以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、本発明は図示の実施の形態に限定されない。
(第1の実施の形態)
最初に図1〜4を用いて、選択現像及び本発明の第1の実施の形態における選択現像の是正について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る現像装置の要部を示す断面図である。
図1において、矢印W1で示すように時計方向に回転する像担持体CAに対して、像担持体CAに対向して配置された現像剤担持体CBが矢印W2で示すように反時計方向に回転し、現像剤担持体CB上に形成された現像剤層により現像が行われる。
現像剤層DVの現像剤としては、トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤又はキャリアを含まずトナーを主成分とする一成分現像剤が用いられる。高解像度であり、階調性に優れた画像を形成するには、小粒径トナーを用いた二成分現像剤が好ましく、特に、カラー画像の形成の場合、二成分現像剤が好ましい。
現像剤担持体CBの内側には、マグネットロールMGが配置され、現像剤担持体CB上に現像剤を付着させるとともに、現像領域Gにおいて、磁気ブラシを形成する。
現像剤担持体CBは現像領域Gにおいて、同方向に移動し、像担持体CAの線速度に対する像担持体CAの線速度の比を一定としても良いし、可変とし条件に応じて該比を制御することもできる。なお、図示の例では現像剤担持体CBは現像領域Gにおいて、像担持体CAに対してこれと同方向に移動するが、反対方向に移動してもよい。
現像剤担持体CB上の現像剤の量は規制部材DBにより規制される。
現像剤担持体CBには、電源E1、E2により現像バイアス電圧が印加される。電源E1は直流電源、電源E2は交流電源である。正規現像又は反転現像により現像を行うことが可能であり、正規現像においては、直流電源E1は潜像の極性と反対極性の現像バイアス電圧を印加する。また、反転現像においては、直流電源E1は潜像の極性と同極性の現像バイアス電圧を印加する。
交流電源E2は電圧値{ピークツーピーク(peak to peak)}0.8kV〜1.8kV、周波数5kHz〜7kHz程度の交流電圧を印加する。正弦波、矩形波、三角波等任意の波形の交流が用いられる。
なお、本明細書においては、現像バイアス電圧の交流成分の交流電圧Vacはピークツーピーク(peak to peak)電圧である。
図2は現像バイアス電圧の交流電圧Vacを種々変化させた場合における、トナーの粒度分布の変化を示すグラフである。
曲線LA0は、スタート時、即ち、現像によりトナーが消費される前の現像装置中のトナーの粒度分布曲線である。
曲線LA1〜LA5は表1に示すような交流バイアス電圧の印可して現像を行ったときに、像担持体CA上のトナー像を形成しているトナーの粒度分布曲線である。
表1の粒度分布は次の条件で現像を行った時に結果である。
直流電圧Vdc:−500V
交流電圧の周波数f:5kHz
現像間隔:0.3mm
(像担持体CAと現像剤担持体CB間の最短距離)
像担持体CAと現像剤担持体CBとの線速度比Vs/Vp:2
(像担持体CAの線速度=Vp、現像剤担持体CBの線速度=Vs)
現像剤担持体CBによる現像剤搬送量M:200〜240g/m2
図2から明らかなように、交流電圧Vacが高い程、粒径の小さなトナーが優先消費され、交流電圧Vacが低い程粒径の大きなトナーが優先消費される。
ニュートナーの粒度分布と現像に用いられたトナーの粒度分布とがずれていることから明らかなように、交番電界下で行われる現像においては、現像が進行するに従って、現像装置中のトナーの粒度分布が変化する。即ち、高い波項値の現像バイアスで現像を行う場合には、小粒径トナーが優先消費される結果、現像装置中のトナーには大粒径のトナーの割合が高くなり、低い波項値の現像バイアスで現像を行う場合には、大粒径のトナーが優先消費される結果、現像装置中のトナーには、小粒径のトナーの割合が高くなる。
理論的には、ニュートナーの粒度分布に現像において消費されるトナーの粒度分布が一致するように交流電圧の波高値を設定すれば、現像を続けた場合にも現像装置中のトナーの粒度分布は変化しないことになるが、実際上このような設定はきわめて困難であり、画像形成工程を続行する場合に、現像装置中のトナーの粒度分布が変化することが避けられない。
図3はトナーの帯電量分布を示すグラフである。
図3において、帯電量はトナー粒子1個1個が有する電荷量を示し、電荷量/粒子直径(Q/D)で表している。単位はfC/μmである。
図4は帯電量分布を計測するときにトナー粒子のサンプリング範囲を示す図である。
曲線LB0はトナー全体の帯電量分布、曲線LB1は小粒径側2割の粒子の帯電量分布、曲線LB2は中央部6割の粒子の帯電量分布、曲線LB3は大粒径側2割の粒子の帯電量分布を示す。即ち、図4に示すLB1R、LB2R、LB3Rで示す粒径範囲にある粒子の帯電量分布が、それぞれ図3の曲線LB1、LB2、LB3で示すものである。
