JP4386679B2 - Pneumatic radial tire for winter - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冬用空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、氷上制動性能及び耐偏摩耗性能を両立させた冬用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来技術】
冬用空気入りラジアルタイヤは、雪上路面での制駆動性能を確保するため、トレッド面にタイヤ周方向に延びる複数の縦溝と、タイヤ幅方向に延びる複数の横溝とを設け、これら縦溝と横溝によって複数のブロック列を区画形成したトレッドパターンを採用している。さらに、氷上路面での制駆動性能を確保するため、各ブロックの表面にタイヤ幅方向に延びるサイプと称する切り込みを設け、踏面部の剛性を低下させることにより接地性を向上させると共に、毛細管現象や水膜破壊によるエッジ効果を向上させるようにしている。
【0003】
しかしながら、サイプにより剛性が低下したブロックには所謂ヒール・アンド・トウ摩耗と称する偏摩耗が生じ易く、特にこの傾向は滑りが大きくなるショルダー側において顕著に表われる。
【0004】
この対策として、ショルダー側のブロック列の形態を多数のブロックが細溝を介して周方向に連なる実質上リブとし、該細溝に幅方向の広幅ラグ溝を形成する提案がある(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この提案では、細溝を挟んで実質上リブ状とした部分での偏摩耗は抑制されるものの、広幅ラグ溝により周方向に区画された部分におけるヒール・アンド・トウ摩耗を抑制することができず、さらにはブロック列を実質上リブ状としたことにより雪上路面での駆動性能が犠牲になるという問題があり、必ずしも充分な対策には至っていなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−197913号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、かかる従来の問題点を解消し、氷上制動性能と耐偏摩耗性とを高いレベルで両立させるようにした冬用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の冬用空気入りラジアルタイヤは、トレッド面にタイヤ周方向に延びる複数の縦溝と、該縦溝に交差する複数の横溝とを設け、これら縦溝と横溝とによって周方向に多数のブロックを配置した複数のブロック列を形成すると共に、各ブロックにタイヤ幅方向に延びる1本以上のサイプを設けた冬用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記複数のブロック列のうち少なくとも両ショルダー側のブロック列のブロックに形成したサイプをタイヤ幅方向に長さの異なる長短二種類で構成すると共に、これらサイプのタイヤ幅方向の長さを前記ブロックのタイヤ幅方向の幅に対して長サイプが45〜70%、短サイプが10〜30%となるようにし、かつ前記長サイプを前記ブロックのタイヤ中央側に配置し、前記短サイプを前記ブロックのタイヤの接地端側に配置したことを特徴とする。
【0008】
このように、少なくとも両ショルダー側のブロック列のブロックに形成するサイプをタイヤ幅方向に長さの異なる長短二種類としたので、長サイプによる剛性低下とエッジ効果により氷上制動性能を確保すると共に、短サイプによりブロックの剛性の低下を防いで偏摩耗の発生を抑制し、氷上制動性能と耐偏摩耗性能との両立を可能にする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を引用して本発明の実施形態を説明する。各図において、同一の構成要素は同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
図1は本発明の冬用空気入りラジアルタイヤのトレッド面の一例を示す平面図である。冬用空気入りラジアルタイヤのトレッド面1は、タイヤ周方向Tに延びる複数の縦溝2と、これに交差する複数の横溝3とを設け、これら縦溝2と横溝3とによってタイヤ周方向Tに多数のブロック4が配列した複数(図では5)のブロック列4a,4b,4c,4d,4eを区画形成している。各ブロック列4a,4b,4c,4d,4eの各ブロック4には、タイヤ幅方向に延びる1本以上(図では4本)のサイプ5が形成されている。
【0011】
各ブロック列4a,4b,4c,4d,4eのうち、両ショルダー側のブロック列4a及び4eのブロック4に形成されているサイプ5は、長さの異なる長短二種類の長サイプ5aと短サイプ5bがタイヤ幅方向に並ぶように構成されている。これら長サイプ5aの長さ5awと短サイプの長さ5bwとは,それぞれブロック幅wに対する比率が、長サイプが45〜70%、短サイプが10〜30%となるように調整されている。ここで、ブロック幅wとは、図2に示すように、サイプ5の両端部p、qからタイヤ幅方向に延長した線がブロック端部と交わる点r、s間の長さをいい、長サイプ5a及び短サイプ5bの長さとは、各サイプをタイヤ幅方向の面に投影した長さをいう。
【0012】
このようにサイプ5をタイヤ幅方向に並ぶ長短二種類の長サイプ5aと短サイプ5bとで構成したことにより、長サイプ5aが踏面の剛性低下とエッジ効果との相乗作用により氷上制動性能を向上させると共に、短サイプ5bがブロックの剛性の低下を防いでヒール・アンド・トウの偏摩耗を抑制する。そして、これら長短二種類の長サイプ5aと短サイプ5bとの長さをブロック幅wに対してそれぞれ上述した比率に特定することにより、氷上制動性能と耐偏摩耗性能との両立を可能にしている。長サイプ5aの長さ5awと短サイプ5bの長さ5bwとが上述した範囲を逸脱すると、氷上制動性能と耐偏摩耗性能とのバランスが崩れる。
【0013】
