JP4373592B2 - 釣り用水汲みバケツ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣りに使用される水汲み用のバケツ、即ち、釣り用水汲みバケツに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、防波堤、磯等で釣り場では、撒き餌を調製するため等、種々の用途に水が必要であるため、例えば、ロープ14をバケツの把手に結び付けて海面等に投入し、バケツの内部に水を侵入させた後、ロープ14を手繰り寄せてバケツを引き上げ、水を汲み上げるといったことがなされている。
例えば、撒き餌を調製する場合には、上述の方法で水を汲み上げ、収容した水を配合餌に混合して硬さ調整を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、撒き餌の海中でのばらけ具合や沈み易さ等は、調整具合(即ち、硬さ)によって大きく左右されるところ、硬さ調整は釣り経験の少ない人には難しいことから、通常、撒き餌用の配合餌の袋等に、一袋当たりの水の混合割合等が明示されており、釣り人は、この割合を基準にして配合餌に所定量の水を混合し、撒き餌を最適な硬さに調製することができる。
【0004】
しかしながら、釣り場に計量カップ等の計りを携行し配合餌に所定量の水を混合することは非常に煩雑であることから、結局のところ釣り人の感や経験によって撒き餌の調製が行われているのが現状である。
【0005】
また、撒き餌の調製以外にも、汲み上げられた水は、種々の用途に使用されており、使用する際に、使用する水量を測定することが必要となることも考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、汲み上げて使用する水量を容易に測定することができる釣り用水汲みバケツを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、本発明に係る釣り用水汲みバケツは、ケツ本体に、収容した水量を測定すべく水量測定部が設けられてなり、前記水量測定部として、種々の水位に対応した部位にそれぞれ複数の目盛りが設けられてなり、該目盛りには、水位に対応した水量表示が備えられてなり、
前記バケツ本体には、開口することにより収容した水を排出可能な排水部が設けられ、該排水部として複数の排水孔が高さの異なる部位にそれぞれ設けられ、該排水孔に対応した高さ位置には、前記目盛りが設けられ、該排水孔には、該排水孔を閉塞する栓体が嵌脱自在に嵌入されてなることを特徴とする。
【0008】
斯かる構成からなる釣り用水汲みバケツは、バケツ本体に水量測定部が設けられてなることから、水を汲み上げた後、不要量を適宜排出し、その都度、収容された水量を測定することができ、計量カップ等を使用する必要もなく、使用する水量を容易に測定することができる。
また、視認によって容易に水位を判断でき、該水位に対応した水量を容易に測定することができる。
【0009】
また、本発明においては、前記バケツ本体には、排水孔が4箇所に設けられ、前記栓体は、4つ備えられてそれぞれ2ずつが棒状の連結体によって互いに連結されていることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明において、前記バケツ本体には、互いに隣接する排水孔を結ぶ線分が菱形を形成するように前記排水孔が設けられてなり、2つの前記連結体が互いに該菱形の対辺上に存在するように前記栓体が排水孔に嵌入されてなることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る釣り用水汲みバケツは、有底の箱形に形成されたバケツ本体に、収容した水量を測定すべく水量測定部が設けられてなり、前記水量測定部として、種々の水位に対応した部位にそれぞれ複数の目盛りが設けられてなり、該目盛りには、水位に対応した水量表示が備えられてなり、
前記バケツ本体には、開口することにより収容した水を排出可能な排水部が設けられ、該排水部は、収容した水の水位を調整可能とすべく、防水性のスライドファスナーが設けられることにより開口最下部位を変動可能とされてなることを特徴とする。
斯かる構成より、バケツ本体に収容された水は、開口により排水部から排出することができると共に、開口最下部位を所望高さに変動させることにより、開口最下部位よりも下方に存在する水は、バケツ本体内に残存することになる。従って、所望水量を容易に得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
〈第一実施形態〉
以下、本発明の第一実施形態に付いて、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、第一実施形態の釣り用水汲みバケツは、有底の箱形に形成されたバケツ本体1を備え、該バケツ本体1は、上面全面に開口部10を有してなる。
このバケツ本体1は、可撓性及び防水性を有する合成樹脂シート(例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体シート、ポリ塩化ビニルシート等)が適宜液密に熱溶着されて、折り畳み可能で且つ汲み上げた水が漏出しないように構成されている。
【0013】
また、バケツ本体1の開口縁部には、開口部10の形状が変形しないように、鉄鋼ワイヤー製で無端状の枠体(図示せず)が設けられている。