図3の帯電量Q/Dは負帯電トナーを用い、次の条件で現像を行い、5000枚の画像を形成した段階において、帯電量を測定した結果である。
直流電圧Vdc:−500V
交流電圧Vac:1kV
交流周波数:5kHz
現像間隔Ds:0.3mm
速度比Vs/Vp:2
現像剤搬送量M:200〜240g/m2
印字率:1%
(全画像面積に占める濃度0を超える画像面積の割合)
図3から明らかなように、小粒径トナーほど帯電量が低い。帯電量Q/Dの違いにより現像性が変わることは知られており、帯電量Q/Dが低下すると、かぶりやトナー飛散の発生が起きやすくなり、また、ハーフトーン画像の荒れが目立つようになる。
以上説明した実験結果から、画像形成を重ねるに従って、トナーの粒度分布が変化し、この変化により、トナーの帯電量が変化することが分かる。そして、この帯電量変化により、画質に影響が出て画質の低下を起こす場合が生ずる。
このような傾向は、低印字率の画像を多く形成する場合に強くなる。即ち、低印字率の画像を多量に形成した場合、トナー補給量の少ない状態で画像形成が継続して行われる結果、選択現像により現像装置内のトナーの粒度分布に偏りが大きくなって、画質の低下を招く結果となる。
このような実験に基づいた知見から、本実施の形態においては、形成する画像の印字率を検出し、検出結果に基づいて現像バイアス中の交流電圧Vacを制御した。交流電圧Vacの変化により図2に示すように現像に用いられるトナーの粒度分布が変化するので、交流電圧Vacの制御により、現像装置中のトナーの粒度分布を制御することが可能となり、低印字率画像を形成することにより生ずる現像装置内のトナーの粒度分布の偏りを防止するが可能となる。
即ち、検出結果に基づいて、現像バイアス中の電圧Vacを制御している。この制御により、現像装置中のトナーの粒度分布の変動を抑制し、かぶり、ハーフトーン荒れ、トナー飛散等の望ましくない現象が十分に抑制される。
具体的には、印字率を検知し、印字率が低い場合には、交流電圧Vacを高い方に変更する制御が行われる。
直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアス電圧を印加する現像における現像メカニズムにおいて、交流電圧中の現像に寄与する部分は、一方の極性の波であり、波高値、即ち、交流電圧Vacの2分の1の制御により現像性が制御される。従って、理論的には、波高値、1/2・Vacを制御することにより、選択現像を防止し、画質低下を防止することができるが、実際には、交流電圧Vacを制御することにより、選択現像を防止する画質制御が行われる。
ここに印字率とは、画像の面積Gsの累積値∫Gsに形成される濃度が0(ゼロ)でない画像の画像データの累積値∫Gdの比∫Gs/∫Gd×100パーセンテージであり、所定枚数の画像形成毎に計算される。
所定枚数とは、例えば、100枚のように、予め一定数に決まられた枚数又は操作部もしくは外部から設定された1画像形成ジョブで形成する枚数であり、これらを組み合わせて所定枚数とすることもできる。
図5は第1の実施の形態に係る画像形成装置A1の概略を示す図であり、図6は本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置A1の制御系のブロック図である。
感光体ドラム1は像担持体としてのドラム状の感光体であって、マイナス帯電する有機半導体層としてフタロシアニン顔料をポリカーボネイトに分散したものを接地された金属製のシリンダ状の基板上に塗布し、電荷輸送層を含めた感光体層として形成したもので、矢示方向に駆動回転される。
帯電装置2は回転する感光体ドラム1を所定の極性・電位に帯電処理するスコロトロン帯電からなる帯電装置で、感光体ドラム1の表面を一様に帯電する。
露光装置3はレーザ走査方式の露光装置であり、発光素子に半導体レーザ(LD)を用いており、露光装置3はレーザビームを出射して感光体ドラム1の一様に帯電した表面を走査露光し、静電潜像を形成する。帯電装置2と露光装置3とは潜像形成部を構成する。
現像部としての現像装置4は、感光体ドラム1に対向して回転する現像剤担持体としての現像スリーブ41上の現像剤により感光体ドラム1上の静電潜像を現像してトナー像を形成する。接触或いは非接触による現像が、イメージ露光と反転現像との組み合わせで2成分現像剤を用いての現像が行われる。現像スリーブ41はマグネットロールの周囲にステンレス溶射表面加工を施したアルミ製のスリーブを被せた構成とし、現像スリーブ41には電源E1による直流成分と電源E2による交流成分とが重畳された現像バイアス電圧によって現像が行われる。電源E1により感光体ドラム1の帯電極性と同極性の電圧を印加する反転現像が好ましい。
トナーと磁性キャリアを含有する2成分現像剤を用いて現像を行う。トナーとしては、個数メディアン径が3〜8μmの重合トナーが好ましく、特に5μm〜7μmの重合トナーが好ましい。重合トナーを用いることにより、高解像力であり、濃度が安定しかぶりの発生が極めて少ない画像形成装置が可能となる。
キャリアとしては、個数メディアン径が30〜65μmの磁性粒子からなるフェライトコアのキャリアが好ましい。
