JP4366548B2 - オゾン使用脱臭装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、オゾンを使用して臭気成分を含む被処理ガスから前記臭気成分を処理するオゾン使用脱臭装置および方法に関し、廃棄物、し尿、有機質ゴミ、肥料、畜産糞、その他臭気が発生する物質を取り扱う施設における臭気除去技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
悪臭を発生させる臭気成分としては、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、トリメチルアミン、その他多くの物質がある。このような臭気成分を処理する装置としては、酸やアルカリ、次亜塩素酸ナトリウム等を用いた薬品洗浄式脱臭装置や、オゾンを使用した脱臭装置が知られている。オゾンを使用すれば、オゾンの強い酸化力で臭気物質を酸化して臭気を低減させることができ、薬品洗浄式脱臭装置に較べて、装置構成が簡単で安価なものになると共に、取り扱いに注意を要する各種薬品が不要になることや塩素化合物を生成させる恐れがなくなる点で安全性の高い装置にすることができる。
【0003】
しかし、特にアンモニアのように、水溶性はあるが原理的にオゾンとの反応がゆるやかな臭気成分に対しては充分な脱臭効果が得られないため、従来の装置では、アンモニア等を含む被処理ガスをオゾン処理の前に水洗し、アンモニア等の水溶性臭気を水と共に除去し、その後、オゾンと反応性のある硫黄化合物等の臭気成分を含む被処理ガスに直接オゾンガスを注入して処理するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のオゾン使用脱臭装置では、装置構成が複雑であると共に、多くの水洗水が消費されるかもしくは別の水洗水排水処理システムを設ける必要が生じ、一方、被処理ガスを水洗しない場合には脱臭効果が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は従来技術に於ける上記問題を解決し、簡単な構成で、設備費用及び運転費用が低減され、オゾンとの反応のゆるやかなアンモニア等を効果的に除去でき脱臭効果の向上したオゾン使用脱臭装置および方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、オゾンを使用して臭気成分を含む被処理ガスから前記臭気成分を処理するオゾン使用脱臭装置において、前記被処理ガスを洗浄する水洗水が入れられる水洗塔と前記水洗水を循環させる循環系とを有し、前記水洗塔は、前記被処理ガスが入れられる被処理ガス入口と、前記水洗水が入れられる水洗水入口と、前記被処理ガスと前記水洗水とを接触させる接触部と、前記被処理ガスが前記接触部を通過して処理された処理ガスとして出される処理ガス出口と、前記水洗水が出される水洗水出口と、を備え、前記循環系は、前記水洗水出口から出た前記水洗水を吸入して循環水として前記水洗水入口に供給するポンプと、前記循環水中にブロムイオンを発生させるブロムイオン発生手段と、前記ブロムイオンと反応した後に溶存オゾンが存在するように前記循環水中に前記オゾンを供給するオゾン供給手段と、を備えており、前記循環系は、前記循環水を前記水洗塔内に前記水洗水入口を介して導入し、前記水洗塔内に配置された散水管に直接導くように構成されており、前記ブロムイオンと反応後の溶存オゾンを含む水洗水を前記散水管から噴射することで、前記水洗塔内にオゾンガスを気散させることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、オゾンを使用して臭気成分を含む被処理ガスから前記臭気成分を処理するオゾン使用脱臭方法において、被処理ガス入口を介して水洗塔内に被処理ガスを導入するステップと、水洗水入口を介して前記水洗塔内に水洗水を導入するステップと、前記被処理ガスと前記水洗水とを前記水洗塔内で接触させるステップと、前記被処理ガスが前記水洗水との接触により処理された処理ガスを前記水洗塔から処理ガス出口を介して