸発する。すると、この蒸発した薄膜形成材料は、プラズマによって励起され直流電界によって加速されて、基材ホルダ3に保持された基材の表面に衝突し付着する。これにより、基材上に薄膜形成材料9からなる薄膜が形成される。
【0034】
この際、加熱用電源30からは正弦波の加熱用電流Iがボート9に供給されるので、該加熱用電流Iが高調波をほとんど含まないものとなっている。また、波形の歪により若干の高調波を含んでいたとしても、ボート8の共振周波数に最も近いその高調波の周波数は、280Hz及び630Hzであり、ボート8の共振周波数300Hz及び600Hzから外れたものとなっている。よって、加熱用電流Iが1000Aもの大電流であっても、ボート8の振動を防止することができる。その結果、薄膜形成材料9がボート8上からこぼれるのを防止することができる。また、加熱用電源30の電流制御装置がインバータ11で構成されているので、その出力電流が高速な応答によりフィードバック制御されて調整されるため、膜厚センサの検出出力に基づく成膜速度のフィードバック制御が安定して行われる。
実施の形態2
図3は本発明の実施の形態2に係る真空成膜装置の構成を示す模式図である。本実施の形態では、蒸発源装置30は、実施の形態1の構成に加えてさらに、電極7Aの先端部取り付けられた振動センサ29と、振動センサ29で検出された振動の主要な周波数成分、すなわち共振周波数を求める周波数解析装置32、周波数解析装置32で求められた主要な周波数成分に基づいてゲート制御回路13に信号波の周波数指令値を制御信号として入力する周波数制御装置33を備えている。振動センサ29は、例えば加速度センサ、速度センサで構成される。周波数解析装置32は例えばFFT(Fast Fourier Transform)アナライザで構成される。周波数制御装置33は例えばCPUで構成される。ここで、発明者の実験によれば、ボート8の共振周波数は、大体100Hz〜700Hzの範囲内にあり、かつその数もせいぜい3つぐらいであるので、例えば、周波数制御装置33から入力される周波数にある範囲を持たせたものと、その範囲を持たせた周波数をその基本波及び高調波の周波数として含まないような周波数(以下、共振回避周波数という)とを対応させたテーブルを作成することが可能である。そこで、本実施の形態では、周波数制御装置33は、予めそのようなテーブルを主メモリに格納しており、周波数解析装置32で求められた主要な周波数をそのテーブルと対比し、それにより得られた共振回避周波数を周波数指令値としてゲート制御回路33に出力する。
【0035】
このような構成によれば、ボート8が加熱用電流Iによる振動に共振したとしても、振動センサ29がその振動を検出し、その検出された振動の主要な周波数成分を周波数解析装置32が求め、その求められた主要な周波数成分の周波数をその基本波及び高調波の周波数として含まないような周波数を周波数指令値として周波数制御装置33がゲート制御回路33に出力する。それにより、加熱用電流Iの周波数がそのような周波数に変化するので、ボート8の共振が自動的に防止される。
【0036】
なお、上記実施の形態1、2では、電圧型のインバータを用いたが、電流型のインバータを用いてもよい。
【0037】
また、上記実施の形態1、2では、蒸発源装置をイオンプレテーィング装置に用いる場合を説明したが、通常の蒸着装置、スパッタリング装置等の他の真空成膜装置にも同様に用いることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下のような効果を奏する。
(1)ボートの振動を防止することができ、それにより、薄膜形成材料がボートからこぼれるのを防止することができる。また、加熱用電源がインバータで構成されているので、加熱用電流を高速に応答して調整することができる。
(2)加熱用電源のインバータが、PWMによって上記加熱用電流の周波数を制御可能なものであるとすると、出力される加熱用電流に歪等により多少の高調波成分が含まれることとなったとしても、その周波数を、当該周波数及びその高調波がボートの共振周波数と一致しないように制御することにより、ボートの振動を防止することができる。
(3)ボートの振動を検出する振動検出手段と、振動検出手段で検出された振動の主要な周波数成分を求める周波数解析手段と、周波数解析手段で求められた主要な周波数成分の周波数をインバータから出力される加熱用電流の基本波及び高調波の周波数として含まないように加熱用電流の周波数を制御する制御手段とを備えたものとすると、自動的にボートの振動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る蒸発源装置を用いた真空成膜装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1の蒸発源装置の加熱用電源のPWMによる電圧制御過程を示す図であって、(a)は信号波及び搬送波を示す図、(b)はインバータの出力電圧及びその平均的瞬時値を示す図、(c)は信号波の振幅が小さい場合の該信号波及び搬送波を示す図、(d)は信号波の振幅が小さい場合のインバータの出力電圧及びその平均的瞬時値を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る蒸発源装置を用いた真空成膜装置の構成を示す模式図である。
【図4】従来の蒸発源置の加熱用電源の電流制御過程を示す図であって、(a)は入力電流の波形を示す図、(b)は出力電流の波形を示す図である。
【符号の説明】
1 真空成膜装置
2 真空チャンバ
3 基材ホルダ
4 回転軸
5 モータ
6 蒸発源
7A,7B 電極
8 ボート
9 薄膜形成材料
10 トランス
11 インバータ
12 整流器
13 ゲート制御回路
14 電流センサ
21 マッチング回路
22 高周波電源
23 直流電源
29 振動センサ
30 加熱用電源
31 蒸発源装置
32 周波数解析装置
33 周波数制御装置
C 搬送波
Sc 信号波
C0 交流阻止用コンデンサ
E 整流器の出力電圧
e インバータの出力電圧
g1〜g4 ゲート信号
I 加熱用電流
L0 直流阻止用チョークコイル
S1〜S4 スイッチング素子
V トランスの二次側電圧
V’ インバータの出力電圧の平均的瞬時値

Claims (3)

  1. 真空成膜を行うためのチャンバ内に配設された一対の電極部材と、
    該一対の電極部材間に掛け渡され薄膜形成材料を収容するボートと、
    該ボートに上記一対の電極部材を通じて加熱用電流を供給する加熱用電源とを備え、
    該加熱用電源が、PWMによって大きさを制御された上記加熱用電流を出力するインバータで構成されてなる蒸発源装置。
  2. 上記加熱用電源のインバータが、PWMによって上記加熱用電流の周波数を制御可能なものである請求項1記載の蒸発源装置。
  3. 上記ボートの振動を検出する振動検出手段と、
    該振動検出手段で検出された振動の主要な周波数成分を求める周波数解析手段と、
    該周波数解析手段で求められた主要な周波数成分の周波数を上記インバータから出力される加熱用電流の基本波及び高調波の周波数として含まないように該加熱用電流の周波数を制御する周波数制御手段とを備えた請求項2記載の蒸発源装置。
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