JP4372283B2 - デザイン支援装置及びデザイン支援プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、人体等の立体物の任意の部位を対象としたデザイン作業を支援するデザイン支援装置及びデザイン支援プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アパレル業界では、CAD/CAM技術を応用することにより、衣服のデザイン、パターンメイキング(型紙作成)、マーキング(型入れ)、生地裁断、縫製といった一連の工程を効率化することが盛んに行われている。これら一連の工程のうち、衣服のデザインからマーキングまでの工程を効率的に行うことができる従来のCADシステムとして著名なものに、旭化成株式会社が開発した『AGMS』がある。具体的にいうと、CADシステム『AGMS』は、生地パターンが複数格納されているデータベースからよりデザインにあった生地パターンを検索し、これを仮想的な人体に着せ付けることにより、試作品作成を仮想的に行うことができる。また、シルエット、着丈、襟等のデザイン変更や、様々な生地柄の選択も仮想的に行うことができる。このようにして、衣服のデザイン・設計が完了すれば、CADシステム『AGMS』は、裁縫仕様書を作成したり、生地自動裁断装置等のCAM装置と連携することにより、生産工程の効率化を支援する。
【0003】
このような『AGMS』の他にも、現在のパーソナルコンピュータにおける処理機能の高度化に伴い、一般の消費者が手軽に利用できるようなCADプログラムも市場に登場しつつある。そのため、上述したような手順を経た衣服のデザインや試作は、より身近なものになりつつあるといえる。
これら従来のCADシステムやCADプログラムは、デザイン・設計工程に必要な業務を効率良く支援することができるが、生地パターンを貼り付けるべき人体の形状が精密ではないという点で、未だ改善の余地がある。何故なら、従来のCADシステムやCADプログラムにおいて、人体形状を再現するために用いられる三次元形状データは、ポインティングデバイスの操作や座標入力等、デザイナーが手入力作業を行うことにより作成されており、そのように作成された三次元形状データは、実際の人体形状と比較して細部が省略、又は、簡略化されているものが多いからである。生地パターンを貼り付けるべき人体形状の精度自体が低いので、従来のCADシステムやCADプログラムは、高い精度で人体にフィットした衣服を作成することができない。
【0004】
ここで精度が高い三次元形状データとは、人体の立体形状を光学的に読み取って、データ化したものをいい、その一例を図26に示す。図26は、三次元形状計測装置を用いて計測した三次元形状データをワイヤーフレーム表示した画像である。本図を作成するにあたって用いた三次元形状計測装置は、株式会社浜野エンジニアリング製のVOXELAN(登録商標) HEV-1800HSWである。図27は、図26の三次元形状データを作成するのに用いた三次元形状計測装置の構成を簡易に示す図である。本三次元形状計測装置は測定対象たる人体に対してレーザスリッド光を照射する2つのスリッド光源と、人体に照射されたレーザスリッド光の反射光を読み取るCCDカメラと、CCDカメラから出力されるビデオ信号を処理して明るさ・入射角をコード化するイメージエンコーダと、コード化されたデータに所定の形状演算を適用することにより、三次元形状データを得る形状演算部とを備えており、測定深度600mm、1800mm×750mmの測定範囲を、約650mmの測定面から光学的に読み取ることができる。この測定深度−測定範囲から読み取られた人体の三次元形状データは、直交座標系における276,480個の点で表現され、測定精度は、僅か0.8mmであるので、測定対象たる人体の形状は、細部が省略、又は、簡略化されることなく精密に表現される。このように精密に表現された人体形状に基づいて生地パターンを作成すれば、人体に、ジャストフィットするような衣服を制作することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、三次元形状計測装置を用いて、その衣服を着用した状態の人体を示す精密な人体形状データを入手することができる場合、その人体形状データに衣服の模様を示すテクスチャパターンを貼りつけてゆくことにより、衣服のデザインを行ってゆくことが理想的である。しかし、三次元形状計測装置を用いて光学的に読み取られた人体形状データ自体は、何万といった数の制御点の三次元座標を示す座標データの集まりに過ぎないので、胸・腕・脚等、人体の特定の部位のみを指定することすら困難である。また、人体の特定の部位のみを指定することができたとしても、矩形、円形等、単純な形状のテクスチャパターンしか貼り付けられないのでは、アパレル業界で活躍するデザイナー達の厳しい要望を満たすことができない。即ち、アパレル業界で活躍するデザイナー達の要望を満たすには、微妙で繊細な形状を有するテクスチャパターンを人体形状データに貼り付け得ることが求められるが、人体の特定の部位のみを指定することすら困難な状況では、そのような要望を到底満たすことができない。
【0006】
本発明の目的は、人体形状データ上の任意の形状の曲面を抽出することができ、そこに衣服の模様、柄を示すテクスチャパターンを奇麗に貼りつけてゆくことができるデザイン支援装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係るデザイン支援装置であって、仮想的な立体物にスクリーンを対向させた場合に当該スクリーン上に得られるべき投影像を、前記複数の制御点の座標値に基づいて生成するレンダリング手段と、投影像に対する操作を操作者から受け付ける受付手段と、投影像に対する操作に基づいて、前記立体物の表面に沿った座標値を通過する閉曲線を複数生成する第1生成手段と、生成された複数の閉曲線にて包囲される立体物表面における幾つかの制御点を三次元形状データから分離して、分離された幾つかの制御点と、生成された閉曲線とからなるサブ形状データを複数得る分離手段と、複数の補間曲面を作成して、それぞれのサブ形状データに含まれる幾つかの制御点と、それぞれの閉曲線とをそれぞれの補間曲面を用いて接続する補間手段と、補間手段により接続された各補間曲面の表面にテクスチャマッピングを行うことにより、立体物の一つの部位に所望の模様を貼り付けるテクスチャマッピング手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、デザイン支援装置の実施形態について説明を行う。実施形態に係るデザイン支援装置は、汎用パーソナルコンピュータに、CADプログラムをインストールし、このCADプログラムをパーソナルコンピュータの中央処理装置に実行させることにより実現される。デザイン支援装置の機能を具現するCADプログラムは、従来のCADプログラム同様、CD-ROM,DVD-ROM,フロッピーディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて、流通・販売の対象となる。デザイン支援装置の機能を具現するCADプログラムは、衣服のデザイン、パターンメイキング、マーキングを行う点において、従来のCADプログラムと変わりないが、光学的に読み取られた精密な人体を対象としてデザインや型紙を作成する点が従来のCADプログラムと異なる。
【0009】
