JP4379313B2 - 画像録画再生システム - Google Patents

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Description

本発明は、屋外に設置されたカメラ装置で撮像した来訪者の画像を屋内に設置された録画再生装置で録画・再生する画像録画再生システムに関するものである。
この種の画像録画再生システムとして、図13に示すように屋外の玄関に設置されたカメラ付きのドアホン子器60と、屋内に設置されてドアホン子器60との間で通話が可能であり、さらにドアホン子器60のカメラで撮像された画像を液晶ディスプレイなどの表示デバイスに表示させるとともに録画するインターホン親機50とで構成されるインターホンシステムが提供されている(特許文献1参照)。すなわち、来訪者がドアホン子器60の呼出釦61を押操作すると呼出信号がインターホン親機50に伝送され、この呼出信号を受けたインターホン親機50では呼出音を鳴動させるとともにドアホン子器60のカメラを起動して来訪者を撮像させ、この撮像画像を表示デバイスの画面51に表示させる。そして、インターホン親機50の通話釦52が押操作されるとドアホン子器60との間に通話路が形成され、表示デバイスの画面で相手の姿を視ながら来訪者と通話することができ、さらに、インターホン親機50においては通話中の来訪者を撮像した画像を録画することができる。
ここで、ドアホン子器60のカメラには、確実に来訪者の姿が撮像できるように比較的に焦点距離が短いレンズが用いられているため、表示デバイスの画面に表示される来訪者の顔が小さくなってしまう傾向にある。そのため、特許文献1に記載されている従来例においては、表示デバイスの画面上で選択した範囲Sを画面全体に拡大して表示する機能をインターホン親機50に備えており、十字キー釦53を操作して選択範囲を画面上で移動させて来訪者の顔を選択範囲内に収めた後、ズーム釦54を操作することで選択範囲を画面全体に拡大して表示及び録画することができるようになっている。
また、この種のインターホンシステムには、ドアホン子器60からの呼出信号を検出したインターホン親機50がドアホン子器60のカメラで撮像した画像を自動的に録画する機能(留守録機能)を有するものがあり、留守録時においては人が十字キー釦53を操作して選択範囲を移動させることができないため、例えば、来訪者の顔の位置に対応する確率が高いと予想される画面中央を自動的に拡大して録画するようになっていた。
特開平5−236478号公報
しかしながら、来訪者の顔の位置が必ずしも画面中央に一致するとは限らず、顔の位置と一致しない画面中央の拡大画像が録画された場合、元の画像に比べて来訪者の映る範囲が狭くなり、かえって来訪者の顔が判別できなくなる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、人が操作しなくても、カメラ装置で撮像された画像から来訪者の顔の位置を拡大した画像を確実且つ自動的に録画再生装置で録画することができる画像録画再生システムを提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、来訪者を撮像する撮像手段を備えて屋外に設置されるカメラ装置と、屋内に設置されてカメラ装置の撮像手段で撮像された画像を録画するとともに録画した画像を再生する録画再生装置とで構成される画像録画再生システムにおいて、録画再生装置は、画像を記憶する画像記憶手段と、画像を表示する表示手段と、画像記憶手段に記憶されている画像を読み出して表示手段に表示させる画像制御手段とを備え、カメラ装置又は録画再生装置の何れか一方に、撮像手段で撮像された画像に対して画像処理を行うことにより当該画像における来訪者の顔の位置を検出するとともに検出された顔の位置の画像を拡大する画像処理手段と、来訪者の来訪を検知して撮像手段を動作させる撮像制御手段とを備え、撮像制御手段が撮像手段を動作させたときに画像処理手段が動作して来訪者の顔の位置を拡大した画像が録画再生装置の画像記憶手段に記憶される画像録画再生システムであって、前記画像処理手段は、予め顔検出用テンプレート画像を記憶している