JP2001342850A - ガスタービンエンジンの昇圧空気通路 - Google Patents

ガスタービンエンジンの昇圧空気通路

Info

Publication number
JP2001342850A
JP2001342850A JP2000165277A JP2000165277A JP2001342850A JP 2001342850 A JP2001342850 A JP 2001342850A JP 2000165277 A JP2000165277 A JP 2000165277A JP 2000165277 A JP2000165277 A JP 2000165277A JP 2001342850 A JP2001342850 A JP 2001342850A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
passage
pressure
inner shaft
gas turbine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000165277A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4375884B2 (ja
Inventor
Masayuki Fukutani
正幸 福谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000165277A priority Critical patent/JP4375884B2/ja
Publication of JP2001342850A publication Critical patent/JP2001342850A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4375884B2 publication Critical patent/JP4375884B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造の複雑化やエンジン効率の低下を招くこ
とのない昇圧空気通路を備えたガスタービンエンジンを
提供する。 【解決手段】 低圧コンプレッサ(LC)並びに低圧タ
ービン(LT)が連結されたインナシャフト(8)と、
高圧コンプレッサ(HC)並びに高圧タービン(HT)
が連結され且つインナシャフトと二重軸の関係をなすア
ウタシャフト(7)と、インナシャフト並びにアウタシ
ャフトの軸端部を個々に支持するための複数の軸受(5
・6)をそれぞれの内部に軸方向に離間配置された複数
の軸受箱(21・25)と、高圧コンプレッサから取り
出した一部の昇圧空気をインナシャフトの最前部のオイ
ルシール(31a)の前方へと導く第1通路(38・4
0)と、インナシャフトの中心部に設けられた第2通路
(中空部42)と、第1・第2両通路間を連通させる第
1連通孔(前側径方向孔41)と、第2通路をインナシ
ャフトの最後部のオイルシール(31d)の後方へ連通
させる第2連通孔(後側径方向孔43)とを有するもの
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンエン
ジンの昇圧空気通路に関し、特に潤滑油の漏れを防止す
るべく高圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気
を軸受箱のオイルシールへ供給するために設けられるガ
スタービンエンジンの昇圧空気通路に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】複軸バイパスジェットエンジンにおいて
は、低圧コンプレッサ並びに低圧タービンを支持するイ
ンナシャフトと、高圧コンプレッサ並びに高圧タービン
を支持するアウタシャフトとが、同軸上で内外二重に組
み合わされた中空軸で構成されている。これの場合、ア
ウタ・インナ両シャフトは、それぞれの前後端を個別の
軸受で支持されており、各軸受は、ポンプで圧送された
潤滑油を吹き付ける強制潤滑方式によって潤滑されるこ
とが一般的である。
【0003】この強制潤滑方式においては、アウタ・イ
ンナ両シャフトの各前後端に設けられた軸受箱からの滑
潤油の漏出を防止するために、コンプレッサで昇圧され
た空気を軸受箱のオイルシールの外側に導いて軸受箱の
外側の気圧を内側よりも高く保つようにしている。
【0004】一方、エンジンの前部に配された高圧コン
プレッサが発生した昇圧空気を後部軸受箱の外側へと供
給するためのシールエア通路として、二重軸をなすアウ
タ・インナ両シャフト間の空隙を利用することが知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