排出するステップと、前記水洗塔から水洗水出口を介して前記水洗水を排出するステップと、前記水洗水出口から出た前記水洗水をポンプにより吸入して、循環水として前記水洗水入口に供給するステップと、ブロムイオン発生手段により前記循環水中にブロムイオンを発生させるステップと、前記ブロムイオンと反応した後に溶存オゾンが存在するように、オゾン供給手段により前記循環水中に前記オゾンを供給するステップと、前記循環水を前記水洗塔内に前記水洗水入口を介して導入し、前記水洗塔内に配置された散水管に直接導いて、前記ブロムイオンと反応後の溶存オゾンを含む水洗水を前記散水管から噴射することで、前記水洗塔内にオゾンガスを気散させ、前記被処理ガス入口から前記水洗塔内に導入されて水洗水に溶解しなかった被処理ガスの臭気成分を酸化分解するステップと、を備えることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用したオゾン使用脱臭装置の全体構成の一例を示す。
オゾン使用脱臭装置は、オゾンを使用してアンモニアや硫化水素等の臭気成分を含む被処理ガスから臭気成分を大幅に除去して処理する装置であり、被処理ガスを洗浄する水洗水が入れられる水洗塔1、水洗水を循環させる循環系2、等を有する。
【0009】
水洗塔1は、被処理ガスが入れられる被処理ガス入口11、水洗水が入れられる水洗水入口12、被処理ガスと水洗水とを接触させる接触部である塔内13、被処理ガスが塔内13を通過して処理された処理ガスとして出される処理ガス出口14、水洗水が出される水洗水出口15、等を備えている。なお、図示の水洗塔1はスプレー式のものであるが、充填塔などの他の形式のものであってもよい。
【0010】
被処理ガスは例えばブロワー3により送り込まれる。被処理ガスは、塔内13で水洗水と接触し水分を随伴することがあるため、ミストセパレータ4を介して排出される。水洗水入口12には、水洗水スプレー用の多孔散水管16が導設されている。又本例では、少量の補給水が入れられる補給水管17、塔内13に一定の水洗水が溜まると排出されるように開口端18aから少量のオーバーフロー水を排出する排水管18、等が設けられている。
【0011】
循環系2は、水洗水出口15から出た水洗水を循環水として吸入して水洗水入口12に供給するポンプ21、循環水中にブロムイオンを発生させるブロムイオン発生手段としての臭素剤容器22、オゾンがブロムイオンと反応した後に循環水中に溶存オゾンが存在するように循環水中にオゾンを供給するオゾン供給手段としてのオゾンガス発生装置5及びエゼクタ23、等を備えている。
【0012】
臭素剤容器22は、その中に臭素剤として臭化ナトリウム等の臭素化合物を投入して閉鎖できると共に、水洗水でもある循環水が臭素化合物を通過するように形成されていて、循環水によって臭素化合物中の臭素をブロムイオンにして送り出すための装置である。なお、臭素化合物は、臭素剤容器22に最初に一定量投入されると、その後は、不足した分だけ間歇的に投入されればよい。
【0013】
オゾン発生装置5としては、高濃度のオゾンガスを発生させ高濃度のオゾン水を製造できると共にNOxを含まないオゾン及び酸素からなるガスを発生させる固体高分子電解質膜を用いた電解式オゾン発生装置が望ましいが、他の形式のものであってもよい。臭素化合物の投入量従ってブロムイオンの量、オゾンガスの発生量、循環水量等は、処理すべき臭気成分の種類や量により、後述するように相互に関連した値として定められる。
【0014】
又本例の装置では、水洗水の一部分としてエゼクタ23を出た後の循環水を分流させ、この水に紫外線を照射する紫外線照射装置としてのUV灯6を設けている。
【0015】
発明者等は、実施例として、以上のようなオゾン使用脱臭装置を飼料工場に配設し、表1に示す運転結果を得た。以下に、この運転データを参照しつつ、上記装置の使用方法及び作用効果について説明する。