顔検出用テンプレート画像記憶手段と、カメラ装置の撮像手段で撮像した撮像画像及び顔検出用テンプレート画像記憶手段で記憶している顔検出用テンプレート画像の濃度勾配方向画像をそれぞれ抽出する濃度勾配方向抽出手段と、濃度勾配方向抽出手段で抽出した各濃度勾配方向画像を記憶する濃度勾配方向画像記憶手段と、濃度勾配方向画像記憶手段に記憶された顔検出用テンプレート画像の濃度勾配方向画像上の基準点と参照とする各座標点との距離及び基準点と座標点とを結ぶ線が座標点を通る水平軸と交差する角度の情報を抽出する形状特徴抽出手段と、形状特徴抽出手段で抽出した距離、角度の情報を顔検出用テンプレート画像の濃度勾配方向の値毎に分類して記憶する形状特徴記憶手段と、濃度勾配方向画像記憶手段に記憶されている撮像画像の濃度勾配方向画像の参照とする各座標点における濃度勾配方向の値、及び形状特徴記憶手段に記憶された形状特徴に基づいて、撮像画像の濃度勾配方向画像における基準点候補点に投票処理を行う投票手段と、投票手段によって求めた投票結果に基づいて、顔の位置を検出する顔検出手段とから成ることを特徴とする。
この発明によれば、撮像制御手段が撮像手段を動作させたとき、撮像手段で撮像された画像に対して画像処理手段が画像処理を行うことにより当該画像における来訪者の顔の位置を検出し、画像処理手段が撮像手段で撮像された画像の中から検出された顔の位置を拡大した画像を録画再生装置の画像記憶手段に記憶させるため、人が操作しなくても、カメラ装置で撮像された画像から来訪者の顔の位置を拡大した画像を確実且つ自動的に録画再生装置で録画することができる。また、体と顔検出用テンプレート画像のサイズが一致することがあっても、それぞれの濃度勾配方向の値が異なるるために、体の位置に投票が集中しにくく、体を誤検出することはなく、また濃度勾配方向画像を用いることにより照明の変動に強い画像処理手段を実現できる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記画像処理手段をカメラ装置に備えたことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、前記顔検出手段には、顔検出用テンプレート画像の大きさを変化させ、この大きさ変化に対応した投票値の変化に基づいて、顔の大きさを抽出する顔サイズ検出手段を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、顔の大きさが一定でなくも顔を検出することができる。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、前記顔検出手段には、形状特徴における距離情報を変化させて、その距離情報の変化に応じた投票値の変化に基づいて、顔の大きさを検出する顔サイズ検出手段を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、顔の大きさが一定でなくも顔を検出することができる。
請求項の発明は、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記顔検出手段には、顔検出用テンプレート画像の回転角を変化させて、この回転角の変化に対応した投票値の変化に基づいて、顔の回転角を抽出する顔回転角抽出手段を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、顔の回転角が一定でなくても顔を検出することができる。
請求項の発明は、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記顔検出手段には、形状特徴における角度情報を変化させて、この角度情報の変化に応じた投票値の変化に基づいて、顔の回転角を抽出する顔回転角抽出手段を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、顔の回転角が一定でなくても顔を検出することができる。
