JP4375884B2 - ガスタービンエンジンの昇圧空気通路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンエンジンの昇圧空気通路に関し、特に潤滑油の漏れを防止するべく高圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気を軸受箱のオイルシールへ供給するために設けられるガスタービンエンジンの昇圧空気通路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複軸バイパスジェットエンジンにおいては、低圧コンプレッサ並びに低圧タービンを支持するインナシャフトと、高圧コンプレッサ並びに高圧タービンを支持するアウタシャフトとが、同軸上で内外二重に組み合わされた中空軸で構成されている。これの場合、アウタ・インナ両シャフトは、それぞれの前後端を個別の軸受で支持されており、各軸受は、ポンプで圧送された潤滑油を吹き付ける強制潤滑方式によって潤滑されることが一般的である。
【0003】
この強制潤滑方式においては、アウタ・インナ両シャフトの各前後端に設けられた軸受箱からの滑潤油の漏出を防止するために、コンプレッサで昇圧された空気を軸受箱のオイルシールの外側に導いて軸受箱の外側の気圧を内側よりも高く保つようにしている。
【0004】
一方、エンジンの前部に配された高圧コンプレッサが発生した昇圧空気を後部軸受箱の外側へと供給するためのシールエア通路として、二重軸をなすアウタ・インナ両シャフト間の空隙を利用することが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来の構成によると、アウタ・インナ両シャフト間の空隙に流入させた昇圧空気の密封を保つために、両軸間にシール手段を設ける必要があった。このシール手段は、共に回転する2つの軸間をシールしなければならないため、極めて高い精度が要求されるので製造が厄介である上、漏れ流の最低限度値が比較的大きくならざるを得ないため、コンプレッサからの抽気量の増大によるエンジン効率の低下を招くという不都合があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の不都合を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、構造の複雑化やエンジン効率の低下を招くことのない昇圧空気通路を備えたガスタービンエンジンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を果たすために、本発明の請求項1においては、低圧コンプレッサ(LC)並びに低圧タービン(LT)が連結されたインナシャフト(8)と、高圧コンプレッサ(HC)並びに高圧タービン(HT)が連結され且つインナシャフトと二重軸の関係をなすアウタシャフト(7)と、インナシャフト並びにアウタシャフトの軸端部を個々に支持するための複数の軸受(5・6)をそれぞれの内部に軸方向に離間配置された複数の軸受箱(21・25)と、高圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気をインナシャフトの最前部のオイルシール(31a)の前方へと導く第1通路(38・40)と、インナシャフトの中心部に設けられた第2通路(中空部42)と、第1・第2両通路間を連通させる第1連通孔(前側径方向孔41)と、第2通路をインナシャフトの最後部のオイルシール(31d)の後方へ連通させる第2連通孔(後側径方向孔43)とを有することを特徴とするガスタービンエンジンの昇圧空気通路を提供することとした。
【0008】
これにより、軸間シールが不要となるので構造が簡略化されると共に、シールエアの消費量が低減されるのでエンジン効率の低下が抑制される。
【0009】
また請求項2においては、低圧コンプレッサ並びに低圧タービンが連結されたインナシャフトと、高圧コンプレッサ並びに高圧タービンが連結され且つインナシャフトと二重軸の関係をなすアウタシャフトと、インナシャフト並びにアウタシャフトの軸端部を個々に支持するための複数の軸受をそれぞれの内部に軸方向に離間配置された複数の軸受箱と、高圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気をアウタシャフトの最前部のオイルシールの後方へと導く第1通路と、高圧コンプレッサのロータ(インペラホイール9)及び高圧タービンのロータ(タービンホイール11)の内周面とアウタシャフトの外周面との間に形成された第2通路(空隙49)と、第1・第2両通路間を連通させる第1連通孔(オリフィス61)と、第2通路をアウタシャフトの最後部のオイルシール(31c)の前方へ連通させる第2連通孔(中間径方向孔63)とを有することを特徴とするガスタービンエンジンの昇圧空気通路を提供することとした。