上記のようなアンモニアや硫化水素等から成る臭気成分を含む被処理ガスは、ブロワ3で吸引され、水洗塔1の下方に設けられた被処理ガス入口11から塔内13に流入し、下方から上方に流される。水洗塔1の下部には、排水管18の開口端18aの高さ程度まで水洗水が溜まるように充填されていて、これを含む水洗水及び水洗水でもある循環水の総量は1m3 程度になっている。被処理ガス中のアンモニア濃度が上記の1ppm 程度であるときには、これを処理するために必要なブロム酸が得られる量として、上記総量である保有水量1m3 中に2ppm 程度の濃度でブロムイオンが存在するように、容器22に約2.6gの臭化ナトリウムを入れる。
【0016】
なお、次に述べるように、ブロムイオンが多いとアンモニアを処理するには好都合であるが、臭素化合物を過剰に投入すると、アンモニアが多いときにはオゾンがブロム酸を生成させるために全て消費されてしまうので、供給できるオゾン量が一定である場合には、アンモニアと共に他の臭気成分に対するオゾン処理効果を考慮して臭素化合物の投入量を調整することが望ましい。
【0017】
オゾン発生装置は、少なくとも、オゾンが上記ブロムイオンと反応した後にも、循環水中に溶存オゾンとして存在するために必要な量のオゾンを発生させる。前記実施例では、このような量を42g/h としている。このオゾンは、エゼクタ23で吸引され、ブロムイオンが存在する循環水中に注入され、次の公知の反応式によってブロム酸を生成させる。
【0018】
この反応により、ブロムイオンは全てブロム酸になる。ここで、ブロムイオン2ppm は0.025モル/m3 に相当するので、実施例のように循環水量が30m3/hであれば、ブロムイオンの流量は0.75モル/hになる。これに対して、42g/h のオゾンは、0.875モル/hの流量である。従って、上式により、0.75モル/hのブロムイオン及び上記流量のオゾンが反応して、0.75モル/hのブロム酸を生成されると共に、0.125モル/hの流量だけオゾンが過剰になり、これが循環水流量30m3/hに対しては0.2ppm の濃度で存在することになる。即ち、エゼクタ23の出口部分では、少なくとも0.2ppm の溶存オゾンが存在し、このような比較的高濃度のオゾン水の大部分が水洗塔1に供給され、一部分はUV灯6に送られる。
【0019】
上記の如く0.75モル/hのブロム酸と少なくとも0.2ppm の溶存オゾンとを含有する循環水のうちの大部分である25m3/hは、水洗水入口12から水洗塔1に入り、多孔散水管16から下方に多方向に噴射され、上昇してくる被処理ガス中の臭気成分と気液接触し、アンモニア等の水に溶解し易い臭気成分を溶解させ、これらを被処理ガスから除去する。
【0020】
一方、水洗水中に溶存していたオゾンガスは、水洗水がスプレー水となって低圧で拡散流下するときに塔内13で気散し、臭気成分のうち水に溶解しなかった成分を酸化分解して無臭物質にする。この場合、水洗水が塔内13に均一的にスプレーされるので、気散するオゾンガスも均一的に発生し、臭気成分と一様に接触して効率良くこれを処理することができる。オゾンによって臭気成分が無臭化された後の被処理ガスは、ミストセパレータ4を経由して処理ガス出口14から排出される。水洗時に被処理ガスが随伴した微小水分はミストセパレータ4によって分離され塔内に回収される。
【0021】
水洗水中に溶解したアンモニアは、次の式によってブロム酸と反応し、窒素とブロムイオンと水に分解される。
【0022】
この式によれば、アンモニアが多いときには、最初に投入したブロムイオンがオゾンによって一度ブロム酸になるがアンモニアと反応してブロムイオンに戻るので、これを再びブロム酸にするためにオゾンガスが消費される。その結果、実施例の被処理ガスのようにアンモニアを多く含有している場合には、水洗水として供給される循環水中の溶存オゾンは常に最小値である0.2ppm 程度になる。一方、アンモニアが少ないときには、ブロム酸がある程度残留するので、ブロムイオンの量が減少し、これをブロム酸にするためのオゾン量も減少し、溶存オゾンは前記0.2ppm より多くなる。なお、残留したブロム酸はそのまま次のアンモニア処理に回される。アンモニアが充分少ない場合に、供給された42g/h のオゾンガスが全て循環水中に溶存するとすれば、そのときにはオゾン水のオゾン濃度は最大の1.4ppm になる。