請求項1の発明によれば、撮像制御手段が撮像手段を動作させたとき、撮像手段で撮像された画像に対して画像処理手段が画像処理を行うことにより当該画像における来訪者の顔の位置を検出し、画像処理手段が撮像手段で撮像された画像の中から検出された顔の位置を拡大した画像を録画再生装置の画像記憶手段に記憶させるため、人が操作しなくても、カメラ装置で撮像された画像から来訪者の顔の位置を拡大した画像を確実且つ自動的に録画再生装置で録画することができ、さらに、体と顔検出用テンプレート画像のサイズが一致することがあっても、それぞれの濃度勾配方向の値が異なるるために、体の位置に投票が集中しにくく、体を誤検出することはなく、また濃度勾配方向画像を用いることにより照明の変動に強い画像処理手段を実現できるという効果がある。
(実施形態1)
以下、住戸外の玄関などに設置されるドアホン子器20と、住戸内に設置されてドアホン子器20との間で通話を行うインターホン親機(以下、「親機」と略す)1とで構成されるインターホンシステムに本発明を適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。ここで、ドアホン子器20は2線式の通話線及び2線式の制御線からなる2対の信号線L1によって親機1と接続される。
図1及び図2は、本実施形態のシステム構成図並びにブロック図をそれぞれ示している。
カメラ装置に相当するドアホン子器20は、親機1によって通話線に印加される電圧を受けて内部の動作電源を作成するとともに内部の通話経路と通話線との間を2線−4線変換する受電部21と、マイクロホン及びスピーカを有する音声入出力部22と、マイクロホンから入力する音声信号の増幅や親機1から通話線を介して送られてくる音声信号の増幅等を行う音声処理部23と、CCDのような個体撮像素子とレンズなどの光学系を有して来訪者を撮像するカメラ部24と、マイクロコンピュータを主構成要素とし、カメラ部24から出力される映像信号に対して画像処理(後述する)を行うとともに画像処理された後の映像信号を周波数変調する映像処理部25と、来訪者が呼出釦28(図1参照)を押操作したときにオンするスイッチを有し該スイッチがオンしたときに通話線の線間電圧を変化させるなどして呼出信号を送出する操作部26と、親機1との通話時などに制御線を介して給電されることにより表示素子(発光ダイオード)を点灯させる表示部27とを備える。ここで、音声処理部23から出力される音声信号(ベースバンド信号)に周波数変調された映像信号(以下、「FM映像信号」と呼ぶ)が受電部21で多重化され、通話線を通して親機1に送られる。
録画再生装置に相当する親機1は、通話線に直流電圧を印加してドアホン子器20への給電を行うとともに多重化されて伝送されてくる音声信号とFM映像信号を分離する給電部2と、マイクロコンピュータを主構成要素とする親機制御部3と、マイクロホン及びスピーカを有する音声入出力部4と、音声入出力部4から入力する音声信号と給電部2で分離されたドアホン子器20からの音声信号とを比較し、信号レベルが低い方の音声信号を減衰させることで通話方向(親機1→ドアホン子器20又は親機1←ドアホン子器20)を切り換える音声スイッチの機能を有した音声処理部5と、液晶ディスプレイ(LCD)からなる表示部6と、ドアホン子器20から送られてくるFM映像信号を復調し表示部6に映像信号を出力して映像を表示させる映像処理部7と、通話釦11(図1参照)の操作によりオンする通話スイッチやモニタ釦12(図1参照)の操作によりオンするモニタスイッチを有し、各スイッチがオンしたときにそれぞれ対応する操作信号を親機制御部3に出力する親機操作部8と、ドアホン子器20から送られてくるFM映像信号を復調するとともにディジタル信号に変換して記憶(録画)する録画部9と、商用電源より各部の動作電源を作成する電源部10とを備える。尚、録画部9においてはFM映像信号を復調してディジタル信号に変換した後に記憶しているが、復調せずにディジタル信号に変換してもよいし、復調した後にアナログ信号のままで記憶するようにしても構わない。
