JP4378801B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、映像中の移動領域を静止した背景画像から高精度で切り出すことができる画像処理方法および画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在では、動画などの画像信号をディジタル方式で扱うことが一般的に行われる。動画などの画像信号の記録や伝送をディジタル方式で行う場合、画像信号に対して画像圧縮を行い、データ量を削減する必要がある。画像圧縮は、一般的には、画像信号の相関性を利用してデータの冗長部分を除いて符号化することで、データ量を削減する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、例えばテレビジョン放送におけるテロップ表示などのように、自然画像に対して人工的に生成された文字や図形などの画像を重畳させて表示させることが一般的に行われている。このような、自然画像に人工的な画像を重畳させたディジタル画像信号に対して、上述の画像圧縮やその他の信号処理を行うと、重畳された画像の極めて急峻なエッジ成分などの、自然画像には有り得ない特性のため、処理後の画像に、画質の劣化が目立つ場合がある。
【0004】
そこで、上述の画面に重畳された文字や図形の画像領域(以下、文字領域と称する)を、画面から切り出す方法が検討されている。従来では、この文字領域の切り出しを、文字画像の特徴である急峻なエッジや文字画像の輝度値を利用して、しきい値処理により行っていた。例えば、隣接する2画素の輝度値の差分が所定のしきい値以上でるかどうかでエッジを判断する、あるいは、一定面積以上の画素領域が所定のしきい値以上の輝度値を有するかどうかで、文字領域の判断を行う、さらに、両者の方法を併用するなどの方法が考えられる。
【0005】
しかしながら、このような、しきい値による文字領域の切り出しでは、想定したしきい値以外での、文字領域の切り出しが不可能であるという問題点があった。
【0006】
また、この従来の方法では、文字領域と背景とが同様の輝度値を有する場合には、文字領域の切り出しが不可能であるという問題点があった。
【0007】
したがって、この発明の目的は、文字領域の輝度値を利用せずに文字領域の高精度な切り出しを可能とする画像処理方法および画像処理装置を提供することにある。
【0010】
また、この発明は、画像中を移動する物体を切り出す画像処理方法において、入力フレーム中の移動物体の推定動き量を検出する動き量検出のステップと、複数フレームの同一座標の画素の中央値もしくは平均値に基づき背景の予測画を作成する背景予測画作成のステップと、複数の入力フレームの画像のそれぞれを、動き検出のステップにより検出された推定動き量を打ち消すようにシフトさせ、シフトされた複数の入力フレームの画像に基づき移動物体の予測画を作成する移動物体予測画作成のステップと、背景予測画作成のステップによって作成された背景の予測画と入力フレームとの第1の差分の絶対値を注目画素について求める第1の差分絶対値算出のステップと、移動物体予測画作成のステップで作成された背景の予測画と、入力フレームが動き量検出のステップで検出された推定動き量を打ち消すようにシフトされた画像との第2の差分の絶対値を注目画素について求める第2の差分絶対値算出のステップと、第1の差分絶対値算出のステップで求められた第1の差分の絶対値と、第2の差分絶対値算出のステップで求められた第2の差分の絶対値とを比較する比較のステップとを有し、比較のステップによる比較の結果、第1の差分の絶対値>第2の差分の絶対値であるときに、注目画素が移動物体を構成する画素であると判定するようにしたことを特徴とする画像処理方法である。
【0011】