転写装置6はコロトロン、即ち、ワイヤ及びバックプレートで構成されるコロナ帯電器からなる転写装置であり、定電流制御された転写電流によって感光体ドラム1上のトナー像の転写紙上への転写を行う。
分離装置7はコロトロン帯電器からなる分離装置であり、AC成分とDC成分との分離電流によって転写紙の感光体ドラム1からの分離を促している。
給紙部より給紙された記録材Pは、レジストローラ21によって感光体ドラム1上に形成されたトナー像と同期して給紙がなされ、転写ニップ部において転写装置6によってトナー像の転写を受ける。転写ニップ部を通過した記録材Pは、感光体ドラム1の面から分離装置7によって分離され、搬送ベルト22によって定着装置23へ搬送される。
トナー像を担持する記録材Pは、定着装置23により定着処理され、排紙ローラ24によって機外の図示しない排紙トレイ上に排出される。
一方、記録材Pへのトナー像の転写後の感光体ドラム1の表面はクリーニング装置8により転写残トナーの清掃が行われる。本実施の形態においてはクリーニング装置8が備えるクリーニング部として、ウレタンゴム製のブレードが用いられ、クリーニングブレードはカウンタタイプに感光体ドラム1周面に摺接して清掃を行っている。クリーニング装置8を通過して表面が清掃された感光体ドラム1周面は、帯電前露光(PCL)部9によって照射がなされ、残留電位を低下した状態で次の画像形成サイクルへと移行する。
図6は第1の実施の形態に係る画像形成装置A1の制御系のブロック図である。
システム制御部30は画像形成装置全体を制御するものであり、画像処理部31は原稿を読み取って得られた画像データ又は外部機器から受信した画像データに基づいて露光装置3を駆動する画像データを生成するものであり、現像制御部32は前記に説明した画質制御を行う制御部及び印字率検出部としての現像制御部であり、操作部33は種々の操作を行う部位であり、通信部34はパーソナルコンピュータ、ファクシミリ等の外部機器と通信する通信部である。
交流電源E2は図5に示したように、現像スリーブ41に現像バイアス電圧を印加する交流電源である。
記録材に画像を形成する画像形成工程においては、システム制御部30は、帯電装置2、露光装置3、現像装置4及び転写装置6を所定のタイミングで起動/停止して記録材に画像を形成する。
複写画像形成工程中の画質制御工程、即ち、印字率に基づいて交流電源E2を制御し、交流電圧Vacを制御するためは、現像制御部32は操作部33においてオペレータにより設定された記録材のサイズ情報及び枚数情報から全画像面積を算出する。現像制御部32は、また、画像処理部31から画像データを入力して、画像データ量を算出する。画像が2値画像の場合には、画像データ量は黒画素ドット数の積算値であり、多値画像の場合は、画素値の積算量である。
現像制御部32は所定枚数の画像形成毎に全画像面積に対する画像データ量のパーセンテージ∫Gd/∫Gs×100を計算し、計算結果に基づいて、交流電源E2を制御し、交流電圧Vacを制御する。
なお、印字率の計算においては、画像の幅をサイズによらず一定とし、画像の長さ(図5における記録材Pの搬送方向の長さ)を積算した値を全画像面積∫Gsとする等の近似計算により印字率を算出することも可能である。
更に、選択現像によるトナーの粒度分布の偏りがトナー消費率の低い場合に起こる現像であることに鑑み、トナー消費率、即ち、図5における現像スリーブ41の回転量に対する画像データ量のパーセンテージを印字率として近似計算することにより、印字率を求めることができる。
外部から受信した画像データに基づいて画像形成を行うプリント画像形成工程においては、現像制御部32は通信部34から入手した記録画像のサイズ情報及び枚数情報に基づいて、全画像面積を算出し、1ジョブ中の画像データに基づいて画像データ量を算出するとともに、こられの算出結果から印字率を計算する。
計算した印字率に基づいて、現像制御部32は交流電源E2を制御して交流電圧Vacを制御する。
交流電圧Vacの制御は、前記に説明したように印字率が低いときには、交流電圧Vacを高くする制御である。交流電圧Vacの制御の態様としては、印字率に対して交流電圧Vacを連続的に変化させてもよいし、段階的に対応させてもよい。代表的な制御の態様としては、印字率の閾値を設定し、閾値以上では標準の交流電圧Vacを印加し、閾値を下回ったときは、標準値よりも高い交流電圧Vacを印加するものがある。
このような交流バイアス電圧の制御により、選択現像が抑制されて常に高い画質が維持される。
低印字率の画像を形成した場合に生ずる画質の低下を防止するには、前記に説明した交流電圧Vacを変更する制御に加えて、感光体ドラム1の線速度Vpと現像スリーブ41の線速度Vsの比Vs/Vpを印字率に応じて制御することが好ましい。
即ち、印字率が低い場合に、比Vs/Vpを低くする制御により、トナーの劣化が防止され、かぶり、ハーフトーン荒れ、トナー飛散等が防止される。