図1(a)は、デザイン支援装置の機能を具現するCADプログラムがインストールされるパーソナルコンピュータのハードウェア構成を示す図である。図1(a)において、本パーソナルコンピュータは、デザイン支援装置の機能を具現するCADプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を装填するドライブ装置1と、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から読み出された、前記CADプログラムを収録した実行ファイル及びCADプログラムが動作を行うための各種データを格納したデータファイルを所定のディレクトリィ構造に従って格納する固定ディスク装置2と、ペン、タブレット、タッチパネル、キーボード等に対してなされた操作を受け付けるポインティングデバイス3と、操作者からの操作がCADプログラムを実行させる旨の操作である場合、当該CADプログラムや各種データがロードされるメモリ4と、メモリにロードされたCADプログラムや各種データに基づいて、処理を行うプロセッサ5と、CADプログラムによる処理結果を表示するLCD、CRT等のディスプレィ装置6と、プリンタ、X-Yプロッタ等の出力装置7とからなり、ソフトウェアの基盤処理がWindows98,Windows-NT等のマルチウィンドウ型のオペレーティングシステムにて実現されている。また本パーソナルコンピュータは、Silicon Graphics社の"OpenGL"等、コンピュ−タ・グラフィックス描画専用のプログラムライブラリィを備えおり、コンピュ−タ・グラフィックス描画環境が整備されている。これらの説明からも理解できるように、本実施形態に係るデザイン支援装置を具現するにあたって、パーソナルコンピュータには特別なハードウェアを具備する必要はない。
【0010】
このようにして実現されたパーソナルコンピュータが、デザイン支援装置の機能を具現する際、デザイン支援装置の内部構成は、図1(b)のようになる。本図において、デザイン支援装置は、データ格納部10、ユーザインターフェイス部11、投影像表示部12、テクスチャマッピング部13からなる。
データ格納部10は、固定ディスク装置等で構成され、コンピュ−タ・グラフィックスのために用いられる各種ファイルを格納したディレクトリ領域を有する。データ格納部10に格納されるファイルには、人体形状データを収録した独自形式のデータファイル、当該人体形状データについてのテクスチャパターンを収録したTIFF,JPEG等の画像データファイルがある。
【0011】
人体形状データは、n×m個からなる制御点の三次元座標値を含み、これら制御点の空間配置により、人体の形状、又は、腕、足、胴体等人体の一部分の形状を示すデータである。図2(a)は、人体形状データのデータ構造を示す図である。本図において、人体形状データは、配列型のデータ構造を有しており、X座標、Y座標、Z座標という一連の組みを複数含む。このX座標、Y座標、Z座標という一連の組みは、n×m個からなる制御点の個々の三次元座標値を示すものである。
【0012】
図2(b)は、三次元形状計測装置の測定により得られた人体形状データについての座標系を示す図である。三次元形状計測装置の測定により得られた人体形状データにおいて、各制御点は、画面左上を原点(0,0)として、横240×縦320からなるX-Y座標系と、このX-Y座標系における個々のX-Y座標に対応づけられたZ座標とからなり、画面右向きを正のX軸方向、画面下向きを正のY軸方向とする直交座標系において、離散的に配置されている。
【0013】
制御点の配置は離散的であるので、制御点間の間隔は不均等であり、間隔が広いもの、狭いものがある。また、X軸成分、Y軸成分の値も飛び飛びの値である。このように人体形状データは、離散的な制御点の集合に過ぎないので、人体形状データは、複数の制御点間が曲線、平面、曲面の何れかを用いて接続されて初めて人体らしく見える。即ち、複数の制御点が曲線で接続されれば、人体形状データの人体形状は、ワイヤーフレームにて表現される。人体形状データにおける複数の制御点が平面で接続されれば、人体形状データの人体形状は、多面体にて表現される。
【0014】
これらは何れも現実感に欠けるが、人体形状データにおける複数の制御点が曲面で接続されれば、人体形状データの人体形状は、複数の曲面の結合体として表現される。制御点の座標値は、浮動小数点型で表現され、所定の係数を乗じることにより、センチメートル、ミリメートルといった単位系に変換することができる。従って、デザイン支援装置がこの制御点についての座標データから人体形状データにおける任意の点間の距離や任意の領域における面積、体積を求め、これに所定の係数を乗じて、センチメートル、ミリメートルといった単位系への変換を行うことにより、操作者は、人体形状データの任意の部位を手軽に測定することができる。
【0015】
人体形状データには、浜野エンジニアリングのVOXELAN等の三次元形状計測装置により、実際の男性、女性の人体を光学的に読み取って得たもの、財団法人人間生活工学研究センター等のデータベースに蓄積されているものを入手したものがある。
テクスチャパターンとは、人体形状データに対してテクスチャマッピングが行われることにより、人体形状データに示される人体形状に模様として貼り付けられる平面画像データをいう。ここでテクスチャパターンには、衣服の生地の模様となるパターンを示したものや、実際の人物を撮影した写真のものがある。制御点が曲面で接続された人体形状データに、衣服の生地の模様となるテクスチャパターンがテクスチャマッピングされれば、人体形状データに示される人体には、仮想的に模様が貼り付けらることになる。制御点が曲面で接続された人体形状データに、人物の写真となるテクスチャパターンがテクスチャマッピングされれば、当該写真に、人体形状データにて表現されている人体の凹凸が現れるので、人体形状データに示される人体についての投影像は、極めて現実的に表示される。
【0016】
ユーザインターフェイス部11は、操作者からの対話的な編集操作を受け付けるためのGUIであり、オペレーティングシステムの一機能として実現されている。このユーザインターフェイス部11は、『ファイル』『編集』『表示』等の設定を操作者から受け付けるための文字列を表示させており、何れかの文字列がクリックされると、プルダウンメニュー等を表示させる。このプルダウンメニュー等には、人体形状データに対する様々な編集モードが提示されるが、この様々な編集モードの中には、人体形状データに対してテクスチャマッピングを行うという『テクスチャマッピングモード』がある。これらのうち何れかのモードが選択されると、ユーザインターフェイス部11はデータ格納部10におけるディレクトリを表示し、ここに格納されている複数のファイルの中から、処理対象となるファイルを選択するよう提示する。
【0017】
投影像表示部12は、OPEN-GLの機能を有し、ユーザインターフェイス部11を介して指定されたファイルに人体形状データが含まれている場合、当該人体形状データの投影像を、ウィンドウ内に表示する。このOpen-GLは、CGを描画するための様々な機能を有しているが、そのうち、本実施形態において特に用いるのはテクスチャマッピング機能である。テクスチャパタンを人体形状データに貼り付ける場合、テクスチャパタン上の座標(テクスチャ座標)と、人体形状データを構成する三次元座標との対応をとる必要がある。ここで、テクスチャパタンは二次元なので、0.0〜1.0の範囲となるが、人体形状データの座標は任意の三次元座標をとることになる。そこで先ず初めに、表示範囲の四隅に対応する三次元座標にテクスチャ座標(0,0)(1,0)(1,1)(0,1)を割り当てる。表示範囲とテクスチャパタンとが同じ大きさである場合、この四隅にて指示される範囲にテクスチャパタンが貼り付けられることになるが、表示範囲の方が大きければ、テクスチャパタンの反復又はクランプが行われる。テクスチャパタンの反復とは、表示範囲の大きさが、例えばテクスチャ座標の100倍程の大きさである場合、テクスチャパタンを100枚程にコピーし、これらを用いて人体形状データの表示範囲を覆うというものである。テクスチャマッピングのクランプとは、例えば表示範囲が大きい場合、テクスチャの端の部分を伸長して、表示範囲を覆うというものである。
【0018】
逆にテクスチャ座標の方が大きければ、テクスチャパタンのクリッピングが行われる。テクスチャパタンのクリッピングとは、テクスチャパタンのうち表示範囲をはみ出す部分をカットして、表示範囲に貼り付けるというものである
テクスチャパタンの反復、クランプ、クリッピングの何れを行うにせよ、OPEN-GLにおいて人体形状データの表示範囲に貼り付けることができるのは、テクスチャパタン一枚限りとなる。即ち、『人体形状データに対して、一枚しかテクスチャパタンを貼り付けることができない』という制約がOPEN-GL等のグラフィック描画ソフトウェアに存在するのである。尚、テクスチャマッピングの詳細については、OPEN-GLプログラミングガイド(発行 アジソンウェスレイパブリッシャーズジャパン株式会社 発売 株式会社 星雲者)等の著書を参考にされたい。)。1つの形状データには、1種類のテクスチャパターンしか付すことができないという制約があるので、これを利用しているデザイン支援装置には、1つの衣服をデザインする際、1種類の模様、1つの模様を反復コピーすることにより得られた模様、1種類の模様を伸長・縮小、カットした模様しか付することができないという制約が課されることになる。