サイプ5の形状は、タイヤ幅方向に延びるように形成されている限り、直線状であってもジグザグ状又は波状であってもよい。しかし、これをタイヤ幅方向に投影したときの長サイプ5aと短サイプ5bとのブロック幅wに対する比率は上述したようになっていなければならない。さらに好ましくは、サイプ5の形状に沿って測定される短サイプ5bの実総長さと長サイプ5aの実総長さとを、短サイプ:長サイプ=1:(1.5〜7.0)に設定するとよい。このように設定することにより氷上制動性能と耐偏摩耗性能とのバランスが一層良好に保たれる。
【0014】
さらに本発明では、両ショルダー側のブロック列4a及び4eのブロック4に形成するサイプ5は、長サイプ5aをタイヤの中央側に、短サイプ5bをタイヤの接地端側にそれぞれ配置するようにしている。これにより、氷上制動性能と耐偏摩耗性能とのバランスを良好に保つことができる。
【0015】
サイプ5の両端部の位置は、少なくとも長サイプ5aと短サイプ5bと対向し合う側は何れもブロック4内に閉止している。これに対して、互いに反対側の長サイプ5aと短サイプ5bとの端部p、qの位置は、長サイプ5aの端部pは縦溝2に開口し、短サイプ5bの端部qはブロック4内に閉止されていることが好ましい。しかし、図3(a)〜(c)に例示するように長サイプ5aと短サイプ5bの端部p、qの位置を適宜変更することを妨げるものではない。また、図3(d)に示すように、サイプ5を構成する長サイプ5aと短サイプ5bとをタイヤ周方向に互いにずらせて配置してもよい。
【0016】
図4は本発明の冬用空気入りラジアルタイヤのトレッド面1の他の例を示す平面図で、両ショルダー側のブロック列4a及び4eに加えて、これらに隣接するタイヤ中央側のブロック列4b及び4dのブロック4にもタイヤ幅方向に長短二種類の長サイプ5aと短サイプ5bとが形成されている。ブロック列4b及び4dのブロック4に形成される長サイプ5a及び短サイプ5bの構成及び作用効果は上述したブロック列4a及び4eにおけるブロック4と同様であるため説明を省略する。
【0017】
上述した本発明の冬用空気入りラジアルタイヤは、少なくとも両ショルダー側のブロック列4a、4eのブロック4に形成するサイプ5を長短二種類に分けるようにしたことにより氷上路面でのトラクション性能を確保しながら、両ショルダ側のブロック4に発生する偏摩耗を抑制するもので、特に両ショルダ域のブロックに偏摩耗が発生し易い重荷重用タイヤ、特に小型トラックタイヤに好ましく適用される。
【0018】
【実施例】
タイヤサイズを195/85R16 114/112、トレッドパターンを図1とすることを共通にして、ショルダー側のブロック列4a、4eにおけるブロック4に形成するサイプ5のみを表1のように異ならせた従来タイヤ(従来例1、2)、本発明タイヤ(実施例1〜4)及び比較タイヤ(比較例1、2)をそれぞれ製作した。なお、各タイヤのブロック4に形成したサイプ5の形状は振幅1.2mm、波長4.0mmの波状と共通にした。また、従来例2のブロック4には図5(b)に示すように周方向にサイプ5cを形成した。
【0019】
これら8種類のタイヤについて、以下の方法により氷上制動性能及び耐偏摩耗性能の評価を行い、従来例1を100とする指数表示により表1に記載した。数値が大きいほど優れていることを示す。
〔氷上制動性能評価〕
各タイヤを2−D小型トラックタイプの車両に装着し、雪上路面上で制動速度40km/hのロック制動により制動距離を測定し、その結果に基づき評価した。
〔耐偏摩耗性能評価〕
各タイヤを2−D小型トラックタイプの車両に装着し、アスファルト路面上を正規荷重を負荷させた状態で3000km走行させた後、ヒール・アンド・トウ摩耗の発生量を測定し、その結果に基づき評価した。
【0020】
【表1】
この結果、本発明タイヤは従来例1及び2に比較して、氷上制動性能及び耐偏摩耗性能が高いレベルで両立していることがわかる。
【0021】
【発明の効果】
上述したように、本発明の冬用空気入りラジアルタイヤは、少なくとも両ショルダー側のブロック列のブロックに形成するサイプをタイヤ幅方向に長さの異なる長短二種類としたので、長サイプによる剛性低下とエッジ効果により氷上制動性能を確保すると共に、短サイプによりブロックの剛性の低下を防いで偏摩耗の発生を抑制し、高いレベルでの氷上制動性能と耐偏摩耗性能との両立を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冬用空気入りラジアルタイヤのトレッド面の一例を示す一部平面図である。
【図2】図1の枠Aにより囲んだショルダー側のブロックにおけるサイプの配置を説明するための平面図である。
【図3】(a)〜(d)はサイプの配置の他の例を示す図2に相当する図である。
【図4】本発明の冬用空気入りラジアルタイヤのトレッド面の他の例を示す一部平面図である。
【図5】(a)及び(b)は実施例において採用した従来タイヤのショルダー側のブロックのサイプの配置を示す平面図である。
【符号の説明】
1 トレッド面
2 縦溝
3 横溝
4 ブロック
5 サイプ
5a 長サイプ
5b 短サイプ
5aw 長サイプ長さ
5bw 短サイプ長さ
w ブロック幅[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a winter pneumatic radial tire, and more particularly to a winter pneumatic radial tire that achieves both on-ice braking performance and uneven wear resistance.
[0002]
[Prior art]