【0010】
これにより、軸間シールが不要となるので構造が簡略化されると共に、シールエアの消費量が低減されるのでエンジン効率の低下が抑制される。しかも第2通路を流れる昇圧空気により、アウタシャフトのロータ及び高圧タービンのロータが冷却される。
【0011】
請求項2の構成に加えて、高圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気を高圧タービンのディスク部(52)の前面に供給すると共に、当該高圧タービンのディスク部とブレード部(53)とを結合するクリスマスツリー部(64)に形成された通路(軸方向連通孔65)を介してディスク部の後面にもその昇圧空気を供給するものとすれば、シールエアの供給通路に何ら影響を及ぼすことなく高圧タービンに冷却エアを送気することができる。
【0012】
さらに上記に加えて、複数の軸受箱の内部同士間を互いに連通させる空隙(45)をインナシャフトとアウタシャフトとの間に形成するものとすれば、二重軸の関係をなすアウタシャフトとインナシャフトとの隙間を介して複数の軸受箱同士間を相互に連通させることができるので、潤滑油のドレン通路やシールエアのベント通路を簡略化し得る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明が適用される複軸バイパスジェットエンジンの模式図である。このエンジン1は、互いの間を整流板2で連結されて同軸上に配置されたそれぞれが円筒状をなすアウタケーシング3とインナケーシング4とを有している。また、同心的に組み合わされた中空軸からなり、それぞれが互いに独立した軸受5f・5r・6f・6rをもってケーシングの中心部に支持されたアウタシャフト7とインナシャフト8とを有している。
【0015】
アウタシャフト7には、その前側に高圧遠心コンプレッサHCのインペラホイール9が、そして後側に逆流燃焼室10のノズルNに隣接配置された高圧タービンHTのタービンホイール11が、それぞれ一体的に結合されている。
【0016】
インナシャフト8には、その前端にフロントファン12が、フロントファン12の後方に低圧軸流コンプレッサLCの動翼を構成するコンプレッサホイール13が、そして後端に燃焼ガスの噴射ダクト14中に低圧タービンLTの動翼を置いた一対のタービンホイール15a・15bが、それぞれ一体的に結合されている。
【0017】
フロントファン12の中心には、ノーズコーン16が設けられ、フロントファン12の後方には、アウタケーシング3の内周面にその外端を結合させた静翼17が配置されている。
【0018】
インナケーシング4の前端部内周には、低圧軸流コンプレッサLCの静翼18が配置されている。そしてその後方には、フロントファン12が吸入し、かつ低圧軸流コンプレッサLCが予圧した空気を高圧遠心コンプレッサHCへと送り込むための吸入ダクト19と、これに連続する高圧遠心コンプレッサHCのインペラケーシング20とが形成されている。また吸入ダクト19の内周側には、前記したアウタシャフト7並びにインナシャフト8の前端側を支持する軸受5f・6fの軸受箱21が結合されている。
【0019】
フロントファン12が吸入した空気は、その一部が上記のように低圧軸流コンプレッサLCを経て高圧遠心コンプレッサHCへと送り込まれる。そしてその残りの比較的低速かつ大量の空気は、アウタケーシング3とインナケーシング4との間に形成されたバイパスダクト22から後方へ噴射され、低速域での主たる推力となる。
【0020】
高圧遠心コンプレッサHCの外周部には、ディフューザ23が結合されており、その直後に設けられた逆流燃焼室10へ高圧の空気を送り込むようになっている。
【0021】
逆流燃焼室10では、その後端面に設けられた燃料噴射ノズル24から噴射された燃料とディフューザ23から送り込まれた高圧空気とを混合して燃焼させる。そして後方を向くノズルNから噴射ダクト14を経て大気中へ噴射する燃焼ガスにより、高速域での主たる推力を得る。