例えば、バケツ本体1を構成するシートの上側の先端縁を、枠体を囲むように内側に折り返し、バケツ本体1の内面に溶着することにより、バケツ本体1の開口縁部に無端状の枠体が保持されている。
尚、バケツ本体1の底部にも周縁に沿って同形状の枠体(図示せず)が設けられ、底部の形状が保持されてなる。
【0014】
さらに、前記バケツ本体1の両側面上端部には、ベルト取付部12がそれぞれ設けられ、該取付部12間に把手用ベルトが掛け渡されて把手部13が形成されると共に、該把手部13には、通常、ロープ14等が取り付けられている。
【0015】
前記バケツ本体1の正面側の側面には、収容した水を排出することによって水位を調整可能な排水部5が上下方向に沿って設けられてなる。
詳しくは、防水性のスライドファスナー15が設けられて開閉可能とされた1つの開口部が上下方向に沿って排水部5として設けられてなる。
ここで、スライドファスナー15とは、開口部の両側端縁にそれぞれ連続して配列された務歯15a(ティース)と、該務歯15aに沿ってスライドするスライダー15bとを備えてなり、スライダー15bのスライドによって両開口縁の務歯15a同士を噛み合わせたり離反させたりでき、務歯15a同士の噛み合い及び離反によって、開口部を開閉できる構成のものであり、防水性のスライドファスナー15とは、務歯15b同士が噛み合って閉状態となった部分(閉口領域)からは、水の漏出が防止される構成のものである。
【0016】
前記排水部5は、スライダー15bの上方に開口領域が、下方に閉口領域が形成され、スライダー15bの昇降により開口領域と閉口領域とを変動させることができる構成(開口領域を下方に延長・短縮自在(伸縮自在)となる構成)、即ち、スライダー15bの昇降により、開口領域の最下部位(開口最下部位)を所望の高さ位置に調整(変動)できる構成である。
尚、前記排水部5は、スライダー15bが上端に到達した状態で閉状態、スライダー15bが下端に到達した状態で完全な開状態をとなり、閉状態では、水の漏出が殆ど防止される。
【0017】
さらに、前記排水部5の同一面においては、該排水部5の両側に、収容した種々の水量(それぞれ、0.5l、1.0l、1.5l、2.0l)の水位に対応した高さ位置に複数の目盛り2が設けられ、各目盛り2には、それぞれ対応した水量表示4が備えられてなると共に、各目盛り2は、互いに異なる色で着色されてなる。
【0018】
本第一実施形態の釣り用水汲みバケツは、上記の如く構成されてなるが、次に、本第一実施形態の釣り用水汲みバケツを使用する場合について説明する。
先ず、把手部に取り付けられたロープ14を保持しつつ、排水部5が閉状態のバケツを海面等に投入し、内部に十分水を侵入させた後、ロープ14を手繰り寄せてバケツを引き上げ、水を汲み上げる。
次いで、汲み上げた水を使用する場合、所望量の水量表示4のある目盛り2の位置までスライダー15bを引き下げて排水部5を開口させる。
これにより、開口領域が形成拡大されると共に、開口最下部位が略スライダー15bの上端縁の高さに位置することになり、開口最下部位よりも上方に存在する水は、排水部5の開口領域から排出され、所望量の水がバケツ本体1の内部に残存する。
【0019】
そして、例えば、残存する水を配合餌に混合したり、又、配合餌をバケツ内部に投入したりすることにより、所望量の水を使用して撒き餌等を調整する。
【0020】
第一実施形態の釣り用水汲みバケツは、上記構成により、上述の如く使用できるので、以下の利点を有するものである。
即ち、本第一実施形態において、前記排水部5は、前記目盛り2と同一面に形成されてなるので、所望量を示す目盛り2に対応させて(スライダー15bをスライド調整し)開口最下部位を変動できるので、極めて容易に所望水量を得ることができる。
【0021】
また、本第一実施形態において、前記排水部5は、開口領域を下方に延長・短縮自在となるように構成されてなるので、排出する水量を微調整することができ、所望水量をより細かくコントロールすることができる。
【0022】
〈第二実施形態〉
次に、本発明の第二実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
尚、第一実施形態と重複する説明は省略し、各部の名称及び図番は第一実施形態のものを適宜援用し、本実施形態で特に説明のないものは、第一実施形態で説明した構成と同じ構成とする。
図2に示すように、第二実施形態の釣り用バケツは、バケツ本体1と該バケツ本体1に排水部5として設けられた複数の排水孔6を閉塞するための栓体20とを備えて構成されている。
【0023】
また、バケツ本体1の正面側の側面には、高さの異なる部位の4箇所にそれぞれ排水孔6が設けられ、この4つの排水孔6によって排水部5が構成されてなる(図3(イ)参照)。
前記各排水孔6は、各排水孔6を結ぶ線分が対辺平行な菱形(四辺の長さが等しい四角形)を形成し且つ2辺がバケツ本体1の上下方向に沿うように設けられている。
この排水部5を構成する各排水孔6には、該排水孔6を閉塞する栓体20が嵌脱自在に嵌入されてなり、収容した水の漏出が防止されてなる。
そして、この栓体20により、前記排水孔6は開閉自在となっている。
【0024】