構成によると、アウタ・インナ両シャフト間の空隙に流
入させた昇圧空気の密封を保つために、両軸間にシール
手段を設ける必要があった。このシール手段は、共に回
転する2つの軸間をシールしなければならないため、極
めて高い精度が要求されるので製造が厄介である上、漏
れ流の最低限度値が比較的大きくならざるを得ないた
め、コンプレッサからの抽気量の増大によるエンジン効
率の低下を招くという不都合があった。
【0006】本発明は、このような従来技術の不都合を
解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、
構造の複雑化やエンジン効率の低下を招くことのない昇
圧空気通路を備えたガスタービンエンジンを提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を果たす
ために、本発明の請求項1においては、低圧コンプレッ
サ(LC)並びに低圧タービン(LT)が連結されたイ
ンナシャフト(8)と、高圧コンプレッサ(HC)並び
に高圧タービン(HT)が連結され且つインナシャフト
と二重軸の関係をなすアウタシャフト(7)と、インナ
シャフト並びにアウタシャフトの軸端部を個々に支持す
るための複数の軸受(5・6)をそれぞれの内部に軸方
向に離間配置された複数の軸受箱(21・25)と、高
圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気をインナ
シャフトの最前部のオイルシール(31a)の前方へと
導く第1通路(38・40)と、インナシャフトの中心
部に設けられた第2通路(中空部42)と、第1・第2
両通路間を連通させる第1連通孔(前側径方向孔41)
と、第2通路をインナシャフトの最後部のオイルシール
(31d)の後方へ連通させる第2連通孔(後側径方向
孔43)とを有することを特徴とするガスタービンエン
ジンの昇圧空気通路を提供することとした。
【0008】これにより、軸間シールが不要となるので
構造が簡略化されると共に、シールエアの消費量が低減
されるのでエンジン効率の低下が抑制される。
【0009】また請求項2においては、低圧コンプレッ
サ並びに低圧タービンが連結されたインナシャフトと、
高圧コンプレッサ並びに高圧タービンが連結され且つイ
ンナシャフトと二重軸の関係をなすアウタシャフトと、
インナシャフト並びにアウタシャフトの軸端部を個々に
支持するための複数の軸受をそれぞれの内部に軸方向に
離間配置された複数の軸受箱と、高圧コンプレッサから
取り出した一部の昇圧空気をアウタシャフトの最前部の
オイルシールの後方へと導く第1通路と、高圧コンプレ
ッサのロータ(インペラホイール9)及び高圧タービン
のロータ(タービンホイール11)の内周面とアウタシ
ャフトの外周面との間に形成された第2通路(空隙4
9)と、第1・第2両通路間を連通させる第1連通孔
(オリフィス61)と、第2通路をアウタシャフトの最
後部のオイルシール(31c)の前方へ連通させる第2
連通孔(中間径方向孔63)とを有することを特徴とす
るガスタービンエンジンの昇圧空気通路を提供すること
とした。
【0010】これにより、軸間シールが不要となるので
構造が簡略化されると共に、シールエアの消費量が低減
されるのでエンジン効率の低下が抑制される。しかも第
2通路を流れる昇圧空気により、アウタシャフトのロー
タ及び高圧タービンのロータが冷却される。
【0011】請求項2の構成に加えて、高圧コンプレッ
サから取り出した一部の昇圧空気を高圧タービンのディ
スク部(52)の前面に供給すると共に、当該高圧ター
ビンのディスク部とブレード部(53)とを結合するク
リスマスツリー部(64)に形成された通路(軸方向連
通孔65)を介してディスク部の後面にもその昇圧空気
を供給するものとすれば、シールエアの供給通路に何ら
影響を及ぼすことなく高圧タービンに冷却エアを送気す
ることができる。
【0012】さらに上記に加えて、複数の軸受箱の内部
同士間を互いに連通させる空隙(45)をインナシャフ
トとアウタシャフトとの間に形成するものとすれば、二
重軸の関係をなすアウタシャフトとインナシャフトとの
隙間を介して複数の軸受箱同士間を相互に連通させるこ
とができるので、潤滑油のドレン通路やシールエアのベ
ント通路を簡略化し得る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して本発
明を詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明が適用される複軸バイパス
ジェットエンジンの模式図である。このエンジン1は、