【0023】
前記の如く本例では循環水を含む水洗水の総量を1m3 程度にし、この量を維持するように小量の水を補給水管17から新たな水を補給しつつ排水管18の開口端18aからオーバーフローさせるようにしている。オゾンによれば、水洗水に溶解した臭気成分を酸化して無臭物にすることができるが、これらの酸化物が水洗水中に発生することになる。従って、上記補給水は、被処理ガスの持ち出し等による損失水を補うと共に、水洗水中に酸化物から成る有機物が次第に蓄積して水洗塔1や循環系2に汚れが生ずるのを防止するために、水洗水を小量づつ置換して一定の水質を維持する作用をする。このような補給水の量は、被処理ガス中の臭気成分の量や種類にもよるが、例えば1〜2日で保有水が補給水で置換されればよい程度であり、本例では50L/h程度以下の少ない量である。なお、本例のようにUV灯6を設けると、次に述べるように、その作用によって補給水を更に十分少ない量にすることができる。
【0024】
循環水の一部分である約5m3/hの水はUV灯6に流された後水洗塔1に戻される。この水には、少なくとも0.2ppm の溶存オゾンが含まれていて、これが紫外線照射を受けて強制分解されるが、このとき、強力な酸化力を有する原子状酸素やヒドロラジカルを生じさせるので、その作用によって前記有機物を水と炭酸ガスに分解する。従って、このようにUV塔6を設けると、被処理ガス中の臭気成分を処理しても、循環する水洗水中に汚れ成分等が殆ど蓄積されなくなる。従って、補給水は損失水を補う程度の量でよいことになる。又、被処理ガス中に臭気成分量が多く、排水の水質が問題になるようなときには、UV灯の設置が特に有効になる。
【0025】
発明者等は、本発明の装置を設けた同じ飼料工場において、実施例の装置効果と比較するための実験を行い、次のような運転結果を得た。
この比較例では、同じオゾン発生装置を用いて、同じ濃度のオゾンガスを同じ量だけ発生させ、気体としてフロワー3に吸入させ、水洗塔1を乾式のオゾン反応塔として使用している。前記実施例と上記比較例とを対比すれば、本発明を適用した水洗塔プラス水循環方式のオゾン使用脱臭装置では、比較例の装置よりも、アンモニアを主として全体的に臭気成分の除去率が大幅に向上していることが分かる。
【0026】
表3及び表4は、悪臭防止法に示されている悪臭物質の濃度と臭気強度との関係及び臭気強度と快不快度との関係を示す。なお表4では、−の値が大きい程不快度が大きいことを示している。
【0027】
【0028】
表3、4により、表1、2の臭気成分の濃度測定結果を臭気強度及び快・不快度として示すと、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、硫化メチル、及び二硫化メチルのそれぞれの臭気強度及び快・不快度が、処理前には約:
2.5/-0.9 2/-0.5 3.7/-2.6 3.1/-1.6 2.5/-1.0 2.5/-0.9
であったのに対して、実施例の装置による処理後には、それぞれ約:
0.2/+0.5 1.2/+0.5 2.1/-1.0 2.1/-0.6 1.9/-0.5 1.9/-0.4
となった。この結果によれば、アンモニア及び硫化水素では快・不快度が芳香性を示すプラスに転じ、他の臭気成分でも大幅に低下していて、臭気強度は2.5を大きく下回っている。
【0029】
これに対して比較例では、上記と同じ処理前の値に対して、処理後の値は、それぞれ約:
2.4/-0.8 1.4/+0.2 2.5/-1.4 2.5/-0.9 2/-0.6 2.2/-0.7
となり、脱臭効果が不十分で、臭気強度が2.5又はこれに近く一部のガス(トリメチルアミン)では2.5を超えるという結果であった。
【0030】
従って、比較例では、アンモニア等の水溶性臭気成分を含有した被処理ガスの脱臭には、更に別の水洗塔を用いて前処理又は後処理する必要がある。しかしその場合には、実施例の装置に較べて余分な装置が必要になって設備が複雑化すると共に、水洗してアンモニア等を除去できても、これらの水溶物が水洗水中に残るので、その処理が問題になってくる。
