JP4373333B2 - 生物学的成分の電気活性を測定するためのデバイスならびにその応用 - Google Patents

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Description

本発明は、1つまたは複数の生物学的成分の電気活性を測定するためのデバイスに関するものであり、より詳細には、複数の生物学的成分の電気活性を並列的に測定し得るようなデバイスに関するものである。
本発明は、また、そのようなデバイスの応用に関するものである。
本明細書においては、『生物学的成分』という用語は、少なくとも一部が生物学的メンブランから形成されているような、また、少なくとも一部が生物学的メンブランの構造的特性および/または機能的特性を再現するような、天然のおよび人工のすべての成分を意味するものとして理解されたい。
よって、生物学的成分は、液胞やゴルジ装置やミトコンドリアや小胞体やリソソーム等といったようなものを備えたタイプの全体的生物学的細胞または生物学的細胞小器官とすることができ、また、可能であれば細胞質ゾル成分によって終端しているような、生物学的メンブランフラグメントとすることができ、また、例えばホスファチジルコリンフィルムまたはホスファチジルグリセロールフィルムといったようなものであって、1つまたは複数のタンパク質ポアを有しているような、人工的脂質二重層とすることができ、また、バイオミメティックメンブランとすることができる。
生物学的細胞内に存在する電気信号の起源および伝達は、メンブラン貫通タンパク質に依存している。メンブラン貫通タンパク質は、原形質膜の厚さ内にポアを形成しており、メンブランを貫通してイオン(Na,Ca++,K,Cl )が通過することを確保している。よって、ポアは、『イオンチャネル』と称される。大部分のイオンチャネルは、メンブランの特定の破裂に応答して、開口する。そのような破裂は、メンブランの電位の変化に関連づけることができる(この場合には、電圧感応型チャネルまたは電圧依存型チャネルと称される)、あるいは、メンブランレセプターに対する配位子の結合に関連づけることができる(この場合には、レセプターチャネルと称される)。
現在、主要な病気によってある種のイオンチャネルの機能不全が起こることが知られている。そのような病気を例示するならば、てんかんや、筋緊張や、脳脊髄の運動失調や、高血圧や、心不全や、例えば心室のクアドリアリスミア症候群やジャーベル・ランゲニールセン症候群といったような不整脈や、嚢胞性線維症や、糖尿病や、例えばバルテル症候群やグリテルマン症候群や偽性アルドステロン減少症タイプ1(PHA−1)といったようなある種の腎臓障害、がある。同様に、ある種のイオンチャネルは、侵害メッセージの生成および制御の際に発生し、急性疼痛や慢性疼痛の原因となる。
したがって、本発明によるデバイスは、薬剤研究のための選択ツールを構成することができ、特に、イオンチャネル機能不全に関連する疾患を細胞レベルでもってメカニズムをより明瞭に理解するためのツールを構成することができ、また、そのような疾患の治療に関して有効であることが既に認知されている薬剤の作用部位とか作用モードとかを認識するためのツールを構成することができ、また、これにより、既に利用可能な薬剤よりもより効果的でありかつより特定的であるような新規な薬剤を開発するためのツールを構成することができる。
特に、本発明によるデバイスは、ある種の毒素や毒液(例えば、サソリの毒液)に対する解毒剤や薬剤を研究するに際して、また、治療薬となり得るターゲットすなわち候補薬剤としてイオンチャネルを有した分子を中程度または高程度の速度でスクリーニングするに際して、薬理学の分野に応用可能である。これにより、効果や毒性を評価することができる。本発明によるデバイスは、また、医薬品の副作用の分野においても応用可能である。
本発明によるデバイスは、また、イオンチャネル機能不全に関連した疾病の診断を行うに際しても、使用することができる。
さらに、レセプターチャネルタイプのイオンチャネルは、電気活性のわずかの変化が、検出可能な分子の存在を反映する限りにおいては、『チャネルセンサ』として使用することができる。その結果、本発明によるデバイスは、また、例えば汚染物質を検出するに際して、環境分野においても使用可能である。つまり、製造ライン上において品質管理チェックを行うような産業や、製品を導出する際に品質管理チェックを行うような産業、においても使用可能である。例えば、農業食品産業や、製薬産業や、化粧品産業や、毒性分析を行うことが標準作業となっているような任意の産業、において使用可能である。
本発明によるデバイスは、さらに、例えば、生体細胞の検出や、メンブランの完全性が維持されている細胞の検出、といったような他の様々な目的において、使用可能である。本発明によるデバイスは、これとは逆に、死んだ細胞の検出や、メンブランの完全性が失われた細胞の検出や、吐毒素現象による細胞からの物質放出の検出や、細胞と他の細胞との融合や細胞と気泡との融合に基づくメンブランキャパシタンスの変動の計測や、細胞の刺激や、細胞ネットワークや組織や培養体の内部活性の研究や、他の細胞に対して印加された電気刺激に対しての細胞の応答の研究や、『機械的』センサを提供する目的で機械的に応答するイオンチャネルの研究、といったような目的において、使用可能である。
Neher氏およびSakmann氏が、イオンチャネルを研究するための技術を開発したのは、1981年のことであった。この技術は、現在でも最も有効なものであって、特に、『パッチクランプ』技術と称されている(Hamill et al., Pflugers Arch., 1981, 391: 85-100、参考文献[1])。この技術によれば、原形質膜フラグメント(『パッチ』)内におけるあるいは細胞全体内における、メンブランを介しての電位差をチェック(『クランプ』)することができる。これにより、このメンブランパッチのあるいはこの細胞のイオンチャネルを介してのイオン束を、直接的に得ることができる。
実際には、この技術においては、細胞の原形質膜に対してガラス製マイクロピペットを適用し、マイクロピペットに対して真空吸引力を印加することによって、マイクロピペットの端部と、このマイクロピペットが適用されたメンブランパッチ(『細胞取付』構成)と、の間において、通常は『ギガシール』と称されるような、1ギガオームの程度の高抵抗を有したシールを形成する。このメンブランパッチに開口が得られるまで(『細胞全体』構成)、真空吸引力の印加を継続することができる。その後、メンブランパッチは、機械的切除によって、細胞の残部から分離させることができる(『インサイド−アウト』構成あるいは『アウトサイド−アウト』構成)。
その後、メンブランパッチに対してあるいは細胞に対して一定電圧を印加することによりさらにこの電圧の変化を記録することにより、細胞取付構成とされたあるいは切除構成とされたあるいは細胞メンブラン全体構成とされた単一隔離メンブランパッチ内において、イオンチャネルの状態(開、あるいは、閉)の変化に起因する電気活性を測定することができる。
感度が良好であることのために、パッチクランプ技術によって、イオンチャネルの理解に関してかなりの進歩をもたらす研究が可能とされたこと、および、製薬産業に対して、イオンチャネルに対して作用し得る分子をスクリーニングするためのツールが付与されたことは、疑う余地もないところではあるものの、この技術が完全に満足のいくものではないことが判明した。
この理由は、まず最初に、上記技術が、周囲媒体に起因する電気ノイズおよび振動に対して非常に敏感であるという欠点を有していることである。そのため、上記技術においては、そのようなノイズや振動による妨害影響を中性化し得るよう構成された比較的大がかりな設備(耐振動テーブル、ファラデーケージ、等)を必要とするという欠点がある。
また、上記技術は、完全に手動での手法である。このため、実施に手間がかかるものである。特に、キャピラリを延伸して機械加工することによって、測定のたびごとに、使用するためのガラス製マイクロピペットを準備しなければならない。これには、高度に熟練した作業者の存在を必要とする。また、マイクロピペットを適切に配置することや、ギガシールを形成することも、特に手間のかかるものである。それは、ギガシールを形成するための真空吸引力を、口によって印加しているからである。
加えて、単位時間あたりに検査し得る試料の数が、極めて少なく、失敗の割合も大きい。例示するならば、パッチクランプ技術を行う実験者は、最良でも、1日あたりにつき20回の測定しか行うことができない。
その結果、パッチクランプ技術を、薬学的研究において要望されているような中程度または高程度の速度で薬学的にスクリーニングするに際して使用し得ないこと、また、センサとしてのイオンチャネルの使用において要望されているような定期試験に際して使用し得ないことは、理解されるであろう。
Neher氏およびSakmann氏によって提案されたようなパッチクランプ』技術の限界は、遺伝子研究における進歩や情報技術における進歩がイオンチャネルの大いなる多様性と大いなる複雑さとの双方を証明したことと相まって、近年になって、この技術を改良しようという様々な試みをもたらした。
より詳細には、2つのアプローチが検討された。第1のアプローチは、元々の技術における電極(ガラス製マイクロピペット)と同じ電極を使用しつつも、測定を自動化することを目的としたものであった。第2のアプローチは、電子チップ上において測定を行うことを目的としたものであった。
よって、例示すれば、以下のようになる。