The winter pneumatic radial tire is provided with a plurality of longitudinal grooves extending in the tire circumferential direction and a plurality of lateral grooves extending in the tire width direction on the tread surface in order to ensure braking / driving performance on a snowy road surface. A tread pattern in which a plurality of block rows are partitioned by horizontal grooves is employed. Furthermore, in order to ensure braking / driving performance on the road surface on ice, a notch called sipe extending in the tire width direction is provided on the surface of each block, and the grounding property is improved by reducing the rigidity of the tread portion, and the capillary phenomenon and The edge effect by water film destruction is improved.
[0003]
However, the block whose rigidity has been reduced by sipe tends to cause uneven wear called so-called heel-and-toe wear, and this tendency is particularly prominent on the shoulder side where slippage increases.
[0004]
As a countermeasure, there is a proposal that the shape of the block array on the shoulder side is substantially a rib in which a large number of blocks are continuous in the circumferential direction via narrow grooves, and a wide-width lug groove is formed in the narrow groove (for example, a patent) Reference 1). However, this proposal suppresses uneven wear in the substantially rib-shaped part across the narrow groove, but suppresses heel-and-toe wear in the part partitioned in the circumferential direction by the wide lug groove. In addition, there is a problem in that the drive performance on the road surface on snow is sacrificed by making the block row substantially rib-like, and sufficient measures have not been taken.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-8-197913
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a winter pneumatic radial tire that solves the conventional problems and achieves both high braking performance on ice and uneven wear resistance at a high level.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a winter pneumatic radial tire according to the present invention is provided with a plurality of longitudinal grooves extending in the tire circumferential direction on a tread surface and a plurality of transverse grooves intersecting the longitudinal grooves. In the winter pneumatic radial tire in which a plurality of block rows in which a large number of blocks are arranged in the circumferential direction are formed by the lateral grooves, and each block is provided with one or more sipes extending in the tire width direction, the plurality of block rows The sipe formed in the blocks of the block rows on both shoulder sides is composed of two types of lengths of different lengths in the tire width direction, and the length of the sipe in the tire width direction is the width of the block in the tire width direction. long sipe against 45-70% as short sipes become 10-30%, and placing the length sipes on the tire center side of the block, the Characterized in that the sipes disposed in the grounding end side of the tire of the block.