また、この発明は、画像中を移動する物体を切り出す画像処理装置において、入力フレーム中の移動物体の推定動き量を検出する動き量検出手段と、複数フレームの同一座標の画素の中央値もしくは平均値に基づき背景の予測画を作成する背景予測画作成手段と、複数の入力フレームの画像のそれぞれを、動き検出手段により検出された推定動き量を打ち消すようにシフトさせ、シフトされた複数の入力フレームの画像に基づき移動物体の予測画を作成する移動物体予測画作成手段と、背景予測画作成手段によって作成された背景の予測画と入力フレームとの第1の差分の絶対値を注目画素について求める第1の差分絶対値算出手段と、移動物体予測画作成手段で作成された背景の予測画と、入力フレームが動き量検出手段で検出された推定動き量を打ち消すようにシフトされた画像との第2の差分の絶対値を注目画素について求める第2の差分絶対値算出手段と、第1の差分絶対値算出手段で求められた第1の差分の絶対値と、第2の差分絶対値算出手段で求められた第2の差分の絶対値とを比較する比較手段とを有し、比較手段による比較の結果、第1の差分の絶対値>第2の差分の絶対値であるときに、注目画素が移動物体を構成する画素であると判定するようにしたことを特徴とする画像処理装置である。
【0013】
また、請求項および請求項に記載の発明は、複数フレームの同一座標の画素の中央値もしくは平均値に基づき背景の予測画を作成すると共に、複数の入力フレームの画像のそれぞれを入力フレームより検出された推定動き量を打ち消すようにシフトさせ、シフトされた複数の入力フレームの画像の統計値に基づき移動物体の予測画を作成し、さらに、背景の予測画と入力フレームとの第1の差分の絶対値を注目画素について求めると共に、背景の予測画と入力フレームがシフトされた画像との第2の差分の絶対値を注目画素について求め、第1の差分の絶対値と第2の差分の絶対値とを比較した結果、第1の差分の絶対値>第2の差分の絶対値であるときに、注目画素が移動物体を構成する画素であると判定するようにしているため、所定のしきい値による判定を行わなくても、画素単位で移動物体を検出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態について説明する。この発明では、画面中を移動する文字領域の動き情報を検出し、検出された動き情報を積極的に利用して、背景画像から移動する文字領域を抽出する。なお、この発明は、文字領域に限らず、画面中の移動する任意の物体を切り出すことが可能な方法を提供する。以下の説明では、「移動する文字領域」を、「移動物体」と表現する。
【0015】
この発明による画像処理方法は、
(1)移動物体の動き量の推定、
(2)推定した動き量を用いての、移動物体の高精度な切り出し、
これら2つのステップからなる。先ず、(1)の、移動物体の動き量の推定を行う方法について説明する。
【0016】
ここでは、一例として、テレビジョン放送における文字テロップ表示のように、移動物体が等速に例えば水平方向に移動する場合について考える。注目フレームから前後に例えば30フレームの複数フレームを用いた代表点マッチングを行い、移動物体の動き量を推定する。
【0017】
例えば、注目フレームを所定のブロックに分割し、分割されたそれぞれのブロックについて、代表点を選択する。注目フレームの代表点と、相手側のフレームの対応するブロック内の全画素との差分の絶対値を積算した差分絶対値和を、代表点のそれぞれについて求める。そして、求められた積算値を代表点全てについてさらに積算し、差分絶対値和の総和を求める。評価値は、注目フレームと、注目フレームから所定距離、例えば5の倍数分離れたフレームを相手側フレームとして求めた、上述の差分絶対値の総和とする。これにより、1フレーム当たりで1/5画素単位の動き量の推定を行う。
【0018】
すなわち、tフレーム目の座標(x,y)の画素値をf(t,x,y)とすると、注目フレームTにおける動き量aの評価値E(a)は、次式(1)で表すことができる。なお、フレーム毎の動き量は、a/5画素となる。
【0019】
【数1】
Figure 0004378801
【0020】
この式(1)に基づき、動き量aをパラメータとした、注目フレームTについての評価値テーブルを作成する。作成された評価値テーブルを参照して、移動物体の推定される動き量を求める。例えば、評価値テーブルにおいて動き量0以外で最小の極小値をとる動き量を、移動物体の推定動き量として用いることができる。
【0021】
