JP4383350B2 - 補強プロテーゼを造形するための中間複合部品 - Google Patents

補強プロテーゼを造形するための中間複合部品 Download PDF

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Description

本発明は、組織構造用の補強プロテーゼを形成するための中間複合部品に関する。
補強プロテーゼは、一般的に組織を支持する機能を果たし、身体の種々の部位に用いることができる。これらの補強プロテーゼは、一時的埋込み用に設計することができる。これらの場合、それらは吸収性材料からなっている。しかし、それらは、永久埋込み用に設計することもでき、この場合、例えば、非吸収性材料製の布地支持体からなる。
布地支持体は、接触させる組織の性質に無関係に、本質的に癒着誘発性かつ線維性である。この特性は、支持組織(筋肉、腱膜、筋膜等)に関して考慮するとき、実際に、結果の質に対する不可欠の先行条件である。これに対して、他のより脆弱な構造に関しては、瘢痕性炎症の初期に布地支持体が存在する場合、以前には腹膜外臓器では間質結合組織によってもたらされるような、ゆるい結合のみが存在し、また、腹膜内臓器では結合が存在しない状況下で、高密度の線維結合の形成が促進される。このような理由のため、布地支持体の多孔性は、しばしば術後癒着およびびらんの発生の原因である。
この問題を克服する1つの方法は、これらの癒着またはこれらのびらんの形成が望ましくないプロテーゼの表面を、好ましくは吸収性材料で被覆することにより、平滑にすることである。
例えば、体壁手術において、ヘルニアまたは内蔵脱出により損傷を受けた腹腔の壁を修復する目的で、補強プロテーゼを埋め込む。腹膜内の腹腔に埋め込む場合、したがって、補強プロテーゼは、好ましくは有効な外科的再建のための細胞定着を促進する壁の方向の表面と、内臓の方向の側では術後癒着の形成に有利でない平滑な面を有さなければならない。そのような場合、補強プロテーゼは、好ましくは、1つの面が術後癒着の形成を避けるために吸収性層または膜により表面が被覆され、他の面が支持される壁の緊密かつ早期の組織組み込みのために自由のままである、多孔性布地の形態である。WO99/06080は、そのようなプロテーゼを記載している。
他の例は、組織を支持するため、またはプロテーゼを修復するための外科的処置の例である。腹膜外組織と称する、これらの処置に関係する組織は、プロテーゼの両面と接触することができるので、特に、曝露されている。これらの組織は、例えば、膀胱、膣、子宮または直腸のような中空臓器、あるいは、尿道のような生物の自然管路である。食道、気管、血管、神経、腱および硬膜は、多孔性補強材をそれらに近接して用いる場合に保護することが必要である脆弱な構造の他の例を構成する。これらのような脆弱な組織については、最初の瘢痕性炎症の後の線維結合がびらんまたはフィステルにより悪化する可能性がある。この場合、瘢痕化の最初の段階中に、プロテーゼの両面を平滑な材料で被覆することによって、これらの周囲の脆弱な組織を保護することが必要である。
組織を支持またはプロテーゼを修復するための外科的処置は、これらの脆弱な組織(膀胱、膣、子宮または直腸)を支持すると同時に、解剖学的に安定な帯域にあるより強い組織にそれらを結合させることを含む。したがって、脆弱な組織と接触するプロテーゼの部分は、平滑な面を有さなければならず、一方、強く、より遠い組織と接触するプロテーゼの部分は、プロテーゼのより十分な固定を可能にするために多孔性であることが好ましい。これに関して、WO00/02031は、女性の尿失禁の治療のために設計され、中央部分が非吸収性疎水性シリコーンで被覆され、外側固定部分が編または不織格子であるプロテーゼを記載している。しかし、そのようなプロテーゼは、シリコーンの疎水性および非吸収性の性質のため、脆弱な構造を保護するのに特に望ましくない。
さらに、衛生上の理由のため、あるいは外科医の作業をより容易にするために、プロテーゼの部分のみを覆うことが望ましい。例えば、プロテーゼの部分を腹腔鏡下手術用連続フィルムで覆うことによって一時的に堅くすることが望ましい。