互いの間を整流板2で連結されて同軸上に配置されたそ
れぞれが円筒状をなすアウタケーシング3とインナケー
シング4とを有している。また、同心的に組み合わされ
た中空軸からなり、それぞれが互いに独立した軸受5f
・5r・6f・6rをもってケーシングの中心部に支持
されたアウタシャフト7とインナシャフト8とを有して
いる。
【0015】アウタシャフト7には、その前側に高圧遠
心コンプレッサHCのインペラホイール9が、そして後
側に逆流燃焼室10のノズルNに隣接配置された高圧タ
ービンHTのタービンホイール11が、それぞれ一体的
に結合されている。
【0016】インナシャフト8には、その前端にフロン
トファン12が、フロントファン12の後方に低圧軸流
コンプレッサLCの動翼を構成するコンプレッサホイー
ル13が、そして後端に燃焼ガスの噴射ダクト14中に
低圧タービンLTの動翼を置いた一対のタービンホイー
ル15a・15bが、それぞれ一体的に結合されてい
る。
【0017】フロントファン12の中心には、ノーズコ
ーン16が設けられ、フロントファン12の後方には、
アウタケーシング3の内周面にその外端を結合させた静
翼17が配置されている。
【0018】インナケーシング4の前端部内周には、低
圧軸流コンプレッサLCの静翼18が配置されている。
そしてその後方には、フロントファン12が吸入し、か
つ低圧軸流コンプレッサLCが予圧した空気を高圧遠心
コンプレッサHCへと送り込むための吸入ダクト19
と、これに連続する高圧遠心コンプレッサHCのインペ
ラケーシング20とが形成されている。また吸入ダクト
19の内周側には、前記したアウタシャフト7並びにイ
ンナシャフト8の前端側を支持する軸受5f・6fの軸
受箱21が結合されている。
【0019】フロントファン12が吸入した空気は、そ
の一部が上記のように低圧軸流コンプレッサLCを経て
高圧遠心コンプレッサHCへと送り込まれる。そしてそ
の残りの比較的低速かつ大量の空気は、アウタケーシン
グ3とインナケーシング4との間に形成されたバイパス
ダクト22から後方へ噴射され、低速域での主たる推力
となる。
【0020】高圧遠心コンプレッサHCの外周部には、
ディフューザ23が結合されており、その直後に設けら
れた逆流燃焼室10へ高圧の空気を送り込むようになっ
ている。
【0021】逆流燃焼室10では、その後端面に設けら
れた燃料噴射ノズル24から噴射された燃料とディフュ
ーザ23から送り込まれた高圧空気とを混合して燃焼さ
せる。そして後方を向くノズルNから噴射ダクト14を
経て大気中へ噴射する燃焼ガスにより、高速域での主た
る推力を得る。
【0022】なお、噴射ダクト14の内周側には、前記
したアウタシャフト7並びにインナシャフト8の後端側
を支持する軸受5r・6rの軸受箱25が結合されてい
る。
【0023】このエンジン1のアウタシャフト7には、
図示されていないギア機構を介してスタータモータ26
の出力軸が連結されている。このスタータモータ26を
駆動すると、高圧遠心コンプレッサHCのインペラホイ
ール9がアウタシャフト7と共に駆動され、高圧空気が
逆流燃焼室10へ送り込まれる。この高圧空気と燃料と
を混合して燃焼させると、その燃焼ガスの噴射圧で高圧
タービンHTのタービンホイール11並びに低圧タービ
ンLTのタービンホイール15a・15bが駆動され
る。この高圧タービンホイール11の回転力で高圧遠心
コンプレッサHCのインペラホイール9が、そして低圧
タービンホイール15a・15bの回転力でフロントフ
ァン12及び低圧軸流コンプレッサLCのコンプレッサ
ホイール13が、それぞれ駆動される。そして燃焼ガス
の噴射圧で高圧タービンホイール11並びに低圧タービ
ンホイール15a・15bが駆動されると、燃料供給量
と吸入空気量との自己フィードバック的釣り合いに応じ
て定まる状態でエンジン1が回転を継続することとな
る。
【0024】図2に詳細に示したように、前側軸受箱2
1には、アウタシャフト7の前端側を支持する軸受5f
並びにインナシャフト8の前端側を支持する軸受6fの
支持部が、軸方向に適宜な間隔をおいて形成されてい
る。また図3に詳細に示したように、後側軸受箱25に
は、アウタシャフト7の後端側を支持する軸受5r並び
にインナシャフト8の後端側を支持する軸受6rの支持
部が、軸方向に適宜な間隔をおいて形成されている。
【0025】これら前側軸受箱21におけるアウタシャ
フト7の前端側軸受5fの後方並びにインナシャフト8
の前端側軸受6fの前方に隣接する部位と、後側軸受箱
25におけるアウタシャフト7の後端側軸受5rの前方
並びにインナシャフト8の後端側軸受6rの後方に隣接
する部位とには、各軸受に供給された潤滑油が軸受箱外