[0008]
In this way, since the sipe formed in the blocks of the block rows on both shoulder sides is made into two types of long and short with different lengths in the tire width direction, while ensuring the braking performance on ice by the rigidity reduction and edge effect due to the long sipe, The short sipe prevents the rigidity of the block from being lowered and suppresses the occurrence of uneven wear, making it possible to achieve both on-ice braking performance and uneven wear resistance.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings. In each drawing, the same constituent elements are given the same reference numerals, and redundant description is omitted.
[0010]
FIG. 1 is a plan view showing an example of a tread surface of a winter pneumatic radial tire of the present invention. The tread surface 1 of the winter pneumatic radial tire is provided with a plurality of longitudinal grooves 2 extending in the tire circumferential direction T and a plurality of
[0011]
Of the
[0012]
As described above, the
[0013]
As long as the shape of the
[0014]
Further, in the present invention, the
[0015]
The positions of both ends of the
[0016]
FIG. 4 is a plan view showing another example of the tread surface 1 of the winter pneumatic radial tire of the present invention. In addition to the
[0017]
The winter pneumatic radial tire of the present invention described above ensures traction performance on the road surface on ice by dividing the
[0018]
【Example】
Conventionally, the tire size is 195 / 85R16 114/112, the tread pattern is the same as in FIG. 1, and only the
[0019]
These eight types of tires were evaluated for braking performance on ice and uneven wear resistance performance by the following methods, and are listed in Table 1 by index display with Conventional Example 1 being 100. The larger the value, the better.
[Evaluation of braking performance on ice]
Each tire was mounted on a 2-D small truck type vehicle, and the braking distance was measured by lock braking at a braking speed of 40 km / h on a snowy road surface.
[Evaluation of uneven wear resistance]
Each tire is mounted on a 2-D small truck type vehicle, and after running for 3000 km under a normal load on the asphalt road surface, the amount of heel and toe wear is measured, and based on the results. evaluated.
[0020]
[Table 1]
As a result, it can be seen that the tire of the present invention is compatible with the braking performance on ice and the uneven wear resistance at a high level as compared with the conventional examples 1 and 2.
[0021]
【The invention's effect】
As described above, in the pneumatic radial tire for winter of the present invention, the sipe formed at least in the blocks of the block rows on both shoulder sides is made of two types of long and short with different lengths in the tire width direction. In addition to ensuring on-ice braking performance by the edge effect, the short sipes prevent the block rigidity from decreasing and prevent uneven wear, making it possible to achieve both a high level of on-ice braking performance and uneven wear resistance. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial plan view showing an example of a tread surface of a winter pneumatic radial tire of the present invention.
2 is a plan view for explaining the arrangement of sipes in a shoulder block surrounded by a frame A in FIG. 1; FIG.
FIGS. 3A to 3D are views corresponding to FIG. 2 and showing another example of the arrangement of sipes.
FIG. 4 is a partial plan view showing another example of the tread surface of the winter pneumatic radial tire of the present invention.
FIGS. 5A and 5B are plan views showing the sipe arrangement of blocks on the shoulder side of the conventional tire employed in the examples. FIGS.
[Explanation of symbols]
1 Tread surface 2
Claims (4)
前記複数のブロック列のうち少なくとも両ショルダー側のブロック列のブロックに形成したサイプをタイヤ幅方向に長さの異なる長短二種類で構成すると共に、これらサイプのタイヤ幅方向の長さを前記ブロックのタイヤ幅方向の幅に対して長サイプが45〜70%、短サイプが10〜30%となるようにし、かつ前記長サイプを前記ブロックのタイヤ中央側に配置し、前記短サイプを前記ブロックのタイヤの接地端側に配置した冬用空気入りラジアルタイヤ。A plurality of vertical grooves extending in the tire circumferential direction and a plurality of horizontal grooves intersecting the vertical grooves are provided on the tread surface, and a plurality of block rows in which a large number of blocks are arranged in the circumferential direction are formed by the vertical grooves and the horizontal grooves. In addition, in the winter pneumatic radial tire provided with one or more sipes extending in the tire width direction in each block,
The sipe formed in at least the shoulder row block rows of the plurality of block rows is composed of two types of lengths of different lengths in the tire width direction, and the length of the sipes in the tire width direction of the block The long sipes are 45 to 70% and the short sipes are 10 to 30% of the width in the tire width direction , and the long sipes are arranged on the tire center side of the block, and the short sipes are arranged on the block side. A pneumatic radial tire for winter , placed on the grounded end of the tire.
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