【0031】
これに対して本発明を適用した実施例の装置は、オゾンとブロムイオンとを適度に注入できる水洗塔及び循環系の組み合わせから成る簡単で安価な構成のものである。そして、アンモニア等の水溶性ガスを含む臭気成分の臭気強度を大幅に低下させ、その不快度を下げ、処理ガスを大気放出可能にする。更に、水洗処理した臭気成分の酸化物を窒素、炭酸ガス、水等に完全に分解し、二次処理の必要な汚れ成分を含む水を発生させない。そして、水洗水を循環使用可能にして、水消費を殆どなくし、臭気処理の運転コストも下げることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、請求項1の発明においては、オゾン使用脱臭装置が所定の構成を備えた水洗塔と水洗水を循環させる循環系とを有するので、水洗塔では、被処理ガス入口から臭気成分を含む被処理ガスを入れると共に水洗水入口から被処理ガスを水洗するための水洗水を入れ、接触部で被処理ガスと水洗水とを接触させ、接触部を通過して処理された処理ガスを処理ガス出口から排出すると共に水洗水を水洗水出口から排出することができる。その結果、臭気成分のうちアンモニア等の水に溶解しやすいものを水と共に被処理ガスから除去し、それらのガスの臭気を低減させることができる。
【0033】
循環系では、ポンプで水洗水出口から出た水洗水を吸入して循環水として水洗水入口に供給するので、水洗水を循環使用し、水の消費量を最小にし、装置の運転時における水自体又は水を再生するための費用の発生を最小にすることができる。
【0034】
この循環系では、例えば臭素化合物を循環水中に入れられるようなブロムイオン発生手段で循環水中にブロムイオンを発生させると共に、オゾン供給手段により、オゾンがブロムイオンと反応した後に循環水中に溶存オゾンが存在するように循環水中にオゾンを供給するので、ブロムイオンとオゾンとの反応によってブロム酸を発生させ、被処理ガスがアンモニアを含むときにこれをブロム酸によって窒素と水に分解させると共に、ブロム酸のブロム分をブロムイオンに復元させることができる。
【0035】
その結果、オゾンとの反応速度が遅く直接オゾン酸化し難いアンモニアのような臭気成分を確実に脱臭処理することができる。そしてこの場合、ブロム酸によってアンモニアを完全に分解処理できるので、水洗水を特別に後処理することなく循環使用することができる。又、この分解処理においては、ブロムイオン−ブロム酸−ブロムイオンと反応が循環して行われるので、ブロムイオンは原理的には初期供給だけでよく、実際的には小量の水消費とこれを補う補給水との置換分だけを間歇補給することになり、臭素化合物等の原料供給作業や原料のコストは殆ど問題にならない程度である。
【0036】
循環系へのオゾンの供給では、前記のようにオゾンとブロムイオンとの反応後に溶存オゾンを存在させるので、循環水はオゾン水となり、これを水洗水として水洗塔から散水させると、前記の如く臭気成分のうち水溶性ガスがオゾン水中に溶解されると共に、オゾン水のうちの多くはオゾンガスとして気散し、このオゾンガスが臭気成分のうち水溶性のないガスと反応し、これらを酸化して脱臭処理し、その臭気を大幅に低減させることができる。この場合、水洗水として散水されるオゾンガスは水洗塔に一様に拡散されるので、被処理ガスと均一的に接触し、反応効率よく臭気成分を処理することができる。
【0037】
水洗水で除去されたアンモニア以外の有機物臭気成分は、水洗水中の溶存オゾンによって相当程度水と炭酸ガスとに処理されるが、水洗水中に有機物としてある程度残留する場合には、小量の水洗水を排出させつつ新たな水で置換することにより、有機物の濃度を問題になる程大きな値にすることなく排水することができる。
【0038】
以上のように、請求項1の発明によれば、オゾンガスとブロムイオンとを合理的に組み合わせることにより、オゾン使用脱臭装置を水洗塔と循環系だけの極めて簡単な構成の安価な設備で、アンモニア等の水溶性ガスを含む臭気成分を十分除去し、処理ガスとして排出可能にすることができる。又、水洗処理した臭気成分を窒素、炭酸ガス、水等に分解し、汚れ成分等の二次処理の必要な排出物を発生させず、水洗水を循環使用可能にし、通常のオゾンのためのオゾンガス製造費用に追加される費用の発生を殆どなくし、運転コストも十分低減された処理装置にすることができる。