また本実施形態では、ドアホン子器20とは別のカメラ装置に相当するカメラ子器40が信号線L2により親機1に接続されている。このカメラ子器40は、親機1によって信号線L2に印加される電圧を受けて内部の動作電源を作成する受電部41と、マイクロホンを有する音声入力部42と、マイクロホンから入力する音声信号の増幅などを行う音声処理部43と、CCDのような個体撮像素子とレンズなどの光学系を有して来訪者を撮像するカメラ部44と、マイクロコンピュータを主構成要素とし、カメラ部44から出力される映像信号に対して画像処理(後述する)を行うとともに画像処理された後の映像信号を周波数変調する映像処理部45と、人体から放射される熱線を焦電素子で検出することにより来訪者の有無を感知する人感センサ部46と、人感センサ部46で来訪者を感知したときなどに表示素子(発光ダイオード)を点灯させる表示部47とを備える。
次に親機1並びにドアホン子器20、カメラ子器40の基本的な動作を説明する。
まず、来訪者がドアホン子器20の呼出釦28を押操作すると操作部26が受電部21から通話線を介して親機1に呼出信号を送信し、さらに映像処理部25とカメラ部24が起動してカメラ部24で撮像した来訪者の映像が受電部21から通話線を介して親機1に伝送される。親機1では、呼出信号を検出した親機制御部3が音声処理部5を制御して音声入出力部4のスピーカらから呼出音を鳴動させるとともに、ドアホン子器20から伝送されてきたFM映像信号を映像処理部7で復調させて来訪者の映像を表示部6に表示させる。そして、家人が親機1の通話釦11を押操作すると親機操作部8から操作信号が出力され、この操作信号を受けた親機制御部3が音声処理部5並びに音声入出力部4と通話線の間に通話路を形成してドアホン子器20との通話が可能となる。また、モニタ釦12が押操作されて親機操作部8から操作信号が出力されると、この操作信号を受けた親機制御部3が給電部2から通話線を介してドアホン子器20への給電を行い、ドアホン子器20のカメラ部24及び映像処理部25が起動してカメラ部24で撮像した映像が親機1に送られるため、表示部6にドアホン子器20のカメラ部24で撮像した映像が映し出される。すなわち、ドアホン子器20においては、操作部26の呼出釦28が押操作されることで来訪者の来訪を検知して撮像手段(カメラ部24及び映像処理部25)を動作させていることになり、操作部26が撮像制御手段に相当する。
また、来訪者若しくは不審者が感知領域に入るとカメラ子器40の人感センサ部46が人の存在を感知して映像処理部25とカメラ部24が起動してカメラ部24で撮像した来訪者の映像が受電部21から通話線を介して親機1に伝送されるとともに、音声入力部42と音声処理部43が起動して音声入力部42に入力された音声も受電部21から通話線を介して親機1に伝送される。親機1では、親機制御部3が音声処理部5を制御してカメラ子器40から伝送されてきた音声を音声入出力部4のスピーカらから出力させるとともに、カメラ子器40から伝送されてきたFM映像信号を映像処理部7で復調させて来訪者若しくは不審者の映像を表示部6に表示させる。すなわち、カメラ子器40においては、人感センサ部46で来訪者を検知して撮像手段(カメラ部44及び映像処理部45)を動作させていることになり、人感センサ部46が撮像制御手段に相当する。尚、カメラ子器40の音声入力部42にスピーカを設け、親機1から伝送される音声をスピーカから出力することで不審者の威嚇等を行うようにしても構わない。
次に、本発明の要旨であるドアホン子器20及びカメラ子器40の映像処理部25,45における画像処理について説明する。但し、2つの映像処理部25,45で行う画像処理は全く共通であるから、以下ではドアホン子器20の映像処理部25についてのみ説明する。
映像処理部25は、上述のように呼出釦28の押操作によりカメラ部24及び映像処理部25が起動すると、カメラ部24で撮像された画像における来訪者の顔の位置を検出する画像処理(以下、「顔位置検出処理」と呼ぶ)を行うとともに検出された顔の位置の画像を拡大する画像処理(以下、「ズーム処理」と呼ぶ)を行っている。
