JP4382686B2 - 洗濯機の仕上げ剤投入装置 - Google Patents

Description

本発明は、洗濯機や洗濯乾燥機等に備えられる仕上げ剤投入装置の改良に関する。

洗濯機や洗濯乾燥機等に備えられる仕上げ剤投入装置は、例えば、特開２００２−３６０９８４（特許文献１）に示されている。

仕上げ剤投入装置は、サイフォンが備わる仕上げ剤貯留槽と、仕上げ剤貯留槽の給水する仕上げ剤用給水手段を有する。そして、最終すすぎの給水が行なわれる際に仕上げ剤用給水手段より仕上げ剤貯留槽に給水し、サイフォン作用を働かして仕上げ剤が洗濯槽内に投入するようにしている。

特開２００２−３６０９８４公報

投入ケースの仕上げ剤貯留槽に入れる仕上げ剤の量は、通常、計量して入れるので過不足なく入れられる。

しかし、仕上げ剤貯留槽に仕上げ剤を誤って多く入れてしまうと、サイフォン作用が働いて仕上げ剤が洗濯槽に投入されてしまう。このため、最終すすぎを待たずに、洗濯工程で仕上げ剤が使われるので、仕上げ剤の無駄になる。また、洗剤と仕上げ剤が洗濯工程で一緒に使われるので、洗剤の陰イオン界面活性剤と仕上げ剤の陽イオン界面活性剤が混合され洗剤の化学作用が失われ、洗浄力の低下や仕上げ剤の柔軟効果が低下する。

本発明は、上記の問題に鑑み、仕上げ剤を誤って多く入れてもサイフォン作用の誤動作を未然に防止でき、洗浄性能の低下を解消することができる洗濯機を提供することを目的とする。

本発明は、仕上げ剤貯留槽と、サイフォンが備わる仕上げ剤貯留槽と、前記仕上げ剤貯留槽を形成する槽壁とを有し、前記サイフォンは、前記仕上げ剤貯留槽内に立つサイフォン管と、前記サイフォン管に被さるサイフォンキャップとを有する仕上げ剤投入装置において、前記槽壁は仕上げ剤を溢水する溢水口を有し、前記溢水口の底部側が前記サイフォン管の上端よりも低いことを特徴とする。

本発明によれば、仕上げ剤を誤って多く入れてもサイフォン作用の誤動作を未然に防止でき、洗浄性能の低下を解消することができる。

以下、本発明の実施形態に係わる実施例について、図を引用して説明する。

まず、図１、図２、図３に沿って、洗濯機の概要から説明する。

図１、図２、図３に示すように、洗濯機の本体外枠１は、内部に洗濯槽を有する。
洗濯槽に洗濯物を出し入れする外蓋２は、本体外枠１に開閉自在に設けられている。

本体外枠１の上部のトップカバー３は、洗濯物を出し入れする衣類投入口４を有する。

仕上げ剤投入装置は、外蓋２の衣類投入口４の奥側に備えられる。仕上げ剤投入装置の投入ケース５は、トップカバー３に出し入れ自在に備えられる。
図２は、投入ケース５をトップカバー３内に収納した状態を示す。図３は、投入ケース５はトップカバー３から引き出した状態を示す。

仕上げ剤（ソフナー）は、トップカバー３から引き出された投入ケース５に投入する。トップカバー３がトップカバー３内に収納した状態で洗濯機の運転は行なわれる。

図４、図５に示すように、仕上げ剤投入装置は、投入ケース５の上側に仕上げ剤用給水手段としての給水口６を有する。給水口６は、給水を止めたり、出したりする給水弁７を介して水道路に連通している。

さらに仕上げ剤投入装置は、投入ケース５から流れ出た仕上げ剤を洗濯槽に導く流出路ケース８を有する。この流出路ケース８は、投入ケース５を載置する載置台をも兼ねている。この流出路ケース８に載置されたままで、投入ケース５は出し入れが行なわれる。

流出路ケース８は、流出口部９に流出管１０を接続し、流れ出る仕上げ剤を洗濯槽に導く。

投入ケース５は、サイフォン１０が備わる仕上げ剤貯留槽１１と、仕上げ剤貯留槽１１に隣接する流出部１２と、仕切り壁を兼ねた槽壁１３を有する。仕上げ剤貯留槽１１は、槽壁１３と投入ケース５の槽壁とで形成される。流出部１２は、底に流出口１４を有する。