【0019】
また留意すべきは、OPEN-GLにより表示される人体形状データの座標系は、三次元形状計測装置により測定された人体形状データの座標系と異なる点である。図2(c)は、OPEN-GLにより表示されるべき人体形状データについての座標系を示す図である。OPEN-GLが画面表示を行う際の座標系は、画面中心を原点(0,0)とし、横p×縦qからなるX-Y座標系と、Z座標とからなり、画面上向きを正のY軸方向、画面右向きを正のX軸方向としている。この図2(c)からもわかるように、OPEN-GLにより表示されるべき人体形状データの座標系は、原点の位置が異なるので、三次元形状計測装置により測定された人体形状データを表示させるため、投影像表示部12は、人体形状データのX座標及びY座標に、所定のオフセットを足し合わせる共に、正負方向を変換する。
三次元データを画面表示する際、注視点との距離、視線角を指定することにより、二次元画像での表示位置を決める。図3(a)は、視点からの距離、視線角をどのように設定するかを示す図である。本図において、視点から人体形状データまでの距離D1、視線角αと設定すると、距離D2の位置にスクリーンを配置し、人体形状データのうち表示範囲h1の内側に現れる部分をこのスクリーン上に表示する。図3(b)は、表示範囲と、人体形状データとの位置関係を示す図である。図3(a)(b)のように、人体形状データが表示範囲に対向している場合、デザイン支援装置は、線L3より上側を示す部分の投影像をスクリーン上に表示する。このように人体形状データのうち表示範囲に収まり、且つスクリーンに対向している部分(図3(b)でいえば、線L3より上側にある部分)を表示対象領域という。
【0020】
この変換は、人体形状データを構成する4×4の制御点を1単位にして行われる。即ち、先ず第1に、表示対象領域のうち最下段の一番左に位置する4×4の制御点を選んで、これを曲面に変換する。
ここで、4×4の制御点のそれぞれがどうやって、曲面に変換されてゆくかを説明する。図4(a)は、人体形状データのうち、表示対象領域に存在する4×4の制御点を示す図である。図4(b)は、図における4×4の制御点を直線で接続した場合の4×4の制御点を示す図である。4×4の制御点を曲面に変換する際、4×4の制御点のうち1つの制御点を注目点として選び、この注目点の左右について一時制御点を作成する。この一時制御点の作成は、注目点の前後左右に位置する制御点に基づいて行われる。一時制御点は、注目点からの方向と、大きさとを有したベクトルを示すものであり、ベジェ曲線の曲率は、角度、大きさに基づいた値となる。図4(b)における制御点C0〜C15のうち制御点C5を注目点と考えると、この注目点C5には、その左右に一時制御点T0,T1が作成されている。一時制御点T0,T1は、注目点の周辺に位置する制御点C1,C2,C3,C4,C5・・・・・に基づいて定められている。このように一時制御点T0,T1が生成されれば、一時制御点に従った曲率を有するベジェ曲線にて制御点を接続する。図4(c)は、これら一時制御点T0,T1に基づいて、曲率が算出されたベジェ曲線を示す図である。このようなベジェ曲線での接続を4×4の制御点について繰り返すと、4×4の制御点はその形状がベジェ曲線にて規定されるベジェ曲面にて補間される。図4(d)は、4×4の制御点をベジェ曲線にて接続することにより得られたベジェ曲面を示す図である。
【0021】
このようにして4×4の制御点をベジェ曲面に変換すれば、続いて、その右隣に位置する4×4の制御点を選んで、これをベジェ曲面に変換する。以上の処理を繰り返して、最下段の4×4の制御点の全てがベジェ曲面に変換されれば、その上の段の4×4の制御点の全てをベジェ曲面に変換してゆく。左から右、下から上へと、順次ベジェ曲面の変換が繰り返され、最下段から最上段までの全ての4×4の制御点がベジェ曲面に変換されることになる。
【0022】
ベジェ曲面の変換が行われると、1つの問題に突き当たってしまう。それは、4×4の制御点単位でベジェ曲面への変換を行えば、その4×4の制御点という単位において、ベジェ曲面は滑らかに表現されるが、隣接するベジェ曲面間で、境界の不整合が現れる点である。図5は、上下左右に隣接する4つのベジェ曲面G00,G01,G10,G11のベジェ曲面間で、境界の不整合が現れる点である。本図において、ベジェ曲面G00,G01,G10,G11間は波打つような形状で接続されており、人体を表現するには、相応しくないことが理解できる。境界の不整合を除去すべく、このベジェ曲面をグレゴリー曲面に変換し、境界の不整合を除去する。図6は、グレゴリー曲面の一例を示す図である。図6に示すようにグレゴリー曲面は、ベジェ曲面同様、12個の制御点P00,P01,P02,P03,P10,P20, P30, P31,P32,P33, P22,P23にて、グレゴリー曲面の境界曲線が定義されていることがわかる。これらの制御点の他に、グレゴリー曲面は、内側に8つの点P110,P111,P120,P121,P211,P210,P220,P221を有している。これら内側に8つの点P110〜P221は、CBD関数(Cross Boundary Derivative)を定義するものである。ここでCBD関数は、生成されるベジェ曲面の境界を横切る一次微分ベクトルを示し、隣合う2つの曲面の形状に大きな影響を与える関数である。尚、グレゴリー曲面及びCBD関数についての詳細は、特開平4-279977号公報等に記載されているので、より詳しい技術内容は本公報を参照されたい。
【0023】
続いて、4つのグレゴリー曲面間をどのように平滑に接続するかを簡単に説明する。図7は、左右に接続するグレゴリー曲面G00,G01間を平滑化する手順を示す図であり、図8は、上下に接続するグレゴリー曲面G01,G11間を平滑化する手順を示す図である。図7において、グレゴリー曲面G00と横方向に隣接するグレゴリー曲面G01間を平滑化する処理について説明する。図7(a)に示すように、グレゴリー曲面G00と、グレゴリー曲面G01との境界は、曲線C11にて規定されるが、この曲線C11上には制御点P01が存在し、この制御点P01は、グレゴリー曲面G01上の制御点P111と、グレゴリー曲面G00上の制御点P510と接続されている。この状態で図7(b)に示すように、制御点P510と制御点P111との間を破線に示す直線T11で結び、この直線T11と制御点P01との間の距離h1を求める。このように距離h1を求めれば、図7(c)に示すように、制御点P510及び制御点P111を距離h1だけ移動させる。図7(c)における制御点P510a,P111aは、移動後の制御点である。このようにして移動した後、これら3つの制御点P510a,P111a,P01間を結ぶ直線と接する曲線を求めて、この曲線にて、グレゴリー曲面G00,G01の形状を規定する。図7(d)は、3つの制御点間を結ぶ直線と接する曲線にて、新たに形状が規定されたグレゴリー曲面G00,G01である。図7(a)において、2つのグレゴリー曲面G00,G01は、波打つような形状にて接続していたのに対して、図7(d)では、2つのグレゴリー曲面G00,G01が滑らかに接続していることがわかる。
【0024】
本図において、グレゴリー曲面G01と縦方向に隣接するグレゴリー曲面G11間を平滑化する処理について説明する。図8(a)においてこのグレゴリー曲面G01と、グレゴリー曲面G11との境界は、曲線C12にて規定されるが、この曲線C12上には制御点P10が存在し、この制御点P10は、グレゴリー曲面G01上の制御点P110と、グレゴリー曲面G11上の制御点P610と接続されている。この状態で図8(b)に示すように、制御点P610と制御点P110との間を破線に示す直線T12で結び、この直線T12と制御点P10との間の距離h2を求める。このように距離h2を求めれば、制御点P610及び制御点P110を距離h2だけ移動させる。図8(c)における制御点P610a,P110aは、移動後の制御点である。このようにして移動した後、これら3つの制御点P610a,P110a,P10間を結ぶ直線と接する曲線を求めて、この曲線にて、グレゴリー曲面G11,G01の形状を規定する。図8(d)は、3つの制御点間を結ぶ直線と接する曲線にて、新たに形状が規定されたグレゴリー曲面G11,G01である。図8(a)において、2つのグレゴリー曲面G11,G01は、波打つような形状にて接続していたのに対して、図8(d)では、2つのグレゴリー曲面G11,G01が滑らかに接続していることがわかる。