図1は、評価値テーブルにおける動き量の一例の分布を示すグラフである。横軸は、画面上のX方向の動き量aを表す。図1では、画面上のY方向の動き量に関しては省略されている。縦軸は、評価値E(a)を表す。評価値E(a)が極小となる動き量aが、画面における支配的な動きを示す。動き量が0の状態は、複数のフレーム間で静止している画像であって、例えば移動物体に対する背景画像と考えられる。この図1の例では、動き量が0の点が極小値となっている。一方、図1の例では、動き量aが+13の点も極小値をなしている。これにより、比較的大きな移動物体が動き量+13で画面上、Xの正方向に移動していると考えることができる。この例では、この動き量+13の移動物体が画面上のテロップ表示であると考えられる。
【0022】
次に、この発明の主旨である、上述した(2)の、推定した動き量を用いて移動物体を高精度で切り出す方法について説明する。図2は、推定した動き量を用いて移動物体を高精度で切り出すための、この実施の一形態による一例の構成を示す。上述したように、この実施の一形態では、移動物体の動き量は、複数フレームのデータを用いて求められる。入力された入力フレームが画像メモリ10に格納される。画像メモリ10は、例えば注目フレームおよび注目フレームの前後30フレーム分、すなわち全部で61フレームの入力フレームが格納可能にされている。
【0023】
画像メモリ10から読み出された入力フレームは、動き量検出部11に供給され、上述した式(1)に基づき評価値テーブルが作成される。作成された評価値テーブルは、例えばメモリ12に格納される。そして、動き量検出部11によりメモリ12に格納された評価値テーブルが参照され、動き量が検出される。
【0024】
画像メモリ10から読み出された入力フレームは、さらに、移動物体予測部13、背景予測部14およびシフト部15に供給される。移動物体予測部13に供給された入力フレームは、動き量検出部11から出力された動き量に基づき、注目フレームを基準として動き量を打ち消す方向にシフトされる。そして、複数の入力フレームの、シフト後の互いに対応する座標の画素の中央値が画素毎に求められ、注目フレームにおける予測移動物体データとされる。また、背景予測部14では、複数の入力フレームの同一座標の画素の中央値が画素毎に求められ、予測背景データとされる。
【0025】
なお、ここでは、移動物体予測部13および背景予測部14において、画素値の中央値を求めているが、これはこの例に限定されず、平均値など他の統計値を用いることもできる。
【0026】
背景予測部14から出力された予測背景データは、シフト部16に供給される。シフト部16では、入力されたフレームを、動き量検出部11から供給された動き量に基づき、注目フレームを基準として動き量を打ち消す方向にシフトさせる。シフト部16の出力は、差分Dh 計算部18の一方の入力端に供給される。
【0027】
一方、移動物体予測部13から出力された予測移動物体データが差分Dm 計算部17の一方の入力端に供給されると共に、出力部22に供給される。シフト部15の出力が差分Dm 計算部17および差分Dh 計算部18それぞれの他方の入力端に供給される。
【0028】
差分Dm 計算部17では、一方および他方の入力端に供給された、予測移動物体データとシフト部15の出力との差分を、注目画素に関して求める。求められた差分は、累積部19に供給され、差分の絶対値がフレーム間で累積される。注目画素に関して、例えば61フレームにわたって累積部19で累積された差分絶対値和は、比較部21の一方の入力端に入力される。
【0029】
差分Dh 計算部18では、一方および他方の入力端に供給された、シフト部16の出力とシフト部15の出力との差分を、注目画素に関して求める。求められた差分は、累積部20に供給され、差分の絶対値がフレーム間で累積される。注目画素に関して、例えば61フレームにわたって累積部20で累積された差分絶対値和が比較部21の他方の入力端に入力される。
【0030】
比較部21では、一方および他方の入力端にそれぞれ入力された差分絶対値和を比較する。比較結果に基づき、注目画素が移動物体データを構成する画素であるか、背景データを構成する画素であるかが判断される。比較部21の出力は、例えば、注目画素が移動物体データを構成する画素であれば値が1とされ、背景データを構成する画素であれば値が0とされる。この比較部21の出力は、例えばAND回路を用いたゲート回路からなる出力部22の一方の入力端に供給される。他方の入力端に供給された、移動物体予測部13から出力された予測移動物体データは、上述した、一方の入力端に供給された比較部21の出力が1ならば出力され、0ならば出力されないように制御される。これにより、出力部22からは、移動物体データが切り出されて出力される。