−NEUROSEARCH 社は、それぞれ個別のチャンバの中に収容された8個の細胞を測定し得るような、細胞を自動的に認識して測定を行う装置を開発した。この装置は、国際公開第96/13721号パンフレット(参考文献[2])に開示されており、高効率で電気活性の測定を行うことができる。しかしながら、複数の細胞が、培養されているとともに固体表面上に『パッチ』されていることにより、細胞を非常に厳密に選択する必要があるとともに、ガラス製記録電極を破損しないものとし得る高抵抗シールを確立するために使用しているピペットを位置決めするためのシステムを使用する必要がある。
−SOPHION BIOSCIENCES 社は、生物学的メンブラン内での電気事象を記録し得るような、標準的基板を開発した。この基板は、国際公開第01/25769号パンフレット(参考文献[3])に開示されており、正方形横断面形状とされた複数のサイトを備えている。これらサイト内には、電極が組み込まれている。しかしながら、使用に際して、これらサイトが、細胞に対しての高抵抗シールを形成するには不適切であることが判明した。
−CENES 社は、細胞全体の電気活性を測定し得るような、新規なパッチクランプシステムを導入した。このシステムは、国際公開第01/71349号パンフレット(参考文献[4])に開示されている。このシステムにおいては、液体媒体中に細胞を懸架し、細胞に対して、ガラス製キャピラリ内の空気と液体との間の境界部分に電極を付与する。このシステムは、周囲媒体から放出された振動によって引き起こされる問題点を除去し得るという利点を有しているとともに、電極の厳密な位置決めを必要としないという利点を有している。しかしながら、複数の測定を並列的に行うことができない。
−このCENES 社は、また、国際公開第99/66329号パンフレット(参考文献[5])において、多孔性基板あるいは孔付き基板を提案している。孔は、複数の井戸として配置され、基板の両面に、電極が設けられている。複数の細胞は、基板上において、細胞層という形態で配置されている。これにより、個々の細胞に関して個別的な測定を行うことができない。
−CYTION社は、国際公開第99/31503号パンフレット(参考文献[6])において、複数の細胞を配置し得るようなデバイスを開示している。このデバイスの特徴点は、1つのチップあたりにつき単一の組込測定サイトしか有していないことであり、また、細胞を拘束し得るような構造を有していないことである。この結果、細胞が広がってしまうという深刻なリスクがあり、同一サイト上に複数の細胞が存在することとなり得る。
−AXON社は、現在のところ、国際公開第01/59447号パンフレット(参考文献[7])においてエール大学によって提案された平面型シリコーンエラストマー製電極を使用したデバイスに関しての試作版について研究している。最初の試験では、このデバイスに対してさらなる改良が必要であることが、判明した。
−最後に、イオンチャネルによって生成されたイオン移動を、検出および測定が可能であるような交流電流へと変換することを意図したデバイスが、国際公開第00/25121号パンフレット(参考文献[8])に開示されている。このデバイスは、孔付きの基板を備えている。孔内には、使用前に、イオンチャネルが組み込まれている、あるいは、1つまたは複数のイオンチャネルを有したメンブランフラグメントが組み込まれている。このようなデバイスは、例えば細胞や細胞小器官といったような生物学的成分全体の電気活性を測定するには、全く不適切である。
国際公開第96/13721号パンフレット、参考文献[2] 国際公開第01/25769号パンフレット、参考文献[3] 国際公開第01/71349号パンフレット、参考文献[4] 国際公開第99/66329号パンフレット、参考文献[5] 国際公開第99/31503号パンフレット、参考文献[6] 国際公開第01/59447号パンフレット、参考文献[7] 国際公開第00/25121号パンフレット、参考文献[8] Hamill et al., Pflugers Arch., 1981, 391: 85-100、参考文献[1]
したがって、本発明者らに課せられた課題は、パッチクランプ技術を使用して、特に細胞といったような生物学的成分の電気活性を測定し得るようなデバイスを提供することであり、これにより、特に感度という点に関してパッチクランプ技術の利点を活かすことであり、なおかつ、潜在的に薬学的に有効な物質の中速度または高速度でのスクリーニングを可能とし得るようまた特定の診断試験や毒性試験に関して定期試験を可能とし得るよう高速でかつ信頼性高く細胞電気活性の同時測定を可能とすることによって、パッチクランプ技術の欠点を回避することである。
また、本発明者らが設定した目標は、上記利点を有しつつ、製造コストおよび動作コストという観点から満足のいくようなデバイスを提供することである。
上記目的は、本発明によって得られ、本発明においては、少なくとも1つの生物学的成分の電気活性を測定するためのデバイスを提供する。
本発明によるデバイスは、実質的に平面状の基板を具備し、この基板が、下面と、上面と、生物学的成分を収容するための少なくとも1つの貫通穴と、を備え、貫通穴が、一組をなす複数の壁によって形成され、このようなデバイスにおいて、
−デバイスが、基板の下面および上面の両外側上に配置された2つの実質的に平面状のプレートを具備し、これらプレートが、複数の壁と協働して、デバイスの使用時に液体媒体が充填されることとなるチャンバを形成し、
−プレートの各々が、基板を向く面上に、基板の貫通穴に対向した少なくとも1つの電極を備え、
−プレートの各々が、さらに、チャンバの内部を起点として延在するとともにチャンバ内部とデバイスの外部とを連通させる少なくとも1つのチャネルを備え、
−チャンバが、チャネルのみを通して、デバイスの外部と連通していることを特徴としている。よって、本発明によるデバイスは、電気活性の測定対象をなす各生物学的成分に対し、
−ハウジングとして機能し内部に生物学的成分を含有することを意図した液体媒体を充填し得るよう構成されたチャンバであるとともに、液体媒体が、電流の導通を行い得ることと、細胞が生きたものである場合には細胞の生存の確保を行い得ることと、の双方を行い得るものとされているような、チャンバと;
−一方のプレートがチャンバの上面を形成しかつ他方のプレートがチャンバの下面を形成しているような2つのプレート上に分散配置された一対をなす電極であるとともに、生物学的成分のためのハウジングに対向しており、さらに、生物学的成分に対して電圧を印加し得るという機能と、イオンチャネルの状態変化(開、または、閉)によって誘起された電圧変化を記録するという機能と、を有しているような、一対の電極と;
−チャンバ内部とデバイス外部とを連通させる少なくとも2つのチャネルであって、一方のチャネルが、チャンバの下面を起点として延在しておりかつこのチャンバ内に真空吸引力を印加することによって生物学的成分とハウジングとの間に高抵抗シールを形成することを意図したものであり、他方のチャネルが、チャンバの上面を起点として延在しておりかつこのチャンバ内に物質を導入することおよび/またはこのチャンバから物質を導出することを意図したものであるような、少なくとも2つのチャネルと;
を具備している。
本発明の第1の有利な実施形態においては、基板に形成された貫通穴が、互いに同軸的なものとされた3つの部分、特に、互いに同軸的なものとされた上部分と中央部分と下部分とを備え、上部分と中央部分とが、生物学的成分を収容するためのカップを形成し、
下部分が、生物学的成分とカップとの間において高抵抗シールを形成するのに適切な真空を真空吸引によって内部に形成するのに十分な量の液体媒体を収容するためのリザーバを形成している。
本明細書においては、『高抵抗シール』という用語は、少なくとも100メガオームという抵抗を有した、好ましくは、少なくとも1ギガオームという抵抗を有したあるいはそれ以上の抵抗を有した、シールを意味している。
好ましくは、生物学的成分を収容するためのカップ(簡単化のために、以下においては、単に『カップ』と略記する)は、漏斗の形状を有しており、この場合、カップの円錐台形状部分は、基板の貫通穴の上部分に対応し、生物学的成分のためのレセプタクルとして機能し、カップの円筒形状部分は、基板の貫通穴の中央部分に対応し、生物学的成分とカップとの貫通穴に高抵抗シールを形成するように機能する。
漏斗という形態とされた、カップのこの形状は、実際に、生物学的成分を拘束するに際して、また、特に生物学的成分が生物学的細胞である場合に生物学的成分の形状や完全性を観測するに際して、また、下方に位置するリザーバ内を真空とすることによって高抵抗シールを形成して、細胞やメンブランを確実に変形させるに際して、特に好適であることが判明している。
本発明においては、カップのうちの、生物学的成分に対するレセプタクルとして機能する円錐台形状部分の寸法は、好ましくは、生物学的成分の寸法に適合したものとされる。これにより、生物学的成分の閉込をさらに改良することができ、高抵抗シールを得ることができる。
よって、例えば、生物学的成分が通常のサイズの細胞である場合には、すなわち、直径が10〜30μmというサイズの細胞である場合には(リンパ球、CHO細胞、Hela細胞、HEK細胞、等)、カップのうちの、基板に形成された貫通穴の上部分に対応する円錐台形状部分は、好ましくは、20〜100μmという最大直径と、10〜30μmという最小直径と、10〜50μmという高さと、を有し、カップのうちの、基板に形成された貫通穴の中央部分に対応する円筒形状部分は、0.1〜3μmという直径と、100μmあるいはそれ以下という高さと、を有している。