【0022】
なお、噴射ダクト14の内周側には、前記したアウタシャフト7並びにインナシャフト8の後端側を支持する軸受5r・6rの軸受箱25が結合されている。
【0023】
このエンジン1のアウタシャフト7には、図示されていないギア機構を介してスタータモータ26の出力軸が連結されている。このスタータモータ26を駆動すると、高圧遠心コンプレッサHCのインペラホイール9がアウタシャフト7と共に駆動され、高圧空気が逆流燃焼室10へ送り込まれる。この高圧空気と燃料とを混合して燃焼させると、その燃焼ガスの噴射圧で高圧タービンHTのタービンホイール11並びに低圧タービンLTのタービンホイール15a・15bが駆動される。この高圧タービンホイール11の回転力で高圧遠心コンプレッサHCのインペラホイール9が、そして低圧タービンホイール15a・15bの回転力でフロントファン12及び低圧軸流コンプレッサLCのコンプレッサホイール13が、それぞれ駆動される。そして燃焼ガスの噴射圧で高圧タービンホイール11並びに低圧タービンホイール15a・15bが駆動されると、燃料供給量と吸入空気量との自己フィードバック的釣り合いに応じて定まる状態でエンジン1が回転を継続することとなる。
【0024】
図2に詳細に示したように、前側軸受箱21には、アウタシャフト7の前端側を支持する軸受5f並びにインナシャフト8の前端側を支持する軸受6fの支持部が、軸方向に適宜な間隔をおいて形成されている。また図3に詳細に示したように、後側軸受箱25には、アウタシャフト7の後端側を支持する軸受5r並びにインナシャフト8の後端側を支持する軸受6rの支持部が、軸方向に適宜な間隔をおいて形成されている。
【0025】
これら前側軸受箱21におけるアウタシャフト7の前端側軸受5fの後方並びにインナシャフト8の前端側軸受6fの前方に隣接する部位と、後側軸受箱25におけるアウタシャフト7の後端側軸受5rの前方並びにインナシャフト8の後端側軸受6rの後方に隣接する部位とには、各軸受に供給された潤滑油が軸受箱外へ漏出することを防止するためのフローティング・リング・シール31a〜31dが設けられている。また、前後各軸受箱21・25の各前後端とインナ・アウタ各シャフト7・8の実質的な外周面との間には、ラビリンスシール32a〜32dが設けられている。
【0026】
アウタシャフト7の前端部には、前側軸受5fのインナレース並びにスタータ用ベベルギア33が結合されると共に、インペラホイール9の軸方向前端部がスプライン結合している。
【0027】
インペラホイール9の背面の軸心部には、カービックカプリング34a・34bをその両端に備えた中空連結軸35を介してタービンホイール11の前面の軸心部が連結されている。そしてタービンホイール11の背面の軸心部は、アウタシャフト7後端の軸受支持部に隣接して嵌着されたラビリンスシール32cを備えたカラー36に対し、カービックカプリング34cを介して結合されている。
【0028】
上記のインペラホイール9、中空連結軸35、タービンホイール11、カラー36、およびアウタシャフト7後端の軸受5rのインナレースを、この順にアウタシャフト7に取り付けてベアリングナット37を締め込むことにより、アウタシャフト7に適宜な初期張力が加えられる。
【0029】
前側軸受箱21内には、適宜な円周を概ね等分割する位置に、軸受箱21の前後を相互に連通させる通路38が複数設けられている。
【0030】
インペラケーシング20の中間位置には、高圧コンプレッサHCの入口付近の壁近傍に発達した境界層を吸い出してインペラケーシング20の内面からの流れの剥離を防止すると共に、ディフューザ23への流入量を調整するための抽気孔39が設けられている。この抽気孔39から取り出された昇圧空気、つまり中間抽気圧は、前側軸受箱21の前後を連通する通路38の後部に通路40を介して導かれ、先ずこれで前側軸受箱21に設けられた前後のフローティング・リング・シール31a・31bにシール圧が加えられる。
【0031】
このようにして、前側軸受箱21内の前後に位置するフローティング・リング・シール31a・31bの装着部に高圧コンプレッサHCの中間抽気圧を導入することにより、前側軸受箱21の外圧が内圧より高く保たれ、前側軸受箱21内の潤滑油が漏出することが防止される。なお、このシール圧は、ラビリンスシール32a・32bによって封止されている。
【0032】