【0031】
なお、図2に示される構成の各部は、それぞれ専用のハードウェアで実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit) を中心に構成し、CPU上で実行される所定のソフトウェアにより実現するようにしてもよい。また、DSP(Digital Signal Processor)を用い、DSPを所定にプログラミングして実現することもできる。
【0032】
推定した動き量を用いて移動物体を高精度で切り出す方法について、図3、図4および図5を用いて、より詳細に説明する。図3は、この実施の一形態による、推定した動き量を用いて移動物体を高精度で切り出す一例の処理のフローチャートである。このフローチャートでは、注目フレームについて、画素毎に移動物体領域と背景領域とを判定して、移動物体の切り出しを行う。またその際に、注目フレームの前後の複数フレームを用いて、移動物体の切り出しを行う。
【0033】
ここでは、説明のため、図4に例示される時系列順の第1フレーム50、第2フレーム51および第3フレーム52の3フレーム分の入力フレームを用いて、画像中の移動物体の切り出しを行うものとし、これらフレーム50〜52が画像メモリ10に格納されているものとする。この例では、家屋様の背景画像に対して、移動物体として、左側から右側へと水平に移動するテロップ(文字列「ABC」)が重畳されている。画像メモリ10からフレーム50〜52が入力フレームとして順次読み出されて、以下の処理がなされる。
【0034】
最初のステップS10では、移動物体予測部13により、入力フレーム中の移動物体の予測値が生成される。動き量検出部11から供給された動き量に基づき、あるフレームを基準にして、動き量を打ち消すように他のフレームをシフトさせる。そして、全フレームの対象画素の輝度値の中央値を適用することで、移動物体の予測値が生成される。1フレーム全ての画素について予測値を求めることで、図5Bに示される移動物体の予測画54が得られる。なお、中央値に限らず、平均値や他の統計値を用いて予測値を生成してもよい。
【0035】
例えば動き量をaとして、基準となるフレームを第2フレーム51とした場合、図5Bに一例が示されるように、第2フレーム51に対して第1フレーム50が−a(右側にa)だけシフトされると共に、第3フレーム52がa(左側にa)だけシフトされる。フレーム50〜52のシフト後の同一座標の画素により、輝度値の中央値が求められる。この中央値を、フレーム51の全画素について求めることで、移動物体の予測画54が生成される。予測画54は、図5Bのように、移動物体(テロップ)だけが鮮明に表示され、背景が不鮮明な画像となる。
【0036】
なお、このステップS10は、後述するステップS11の処理と並列的に実行することが可能である。
【0037】
次のステップS11では、背景予測部14により、入力フレーム中の背景画像が予測される。全フレームの対象画素の輝度値の中央値を適用することで、背景の予測値が生成される。1フレーム全ての画素について予測値を求めることで、図5Aに示される背景の予測値53が得られる。なお、中央値に限らず、平均値や他の統計値を用いてもよい。すなわち、図5Aに一例が示されるように、フレーム50〜52の同一座標の画素のそれぞれについて、輝度値の中央値が求められてフレーム50〜52が合成され、背景の予測画53が生成される。予測画53は、図5Aのように、背景だけが鮮明に表示され、移動物体が不鮮明な画像となる。
【0038】
【数2】
Figure 0004378801
【0039】
ここで、移動物体の動き量をb画素/フレームとした場合、注目フレームTの座標(x,y)における背景の予測値をPh (T,x,y)とすると、Ph (T,x,y)は、次に示す式(2)で表される。以下、背景の予測値Ph (T,x,y)で示されるデータを、予測背景データと称する。
【0040】
なお、式(2)中で、「mid」は、続く括弧内の値について、対応する閉じ括弧後に付される範囲内(i=−30〜+30)の中央値をとることを意味する。「i」は、対象フレームが注目フレームから何フレーム目であるかを示す。この表現は、以下の類似する数式などにおいて、共通のものである。