変形例においては、生物学的成分が大きなサイズの細胞である場合には、すなわち、例えばゼノプスのオボサイトの場合のような直径が0.7〜1mmというサイズの細胞である場合には、カップの円錐台形状部分は、好ましくは、500μm〜1.5mmという最大直径と、200〜600μmという最小直径と、300μm〜10mmという高さと、を有し、カップの円筒形状部分は、0.1〜3μmという直径と、100μmあるいはそれ以下という高さと、を有している。
すべての場合において、基板に形成された貫通穴の下部分は、好ましくは、円筒形状とされるとともに、有利には、10〜100μmという直径と、300〜700μmという高さと、を有している。
本発明によるデバイスの他の有利な実施形態においては、基板は、1つまたは複数の微小機械加工可能な材料から形成されている。微小機械加工は、十分の1μm〜数百μmという寸法の貫通穴を形成するのに特に適した技術である。
好ましくは、基板は、シリコンをベースとした材料とされ、基板は、中間メンブランと、この中間メンブランの両側に配置されかつこの中間メンブランに対して固定された2つのシリコンウェハと、から構成され、中間メンブランは、微小技術に適した絶縁性材料から、あるいは、中間メンブランを補強することが要望された場合には、絶縁性材料によって表面がコーティングされたシリコンウェハから、形成することができる。絶縁性材料は、無機材料とすることができ、例えば、酸化物(例えば、SiO )や、窒化物(例えば、Si)や、有機材料(例えば、ポリイミド)、とすることができる。
この状況においては、基板に形成された貫通穴の上部分(すなわち、カップの円錐台形状部分)は、中間メンブランの両側に配置されたシリコンウェハのうちの一方のシリコンウェハにおいて貫通穴を形成している壁によって規定され、基板に形成された貫通穴の下部分(すなわち、リザーバ)は、他方のシリコンウェハにおいて貫通穴を形成している壁によって規定されている。
基板の貫通穴の上部分と下部分との間において、基板に形成された貫通穴の中央部分(すなわち、カップの円筒形状部分)は、最も単純な実施形態においては、中間メンブランにおいて貫通穴を形成している壁によって規定されている。
しかしながら、基板に形成された貫通穴の中央部分は、ある種のマイクロピペットを形成することもできる。このマイクロピペットは、基板に形成された貫通穴の上部分の中へと延出され、中間メンブランにおいて貫通穴を形成している壁に対応した第1円筒形状壁によって、および、基板の上面に向けて第1円筒形状壁から突出している第2円筒形状壁によって、規定される。このような構成は、寸法を完全に制御し得ることにより、シリコンオンインシュレーター(SOI)技術によって容易に得ることができる。第2円筒形状壁は、好ましくは、1〜30μmという高さと、0.1μm〜数μmという直径と、を有している。
明らかなように、基板を形成するに際しては、例えばガラスやプラスチックといったような上述した材料以外の微小機械加工可能な材料を、完全に使用することができる。
本発明によるデバイスのさらに他の有利な構成においては、基板の上面は、フィルムによってカバーされ、このフィルムは、生体適合性材料から形成されているとともに、付加的には、フレキシブルな材料から形成され、このフィルムには、少なくとも1つの貫通穴が形成され、この貫通穴は、基板に形成された貫通穴の上部分に対して同軸的なものとされ、さらに、上部分と同じ形状とされ、なおかつ、上部分よりも大きな横断面積を有したものとされる。
この構成は、大きなサイズの細胞の電気活性を測定することが要望された場合に特に有効なものであって、このタイプの細胞の閉込を最適化し得るだけでなく、機械加工可能な材料から形成される基板部分の厚さを低減することができ、これにより、例えばシリコンといったような微小機械加工可能な材料から全部が形成される場合と比較して、製造コストを下げることができる。
好ましくは、基板の上面をカバーしているフィルムに形成された貫通穴は、円錐台形状とされるとともに、500μm〜1.5mmという最大直径と、200〜600μmという最小直径と、300μm〜1mmという高さと、を有している。
有利には、このフィルムは、デバイスを使用するたびごとに新品のフィルムに交換し得るほどに十分に低い製造コストであるようにして、成型によって製造される。したがって、成型可能な材料から形成され、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)タイプのような熱可塑性材料や、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)のようなシリコーンエラストマー、から形成される。
フィルムや基板を形成している材料の性質に応じて、フィルムは、接着やあるいは押圧による付着効果によって、基板上において所定に保持することができる。
本発明においては、基板の下面および上面の両外側上に配置されたプレートは、互いに同じものとすることもまた互いに異なるものとすることもでき、好ましくは、絶縁性材料から形成され、例えば、ガラスエポキシから形成され、一方、これらプレートに形成される電極は、好ましくは、平面状の電極とされる。
電極は、特に、Ag/AgCl コンタクトとすることができる。しかしながら、他の酸化還元対から構成されたコンタクトを使用することもでき、例えば、Pt/PtCl 対を使用することもできる。
すべての場合において、電極は、デバイスをなす様々な部材を組み立てた後に、電力を供給し得るとともに電気的パラメータを測定し得るような回路に対して接続し得るように構成されている。
本発明のさらに他の有利な構成においては、基板の上面の外側上に配置されたプレートは、2つのチャネルを有している。特に、チャンバ内に物質を導入するためのチャネルと、チャンバから物質を導出するためのチャネルと、を有している。一方、基板の下面の外側上に配置されたプレートは、単一のチャネルを有している。この単一チャネルは、高抵抗シールを形成することを意図したものである。
物質を導入および導出するためのチャネルは、自動のまたは手動の液体供給システムに対して接続可能とされたおよび自動のまたは手動の液体吸引システムに対して接続可能とされたキャピラリに対して、一時的にあるいは恒久的に接続し得るよう構成されている。液体の供給システムおよび吸引システムは、互いに接続することができ、これにより、チャンバ内にわたって物質を循環させることができる。
高抵抗シールを形成するためのチャネルは、液体吸引システムに対して接続可能とされたキャピラリに対して、一時的にあるいは恒久的に接続し得るよう構成されている。
本発明においては、プレートを厚さ方向に貫通させることによって、様々なチャネルによって、チャンバとデバイス外部とを接続することができる。
変形例においては、チャネルが配置されているプレート内において循環することによって、チャネルにより、チャンバとデバイス外部とを接続することができる。チャネルは、そのプレートの厚さ方向において、そのプレートがなす面に対して実質的に平行に、そのプレートの一エッジに到達するまで、延在している。
本発明によるデバイスの好ましい構成においては、基板に形成された貫通穴と、基板の下面および上面の両外側上に配置されたプレートに設けられた電極と、基板の下面の外側上に配置されたプレートのチャネルとは、互いに同軸的とされている。この構成により、特に、カップと生物学的成分との間における高抵抗シールの形成と、電気活性の測定に必要であるような生物学的成分に対しての電圧印加と、電圧変化の記録と、測定品質と、を最適化することができる。
本発明によるデバイスの他の好ましい構成においては、デバイスは、チャンバをシールするための手段を具備している。この手段は、また、周囲雰囲気からの電気ノイズおよび振動を減衰させるための手段としても機能する。この手段は、簡単化のため、以下においては、単に『シール手段』と略記される。
シール手段は、好ましくは、基板とこの基板の下面の外側に配置されたプレートとの間に挿入された第1ガスケットと、基板とこの基板の上面の外側に配置されたプレートとの間に挿入された第2ガスケットと、から構成される。第1ガスケットと第2ガスケットとは、互いに同じものとすることもまた互いに異なるものとすることもできる。各ガスケットには、少なくとも1つの貫通穴が形成され、貫通穴は、接触することとなる電極を囲み得るような寸法のものとして構成される。
有利には、ガスケットは、液体不浸透性であることに加えて、わずかに圧縮可能なかつ可能であればフレキシブルな材料から形成される。さらに、ガスケットは、一方においては、基板の構成に完璧に適合し得るようにして、他方においては、デバイスを使用するたびごとに新品のガスケットに交換し得るほどに十分に低い製造コストであるようにして、成型によって製造される。このような材料は、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)といったようなシリコーンエラストマーのようなエラストマーとされる。
さらに他の好ましい構成においては、基板と、基板の下面および上面の両外側上に配置されたプレートと、シール手段とは、互いに着脱可能に組み立て得るモジュールとされる。
この場合、本発明によるデバイスは、有利には、これらモジュールを組立状態において所定に保持するための手段を備えている。
保持手段は、基板の下面および上面の両外側上に配置されたプレートに対して固定された手段とすることができ、保持手段どうしが協働することによって、プレートどうしを互いに着脱可能に固定することができ、例えば、ヒンジや、スライド路や、ねじ止め手段、とすることができる。保持手段は、また、プレートに対して独立な手段とすることもでき、このような保持手段は、様々なモジュールから形成された積層体のエッジ上にわたって装着される。