前端側のラビリンス・シール32aとフローティング・リング・シール31aとの間には、インナシャフト8を貫通する前側径方向孔41が設けられており、前側軸受箱21内に流入した昇圧空気は、インナシャフト8の中空部42にこの前側径方向孔41から導かれる。そしてその一部はセンタコーン16の中心に設けた孔(図示せず)から前方へ噴出させてセンタコーン16の氷結防止に用いられ、その残りはインナシャフト8の中空部42を後方へと流れる。
【0033】
図3に示したように、後端側のフローティング・リング・シール31dとラビリンス・シール32dとの間には、インナシャフト8を貫通する後側径方向孔43が設けられており、インナシャフト8の中空部42を流れた昇圧空気は、この後側径方向孔43から、後側軸受箱25の前後を連通する通路44の後部に導かれる。これにより、後側軸受箱25の前後のフローティング・リング・シール31c・31dに前側軸受箱21に対するのと同様にシール圧が加えられる。このシール圧も、ラビリンスシール32c・32dで封止されている。
【0034】
なお、インナシャフト8の中空部42を流れた昇圧空気を低圧タービンLTのタービンホイール15a・15bの周囲に導き、これらの冷却を行うようにもできることは言うまでもない。
【0035】
前後の軸受箱21・25の内側は、アウタシャフト7の内周面とインナシャフト8の外周面との間に形成された空隙45を介して互いに連通しており、各軸受5f・5r・6f・6rを潤滑した潤滑油の一部および各フローティング・リング・シール31a〜31dから侵入したシールエアは、例えばアウタシャフト7の軸端に設けられたベベルギア33に噛み合う駆動用ベベルギアの軸に沿って設けられたドレン孔(図示せず)を介してスタータモータ26に連結されたギアボックスGBに導かれ、ギアボックスGB内に設けられた油分分離装置(図示せず)で油分が除去された上でバイパスダクト22から大気中に放出される。
【0036】
このようにして、アウタシャフト7の内周面とインナシャフト8の外周面との間の空隙45をベント通路として利用することにより、外部配管が不要となるので構造を簡略化できる上にスカベンジポンプの容量が小さくて済み、しかも過渡状態・定常状態に関わりなく前後両軸受箱21・25の内外差圧を適正に維持することができる。
【0037】
他方、インペラホイール9の背面には、バックプレート46で仕切られたインペラ背面室47が画成されており、高圧遠心コンプレッサHCの吐出圧がこのインペラ背面室47に作用するようになっている。
【0038】
中空連結軸35には、円周方向に長軸をおく長孔48が開けてあり、中空連結軸35並びに高圧タービンHTの軸心部内周面とアウタシャウト7の外周面との間の空隙49に、インペラ背面室47を連通させるようになっている。なお、中空連結軸35に設ける孔48を上記の如き長孔とすることにより、その内周縁に作用する遠心力による応力を低減でき、インペラホイール9の回転に伴う旋回流が中空連結軸35の内側へ流入し易くなり、しかも開口面積が同一ならば軸方向寸法が小さくなるのでカービックカプリング34a部から長孔48の縁までの距離を大きくすることができるため、カービックカプリング34a部の強度に影響を及ぼさずに済む。
【0039】
さて、高圧遠心コンプレッサHCにより昇圧された高圧空気は、逆流燃焼室10がおかれた高圧室50にディフューザ23を通してその大部分が流入し、そのうちの一部は、高圧タービンHTのタービンホイール11の前面に対向配置されたシュラウド51で案内されてタービンホイール11のディスク部52の前面に沿って流れ、特にディスク部52の外周部のタービンブレード53との結合部の前面を冷却する。
【0040】
また高圧遠心コンプレッサHCにより昇圧された高圧空気の残りの一部は、インペラホイール9の外周からインペラ背面室47に流入する。そして、インペラ背面室47を臨む中空連結軸35の長孔48から、中空連結軸35並びに高圧タービンHTの軸心部内周面とアウタシャウト7の外周面との間の空隙49に流入する。なお、インペラ背面室47と高圧室50との間の隔壁には、背圧調整用オリフィス54が設けられており、インペラ背面室47へ高圧室50から高圧空気を補充することにより、軸全体の圧力バランスに大きな影響を及ぼすインペラ背面室47の内圧を適正に保っている。
【0041】