以上のように、第1の実施の形態においては、選択現像が行われた場合に生ずる現像部中のトナーの粒度分布の変化及びそれによるかぶり、ハーフトーン荒れ等の画質の低下やトナー飛散が良好に防止され、高い画質の画像を安定して形成する画像形成装置が実現される。
選択現像により現像部中のトナーの粒度分布が小粒径側にシフトし、画質の低下やトナー飛散が発生しやすくなるが、第1の実施の形態により、これらの望ましくない現象が十分に防止され高い画質の画像を安定して形成する画像形成装置が実現される。
第1の実施の形態により、選択現像により生ずる望ましくない現象が特に良好に防止される。
第1の実施の形態により、印字率を検出するための特別な装置を付加することなく、印字率を検出することができる。
(第2の形態)
以下、第2の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。
[画像形成装置]
図7は、第2の形態に係る画像形成装置の構成図である。
画像形成装置A2は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部110Y,110M,110C,110Kと、ベルト状の中間転写体106と給紙装置120及び定着装置130とからなる。
イエロー(Y)色の画像を形成する画像形成部110Yは、像担持体としての感光体ドラム101Yの周囲に配置された帯電装置102Y、露光装置103Y、現像部としての現像装置104Y及びクリーニング部105Yを有する。マゼンタ(M)色の画像を形成する画像形成部110Mは、像担持体としての感光体ドラム101M、帯電装置102M、露光装置103M、現像部としての現像装置104M及びクリーニング部105Mを有する。シアン(C)色の画像を形成する画像形成部110Cは、像担持体としての感光体ドラム101C、帯電装置102C、露光装置103C、現像部としての現像装置104C及びクリーニング部5Cを有する。黒(K)色の画像を形成する画像形成部110Kは、像担持体としての感光体ドラム101K、帯電装置102K、露光装置103K、現像部としての現像装置104K及びクリーニング部105Kを有する。
帯電装置102Yと露光装置103Y、帯電装置102Mと露光装置103M、帯電装置102Cと露光装置103C及び帯電装置102Kと露光装置103Kとは、潜像形成部を構成する。
現像装置104Y,104M,104C,104Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒(K)の小粒径トナーとキャリアからなる二成分現像剤を収容する現像装置である。
中間転写体106は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持されている。
画像形成部110Y,110M,110C,110Kより形成された各色の画像は、回動する中間転写体106上に一次転写部107Y,107M,107C,107Kにより逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。
給紙装置120の給紙カセット121内に収容された記録紙Pは、給紙部(第1給紙部)122により給紙され、給紙ローラ123,124,125,126、レジストローラ(第2給紙部)127等を経て、二次転写部109に搬送され、記録紙P上にカラー画像が転写される。
カラー画像が転写された記録紙Pは、定着装置130により記録紙P上のカラートナー像(或いはトナー像)が定着された後、排紙ローラ128に挟持されて機外の排紙トレイ129上に載置される。
一方、二次転写部109により記録紙Pにカラー画像を転写した後、記録紙Pを分離した中間転写体106は、中間転写体クリーニング部108により残留トナーが除去される。
なお、画像形成装置A2の説明においては、カラー画像形成にて説明したが、モノクロ画像を形成する場合も本形態に含まれるものである。
[現像装置の構成]
図8は、第2の形態に係る現像装置104の断面図である。図9は第2の形態に係る現像装置104の下部機構の平面図である。以下、感光体ドラム101Y,101M,101C,101Kを感光体ドラム101と称し、帯電装置102Y,102M,102C,102Kを帯電装置102と称し、露光装置103Y,103M,103C,103Kを露光装置103と称し、現像装置104Y,104M,104C,104Kを現像装置104と称す。
現像装置104は、現像装置本体140、現像ローラ141、現像剤量規制部材142、現像剤供給部材(以下、供給スクリューと称す)143、現像剤攪拌部材(以下、攪拌スクリューと称す)144等から構成されている。現像ローラ141は現像剤担持体141Aと磁界発生部141Bとから構成されている。
現像剤担持体141Aと供給スクリュー143との対向近接点において、現像剤担持体141Aは下方から上方に回動し、供給スクリュー143は上方から下方に回動し、現像剤量規制部材142は磁界発生部141Bの汲上磁極S2の近傍に配置されている。
現像装置本体140は、供給スクリュー143を収容する現像剤供給室401と、攪拌スクリュー144を収容する現像剤攪拌室402とから成る。現像剤供給室401と現像剤攪拌室402とは、現像装置本体140の底部から直立した仕切部材145を挟んで両側に形成されている。