モジュールどうしの組立は、より詳細には、基板の貫通穴の軸と基板の下面および上面の両外側上に配置されたプレートに設けられた電極の軸とシール手段の貫通穴の軸との位置合わせは、特にプレート上に、機械的ガイド手段(位置合わせスタッド、コーナーグルーブ、等)や光学的ガイド手段(貫通穴を貫通した光ファイバ)や他のガイド手段を設けることにより、容易に行うことができる。
本発明においては、デバイスは、好ましくは、複数の生物学的成分の電気活性を並列的に測定することができ、この場合、
−基板は、一様に分散配置された互いに同一の複数の貫通穴を備え、
−基板の下面および上面の両外側上に配置されたプレートは、プリント回路とされ、各プリント回路に、基板に設けられた貫通穴と同じ数だけの電極が設けられ、
−基板の下面の外側上に配置されたプレートは、基板に設けられた貫通穴と少なくとも同じ数のチャネルを備え、
−基板の上面の外側上に配置されたプレートは、基板に設けられた貫通穴と少なくとも同じ数の物質導入用のチャネルと、基板に設けられた貫通穴と少なくとも同じ数の物質導出用のチャネルと、を備え、
基板と、基板の貫通穴と、プレートと、電極と、チャネルとは、上記において規定されたものとされる。
このデバイスの好ましい実施形態においては、デバイスは、互いに同一のものとされた2つのガスケットを具備し、各ガスケットには、基板に設けられた貫通穴と同じ数だけの貫通穴が設けられ、ガスケットと貫通穴とは、上記において規定されたものとされる。
また、この好ましい実施形態においては、デバイスは、互いに同一のものとされた2つのクランプを具備し、これらクランプは、基板とこの基板の下面および上面の両外側上に配置されたプレートとガスケットとによって形成された積層体のエッジ上にわたって装着される。
これは、本発明によるデバイスが、7個の構成要素を備えているものの、任意に組立および分解を行い得る互いに異なる5個のモジュールから構成されている場合である。基板が、第1モジュールに対応し、基板の外側に位置する2つのプレートが、それぞれ、第2モジュールおよび第3モジュールに対応し、ガスケットが、第4モジュールの2つの例に対応し、クランプが、第5モジュールの2つの例に対応する。
本発明によるデバイスは、多くの利点を有している。
その理由は、パッチクランプ技術の原理に基づいて細胞の電気活性を測定し得ることに加えて、パッチクランプ技術の実施を、極めて容易なものとし得るからである。すなわち、
−第1に、ガラスマイクロピペットの準備操作を不要としたことにより、さらに、これらガラスマイクロピペットの取扱いを不要としたことにより、ギガシールを得るために必要とされる口による吸引操作を不要とするものであり、および、マイクロピペットの使用必要性を不要とするものであり、さらに周囲雰囲気からの電気ノイズや振動による妨害を防止するための装置を不要とするあるいは極力制限し得るものであるからである。
−第2に、電気活性測定の全部または一部を自動化し得るからであり、特に、物質吸引システムや物質供給システムを配置することによりまたコンピュータシステムの下で電力を供給しかつ電気的パラメータを測定するための回路を配置することにより、高抵抗シールを形成や、チャンバ内への物質供給を個別的に実行することや、電圧の印加や、電圧変化の記録を、自動化し得るからである。
これにより、本発明によるデバイスは、パッチクランプ技術を、この技術分野において経験がない研究所や使用者でも利用可能とする。また、本発明によるデバイスは、高効率で細胞の電気活性の測定を行い得るとともに、このような測定において、特に再現性に関して、信頼性を保証することができる。
また、本発明によるデバイスは、細胞取付構成においてもまた細胞全体構成においても、同時に処理される複数の細胞に関してもまた単一細胞に対しても電気活性測定を行い得る限りにおいて、細胞ごとに異なるパラメータを使用することによって複数の細胞に対して測定を並列的に行う場合には、大いなるフレキシブルさをもたらす。よって、例えば、生存媒体や、被試験物質すなわち被検出物質や、物質の濃度や、電圧、といったようなパラメータを、細胞ごとに異なるものとすることができる。
加えて、本発明によるデバイスは、細胞全体の他にも、生物学的細胞有機体や、生物学的メンブランのフラグメントや、可能であれば細胞質ゾル成分によって終端した生物学的メンブランフラグメントや、人工的脂質二重層や、他の成物模擬メンブラン、を受領することができる。
このような動作のフレキシブルさは、本発明によるデバイスが、モジュールシステムである場合に、増強される。それは、そのような場合には、測定ごとに、あるいは、一連をなす複数の測定ごとに、様々なモジュールを交換できるからである。あるいは逆に、再使用できるからである。
最後に、本発明によるデバイスは、特にモジュールシステムという形態で構成されている場合には、非常に安価に製造することができる。それは、この場合には、組立操作や動作品質チェックを行う必要がないからである。同様に、このようなデバイスの動作コストは、いくつかのモジュールが交換可能とされている場合には、非常に有利である。それは、交換可能とされたモジュールが、使い捨てを意図されているからであり、また、交換可能とされたモジュールが故障したにしても、他のモジュールが完全性を維持しているからである。
上述した内容を考慮すれば、本発明によるデバイスは、以下のような目的のためのツールを構成することができる。
−治療薬のための分子のスクリーニング。
−イオンチャネル機能不全に関連した疾病の診断。
−環境分野や農業食品産業や製薬産業や化粧品産業といったような産業分野にかかわらず、毒性物質の検出。
−生きている細胞の検出またはメンブランの完全性が維持されている細胞の検出。あるいは逆に、死んでいる細胞の検出またはメンブランの完全性が失われた細胞の検出。
−吐細胞現象によって細胞から物質が放出されたことの検出。
−細胞と他の細胞との融合や細胞と気泡との融合に基づくメンブランキャパシタンスの変動の計測。
−例えば神経の再生や新たな成長や可塑性を研究したり促進したりさらには加速したりする目的で、例えば神経といったような細胞の刺激。
−細胞ネットワークや組織(典型的には、有機組織)や培養体の内部活性の研究。
−他の細胞(B)に対して印加された電気刺激に対しての細胞(A)の応答の研究。
−『機械的』センサを提供する目的で機械的に応答するイオンチャネルの研究。
上記構成とは別に、本発明は、添付図面を参照しつつ、本発明を何ら限定するものではなく単なる例示としての好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより自明であるような、さらに他の構成をも備えている。
まず最初に、図1および図2は、9個の生物学的細胞の電気活性を並列的に(同時的に)測定し得るよう構成された実施形態でもって、本発明によるデバイス(10)を概略的に示している。
図1は、分解斜視図であって、組立前の時点におけるデバイス(10)の様々な構成要素を示している。一方、図2は、図1における平面(P)による断面図であって、組立後におけるデバイス(10)の様々な構成要素を示している。
図1および図2からわかるように、デバイス(10)は、正方形形状のものであって、着脱可能に組立可能とされた以下の7個の構成要素から構成されている。すなわち、
−デバイスのベースをなす第1プリント回路(11)と;
−この第1プリント回路(11)の上面上に配置されるとともに、貫通穴(120)を使用することによって細胞(18)を拘束するという機能を有している、略平面状の基板(12)と;
−この基板(12)の上面上に配置されるとともに、デバイス(10)のカバーを形成する第2プリント回路(13)であり、第1プリント回路(11)および基板(12)の貫通穴(120)と協働することによって、複数のチャンバ(19)を形成し、この場合、チャンバ(19)の中央に、電気活性の測定対象をなす細胞(18)が配置され、さらに、1つのチャンバあたりに1つの細胞が配置され、したがって、チャンバは、細胞外液によってあるいは細胞外液として機能する媒体によって、充填されることを意図したものとされているような、第2プリント回路(13)と;
−プリント回路(11)と基板(12)との間に挿入されるまたプリント回路(13)と基板(12)との間に挿入される2つの穴開きガスケット(4,5)であるとともに、特にチャンバ(19)どうしの間においてデバイスのシールを確保するように機能し、なおかつ、周囲雰囲気に起因する電気ノイズおよび振動を減衰させるように機能する、2つの穴開きガスケット(4,5)と;
−組立状態において上記各構成要素どうしを所定位置に保持するように機能する、2つのクランプ(6,7)と;
から構成されている。
これら7個の構成要素は、互いに異なる5個のモジュールに対応する。すなわち、第1プリント回路(11)が、第1モジュールすなわちモジュール(A)に対応し;基板(12)が、第2モジュールすなわちモジュール(B)に対応し;第2プリント回路(13)が、第3モジュールすなわちモジュール(C)に対応し;ガスケット(4,5)が、第4モジュールすなわちモジュール(D)の2つの例に対応し;クランプ(6,7)が、第5モジュールすなわちモジュール(E)の2つの例に対応する。
図1および図2に示すように、基板(12)すなわちモジュール(B)は、デバイス(10)の中央を示すものであって、3行×3列でもって互いに分散配置された9個の貫通穴(120)を有している。