サイフォン１０は、サイフォン管１５と、サイフォン管１５に被さるサイフォンキャップ１６を有する。サイフォン管１４は上下に抜ける内側貫通路１７を有する。

サイフォン１０は、サイフォンキャップ１６の下端と仕上げ剤貯留槽１１の内底面との間に隙間通路ａ、サイフォンキャップ１６の内周とサイフォン管１５の外周との間に隙間通路ｂを有する。この隙間通路ａ、ｂを介してサイフォンキャップ１５の外側とサイフォン管１４の内側貫通路１７に連通している。

槽壁１３は、仕上げ剤が溢れ出る溢水口１８を有する。溢水口１８の高さＨ２，サイフ
ォン管１４の高さＨ１，槽壁１３の高さＨ３は、次のような関係になっている。Ｈ１は、
Ｈ２よりも高く。Ｈ３は、Ｈ１よりも高くしている。つまり、槽壁１３の上端の高さが、
一番高く、溢水口１８の低部がサイフォン管１４の上端よりも低くなっている。

なお、仕上げ剤の入れる量は、通常、洗濯量が８ｋｇの場合で約４０ｍＬである。多少の余裕をもって、投入ケース５は容積を４５ｍＬに設計されている。

また図５において、槽壁１３の一部に設けられた溢水口１８は、槽壁１３の最高高さＨ３よりｈの高さ分の切り欠きをもって、その上部の切り欠き幅Ｗ１と下端部はＷ２の幅から構成されている。

水の粘性は約０．５〜１．５ＣＰ程度であるのに対し、仕上げ剤の粘性は約５０〜６０ＣＰ位であり、水の粘性に対し仕上げ剤は５０〜６０倍となっているのが一般的である。

このため、切り欠きの幅Ｗ１よりＷ２の幅を広くして、最初に投入される粘性の高い仕上げ剤が規定量より多く投入された場合、溢水口１８より流出し易い構成としている。

一般に仕上げ剤を入れるときは粘度が高いので最初に容器を傾け過ぎる傾向があり、途中で修正されるので量のコントロールが遅れ気味になるので、この間の量を一時的に流れやすくするため下側を広くしている。これにより、仕上げ剤の量が多くてもサイフォンが動作しなくなる。

また、最終すすぎ時に給水口６から水を仕上げ剤貯留槽１１内へ注水して仕上げ剤を希釈しながら、サイフォンキャップ１６の高さ、すなわちサイフォン管１５の高さＨ１以上になるまで注水されると、サイフォンの原理で仕上げ剤と混合された水がサイフォン管１５より流出される。

また、仕上げ剤を洗濯槽内に供給するときは多量の水により仕上げ剤が薄められるが水の粘性は０．５〜１．５ＣＰで仕上げ剤の粘性は５０〜６０ＣＰのため混合されて粘性が低くなるためには若干時間がかかるので、溢水口１８から流出しやすくなるため、溢水口１８の上部切り欠き幅Ｗ１はＷ２の幅より狭くすることにより粘度の高い仕上げ剤が流出しやすくしている。

次に仕上げ剤投入装置の動作について説明する。

洗濯機を運転させる前に、仕上げ剤を投入ケース５に入れて洗濯機を運転させる。

洗濯運転が進行し、最終すすぎの給水が行なわれる際に仕上げ剤が洗濯槽内に投入される。

すなわち、仕上げ剤が入っている投入ケース５に給水口６より給水が注がれると、図７に示すように仕上げ剤の水位が上昇する（Ｈ２よりも上昇する）。このため、溢水口１８より仕上げ剤は溢れ出るが、給水口６からの給水量が２〜５Ｌ／分であるので、仕上げ剤の水位（液面高さ）は上昇してサイフォン管１５の高さＨ１を越えと、仕上げ剤がサイフォン管１５の内側貫通路１７を流れ出す。

給水口６の給水量が止められた後も、サイフォン作用により、仕上げ剤の流出は継続し、投入ケース５内の仕上げ剤が残らず洗濯槽に投入され、仕上げ剤の投入を伴う洗濯が行なわれる。