【0041】
同様に、移動物体の予測値をPm (T,x,y)とすると、Pm (T,x,y)は、次に示す式(3)で表される。以下、移動物体の予測値Pm (T,x,y)で示されるデータを、予測移動物体データと称する。
【0042】
【数3】
Figure 0004378801
【0043】
上述のステップS10およびステップS11で、予測画53および54が生成されたら、処理は次のステップS12に移行し、画素毎の処理のループが開始される。このループでは、例えば、所定の対象画素(x,y)の処理が行われる。さらに、次のステップS13に移行して、フレーム毎の処理のループが開始される。このループは、例えば、注目フレームTからi番目のフレーム(T+i)の処理が行われる。ここでは、時系列的に連続する、第1のフレーム50、第2のフレーム51および第3のフレーム52の順で処理が行われるものとする。
【0044】
ステップS14では、シフト部15により、対象とされる入力フレームが、動き量検出部11から供給された動き量(b画素/フレーム)に基づきシフトされる。すなわち、移動物体が水平に移動している場合、iフレーム目の入力フレームを表すf(T+i,x,y)がX方向にb画素/フレーム×iフレームだけシフトされ、入力フレームがf(T+i,x+bi,y)とされる。次は、ステップS15およびステップS18からの、並列的な処理が可能な2つの処理に分かれる。
【0045】
ステップS15では、シフト部16により、背景予測部14から出力された予測背景データが、動き量検出部11から供給された動き量(b画素/フレーム)に基づき、予測移動物体の動き量に合わせてシフトされる。すなわち、移動物体が水平に移動している場合、予測背景Ph (T,x,y)がX方向にb画素/フレーム×iフレームだけシフトされ、Ph (T,x+bi,y)とされる。
【0046】
次のステップS16で、入力フレームf(T+i,x+bi,y)と予測背景Ph (T,x+bi,y)とから、差分Dh 計算部18によって、差分Dh が算出される。計算された差分Dh が累積部20に供給され、次のステップS17で、累積部20により、この差分Dh の絶対値が累積される。すなわち、ステップS17では、上述したステップS13のループにより、差分Dh の絶対値が入力フレーム毎に累積され、差分Dh の絶対値和である差分絶対値和Dh (T,x,y)が求められる。この差分絶対値和Dh (T,x,y)は、次に示す式(4)によって表される。差分Dh が累積されると、処理はステップS13に戻され、次のフレーム(T+i+1)について、ステップS15からの同様な処理がなされる。
【0047】
【数4】
Figure 0004378801
【0048】
一方、ステップS18側の処理では、入力フレームf(T+i,x+bi,y)と予測移動物体Pm (T,x,y)とから、差分Dm が算出される。次のステップS19で、この差分Dm の絶対値が累積される。すなわち、ステップS19では、上述したステップS13のループにより、差分Dm の絶対値が入力フレーム毎に累積され、差分絶対値和Dm (T,x,y)が求められる。この差分絶対値和Dm (T,x,y)は、次に示す式(5)によって表される。差分Dm が累積されると、処理はステップS13に戻され、次のフレーム(T+i+1)について、ステップS18からの同様な処理がなされる。
【0049】
【数5】
Figure 0004378801
【0050】
ステップS13で、所定の対象画素(x,y)について、対象の全フレームに対する処理が終了したとされたら、処理はステップS20に移行する。ステップS20では、累積部19および20の出力が比較回路21の一方および他方の入力端にそれぞれ入力される。そして、上述のステップS17およびステップS19でそれぞれ累積された、差分絶対値和Dh (T,x,y)と、差分絶対値和Dm (T,x,y)とが比較部21で比較される。比較の結果、(差分絶対値和Dh >差分絶対値和Dm )であると判断されたら、ステップS21で、対象画素(x,y)が移動物体であると判定される。一方、ステップS20での比較の結果、(差分絶対値和Dh <差分絶対値和Dm )であると判断されたら、ステップS22で、対象画素(x,y)が背景であると判定される。