貫通穴(120)は、2つの機能を有している。特に、一方においては、電気活性の測定対象をなす細胞を拘束し得るマイクロカップ(40)を形成するという機能を有している。他方においては、チャンバ(19)のうちのマイクロカップの直下に位置した部分に真空が形成されたときには、マイクロカップと細胞との間に、少なくとも100メガオームという抵抗を有した好ましくは少なくとも1ギガオームという抵抗を有したシールを形成可能とするという機能を有している。
ここで、図2からわかるように、基板(12)は、中間メンブラン(122)と、この中間メンブランの両側においてこの中間メンブランに対して固定された2つのウェハ(121,123)と、から構成されている。2つのウェハ(121,123)および中間メンブラン(122)は、以下のようにして、穴開けされている。
−一方においては、細胞(18)を拘束するためのカップ(40)が漏斗の形状を有するようにして、穴開けされている。この場合、カップ(40)の円錐台形状部分(35)は、ウェハ(121)に円錐台形状貫通穴を形成している壁(36)によって規定されており、カップ(40)の円筒形状部分(25)は、中間メンブラン(122)に円筒形状貫通穴を形成している壁(26)によって規定されている。
−他方においては、カップ(40)は、カップと同じ軸を有して下方に位置した円筒形状リザーバ(60)に対して連通するようにして、穴開けされている。この場合、リザーバ(60)は、ウェハ(123)に円筒形状貫通穴を形成している壁(16)によって規定されているとともに、高抵抗シールを得るのに必要な真空を真空吸引によって内部に形成するのに十分な量の液体媒体を収容することができる。
非常に概略的に図示されているものの、図2からわかるように、図2には、高抵抗シールが形成される前の時点での細胞(左側の細胞)と、高抵抗シールが形成された後の時点での細胞(右側の細胞)と、が示されている。カップ(40)の円錐台形状部分(35)は、細胞(18)に対するレセプタクルとして機能し、一方、カップ(40)の円筒形状部分(25)は、高抵抗シールを形成するために機能する。高抵抗シールは、実際、細胞の原形質膜の変形によって、および、円筒形状部分をなす壁(26)内へとこの原形質膜が嵌入して付着することによって、得られる。
一例を示すならば、以下のようなサイズが、通常のサイズの細胞に対して非常に好適であることが判明している。
−カップの円錐台形状部分(35)は、最大部分の直径が50μmであり、最小部分の直径が30μmであり、高さが10μmであり、
−カップの円筒形状部分(25)は、直径が1.5μmであり、高さが少なくとも1μmであり、
−カップの下方に位置した円筒形状リザーバ(60)は、450μmという高さに対して直径が50μmである。
これにより、基板(12)のウェハ(121,123)が、好ましくは、特にシリコンといったような容易に微小機械加工可能な材料から形成されること、および、その場合に、中間メンブラン(122)が、好ましくは、大量生産的に(マイクロテクノロジーによって)微小機械加工されるのに適したようなかつシリコンウェハに対する接着に適したような大きな誘電定数を有した材料から形成されることは、理解されるであろう。ウェハ(121,123)がシリコンから形成されている場合には、このような材料としては、例えば、二酸化シリコン(SiO )や、窒化シリコン(Si)、がある。
プリント回路(11)すなわちモジュール(A)は、プリント回路(13)すなわちモジュール(C)と協働することにより、収容している液体媒体を介して細胞(18)に対して電圧を印加するよう機能する。プリント回路(11)は、さらに、細胞のイオンチャネルの状態変化(開、または、閉)によって誘起された電圧変化を記録するように、機能する。
よって、プリント回路(11,13)は、基板(12)を向いた面上に、ガラスエポキシタイプの従来的材料から形成し得る絶縁性支持体と、9個の電極(110,130)と、を備えている。各電極は、それぞれの軸が、カップの円筒形状部分の軸と一致するようにして配置されている。各電極は、電力を供給し得るとともに電気的パラメータを測定し得るような回路(この回路は、図1および図2には図示されていない)に対して接続し得るように構成されている。
よって、例えば、プリント回路(13)の電極コンタクト(130)は、例えばアースといったような定電圧源に対して接続することができ、かつ、プリント回路(11)の電極コンタクト(110)は、増幅器を介しつつ電源に対して接続し得るとともに、電極コンタクトによって記録された電圧変化を順次的に収集するのに適切なアドレッシング回路に対して接続することができる。このアドレッシング回路は、同様に増幅器を介して、例えば電圧計や電流計といったような、電気的パラメータの変化を測定し得る測定機器に対して、接続することができる。測定機器は、プリント回路(13)の電極コンタクト(130)が接続されているのと同じ定電圧源に対して接続される。
電力を供給し得るとともに電気的パラメータを測定し得るような回路の動作、および、収集されたデータの解析は、好ましくは、パッチクランプ技術において既に使用されているのと同様のコンピュータシステムによって制御される。
さらに、9個の流体マイクロチャネル(111)が、プリント回路(11)を厚さ方向に貫通して形成されている。マイクロチャネル(111)の直径は、数百μmであり、マイクロチャネル(111)の機能は、真空吸引によって、高抵抗シールを得るのに必要な真空を、円筒形状リザーバ(60)の中に形成することである。より詳細には、って、マイクロチャネル(111)は、電極コンタクト(110)を貫通しているとともに、プリント回路(11)の外面のところにおいて、キャピラリ(図1および図2には図示されていない)に対して接続され得るよう構成されている。キャピラリは、液体を吸引するために従来的に使用されているもの(例えば、ウォータポンプ)といったような1つまたは複数の吸引システムに対して接続されている。
さらに、複数の流体マイクロチャネルが、プリント回路(13)を厚さ方向に貫通して形成されている。これらマイクロチャネルの直径は、数百μmである。しかしながら、この場合には、18個のマイクロチャネルが形成されている。9個のマイクロチャネル(131)の機能は、チャンバ(19)内へと物質を導入することである。さらなる9個のマイクロチャネル(132)の機能は、これら物質をチャンバから導出することである。また、チャネル(131,132)を使用することによって、チャンバ(19)内において物質を再循環させることができる。
図1に示すような本発明によるデバイスの実施形態においては、チャネル(131,132)は、電極コンタクト(130)の両側に配置されている。チャネル(111)の場合と同様に、チャネル(131,132)は、キャピラリ(図1および図2には図示されていない)に対して接続され得るよう構成されている。キャピラリは、1つまたは複数の液体供給システム(マイクロシリンジ)と1つまたは複数の液体吸引システムとに対して接続されている、あるいは、チャンバ(19)内における物質の再循環に適した1つまたは複数のシステムに対して接続されている。
この場合にも、様々な供給システムや吸引システムや再循環システムの動作は、好ましくは、コンピュータシステムによって制御される。
上述したように、2つのガスケット(4,5)は、モジュール(D)の2つの例に対応するものである。第1のガスケットは、プリント回路(11)と基板(12)との間に挿入されている。第2のガスケットは、基板(12)とプリント回路(13)との間に挿入されている。これらガスケットの目的は、デバイスをシールすることであり、特に、チャンバ(19)どうしの間においてデバイスをシールすることであり、また、周囲雰囲気に起因する電気ノイズおよび振動を減衰させることである。
この目的のために、これらガスケットには、円形の穴(140,150)が形成されている。これら穴(140,150)の直径は、カップ(40)の最大直径および円筒形状リザーバ(40)の直径の双方よりも、わずかに大きなものとされている。さらに、これら穴(140,150)の軸は、カップの軸および円筒形状リザーバの軸に対して一致したものとされている。
さらに、これらガスケットは、厚さが数μmでしかないものとすることができ、液体不浸透性かつわずかに圧縮可能なかつ可能であればフレキシブルな材料から形成されている。このような材料は、好ましくは、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS)といったようなシリコーンエラストマーのようなエラストマーとされる。
また、ガスケットは、好ましくは、一方においては、基板(12)の構成に完璧に適合し得るようにして、他方においては、デバイス(10)を使用するたびごとに新品のガスケットに交換し得るほどに十分に低い製造コストであるようにして、成型によって製造される。
クランプ(6,7)は、モジュール(E)の2つの例に対応するものである。クランプは、組立後においてモジュール(A,B,C,D)を所定位置に保持するように機能する。U字形横断面形状を有していることにより、および、プリント回路(11,13)の各エッジの長さに対して実質的に等しい長さを有していることにより、クランプは、上記複数のモジュールによって形成された積層体に対してわずかな押圧力を印加することによって、積層体のエッジに対して装着することができる。
図3〜図5は、デバイス(10)の一部を示す図であって、流体マイクロチャネル(131,132)の構成に関して互いに異なるとともに図1および図2の実施形態とも異なるような、3つの実施形態を示している。
