JP4385186B2 - バイオエタノールの原料としてのオイルパーム材の利用 - Google Patents
バイオエタノールの原料としてのオイルパーム材の利用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4385186B2 JP4385186B2 JP2007288725A JP2007288725A JP4385186B2 JP 4385186 B2 JP4385186 B2 JP 4385186B2 JP 2007288725 A JP2007288725 A JP 2007288725A JP 2007288725 A JP2007288725 A JP 2007288725A JP 4385186 B2 JP4385186 B2 JP 4385186B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amylase
- wood
- sugar
- treatment
- hot water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/78—Recycling of wood or furniture waste
Description
再植林の際、大量の古木は、エクスカベイター(切削機)で押し倒し、樹幹の部分を厚さ10cm程度にスライスして農園内に放置されるか、又は焼却処分されている。
木質系バイオマスとしてヤシ科植物木材を用い;
(a) ヤシ科植物木材を圧搾して、圧搾液を生成する工程;
(b) ヤシ科植物木材又は圧搾粕を、アミラーゼ処理上有効な温度でアミラーゼ処理して、単糖を含む処理液を生成する工程;そして
(c) 圧搾液及び処理液を発酵処理して、エタノールを生成する工程
を含む、前記製造方法を提供する。
本発明において木質系バイオマス原料として用いられるのは、ヤシ科植物の木部(木材ということもある。)である。本明細書で「ヤシ科植物」というときは、特別な場合を除き、ヤシ目(Arecales)、ヤシ科(Arecaceae (Palmae))に属する植物をいい、これには、アブラヤシ属(Elaeis)、シュロ属(Trachycarpus)、ビロウ属(Livistona)、Washingtonia、ナツメヤシ属(Phoenix)、 ココヤシ属(Cocos)、トウ属(Calamus)、サゴヤシ属(Metroxylon)、属(Areca ビンロウ)、サトウヤシ属(Arenga)、ニッパヤシ属(Nypa)、ヤエヤマヤシ属(Satakentia)、ノヤシ属(Clinostigma)の植物が含まれる。アブラヤシ属の植物には、オイルパーム(アブラヤシということもある。)(Elais guineensis)、中南米の熱帯域原産のElais oleiferaが含まれる。
本発明は、ヤシ科植物木材を圧搾して、圧搾液を生成する工程を含む。
圧搾工程は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、サトウキビから糖液を搾る際に用いられる圧搾機を転用してもよい。
圧搾液は、必要に応じ、ろ過等の操作により固体を除いて、発酵処理工程に供してもよい。必要に応じ、圧搾液の濃縮を行ってもよい。
[酵素処理工程]
本発明は、ヤシ科植物木材又は圧搾粕を、アミラーゼ処理上有効な温度でアミラーゼ処理して、単糖を含む処理液を生成する工程を含む。
アミラーゼ処理は、水系溶媒中で行うことができ、水系溶媒としては、水を用いることができる。アミラーゼ処理の際、ヤシ科植物木材及び/又は圧搾粕と溶媒との比、及びアミラーゼの使用量は、当業者であれば適宜設定することができる。
アミラーゼは、他の酵素、例えばセルラーゼと、同時に又は順に、組み合わせて用いることもできる。
本明細書で「糖」というときは、特別な場合を除き、単糖(例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、アラビノース)、二糖(例えば、スクロース(ショ糖)、マルトース)、オリゴ糖、多糖(例えば、澱粉、セルロース、ヘミセルロース)を含む。糖は、通常、Cm(H2O)nの一般式で表わすことができる。本明細書で「単糖」というときは、特別な場合を除き、炭素数に制限はなく、三炭糖(トリオース)、四炭糖(テトロース)、五炭糖(ペントース)、六炭糖(ヘキソース)、七炭糖(ヘプトース)を含む。
本発明はさらに、圧搾液及び処理液を発酵処理して、エタノールを生成する工程を含む。本発明の方法における発酵処理工程においては、主として糖又は単糖が、微生物発酵によりエタノールに変換される。
発酵処理の際の、微生物の添加量、温度、pH、時間等の条件は、使用する微生物に応じ、適宜設定することができる。予備実験3のように、Zymomonas mobilisを用いる場合には、20〜40℃で、6〜72時間発酵することができる。また、発酵処理により得られた酵素処理液は、糖濃度が10〜30%(例えば20%)になるように、希釈調整して用いてもよい。酵素処理液は、必要に応じ、無機塩類を添加して用いてもよい。