まず、顔位置検出処理について説明する。図3は映像処理部25の顔位置検出処理を行う構成を示したブロック図であり、カメラ部24からの撮像画像をA/D変換して取り込む画像入力手段251と、予め顔検出用テンプレートを記憶させている顔検出用テンプレート画像記憶手段252と、この顔検出用テンプレート画像記憶手段252に記憶されている図4(a)に示すような顔検出用テンプレート画像A及び画像入力手段251が取り込んだ図5に示すような撮像画像Bの各濃度勾配方向画像A’,B’(図4(b)、図4(a)参照)を抽出する濃度勾配方向抽出手段253と、抽出した濃度勾配方向画像A’,B’を記憶する濃度勾配方向画像記憶手段254と、濃度勾配方向画像記憶手段254に記憶されている顔検出用テンプレート画像Aの濃度勾配方向画像A’上の基準点Oと参照とする各座標点(以下参照点という)Rとの間の距離L、基準点Oと各参照点Rとを結ぶ線が参照点Rを通る水平軸(X軸)と交差する角度αの情報を抽出する形状特徴抽出手段255と、これら抽出された情報を顔検出用テンプレート画像Aの濃度勾配方向の値θ毎に分離して記憶する形状特徴記憶手段256と、濃度勾配方向画像記憶手段254に記憶されている撮像画像Bの濃度勾配方向画像B’の各参照点R’における濃度勾配方向の値θ、及び形状特徴記憶手段256に記憶された形状特徴の情報に基づいて、濃度勾配方向画像B’における基準点候補点に投票処理を行う投票手段257と、この投票手段257によって求めた投票結果に基づいて、顔の位置を検出する顔検出手段258とで構成される。
各手段の動作を以下に説明する。
まず濃度勾配方向抽出手段253は、カメラ部24で撮影し、画像入力手段251で入力した図5(a)に示す撮像画像B及び顔検出用テンプレート画像記憶手段252に記憶してある顔検出用テンプレート画像Aからそれぞれの濃度勾配方向画像B’,A’を抽出する。図4(b)は顔検出用テンプレート画像Aの濃度勾配方向画像A’を、図6(a)は撮像画像Bの濃度勾配方向画像B’をそれぞれ示す。これらの濃度勾配方向画像A’,B’の抽出に当たっては、図5に示すように3×3のx方向ソーベルフィルタ12x及びy方向ソーベルフィルタ12yを入力濃淡画像に含まれる全ての画素に対して適用し、各画像における水平軸(X軸)方向の微分値dx及び垂直軸(Y軸)方向の微分値dyを(式1)、(式2)より求める。
dx=(c+2f+i)−(a+2d+g)…(式1)
dy=(g+2h+i)−(a+2b+c)…(式2)
(a〜hは、図7に示すように注目画素e及びその注目画素e近傍の8つの画素の値a〜d、f〜hを示すものである。)またこの時、微分の方向値θは、下記の(式3)で示される。
θ=tan-1(dy/dx)…(式3)
ここで、濃度勾配方向画像A’,B’は前記濃度勾配方向値θを画素値に持つ画像であり、この画像を濃度勾配方向画像手段254に記憶する。
形状特徴抽出手段255は、まず濃度勾配方向画像記憶手段254に記憶されている顔検出用テンプレート画像Aの濃度勾配方向画像Bにおいて重心を算出し、それを基準点Oとする。この図4(c)に示す基準点Oと参照点Rとの距離L及び基準点Oと参照点Rとを結ぶ線と参照点Rを通る水平軸βとの間の角度αを算出し、濃度勾配方向γと線βとの間の角度、つまり濃度勾配方向値θ毎に顔検出用テンプレート画像Aの特徴情報として形状特徴記憶手段256に記憶する。本実施形態で用いる顔検出用テンプレート画像Aとしては、図4(a)に示すように平均的な人の顔の特徴部位(目、眉、鼻、口など)を含む形で作られたものを採用している。尚この顔検出用テンプレート画像Aの形状特徴は予め形状特徴記憶手段256に記憶しておいても良い。
表1はこの形状特徴記憶手段256に記憶される形状特徴を示し、各参照点の濃度勾配方向値θ毎に、角度α、距離Lを記入した表形式となっている。
投票手段257は、濃度勾配方向画像記憶手段254に記憶されている図6(a)に示す撮像画像Bの濃度勾配方向画像B’の濃度勾配方向値θと、形状特徴記憶手段256に記憶されている顔検出用テンプレート画像Aの形状特徴を用いて、下記の(式4)、(式5)より基準基準点候補点を求め、投票空間のその点に投票する。そして顔検出手段258は、図8(a)に示す投票結果から投票値のピークを検出して基準点O’(o’x,o’y)を決め、顔の位置を決定する。尚図8(b)は図8(a)で示す区分範囲の投票値との関係を示す。
ox’=L×cos(α)+r’x …(式4)
oy’=L×cos(α)+r’y …(式5)