最後に、補強プロテーゼはまた、患者のサイズおよび内部の形態に適応させなければならない。
したがって、複数の病状および患者が存在するとき、多くの形状および種類が存在することは明らかである。しかし、手術中にプロテーゼをその場で完全に作ることはわずらわしく、実際に危険であると思われる。これは、莫大な時間を必要とし、手術に必要な麻酔の時間を延長させ、合併症のリスクを増加させると思われる。
WO99/06080 WO00/02031
したがって、ヘルニアまたは脱出症を手術している外科医に、彼が手術している患者の形態および病状に適応する補強プロテーゼを容易かつ迅速に切り取ることができる中間複合部品を提供することができるならば、都合がよいであろう。
したがって、本発明は、複合補強プロテーゼを形成するために設計され、
i)各々が非吸収性高分子材料の少なくとも1つの長繊維からなる糸の配列を含み、部品の1つまたは複数の自由縁部を画定する多孔性布地支持体と、
ii)前記布地支持体を覆い、その少なくとも1つの側において、保護帯域と称する帯域の表面にわたって延び、その各側において、前記自由縁部によって限定され、親水性吸収性材料を全く含まない布地支持体の2つの非保護帯域を作っている親水性吸水性材料とを含む、中間複合部品に関する。
本発明はまた、複合補強プロテーゼを得るための上のような中間複合部品の使用に関する。
本発明はさらに、
i)上記のような中間複合部品を得、
ii)組織組み込みの帯域の各側の少なくとも2つの組織付着帯域を複合部品において画定する切断線に沿って、この部品を切り取り、付着帯域をそれぞれ2つの保護されていない帯域から切り取り、組み込み帯域を保護帯域から切り取る、複合補強プロテーゼを得る方法に関する。
本発明により、外科医は、患者への手術中の病状を考慮に入れて、患者の形態に最もよく適応するプロテーゼを手術中に切り取ることができる。
本発明で用いる「多孔性布地」という用語は、隙間および/または体積の形の空間を有する布地支持体と理解すべきである。より詳細には、多孔性布地支持体は、ミクロ多孔性布地および/またはマクロ多孔性布地を定める糸の配列からなっている。
問題の糸の配列は、秩序正しく配列させた、例えば、適切な織り方に従って織った、または編んだ、あるいは無秩序に配列させた、例えば、織っていない絡み合わせである。本発明の好ましい実施形態において、糸の配列は編み構造を構成する。問題の各糸は、非吸収性高分子材料製の少なくとも1つの連続または不連続長繊維を含む。各糸は、例えば、吸収性高分子材料製の他の糸または長繊維を含むことができる。
「高分子材料」という用語は、例えば、重合または共重合により得られる合成または天然高分子を含む、単独または複合した形の材料と理解すべきである。本発明による非吸収性高分子は、ポリプロピレン、あるいはポリエチレンテレフタレート型のポリエステルであってよい。
ミクロ多孔性布地は、1つの糸と少なくとも1つの他の糸との接触部位における少なくとも2つの糸の間にある少なくとも隙間を含む。少なくとも1つの糸が互いに結合している、または結合していない、いくつかの長繊維を含む場合、ミクロ多孔性布地はさらに同じ糸の長繊維の間の隙間を含む。
したがって、布地支持体のミクロ多孔性は、i)同じ糸内の、もしあるならば、少なくとも2つの間にある隙間、およびii)1つの糸と少なくとも1つの他の糸との接触部位における少なくとも2つの糸の間にある隙間とを合わせたものと定義することができる。
マクロ多孔性布地またはマクロ多孔性は、表面Sが少なくとも2つの糸の間のそれらの接触の部位から離れた空間により定められ、高さHが布地支持体の厚さにより定められる体積を含む。本発明によれば、布地支持体は、2次元構造を構成し、好ましくはその厚さがそれを構成する糸の平均直径の5倍以下のとき、平らであるとみなされる。これにより、2次元マクロ多孔性または2次元マクロ多孔性布地が得られる。布地支持体が3次元構造を構成する場合、好ましくは布地支持体の厚さが支持体を構成する糸の平均直径の5倍を厳密に超えるとき、これにより、3次元マクロ多孔性または3次元マクロ多孔性布地が得られる。
本発明の好ましい実施形態において、布地支持体は2次元構造を構成する。