生成したエタノールは、蒸留法、及び/又は膜分離処理法等により分離精製することができる。
本発明の製造方法により得られたエタノールは、燃料に添加することにより、エタノール含有燃料の生産に用いることができる。したがって、本発明はまた、本発明の製造方法で得られたエタノールを10%(v/v)以上の濃度となるように燃料に添加する工程を含む、エタノール含有燃料の製造方法も提供する。
本明細書で原料木材由来の成分含量に関し「脱脂木粉あたり」というときは、特別な場合を除き、脱脂された乾燥木材に対する割合を指す。
マレーシアで伐採直後のサンプルを入手し、直ちに乾燥後、飛行機で持ち帰った。帰国後すぐに凍結乾燥させ、木材分析を行った。
木粉約1 gを精秤し、あらかじめ重量を測定した秤量ビンに入れた。これを105±3 ℃の乾燥器中で2時間乾燥し、デシケーター中で放冷後秤量し、減少した重量から木粉の含水率を求めた。
脱脂木粉(上述の混合溶剤で還流した後の残りの部分。以下同じ。)約1 gを精秤し、あらかじめ重量を測定した秤量ビンに入れた。これを105±3 ℃の乾燥器中で2時間乾燥し、デシケーター中で放冷後秤量し、減少した重量から木粉の含水率を求めた。
脱脂木粉約1 gを精秤し、あらかじめ重量を測定した秤量ビンに入れた。これを105±3 ℃の乾燥器中で2時間乾燥し、デシケーター中で放冷後秤量し、減少した重量から木粉の含水率を求めた。
3)で得たろ液の紫外部の吸光度が、0.3〜0.7の範囲になるように3%硫酸水溶液で薄めて、205〜210 nm付近の最大吸光度を測定した。酸可溶性リグニン量を次式により求めた。
1 gのイノシトール(Wako)を精秤し、50 mlの水に溶かして4)で得たろ液に内部標準物質として1 ml加えた。これに水酸化バリウム(Wako)の飽和溶液を加えpH 5.5とした。遠心分離後上澄み25 ml取り、水素化ホウ素ナトリウム(Aldrich)を約80 mg加え1時間半放置後、酢酸を加えヒドリドイオンを取り除き、エバポレーターで溶媒を取り除いた。一級メタノール(Wako)10 mlを加えエバポレーター処理する作業を数回繰り返し乾固させた。デシケーター中に3時間以上放置しで完全に乾固させ、無水酢酸(Wako)7.5 mlに硫酸(Wako)0.5 mlを加え、60 ℃で1時間温めアセチル化した。これを70 mlの氷水に投入し、ジクロロメタン15 mlで2回、10 mlで1回それぞれ抽出した。さらに抽出したジクロロメタン(Wako)層に水10 mlを加え洗浄後、抽出し、硫酸アンモニウム(Wako)で脱水後、GC/MS分析した。
脱脂木粉約1 gを精秤し、あらかじめ重量を測定した秤量ビンに入れた。これを105±3 ℃の乾燥器中で2時間乾燥し、デシケーター中で放冷後秤量し、減少した重量から木粉の含水率を求めた。
1 gのイノシトール(Wako)を50 mlの水に溶かし、6)で得たろ液に内部標準物質として1 ml加えた。これに水酸化バリウム(Wako)の飽和溶液を加え、pH 5.5とした。遠心分離後上澄み25 ml取り、水素化ホウ素ナトリウム(Aldrich)を約80 mg加え1時間半放置後、酢酸を加えヒドリドイオンを取り除き、エバポレーターで溶媒を取り除いた。特級メタノール(Wako)10 mlを加えエバポレーター処理する作業を数回繰り返し乾固させた。デシケーター中に3時間以上放置しで完全に乾固させ、無水酢酸(Wako)7.5 mlに硫酸(Wako)0.5 mlを加え、60 ℃以下の条件で1時間温めアセチル化した。これを70 mlの氷水に投入し、特級ジクロロメタン(Wako)15 mlで2回、10 mlで1回それぞれ抽出した。さらに抽出したジクロロメタン層に水10 mlを加え洗浄後、抽出し、硫酸アンモニウム(Wako)で脱水後、GC/MS分析した。
結果を下表に示した。表1〜3に示した値は、アルコールベンゼン抽出物については木粉の絶乾重量に対する値、他の成分については脱脂木粉の絶乾重量に対する値である。
広葉樹:シラカンバ、2.1;ブナ、1.8;クヌギ、3.8;トチノキ、3.1%
(木材工業ハンドブック 丸善株式会社(2004)より)
さらに、材上部に含まれる糖の量は材ごとにバラつきはあるものの、熱水抽出物中の40〜80%、脱脂木粉中の15〜40%に達していた(図4A〜C)。また、この部位の熱水抽出物中の単糖の組成を調べたところ、80〜95%がエタノール合成に最も適したグルコースであり、通常の菌でエタノール発酵可能な六炭糖は95〜99%に達した(図5A〜C、図6A〜C)。なお、熱水抽出物中に含まれる糖以外の成分としては、タンパク質、可溶性フェノール成分などが考えられる。
また、オイルパーム材の上部や中央部ではリグニン含量が減少する傾向が観察され、6.5 m付近から上部では20%以下であり、少ない部位では9%程度まで下がっていた(表1〜3、図2、図3)。このリグニン含量は、現在エタノール発酵が実用化されているバガスの18%(前掲非特許文献4、及び木材学会誌 35, 1067-1072(1989)参照)と比較しても対等もしくは有利な値であり、簡単な処理(NaOH)により、セルラーゼによる糖化が可能であると考えられる。