このように本実施形態の顔位置検出処理によれば、体と顔検出用テンプレート画像のサイズが一致することがあっても、それぞれの濃度勾配方向の値が異なるるために、体の位置に投票が集中しにくく、体を誤検出することはなく、また濃度勾配方向画像を用いることにより照明の変動に強い画像処理手段(映像処理部25,45)が実現できるという利点がある。
上述のようにして顔の位置が検出されれば、その顔位置を含む範囲の画像を元の撮像画像の大きさまで拡大する従来周知のズーム処理が行われ、ズーム処理された画像がD/A変換されて映像処理部25から受電部21を介し通話線を通して親機1に伝送される。そして、親機1では、図9に示すように来訪者の顔を含む範囲Sが拡大された画像を表示部6に映し出すことができ、あるいは留守録時においては来訪者の顔の部分が拡大された画像が自動的に録画部9に録画されることになる。尚、本実施形態では、ドアホン子器20及びカメラ子器40が常に来訪者の顔の部分を拡大するようにしているが、例えば、親機1で留守録に設定されているとき、若しくは親機1の操作部8に設けられたズーム操作釦(図示せず)が押操作されたときに顔位置検出処理及びズーム処理が行われるようにしても構わない。
ところで、顔位置検出処理において、顔検出用テンプレート画像記憶手段252に記憶された顔検出用テンプレート画像Aの代わりに、図10(a)に示すように、顔の平均的な輪郭を含むように作られたテンプレート画像を用いてもよい。つまり顔の平均的な輪郭のテンプレート画像を用いているため、逆光時のように顔の特徴を示す目、眉、鼻、口等が正しく撮像されていない図10(c)に示すような撮像画像Bにおける顔の位置を正しく検出することができるのである。尚図10(b)は図10(a)に示す顔検出用テンプレート画像Aから濃度勾配方向抽出手段253により抽出された濃度勾配方向画像A’を示す。
(実施形態2)
本実施形態は、ドアホン子器20及びカメラ子器40の映像処理部25,45における顔位置検出処理に特徴があり、それ以外の構成及び動作については実施形態1と共通であるから図示並びに説明を省略する。
映像処理部25(映像処理部45についても共通)の基本構成は図3に示す実施形態1の構成と同じであるので、図3を参照する。そして、本実施形態の映像処理部25は、図11(a)に示すように、顔検出手段258内に顔サイズ検出手段258aを備えた点に特徴がある。
顔サイズ検出手段258aは、顔検出用テンプレート画像のサイズを変更しながら、投票手段257によって投票を行うことによって、図11(b)に示すようにテンプレート画像サイズ毎に投票結果より投票値のビークが得られるため、その値が最大になるサイズを顔のサイズとして検出する手段である。
このように本実施形態では、顔の大きさが一定でなくも顔を検出することができるという利点がある。
(実施形態3)
本実施形態は、ドアホン子器20及びカメラ子器40の映像処理部25,45における顔位置検出処理に特徴があり、それ以外の構成及び動作については実施形態1と共通であるから図示並びに説明を省略する。
上記実施形態2では顔検出用テンプレート画像のサイズを変更させることで、顔サイズを検出するものであったが、本実施形態は上述した形状特徴における距離情報を変化させて顔サイズを検出する点に特徴がある。尚映像処理部25(映像処理部45についても共通)の基本構成は図3に示す実施形態1の構成と同じであるので、図3を参照し、また顔検出手段258内には実施形態2と同様に顔サイズ検出手段258a(図11(a)参照)を設けてある。
而して本実施形態の顔サイズ検出手段258a(図11(a))は、形状特徴における距離Lに対する倍率sを変えて距離情報を変化させて、投票手段257によって、濃度勾配方向画像記憶手段254に記憶されている図6(a)に示す撮像画像Bの濃度勾配方向画像B’の濃度勾配方向値θと、形状特徴記憶手段256に記憶されている顔検出用テンプレート画像Aの形状特徴を用いて、下記の(式6)、(式7)により基準点候補点を求め、投票空間のその点に投票する。そして図11(b)に示すように顔サイズ毎に投票結果より投票値のピークが得られるため、その値が最大になるサイズを顔のサイズとして検出するのである。
ox’=s×L×cos(α)+r’x …(式6)