【0025】
図9は、以上の平滑化処理を4つのグレゴリー曲面G00,G01,G10,G11について繰り返すことにより、平滑に接続された状態を示す図である。
このような平滑化時において、グレゴリー曲面において、グレゴリー曲面G00との接続を平滑にするために作成された制御点P111aと、グレゴリー曲面G11との接続を平滑にするために作成された制御点P110aとは、互いに異なる位置に存在している。グレゴリー曲面からベジェ曲面への変換を考える際、変換後のベジェ曲面の制御点は、このように異なる位置に存在する制御点の間に設けられるのが望ましい。
【0026】
そこで、グレゴリー曲面における点P110,P111,P120,P121,P211,P210,P220,P221を、以下の数式に適用することにより、ベジェ曲面についての制御点を算出する。
Pij(u,v)=Pij(ij≠11,21,12,22)
P11(u,v)=(uP110+vP111)/(u+v)
P21(u,v)=((1-u)P210+vP211)/((1-u)+v)
P12(u,v)=(uP120+(1-v)P121)/((u+(1-u))
P22(u,v)=((1-u)P220+(1-v)P211)/((1-u)+(1-v))
図10(a)は、上記の計算により算出された制御点P11,P21,P12,P22を示す図であり、図10(b)は、16個の制御点にて構成されるベジェ曲面を示す図である。このように、一旦グレゴリー曲面に変換した後、このグレゴリー曲面を構成する20個の制御点に基づいて、ベジェ曲面を形成するための16個の制御点を得る。以上のようなベジェ曲面−グレゴリー曲面−ベジェ曲面という一連の変換を、4×4の制御点の全てについて繰り返せば、人体形状データの表示対象領域は、滑らかな曲面で接続されてゆく。
【0027】
このように制御点間が曲面で補間されると、人体形状データの表示対象領域を視線角γに従って、回転、拡大、移動といった行列演算を行い、この表示対象領域上の座標(制御点のみならず、制御点間の曲面上の座標を含む)をスクリーン上に写像してゆく。
このように表示対象領域の座標がスクリーン上に写像されれば、人体形状データの投影像を表示させる。この際、デザイン支援装置は、光源位置と、各人体形状データにおける各平面との距離や位置関係に基づいて、4×4の制御点間の平面の色、明るさを算出して、この明るさにより、スクリーン上の投影像の色・明るさを調整する。このように、光源位置と、各人体形状データにおける各平面との距離や位置関係に基づいて、4×4の制御点間の平面の色、明るさを算出する処理はシェーディング処理といい、このようなシェーディング処理がなされることにより、人体形状データの投影像には、陰影が付され、投影像に立体感が現れる。
【0028】
テクスチャマッピング部13は、テクスチャマッピング処理が選択された場合に、人体形状データの一部分に対してテクスチャマッピングを行い、人体形状データの一部分に任意の模様を貼り付ける。このようにテクスチャマッピング部13がテクスチャマッピングを行う際、人体形状データの一部分がどのように指定されるかについて説明する。
【0029】
図11は、領域指定操作において、人体形状データの部分領域がどのように指定されるかを示す図である。図11において、ハッチングを付した領域にテクスチャパターンを付したい場合、このハッチングを付すべき範囲は、人体形状データ上の閉曲線cc1にて特定される。この閉曲線cc1は、複数の制御点と、これら制御点を接続するベジェ曲線とによって特定される。図12は、テクスチャパターンを貼り付けるべき領域を特定する閉曲線の詳細を示す図である。本図において、閉曲線cc1は、複数の選択点v1,v2,v3,v4,v5,v6と、ベジェ曲線Bv1,Bv2,Bv3,Bv4,Bv5,Bv6とを用いて特定され、一方、これらの選択点v1,v2,v3,v4,v5,v6は、スクリーン上で操作者がマウスクリックにて指定したクリック点i1,i2,i3,i4,i5,i6に対応している。
【0030】
図12に示した人体形状データ上の閉曲線は、人体形状データとの間に、微小な間隔を保つように描画されている点に留意されたい。図13は、選択点間を通過するベジェ曲線と、人体形状データの制御点を接続するベジェ曲面との間の位置関係を示す図である。本図のように、人体形状データを構成するベジェ曲面との間に、微小な間隔ΔAを保つのは、閉曲線が人体形状データの内側を通過するのであれば、これらを表示させる際、閉曲線が表示されない可能性があるからである。
【0031】
一方、人体形状データ上の閉曲線におけるベジェ曲線の曲率は、曲率制御点にて特定される。図14は、各選択点v1,v2,v3,v4,v5,v6についての曲率制御点cr1,cr2,cr3,cr4,cr5,cr6を示す図である。本図において、この曲率制御点cr1,cr2,cr3,cr4,cr5,cr6は、スクリーンにも現れており、このスクリーン上の曲率制御点に対して操作者がドラッグ操作を行うと、デザイン支援装置は、曲率制御点を変化させる。ここで曲率制御点の変化とは、選択点と曲率制御点との距離や角度に対する変化であり、この変化に基づいて、複数の選択点を接続するベジェ曲線の曲率を変化させる。図15(a)は、人体形状データの閉曲線を特定するベジェ曲線についての曲率制御点を操作者がカーソルにて指定した状態を示す図であり、図15(b)は、ベジェ曲線についての曲率制御点を操作者が矢印y31に示すようにドラッグした場合、ベジェ曲線の曲率が変化した様子を示す図である。これにより、操作者は曲率制御点をドラッグすることにより、自由に変化させることができる。また制御点のクリックしてドラッグすれば、制御点の位置を自動的に変更することができる。図15(c)は、人体形状データの閉曲線を特定するベジェ曲線についての制御点を操作者がカーソルにて指定した状態を示す図であり、ベジェ曲線についての制御点を操作者が矢印y32に示すようにドラッグした場合、ベジェ曲線の位置が変化した様子を示す図である。
【0032】
人体形状データに含まれる一群の制御点であって、図11及び図12に示された閉曲線にて囲まれたものと、当該閉曲線を指定する選択点とからなるデータをサブ形状データという。人体形状データのうち、テクスチャマッピングの対象となるのはこのサブ形状データにより特定される人体形状の一部分であり、テクスチャマッピングが行われることにより、この人体形状の一部分に模様が付されることになる。
【0033】
図16は、閉曲線cc1を底辺とした立体形状のサブ形状データを示す図である。このサブ形状データは、選択点v1,v2,v3,v4,v5,v6を通過する閉曲線cc1を底辺としている。また図16において、この閉曲線cc1は、人体形状データの右乳房の部分を囲んでいたので、人体形状データを構成する制御点のうち、右乳房の部分を構成する制御点c51,c52,c53,c54,c55,c56,c57にて、立体形状が特定されている。
【0034】
以降、人体形状データの部分領域に対するテクスチャマッピングについて説明してゆく。図17は、テクスチャマッピング部13により行われるテクスチャマッピング処理についてのフローチャートである。本フローチャートのステップS1においてテクスチャマッピング部13は、スクリーン上の何れかの点に対するクリック動作を監視している。スクリーン上の何れかの点がクリックされれば、ステップS2において、そのクリックの近傍の4つの制御点を特定する。ここで、スクリーン上に投影像を表示させたる際に設定された視点からの距離、視線角を用いれば、スクリーン上のどの座標が制御点に対応しているかが明らかなので、スクリーンの何れかの点がマウス等のポインティングデバイスによりクリックされた点に、どの制御点が最も近いかを特定することができる。