現像剤担持体141Aと磁界発生部141Bとから成る現像ローラ141は、静電潜像を担持する感光体ドラム101に対向して配置され、回転可能に支持されている。現像剤担持体141Aには、現像バイアスとして交流電源E3による交流電圧と、直流電源E4による直流電圧とが重畳される。
交流電源E3は電圧値{ピークツーピーク(peak to peak)}0.8kV〜1.8kV、周波数5kHz〜7kHz程度の交流電圧を印加する。正弦波、矩形波、三角波等任意の波形の交流が用いられる。
なお、本明細書においては、現像バイアス電圧の交流成分の交流電圧Vacはピークツーピーク電圧である。
図8に示すように、現像剤担持体141Aと供給スクリュー143との対向近接点において、現像剤担持体141Aは下方から上方に回動し、供給スクリュー143は上方から下方に回動する。
磁界発生部141Bは、現像剤担持体141Aの内方に配置され、7極の磁極N1,N2,N3,S1,S2,S3,S4を有する。磁極N1は主磁極、磁極S1は剥取磁極、磁極S2は汲上磁極である。
磁界発生部141Bの複数個の磁極のうち互いに隣接する2磁極S1,S2は、同極性に配置され反発磁界を形成している。現像剤剥ぎ取り用の剥取磁極S1は、現像剤担持体141A上の現像剤を剥ぎ取る。現像剤受け入れ用の汲上磁極S2は、供給スクリュー143により供給された現像剤を汲み上げて現像剤担持体141A上に付着させる。
[現像剤の循環搬送]
(1) 現像剤攪拌室402の上流側において、現像剤供給室401から還流される現像剤と、トナー補給部147から補給される新規トナーとが搬入され、攪拌スクリュー144により攪拌、混合される。
(2) 混合された現像剤は、現像剤攪拌室402の下流側の第1開口部403を通過して搬送され、現像剤供給室401の上流側に導入される。現像剤供給室401内において、現像剤は供給スクリュー143により現像剤移動方向に搬送される。
(3) 供給スクリュー143は回転軸方向に現像剤を搬送しつつ現像剤を現像ローラ141に放出する。
(4) 現像ローラ141上の現像剤は、感光体ドラム101と対向する現像剤領域において現像処理される。現像処理後にトナー濃度が低下した現像剤は、剥取磁極S1により、現像ローラ141から剥ぎ取られる。
(5) 剥ぎ取られた現像剤は現像剤供給室401内に搬入される。
(6) 現像剤供給室401内に搬送された現像剤は、供給スクリュー143によって搬送され、第2開口部404を通過して、現像剤攪拌室402の上流側に導入される。
(7) 現像剤攪拌室402において、図示しないトナー濃度センサのトナー濃度検知信号によりトナー補給部147によるトナー補給が行われる。
[現像剤]
現像剤は、磁性キャリアと非磁性重合トナーとから成る二成分現像剤である。磁性キャリアの1キロエルステッド中の磁化量は20〜70emu/gの範囲にあり、磁性キャリアの粒径は50μm以下である。非磁性重合トナーの粒径は7.5μm以下である。
[現像剤担持体の交流電源の周波数制御]
図10は、第2の形態に係る画像形成装置制御系のブロック図である。
画像形成装置A2は、システム制御部150、操作部151、画像処理部152、現像制御部153、印字率検出部154、通信部155等を有する。
システム制御部150は画像形成装置A2の全体を制御する。即ち、記録紙Pに画像を形成する画像形成工程においては、システム制御部150は、帯電装置102、露光装置103、現像装置104、一次転写部107、二次転写部109、給紙装置120等を所定のタイミングで起動/停止して記録紙Pに画像を形成する。
操作部151は画像形成データを設定、入力する。画像処理部152は原稿を読み取って得られた画像データ又は外部機器から受信した画像データに基づいて露光装置103を駆動する画像データを生成する。
現像制御部153は印字率検出部154の検出結果に基づいて、現像装置104の現像バイアス電圧を印加する交流電源E3が出力する交流電圧Vacの周波数fを変更するように制御する。
また、現像制御部153は、印字率検出部154によって検出された印字率が規定値より低い場合には、交流電源E3が出力する交流電圧Vacの周波数fを低くするように制御する。
交流電圧の周波数fが低く設定された場合、コート紙の使用、現像剤ライフ、画像形成装置周辺環境湿度の少なくとも一つを検出したとき、その検出値により、現像制御部153は、V0−Vdcを高い値に変更する制御を行う。ここで、V0は感光体ドラム101の帯電電圧、Vdcは直流電源E4の直流電圧を示す。
印字率検出部154は、画像面積と画像データとに基づいて印字率を算出する。また、印字率検出部154は、現像装置104の作動時間と画像データとに基づいて印字率を算出する。
複写画像形成工程中の画質制御工程、即ち、印字率に基づいて交流電源E3を制御し、交流周波数Fを制御するためには、現像制御部153は操作部151においてオペレータにより設定された記録紙Pのサイズ情報及び枚数情報から全画像面積を算出する。現像制御部153は、また、画像処理部152から画像データを入力して、画像データ量を算出する。画像が2値画像の場合には、画像データ量は黒画素ドット数の積算値であり、多値画像の場合は、画素値の積算量である。