布地支持体は、手術に一般的に使用される非吸収性高分子材料製である。この非吸収性高分子材料は、好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリアミドおよび/またはそれらの混合物から選択される。本発明の好ましい実施形態において、この高分子材料はポリプロピレンである。本発明に適するポリプロピレンベースの布地支持体は、Sofradimにより商標名Parietene(登録商標)で販売されている製品、Ethiconにより商標名Prolene(登録商標)で販売されている製品またはBardにより商標名Marlex(登録商標)で販売されている製品である。
本発明による親水性の吸収性材料は、コラーゲン、多糖類およびそれらの混合物により構成される群から選択される。本発明により用いることができるコラーゲンのうち、以下のものを挙げることができる。
1)らせん構造が熱により、加水分解による分解を伴うことなく、少なくとも部分的に変性されており、その調製方法がWO99/06080に記載されているコラーゲン、
2)非加熱で、グリセリンを用い、または用いずに、ガンマ線照射により、または化学的もしくは物理的な他の手段により架橋されたフィルムに形成される、天然コラーゲン、
3)および/またはそれらの混合物。
本発明による吸収性親水性材料として用いることができる多糖類のうち、酸化セルロース、ヒアルロン酸、デンプン、キトサン、架橋デキストランおよび/またはそれらの混合物を挙げることができる。これらの材料はすべて当業者によく知られている。本発明に適する酸化セルロースの例は、Ethiconにより商標名Interceed(登録商標)で販売されている製品である。本発明に適するヒアルロン酸の例は、Fidia Advanced Biopolymersにより商標名Hyalobarrier(登録商標)で販売されている製品、またはGenzymeにより商標名Seprafilm(登録商標)で販売されている製品である。
親水性吸収性材料は、その側の1つまたはその側の両方において布地支持体を覆う。本発明によれば、「保護帯域」は、親水性吸収性材料により覆われている布地支持体の帯域と定義される。
吸収性材料は、
結合および/または部分的含浸により、あるいはミクロ多孔を閉塞するコーティングにより、布地支持体に連結されている膜により布地支持体を覆うことができる。コーティングは、適切な場合、さらに閉塞帯域と呼ばれている帯域上の布地支持体のマクロ多孔を閉塞してもよい。
吸収性材料が膜により布地支持体を覆っている場合、膜は、好ましくは布地支持体の少なくとも表面に、より好ましくは、布地支持体を構成する糸の毛細管吸収によってある厚さにわたり結合している。吸収性材料の膜は、連続的、平滑かつ無孔性であることが好ましい。それは、数mmまでの厚さを有する平坦な層を形成することができる。
本発明による複合部品は、ゲル形成と乾燥の後に膜を形成する吸収性材料の溶液の層を、覆うべき布地支持体の側に塗布することによって得ることができる。他の方法は、吸収性材料の溶液の第1の層を皿中で調製することである。この第1の層が冷却し、ゲルを形成した後、同じ溶液の第2の層をその表面にのせる。次いで、覆うべき布地支持体の側のその部分を、この第2の層の乾燥中に固着が起こるようにゲル形成の前に第2の層にのせる。数mmまでにすることができる厚さを有する平らな膜がそのようにして得られる。布地支持体の両側を覆う場合、支持体の他の側について同じ操作を繰り返す。
中間複合部品は、好ましくはステンシルまたは保護マスクを用いて、布地支持体のすべてまたは一部に親水性吸収性材料の溶液を噴霧することによっても調製することができる。噴霧は、布地の第1の面に行うことができる。布地の表面上に形成したゲルを15分から2時間熟成させた後に、溶液を他の面上に噴霧することができる。第2の噴霧操作の後に、配列全体を滅菌空気流のもとで乾燥させる。熟成後、配列全体を酸化エチレンを用いて滅菌する。