【0051】
対象画素(x,y)について上述の判定がなされたら、処理はステップS12に戻され、次の画素、例えば画素(x+1,y)を対象画素として、ステップS13〜ステップS22まで、同様な処理がなされる。そして、注目フレームを構成する全画素に対して処理がなされたら、一連の処理が終了される。さらに、例えば、注目フレームを一つ進めて、次のフレームについて処理を行うこともできる。
【0052】
ここで、上述したステップS16およびステップS18での、差分Dh および差分Dm の算出について、より具体的な例を示して説明する。図6〜図8は、時系列的に連続した入力フレーム50〜52について差分Dh および差分Dm を算出する例を、それぞれ示す。
【0053】
注目フレームTであるフレーム51に対して1フレーム前の、フレーム50による差分Dh およびDm の算出は、図6に一例が示されるように、先ず、入力フレームであるフレーム50が、ステップS14により予測移動物体に合わせてシフトされている。さらに、ステップS15で、背景の予測画53が予測移動物体に合わせてシフトされる。そのため、背景が全く移動していなければ、それぞれシフトされたフレーム50と背景の予測画53とでは、背景画像が全く同一の位置に存在することになり、背景画像を構成する画素は、フレーム50と背景の予測画53とで互いに対応することになる。ステップS16では、これらフレーム50と背景の予測画53との差分が差分Dh として求められる。
【0054】
一方、ステップS18では、シフトされた入力フレーム50と、移動物体の予測画54との差分が差分Dm として求められる。この場合には、フレーム50と移動物体の予測画54とでは、予測移動物体が全く同一の位置に存在することになり、予測移動物体を構成する画素は、フレーム50と移動物体の予測画54とで互いに対応することになる。ステップS18では、図6に3つの画像を貫く縦線で示される如くフレーム50および54とが対応付けられ、これらフレーム50と移動物体の予測画54との差分が差分Dm として求められる。
【0055】
続くフレーム51および52でも、図7および図8にそれぞれ例示されるように、フレーム50と同様な処理がなされる。なお、図7に示される、注目フレーム51に対する処理では、入力フレーム51のシフト量と、背景の予測画53のシフト量とが共に0となる。
【0056】
ステップS17およびステップS19で、差分Dh およびDm がそれぞれ累積され、差分絶対値和Dh (T,x,y)およびDm (T,x,y)が求められる。図6〜図8により、対象画素が予測移動物体を構成する画素であるときには、差分Dm の値が例えば略0となり、差分Dh >差分Dm となることがわかる。逆に、対象画素が予測背景を構成する画素であるときには、差分Dh の値が例えば略0となり、差分Dh <差分Dm となることがわかる。このことを利用して、ステップS20で、差分絶対値和Dh (T,x,y)と差分絶対値和Dm (T,x,y)との比較を行い、その大小で、対象とされた画素が移動物体であるか、背景であるかの判断を行っている。
【0057】
なお、上述では、移動物体は、X方向に直進しているものとして説明しているが、これはこの例に限定されず、例えばY方向の移動に対応させることは、容易である。また、移動物体がさらに多方向に移動するような場合にも、対応させることが可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、背景画像中を移動する移動物体の切り出しに、移動物体の輝度値を利用していないため、どのような輝度値の画像でも切り出しが可能であるという効果がある。
【0059】
また、この発明では、移動物体の動き情報を利用することにより、背景と移動物体領域とが同様な輝度値を有しているような場合でも、移動物体の切り出しを行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】評価値テーブルにおける動き量の一例の分布を示す略線図である。