【0039】
上記に加えて紫外線照射装置を設けると、水洗水の一部分に紫外線を照射し、水洗水中に含まれる残留オゾンを強制分解し、そのときに発生する強力な酸化力を有する原子状酸素やヒドロラジカルにより、オゾン水中に溶解した有機物臭気成分を完全に水と炭酸ガスとに分解することができる。その結果、水洗水と置換するための補給水を極めて小量にすると共に、排出される循環水を通常の水と同等の水質の良い水にすることができる。従って、被処理ガス中の有機物臭気成分濃度が高いような場合でも、良好な最終処理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したオゾン使用脱臭装置の全体構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 水洗塔
2 循環系
5 オゾンガス発生装置(オゾン供給手段)
6 UV灯(紫外線照射装置)
11 被処理ガス入口
12 水洗水入口
13 塔内(接触部)
14 処理ガス出口
15 水洗水出口
21 ポンプ
22 臭素剤容器(ブロムイオン発生手段)
23 エゼクタ(オゾン供給手段)
Claims (2)
- オゾンを使用して臭気成分を含む被処理ガスから前記臭気成分を処理するオゾン使用脱臭装置において、
前記被処理ガスを洗浄する水洗水が入れられる水洗塔と前記水洗水を循環させる循環系とを有し、
前記水洗塔は、前記被処理ガスが入れられる被処理ガス入口と、
前記水洗水が入れられる水洗水入口と、
前記被処理ガスと前記水洗水とを接触させる接触部と、
前記被処理ガスが前記接触部を通過して処理された処理ガスとして出される処理ガス出口と、
前記水洗水が出される水洗水出口と、を備え、
前記循環系は、前記水洗水出口から出た前記水洗水を吸入して循環水として前記水洗水入口に供給するポンプと、
前記循環水中にブロムイオンを発生させるブロムイオン発生手段と、
前記ブロムイオンと反応した後に溶存オゾンが存在するように前記循環水中に前記オゾンを供給するオゾン供給手段と、を備えており、
前記循環系は、前記循環水を前記水洗塔内に前記水洗水入口を介して導入し、前記水洗塔内に配置された散水管に直接導くように構成されており、前記ブロムイオンと反応後の溶存オゾンを含む水洗水を前記散水管から噴射することで、前記水洗塔内にオゾンガスを気散させることを特徴とするオゾン使用脱臭装置。 - オゾンを使用して臭気成分を含む被処理ガスから前記臭気成分を処理するオゾン使用脱臭方法において、
被処理ガス入口を介して水洗塔内に被処理ガスを導入するステップと、
水洗水入口を介して前記水洗塔内に水洗水を導入するステップと、
前記被処理ガスと前記水洗水とを前記水洗塔内で接触させるステップと、
前記被処理ガスが前記水洗水との接触により処理された処理ガスを前記水洗塔から処理ガス出口を介して排出するステップと、
前記水洗塔から水洗水出口を介して前記水洗水を排出するステップと、
前記水洗水出口から出た前記水洗水をポンプにより吸入して、循環水として前記水洗水入口に供給するステップと、
ブロムイオン発生手段により前記循環水中にブロムイオンを発生させるステップと、
前記ブロムイオンと反応した後に溶存オゾンが存在するように、オゾン供給手段により前記循環水中に前記オゾンを供給するステップと、
前記循環水を前記水洗塔内に前記水洗水入口を介して導入し、前記水洗塔内に配置された散水管に直接導いて、前記ブロムイオンと反応後の溶存オゾンを含む水洗水を前記散水管から噴射することで、前記水洗塔内にオゾンガスを気散させ、前記被処理ガス入口から前記水洗塔内に導入されて水洗水に溶解しなかった被処理ガスの臭気成分を酸化分解するステップと、を備えることを特徴とするオゾン使用脱臭方法。
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