現像制御部153は所定枚数の画像形成毎に全画像面積∫Gsに対する画像データ量∫Gdのパーセンテージ(∫Gd/∫Gs)×100を計算し、計算結果に基づいて、交流電源E3を制御し、交流電圧Vacの周波数fを制御する。
なお、印字率の計算においては、画像の幅をサイズによらず一定とし、画像の長さ(図7における記録紙Pの搬送方向の長さ)を積算した値を全画像面積∫Gsとする等の近似計算により印字率を算出することも可能である。
更に、選択現像によるトナーの粒度分布の偏りがトナー消費率の低い場合に起こる現像であることに鑑み、トナー消費率、即ち、図8における現像剤担持体141Aの回転量に対する画像データ量のパーセンテージを印字率として近似計算することにより、印字率を求めることができる。なお、現像剤担持体141Aの回転量は、現像装置104の作動時間に相当する。
外部から受信した画像データに基づいて画像形成を行うプリント画像形成工程においては、現像制御部153は通信部155から入手した記録画像のサイズ情報及び枚数情報に基づいて、全画像面積を算出し、1ジョブ中の画像データに基づいて画像データ量を算出するとともに、こられの算出結果から印字率を計算する。
計算した印字率に基づいて、現像制御部153は交流電源E3を制御して交流電圧Vacの周波数を可変に制御する。
交流電圧Vacの周波数制御は、印字率が低いときには、交流電圧Vacの周波数を低い値に変更する制御を行う。交流電圧Vacの周波数制御の態様としては、印字率に対して交流電圧Vacの周波数を連続的に変化させてもよいし、段階的に対応させてもよい。体表的な制御の態様としては、印字率の閾値を設定し、閾値以上では標準の交流電圧Vacの周波数に設定し、閾値を下回ったときは、標準値よりも低い交流電圧Vacの周波数に設定する。
このような交流バイアス電圧の周波数制御により、選択現像が抑制されて常に高い画質が維持される。
現像バイアス電圧の交流電圧Vacの周波数fを常時低く設定した場合、現像かぶり防止対策が必要となる事がある。それを常時かぶりマージンの増加で対応した場合、キャリア付着が増え、現像剤量減少にもつながる。
かぶりマージンについて、図11を用いて説明する。
図11は、かぶりマージンを説明する図であり、感光体ドラム101の表面電位を示す。図において、V0は感光体ドラム101の帯電電位、即ち、帯電装置102により帯電された未露光の感光体ドラム101の表面電位、Vdcは現像バイアスの直流成分の電位、VLは最大露光部電位、即ち、帯電装置102により帯電され、露光装置103により最強強度の露光を受けた感光体ドラム101の表面電位である。
現像において、トナーはVdc−VLの画像形成範囲の電位部に付着して像を形成する。V0−Vdcはトナーが付着しない電位の範囲であり、かぶりマージンと称される。
理論的には、かぶりマージンの範囲の電位部にはトナーは付着しないが、静電気力以外の力の作用や、逆帯電トナーが存在する場合に、かぶりマージンの範囲の電位にある感光体ドラム101の部分にもトナーが付着してかぶりが発生する。
かぶりマージンV0−Vdcを狭くすると、かぶりが発生しやすくなり、かぶりマージンV0−Vdcが広くなると、かぶりが発生しにくくなる。
また、現像バイアス電圧の交流電圧Vacの周波数fが低い場合、写真画像等のべた画像に対して画像ムラが発生する。
以上のように、第2の形態においては、印字率の異なる画像を選択現像が行われた場合に生ずる現像部中のトナーの粒度分布の変化及びそれによる現像かぶり、ハーフトーン荒れ等の画質の低下やトナー飛散が良好に防止され、高い画質の画像を安定して形成する画像形成装置が実現される。
選択現像により現像部中のトナーの粒度分布が小粒径側にシフトし、画質の低下やトナー飛散が発生しやすくなるが、第2の形態により、これらの望ましくない現象が十分に防止され高い画質の画像を安定して形成する画像形成装置が実現される。
第2の形態により、選択現像により生ずる望ましくない現象が特に良好に防止される。
第2の形態により、印字率を検出するための特別な装置を付加することなく、印字率を検出することができる。
以下、前記第1の実施の形態の具体例を、参考例1、実施例2及び参考例3に例示する。
また、前記第2の形態の具体例を、参考例4,5に例示する。
<参考例1>
直流電圧Vdc:−500V
交流電圧Vac:印字率2%以上で1.0kV(pp)
印字率2%未満で1.5kV(pp)
交流周波数:5kHz
現像間隔Ds:0.3mm(像担持体と現像剤担持体間の最短距離)
速度比Vs/Vp:2(像担持体の線速度Vpと現像剤担持体の線速度比Vsとの比、像担持体と現像剤担持体とは同方向に移動)
現像剤搬送量M:200〜240g/m2
比較例1では、印字率に関係なく交流電圧Vac(pp)を1.0kV、一定に設定した他は参考例1と同一条件で画像を形成した。