一方、カラー36には、中空連結軸35に設けられたのと同様な長孔55が開けてあり、中空連結軸35並びに高圧タービンHTの軸心部内周面とアウタシャウト7の外周面との間の空隙49に流入した高圧空気が、高圧タービンHTのタービンホイール11の後方へ吹き抜けるようになっている。これにより、ディスク部52とタービンブレード53との結合部の背面側が冷却される。
【0042】
上記の如くしてタービンホイール11の略全体を冷却した空気は、逆流燃焼室10のノズルNから噴出する燃焼ガスに引かれて噴射ダクト14から排出される。
【0043】
図4・5は本発明の第2の実施態様を示している。これにおいては、インペラケーシング20の中間位置に設けられた孔39から取り出された中間抽気圧が、前側軸受箱21の前後を連通する通路38の後部に導かれ、先ずこれで前側軸受箱21に設けられた前後のフローティング・リング・シール31a・31bにシール圧が加えられる。
【0044】
そして前側軸受箱21の後部のフローティング・リング・シール31bとラビリンス・シール32bとの間に設けたオリフィス61から、インペラホイール9のスプライン嵌合部に設けられた軸方向溝62を経て中空連結軸35の内周面とアウタシャウト7の外周面との間の空隙49に流入した昇圧空気は、更にシール摺接用カラー36の前側ラビリンス・シール32cとフローティング・リング・シール31cとの間に位置する部分に設けられた中間径方向孔63を経て後側軸受箱25の前後を連通する通路44に導かれる。これにより、後側軸受箱25の前後のフローティング・リング・シール31c・31dにシール圧が加えられる。
【0045】
その後、後端側のフローティング・リング・シール31dとラビリンス・シール32dとの間に設けた後側径方向孔43からインナシャフト8の中空部42に昇圧空気は導かれ、センタコーン16の中心に設けた孔(図示せず)から前方へ噴出させてセンタコーン16の氷結防止に用いられる。
【0046】
本第2実施形態においては、中間抽気がアウタシヤフト7の略全長に渡って流れるので、アウタシャフト7の昇温を抑制する作用が得られると共に、タービンホイール11の内周部も冷却される。
【0047】
なお、後側軸受箱25にシール圧を加えた昇圧空気を低圧タービンLTのタービンホイール15a・15bの周囲に導き、これらの冷却を行うようにもできることや、アウタシャフト7の内周面とインナシャフト8の外周面との間に形成された空隙45がベント通路として利用できることは、上記第1実施形態に示したのと同様である。
【0048】
本第2実施形態においては、中空連結軸35の内周面とアウタシャウト7の外周面との間の空隙49は、専ら後側軸受箱25にシール圧を加える昇圧空気の供給路として利用される。そこでディスク部52とタービンブレード53との結合部の背面側の冷却は、図6に示すように、タービンホイール11のディスク部52とタービンブレード53とを結合させるクリスマスツリー部64の最内径側に軸方向連通孔65を形成し、上記第1実施形態に示したのと同様にシュラウド51との隙間をディスク部52の前面に沿って流れた高圧空気の一部を、軸方向連通孔65からディスク部52の後方へ吹き抜けさせ、これによってディスク部52とタービンブレード53との結合部の背面側を冷却するようにしている。
【0049】
タービンホイール11の冷却は、ディスク部52の前面とシュラウド51との隙間からの送気のみならず、図7に示したように、ノズル部材66の締結ボルト67に貫通孔68を穿設したり、図8に示したように、ノズル部材66のフランジ69にタービンホイール11の回転方向に傾斜させて軸方向連通孔65への吹き抜け効率を向上させたスワールノズル70を設けたりし、これらから高圧室50内の高圧空気をディスク部52とタービンブレード53との結合部の前面に噴射すると共に、軸方向連通孔65から高圧空気の一部をディスク部52の後方へ吹き抜けさせることにより、ディスク部52とタービンブレード53との結合部の背面側の冷却を促進させることもできる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明の請求項1並びに2の構成によれば、コンプレッサの1つの部位から取り出した昇圧空気を軸受箱の前後に分岐させて導くことができるので、軸間シールが不要となることと相俟って、シールエア供給路の構造を簡略化する上に大きな効果を奏することができる。また、経路圧力低下が抑制されるためにシールエアの消費量が低減されることから、エンジン効率の低下を抑制する上に効果的であることはもとより、オイル消費量の低減にも効果的である。これに加えて、請求項3の構成により、シールエアの供給に影響を及ぼさずに高圧タービンの冷却効率を高めることができ、請求項4の構成により、排油・ベント通路を簡略化できることはもとより、ベント効率の向上によるシール差圧の安定化がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたジェットエンジンの模式図