【0035】
4つの近傍の制御点が特定されると、ステップS3においてテクスチャマッピング部13は、この4つの制御点をグレゴリー曲面で補間し、スクリーン上でクリックされた点が、このグレゴリー曲面上のどの点に相当するかを特定して、特定された点をi番目の選択点(選択点i)とする。
続いて、ステップS4では、1つ前に特定された選択点、即ち、選択点i-1が存在するか否かを判定する。存在しないならステップS1に移行して、操作者により、次に選択点が特定されるのを待つ。1つ前の選択点i-1が存在するなら、ステップS5において選択点iと、選択点i-1との間を直線で接続する。その後、選択点を接続している直線により、人体形状データの何れかの部位が囲まれたかを判定し、囲まれていないのなら、ステップS1に移行して、操作者により、次に選択点が特定されるのを待つ。以上のステップS1〜ステップS6の一連の処理が繰り返されることにより、人体形状データ上に選択点が複数特定され、これらの選択点が直線にて接続されてゆく。
【0036】
図18は、スクリーンにおける2つの箇所i1,i2がクリックされ、それらについての選択点v1,v2が人体形状データ上に求められていることを示す図である。図18において、1つ目のクリック点i1が指定された条件で、1つ目の選択点v1が特定され、2つ目のクリック点i2が指定された条件で、2つ目の選択点v2が指定されている。図19は、表面の選択点v1,v2が指定されて、この2つの選択点間が直線LV1で接続されている様子を示す図である。
【0037】
図20は、3つ目の選択点v3、4つ目の選択点v4が特定される様子を示す図である。本図において3つ目の選択点v3、4つ目の選択点v4は、3つ目のクリック点i3、4つ目のクリック点i4が指定された条件において特定されたものである。またこれらの2つ目の選択点v2、3つ目の選択点v3、4つ目の選択点v4間は、図20において直線LV2,LV3で接続されていることがわかる。
【0038】
図21は、5つ目の選択点v5、6つ目の選択点v6が特定される様子を示す図である。本図において、5つ目の選択点v5、6つ目の選択点v6は、5つ目のクリック点i5、6つ目のクリック点i6が指定されたものであり、4つ目の選択点v4、5つ目の選択点v5、6つ目の選択点v6、1つ目の選択点v1間は、直線LV4,LV5,LV6で接続されている。これらの直線により、本図では、人体形状データの右乳房部分が囲まれていることがわかる。
【0039】
人体形状データの一部分が囲まれると、テクスチャマッピング部13は、ステップS7において、選択点間を接続する直線をベジェ曲線に変換する処理、即ち、ベジェ曲線変換処理を開始する。ベジェ曲線変換処理が開始されると、ステップS8において、曲率制御点を生成すべき選択点がクリックされるのを待つ。選択点がクリックされれば、ステップS9においてクリックされた選択点についての曲率制御点jを生成する。ステップS10では、曲率制御点に対するドラッグ操作に基づいて、3つの選択点を接続している直線をベジェ曲線に変換する。3つの選択点を接続する直線が曲線に変換されれば、ステップS11に移行して、ステップS7〜ステップS10の処理を繰り返させる。
【0040】
以上の処理が繰り返されて、人体形状データ上には、複数のベジェ曲線からなる閉曲線が得られることになる。図22(a)は、直線Lv1,Lv2,Lv3,Lv4,Lv5を変換することにより得られたベジェ曲線Bv1,Bv2,Bv3,Bv4,Bv5からなる閉曲線を示す図である。このようにして得られた閉曲線により、人体形状データの所望の部分が閉曲線にて囲まれれば、ステップS12において人体形状データを構成する制御点のうち、閉曲線にて囲まれるものを検出する。このようにして、閉曲線にて囲まれる制御点が検出されると、ステップS13では、閉曲線にて囲まれる制御点を人体形状データから分離して、閉曲線が通過している選択点と、閉曲線にて囲まれる制御点とからなるサブ形状データを生成して、サブ形状データに含まれる各制御点間と、複数の制御点とを補間曲面を用いて接続して、図16に示したサブ形状データを複数得る。
【0041】
以降、ステップS14では、このようにして生成されたサブ形状データに貼り付けるべきテクスチャパターンをデザイナーに選択させ、選択されたテクスチャパターンをサブ形状データにマッピングする。このように、人体を示す形状データとは別個にサブ形状データを作成してこの別途作成されたサブ形状データにテクスチャパターンをマッピングするので、デザイン支援装置がOPEN-GL等、コンピュ−タ・グラフィックス描画のためのプログラミング環境上で動作しており、そのOPEN-GLの制約により、1つの形状データにつき1つの形状データしが付与することができないという制約が課されている場合でも、人体の一部分の模様をデザイナーの思うがままに変化させることができる。
【0042】
図22(b)は、テクスチャパターンの一例を示す図である。上述したように、サブ形状データは、人体形状データ上に配置されているので、このサブ形状データに、本図におけるテクスチャパターンをマッピングして、この状態の人体形状データ及びサブ形状データをスクリーン上に表示すれば、デザイナーが選択したテクスチャパターンが部分的に付与されたような、人体形状データがえられる。図23(a)は、人体形状データにテクスチャパターンがテクスチャマッピングされた後に、スクリーン上に現れる投影像を示す図である。本図において、人体形状データの乳房部の膨らみを有するサブ形状データに、テクスチャパターンが付与されたので、この投影像におけるテクスチャパターンには、女性特有の乳房部の膨らみが現れる。このような投影像を表示させた後、人体形状データと視点との距離や角度を変化させることにより、別の角度から人体形状データを見た場合に視点に映じる投影像を作成することができる。図23(b)は、右斜め上から人体形状データ、サブ形状データを見た際にスクリーンに表示されるべき投影像を示す図である。このような右斜め上から見た場合の投影像におけるテクスチャパターンにも、女性特有の乳房部の膨らみが現れていることがわかる。図24は、本実施形態における手法を用いてテクスチャマッピングが行われた状態の人体形状データを示すコンピュ−タ・グラフィックスの印刷出力例である。線図で描画された図23と異なり、図24において、コンピュ−タ・グラフィックス固有の処理により、陰影が付されていることがわかる。図24の下段は、人体形状データを右斜め上から見た場合の投影像であるが、本図におけるテクスチャパターンにも、女性特有の乳房部の膨らみが現れていることがわかる。
【0043】
OPEN-GLにおける『人体形状データに対して、一枚しかテクスチャパタンを貼り付けることができない』という制約について説明した際、テクスチャパタンを表示範囲に貼りつけるには、テクスチャパタンの大きさと、人体形状データの部位の大きさとを、うまく整合させる必要があることは述べたが、デザイン支援装置は、デザイナーからの操作に従って指定された閉曲線で囲まれる部位の制御点を分離し、サブ形状データを生成して、これにテクスチャパタンを貼り付けるので、デザイナーは、テクスチャパタンの大きさと整合するようにテクスチャパタンを貼り付けるべき部位を指定することができる。これにより、テクスチャパタンの大きさと、貼りつけるべき部位の大きさとが整合しないために、操作者の意図に係らず自動的にテクスチャパタンの反復やクランプが行われることを避けることができ、またテクスチャパタンにおいてクリッピングが行われる箇所を少なくすることができる。本実施形態では、操作者の意図に係らず、テクスチャパタンの反復やクランプ、クリッピングが行われることは避けられるが、操作者がテクスチャパタンの反復やクランプ、クリッピングが行われることを意図している場合、デザイン支援装置がこれらを積極的に行って良いことはいうまでもない。
【0044】