3本の材を比較すると、熱水抽出物量、リグニン量共にばらつきが観察された。特に、2本目の材では熱水抽出物量が80%近くに達し、リグニン量が5%を切り、熱水抽出物中の糖含量が40%近くに達する部位が観察されたが、1本目の材では熱水抽出物量、熱水抽出物中の糖含量共にその半分程度しか存在しなかった。これは生育環境により化学組成が異なることを示していると考えられた。
〔予備実験2:オイルパーム材の分析(2)〕
マレーシアで生育した樹齢25年のオイルパームを入手し、下図左のように0.5 mから3 mごとに切断し、高さごとに4つの厚さ10cmの円盤を得た。それぞれを下図右のように幅5 cmに切断し、A〜C(下図中、Aは中心から7.5cmより外側に位置する部分、Bは2.5〜7.5cmの部分、Cは2.5cmより内側の部分である。)をウィーリーミルで破砕した。これを篩い分けして48〜100メッシュの木粉を得た。
結果及び考察
結果を下表及び図7〜9に示した。
〔予備実験3:エタノール生産量の推定〕
これまでの実験でオイルパーム材上部の熱水抽出物中には大量の糖が含まれていることが示された。そこで、これらの糖含量から推定されるエタノール生産量を算出した。
オイルパーム材上部(5〜9.5 m)の熱水抽出糖含量から推定されるエタノール生産量を以下に示す計算方法で算出した。
X = A×B×C
X : 重量当たりエタノール収量
A : 木粉に対する熱水抽出物中の糖含量
B : 発酵可能な糖の割合(0.95)
C : エタノール発酵における糖の変換効率(0.58)
Y = D×E×F×H
Y : 耕地面積当たりのエタノール収量
D : 材上部の材積(458,000cm3)
E : 平均密度 (0.4 g/cm3)
X : 重量当たりのエタノール収量
F : 植栽密度 (143本/ha)
ここで熱水抽出を仮定したのは、以下に示した材上部についてである。下記図中の斜線部分は、上記[化1]中のA〜Eに相当する。
結果を下表に示した。
実験1:材料の調製
オイルパーム材熱水抽出物からのエタノール発酵を目的として、熱水抽出、濃縮、糖化処理を行った。今回使用した材サンプルは、上図([化1])に示した4-Cの部分の材を使用した。
1.1 木粉の熱水抽出
脱脂木粉約2 gを精秤し、含水率から絶乾重量を求め、500 ml容三角フラスコに入れた。蒸留水を100 ml加え、シリコ栓で蓋をし、121 ℃で1時間オートクレーブ処理した。
1.1の溶液を、遠心分離(3,500 rpm、10 min)し、上清をあらかじめ重量を求めたガラス繊維濾紙を用いて吸引濾過し、沈殿物も一度水で洗い、濾過した。このときの残渣物を約105 ℃の乾燥機中で乾燥し、デシケーター中で放冷後秤量した。
2.の溶液をエバポレーターで約60℃、約80mmHgの条件で濃縮を行った。約40mlまで濃縮した。
下記の酵素液を使用した。
Kleistase T5 from Bacillus subtilis(液化酵素)5,500 AU/ml
Glucozyme from Rhizopus delemar(糖化酵素)4,200 AU/ml
1.3の濃縮液に0.2%(v/v)となるようにKleistase T5液を加え、95℃で3時間反応させた。次いで、pHを5.5に調整し、1.0%(v/v)となるようにGlucozymeを加え、55℃で24時間反応させた。
使用した脱脂木粉の全重量(絶乾重量)27.0 gに対し、得られた熱水抽出物量の全重量は14.5 gであった(脱脂木粉に対する割合:54%)。また、エタノール発酵に重要な六炭糖は、酵素処理前はほぼ0であったが、処理後は約9g/Lに増加した。
実験操作1で調製したサンプルについて、エタノール発酵試験を行った。
(実験方法)
下記の菌株を使用した。
Zymomonas mobilisNRRLB 14023(以下14023株)
-80℃で保存していた菌保存バイアルからYM培地に殖菌し、30℃、21時間培養してスターターを得た。スターターを下記の組成の培養用培地に加え、30℃、12時間培養することにより、前培養を行った。
結果を図10に示した。オイルパーム材由来糖質は、エタノール発酵が可能であると判断された。また、糖化処理サンプルでのエタノール収率とグルコース溶液(コントロール)のエタノール収率とがほぼ一致した。すなわち、オイルパーム材からの熱水抽出物中に含まれる糖以外の成分が、エタノール発酵において阻害的に作用する懸念はないものと判断された。
〔実施例1:酵素処理と圧搾法を併用した糖抽出法〕
実験方法
試料:マレーシアから入手したオイルパーム材No.3を用い、図1のように糖含量がほぼ同程度になるように、4個体木片(2×2×5cm)を7種類(1)〜(7))準備して(図11、表8)、下記の条件で糖の抽出実験を行った。