印字率1%の画像を5000枚形成した段階における画質評価の結果は表2に示すとおりである。印字率の閾値を2%としたので、参考例1では、Vac=1.5kV、比較例ではVac=1.0kVを印加した。
表2において○は画質低下がほとんど無く、画質が十分に良好、△は画質低下発生、×は顕著な画質低下発生をそれぞれ示す。
<実施例2、参考例3>
表3に示す条件を設定し、印字率1%の画像を10000枚形成した段階で画質を評価した。
画質の評価結果を表4に示す。表3中、Hは印字率2%以上の場合、Lは印字率2%未満の場合をそれぞれ示す。
表4において○は画質低下がほとんど無く、画質が十分に良好であること、□は若干の画質低下が発生したが、許容範囲であること、×は顕著な画質低下発生をそれぞれ示す。なお、−は濃度低下が著しく、他の項目の評価の価値がないために、評価しなかったことを示す。
<参考例4>
本参考例では、低カバレッジ(低印字率)時に限り周波数fを低く設定する事によりキャリア付着によるキャリア量減少を防止するものである。即ち、低カバレッジ時では、ムラが目立ちにくい。また、低カバレッジ時に特に多く印字されるのは文字であり、文字の場合、ムラは問題とならない。
表5は低カバレッジ時の交流電圧の周波数制御を示す。
印字率2%以上では周波数fを5kHzに設定されている。印字率2%未満の低カバレッジでは周波数fを3kHzに切り換え制御する。
図12は粒度径分布の変化を示す特性図である。
L1は、スタート時、即ち、現像によりトナーが消費される前の現像装置中のトナーの粒度分布曲線である。L2、L3は表5に示すような交流バイアス電圧の印可して現像を行ったときに、感光体ドラム101のトナー像を形成しているトナーの粒度分布曲線である。L2は周波数fが5kHzの場合の現像装置中のトナーの粒度分布曲線である。L3は周波数fが3kHzの場合の現像装置中のトナーの粒度分布曲線である。
図12は、次の条件で現像を行った場合の結果である。
直流電圧Vdc:−500V
交流電圧Vac:1.0kVp−p
交流電圧の周波数f:5kHz、3kHz
現像領域の間隔(感光体ドラム101、現像剤担持体141A間の最短距離)Ds:0.3mm
感光体ドラム101と現像剤担持体141Aとの線速度比Vs/Vp:2
(感光体ドラム101の線速度=Vp、現像剤担持体141Aの線速度=Vs)
現像剤担持体141Aによる現像剤搬送量M:200〜240g/m2
図12から明らかなように、交流電圧Vacの周波数fが高い程(5kHz)、粒径の大きなトナーが優先消費され、交流電圧Vacの周波数fが低い程(3kHz)、粒径の小さなトナーが優先消費される。
ニュートナーの粒度分布と、現像に用いられたトナーの粒度分布とがずれていることから明らかなように、交番電界下で行われる現像においては、現像が進行するに従って、現像装置104中のトナーの粒度分布が変化する。即ち、高い周波数の現像バイアスで現像を行う場合には、小粒径トナーが優先消費される結果、現像装置104中のトナーには小粒径のトナーの割合が高くなり、低い周波数の現像バイアスで現像を行う場合には、小粒径のトナーが優先消費される結果、現像装置104中のトナーには、大粒径のトナーの割合が高くなる。
理論的には、ニュートナーの粒度分布に現像において消費されるトナーの粒度分布が一致するように交流電圧Vacの周波数を設定すれば、現像を続けた場合にも現像装置104中のトナーの粒度分布は変化しないことになるが、実際上このような設定はきわめて困難であり、画像形成工程を続行する場合に、現像装置104中のトナーの粒度分布が変化することが避けられない。
表6は、低カバレッジ時の交流電圧Vacの周波数制御有無の性能比較を示す。
表6において○は画質低下がほとんど無く、画質が十分に良好、△は画質低下発生、×は顕著な画質低下発生をそれぞれ示す。
低カバレッジ時に周波数制御を行い、周波数を3kHzに変更する事により、ハーフトーン荒れ、現像かぶりが低減し、特に、トナー飛散が著しく改善される。
図13はトナーの帯電量分布を示す特性図である。
図13において、帯電量はトナー粒子1個1個が有する電荷量を示し、電荷量/粒子直径(Q/D)で表している。単位はfC/μmである。
L4はトナー全体の帯電量分布、曲線L5は小粒径側2割の粒子の帯電量分布曲線、L6は標準6割の粒子の帯電量分布曲線、L7は大粒径側2割の粒子の帯電量分布曲線を示す。
図14は帯電量分布を計測するときのトナー粒子のサンプリング範囲を示す特性図である。図14に示すL5、L6、L7で示す粒径範囲にある粒子の帯電量分布が、それぞれ図13の帯電量分布曲線L5、L6、L7で示すものである。
図6の帯電量Q/Dは負帯電トナーを用い、次の条件で現像を行い、5000枚の画像を形成した段階において、帯電量を測定した結果である。
直流電圧Vdc:−500V
交流電圧Vac:1kV
交流周波数:5kHz
現像領域の間隔Ds:0.3mm
速度比Vs/Vp:2
現像剤搬送量M:200〜240g/m2
印字率(全画像面積に占める濃度0を超える画像面積の割合):1%