被覆がコーティングである場合、親水性吸収性材料は、ミクロ多孔性構造、言い換えれば、支持体の少なくともミクロ多孔を閉塞するが、布地支持体の少なくとも1つの面を覆う厚い層または膜を形成せずに、糸の配列を包み、浸透する膜を形成することにより布地支持体の保護帯域をコートする。フィルムは、少なくとも各糸を直接的または間接的に完全にコートして、コーティングを形成する。さらに、支持体の各糸が単一長繊維により形成されている場合、吸収性フィルムは、1つの糸と少なくとも1つの他の糸との接触部位における少なくとも2つの間にあるすべての隙間を満たし、次いで、閉塞する。少なくとも1つの糸が、互いに結合または結合していない数本の長繊維を含む場合、フィルムは、同じ糸のフィラメントの間のすべての隙間を満たし、同様に閉塞させる。
本発明の好ましい実施形態において、上のパラグラフに記載した布地支持体を覆うフィルムは、不連続であり、布地支持体のマクロ多孔性組織を保存する。フィルムは、各糸を覆い、マクロ多孔を定める体積を空いたままにする。したがって、補強は、速やかな機械的固定と即時の細胞再定着のための顕著なマクロ多孔性を保存する。不連続フィルムを有するそのようなコーティングは、補強材を一時的に堅くし、外科医によるその取扱いを容易にすることも可能にしている。この後者の特性は、特に腹腔鏡手術において特に有利である。
吸収性材料のフィルムは、好ましくは500μm以下、より好ましくは10〜100μmの範囲の厚さを有する。
本発明の他の実施形態において、フィルムは、保護帯域の部分にわたる布地支持体のマクロ多孔も閉塞させることができる。本発明によれば、「閉塞帯域」は、マクロ多孔が閉塞されている保護帯域の一部と定義される。この閉塞帯域においては、フィルムはマクロ多孔性を画定する2次元または3次元体積を満たし、閉塞している。したがってそれは連続している。
被覆がコーティングである場合、本発明による中間複合部品は、以下の段階を含む方法により調製することができる。
i)液体または液体状の親水性吸収性材料の溶液を調製する、
ii)覆うべき布地支持体の部分をこの溶液に浸漬する、
iii)溶液を含浸させた布地支持体の部分を取り出し、乾燥する。
親水性吸収性材料の溶液は、マクロ多孔性を閉塞するために布地支持体に含浸するように十分に液体状でなければならない。この溶液は、50℃以下の温度に加熱することができる。この含浸段階を促進するために、溶液Aは、好ましくは1000センチポアズ以下、より好ましくは50〜200センチポアズの粘度を有し、この粘度はCONTRAVES-TV粘度計で、例えば、50℃未満の選択される温度で測定する。被覆することを意図しない布地支持体の部分は、浸漬段階中保護膜で覆うことができる。被覆帯域が布地支持体の中央帯である場合、支持体を事前にU形に折り曲げることもできる。被覆する部分はUの水平部分であり、側方部分(Uの垂直部分)を保存しながら被覆する部分を吸収性材料の溶液に浸漬することができる。
本発明の好ましい実施形態において、中間複合部品は矩形部品の形態であり、保護または閉塞帯域はこの部品の中央帯である。
本発明により、開業医は中間複合部品から適切な形状の帯を切り取ることによって補強プロテーゼを自由に形成し、脆弱な組織構造に対して保護または閉塞帯域により、非侵襲性の支持と脆弱な構造から離れた非保護帯域における速やかな固定を得るような方法でそれらを配置することができる。
そのようなプロテーゼは、糸の自由縁部における間質結合組織、筋膜および腱膜の後退による、埋込み直後の有効な懸垂を可能にする直接付着用帯域、布地支持体の非保護部分における安定な機械的固定用の比較的線維性の帯域、および補強材中央の保護または閉塞帯域における非侵襲性かつ最小限に線維性の一体化帯域を有する。
補強プロテーゼは、以下の方法により本発明による中間複合部品から形成させることができる。
i)上記のような中間複合部品を得る、
ii)複合部品を組織支持の帯域の各側の少なくとも2つの組織付着帯域におけるこの部品に定められている切断線に沿って切り取り、付着帯域をそれぞれ2つの保護されていない帯域から切り取り、組織支持帯域を保護帯域から切り取る。
本発明の好ましい実施形態において、切断線は直線的な平行縁部を有する条片を画定する。本発明の他の実施形態において、切断線はアーチ形に湾曲した平行縁部を有する条片を画定する。本発明の他の実施形態において、切断線は、大きい表面で脱出した構造を支持するために中央部でふくれていて、固定用懸垂条片を構成するために末端で狭くなっている非平行縁部を有する条片を画定する。これらの条片は適合可能な幅および長さを有している。