【図2】推定した動き量を用いて移動物体を高精度で切り出すためのこの実施の一形態による一例の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の一形態による推定した動き量を用いて移動物体を高精度で切り出す一例の処理のフローチャートである。
【図4】入力フレームを概略的に説明するための略線図である。
【図5】背景の予想画と移動物体の予想画とを説明するための略線図である。
【図6】差分Dh および差分Dm の算出を説明するための略線図である。
【図7】差分Dh および差分Dm の算出を説明するための略線図である。
【図8】差分Dh および差分Dm の算出を説明するための略線図である。
【符号の説明】
10・・・画像メモリ、11・・・動き量検出部、12・・・メモリ、13・・・移動物体予測部、14・・・背景予測部、15,16・・・シフト部、17・・・差分Dm 計算部、18・・・差分Dh 計算部、19,20・・・累積部、21・・・比較部、22・・・出力部

Claims (3)

  1. 画像中を移動する物体を切り出す画像処理方法において、
    入力フレーム中の移動物体の推定動き量を検出する動き量検出のステップと、
    上記複数フレームの同一座標の画素の中央値もしくは平均値に基づき背景の予測画を作成する背景予測画作成のステップと、
    複数の入力フレームの画像のそれぞれを、上記動き検出のステップにより検出された上記推定動き量を打ち消すようにシフトさせ、該シフトされた上記複数の入力フレームの画像に基づき上記移動物体の予測画を作成する移動物体予測画作成のステップと、
    上記背景予測画作成のステップによって作成された上記背景の予測画と上記入力フレームとの第1の差分の絶対値を注目画素について求める第1の差分絶対値算出のステップと、
    上記移動物体予測画作成のステップで作成された上記背景の予測画と、上記入力フレームが上記動き量検出のステップで検出された上記推定動き量を打ち消すようにシフトされた画像との第2の差分の絶対値を注目画素について求める第2の差分絶対値算出のステップと、
    上記第1の差分絶対値算出のステップで求められた上記第1の差分の絶対値と、上記第2の差分絶対値算出のステップで求められた上記第2の差分の絶対値とを比較する比較のステップと
    を有し、
    上記比較のステップによる比較の結果、上記第1の差分の絶対値>上記第2の差分の絶対値であるときに、上記注目画素が上記移動物体を構成する画素であると判定するようにしたことを特徴とする画像処理方法。
  2. 請求項に記載の画像処理方法において、
    上記比較のステップは、上記第1および第2の差分の絶対値のそれぞれを上記複数の入力フレームについて累積した、上記第1の差分の絶対値和と上記第2の差分の絶対値和とを比較するようにしたことを特徴とする画像処理方法。
  3. 画像中を移動する物体を切り出す画像処理装置において、
    入力フレーム中の移動物体の推定動き量を検出する動き量検出手段と、
    上記複数フレームの同一座標の画素の中央値もしくは平均値に基づき背景の予測画を作成する背景予測画作成手段と、
    複数の入力フレームの画像のそれぞれを、上記動き検出手段により検出された上記推定動き量を打ち消すようにシフトさせ、該シフトされた上記複数の入力フレームの画像に基づき上記移動物体の予測画を作成する移動物体予測画作成手段と、
    上記背景予測画作成手段によって作成された上記背景の予測画と上記入力フレームとの第1の差分の絶対値を注目画素について求める第1の差分絶対値算出手段と、
    上記移動物体予測画作成手段で作成された上記背景の予測画と、上記入力フレームが上記動き量検出手段で検出された上記推定動き量を打ち消すようにシフトされた画像との第2の差分の絶対値を注目画素について求める第2の差分絶対値算出手段と、
    上記第1の差分絶対値算出手段で求められた上記第1の差分の絶対値と、上記第2の差分絶対値算出手段で求められた上記第2の差分の絶対値とを比較する比較手段と
    を有し、
    上記比較手段による比較の結果、上記第1の差分の絶対値>上記第2の差分の絶対値であるときに、上記注目画素が上記移動物体を構成する画素であると判定するようにしたことを特徴とする画像処理装置。
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