へ漏出することを防止するためのフローティング・リン
グ・シール31a〜31dが設けられている。また、前
後各軸受箱21・25の各前後端とインナ・アウタ各シ
ャフト7・8の実質的な外周面との間には、ラビリンス
シール32a〜32dが設けられている。
【0026】アウタシャフト7の前端部には、前側軸受
5fのインナレース並びにスタータ用ベベルギア33が
結合されると共に、インペラホイール9の軸方向前端部
がスプライン結合している。
【0027】インペラホイール9の背面の軸心部には、
カービックカプリング34a・34bをその両端に備え
た中空連結軸35を介してタービンホイール11の前面
の軸心部が連結されている。そしてタービンホイール1
1の背面の軸心部は、アウタシャフト7後端の軸受支持
部に隣接して嵌着されたラビリンスシール32cを備え
たカラー36に対し、カービックカプリング34cを介
して結合されている。
【0028】上記のインペラホイール9、中空連結軸3
5、タービンホイール11、カラー36、およびアウタ
シャフト7後端の軸受5rのインナレースを、この順に
アウタシャフト7に取り付けてベアリングナット37を
締め込むことにより、アウタシャフト7に適宜な初期張
力が加えられる。
【0029】前側軸受箱21内には、適宜な円周を概ね
等分割する位置に、軸受箱21の前後を相互に連通させ
る通路38が複数設けられている。
【0030】インペラケーシング20の中間位置には、
高圧コンプレッサHCの入口付近の壁近傍に発達した境
界層を吸い出してインペラケーシング20の内面からの
流れの剥離を防止すると共に、ディフューザ23への流
入量を調整するための抽気孔39が設けられている。こ
の抽気孔39から取り出された昇圧空気、つまり中間抽
気圧は、前側軸受箱21の前後を連通する通路38の後
部に通路40を介して導かれ、先ずこれで前側軸受箱2
1に設けられた前後のフローティング・リング・シール
31a・31bにシール圧が加えられる。
【0031】このようにして、前側軸受箱21内の前後
に位置するフローティング・リング・シール31a・3
1bの装着部に高圧コンプレッサHCの中間抽気圧を導
入することにより、前側軸受箱21の外圧が内圧より高
く保たれ、前側軸受箱21内の潤滑油が漏出することが
防止される。なお、このシール圧は、ラビリンスシール
32a・32bによって封止されている。
【0032】前端側のラビリンス・シール32aとフロ
ーティング・リング・シール31aとの間には、インナ
シャフト8を貫通する前側径方向孔41が設けられてお
り、前側軸受箱21内に流入した昇圧空気は、インナシ
ャフト8の中空部42にこの前側径方向孔41から導か
れる。そしてその一部はセンタコーン16の中心に設け
た孔(図示せず)から前方へ噴出させてセンタコーン1
6の氷結防止に用いられ、その残りはインナシャフト8
の中空部42を後方へと流れる。
【0033】図3に示したように、後端側のフローティ
ング・リング・シール31dとラビリンス・シール32
dとの間には、インナシャフト8を貫通する後側径方向
孔43が設けられており、インナシャフト8の中空部4
2を流れた昇圧空気は、この後側径方向孔43から、後
側軸受箱25の前後を連通する通路44の後部に導かれ
る。これにより、後側軸受箱25の前後のフローティン
グ・リング・シール31c・31dに前側軸受箱21に
対するのと同様にシール圧が加えられる。このシール圧
も、ラビリンスシール32c・32dで封止されてい
る。
【0034】なお、インナシャフト8の中空部42を流
れた昇圧空気を低圧タービンLTのタービンホイール1
5a・15bの周囲に導き、これらの冷却を行うように
もできることは言うまでもない。
【0035】前後の軸受箱21・25の内側は、アウタ
シャフト7の内周面とインナシャフト8の外周面との間
に形成された空隙45を介して互いに連通しており、各
軸受5f・5r・6f・6rを潤滑した潤滑油の一部お
よび各フローティング・リング・シール31a〜31d
から侵入したシールエアは、例えばアウタシャフト7の
軸端に設けられたベベルギア33に噛み合う駆動用ベベ
ルギアの軸に沿って設けられたドレン孔(図示せず)を
介してスタータモータ26に連結されたギアボックスG
Bに導かれ、ギアボックスGB内に設けられた油分分離
装置(図示せず)で油分が除去された上でバイパスダク
ト22から大気中に放出される。
【0036】このようにして、アウタシャフト7の内周
面とインナシャフト8の外周面との間の空隙45をベン
ト通路として利用することにより、外部配管が不要とな
るので構造を簡略化できる上にスカベンジポンプの容量
が小さくて済み、しかも過渡状態・定常状態に関わりな
く前後両軸受箱21・25の内外差圧を適正に維持する
ことができる。
【0037】他方、インペラホイール9の背面には、バ
ックプレート46で仕切られたインペラ背面室47が画
成されており、高圧遠心コンプレッサHCの吐出圧がこ
のインペラ背面室47に作用するようになっている。
【0038】中空連結軸35には、円周方向に長軸をお
く長孔48が開けてあり、中空連結軸35並びに高圧タ
ービンHTの軸心部内周面とアウタシャウト7の外周面
との間の空隙49に、インペラ背面室47を連通させる
ようになっている。なお、中空連結軸35に設ける孔4
8を上記の如き長孔とすることにより、その内周縁に作
用する遠心力による応力を低減でき、インペラホイール
9の回転に伴う旋回流が中空連結軸35の内側へ流入し
易くなり、しかも開口面積が同一ならば軸方向寸法が小
さくなるのでカービックカプリング34a部から長孔4
8の縁までの距離を大きくすることができるため、カー
ビックカプリング34a部の強度に影響を及ぼさずに済
む。
【0039】さて、高圧遠心コンプレッサHCにより昇
圧された高圧空気は、逆流燃焼室10がおかれた高圧室
50にディフューザ23を通してその大部分が流入し、
そのうちの一部は、高圧タービンHTのタービンホイー
ル11の前面に対向配置されたシュラウド51で案内さ
れてタービンホイール11のディスク部52の前面に沿
って流れ、特にディスク部52の外周部のタービンブレ
ード53との結合部の前面を冷却する。
【0040】また高圧遠心コンプレッサHCにより昇圧
された高圧空気の残りの一部は、インペラホイール9の
外周からインペラ背面室47に流入する。そして、イン
ペラ背面室47を臨む中空連結軸35の長孔48から、
中空連結軸35並びに高圧タービンHTの軸心部内周面
とアウタシャウト7の外周面との間の空隙49に流入す
る。なお、インペラ背面室47と高圧室50との間の隔
壁には、背圧調整用オリフィス54が設けられており、
インペラ背面室47へ高圧室50から高圧空気を補充す
ることにより、軸全体の圧力バランスに大きな影響を及
ぼすインペラ背面室47の内圧を適正に保っている。
【0041】一方、カラー36には、中空連結軸35に
設けられたのと同様な長孔55が開けてあり、中空連結
軸35並びに高圧タービンHTの軸心部内周面とアウタ
シャウト7の外周面との間の空隙49に流入した高圧空
気が、高圧タービンHTのタービンホイール11の後方
へ吹き抜けるようになっている。これにより、ディスク
部52とタービンブレード53との結合部の背面側が冷
却される。
【0042】上記の如くしてタービンホイール11の略
全体を冷却した空気は、逆流燃焼室10のノズルNから
噴出する燃焼ガスに引かれて噴射ダクト14から排出さ
れる。
【0043】図4・5は本発明の第2の実施態様を示し
ている。これにおいては、インペラケーシング20の中
間位置に設けられた孔39から取り出された中間抽気圧
が、前側軸受箱21の前後を連通する通路38の後部に
導かれ、先ずこれで前側軸受箱21に設けられた前後の
フローティング・リング・シール31a・31bにシー
ル圧が加えられる。
【0044】そして前側軸受箱21の後部のフローティ
ング・リング・シール31bとラビリンス・シール32
bとの間に設けたオリフィス61から、インペラホイー
ル9のスプライン嵌合部に設けられた軸方向溝62を経
て中空連結軸35の内周面とアウタシャウト7の外周面
との間の空隙49に流入した昇圧空気は、更にシール摺
接用カラー36の前側ラビリンス・シール32cとフロ
ーティング・リング・シール31cとの間に位置する部
分に設けられた中間径方向孔63を経て後側軸受箱25
の前後を連通する通路44に導かれる。これにより、後
側軸受箱25の前後のフローティング・リング・シール
31c・31dにシール圧が加えられる。
【0045】その後、後端側のフローティング・リング
・シール31dとラビリンス・シール32dとの間に設
けた後側径方向孔43からインナシャフト8の中空部4
2に昇圧空気は導かれ、センタコーン16の中心に設け
た孔(図示せず)から前方へ噴出させてセンタコーン1
6の氷結防止に用いられる。
【0046】本第2実施形態においては、中間抽気がア
ウタシヤフト7の略全長に渡って流れるので、アウタシ
ャフト7の昇温を抑制する作用が得られると共に、ター
ビンホイール11の内周部も冷却される。
【0047】なお、後側軸受箱25にシール圧を加えた
昇圧空気を低圧タービンLTのタービンホイール15a
・15bの周囲に導き、これらの冷却を行うようにもで
きることや、アウタシャフト7の内周面とインナシャフ
ト8の外周面との間に形成された空隙45がベント通路
として利用できることは、上記第1実施形態に示したの
と同様である。
【0048】本第2実施形態においては、中空連結軸3
5の内周面とアウタシャウト7の外周面との間の空隙4
9は、専ら後側軸受箱25にシール圧を加える昇圧空気
の供給路として利用される。そこでディスク部52とタ
ービンブレード53との結合部の背面側の冷却は、図6
に示すように、タービンホイール11のディスク部52
とタービンブレード53とを結合させるクリスマスツリ
ー部64の最内径側に軸方向連通孔65を形成し、上記
第1実施形態に示したのと同様にシュラウド51との隙
間をディスク部52の前面に沿って流れた高圧空気の一
部を、軸方向連通孔65からディスク部52の後方へ吹
き抜けさせ、これによってディスク部52とタービンブ
レード53との結合部の背面側を冷却するようにしてい
る。
【0049】タービンホイール11の冷却は、ディスク
部52の前面とシュラウド51との隙間からの送気のみ
ならず、図7に示したように、ノズル部材66の締結ボ
ルト67に貫通孔68を穿設したり、図8に示したよう
に、ノズル部材66のフランジ69にタービンホイール
11の回転方向に傾斜させて軸方向連通孔65への吹き
抜け効率を向上させたスワールノズル70を設けたり
し、これらから高圧室50内の高圧空気をディスク部5
2とタービンブレード53との結合部の前面に噴射する
と共に、軸方向連通孔65から高圧空気の一部をディス
ク部52の後方へ吹き抜けさせることにより、ディスク
部52とタービンブレード53との結合部の背面側の冷
却を促進させることもできる。
【0050】
【発明の効果】以上説明した通り本発明の請求項1並び
に2の構成によれば、コンプレッサの1つの部位から取
り出した昇圧空気を軸受箱の前後に分岐させて導くこと
ができるので、軸間シールが不要となることと相俟っ
て、シールエア供給路の構造を簡略化する上に大きな効
果を奏することができる。また、経路圧力低下が抑制さ
れるためにシールエアの消費量が低減されることから、
エンジン効率の低下を抑制する上に効果的であることは
もとより、オイル消費量の低減にも効果的である。これ
に加えて、請求項3の構成により、シールエアの供給に
影響を及ぼさずに高圧タービンの冷却効率を高めること
ができ、請求項4の構成により、排油・ベント通路を簡
略化できることはもとより、ベント効率の向上によるシ
ール差圧の安定化がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたジェットエンジンの模式図
【図2】図1に示したジェットエンジンの高圧コンプレ
ッサ及び高圧タービンの部分的拡大断面図
【図3】図1に示したジェットエンジンの低圧タービン
側の部分的拡大断面図
【図4】第2の実施態様を説明するための図2と同様な
部分的拡大断面図
【図5】第2の実施態様を説明するための図3と同様な
部分的拡大断面図
【図6】高圧タービンの部分的斜視図
【図7】高圧タービンへの冷却空気供給ノズルの一形態
を示す部分的拡大断面図
【図8】高圧タービンへの冷却空気供給ノズルの別の形
態を示す部分的拡大断面図
【符号の説明】
LC 低圧コンプレッサ LT 低圧タービン HC 高圧コンプレッサ HT 高圧タービン 5f・5r・6f・6r 軸受 7 アウタシャフト 8 インナシャフト 9 インペラホイール 11 タービンホイール 21 前側軸受箱 25 後側軸受箱 31a〜31d フローティング・リング・シール 38・40 通路 41 前側径方向孔 42 中空部 43 後側径方向孔 45・49 空隙 52 タービンディスク 53 タービンブレード 61 オリフスィス 63 中間径方向孔 64 クリスマスツリー部 65 軸方向連通孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低圧コンプレッサ並びに低圧タービンが
    連結されたインナシャフトと、高圧コンプレッサ並びに
    高圧タービンが連結され且つ前記インナシャフトと二重
    軸の関係をなすアウタシャフトと、前記インナシャフト
    並びに前記アウタシャフトの軸端部を個々に支持するた
    めの複数の軸受をそれぞれの内部に軸方向に離間配置さ
    れた複数の軸受箱とを有するガスタービンエンジンの昇
    圧空気通路であって、 前記高圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気を
    前記インナシャフトの最前部のオイルシールの前方へと
    導く第1通路と、 前記インナシャフトの中心部に設けられた第2通路と、 前記第1・第2両通路間を連通させる第1連通孔と、 前記第2通路を前記インナシャフトの最後部のオイルシ
    ールの後方へ連通させる第2連通孔とを備えることを特