抽出液および圧搾液に、クライスターゼT10Sを添加(0.2%(v/v))し、85℃、100 rpmで3時間アミラーゼ処理を行った。その後濾過し、イノシトール溶液(1g/50ml)を30ml加えた。((1)については、イノシトー1ml。)3%硫酸溶液にして酸加水分解(121℃・1時間)を行い、飽和水酸化バリウム溶液で中和後上清に水素化ホウ素ナトリウム80mgを加えて糖を還元させた。エバポレーターで乾固、乾燥させた後無水酢酸15ml、濃硫酸1mlを加え60℃で1時間糖のアセチル化を行った。その後ジクロロメタンで分配抽出を行い、硫酸ナトリウムで脱水し、GCMS分析に供した。
木片を微粉化しオートクレーブ処理することにより、木粉から22%のグルコースが抽出された。ただ実際のプロセスにこの条件を適用するのは、多大のエネルギーを要することから現実的ではない。そこで、木片サンプルを圧搾処理することにより、パームオイル材からの糖の抽出が可能であるか検討した。条件(2)で5%、条件(3)で7%のグルコースが抽出されたが、条件(1)の23%、33%に過ぎない。そこで、酵素処理と組み合わせたところ、条件(7)で、木片絶乾当たり15%のグルコースが抽出され、この量は、条件(1)の70%に相当した。即ち、抽出工程において、酵素処理と圧搾処理を組み合わせることにより、多大のエネルギーを要する微粉化・オートクレーブ処理に相当する抽出効率が得られる可能性が示された。圧搾機の性能、特にロール間のクリアランスを調整することにより、さらに抽出効率の向上が期待できる。
〔実施例2:アミラーゼ処理条件に関する検討〕
実験方法
オイルパーム木粉約1 gに水25 mlを加え、下記の条件で酵素処理を行った。その後濾液を250 mlにメスアップして、グルクザイムAF6を500U加えて55℃で24時間振とう(100 rpm)後、さらに遠心分離(4℃・10000 rpm・10 min)後、上清中のグルコース濃度をバイオセンサBF5により測定した。
温度(50、60、70、80、90、100℃)
時間(15 min、30 min、1 hr、2 hr)
アミラーゼ量(500U、50U、5U)
アミラーゼの種類
ビオザイムF10SD(天野エンザイム社製、α‐アミラーゼ、至適温度55℃、1,445,298 U/g)・・・表10ではFと表す
グルクザイムAF6(天野エンザイム社製、グルコアミラーゼ、至適温度58℃、103,288 U/g)・・・表10ではAと表す
クライスターゼL1(大和化成社製、α‐アミラーゼ、至適温度70℃、42,753 U/ml)・・・表10ではLと表す
クライスターゼT10S(大和化成社製、α‐アミラーゼ、至適温度90℃、149,168 U/ml)
・・・表10ではTと表す
使用する酵素と抽出温度の組み合わせは下に示すとおりである。
木粉からのグルコース溶出量を表10にまとめて示した。
50〜60℃の温度範囲では、ビオザイムF10SDとグルクザイムAF6の組み合わせ処理、80〜100℃の温度範囲では、クライスターゼT10S処理が効果的であることが、明らかとなった。
Claims (10)
- 木質系バイオマスからエタノールを製造する方法において:
木質系バイオマスとしてヤシ科植物木材を用い;
(a) ヤシ科植物木材を圧搾して、圧搾液を生成する工程;
(b) ヤシ科植物木材又は圧搾粕を、アミラーゼ処理上有効な温度でアミラーゼ処理して、単糖を含む処理液を生成する工程;そして
(c) 圧搾液及び処理液を発酵処理して、エタノールを生成する工程
を含むがこのとき
ヤシ科植物木材が、オイルパームから得られたものであり、かつ熱水抽出可能な糖が脱脂木粉あたり15重量%以上含まれる、幹の高さ3.5 m以上の上部を含む、前記製造方法。 - ヤシ科植物木材が、熱水抽出可能な糖を構成する単糖の組成において、六炭糖が85重量%以上である部分を含む、請求項1に記載の方法。
- ヤシ科植物木材が、樹齢20年以上のオイルパームから得られたものであり、幹の高さ5 m以上の上部を含む、請求項1に記載の方法。
- ヤシ科植物木材が、樹齢20年以上のオイルパームから得られたものであり、幹の高さ6.5 m以上の上部を含む、請求項3に記載の方法。
- アミラーゼ処理が、耐熱性アミラーゼを用いるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- アミラーゼ処理が、α−アミラーゼ及びグルコアミラーゼを組み合わせて用いるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- アミラーゼ処理が、70℃〜100℃で行われるものである、請求項5に記載の方法。
- アミラーゼ処理が、40℃〜70℃で行われるものである、請求項6に記載の方法。