ステップS14において、投影像を表示させた後、ステップS15において、テクスチャマッピングを再度を行うか否かをデザイナーに提示する。サブ形状データへのテクスチャパタンの貼り付けがデザイナーの希望通りである場合、テクスチャマッピング処理を終了する。テクスチャマッピングのクリッピング等が行われ、テクスチャマッピングが希望通り行われなかった場合、又は、テクスチャマッピングを行うべき箇所が他に存在する場合、ステップS1に移行して、人体形状データの部位の指定を再度を行う。以上のステップS1〜ステップS14の処理を何度も繰り返すことにより、人体形状データの複数の箇所にテクスチャマッピングを貼り付けてゆくことができる。
【0045】
以上、デザイン支援装置の実施形態について説明してきたが、現状において最善の効果が期待できるシステム例として提示したに過ぎない。本発明はその要旨を逸脱しない範囲で変更実施することができる。代表的な変更実施の形態として、以下(応用例1)(応用例2)・・・・に示すものがある。
(応用例1)
本実施形態では、テクスチャマッピングを行う箇所の指定が操作者の指定に基づいて行われたが、テクスチャマッピングを行う箇所が指定された際、当該テクスチャパターンに対応する模様を示す生地の寸法が自動的に測定されるようにしてもよい。
【0046】
テクスチャマッピングの手順において、選択点が2つ指定され、三次元形状データの表面を沿うようなベジェ曲線にて、これらの選択点が接続された場合を想定する。このように2つの選択点が接続されれば、この2つの選択点から基準軸(X軸、Y軸、Z軸の何れでもよい)に射影する。このように選択点から基準軸への射影がなされると、射影点間の直線を、n個に等分割する。ここで等分割により得られた線分をΔxとすると、基準軸と曲線との間を矩形近似する。図25(a)は、2つの選択点R1,R2間を接続するベジェ曲線B1と基準軸とがなす領域を矩形近似した状態を示す図である。本図において、選択点R1,R2を基準軸上に射影することにより、射影点R1E,R2Eがえられており、この射影点間がn分割されて、長さがΔxからなる線分が複数得られていることがわかる。
【0047】
また、このn分割により得られた線分Δxを横幅とした矩形が複数配置されており、この複数の領域にて、2つの選択点間を接続するベジェ曲線と基準軸とがなす領域が近似されている。図25(b)は、ベジェ曲線を分割することにより得られた線分Δcの長さがどのように求められるかを示す図である。図25(b)における矩形は底辺をΔxとし、高さをy及びy+Δyとするものであり、この矩形と、ベジェ曲線との間に差分Δyが現れている。ここでΔyは、基準軸上の分割点から曲線までの距離から、矩形の縦幅yを引くという計算を行うことにより、算出される。このように差分Δyを算出すれば、Δx及びΔyを三平方の定理に適用することにより、微小曲線ΔCの長さを近似計算することができる。以上の手順を繰り返せば、ベジェ曲線に沿った、選択点間の経路長が算出される。以上の手順を経れば、操作者により指定された閉曲線の経路長が自動的に測定されることになり、人体に対する仮想的なテクスチャマッピングと共に、人体に貼りつけるべき生地の寸法を、操作者に通知することができる。
【0048】
(応用例2)応用例2は、デザイン支援装置を販売店の店頭に設置して、衣服の模様を顧客に指定させようとするものである。販売店に設置されたデザイン支援装置は、複数の衣服データのサンプルが用意されており、複数の衣服データが操作者に提示される。衣服のオーダーメイドを行う旨が提示される。また、このオーダーメイドにおいて、これら衣服データに対するバーチャルパッチワークが可能な旨が示されている。バーチャルパッチワークにおいて、依頼者は、衣服データの一部分に、自分の嗜好にあった模様を、自分が好きな部分に貼り付けることができる。それのバーチャルパッチワークを行う旨の操作を依頼者が行えば、依頼者が選んだ模様を示すテクスチャパターンを収録したファイルを準備する。一方、デザイン支援装置は、各衣服データを着衣した状態の人体形状データを保持しており、側面像、正面像のイメージデータが準備されれば、この人体形状データの何れかの部位に対する領域指定を受け付ける。領域指定を受け付けると、デザイン支援装置は、正面像及び側面像に基づいて、販売用の衣服を着衣した状態の人体形状データに、操作者が送信したテクスチャパターンを貼り付ける。テクスチャパターンが貼り付けられると、操作者は、テクスチャパターンの貼り付け後の人体形状データをあらゆる角度から観測することができる。
【0049】
(応用例3) 応用例3は、応用例2の処理をインターネット上で行うものである。
デザイン支援装置は、インターネットで衣服のオーダーメイドを行う旨のホームページを開設する。このホームページでは、複数の衣服データのサンプルが用意されており、複数の衣服データが操作者に提示される。また、このホームページでは、これら衣服データに対するバーチャルパッチワークが可能な旨が示されている。バーチャルパッチワークにおいて、依頼者は、衣服データの一部分に、自分の嗜好にあった模様を、自分が好きな部分に貼る付けることができる。それのバーチャルパッチワークを行う旨の操作を依頼者が行えば、ホームページにおいて、依頼者が選んだ模様を示すテクスチャパターンを収録したファイルを送信するよう依頼者に通知する。一方、デザイン支援装置は、各衣服データを着衣した状態の人体形状データを保持しており、操作者から側面像、正面像のイメージデータが送信されれば、この人体形状データの何れかの部位に対する領域指定を受け付ける。領域指定を受け付けると、デザイン支援装置は、正面像及び側面像に基づいて、販売用の衣服を着衣した状態の人体形状データに、操作者が送信したテクスチャパターンを貼り付ける。テクスチャパターンが貼り付けられると、操作者は、テクスチャパターンの貼り付け後の人体形状データをあらゆる角度から観測することができ、当該衣服データの購入に同意するなら、インターネット上での金銭決済を行う。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るデザイン支援装置は、仮想的な立体物にスクリーンを対向させた場合に当該スクリーン上に得られるべき投影像を、前記複数の制御点の座標値に基づいて生成するレンダリング手段と、投影像に対する操作を操作者から受け付ける受付手段と、投影像に対する操作に基づいて、前記立体物の表面に沿った座標値を通過する閉曲線を複数生成する第1生成手段と、生成された複数の閉曲線にて包囲される立体物表面における幾つかの制御点を三次元形状データから分離して、分離された幾つかの制御点と、生成された閉曲線とからなるサブ形状データを複数得る分離手段と、複数の補間曲面を作成して、それぞれのサブ形状データに含まれる幾つかの制御点と、それぞれの閉曲線とをそれぞれの補間曲面を用いて接続する補間手段と、補間手段により接続された各補間曲面の表面にテクスチャマッピングを行うことにより、立体物の一つの部位に所望の模様を貼り付けるテクスチャマッピング手段とを備えることを特徴としているので、投影像に対する操作を操作者から受け付けて、投影像に対する操作に基づいて、前記立体物の表面沿いの座標を有する閉曲線を複数生成するので、人体形状データにおいて模様を付与したい領域を、正確に且つ美しく指定することができる。
【0051】
模様を付与したい箇所が閉曲線で指定されるので、微妙で繊細な形状を有するテクスチャパターンを人体形状データに貼り付け得ることができ、アパレル業界で活躍するデザイナー達の厳しい要求をも満たすことができる。
更に閉曲線が指定されれば、別個にサブ形状データを作成してこの別途作成されたサブ形状データにテクスチャパターンをマッピングするので、デザインすべき衣服がブラジャー等であり、女性の乳房の辺りの模様を変化させたい場合、テクスチャマッピングを行えば、貼り付けられたテクスチャパターンに乳房の膨らみが現れるので、自然に見える。更に人体を示す形状データとは別個にサブ形状データを作成してこの別途作成されたサブ形状データにテクスチャパターンをマッピングするので、デザイン支援装置がOPEN-GL等、コンピュ−タ・グラフィックス描画のためのプログラミング環境上で動作しており、そのOPEN-GLの制約により、1つの形状データにつき1つのテクスチャパターンしが付与することができないという制約が課されている場合でも、人体の一部分の模様をデザイナーの思うがままに変化させることができる。サブ形状データは複数個生成され、それぞれに対して個別にテクスチャパターンを貼り付けてゆくことができるので、本発明に係るデザイン支援装置を用いれば、複数の模様が付与された、華やかな衣服をデザインすることができる。