【図2】図1に示したジェットエンジンの高圧コンプレッサ及び高圧タービンの部分的拡大断面図
【図3】図1に示したジェットエンジンの低圧タービン側の部分的拡大断面図
【図4】第2の実施態様を説明するための図2と同様な部分的拡大断面図
【図5】第2の実施態様を説明するための図3と同様な部分的拡大断面図
【図6】高圧タービンの部分的斜視図
【図7】高圧タービンへの冷却空気供給ノズルの一形態を示す部分的拡大断面図
【図8】高圧タービンへの冷却空気供給ノズルの別の形態を示す部分的拡大断面図
【符号の説明】
LC 低圧コンプレッサ
LT 低圧タービン
HC 高圧コンプレッサ
HT 高圧タービン
5f・5r・6f・6r 軸受
7 アウタシャフト
8 インナシャフト
9 インペラホイール
11 タービンホイール
21 前側軸受箱
25 後側軸受箱
31a〜31d フローティング・リング・シール
38・40 通路
41 前側径方向孔
42 中空部
43 後側径方向孔
45・49 空隙
52 タービンディスク
53 タービンブレード
61 オリフスィス
63 中間径方向孔
64 クリスマスツリー部
65 軸方向連通孔

Claims (4)

  1. 低圧コンプレッサ並びに低圧タービンが連結されたインナシャフトと、高圧コンプレッサ並びに高圧タービンが連結され且つ前記インナシャフトと二重軸の関係をなすアウタシャフトと、前記インナシャフト並びに前記アウタシャフトの軸端部を個々に支持するための複数の軸受をそれぞれの内部に軸方向に離間配置された複数の軸受箱とを有するガスタービンエンジンの昇圧空気通路であって、
    前記高圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気を前記インナシャフトの最前部のオイルシールの前方へと導く第1通路と、
    前記インナシャフトの中心部に設けられた第2通路と、
    前記第1・第2両通路間を連通させる第1連通孔と、
    前記第2通路を前記インナシャフトの最後部のオイルシールの後方へ連通させる第2連通孔とを備えることを特徴とするガスタービンエンジンの昇圧空気通路。
  2. 低圧コンプレッサ並びに低圧タービンが連結されたインナシャフトと、高圧コンプレッサ並びに高圧タービンが連結され且つ前記インナシャフトと二重軸の関係をなすアウタシャフトと、前記インナシャフト並びに前記アウタシャフトの軸端部を個々に支持するための複数の軸受をそれぞれの内部に軸方向に離間配置された複数の軸受箱とを有するガスタービンエンジンの昇圧空気通路であって、
    前記高圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気を前記アウタシャフトの最前部のオイルシールの後方へと導く第1通路と、
    前記高圧コンプレッサのロータ及び前記高圧タービンのロータの内周面と前記アウタシャフトの外周面との間に形成された第2通路と、
    前記第1・第2両通路間を連通させる第1連通孔と、
    前記第2通路を前記アウタシャフトの最後部のオイルシールの前方へ連通させる第2連通孔とを備えることを特徴とするガスタービンエンジンの昇圧空気通路。
  3. 前記高圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気を前記高圧タービンのディスク部の前面に供給すると共に、当該高圧タービンのディスク部とブレード部とを結合するクリスマスツリー部に形成された通路を介して前記ディスク部の後面にもその昇圧空気を供給することを特徴とする請求項2に記載のガスタービンエンジンの昇圧空気通路。
  4. 前記インナシャフトと前記アウタシャフトとの間に前記複数の軸受箱の内部同士間を互いに連通させる空隙が形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガスタービンエンジンの昇圧空気通路。
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