- 発酵処理が、ザイモモナス(Zymomonas)属細菌を用いるものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法でエタノールを得て、得られたエタノールを10%(v/v)以上の濃度となるように燃料に添加する工程を含む、エタノール含有燃料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007288725A JP4385186B2 (ja) | 2007-11-06 | 2007-11-06 | バイオエタノールの原料としてのオイルパーム材の利用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007288725A JP4385186B2 (ja) | 2007-11-06 | 2007-11-06 | バイオエタノールの原料としてのオイルパーム材の利用 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009112246A JP2009112246A (ja) | 2009-05-28 |
JP4385186B2 true JP4385186B2 (ja) | 2009-12-16 |
Family
ID=40780106
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007288725A Expired - Fee Related JP4385186B2 (ja) | 2007-11-06 | 2007-11-06 | バイオエタノールの原料としてのオイルパーム材の利用 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4385186B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016056353A1 (ja) * | 2014-10-10 | 2016-04-14 | 株式会社Ihi環境エンジニアリング | セルロース系バイオマスの搾汁方法及び気体燃料化方法 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4665257B1 (ja) * | 2009-10-15 | 2011-04-06 | 独立行政法人国際農林水産業研究センター | 搾汁方法、トランク用シュレッダ及び搾汁システム |
MY182172A (en) * | 2014-10-10 | 2021-01-18 | Ihi Corp | Fuel production method using wooden biomass |
WO2016063709A1 (ja) * | 2014-10-22 | 2016-04-28 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター | パーム幹の利用方法 |
JP6132120B2 (ja) * | 2016-02-09 | 2017-05-24 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター | パーム幹の利用方法 |
JP6281074B2 (ja) * | 2016-02-09 | 2018-02-21 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター | 吸水性素材の製造方法 |
JP7065390B2 (ja) * | 2017-11-14 | 2022-05-12 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 木質複合板の製造方法 |
-
2007
- 2007-11-06 JP JP2007288725A patent/JP4385186B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016056353A1 (ja) * | 2014-10-10 | 2016-04-14 | 株式会社Ihi環境エンジニアリング | セルロース系バイオマスの搾汁方法及び気体燃料化方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009112246A (ja) | 2009-05-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Zhao et al. | Bioconversion of industrial hemp biomass for bioethanol production: A review | |
AU2016213871B2 (en) | Methods for Converting Lignocellulosic Material to Useful Products | |
Diaz et al. | Evaluation of microwave-assisted pretreatment of lignocellulosic biomass immersed in alkaline glycerol for fermentable sugars production | |
JP4385186B2 (ja) | バイオエタノールの原料としてのオイルパーム材の利用 | |
JP6078060B2 (ja) | 発酵前のc5/c6糖放出を改善するためのバイオマスのコンディショニング | |