図3に示す実施形態においては、チャネル(131,132)の双方が、電極コンタクト(130)を貫通している。
図4に示す実施形態においては、これらチャネルの一方だけが、例えばチャネル(132)だけが、電極コンタクト(130)を貫通している。他方のチャネル(131)は、電極コンタクト(130)よりも側方に配置されている。これに対し、図5に示す実施形態においては、2つのチャネル(131,132)が、電極コンタクト(130)の同じ側において共に側方に配置されている。
図6は、大きな細胞の電気活性を測定し得るよう構成された例えば直径が0.7〜1mmであるような細胞の電気活性を測定し得るよう構成された実施形態に関し、デバイス(10)の構成において使用することを意図した基板(12)の一部を示している。
この実施形態においては、基板(12)の上面が、フィルム(126)によってカバーされている。フィルム(126)は、生体適合性材料から形成されており、付加的には、フレキシブルなものとされ、例えばPDMSや樹脂や熱可塑性材料から形成される。フィルム(126)には、貫通穴(127)が形成されている。この貫通穴(127)は、基板に形成された貫通穴(120)に対して、同軸的なものとされている。フィルムに形成された貫通穴(127)の寸法は、この例においては、カップが、互いに重ね合わされた2つの円錐台形状部分を有するようなものとされている、すなわち、カップが、ウェハ(121)に形成された貫通穴(35)からなる第1部分と、フィルム(126)に形成された貫通穴(127)からなる第2部分と、を有するようなものとされている。
一例を示すならば、以下のようなサイズが、優秀な結果を示した。
−カップの第1円錐台形状部分は、最大部分の直径が500μmであり、最小部分の直径が300μmであり、高さが450μmであり、
−カップの第2円錐台形状部分は、最大部分の直径が1mmであり、最小部分の直径が600μmであり、高さが1mmであり、
−カップの円筒形状部分は、直径が1.5μmであり、高さが1μm以下である。
この場合にも、フィルム(126)は、ガスケット(4,5)と同様に、デバイス(10)を使用するたびごとに新品のフィルムに交換し得るほどに十分に低い製造コストであるようにして、成型によって製造されることが好ましい。
図7および図8は、デバイス(10)の構成において使用することを意図した基板(12)の一部を示している。しかしながら、これらの場合には、円筒形状壁(50)が中間メンブラン(122)に形成された円筒形状貫通穴(25)をなす壁(26)から突出している(あるいは、起立している)。これにより、このような突出部分と中間メンブランとは、ある種のマイクロピペットを形成している。このマイクロピペットは、基板に形成された貫通穴(120)の上側部分(35)の中へと延出されている。
図7に示す実施形態においては、中間メンブラン(122)は、好ましくは大きな誘電定数を有した微小機械加工可能な材料といったような、単一の材料から構成されている。これに対し、図8に示す実施形態においては、中間メンブラン(122)は、シリコンウェハによって補強されている。すなわち、中間メンブラン(122)は、シリコンウェハ(51)と、このシリコンウェハ(51)の両面をコーティングしているとともに大きな誘電定数を有した材料からなる層(52)と、から構成されている。
双方の場合において、円筒形状壁(50)は、中間メンブラン(122)に形成された円筒形状貫通穴(25)をなす壁(26)を形成している材料と同じ材料から構成されている。
例示するならば、デバイス(10)が、通常的なサイズの細胞の電気活性を測定するために使用することを意図されたものである場合には、図2に示されているように、基板(12)は、シリコンをベースとしたものとすることができ、例えば、以下の各ステップを有してなるプロセスによって製造される。すなわち、
a)−厚さが約450μmとなるまで第1シリコンウェハの両面を研磨し、
−この第1シリコンウェハの研磨済みの両面上に、SiO 層を成膜し、
−2つのSiO 層の一方の層を厚さ方向に貫通して、直径が約1.5μmという円筒形状貫通穴を形成し、
−他方のSiO 層および第1シリコンウェハを厚さ方向に貫通して、深い化学エッチングによって直径が50μmという円筒形状貫通穴を形成し、この場合、双方の貫通穴の軸が、互いに一致するものとし、
これにより、ウェハ(123)を形成し;
b)このようにして得られたウェハ(123)を、ウェハ接着によって、将来的にウェハ(121)を形成することとなることを意図した第2シリコンウェハであって予め両面が研磨された第2シリコンウェハに対して、固定し;
c)第2シリコンウェハを、厚さが10μmとなるまで研磨し;
d)第2シリコンウェハ上に、SiO 層またはSi層を成膜し;
e)Si層および第2シリコンウェハを厚さ方向に貫通して、円錐台形状貫通穴を形成する;
というプロセスによって製造される。
デバイス(10)が、大きな細胞の電気活性を測定するために使用することを意図されたものである場合には、図2および図6に示されているように、基板(12)は、シリコンをベースとしたものとすることができ、例えば、以下の各ステップを有してなるプロセスによって製造される。すなわち、
a)上記と同様にしてウェハ(123)を形成し;
b)−厚さが約450μmとなるまで第2シリコンウェハの両面を研磨し、
−この第2シリコンウェハの研磨済みの両面上に、SiO 層またはSi層を成膜し、
−2つのSiO 層またはSi層の一方の層を厚さ方向に貫通して、直径が約500μmという円筒形状貫通穴を形成し、
−第2シリコンウェハを厚さ方向に貫通して、深い化学エッチングによって、円筒形状貫通穴を起点として、円錐台形状貫通穴を形成し、
これにより、ウェハ(121)を形成し;
c)このようにして得られたウェハ(121)を、ウェハ接着によって、ウェハ(123)に対して、固定し;
d)付加的には、ウェハ(121)上に単にフィルム(126)を押し付けることによって、フィルム(126)を取り付ける;
というプロセスによって製造される。
デバイス(10)の使用方法は、極めて容易である。
実際、モジュール(A)上にモジュール(D)を取り付けた後に、モジュール(D)上に、電気活性の測定対象をなす細胞のサイズに適合したモジュール(B)を取り付け、モジュール(B)のカップを、細胞外液によってあるいは細胞外液として機能する媒体によって、充填する。ここで、細胞外液、または、細胞外液として機能する媒体は、電流の導通を行い得ることと、細胞の生存の確保を行い得ることと、の双方を行い得るものである必要がある。
円筒形状リザーバ(60)内に存在する空気は、流体マイクロチャネル(111)を通して吸引される。これにより、細胞外液が、リザーバ内へと流通することができる。このような操作を、すべての円筒形状リザーバ(60)およびすべてのカップ(40)が細胞外液によって完全に充填されるまで、繰り返す。
例えばゼノプスのオボサイトといったような直径が0.7〜1mmのような大きな細胞の場合には、大きな細胞は、例えばピペットを使用することによって、1つのカップにつき1つの細胞といったようにして、カップ(40)内へと充填される。その後、流体マイクロチャネル(111)を通して円筒形状リザーバ(60)内を吸引することにより、カップ内に配置された各細胞どうしの間にわたって高抵抗シールを形成することができる。その後、可能であれば、細胞全体構成での動作が要望されたならば、シールされた原形質膜フラグメントを破壊することができる。
このシールがすべての細胞に関して得られた後に、モジュール(B)をモジュール(D)によってカバーし、その後、モジュール(D)をモジュール(C)によってカバーし、その後、このようにして得られたモジュール(A,B,C,D)からなる積層体に対して少しの押圧力を印加しつつ、モジュール(E)を取り付ける。
例えばリンパ球やCHO細胞といったような通常のサイズの細胞の場合には、基板(12)の全体に、例えば10 cells/mlという濃度の懸濁液を含有したような細胞懸濁液を、分散させる。その後、流体マイクロチャネル(111)を通して円筒形状リザーバ(60)内を吸引することにより、カップ内に配置された各細胞どうしの間にわたって高抵抗シールを形成する。その後、可能であれば、シールされた原形質膜フラグメントを破壊することができる。基板(12)を洗浄することにより、シールされていない細胞を除去することができる。デバイスは、上記と同様にして、閉塞される。
その後、デバイス(10)を、電力を供給し得るとともに電気的パラメータを測定し得るような回路に対して接続し、細胞の電気活性を、従来のパッチクランプ技術の場合と同様に正確に測定する。ただし、この場合には、従来のパッチクランプ技術の場合とは異なり、検査対象をなすあるいは検出対象をなす物質は、流体マイクロチャネル(131)を通してチャンバ(19)内へと導入される。
試験が終了すると、デバイス(10)は、再使用のために容易に分解することができる。必要なことは、電力を供給し得るとともに電気的パラメータを測定し得るような回路との接続を切り離した後に、モジュール(E)を取り外すことだけである。これにより、モジュール(A,B,C,D)を互いに分離させることができる。モジュール(A,B,C)は、適切な洗浄を行った後に、再使用することができる。これに対し、モジュール(D)は、廃棄され、その後のデバイスの使用に際しては、新品のモジュールが使用される。