【0052】
OPEN-GLのように『人体形状データに対して、一枚しかテクスチャパタンを貼り付けることができない』という制約が存在する場合、テクスチャパタンを三次元形状データに貼りつけるには、テクスチャパタンの大きさと、人体形状データにおいて、テクスチャパターンを貼り付けるべき部位の大きさとを、うまく整合させる必要があるが、本発明に係るデザイン支援装置は、デザイナーからの操作に従って指定された閉曲線で囲まれる部位の制御点を分離し、サブ形状データを生成して、これにテクスチャパタンを貼り付けるので、デザイナーは、テクスチャパタンの大きさと整合するようにテクスチャパタンを貼り付けるべき部位を指定することができる。これにより、テクスチャパタンの大きさと、貼りつけるべき部位の大きさとが整合しないために、デザイナーの意図とは係りなく、自動的にテクスチャパタンの反復やクランプが行われることを避けることができ、またテクスチャパタンにおいてクリッピングが行われる箇所を少なくすることができる。
【0053】
ここで前記受付手段は、投影像における複数の点の指定操作を操作者から受け付け、前記第1生成手段は、投影像上の複数の点が指定されると、個々の指定点の周辺に位置する所定数の制御点を検出する検出部と、検出された所定数の制御点の間を補間曲面で接続する第1接続部と、投影像の複数の指定点のそれぞれが補間に用いられた補間曲面上のどこに相当するかを特定する特定部と、特定部によって特定された、指定点に対応する補完曲面上の複数の点である複数の特定点の間を、曲線で接続する第2接続部とを備え、前記閉曲線は、第2接続部により接続された複数の曲線からなるように構成しても良い。
【0054】
特定部は、投影像の複数の指定点のそれぞれが、補間曲面上のどこに相当するかを特定し、第2接続部は、複数の特定点の間を、曲線で接続するので、形状データにおける制御点が離散的であり、投影像において、操作者が指定した点に相当する制御点が存在しない場合でも、操作者が指定した点に対応する形状データの位置を、高い精度で作成することができる。
【0055】
ここで上記装置において、前記第1生成手段は更に、投影像において、曲線の通過点に対する操作が操作者によりなされると、通過点を移動させる第1移動部を備えるように構成しても良い。
特定部が特定した点が、操作者が希望した点と多少異なっていたとしても、その特定点を前後左右に移動させることにより、特定点の位置調整を行うことができる。
【0056】
ここで上記装置において、前記第1生成手段は更に、曲線の通過点の周辺部に曲率制御点を生成して配置する生成部と、投影像において、生成された曲率制御点に対する操作が操作者によりなされると、曲率制御点を移動させる第2移動部と、曲率制御点の移動に伴って、曲線の曲率を変化させる変化部とを備えていてもよい。
【0057】
第2接続部が接続した曲線の曲率が、操作者が想像したものと多少異なっていたとしても、その曲率制御点を前後左右に移動させることにより、曲線の曲率調整を行うことができる。
ここで上記装置において、前記第1生成手段は更に、第2接続部により、複数の特定点の閉曲線で接続されると、何れかの特定点から別の特定点までの曲線上の経路長を算出する算出部を備えるようにしても良い。
【0058】
テクスチャパターンを貼り付ける際、特定点間の経路長を測定することができるので、実際の製品を制作する際に、生地をどれだけの寸法に裁断すればよいかを容易に算出することができる。
ここで前記表示手段は、三次元形状データから視点までの距離と、三次元形状データと視点とがなす視線角とが設定されている設定部と、設定された距離及び視線角度に基づいて、テクスチャパターンがテクスチャマッピングされたサブ三次元形状データと、三次元形状データとの投影像を表示する表示部とを備え、前記検出部は、投影像上の複数の点が指定されると、前記三次元形状データから視点までの距離と、視線角とに基づいて、個々の指定点の周辺に位置する所定数の制御点を検出するように構成しても良い。
【0059】
表示手段は距離及び視線角の設定に応じて投影像を表示するので、操作者は一部分にテクスチャパターンが貼り付けられたサブ形状データ及び形状データをあらゆる方位から観察することができ、パッチワーク時のデザインを、充分評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)デザイン支援装置の機能を具現するCADプログラムがインストールされるパーソナルコンピュータのハードウェア構成を示す図である。
(b)デザイン支援装置の内部構成を示す図である。
【図2】(a)人体形状データのデータ構造を示す図である。
(b)三次元形状計測装置の測定により得られた人体形状データについての座標系を示す図である。
(c)OPEN-GLにより表示されるべき人体形状データについての座標系を示す図である。
【図3】(a)視点からの距離、視線角をどのように設定するかを示す図である。
(b)表示範囲と、人体形状データとの位置関係を示す図である。
【図4】(a)人体形状データのうち、表示対象領域に存在する4×4の制御点を示す図である。
(b)4×4の制御点を直線で接続した場合の4×4の制御点を示す図である。
(c)一時制御点T0,T1に基づいて、曲率が算出されたベジェ曲面を示す図である。
(d)4×4の制御点をベジェ曲線にて接続することにより得られたベジェ曲面を示す図である。
【図5】上下左右に隣接する4つのベジェ曲面G00,G01,G10,G11のベジェ曲面間で、境界の不整合が現れる点である。
【図6】グレゴリー曲面の一例を示す図である。
【図7】(a)〜(d)左右に接続するグレゴリー曲面G00,G01間を平滑化する手順を示す図である。
【図8】(a)〜(d)上下に接続するグレゴリー曲面G01,G11間を平滑化する手順を示す図である。
【図9】平滑化処理を4つのグレゴリー曲面G00,G01,G10,G11について繰り返すことにより、平滑に接続された状態を示す図である。
【図10】(a)制御点P11,P21,P12,P22を示す図である。(b)制御点P11,P21,P12,P22にて構成されるベジェ曲面を示す図である。
【図11】領域指定操作において、人体形状データの部分領域がどのように指定されるかを示す図である。
【図12】テクスチャパターンを貼り付けるべき領域を特定する閉曲線の詳細を示す図である。
【図13】選択点間を通過するベジェ曲線と、人体形状データの制御点を接続するベジェ曲面との間の位置関係を示す図である。
【図14】各選択点v1,v2,v3,v4,v5,v6についての曲率制御点cr1,cr2,cr3,cr4,cr5,cr6を示す図である。
【図15】(a)人体形状データの閉曲線を特定するベジェ曲線についての曲率制御点を操作者がカーソルにて指定した状態を示す図である。
(b)ベジェ曲線についての曲率制御点を操作者が矢印y31に示すようにドラッグした場合、ベジェ曲線の曲率が変化した様子を示す図である。
(c)人体形状データの閉曲線を特定するベジェ曲線についての制御点を操作者がカーソルにて指定した状態を示す図である。
【図16】閉曲線cc1を底辺とした立体形状のサブ形状データを示す図である。
【図17】テクスチャマッピング部13により行われるテクスチャマッピング処理についてのフローチャートである。
【図18】スクリーンにおける2つの箇所i1,i2がクリックされ、それらについての選択点v1,v2が人体形状データ上に求められていることを示す図である。
【図19】表面の選択点v1,v2が指定されて、この2つの選択点間が直線LV1で接続されている様子を示す図である。
【図20】 3つ目の選択点v3、4つ目の選択点v4が特定される様子を示す図である。
【図21】 5つ目の選択点v5、6つ目の選択点v6が特定される様子を示す図である。
【図22】(a)直線Lv1,Lv2,Lv3,Lv4,Lv5を変換することにより得られたベジェ曲線Bv1,Bv2,Bv3,Bv4,Bv5からなる閉曲線を示す図である。
(b)テクスチャパターンの一例を示す図である。
【図23】(a)人体形状データにテクスチャパターンがテクスチャマッピングされた後に、スクリーン上に現れる投影像を示す図である。