この栓体20は、排水孔6の数に応じて4つ備えられてなり、それぞれ2ずつが、図3(ロ)に示すように、互いに隣接する排水孔6同士と略同間隔を隔てた状態で、棒状の連結体21によって互いに連結されている。各排水孔6は、互いに隣接する排水孔6を結ぶ線分が菱形を形成するように設けられてなると共に栓体20はこの排水孔6同士と略同間隔を隔てた状態で連結されているので、連結された栓体20を、図4(イ)(ロ)に示すごとく、二つの連結体21が互いに菱形の対辺上に存在し且つ上下方向に沿うように((イ)参照)排水孔6に嵌入したり、又、それぞれ水平方向に対して傾斜(約30度)するように((ロ)参照)排水孔6に嵌入したりすることができる。
尚、二つの栓体20と連結体21とは、それぞれエラストマーからなると共に、成形によって一体的に形成されてなる。
【0025】
また、バケツ本体1の各排水孔6に対応した高さ位置には、複数の目盛り2が設けられ、各目盛り2には、それぞれ排水孔6の高さ位置の水位に対応した水量表示4(例えば、0.5l、1.0l、1.5l、2.0l)が備えられてなる。
【0026】
本第二実施形態の釣り用水汲みバケツを使用する場合、汲み上げた水を収容した状態で、所望量の水量表示4のある目盛り2に対応した排水孔6に嵌入された栓体20を引き抜き、該排水孔6を開口最下部位として開口させ、該排水孔6から収容した水を排出する。
開口最下部位となる排水孔6からは、高さ位置に対応した水位まで、収容した水を排出することになり、所望量の水がバケツ内に残存することになる。
そして、適宜、配合餌等に残存した水を混合することができる。
尚、再度水を汲む際には、取り外した栓体20を再度排水孔6に差し込む。
【0027】
第二実施形態の釣り用水汲みバケツは、上記構成により上述の如く使用できるので、以下の利点を有するものである。
即ち、第二実施形態において、前記バケツ本体1には、開閉自在な複数の排水孔6が高さの異なる複数の部位にそれぞれ設けられてなるので、所望の部位の排水孔6を開口最下部位として開口することにより、所望水量を容易に得ることができる。
また、二つ栓体20が連結体21により連結されてなるので、連結された一方の栓体20を取り外しても、他方の栓体20が排水孔6に嵌入されている限り取り外した栓体20を紛失する虞も減少する。
【0028】
上記第一、第二実施形態は上記の如く構成され、上述の利点を有するものであったが本発明の釣り用水汲みバケツは、上記実施形態に限定されず、適宜設計変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、複数の目盛り2は異なる色に着色されてなったが、各目盛り2に備えられた水量表示4を異なる色で表す場合であっても本発明の意図する範囲内である。
【0029】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る釣り用水汲みバケツは、水を汲み上げたそのもので水量を測定することができ、計量カップ等を使用する必要もなく、使用する水量を容易に測定することができるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施形態の釣り用水汲みバケツを示す概略斜視図。
【図2】 第二実施形態の釣り用水汲みバケツを示す概略斜視図。
【図3】 第二実施形態において、
(イ)は、栓体が全て取り外され、排水孔が開口した状態を示す概略正面図。
(ロ)は、連結された栓体を示す概略斜視図。
【図4】 第二実施形態において、
(イ)(ロ)共に、全ての排水孔に栓体を嵌入した状態を示す概略正面図。
【符号の説明】
1・・・バケツ本体、2目盛り(水量測定部)、4・・・水量表示、5・・・排水部

Claims (4)

  1. バケツ本体(1)に、収容した水量を測定すべく水量測定部が設けられてなり、前記水量測定部として、種々の水位に対応した部位にそれぞれ複数の目盛り(2)が設けられてなり、該目盛り(2)には、水位に対応した水量表示(4)が備えられてなり、
    前記バケツ本体(1)には、開口することにより収容した水を排出可能な排水部(5)が設けられ、該排水部(5)として複数の排水孔(6)が高さの異なる部位にそれぞれ設けられ、該排水孔(6)に対応した高さ位置には、前記目盛り(2)が設けられ、該排水孔(6)には、該排水孔(6)を閉塞する栓体(20)が嵌脱自在に嵌入されてなることを特徴とする釣り用水汲みバケツ。
  2. 前記バケツ本体(1)には、排水孔(6)が4箇所に設けられ、前記栓体(20)は、4つ備えられてそれぞれ2ずつが棒状の連結体(21)によって互いに連結されている請求項1記載の釣り用水汲みバケツ。
  3. 前記バケツ本体(1)には、互いに隣接する排水孔(6)を結ぶ線分が菱形を形成するように前記排水孔(6)が設けられてなり、2つの前記連結体(21)が互いに該菱形の対辺上に存在するように前記栓体(20)が排水孔(6)に嵌入されてなる請求項2記載の釣り用水汲みバケツ。
  4. 有底の箱形に形成されたバケツ本体(1)に、収容した水量を測定すべく水量測定部が設けられてなり、前記水量測定部として、種々の水位に対応した部位にそれぞれ複数の目盛り(2)が設けられてなり、該目盛り(2)には、水位に対応した水量表示(4)が備えられてなり、
    前記バケツ本体(1)には、開口することにより収容した水を排出可能な排水部(5)が設けられ、該排水部(5)は、収容した水の水位を調整可能とすべく、防水性のスライドファスナー(15)が設けられることにより開口最下部位を変動可能とされてなることを特徴とする釣り用水汲みバケツ。
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