本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではない。すなわち、例えば、本発明によるデバイスは、例えば1000個の細胞あるいはそれ以上の数の細胞といったように、多数の細胞の電気活性を並列的に(同時的に)測定し得るよう構成することができる。その場合には、基板(12)が、そのような数の細胞を収容し得るように構成される。
また、本発明によるデバイスは、例えば蛍光信号や発光信号を検出し得るシステムといったような他の分析システムに対して接続することができる、あるいは、そのような他の分析システム内に組み込むことができる。その場合には、プリント回路(13)が、透明材料から形成される。そのような接続や組込により、電気活性とイオン的励起とをリアルタイムで関連づけることができる。これにより、構造的レスポンスと機能的レスポンスとを同時に得ることができる。すなわち、動的なレスポンスを得ることができる。
本発明によるデバイスを示す分解斜視図であり、この実施形態は、9個の生物学的細胞の電気活性を並列的に測定し得るよう構成されている。 図1における平面Pにおいて図1のデバイスを示す断面図である。 本発明によるデバイスの一部を示す図2と同様の断面図であって、本発明によるデバイスの代替可能な実施形態を示している。 本発明によるデバイスの一部を示す図2と同様の断面図であって、本発明によるデバイスの他の代替可能な実施形態を示している。 本発明によるデバイスの一部を示す図2と同様の断面図であって、本発明によるデバイスのさらなる代替可能な実施形態を示している。 本発明によるデバイスの構成において使用される基板の一部を示す断面図であって、基板のこの第1実施形態は、大きな細胞の電気活性の測定に適したものとされている。 本発明によるデバイスの構成において使用される基板の一部を示す断面図であって、基板の他の実施形態を示している。 本発明によるデバイスの構成において使用される基板の一部を示す断面図であって、基板のさらに他の実施形態を示している。
符号の説明
1 下面
3 上面
4 ガスケット
5 ガスケット
6 クランプ
7 クランプ
10 デバイス
11 プリント回路(プレート)
12 基板
13 プリント回路(プレート)
16 壁
18 細胞(生物学的成分)
19 チャンバ
25 円筒形状部分(中央部分)
26 壁
35 円錐台形状部分(上部分)
36 壁
40 カップ
60 リザーバ
110 電極
111 チャネル
120 貫通穴
121 シリコンウェハ
122 中間メンブラン
123 シリコンウェハ
126 フィルム
127 貫通穴
130 電極
131 チャネル
132 チャネル
140 貫通穴
150 貫通穴

Claims (41)

  1. 少なくとも1つの生物学的成分の電気活性を測定するためのデバイス(10)であって、
    実質的に平面状の基板(12)を具備し、
    この基板が、下面(1)と、上面(3)と、生物学的成分(18)を収容するための少なくとも1つの貫通穴(120)と、を備え、
    前記貫通穴(120)が、一組をなす複数の壁(16,26,36)によって形成され、
    このようなデバイスにおいて、
    −前記デバイスが、前記基板の前記下面および前記上面の両外側上に配置された2つの実質的に平面状のプレート(11,13)を具備し、これらプレートが、前記複数の壁と協働して、前記デバイスの使用時に液体媒体が充填されることとなるチャンバ(19)を形成し、
    −前記プレートの各々が、前記基板を向く面上に、前記基板の前記貫通穴に対向した少なくとも1つの電極(110,130)を備え、
    −前記プレートの各々が、さらに、前記チャンバの内部を起点として延在するとともに前記チャンバ内部と前記デバイスの外部とを連通させる少なくとも1つのチャネル(111,131,132)を備え、
    −前記チャンバが、前記チャネルのみを通して、前記デバイスの外部と連通していることを特徴とするデバイス。
  2. 請求項1記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)に形成された前記貫通穴(120)が、互いに同軸的なものとされた上部分(35)と中央部分(25)と下部分(15)とを備え、
    前記上部分と前記中央部分とが、前記生物学的成分(18)を収容するためのカップ(40)を形成し、
    前記下部分が、前記生物学的成分と前記カップとの間において高抵抗シールを形成するのに適切な真空を真空吸引によって内部に形成するのに十分な量の液体媒体を収容するためのリザーバ(60)を形成していることを特徴とするデバイス。
  3. 請求項2記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)に形成された前記貫通穴(120)の前記上部分(35)が、円錐台形状とされ、
    前記貫通穴(120)の前記中央部分(25)が、円筒形状とされていることを特徴とするデバイス。
  4. 請求項3記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)に形成された前記貫通穴(120)の前記上部分(35)が、20〜100μmという最大直径と、10〜30μmという最小直径と、10〜50μmという高さと、を有し、
    前記貫通穴(120)の前記中央部分(25)が、0.1〜3μmという直径と、100μmあるいはそれ以下という高さと、を有していることを特徴とするデバイス。
  5. 請求項3記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)に形成された前記貫通穴(120)の前記上部分(35)が、500μm〜1.5mmという最大直径と、200〜600μmという最小直径と、300μm〜10mmという高さと、を有し、
    前記貫通穴(120)の前記中央部分(25)が、0.1〜3μmという直径と、100μmあるいはそれ以下という高さと、を有していることを特徴とするデバイス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)に形成された前記貫通穴(120)の前記下部分(15)が、円筒形状とされるとともに、10〜100μmという直径と、300〜700μmという高さと、を有していることを特徴とするデバイス。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)が、1つまたは複数の微小機械加工可能な材料から形成されていることを特徴とするデバイス。
  8. 請求項7記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)が、シリコンをベースとした材料とされていることを特徴とするデバイス。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)が、中間メンブラン(122)と、この中間メンブランの両側に配置されかつこの中間メンブランに対して固定された2つのシリコンウェハ(121,123)と、から構成されていることを特徴とするデバイス。
  10. 請求項9記載のデバイスにおいて、
    前記中間メンブラン(122)が、絶縁性材料から、あるいは、絶縁性材料によって表面がコーティングされたシリコンウェハから、形成されていることを特徴とするデバイス。
  11. 請求項10記載のデバイスにおいて、
    前記絶縁性材料が、二酸化シリコンまたは窒化シリコンとされていることを特徴とするデバイス。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)に形成された前記貫通穴(120)の前記上部分(35)が、前記中間メンブラン(122)の両側に配置されたシリコンウェハ(121,123)のうちの一方のシリコンウェハにおいて貫通穴を形成している壁(36)によって規定され、
    前記基板(12)に形成された前記貫通穴(120)の前記下部分(15)が、前記中間メンブラン(122)の両側に配置されたシリコンウェハ(121,123)のうちの他方のシリコンウェハにおいて貫通穴を形成している壁(16)によって規定されていることを特徴とするデバイス。
  13. 請求項9〜12のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)に形成された前記貫通穴(120)の前記中央部分(25)が、前記中間メンブラン(122)において貫通穴を形成している壁(26)によって規定されていることを特徴とするデバイス。
  14. 請求項9〜12のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)に形成された前記貫通穴(120)の前記中央部分(25)が、前記中間メンブラン(122)において貫通穴を形成している壁に対応した第1円筒形状壁(26)によって、および、前記基板の前記上面(3)に向けて前記第1円筒形状壁から突出している第2円筒形状壁(50)によって、規定されていることを特徴とするデバイス。
  15. 請求項2〜10のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)の前記上面(3)が、フィルム(126)によってカバーされ、
    このフィルム(126)が、生体適合性材料から形成されているとともに、このフィルム(126)には、少なくとも1つの貫通穴(127)が形成され、
    この貫通穴(127)が、前記基板に形成された前記貫通穴(120)の前記上部分(35)に対して同軸的なものとされ、さらに、前記上部分(35)と同じ形状とされ、なおかつ、前記上部分(35)よりも大きな横断面積を有したものとされていることを特徴とするデバイス。