本発明は、以下の図を参照することによってより十分に理解されるであろう。
図1を参照すると、ここでは中央帯の形のその中央部4が吸収性材料3により保護されている布地支持体2を含む矩形の中間複合部品1を示す。この吸収性材料は、フィルムまたは膜として部分4を覆うことができる。それらの自由縁部7により制限されている布地支持体2の部分5および6は、吸収性材料を全く含まない。
図2は、プロテーゼをそれに沿って切り取ることができる切り取り線を示す、図1による部品を示す。したがって、保護中央帯9および吸収性材料を含まない2つの側方部分10を有する、平行縁部を有する条片8を切り取ることが可能である。切り取ったならば、条片8は、側方部分10が安定な機械的固定のための比較的線維性の組織付着帯域を定め、一方、中央部分9は線維性が最小限で、非侵襲性の組織支持の帯域を定める、複合補強プロテーゼを構成する。自由縁部11は、埋込みの瞬間からの有効な懸垂を可能にする直接の付着の帯域を定める。部品1から、中央の保護帯13および吸収性材料を含まない2つの側方部分14を有するアーチ状に湾曲した平行縁部を有する条片12を切り取ることも可能である。切り取ったならば、条片12は、側方部分14が比較的線維性の組織付着帯域を定め、一方、中央部分13は線維性が最小限で、非侵襲性の組織支持の帯域を定める、複合補強プロテーゼを構成する。自由縁部15は、直接付着の帯域を定める。部品1から、保護され、ふくれている中央部分17およびより狭く、吸収性材料を含まない2つの側方部分18を有する、非平行縁部を有する条片16を切り取ることも可能である。切り取ったならば、条片16は、より狭い側方部分18が比較的線維性の組織付着帯域を定め、一方、ふくれている中央部分17は線維性が最小限で、非侵襲性の組織支持の帯域を定める、複合補強プロテーゼを構成する。自由縁部19は、直接付着の帯域を定める。
矩形で、寸法が25×20cm2の布地支持体を調製する。
酸化的切断および加熱により修飾したコラーゲン、ポリエチレングリコールおよびグリセリンを含む溶液を調製する。コラーゲン、ポリエチレングリコールおよびグリセリンの重量濃度は、好ましくは、コラーゲンについては約2〜9%、ポリエチレングリコールについては約0.6〜3%、グリセリンについては約0.3〜1.2%である。
この溶液は、50〜200センチポアズの粘度を有する。布地支持体の中央帯(幅6cm)をこの溶液に浸漬し、次いで、それを引きあげ、30分間放置してゲルにする。この操作を0.133g/cm2の密度のフィルムを得るのに必要な回数繰り返す。
幅が6cmの中央帯が本発明による閉塞帯域で、側方部分が吸収性材料を全く含まない中間複合部品が得られる。
この部品から、平行縁部を有し、寸法が20×4cm2の条片を幅方向に切り取って、寸法が6×4cm2の中央部分が閉塞部であり、各々寸法が7×4cm2の側方部分が比較的線維性の保護されていない部分である複合補強プロテーゼを得る。
実施例1に記載したのと同じ布地支持体と同じ溶液から出発して、溶液を保護すべき布地支持体の中央帯に噴霧する。噴霧は、布地の1つの面に行う。布地の表面に形成されたゲルの15分から2時間の熟成後に、他の面に溶液を噴霧する。2回目の噴霧後に、配列全体を滅菌空気流のもとで乾燥させる。0.133g/cm2の最終密度を有するフィルムを得るのに必要な量の溶液を噴霧する。熟成後、配列全体を酸化エチレンで滅菌する。
幅が6cmの中央帯が本発明による閉塞帯域で、側方部分が吸収性材料を全く含まない中間複合部品が得られる。
この部品から寸法が20×4cm2の条片を幅方向に切り取って、寸法が6×4cm2の中央部分が閉塞部であり、各々寸法が7×4cm2の側方部分が比較的線維性の保護されていない部分である複合補強プロテーゼを得る。
矩形であり、かつ、その保護帯域が中央帯の形状をしている、本発明による中間複合部品を示す平面図である。 本発明による中間複合部品と、切り取ることができるプロテーゼの形状とを示す平面図である。