図13から明らかなように、小粒径トナーほど帯電量が低い。帯電量Q/Dの違いにより現像性が変わることは知られており、帯電量Q/Dが低下すると、現像かぶりやトナー飛散の発生が起きやすくなり、また、ハーフトーン画像の荒れが目立つようになる。
以上説明した実験結果から、画像形成を重ねるに従って、トナーの粒度分布が変化し、この変化により、トナーの帯電量が変化することが分かる。そして、この帯電量変化により、画質に影響が出て画質の低下を起こす場合が生ずる。
このような傾向は、低印字率の画像を多く形成する場合に強くなる。即ち、低印字率の画像を多量に形成した場合、トナー補給量の少ない状態で画像形成が継続して行われる結果、選択現像により現像装置内のトナーの粒度分布に偏りが大きくなって、画質の低下を招く結果となる。
このような実験に基づいた知見から、本形態においては、形成する画像の印字率を検出し、検出結果に基づいて現像バイアス中の交流電圧Vacの周波数fを制御した。交流電圧Vacの周波数fの変化により図12に示すように現像に用いられるトナーの粒度分布が変化するので、交流電圧Vacの周波数fを制御する事により、現像装置104中のトナーの粒度分布を制御することが可能となり、低印字率画像を形成することにより生ずる現像装置内のトナーの粒度分布の偏りを防止するが可能となる。
即ち、検出結果に基づいて、現像バイアス中の電圧Vacの周波数fを制御している。この制御により、現像装置内のトナーの粒度分布の変動を抑制し、現像かぶり、ハーフトーン荒れ、トナー飛散等の望ましくない現象が十分に抑制される。
具体的には、印字率を検知し、印字率が低い場合には、交流電圧Vacの周波数fを低い方に変更する制御が行われる。
ここに印字率とは、画像面積Gsの累積値である全画像面積∫Gsに形成される濃度が0(ゼロ)でない画像の画像データ量Gdの累積値である全画像データ量∫Gdの比∫Gs/∫Gd×100パーセンテージであり、所定枚数の画像形成毎に計算される。
所定枚数とは、例えば、100枚のように、予め一定数に決まられた枚数又は操作部もしくは外部から設定された1画像形成ジョブで形成する枚数であり、これらを組み合わせて所定枚数とすることもできる。
<参考例5>
現像条件を以下に示す。
印字率:1%
交流電圧Vacの周波数f:3kHz
直流電圧Vdc:−500V
交流電圧Vac:1.0kVp−p
現像領域の間隔(感光体ドラム101、現像剤担持体141A間の最短距離)Ds:0.3mm
感光体ドラム101と現像剤担持体141Aとの線速度比Vs/Vp:2
(感光体ドラム101の線速度=Vp、現像剤担持体141Aの線速度=Vs)
現像剤担持体141Aによる現像剤搬送量M:200〜240g/m2
表7は低カバレッジ時のかぶりマージン制御有無の性能比較を示す。なお、表中のいずれの例も周波数制御は行っており、本形態の範囲内である。
表7(1)は、周辺環境湿度とかぶりマージン制御との関係を示すものである。
周辺環境湿度RHを、50%以下、50%超で60%以下、60%超の3段階に可変設定した。普通紙上の現像かぶりは、普通紙上の白地濃度とかぶり濃度との相対反射濃度で測定した。
かぶりマージン制御有りの場合には、上記の周辺環境湿度RHにおいて、普通紙上の現像かぶりが0〜0.003内の微小範囲内である。
かぶりマージン制御無しの場合には、上記の周辺環境湿度RHにおいて、普通紙上の現像かぶりが、50RH%以下の低湿度では問題無いが、50%超で60%以下の常湿、又は60%超の高湿の環境下では0.004〜0.006内の範囲内に増大する。
表7(2)は、周辺環境湿度を50%以下に固定し、普通紙とコート紙の一例である光沢紙との2種類の記録紙と、かぶりマージン制御との関係を示すものである。
かぶりマージン制御有りの場合には、上記の周辺環境湿度RHにおいて、普通紙上の現像かぶりが0であり、光沢紙上の現像かぶりが0.002内の微小範囲内であり、何れも良好な結果が得られる。
かぶりマージン制御無しの場合には、上記の周辺環境湿度RHにおいて、普通紙上の現像かぶりが0であるが、光沢紙上の現像かぶりは0.005に増大する。
本例では、コート紙使用時、もしくは、周辺湿度が高い場合に、かぶりマージンを高く設定し、かぶりを減少させている。以上のように、かぶりマージン制御は、環境(周辺湿度等)、紙種に応じて制御する事が好ましい。
本参考例に示すように、周波数制御に加えて、かぶりマージン制御を行う事により、現像かぶりも抑え、さらなる高画質化が可能となる。
また、現像剤ライフによって、帯電量が低下し、かぶりが発生しやすくなる事がかんがえられる。現像剤ライフとは、現像剤を画像形成装置にて使用する時間に相当する。この時間は、現像器交換もしくは現像剤交換の後(初めて使用する場合も含む)からのプリント、コピー枚数より検出する。または、現像器交換もしくは現像器交換の後(初めて使用する場合も含む)からの現像ローラ走行距離、回転時間の積算値により検出する。
よって、現像剤ライフに応じて、このかぶりマージン制御を行う事で、さらにかぶりを防止する事が可能となる。
なお、本発明は、前記実施の形態に限定される事なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。