  16. 請求項15記載のデバイスにおいて、
    前記フィルム(126)に形成された前記貫通穴(127)が、円錐台形状とされているとともに、500μm〜1.5mmという最大直径と、200〜600μmという最小直径と、300μm〜1mmという高さと、を有していることを特徴とするデバイス。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板の前記下面および前記上面の両外側上に配置された前記プレート(11,13)が、絶縁性材料から形成され、
    これらプレート(11,13)に形成された前記電極(110,130)が、平面状の電極とされていることを特徴とするデバイス。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)の前記上面(3)の外側上に配置された前記プレート(13)が、2つのチャネル(131,132)を有していることを特徴とするデバイス。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)の前記下面(1)の外側上に配置された前記プレート(11)が、単一のチャネル(111)を有していることを特徴とするデバイス。
  20. 請求項18記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)の前記上面(3)の外側上に配置された前記プレート(13)の前記チャネル(131,132)が、そのプレート(13)を厚さ方向に貫通していることを特徴とするデバイス。
  21. 請求項1〜20のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)の前記下面(1)の外側上に配置された前記プレート(11)の前記チャネル(111)が、そのプレート(11)を厚さ方向に貫通していることを特徴とするデバイス。
  22. 請求項18記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)の前記上面(3)の外側上に配置された前記プレート(13)の前記チャネル(131,132)が、そのプレート(13)の厚さ方向において、そのプレートがなす面に対して実質的に平行に、そのプレートの一エッジに到達するまで、延在していることを特徴とするデバイス。
  23. 請求項18記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)の前記下面(1)の外側上に配置された前記プレート(11)の前記チャネル(111)が、そのプレート(11)の厚さ方向において、そのプレートがなす面に対して実質的に平行に、そのプレートの一エッジに到達するまで、延在していることを特徴とするデバイス。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)に形成された前記貫通穴(120)と、前記基板の前記下面および前記上面の両外側上に配置された前記プレート(11,13)に設けられた前記電極(110,130)と、前記基板(12)の前記下面(1)の外側上に配置された前記プレート(11)の前記チャネル(111)とが、互いに同軸的とされていることを特徴とするデバイス。
  25. 請求項1〜24のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記チャンバ(19)をシールするための手段であるとともに周囲雰囲気からの電気ノイズおよび振動を減衰させるための手段(4,5)を具備していることを特徴とするデバイス。
  26. 請求項25記載のデバイスにおいて、
    前記チャンバ(19)をシールするための手段であるとともに周囲雰囲気からの電気ノイズおよび振動を減衰させるための前記手段が、前記基板(12)とこの基板の前記下面(1)の外側に配置された前記プレート(11)との間に挿入された第1ガスケット(4)と、前記基板(12)とこの基板の前記上面(3)の外側に配置された前記プレート(13)との間に挿入された第2ガスケット(5)と、から構成され、
    各ガスケットには、少なくとも1つの貫通穴(140,150)が形成され、
    この貫通穴が、接触することとなる前記電極を囲み得るような寸法のものとして構成されていることを特徴とするデバイス。
  27. 請求項25または26記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)と、前記基板(12)の前記下面および前記上面の両外側上に配置された前記プレート(11,13)と、前記チャンバ(19)をシールするための手段であるとともに周囲雰囲気からの電気ノイズおよび振動を減衰させるための前記手段(4,5)とが、互いに着脱可能に組み立て得るモジュールとされていることを特徴とするデバイス。
  28. 請求項27記載のデバイスにおいて、
    前記基板(12)と、前記基板(12)の前記下面および前記上面の両外側上に配置された前記プレート(11,13)と、前記チャンバ(19)をシールするための手段であるとともに周囲雰囲気からの電気ノイズおよび振動を減衰させるための前記手段(4,5)とを、組立状態において所定位置に保持するための手段(6,7)を具備していることを特徴とするデバイス。
  29. 請求項1〜28のいずれか1項に記載のデバイスにおいて、
    前記デバイスが、複数の生物学的成分の電気活性を並列的に測定することを意図したものである場合に、
    −前記基板(12)が、一様に分散配置された互いに同一の複数の貫通穴(120)を備え、
    −前記基板(12)の前記下面および前記上面の両外側上に配置された前記プレート(11,13)が、プリント回路とされ、各プリント回路に、前記基板(12)に設けられた前記貫通穴と同じ数だけの電極(110,130)が設けられ、
    −前記基板(12)の前記下面の外側上に配置された前記プレート(11)が、前記基板(12)に設けられた前記貫通穴と少なくとも同じ数のチャネル(111)を備え、
    −前記基板(12)の前記上面の外側上に配置された前記プレート(13)が、前記基板(12)に設けられた前記貫通穴と少なくとも同じ数の物質導入用のチャネル(131)と、前記基板(12)に設けられた前記貫通穴と少なくとも同じ数の物質導出用のチャネル(132)と、を備えていることを特徴とするデバイス。
  30. 請求項29記載のデバイスにおいて、
    前記デバイスが、互いに同一のものとされた2つのガスケット(4,5)を具備し、
    各ガスケットには、前記基板(12)に設けられた前記貫通穴(120)と同じ数だけの貫通穴が設けられていることを特徴とするデバイス。
  31. 請求項30記載のデバイスにおいて、
    前記デバイスが、互いに同一のものとされた2つのクランプ(6,7)を具備し、
    これらクランプが、前記基板(12)とこの基板の前記下面および前記上面の両外側上に配置された前記プレート(11,13)と前記ガスケット(4,5)とによって形成された積層体のエッジ上にわたって装着されることを特徴とするデバイス。
  32. 請求項1〜31のいずれか1項に記載されたデバイス(10)の使用方法であって、
    前記デバイスを、治療薬のための分子のスクリーニングに適用することを特徴とする使用方法
  33. 請求項1〜31のいずれか1項に記載されたデバイス(10)の使用方法であって、
    前記デバイスを、毒性物質の検出を行うに際して適用することを特徴とする使用方法
  34. 請求項1〜31のいずれか1項に記載されたデバイス(10)の使用方法であって、
    前記デバイスを、生きている細胞の検出またはメンブランの完全性が維持されている細胞の検出を行うに際して適用することを特徴とする使用方法
  35. 請求項1〜31のいずれか1項に記載されたデバイス(10)の使用方法であって、
    前記デバイスを、死んでいる細胞の検出またはメンブランの完全性が失われた細胞の検出を行うに際して適用することを特徴とする使用方法
  36. 請求項1〜31のいずれか1項に記載されたデバイス(10)の使用方法であって、
    前記デバイスを、吐細胞現象によって細胞から物質が放出されたことを検出するに際して適用することを特徴とする使用方法
  37. 請求項1〜31のいずれか1項に記載されたデバイス(10)の使用方法であって、
    前記デバイスを、細胞と他の細胞との融合や細胞と気泡との融合に基づくメンブランキャパシタンスの変動を計測するに際して適用することを特徴とする使用方法
  38. 請求項1〜31のいずれか1項に記載されたデバイス(10)の使用方法であって、
    前記デバイスを、細胞を刺激するために適用することを特徴とする使用方法
  39. 請求項1〜31のいずれか1項に記載されたデバイス(10)の使用方法であって、
    前記デバイスを、細胞ネットワークや組織や培養体の内部活性の研究を行うに際して適用することを特徴とする使用方法
  40. 請求項1〜31のいずれか1項に記載されたデバイス(10)の使用方法であって、
    前記デバイスを、他の細胞に対して印加された電気刺激に対しての細胞の応答を研究するに際して適用することを特徴とする使用方法
  41. 請求項1〜31のいずれか1項に記載されたデバイス(10)の使用方法であって、
    前記デバイスを、機械的に応答するイオンチャネルの研究を行うに際して適用することを特徴とする使用方法
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