符号の説明
1 中間複合部品
2 多孔性布地支持体
3 親水性吸収性材料
4 保護帯域
5 非保護帯域
6 非保護帯域
7 自由縁部
8 直線的な平行縁部を有する条片
9 保護中央帯域
10 吸収性材料を含まない側方部
11 直接付着帯域を定めている自由縁部
12 アーチ状に湾曲した平行縁部を有する条片
13 保護中央帯域
14 吸収性材料を含まない側方部
15 直接付着帯域を定めている自由縁部
16 非平行縁部を有する条片
17 ふくれた形状の保護中央帯域
18 吸収性材料を含まない、より狭い側方部
19 直接付着帯域を定めている自由縁部

Claims (17)

  1. 複合補強プロテーゼを形成するために設計された中間複合部品(1)であって、
    i)各糸が非吸収性高分子材料の少なくとも1つの長繊維からなる糸の配列を含み、部品の1つまたは複数の自由縁部(7)を画定する多孔性布地支持体(2)と、
    ii)前記布地支持体を覆い、その少なくとも1つの側において、保護帯域(4)と称する帯域の表面にわたって延び、その各側において、前記自由縁部によって限定され、親水性吸収性材料を全く含まない布地支持体の2つの非保護帯域を作っている前記親水性吸収性材料(3)とを含む
    中間複合部品(1)。
  2. 糸の配列が編み構造を構成している請求項1に記載の部品。
  3. 前記布地支持体(2)が2次元構造を構成している請求項1または2に記載の部品。
  4. 前記非吸収性材料が、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドおよび/またはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の部品。
  5. 前記吸収性材料(3)が、コラーゲン、多糖類およびそれらの混合物により構成される群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の部品。
  6. 前記吸収性材料(3)が、その両側の前記布地支持体(2)を覆っている請求項1から5のいずれか一項に記載の部品。
  7. 前記吸収性材料(3)が、結合および/または部分的含浸により前記布地支持体に連結されている膜によって前記布地支持体(2)を覆っている請求項1または2に記載の部品。
  8. 前記布地支持体(2)が、ミクロ多孔およびマクロ多孔を画定する請求項1または2に記載の部品。
  9. 前記吸収性材料(3)が、前記布地支持体の前記ミクロ多孔を閉塞するコーティングによって布地支持体(2)を覆っている請求項8に記載の部品。
  10. 前記コーティングが、閉塞帯域と称する帯域において、前記布地支持体(2)の前記マクロ多孔も閉塞している請求項9に記載の部品。
  11. 前記部品が矩形であり、前記保護帯域(4)が前記部品の中央帯である、請求項1から10のいずれか一項に記載の部品。
  12. 前記部品が矩形であり、前記閉塞帯域が前記部品の中央帯である、請求項10に記載の部品。
  13. 複合補強プロテーゼを得るための請求項1から12までのいずれか一項に記載の部品。
  14. i)請求項1から12までのいずれか一項に記載の中間複合部品(1)を得る工程、及び
    ii)組織支持体の帯域(9、13、17)の各側の少なくとも2つの組織付着帯域(10、14、18)を複合部品(1)において画定する切断線に沿って、この部品を切り取り、前記付着帯域をそれぞれ2つの保護されていない帯域(5、6)から切り取り、組織支持体帯域を保護帯域(4)から切り取る工程、
    によって得られる、複合補強プロテーゼ。
  15. 前記切断線が、直線的な平行縁部を有する条片(8)を画定する請求項14に記載のプロテーゼ。
  16. 前記切断線が、アーチ形に湾曲した平行縁部を有する条片(12)を画定する請求項14に記載のプロテーゼ。
  17. 前記切断線が、中央部でふくれていて、末端で狭くなっている非平行縁部を有する条片(16)を画定する請求項14に記載のプロテーゼ。
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