さて、投入ケース５の仕上げ剤貯留槽１１に入れる仕上げ剤の量は、通常、計量して入れるので過不足なく入れられるが、誤って多く入れてしまうことがある。

しかし、誤って仕上げ剤を仕上げ剤貯留槽１１に多く入れても、図６に示すように、溢水口１８の低部がサイフォン管１４の上端よりも低くなっているので、仕上げ剤がサイフォン管１５の上端を越えて内側貫通路１７から流れ出る前に溢水口１８から流れ出る。これにより、誤って多く入れも、仕上げ剤を全部流しまうサイフォン作用の誤動作を未然に防止でき、洗浄性能の低下を解消することができる。

図８、図９は、他の実施例を示すもので、投入ケース５０に仕上げ剤貯留槽１１０と、洗剤貯留槽１２０を併せて設けたところが先の実施例との違う。他は先の実施例と共通である。

本発明の実施例に係わるもので、洗濯機を上から見た斜視図。 本発明の実施例に係わるもので、外蓋を開いた洗濯機を上から見た斜視図。 本発明の実施例に係わるもので、仕上げ剤投入装置の仕上げ剤投入部を引き出したところを上から見た斜視図。 本発明の実施例に係わるもので、仕上げ剤投入装置の縦断面図。 本発明の実施例に係わるもので、仕上げ剤投入装置を上から見た斜視図。 本発明の実施例に係わるもので、仕上げ剤が溢れ出るところを示す図。 本発明の実施例に係わるもので、仕上げ剤がサイフォン管から流れ出るところを示す図。 本発明の他の実施例に係わるもので、外蓋を開いた洗濯機を上から見た斜視図。 本発明の他の実施例に係わるもので、仕上げ剤投入装置の仕上げ剤投入部を引き出したところを上から見た斜視図。

符号の説明

１…洗濯機の本体外枠、２…外蓋、３…トップカバー、４…衣類投入口、５…投入ケース、６…給水口、７…給水弁、８…流出路ケース、９…流出口部、１０…サイフォン、１１…仕上げ剤貯留槽、１２…流出部、１３…槽壁、１４…流出口、１５…サイフォン管、１６…サイフォンキャップ、１７…内側貫通路、ａ…隙間通路、ｂ…隙間通路、１８…溢水口、２０…流出管、Ｈ２…溢水口の高さ、Ｈ１…サイフォン管の高さ、Ｈ３…槽壁の高さ。

Claims (4)

1. 仕上げ剤貯留槽と、
   サイフォンが備わる仕上げ剤貯留槽と、前記仕上げ剤貯留槽を形成する槽壁とを有し、前記サイフォンは、前記仕上げ剤貯留槽内に立つサイフォン管と、前記サイフォン管に被さるサイフォンキャップとを有する仕上げ剤投入装置において、
   前記槽壁は仕上げ剤を溢水する溢水口を有し、
   前記溢水口の底部側が前記サイフォン管の上端よりも低いことを特徴とする仕上げ剤投入装置。
2. サイフォンが備わる仕上げ剤貯留槽と、洗剤を貯留する洗剤貯留槽と、前記仕上げ剤貯
   留槽を形成する槽壁とを有し、前記サイフォンは、前記仕上げ剤貯留槽内に立つサイフォン管と、前記サイフォン管に被さるサイフォンキャップとを有する仕上げ剤投入装置において、
   前記槽壁は仕上げ剤を溢水する溢水口を有し、
   前記溢水口の底部側が前記サイフォン管の上端よりも低いことを特徴とする仕上げ剤投入装置。
3. サイフォンが備わる仕上げ剤貯留槽と、洗剤を貯留する洗剤貯留槽と、前記仕上げ剤貯
   留槽と前記洗剤貯留槽との仕切りを兼ねた槽壁とを有し、前記サイフォンは、前記仕上げ剤貯留槽内に立つサイフォン管と、前記サイフォン管に被さるサイフォンキャップとを有する仕上げ剤投入装置において、
   前記槽壁は仕上げ剤を溢水する溢水口を有し、
   前記溢水口の底部側が前記サイフォン管の上端よりも低いことを特徴とする仕上げ剤投入装置。
4. 請求項１〜３のいずれかに記載された仕上げ剤洗剤投入装置において、
   前記仕上げ剤貯留槽に水を注ぐ仕上げ剤用給水手段を有することを特徴とする仕上げ剤投入装置。

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