Santos et al. | Evaluation of lignins from side-streams generated in an olive tree pruning-based biorefinery: Bioethanol production and alkaline pulping | |
Vaithanomsat et al. | The potential of coconut husk utilization for bioethanol production | |
JP2007245096A (ja) | バイオマスから有用物質を製造する方法 | |
Ferro et al. | Bioethanol production from steam explosion pretreated and alkali extracted Cistus ladanifer (rockrose) | |
WO2014169079A2 (en) | Increased productivity during fermentation | |
JP6884695B2 (ja) | リグノセルロース系材料の加水分解方法 | |
Nutongkaew et al. | Bioconversion of oil palm trunk residues hydrolyzed by enzymes from newly isolated fungi and use for ethanol and acetic acid production under two-stage and simultaneous fermentation | |
Boboescu et al. | Ethanol production from residual lignocellulosic fibers generated through the steam treatment of whole sorghum biomass | |
Rahardjo et al. | Pretreatment of tropical lignocellulosic biomass for industrial biofuel production: a review | |
Gashaw | Bioethanol Production from Fruit Wastes and FactorsAffecting Its Fabrication | |
JP5701632B2 (ja) | 糖含有組成物 | |
WO2010067425A1 (ja) | バイオエタノールの原料としてのオイルパーム材の利用 | |
JP2008283932A (ja) | アブラヤシの樹幹を原料とするエタノールおよびディーゼル燃料の製造方法 | |
Shiroma et al. | Readily-milled fraction of wet sugarcane bagasse as an advanced feedstock for monosaccharide production via the RT-CaCCO process | |
Tinôco | Biotechnology Development of Bioethanol from Sweet Sorghum Bagasse | |
JP2011083238A (ja) | 樹皮原料から糖類を製造する方法 | |
JP2010136686A (ja) | 木質系バイオマスの糖化方法 | |
Nath et al. | Production of Bioethanol Using Waste Biomass | |
EP3134555A1 (en) | Method for mixed biomass hydrolysis | |
Peels | Journal of Bioprocessing & Biotechniques |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090306 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090722 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090723 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090812 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090910 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121009 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131009 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |