JP4375819B2 - 2軸ジャイロスコープ - Google Patents
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Description
本発明は、2軸ジャイロスコープに関する。振動構造ジャイロスコープは、共振要素として様々な異なる構造物を使用して製作することができる。これらは、ビーム、音叉、シリンダ、半球形シェル及びリングを含む。成功する商業的活用は、コストを最小限にしながら、装置性能を最適化することによる。いくつかの適用のためのさらなる目的は、装置のサイズを減少することである。
背景技術
いくつかの従来の振動構造物ジャイロ設計は、現代のマイクロ機械加工技術を使用する製作に適切である。これらは、バルクシリコン、ポリシリコン又は電鋳金属から製造される。これらの製作方法によって、高容量で、コストを減少して、小型ジャイロを生成することができる。
ジャイロスコープ装置用の多くの適用は、少なくとも2本の軸に対する角速度感度を必要とする。従来の振動構造ジャイロは、1軸の角速度感度を提供しており、したがって、直交する軸に沿って整合配置されなければならない2つの装置を必要とする。2本の軸に対する角速度を同時に検知することが本質的に可能である共振器設計を組み込む振動構造ジャイロスコープは、したがって、多大な利益がある。単一の装置は、したがって、明らかにコスト的に利益があるため従来の1軸の2つのユニットに取って代わる。また、1軸の2つのジャイロを装着し整合配置する過程が必要ではなくなる。
したがって、2本の軸に対する角速度を同時に検知することができる改良された振動構造ジャイロスコープ設計が必要である。
発明の開示
本発明の1つの形態によれば、共通軸のまわりに延在する内周囲及び外周囲を備えた実質的にリング又はフープ様形状の構造物を有する実質的に平坦な振動共振器と、共振器をCosnθ(nは2又はそれより大きい整数値である)平面外搬送波モードで振動させるための搬送波モード駆動手段と、共振器を可撓的に支持するための支持手段であって、搬送波モード駆動手段にレスポンスして支持手段に対して共振器が振動するのを可能にする支持手段と、共振器の平面外運動を検知するための搬送波モードピックオフ手段と、X軸を中心にしたジャイロスコープの回転にレスポンスした共振器の平面内Cosn1θレスポンスモード運動を検知するためのX軸レスポンスモードピックオフ手段であって、n1は、n+1又はn−1の値であるX軸レスポンスモードピックオフ手段と、Y軸を中心にしたジャイロスコープの回転にレスポンスした共振器の平面内Sinn1θレスポンスモード運動を検知するためのY軸レスポンスモードピックオフ手段であって、n1は、n+1又はn−1の値であって、X軸レスポンスモードのものと同一であるY軸レスポンスモードピックオフ手段と、を含む2軸ジャイロスコープが提供される。
好ましくは、ジャイロスコープは、共振器のX軸レスポンスモード運動をゼロにして、ジャイロスコープを強制フィードバック構成で操作するのを可能にするためのX軸レスポンスモード駆動手段を含む。
好都合なことに、ジャイロスコープは、共振器のY軸レスポンスモード運動をゼロにして、ジャイロスコープを強制フィードバック構成で操作するのを可能にするためのY軸レスポンスモード駆動手段を含む。
有利なことに、支持手段は、共振器を支持部に可撓的に接続する複数の可撓性のある脚部を含み、脚部の数はN=4n1によって与えられ、脚部の間の角度分離は360°÷Nによって与えられる。
好ましくは、前記Cosnθ平面外搬送波モード、前記Cosn 1 θレスポンスモード、及び前記Sinn 1 θレスポンスモードが共に整合している。
好都合なことに、前記搬送波モード駆動手段に、前記共振器の平面から間隔を空けて、かつ共振器平面中の固定基準軸に対して所定の角度で配置された少なくとも2つの駆動素子が含まれ、前記搬送波モードピックオフ手段に前記固定基準軸に対して所定の角度で配置される少なくとも2つのピックオフ要素が含まれ、前記X軸レスポンスモードピックオフ手段に、前記共振器の平面内共振振動のアンチノード位置に隣接して、前記固定基準軸に対して所定の角度で配置された少なくとも1つのピックオフ要素が含まれ、かつ、Y軸レスポンスモードピックオフ手段に、前記共振器の平面内共振振動のアンチノード位置に隣接して、前記固定基準軸に対して所定の角度で配置された少なくとも1つのピックオフ要素が含まれる。
発明を実施するための最良の形態
本発明をよりよく理解するために、且つ本発明がどのように実施されるかを示すために、例として、添付図面を参照して説明する。
すべての従来の振動構造ジャイロ設計に共通な特徴は、共通搬送波モード発振を維持する。これは、ジャイロが適切な軸を中心にして回転するときにコリオリ力Fcを生成する直線運動量を提供する。この力の大きさ、下記式によって与えられる。
Fc=2Ωmv ・・・(1)
ただし、Ωは加えられた角速度であり、mは質量であり、vは線速度である。速度ベクトル、回転ベクトル、力ベクトルは、添付図面の図1aに示されるように、相互直交軸に沿って位置する。
振動構造ジャイロ用のもっとも簡単な用具が図1aに示されるビーム1である。搬送波モード振動は、図1a、図1bに示されるxz平面の曲げモーションである。ビーム1の軸(z軸)に加えられた回転が、搬送波周波数でビーム1をyz平面のモーションに設定するコリオリ力を発生させる。この軸におけるモーションの振幅は、加えられた回転角速度に比例する。そのような装置の感度は、コリオリ力が直接共振モードを励起するように構造物を設計することによって高めることができる。モーションの振幅は、次いで、共振モードのQによって増幅される。等方性材料から作られる簡単なビーム1用に、これは、x寸法とy寸法ととが整合された方形断面のビームを使用して、達成される。
y軸を中心にした回転も、ビーム1にコリオリ力を引き起こす。これは、ビームの長さ方向(z軸)に沿って作用する。ビームは、この方向できわめて堅く、したがってこれらの力に対してレスポンスしない。しかし、1軸に沿ったこの簡単な線振動は、2本の軸を中心にした回転に対してレスポンスすることができる。これらのレスポンスに基づいた実際的なジャイロスコープの用具は、これらのコリオリ力の成分を適切な軸に沿ったレスポンスモードに直接連結することができる共振器設計を必要とする。
Cosnθ平面外搬送波モードを使用する平坦なリング構造物は、本質的に2軸角速度感度が可能である。搬送波モードモーションは、単一の方向(z軸)に沿っており、したがって、構造物が平面内軸のいずれかを中心にして回転するときにコリオリ力が発生する。ジャイロスコープとして実際に使用するために、コリオリ力によって誘発されたモーションの振幅は、適切な角速度測定感度を提供するのに十分なものでなければならない。この感度は、この力が平面内共振モードに直接連結することができ、それによって誘発されたモーションを共振モードのQによって増幅するならば、達成することができる。
完全なリング共振構造物のために、Cosnθ平面外振動モードは、(90/n)°の相互角度で縮退対として存在する。共振器の平面にある固定された参照軸Rを使用すると、これらのモード対は、Cosnθ及びSinnθ変位を呈する形状を有する。モードの図表用の固定されたθ=0°の参照軸Rは、正の方向のy軸に沿っている。n=1用のモード形状は、図2a、2bに示される。1振動サイクルの間の、励起されていないリング位置から最大変位の2つの極値は、対の各モード用に示される。軸は、半径1.0のリング(任意のユニット)用に、励起されていないリング位置(点線)からの変位を示す。モードは、90°の相互角度で存在する。n=2用のモード形状は、同様に図3a、3bに示される。これらは、45°の相互角度で存在する。n=3モード用の対応する形状は、図4a、4bに示され、30°の相互角度で存在する。
Cosnθ平面外搬送波モードを使用すると、リングの平面にある軸に沿った回転は、コリオリ力を生じさせる。y軸を中心にして加えられた回転が、x軸に沿って作用するコリオリ力を生じさせる。これらの力の分配は、角位置θで変動し、半径方向の成分及び接線方向の成分に分解されてもよい。y軸を中心にして加えられた回転、Ωy用に、これらの力の成分は、下記式によって与えられる。
Fcr(θ)=F(n+1)rΩySin(n+1)θ+F(n-1)rΩySin(n−1)θ・・(2)
Fct(θ)=F(n+1)tΩyCos(n+1)θ−F(n-1)tΩyCos(n−1)θ・・(3)
ただし、Fcr(θ)は、半径方向に方向づけられた平面内コリオリ力の分配であり、Fct(θ)は、接線方向に方向づけられた平面内の力の分配である。パラメータF(n+1)r、F(n-1)r及びF(n+1)t、F(n-1)tは、リング及び支持手段の正確な形状、材料、及びnの値に依存する定数である。
同一の搬送波モードのために、x軸を中心にした回転は、y軸に沿って作用するコリオリ力を誘発する。これらもまた、半径方向の成分及び接線方向の成分に分解されてもよく、加えられた回転、Ωx用に、これらの力の成分は、下記式によって与えられる。
Fcr(θ)=F(n+1)rΩxCos(n+1)θ+F(n-1)rΩxCos(n−1)θ・・(4)
Fct(θ)=F(n+1)tΩxSin(n+1)θ−F(n-1)tΩxSin(n−1)θ・・(5)
これらの力の成分は、リング共振器の平面内振動モードを直接励起するように使用されてもよい。n1=1、2、3、4用の平面内振動モード形状は、図5a〜8bに示される。これらのモードは、(90/n1)°の相互角度で縮退対として存在する。この図は、呼称半径1.0(任意のユニット)のリング用の静止位置から最大の変位を示す。これらのモードが励起される方法は、特定の搬送波モードのために例として例示される。
x軸を中心にして回転した、Cos2θ平面外搬送波モードに励起されるリング共振器用に、半径方向のコリオリ力の成分が、Cosθ及びCos3θ機能形態で発生する。これらは、図9a、図9bに図示される。点線2は、x軸及びy軸がリングの中心を通る呼称半径1.0(任意のユニット)のリング用の静止位置を示す。力は、中心点(0、0)を通って半径方向に作用し、その大きさは実線3によって示される。これは、リング周辺上に散在する点に作用する力ベクトルを表す矢印4によってよりグラフィックに示される。接線成分用に同様の図を作成することができる。これらの力成分は、図5a、図7aに示されるリングの平面内振動モードの成分に整合する機能形態を有する。y軸を中心にした回転の結果として、Sinθ及びSin3θの機能形態を備えたコリオリ力の成分が生じる。これらは、図10a、図10bに示される。これらの機能形態は、図5a、図7aに示されるモードパターンに整合する。
実際的なジャイロ設計を実行するために、レスポンスモードモーションの振幅は最大限にされなければならない。これは、搬送波モードの周波数とレスポンスモードとが整合するように、リング寸法が設計されることを必要とする。結果として得られるモーションは、したがって、共振モード振動のQによって増幅され、感度を高める。平面外モード周波数は、リングの深さ(z軸の寸法)の変化によって大幅に影響される。平面内モード周波数は、この変化に対してレスポンスせず、したがって、平面外搬送波の周波数と平面内レスポンスモードとを区別して変えて、それらのバランスを取ることができる。適切なリング寸法を使用すると、本発明の第1の実施の形態による実際的な2軸ジャイロスコープは、Cos2θ平面外搬送波モードを、Sinθ及びCosθ平面内レスポンスモードと組み合わせて有する。リング寸法は、同一の搬送波モードを、Sin3θ及びCos3θ平面内レスポンスモードと組み合わせて使用して、本発明のさらなる例を実行するように選択することができる。
本発明による別の2軸ジャイロスコープ設計は、式2〜5に示されるように、代替の搬送波とレスポンスモードとの組み合わせを使用する。Cos3θ平面外搬送波モードを、Sin2θ及びCos2θ平面内レスポンスモードと組み合わせて使用してもよい。この同一の搬送波モードを、Sin4θ及びCos4θレスポンスモードと組み合わせて使用することもできる。さらなる高次モードの組み合わせも可能であるが、実行するにはあまり実際的ではなくなる。その有用性は、駆動要素及びピックオフ要素の複雑な配置を使用しなければならないモード形状の複雑さによって制限される。
本発明による2軸ジャイロスコープは、Cos2θ平面外搬送波モードを、Sinθ及びCosθ平面内レスポンスモードと組み合わせて使用することによって、作ることができる。このジャイロスコープは、3モードの周波数が整合されることを必要とする(1つの搬送波モード+2つのレスポンスモード)。均一な厚さの完全に対称的なリング5のために、Sinθ及びCosθのモード対は、同一の周波数を有する。平面外モードは、縮退対としても存在し、したがって、搬送波周波数で、45°の角度で、Sin2θモードである。実際の用具において、モードの間で周波数の分離を故意に誘発することが便利である。これも、搬送波モード位置を、リング5の固定した配向に設定する。これは、わずかな構造的不完全さが必然的に存在する実際的なジャイロスコープの設計のために、搬送波モードモーションを動揺させることがある平面外モードの間で望ましくない相互作用を防ぐという利点を有する。
本発明のジャイロスコープのために、搬送波モードはCosnθオーダーでなければならず、ただしnは、2又はそれ以上の整数値であり、たとえば、Cos2θ、Cos3θ、Cos4θ等である。レスポンスモードは、Sinn1θ又はCosn1θでなければならず、ただしn1は、n+1又はn−1の値であり、たとえば、Sinθ、Sin2θ、Sin3θ等である。
平面内レスポンスモードの縮退を維持しながら、平面外周波数を分割することは、リング5用の支持脚部(図示せず)の数及び配向を正しく選択すれば、可能である。脚部は、リング5を中央支持部6に接続し、モード動力を局所的に動揺させる点ばね質量として作用する。周波数分割を防ぐために、脚部の数及び角度位置はモード対称に整合しなければならない。いずれのSinnθ縮退モード対のために、この数は下記式によって与えられる。
脚部の数N=4n1 ・・・(6)
角度分離は、360°÷Nによって与えられる。
したがってCosθモード対のために、この状態は、90°分離で4本の脚部を使用して達成することができる。支持脚部のこの配置は、Cos2θ平面外モードを分割し、したがって、必要に応じてその配向をリング5に固定する。
振動共振器5は、実質的に平坦で、実質的にリング又はフープ様形状の構造物を有し、内周囲及び外周囲は固定された参照軸のまわりに延在する。
本発明による振動構造ジャイロスコープは、標準製作及び機械加工技術を使用して製造される。それらは、マイクロ機械加工技術を使用する製作にも適切である。操作の原則及び、駆動及びピックオフ配向は、製作ルートに関係なく同一である。共振器リング5は、金属、石英、ポリシリコン又はバルクシリコンを含む適切な機械加工特性を有するいずれの材料から製造することができる。リング5のモードは、様々な駆動変換器を使用して発振に駆動することができる。これらは、静電性手段、電磁石性手段及び圧電性手段を含む。モーションの振幅は、同様に、静電性手段、電磁石性手段又は圧電性手段を含む様々な変換器を使用して検出することができる。駆動及びピックオフ変換器は、平面外モーション又は平面内モーションを開始して検出するように位置決めされる。
好適な実施の形態では、静電性の駆動手段及びピックオフ手段を使用する。この用の駆動要素及びピックオフ要素の配向は、図11に示される。共通軸Aの周りを延在する内周囲及び外周囲を有するリング5の場所は、破線によって示される。平面外Cos2θ搬送波モードは、リングリムの直接下にある固定された参照軸Rに対して0°及び180°に位置する駆動要素7を使用して発振に駆動される。リング5は、駆動要素7及びピックオフ要素8に対して固定した電位で維持される。個別のコンデンサが、これらの駆動要素7と、リング5の下側の対向するセグメントとの間に形成される。発振電圧が搬送波周波数で駆動要素7に加えられ、したがって、リング5を共振発振に設定する静電力を発生させる。ピックオフ要素8は、90°及び270°に位置し、同様に、ギャップが変動するときにリング5のモーションを検出するコンデンサを形成する。
x軸を中心にした回転は、0°及び180°で波腹を有するCosθ平面内レスポンスモードにエネルギを連結する。y軸を中心にした回転は、90°及び270°で波腹を有するSinθモードにエネルギを連結する。駆動要素及びピックオフ要素は、これらの点に隣接するいずれの適切な組み合わせに位置してもよい。これらは、リング5の外周囲のまわりに同心的に位置する電極を具備する。リングの面に直角な電極面は、リング5の隣接して面するセグメントを備えたコンデンサを形成する。便利なことに、x軸レスポンスモードモーションは0°に位置するピックオフ9によって検出される。180°に位置する駆動要素10を使用して、モードの運動をゼロにしてジャイロスコープを強制フィードバック構成で操作することができる。このモードで操作されるときに、ゼロ化駆動は、加えられた角速度に比例する。このモードの操作は、開ループモードに対して有利な性能を提供することが知られている。y軸レスポンスモードモーションは、90°に位置するピックオフ要素11によって検出される。270°に位置する駆動要素12は、ジャイロスコープが強制フィードバックモードで操作することを可能にする。
図12は、y軸に沿ったリング共振器5の中心を通って図11の線A−Aに沿った断面図を示し、装置のさらなる詳細を示す。x軸及びy軸の駆動要素及びピックオフ要素9、10、11、12は、電気的に絶縁な支持体層14の表面におかれた伝導サイト13である。これらのサイト13は、トラックを介して、制御回路に電気的に接続することができるボンドパッド(図示せず)に接続される。リング5は、支持脚部(図示せず)を介して、中央支持部6に取り付けられる。この支持部6はリング5の下に延在し、支持脚部は、支持体層14の上に自由に懸垂される。平面外モード駆動要素及びピックオフ要素7、8は、支持体14に堅く取り付けられ、トラッキングとボンドパッド(図示せず)とが所望により設けられ、制御回路への接続を可能にする。
図11、図12のジャイロスコープに対してさらに修正することが可能である。たとえば、さらなる第2の絶縁支持体層(図示せず)が、共振器リング5の上に堅く固定され、平面外モード駆動及びピックオフコンデンサ要素サイト13を複製し、これが、x軸及びy軸に沿ってジャイロスコープの感度を上げる。しかし、これは、製作過程を複雑にし、ジャイロスコープの本質的な設計特徴又は機能を変えない。
本発明の2軸ジャイロスコープは、同一のCos2θ平面外搬送波モードを、Sin3θ及びCos3θ平面内レスポンスモードと組み合わせて使用して、製作することができる。この設計のために、Cos2θ平面外モード周波数を分離しながら、Cos3θ平面内モード対称を維持する必要がある。これは、30°の角度分離で12本の支持脚部を使用することによって達成される。
駆動要素及びピックオフ要素の適切な配置は図13に示される。搬送波モード駆動要素7は0°及び180°に位置し、ピックオフ要素8は90°及び270°に位置する。x軸を中心にした回転は、Cos3θレスポンスモードを励起する。x軸レスポンスモードピックオフ要素9は、0°、120°、240°に位置し、駆動要素10は、60°、180°、300°に位置する。y軸を中心にした回転は、Sin3θレスポンスモードを励起する。y軸モードピックオフ要素11は、30°、150°、270°に位置し、駆動要素12は、90°、210°、330°に位置する。
本発明の2軸ジャイロスコープは、Cos3θ平面外搬送波モードを、Sin2θ及びCos2θ平面内レスポンスモードと組み合わせて使用して、製作することができる。平面内レスポンスモードのモード対称を維持することは、45°の角度分離で8本の支持脚部を使用することを必要とする。この用具用の駆動要素及びピックオフ要素の配向は図14に示される。搬送波モード駆動要素7は、0°、120°、240°に位置し、ピックオフ要素8は、60°、180°、300°に位置する。x軸を中心にした回転は、Cos2θレスポンスモードを励起する。このモード用のピックオフ要素9は、0°及び180°に位置し、駆動要素10は、90°及び270°に位置する。y軸を中心にした回転は、Sin2θレスポンスモードを励起する。このモード用のピックオフ要素11は、45°及び225°に位置し、駆動要素12は、135°及び315°に位置する。
本発明の2軸ジャイロスコープは、この同一のCos3θ搬送波モードを、Sin4θ及びCos4θ平面内レスポンスモードと組み合わせて使用して、製作することもできる。この場合、平面内レスポンスモードのモード対称を維持することは、22.5°の角度間隔で16本の支持脚部を使用することを必要とする。この用具用の駆動要素及びピックオフ要素の配向は図15に示される。搬送波モード駆動要素7は、0°、120°、240°に位置し、ピックオフ要素8は、60°、180°、300°に位置する。x軸を中心にした回転は、Cos4θレスポンスモードを励起する。このモード用のピックオフ要素9は、0°、90°、180°、270°に位置し、駆動要素10は、45°、135°、225°、315°に位置する。y軸を中心にした回転は、Sin4θレスポンスモードを励起する。このモード用のピックオフ要素11は、22.5°、112.5°、202.5°、292.5°に位置し、駆動要素12は、67.5°、157.5°、247.5°、337.5°に位置する。
本発明の2軸角速度ジャイロスコープは、高次平面内及び平面外モードの組み合わせを使用して製作することができ、平面外モードはCosnθに合致すると仮定し、ただしnは2又はそれ以上の整数値であり、平面内X軸及びY軸レスポンスモードはCosn1θ及びSinn1θに合致し、ただしn1は、n+1又はn−1の値であり、X軸レスポンスモード値とY軸レスポンスモード値とは同一である。これらは、必要なモード対称維持するためのきわめて多くの数の支持脚部と、多くの数の駆動要素及びピックオフ要素とを必要とする。結果として、これらの実施の形態は、実施可能ではあるが、特に小さいサイズでは、製作するのがきわめて複雑である。
前述の記載において、駆動要素及びピックオフ要素の角度位置は、共振器の平面にある固定された参照軸Rに対するものである。2本の軸に対する角速度を検知するための本発明のジャイロスコープにおいて、Cosnθ平面外搬送波モードと、Sinn1θ及びCosn1θ平面外レスポンスモード周波数とが整合するように、共振器2及び支持手段が大きさを決められる。
【図面の簡単な説明】
図1aは、本発明によらない振動ビーム構造ジャイロスコープの概略図である。
図1bは、図1aのジャイロスコープ用の3本の直交軸のグラフ図である。
図2a、2bは、n=1であるCosnθ平面外搬送波モードを使用する本発明による2軸ジャイロの振動モード形状の3軸のグラフ図である。
図3a、3bは、n=2であるCosnθ平面外振動モードを使用する本発明によるジャイロスコープの振動モードの3軸のグラフ図である。
図4a、4bは、n=3モード用の本発明によるジャイロスコープのモード形状の3軸のグラフ図である。
図5a〜8bは、X軸平面内振動モード形状に対するY軸のグラフ図であり、n1=1を図5a、図5bに、n=2を図6a、図6bに、n1=3を図7a、図7bに、n1=4を図8a、図8bに、示す。
図9a、9bは、X軸を中心にして回転するCos2θ平面外搬送波モードに励起した本発明によるジャイロスコープの共振器用のX軸に対するY軸のグラフ図であり、発生した半径方向のコリオリ力の成分を示す。
図10a、10bは、図9a、図9bに類似したコリオリ力の成分の発生を示すが、Y軸を中心にして回転することによって発生したものである。
図11は、本発明の第1の実施の形態による2軸ジャイロスコープの一部の概略図であり、駆動要素及びピックオフ要素の配置を示す。
図12は、図11の平面A−Aで取った断面図であるが、図11では示されていない追加部分を備えている。
図13は、本発明の第2の実施の形態による2軸ジャイロスコープ用の駆動要素及びピックオフ要素を示す概略配置である。
図14は、本発明の第3の実施の形態による2軸ジャイロスコープ用の駆動要素及びピックオフ要素を示す概略図である。
図15は、発明の第4の実施の形態による2軸ジャイロスコープ用の駆動要素及びピックオフ要素を示す概略図である。
Claims (6)
- 共通軸のまわりに延在する内周囲及び外周囲を備えた実質的にリング又はフープ様形状の構造物を有する実質的に平坦な振動共振器と、前記共振器をCosnθ平面外搬送波モードで振動させるための搬送波モード駆動手段であって、nは2又はそれより大きい整数値である搬送波モード駆動手段と、前記共振器を可撓的に支持するための支持手段であって、前記搬送波モード駆動手段にレスポンスして前記支持手段に対して前記共振器が振動するのを可能にする支持手段と、前記共振器の平面外運動を検知するための搬送波モードピックオフ手段と、を備えた2軸ジャイロスコープにおいて、
前記振動共振器は可撓性であってジャイロスコープの回転にレスポンスして平面内を移動することが可能であり、かつ、前記振動共振器は平面内を共振モードの振動を行い、
かつ、X軸を中心にした前記ジャイロスコープの回転にレスポンスした前記共振器の平面内Cosn1θレスポンスモード運動を検知するためのX軸レスポンスモードピックオフ手段であって、n1は、n+1又はn−1の値であるX軸レスポンスモードピックオフ手段と、
Y軸を中心にした前記ジャイロスコープの回転にレスポンスした共振器の平面内Sinn1θレスポンスモード運動を検知するためのY軸レスポンスモードピックオフ手段であって、n1は、n+1又はn−1の値であって、X軸レスポンスモードのものと同一であるY軸レスポンスモードピックオフ手段とを含むことを特徴とする2軸ジャイロスコープ。 - 前記共振器の前記X軸レスポンスモード運動をゼロにして、前記ジャイロスコープを強制フィードバック構成で操作するのを可能にするためのX軸レスポンスモード駆動手段を含む請求項1に記載の2軸ジャイロスコープ。
- 前記共振器の前記Y軸レスポンスモード運動をゼロにして、前記ジャイロスコープを強制フィードバック構成で操作するのを可能にするためのY軸レスポンスモード駆動手段を含む請求項1又は請求項2に記載の2軸ジャイロスコープ。
- 前記支持手段が、前記共振器を支持部に可撓的に接続する複数の可撓性のある脚部を含み、前記脚部の数がN=4n1によって与えられ、前記脚部の間の角度分離が360°÷Nによって与えられる請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の2軸ジャイロスコープ。
- 前記Cosnθ平面外搬送波モード、前記Cosn 1 θレスポンスモード、及び前記Sinn 1 θレスポンスモードが共に整合していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の2軸ジャイロスコープ。
- 前記搬送波モード駆動手段に、前記共振器の平面から間隔を空けて、かつ共振器平面中の固定基準軸に対して所定の角度で配置された少なくとも2つの駆動素子が含まれ、前記搬送波モードピックオフ手段に前記固定基準軸に対して所定の角度で配置される少なくとも2つのピックオフ要素が含まれ、前記X軸レスポンスモードピックオフ手段に、前記共振器の平面内共振振動の波腹に隣接して、前記固定基準軸に対して所定の角度で配置された少なくとも1つのピックオフ要素が含まれ、かつ、Y軸レスポンスモードピックオフ手段に、前記共振器の平面内共振振動の波腹に隣接して、前記固定基準軸に対して所定の角度で配置された少なくとも1つのピックオフ要素が含まれることを特徴とする請求項1に記載の2軸ジャイロスコープ。
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