    徴とするガスタービンエンジンの昇圧空気通路。
  2. 【請求項2】 低圧コンプレッサ並びに低圧タービンが
    連結されたインナシャフトと、高圧コンプレッサ並びに
    高圧タービンが連結され且つ前記インナシャフトと二重
    軸の関係をなすアウタシャフトと、前記インナシャフト
    並びに前記アウタシャフトの軸端部を個々に支持するた
    めの複数の軸受をそれぞれの内部に軸方向に離間配置さ
    れた複数の軸受箱とを有するガスタービンエンジンの昇
    圧空気通路であって、 前記高圧コンプレッサから取り出した一部の昇圧空気を
    前記アウタシャフトの最前部のオイルシールの後方へと
    導く第1通路と、 前記高圧コンプレッサのロータ及び前記高圧タービンの
    ロータの内周面と前記アウタシャフトの外周面との間に
    形成された第2通路と、 前記第1・第2両通路間を連通させる第1連通孔と、 前記第2通路を前記アウタシャフトの最後部のオイルシ
    ールの前方へ連通させる第2連通孔とを備えることを特
    徴とするガスタービンエンジンの昇圧空気通路。
  3. 【請求項3】 前記高圧コンプレッサから取り出した一
    部の昇圧空気を前記高圧タービンのディスク部の前面に
    供給すると共に、当該高圧タービンのディスク部とブレ
    ード部とを結合するクリスマスツリー部に形成された通
    路を介して前記ディスク部の後面にもその昇圧空気を供
    給することを特徴とする請求項2に記載のガスタービン
    エンジンの昇圧空気通路。
  4. 【請求項4】 前記インナシャフトと前記アウタシャフ
    トとの間に前記複数の軸受箱の内部同士間を互いに連通
    させる空隙が形成されることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載のガスタービンエンジンの昇圧空気
    通路。
JP2000165277A 2000-06-02 2000-06-02 ガスタービンエンジンの昇圧空気通路 Expired - Lifetime JP4375884B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000165277A JP4375884B2 (ja) 2000-06-02 2000-06-02 ガスタービンエンジンの昇圧空気通路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000165277A JP4375884B2 (ja) 2000-06-02 2000-06-02 ガスタービンエンジンの昇圧空気通路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001342850A true JP2001342850A (ja) 2001-12-14
JP4375884B2 JP4375884B2 (ja) 2009-12-02

Family

ID=18668773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000165277A Expired - Lifetime JP4375884B2 (ja) 2000-06-02 2000-06-02 ガスタービンエンジンの昇圧空気通路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4375884B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007255421A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Snecma 航空機用タービンエンジンの吸気コーンの除氷のためのシステム
JP2008014299A (ja) * 2006-06-30 2008-01-24 United Technol Corp <Utc> ターボ機械およびシールへの流体供給方法
JP2008082336A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 General Electric Co <Ge> ガスタービンエンジン組立体
US8774658B2 (en) 2010-06-24 2014-07-08 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus including control unit that executes energy control by controlling biases