oy’=s×L×cos(α)+r’y …(式7)
s:距離の倍率
(実施形態4)
本実施形態は、ドアホン子器20及びカメラ子器40の映像処理部25,45における顔位置検出処理に特徴があり、それ以外の構成及び動作については実施形態1と共通であるから図示並びに説明を省略する。また、映像処理部25(映像処理部45についても共通)の基本構成は図3に示す実施形態1の構成と同じであるので、図3を参照する。
そして、本実施形態における映像処理部25(映像処理部45も共通)は、図12(a)に示すように、顔検出手段258内に顔サイズ検出手段258a(実施形態2、3の顔サイズ検出手段258aの何れでもよい)を備えるとともに、顔回転角出手段258bを備えた点に特徴がある。
一方、顔回転角抽出手段258bは、図12(b)に示すような顔が傾いて撮像された撮像画像Bに対応させるためのもので、顔検出用テンプレート画像Aを回転させながら、投票手段257によって投票を行うことによって、図12(c)に示すように、回転角毎に投票結果より投票値のピークが得られるため、その値が最大になる回転角を顔の回転角として抽出する手段である。
本実施形態では、顔の回転角が一定でなくても顔を検出することができるという利点がある。
(実施形態5)
上記実施形態4での顔回転角抽出手段258bは顔検出用テンプレート画像Aを回転させるものであったが、本実施形態の顔回転角検出手段258bでは、上述した形状特徴における角度情報を変換させる点に特徴がある。尚本実施形態の画像処理装置の基本構成は図1に示す実施形態1の構成と同じであるので、図3を参照し、また実施形態4と同様に顔検出手段258内に、例えば実施形態3に用いた顔サイズ検出手段258aとともに顔回転角出手段258bを備えている(図12(a)参照)
而して本実施形態の顔回転角抽出手段258bは、上述した形状特徴における角度情報を変化させて、投票手段257によって、濃度勾配方向画像記憶手段254に記憶されている濃度勾配方向画像の濃度勾配方向値θ(回転角をφ、撮像画像Bの濃度勾配方向をθ’とすると、θ=θ’−φとなる。)と、形状特徴記憶手段7に記憶されている顔検出用テンプレート画像Aの形状特徴を用いて、下記の(式8)、(式9)より基準点候補点を求め、投票空間のその点に投票する。そして図12(c)に示すように、各回転角毎の投票結果より投票値のピークが得られるため、その値が最大になる回転角を顔の回転角として検出する。
ox’=L×cos(α+φ)+r’x …(式8)
oy’=L×cos(α+φ)+r’y …(式9)
φ:回転角(この回転角の値を変えることで角度情報を変化させる)
ところで、上記実施形態1〜5では顔位置検出処理及びズーム処理を行う画像処理手段をカメラ装置たるドアホン子器20及びカメラ子器40の映像処理部25,45で構成しているが、親機1の制御部3で画像処理手段を構成するようにしても構わない。また、ドアホン子器20及びカメラ子器40のカメラ部24,44及び映像処理部25,45を起動する撮像制御手段を親機1に備える構成としても構わない。
実施形態1のシステム構成図である。 同上のブロック図である。 同上におけるドアホン子器の映像処理部の回路構成図である。 同上における映像処理部の動作説明用の図であって、(a)は顔検出用テンプレート画像のイメージ図、(b)は顔検出用テンプレート画像の濃淡勾配方向画像のイメージ図、(c)は顔検出用テンプレート画像の形状特徴説明図である。 実施形態1乃至5における映像処理部の動作説明用の撮像イメージ図である。 同上における映像処理部の動作説明用の図であって、(a)は撮像画像の濃淡勾配方向画像のイメージ図、(b)は撮像画像の形状特徴説明図である。 同上に用いるソーベルフィルタの説明図である。 同上の基準点候補点の投票結果の説明図である。 同上の拡大された画像が表示されたインターホン親機の平面図である。 同上における映像処理部の動作説明用の図であって、(a)は顔検出用テンプレート画像のイメージ図、(b)は顔検出用テンプレート画像の濃淡勾配方向画像のイメージ図、(c)は検出対象の顔を撮像した撮像画像のイメージ図である。 (a)は実施形態2、3に用いる顔検出手段の構成図、(b)は同上の顔検出手段の顔サイズ検出における顔サイズと投票値との関係説明図である。 (a)は実施形態4,5に用いる顔検出手段の構成図、(b)は同上の検出対象の顔を撮像した撮像画像のイメージ図、(c)は同上の顔回転検出における顔回転角と投票値との関係説明図である。 従来例のシステム構成図である。