(b)右斜め上から人体形状データ、サブ形状データを見た際にスクリーンに表示されるべき投影像を示す図である。
【図24】本実施形態における手法を用いてテクスチャマッピングが行われた状態の人体形状データを示すコンピュ−タ・グラフィックスの印刷出力例である。
【図25】(a)2つの測定点R1,R2間を接続するベジェ曲線B1と基準軸とがなす領域を矩形近似した状態を示す図である。
(b)ベジェ曲線を分割することにより得られた線分Δcの長さがどのように求められるかを示す図である。
【図26】三次元形状計測装置を用いて計測した人体形状データをワイヤーフレーム表示した画像である。
【図27】人体形状データを作成するのに用いた三次元形状計測装置の構成を簡易に示す図である。
【符号の説明】
10 データ格納部
11 ユーザインターフェイス部、
12 投影像表示部
13 テクスチャマッピング部
Claims (12)
- 三次元空間に配置された複数の制御点を示す複数の座標値を含む三次元形状データにて三次元形状が特定される仮想的な立体物の任意の部位を対象としたデザイン作業を支援するデザイン支援装置であって、
前記仮想的な立体物にスクリーンを対向させた場合に当該スクリーン上に得られるべき投影像を、前記複数の制御点の座標値に基づいて生成するレンダリング手段と、
投影像に対する操作を操作者から受け付ける受付手段と、
投影像に対する操作に基づいて、前記立体物の表面に沿った座標値を通過する閉曲線を複数生成する第1生成手段と、
生成された複数の閉曲線にて包囲される立体物表面における幾つかの制御点を三次元形状データから分離して、分離された幾つかの制御点と、
生成された閉曲線とからなるサブ形状データを複数得る分離手段と、
複数の補間曲面を作成して、それぞれのサブ形状データに含まれる幾つかの制御点と、
それぞれの閉曲線とをそれぞれの補間曲面を用いて接続する補間手段と、
補間手段により接続された各補間曲面の表面にテクスチャマッピングを行うことにより、立体物の一つの部位に所望の模様を貼り付けるテクスチャマッピング手段とを備えることを特徴とするデザイン支援装置。 - 前記受付手段は、投影像における複数の点の指定操作を操作者から受け付け、前記第1生成手段は、投影像上の複数の点が指定されると、個々の指定点の周辺に位置する所定数の制御点を検出する検出部と、
検出された所定数の制御点の間を補間曲面で接続する第1接続部と、
投影像の複数の指定点のそれぞれが補間に用いられた補間曲面上のどこに相当するかを特定する特定部と、
特定部によって特定された、指定点に対応する補完曲面上の複数の点である複数の特定点の間を、曲線で接続する第2接続部とを備え、
前記閉曲線は、第2接続部により接続された複数の曲線からなることを特徴とする請求項1記載のデザイン支援装置。 - 前記第1生成手段は更に、投影像において、曲線の通過点に対する操作が操作者によりなされると、
通過点を移動させる第1移動部を備えることを特徴とする請求項2記載のデザイン支援装置。 - 前記第1生成手段は更に、曲線の通過点の周辺部に曲率制御点を生成して配置する生成部と、
投影像において、生成された曲率制御点に対する操作が操作者によりなされると、
曲率制御点を移動させる第2移動部と、
曲率制御点の移動に伴って、曲線の曲率を変化させる変化部とを備えることを特徴とする請求項2又は3記載のデザイン支援装置。 - 前記第1生成手段は更に、第2接続部により、複数の特定点の閉曲線で接続されると、
何れかの特定点から別の特定点までの曲線上の経路長を算出する算出部を備えることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のデザイン支援装置。 - 前記表示手段は、三次元形状データから視点までの距離と、
三次元形状データと視点とがなす視線角とが設定されている設定部と、
設定された距離及び視線角度に基づいて、テクスチャパターンがテクスチャマッピングされたサブ三次元形状データと、
三次元形状データとの投影像を表示する表示部とを備え、前記検出部は、投影像上の複数の点が指定されると、
前記三次元形状データから視点までの距離と、
視線角とに基づいて、個々の指定点の周辺に位置する所定数の制御点を検出することを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載のデザイン支援装置。 - 三次元空間に配置された複数の制御点を示す複数の座標値を含んでいて、仮想的な立体物の形状を示す三次元形状データを記憶している記憶手段を有するコンピュータが読み取ることができる記録媒体であって、
前記記憶手段から三次元形状データを読み出すと共に、前記仮想的な立体物にスクリーンを対向させた場合に当該スクリーン上に得られるべき投影像を、三次元形状データに含まれる複数の制御点の座標値に基づいて生成するレンダリングステップと、
投影像に対する操作を操作者から受け付ける受付ステップと、
投影像に対する操作に基づいて、前記立体物の表面に沿った座標値を通過する閉曲線を複数生成する第1生成ステップと、
生成された複数の閉曲線にて包囲される立体物表面における幾つかの制御点を三次元形状データから分離して、分離された幾つかの制御点と、
生成された閉曲線とからなるサブ形状データを複数得る分離ステップと、
複数の補間曲面を作成して、それぞれのサブ形状データに含まれる幾つかの制御点と、
それぞれの閉曲線とをそれぞれの補間曲面を用いて接続する補間ステップと、
補間ステップにより接続された各補間曲面の表面にテクスチャマッピングを行うことにより、立体物の一つの部位に所望の模様を貼り付けるテクスチャマッピングステップとからなる手順をコンピュータに行わせるデザイン支援プログラムが記録されていることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 前記受付ステップは、投影像における複数の点の指定操作を操作者から受け付け、前記第1生成ステップは、投影像上の複数の点が指定されると、
個々の指定点の周辺に位置する所定数の制御点を検出する検出サブステップと、
検出された所定数の制御点の間を補間曲面で接続する第1接続サブステップと、
投影像の複数の指定点のそれぞれが補間に用いられた補間曲面上のどこに相当するかを特定する特定サブステップと、
特定サブステップによって特定された、指定点に対応する補完曲面上の複数の点である複数の特定点の間を、曲線で接続する第2接続サブステップとを備え、
前記閉曲線は、第2接続サブステップにより接続された複数の曲線からなることを特徴とする請求項7記載のコンピュータ読取可能な記録媒体。 - 前記第1生成ステップは更に、投影像において、曲線の通過点に対する操作が操作者によりなされると、
通過点を移動させる第1移動サブステップからなることを特徴とする請求項8記載のコンピュータ読取可能な記録媒体。 - 前記第1生成ステップは更に、曲線の通過点の周辺部分に曲率制御点を生成して配置する生成サブステップと、
投影像において、生成された曲率制御点に対する操作が操作者によりなされると、
曲率制御点を移動させる第2移動サブステップと、
曲率制御点の移動に伴って、曲線の曲率を変化させる変化サブステップとからなることを特徴とする請求項8又は9記載のコンピュータ読取可能な記録媒体。 - 前記第1生成ステップは更に、第2接続サブステップにより、複数の特定点の閉曲線で接続されると、
何れかの特定点から別の特定点までの曲線上の経路長を算出する算出サブステップからなることを特徴とする請求項8〜10の何れかに記載のコンピュータ読取可能な記録媒体。 - 前記表示ステップは、三次元形状データから視点までの距離と、
三次元形状データと視点とがなす視線角とが設定されている設定サブステップと、
設定された距離及び視線角度に基づいて、テクスチャパターンがテクスチャマッピングされたサブ三次元形状データと、
三次元形状データとの投影像を表示する表示サブステップとを備え、前記検出サブステップは、投影像上の複数の点が指定されると、
前記三次元形状データから視点までの距離と、
視線角とに基づいて、個々の指定点の周辺に位置する所定数の制御点を検出することを特徴とする請求項8〜11の何れかに記載のコンピュータ読取可能な記録媒体。
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