CN105257591A (zh) * 2015-11-09 2016-01-20 江苏杰尔科技股份有限公司 一种单级高速离心风机的叶轮安装结构

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007255421A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Snecma 航空機用タービンエンジンの吸気コーンの除氷のためのシステム
JP2008014299A (ja) * 2006-06-30 2008-01-24 United Technol Corp <Utc> ターボ機械およびシールへの流体供給方法
JP2008082336A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 General Electric Co <Ge> ガスタービンエンジン組立体
US8774658B2 (en) 2010-06-24 2014-07-08 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus including control unit that executes energy control by controlling biases
CN105257591A (zh) * 2015-11-09 2016-01-20 江苏杰尔科技股份有限公司 一种单级高速离心风机的叶轮安装结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP4375884B2 (ja) 2009-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4375883B2 (ja) ガスタービンエンジンの軸受へのシールエア供給装置
JP4091874B2 (ja) ガスタービンエンジンの二次エア供給装置
US7624580B2 (en) Device for supplying secondary air in a gas turbine engine
US4722666A (en) Nose cowl mounted oil lubricating and cooling system
US7959532B2 (en) Hydraulic seal for a gearbox of a tip turbine engine
US20180306043A1 (en) Turbomachine thermal management
US8083030B2 (en) Gearbox lubrication supply system for a tip engine
US7631485B2 (en) Tip turbine engine with a heat exchanger
US20190101081A1 (en) Turbofan comprising a simplified bearing lubrication assembly
US4286430A (en) Gas turbine engine
US4038815A (en) Gas turbine
EP3459615B1 (en) Deoiler for a gas turbine engine
US8757959B2 (en) Tip turbine engine comprising a nonrotable compartment
US2938661A (en) Compressor seals
JP4375884B2 (ja) ガスタービンエンジンの昇圧空気通路
US10975725B2 (en) Turbojet engine comprising a simplified bearing lubrication unit
US5197851A (en) Axial flow turbopump with integrated boosting
JPH052818B2 (ja)
CN118167480A (zh) 集成式发动机入口框架空气冷却的油冷却设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090825

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4375884

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130918

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140918

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term