符号の説明
1 インターホン親機
20 ドアホン子器
24 カメラ部
25 映像処理部
40 カメラ子器
44 カメラ部
45 映像処理部

Claims (6)

  1. 来訪者を撮像する撮像手段を備えて屋外に設置されるカメラ装置と、屋内に設置されてカメラ装置の撮像手段で撮像された画像を録画するとともに録画した画像を再生する録画再生装置とで構成される画像録画再生システムにおいて、録画再生装置は、画像を記憶する画像記憶手段と、画像を表示する表示手段と、画像記憶手段に記憶されている画像を読み出して表示手段に表示させる画像制御手段とを備え、カメラ装置又は録画再生装置の何れか一方に、撮像手段で撮像された画像に対して画像処理を行うことにより当該画像における来訪者の顔の位置を検出するとともに検出された顔の位置の画像を拡大する画像処理手段と、来訪者の来訪を検知して撮像手段を動作させる撮像制御手段とを備え、撮像制御手段が撮像手段を動作させたときに画像処理手段が動作して来訪者の顔の位置を拡大した画像が録画再生装置の画像記憶手段に記憶される画像録画再生システムであって、前記画像処理手段は、予め顔検出用テンプレート画像を記憶している顔検出用テンプレート画像記憶手段と、カメラ装置の撮像手段で撮像した撮像画像及び顔検出用テンプレート画像記憶手段で記憶している顔検出用テンプレート画像の濃度勾配方向画像をそれぞれ抽出する濃度勾配方向抽出手段と、濃度勾配方向抽出手段で抽出した各濃度勾配方向画像を記憶する濃度勾配方向画像記憶手段と、濃度勾配方向画像記憶手段に記憶された顔検出用テンプレート画像の濃度勾配方向画像上の基準点と参照とする各座標点との距離及び基準点と座標点とを結ぶ線が座標点を通る水平軸と交差する角度の情報を抽出する形状特徴抽出手段と、形状特徴抽出手段で抽出した距離、角度の情報を顔検出用テンプレート画像の濃度勾配方向の値毎に分類して記憶する形状特徴記憶手段と、濃度勾配方向画像記憶手段に記憶されている撮像画像の濃度勾配方向画像の参照とする各座標点における濃度勾配方向の値、及び形状特徴記憶手段に記憶された形状特徴に基づいて、撮像画像の濃度勾配方向画像における基準点候補点に投票処理を行う投票手段と、投票手段によって求めた投票結果に基づいて、顔の位置を検出する顔検出手段とから成ることを特徴とする画像録画再生システム。
  2. 前記画像処理手段をカメラ装置に備えたことを特徴とする請求項1記載の画像録画再生システム。
  3. 前記顔検出手段には、顔検出用テンプレート画像の大きさを変化させ、この大きさ変化に対応した投票値の変化に基づいて、顔の大きさを抽出する顔サイズ検出手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像録画再生システム。
  4. 前記顔検出手段には、形状特徴における距離情報を変化させて、その距離情報の変化に応じた投票値の変化に基づいて、顔の大きさを検出する顔サイズ検出手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像録画再生システム。
  5. 前記顔検出手段には、顔検出用テンプレート画像の回転角を変化させて、この回転角の変化に対応した投票値の変化に基づいて、顔の回転角を抽出する顔回転角抽出手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか記載の画像録画再生システム。
  6. 前記顔検出手段には、形状特徴における角度情報を変化させて、この角度情報の変化に応じた投票値の変化に基づいて、顔の回転角を抽出する顔回転角抽出手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか記載の画像録画再生システム
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